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828:旅人の道
from 828:旅人の道
旅人の道
A Pilgrim's Journey
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ウダイ・ポール
世界の鉄道の中でも、私のお気に入りは、オーストラリアのインディアンパシフィックです。この路線は、東海岸のシドニーから西海岸のパースまで続いています。つまり大陸を横断して、太平洋とインド洋という二つの海を結んでいるのです。3つの時間帯を通過して、4,352キロを運行しており、これはロンドンからイスタンブールまでよりも長い距離です。
所要時間は65時間で、そのほとんどは、極めて荒涼とした景色の中を走ります。途中で通過するナラボー平原は、木が生えていない乾燥気候の平原で、月の表面のような赤茶色をしています。ナラボーという名前は、「木がない」という意味のラテン語「ヌルスアルボル」から来ており、線路の両側には、乾燥し、不毛な石灰岩の台地以外に何もなく、それが延々と地平線の先まで続いているのです。そこには、いっさいカーブのない線路が478キロも続いており、これは世界最長の鉄道直線区間となっています。
いつまでも続くかのように思えた旅もようやく終わりを告げ、列車は終点のパースに到着します。それはまるで、まったくの別世界に来たかのようです。繁栄した都会、美しい街路、立派な建物、公園や広場、そして、海へと流れ込む美しい川。ほんの少し前までは、いくら見渡しても土ぼこりと低木しかなかったことが信じられないほどです。このきらめく都市に到着するのは、まず、何もない荒野を延々と進んでからのことです。
これは、クリスチャンの旅路と、何と良く似通っていることでしょう。この束の間の世を通り過ぎる旅人である私たちにとって、もっとも効果的な旅の仕方は、神が私たちのために備えてくださった道を歩むことです。ちょうど、列車がそのために敷かれたまっすぐな線路を進んでいくように。私たちは、神の御霊に助けられ、神からいただいた平安と慰めをもって、この世の荒野を通り抜けることができます。
旅の終わりには、きらめく新しい都市が私たちを待っています。人の手によらず、創造者である神ご自身によって建てられた都です。黙示録21章が描写しているように、それは地上にあるどんな都市とも違う都であり、神を愛し、神の愛の内にとどまっている神の子どもたちのために備えられました。人間の作った都市とは違い、善がそこに満ちており、悪は入り込めません。つらい暑さと、土ぼこりや低木を後にして、私たちはこの都市に入っていくのです。「さきの悩みは忘れられて・・おぼえられることなく、心に思い起すことはない。」*1
ですから、神が私たちのために整えてくださった道を進もうではありませんか。その旅路を楽しみながら、また、神が最後まで私たちと共にいて、到着先の天国まで無事に連れて行ってくださると確信しつつ。
―――――
1. イザヤ65:16-17