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世界に喜びを

世界に喜びを

Joy to the World

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カーティス・ピーター・バン・ゴーダー

クリスマスは喜びとお祝いの時です。多くの国には、この時期を幸せなシーズンとする特有の習慣や伝統があります。

・ メキシコでは、クリスマスの9日前から子どもたちが近所を行進して、ヨセフとマリアが宿を探す様子を再現します。ヨセフとマリアの人形を運ぶ2人の子を先頭に、クリスマス・キャロルを歌いながら、決められた家まで進むのです。到着すると、泊まれる部屋はあるかと尋ねるのですが、最初は断られ、それから受け入れてもらえます。続いて、ごちそうが振る舞われ、お祝いが行われます。ピニャータ(お菓子やちょっとした贈り物などが詰まった、カラフルに装飾された紙製のくす玉人形)が天井から吊るされており、目隠しをした子どもがそれを棒で叩いて割ります。

・ アイルランドでは、クリスマス・イブにキャンドルを灯して窓辺に置き、疲れた旅人を温かく迎えます。

・ スコットランドでは、クリスマスの夜に、貧しい人に贈るための食べ物を箱詰めします。

・ ロシアでは、クリスマス前の期間に断食をするロシア正教徒がおり、クリスマス・イブになると、空に一番星が現れた時、12コースの夕食が始まります。

・ ギリシャでは、クリスマス・イブに子どもたちが家々を回り、幼子キリストの降誕を告げる歌を歌います。

・ ガーナでは、この時のために家族が手作りした鮮やかな紙製のオーナメントで、家々が飾られ、中庭によく植えてあるマンゴー、グアバ、カシューなどの木も同様に飾られます。

・ エチオピアの正教徒は、古代ローマの暦に基づき、1月6日からクリスマスを祝います。

・ インド西部のクリスチャンは、陶器製のランプで家を飾ります。

・ フィリピンでは、9月からクリスマス・キャロルが放送で流れます。

・ 中国のクリスチャンは、光の木と呼ばれる造木を、紙製の鎖や花、ランタンなどのオーナメントで飾り付けます。

・ アメリカでは、鮮やかな色のライトで家を飾ります。道路沿いにキャンドルを並べる地域もあります。

多くの国では、イエスの誕生を示す降誕シーンが展示されるし、イタリアでは、母親が幼子イエスの人形(ジェス・バンビーノ)を飼葉桶に入れ、家族で祈りを捧げます。

世界中で、この喜ばしい出来事を祝う鐘の音が響きます。神がそのひとり子という愛の贈り物を世界に与えてくださったこと以上に喜ばしい出来事があるでしょうか。ノルウェーでは、クリスマス・イブの夕方5時に鐘を鳴らして、クリスマスの始まりを告げます。

そして言うまでもなく、世界中でクリスマス・ツリーが見られます。常緑樹がいつどのようにクリスマスの象徴となったかについては、さまざまな意見がありますが、多くの人が信じているのは、中世ドイツの「楽園の木」が始まりなのではないかということです。それは赤いリンゴで飾られた常緑樹で、クリスマスの時期に上演されて人気の、アダムとエバの舞台劇で使われていました。この劇は、救い主の到来の約束で締めくくられます。一年中緑である木を使うことは、イエスを信じる者に約束された永遠の命を象徴しています。常緑樹が冬も強い生命力を保っているように、キリストは死に対して勝利されたのです。

かつてクリスチャンは、クリスマスの時期に自宅をヒイラギの木で飾りました。ヒイラギは聖木とされましたが、それは、トゲのある葉が、イエスが十字架につけられた際にかぶせられたイバラの冠を思い出させ、赤い実が、私たちの罪の許しのためにイエスが流された血を思い出させるからです。

おそらくもっとも広く行われているクリスマスの伝統は、家族に贈り物をすることで、その起源は「博士(賢者)」たちがイエスに捧げた贈り物です。彼らはメシアの誕生を告げる星を見たので、その方を拝もうとやって来て、黄金と乳香(フランキンセンス)と没薬(ミルラ)を贈り物として捧げました。黄金はイエスが王であることを象徴しています。乳香はイエスが神であることを象徴しています。それは芳香性の樹脂で、王族が使う香や香水の原料となりました。3つ目の贈り物である没薬もまた、芳香性の樹脂で、それを原料に、遺体の防腐処理に用いる香料が作られました。それは、イエスが人として生まれ、将来私たちのために死ぬようになることを象徴しています。イエスの誕生、苦難、死、栄光がすべて、博士たちの贈り物に表されているのです。

でも、こういったさまざまな伝統の意義は何なのでしょうか。史上最初のクリスマス・イブについて考えてみましょう。ベツレヘム近郊の丘の上で、羊飼いたちが羊の番をしていたあの夜のことです。明るい光が突然あたりを照らし、天使たちがいっせいに歌って、イエスの誕生を告げました。羊飼いたちは興奮して、急いで出かけ、起きたばかりの出来事をみんなに知らせました。マリアとヨセフが神の子イエスを抱いた時の喜びを想像してみてください。心を開いて、イエスに表れた神の愛を受け入れるすべての人も、それと同じ言いようのない喜びを感じることができるのです。

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