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208:見えるものを超えて
from 208:見えるものを超えて
見えるものを超えて
BEYOND SIGHT
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スティーブ・ハーツ
人生は、多種多様なチャレンジに満ちています。何年もの時間を経てから一番大きなチャレンジにあう人もいますが、私の場合は、生まれてまもなく人生最大のチャレンジにあい、今日に至るまでそれは続いています。生まれつき目が見えないのです。
医者は、正確な原因を突き止めることができず、手の施しようがありませんでした。この障害のせいで、特に子どもの頃は本当に辛い思いをしました。特に心に残っているのは、7歳の時のことです。家族はよく聖書の読み聞かせをしてくれて、私はときどき聖書を手に持って聞いていました。ある時、両親が点字聖書を注文したので、私の指は、普通の1冊の聖書ではなく、18冊もの大きな本にふれることになりました。どのページにも点が並んでおり、この何の意味もないように思える点々が、両親が読んでくれていた聖書の言葉と一体何の関係があるのか分かりませんでした。
他にも、自分の状況の現実を思い知らされることが何度もありました。同級生のするレクの活動の多くに参加できないとか、見えることが前提の、色やファッションなどに関する会話があまり理解できないなどです。また、日々の生活で他の人の助けが必要なことなど、並べあげればきりがありません。周りの皆が持っている感覚が自分にはないと思い知るのは辛いことでした。
その頃、両親は、私について耳にし、祈ってくれていた宣教師たちから手紙を受け取りました。彼らが私の状況について神のお考えを求めて祈ると、神は彼らに語られたそうです。それは、神には私が見えるようにすることも可能だけれど、今のままで私を使う計画だということでした。そして、私の状況を、聖書の第2コリント12章7-10に書かれている「肉体のとげ」を持った使徒パウロの状況になぞらえ、私が「見えるものによらないで、信仰によって歩く」よう励ましていました。
このメッセージは私に新しい見方を与えてくれました。強い意思を持っていた母は、点字に関する本を見つけて勉強し、目で点字を読めるようにまでなりました。それから、私が指で読めるようにと教え始めたのです。それは単調な作業でしたが、私は3ヶ月あまりで読めるようになりました。
それからの年月において、他にも数々のチャレンジや勝利がありました。幾つもの楽器を弾けるようになり、それ以来、神が与えてくださったこの能力を用いて、人々を神の王国に導いています。
20歳の時、母を亡くした私は、どん底に突き落とされた思いでした。時間が過ぎると共に、はいあがりはしましたが、その出来事を完全には受け入れられないままでいました。後に神は、私がもっと神への感謝を示すのを学ぶ必要があると教えられました。物事がうまくいっている時だけでなく、喪失の時にも、神への感謝を示す必要があると。
涙を流しながら私がそれをすると、神は私の恨みや心の痛みを洗い流し、地上の言葉では言い表せないような喜びであふれんばかりに満たして下さいました。その時に、あの第2コリント5章7節の「見えるものによらないで、信仰によって歩く」というメッセージが、さらに新しい意味を帯びました。以前ならば神に感謝などできなかった事柄についても、感謝して「信仰によって歩く」ことによって、初めて、魂で「見る」という素晴らしい贈物の報いを受け取ることができたのです。そのおかげで、他の誰よりもすべてをご存知であり、愛し、気づかって下さる方と、より深い関係を持てるようになりました。
私たちは皆、共通のチャレンジに遭遇すると私は考えます。視力や論理を通して物質的に察知できるものを超えて、信仰の目をもって見るのを学ぶというチャレンジです。問題は、私たちにそれができるかどうかではなく、私たちがそれを喜んで学ぶかどうかです。魂の目を開き、視野を広げるように、創造主にしていただくことを選ぶなら、私たちは、限りない可能性をもった新しい無限の世界に入ることになるのです。
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外面的な力が破れた時にも、信仰は約束を土台とする。悲しみのさ中に、信仰は困難からトゲを抜き、あらゆる災いから苦い根を取り去る。 ―リチャード・セシル(1748-1810)イギリス国教会の聖職者
心地よい思いを基盤として、この一日を築きなさい。あなたの進歩を妨げるかもしれない、どんな不完全さにも、あわてふためいてはいけない。自分は神の被造物であるということ、そして、自分の思いを天に向けるなら、どんな夢をも実現する力を持っているということを、必要なだけ何度でも、自分自身に思い起こさせなさい。できると決めるなら、飛ぶことだってできる。敗北したなどとは、二度と思わないことだ。心の内にあるビジョンを、あなたの人生の青写真に描きなさい。 ―オグ・マンディーノ(1923-1996)アメリカの著者・心理学者