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人生の道しるべ

人生の道しるべ

子どもの頃、夏休みや冬休みになると、家族で海や山へ行くのが楽しみでした。豪華な旅行ではありませんでしたが、小ぎれいな宿に泊まって、海で遊んだり、山の中をハイキングしたりしたものです。

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山の中を歩いた時の思い出の一つに、様々な「道しるべ」があります。街中では見かけない木製の道しるべを見つけると、そこに書かれてあることを読んでは、ハイキングマップと照らし合わせて喜んでいました。

「山頂まで500メートル」とか、「標高2700メートル」などという、自分たちが今どの地点にいるかが分かる標識には心がそそられました。もうすぐ山頂だとわかると、疲れていても一気に足取りが軽くなります。

また、「100メートル先に滝あり」とか、「展望台まで900メートル」など、先にあるものを教えてくれる標識を見ると、歩くのが楽しくなりました。時には「熊に注意」とか「サルに餌をあげないでください」などの注意喚起の標識もあり、そういうのを見るとちょっと怖い気がしましたが、同時に何かワクワクしたものです。

さて、山を歩く人にとって道しるべは、単に興味深いだけではなく、安全に目的地に到着するためにとても大切なものです。山の中にはよく、道の分岐点に、右に行けば何があり、左に行けば何があるのかを標した矢印の形をした立札が立っていますが、すべての分岐点にあるわけではありません。そんな時、どちらに行くべきか、どうやって判断したらいいのでしょう。印刷されたものであれ、携帯であれ、地図を持っていれば、それを見て判断できますが、もし、地図も道しるべもなかったらどうなるでしょう。山の中には目印になるようなものもあまりなく、出会う人もほとんどいませんから、そんなところで道に迷ってしまったら大変です。

人生は山登りに似ているとよく言われます。ゴールを目指して上り坂を進んで行かなければならないからでしょう。でも、それだけではありません。人生は時にとても単調になり、同じことの繰り返しで、どこにも到達していないように感じることもあります。それは、延々と同じような景色が続く山道に似ています。きつい坂道を登り続けているのに、なかなか頂上が見えず、途中で休憩したり、美しい景観を楽しんだりするような場所もないなら、だんだん登り続ける意欲がそがれることがあります。人生でも、似たようなことがあるのではないでしょうか。

そんな時、山にあるような「道しるべ」があったらいいですよね。自分が今どこにいて、あとどれぐらいでゴールに到着できるとか、どこで休憩をとることができ、どこで景色を楽しめるかが分かれば、人生の山登りもどんなに楽しくなることでしょう。それでは、私たちの人生に「道しるべ」はあるのでしょうか。進むべき方向や危険について教えてくれる標識はあるのでしょうか。実は聖書に、こんな言葉があります。

「あなたが右に行き、あるいは左に行く時、そのうしろで『これは道だ、これに歩め』と言う言葉を耳に聞く。」(イザヤ30章21節)

「わたしはあなたを教え、あなたの行くべき道を示し、わたしの目をあなたにとめて、さとすであろう。」(詩篇32篇8節)

つまり、神様は私たちの毎日の生活の中でも、どちらの道を行ったらいいのか導きを与えると言われたのです。そして、自分の知恵に頼るのではなく、神様の導きに信頼するならば、ものごとはうまくいくと。

「心をつくして主に信頼せよ、自分の知識にたよってはならない。すべての道で主を認めよ、そうすれば、主はあなたの道をまっすぐにされる。」(箴言3章5-6節)

では、どのようにしてその導きは与えられるのでしょうか。まず、聖書は人生の「地図」のようなものだと言われています。つまり、基本的な情報は聖書の中にあるので、人生という旅のために聖書を知ることがとても大切です。

次に、その聖書にある教えを土台として、今度は個々の状況について、神様は具体的な導きを与えてくださいます。時には直接心に語りかけてくださる場合もあるし、誰かの助言を通してカウンセルをくださる場合もあります。また、読んだ本や聞いた音楽やドラマの中の言葉を通して、道を示してくださることもあるでしょう。それらは、人生の「道しるべ」のようなものです。

私たちが心の目を開いているなら、神様が立ててくださっている人生の道しるべに気づくことができます。人生の山道で迷子にならないためにも、これらの「道しるべ」に心を留めつつ歩んで行きたいものです。

「あなたのみ言葉はわが足のともしび、わが道の光です。」(詩篇119篇105節)

「主はわたしの魂をいきかえらせ、み名のためにわたしを正しい道に導かれる。たといわたしは死の陰の谷を歩むとも、わざわいを恐れません。あなたがわたしと共におられるからです。」(詩篇23篇3-4節)

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