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アワビのように
from 888:アワビのように
アワビのように
The Abalone and Me
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カーティス・ピーター・バン・ゴーダー
アワビは沿岸の岩に張りついている貝で、腹足類(巻貝)の一種ですが、それはお腹が足になっている、つまりお腹ではい歩くという意味です。アワビの体は、殻以外はほぼお腹になっており、岩に張りついた状態で殻を1センチほど浮かせ、岩との間に現れたお腹の部分で水中の海藻などを捕らえて食べます。
殻はアワビの住まいであるだけではなく、体を守るよろいでもあります。危険が近づくと、瞬時に万力のような力で岩に自分を固定することができます。その大きなお腹でものすごい吸引力を生み出せるので、一瞬で岩に堅くしがみついてしまい、そうなると、バールのような道具を使わないと剥がせないほどです。「アワビのようにしがみつく」と言えば、それは全力でしがみつくということになります。
私たちにとって、そのようなしがみつき方は、時間を経て学んでいくものなのでしょう。私の場合、困難の第一波がやってくると、周りのすべてがめちゃくちゃで、波にもまれ、世界がひっくり返るのを見て、一瞬うろたえてしまいます。でも、それから自分の岩を見つけて、すべてがそれにかかっているかのようにしがみつくのです。以前は、そんな荒れ狂う波を浴びるのが怖かったのですが、やがて「人生とはそういうものだ」と分かるようになったので、それを物事の道理として受け入れると、切り抜けるのがもっと楽になりました。
波が来ては去るごとに、何をすればいいのかがよりよく分かってきました。波を知り、岩を知り、しがみつくための吸引力があるのを知っているので、その経験を経れば経るほど切り抜けやすくなったし、しがみつくごとに吸引力も強まってきました。また、海が凪の時には、リラックスしながらも、いつでもまた岩にしがみつけるようにしておくことを学びました。苦悩の海に翻弄されるというあのひどい思いは、もう二度と味わいたくありません。そして、私が頼ることのできる岩からあまり離れないようにすることも学びました。
その岩とはイエスのことであり、イエスとその御言葉は、私の苦難の時の力、また救いです。私はただの単純で弱い人間ですが、頼り、しがみつける方を知っています。そして何と、私は大荒れの海でさえ好きになってきました。アワビのようにしがみつけばいいのですから。波が強ければ強いほど、私の岩である方にしっかりとしがみつくのです。