Ken ito works 2015 2016

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KEN ITO  |  WORKS    2015 ― 2016


作品 つじおりおり ろじおるおる   (建築新人戦 2016 100 選 入賞)

ひとつ。屋根のした。

緑との約束   (第 5 回 E&G DESIGN 学生デザイン大賞 入賞)

電車媒花 合奏する奥行 もしくは 空間決定因子の重複 ARK (高松 伸 作)







ひとつ。屋根のした。


CONCEPT 異なる 7 人を群体として共生せしめるものは何か。もちろんそれは突き詰めれば、相互間の利害関係の一致に他ならない。 この点において共同生活とは、我々の「社会」そのものの縮図といえよう。しかし、そこに暮らす人々に、そっと屋根をかけたなら。 「ひとつ屋根の下に生きる。 」 この共通の帰属意識こそが、言説では表せない、温かな、心地のよい群体、家族をつくりうるのではないかと信じる。 それぞれの「生きる気配」によって形成されるひとつの街。 路地からのレベル差は視線の交錯を避ける安寧のため。先の見通せない路は人を誘う都市の形骸。

鈴木夫妻 ・age 34   32 ・会社員   事務員

堂本夫妻

・宿を提供し副収入 として経済的に潤う。 ・異文化交流できる。

・age 69   68

・孤独死を回避できる。

・画家   専業主婦

・刺激を得ることができる。

留学生と旅行者 ・age 22  未定

・日本人以外と交流できる。 ・通訳できる。 ・日本の deep な部分を知れる。



緑との共存

植物には元来、様々な繁殖方法が存在する。植物は自然や他の力を介することによって、自らの生活圏を拡張する力を持つ。 しかし、時は21世紀。それはあくまで、都会における人間の生活圏(コンクリートジャングル)外での話に成り下がってしまった。 原初の時。我々が植物の生活圏に侵入し、己が生を営もうとした際。植物は我々に活動の制約を求めただろうか。 我々の生活圏において、自由闊達な植物の営みを望むならば、植物を「飼いならす」のではなく、共に「手をとりあう」必要がある。

電車に乗るのは人間だけではない。 風媒花、鳥媒花、虫媒花、水媒花に加えて、新たに電車媒花を提案する。 つまり、人間の移動交通手段がそのまま植物の生殖につながるというシステムである。 電車の上面と側面に発生させる微量の静電気によって、上のようなターミナル駅などで、 、 花粉や種子を捕らえ、次の停車駅や道中など、それぞれの然るべき所へと送り届ける。 このとき、花粉や種子は人間と似たような振る舞いをし、本来、出会うことのなかった 種や場所との邂逅を経て、ターミナルや沿線上に植物の居場所が形成される。



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合奏する奥行もしくは空間決定因子の重複


刹那。建築が限りなくゼロに漸近して消える。それは「おくゆき」が意味を形成する瞬間。この建築が包摂する人々は見透かされる。どのよう空間を呈しているのか。確かめるため、実際に入ってみる。

スマートフォンのアプリのイメージ。 奥行(コンテンツ)が意味を形成する。

プレキャストコンクリートの例。 長方形がかみ合うことでトラスができ 加重に対して強度が増す。

校舎のグリッドを援用した、大小様々なプレキャストコンクリートの長方形。 その重なりの疎と密によって多様な空間の広がりを見せる。

自然とも人工ともいえない、遺跡のような存在。 「洞窟」「広場」「山」「丘」のような要素をあわせもつ。


A R K



Profile  Ken Ito / 伊藤 健 In 1996, born in Suzuka Mie 2015, enter Kyoto University 2016, work at Tadao Ando Architect & Associates


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