1 minute read
830:アリ塚で見つかったダイヤモンド
from 830:アリ塚で見つかったダイヤモンド
アリ塚で見つかったダイヤモンド
Diamond in an Anthill
Advertisement
カーティス・ピーター・バン・ゴーダー
1997年発行のリーダーズ・ダイジェスト誌に掲載された素晴らしい記事を見つけました。当時、世界一のダイヤモンド産出量を誇っていた、西オーストラリア州のアーガイル鉱山について書かれたものです。この鉱山は、最盛期には、世界のピンクダイヤモンドの90%以上を含め、年に数千万カラットものダイヤモンドを産出していました。
話は1969年にさかのぼります。レナード川沿いの場所で、9つのダイヤモンドが見つかりました。地質学者たちは、この地域にはかなり大規模な鉱脈があると見込みましたが、問題はそれがどこなのかということです。よくできたミステリーと同様、こういった初期の発見によって、彼らはこれがどう展開していくのだろうと興味をあおられました。
アーガイル・ダイヤモンドの探鉱者たちは、本格的に一帯を調査するため、数年かけて人材と資金を調達しました。それから、川を上りながら調査を続け、7年後に、もう2つのダイヤモンドをアリ塚で見つけたのです。もし、6年目であきらめていたら、どうなっていたことでしょうか。
この時点で、彼らは大発見が間近であるとかなり確信したため、競争相手を締め出すため、その一帯にある全てのヘリコプターと四輪駆動車と地図を買い占めました。すると、予想は当たり、それからまもなく、休火山の噴火口内部にパイプ鉱床が見つかったのですが、それでも、実際の採掘が始まったのは、最初の発見から14年が経った1983年になってからのことでした。
アーガイル鉱山で産出されるダイヤモンドの内、50%はキズなどがあって、工業用にしか使われません。45%は宝石品質でなく、宝石品質なのは残りの5%だけです。そして、宝石品質のものの内、カラーダイヤモンドは、イエローが16%、ホワイトが2%、グレーが2%、そして、1%未満がピンク、レッド、グリーンです。色の違いは、ダイヤモンドが形成される際に取り込まれた原子の種類によります。 イエロー(窒素)、ブルー(ホウ素)、ピンク(はっきりとは分かっていません)などです。
ダイヤモンド鉱石は、3回砕かれ、遠心分離装置にかけられ、X線を当てられ、強い空気を吹きかけてきれいにされてから、生産ラインを出てきます。ダイヤモンドは、主に8種類のシェイプにカットすることができます。どの原石をどのシェイプにカットすればいいのかが分かるのは、熟練職人だけです。カットの工程で失敗すると、カラット数が失われ、何万ドルもの損失を出しかねません。
アーガイル鉱山は、2020年11月に採掘を終えて閉山となり、今は環境の回復が行われています。こういったことを知った私は、自分の「鉱床」が尽きた時、どんな生きた証を残すことになるだろうと考えさせられました。それが何であるかは、私の可能性を最大限に引き出すようなシェイプにカットされるよう、自分の人生を、熟練職人である主の御手にどれだけ委ねるかにかかっています。
―――――
人間の魂に投資してください。その魂は、ダイヤモンドの原石かもしれないのです。―メアリー・マクロード・ベシューン