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822:私のエベネゼル

私のエベネゼル

My Ebenezer Stone

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ディナ・エレンズ

「それ、何なの?」 友人が、私のコーヒーテーブルに置いてある、小さな褐色の石を指差して、そう尋ねました。ごく普通の石ころなので、友人には奇妙に思えただろうと、私は思わず微笑みました。たいてい、人はコーヒーテーブルに何か高価なものか、少なくともきれいなものを置くことでしょう。それなのに、私が置いているのは、どこにでもあるような古びた石なのです。

「それは、私のエベネゼル。ヘブル語で『助けの石』という意味なの。旧約聖書で、神の民は特別な勝利やイベントを記念して、石を立てていたわ。サムエルは、イスラエルが敵のペリシテ人を打ち破った時に、石を立てて、それをエベネゼルと呼んだし、ヤコブも、天まで届くはしごの夢を見た後に、石を立てたのよ。」

そう言いながら、昔のことを思い出していました。私がそれまでとは違う状況に置かれ、道を示してくださるよう神にすがっていた時があるのですが、そんなある朝、ヤコブが双子の兄エサウに殺されないよう逃げた話を聖書から読みました。

逃げた日の夜、ヤコブは夢を見ました。天に達するはしごを天使たちが上り下りしているのが見えたかと思えば、神が現れてヤコブに語り、美しく心強い約束をいくつも与えられたのです。たとえば、この約束です。「わたしはあなたと共にいて、あなたがどこへ行くにもあなたを守り・・決してあなたを捨てず、あなたに語った事を行うであろう。」*1

ヤコブは目が覚め、畏敬の念を覚えて、「まことに神がこの場所におられる」と言いました。そして朝になると、自分が枕にしていた石を取って、それを立てたのです。それから誓願を立てて、こう言いました。「神がわたしと共にいまし、わたしの行くこの道でわたしを守り、食べるパンと着る着物を賜い、安らかに父の家に帰らせてくださるなら、主をわたしの神といたしましょう。」*2

この話を読み終わってから、私も同じような決意をすべきであるように感じました。そこで、もし神がヤコブにされたように私のことを世話してくださるなら、自分の人生を今一度ささげますと、神に約束したのです。「契約締結」のしるしに、私は外へ行って、ヤコブの石のように立てておくことができるような、ごく普通の褐色の石を拾ってきました。そして、自分の決意を覚えていられるよう、ずっとそれを取っておいたというわけです。

現在の状況は不安定で、危うく見えるかもしれないけれど、私たちは神への信仰によって、強くあることができます。神は旧約聖書でヤコブへの約束を果たされたし、私たちへの約束も守ってくださいます。私自身の経験からも、そう言えるのです。

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1. 創世記 28:15

2. 創世記 28:20-21

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