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暗闇から光へ

暗闇から光へ

From Darkness To Light

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G・L・エレンズ

ノノンは、姉であるラニの死について私に話しながら、涙をこらえきれずにいました。自転車が路上の穴にはまって体が投げ出されたラニは、頭から地面に落ちたとのことです。その日はヘルメットを着けていませんでした。運動能力があり、健康も申し分なかったけれど、ちょっとした油断が命取りになったようです。

二人姉妹の内、ラニは明るく思いやりの深い人でした。一方、ノノンはわりと内向的で人付き合いが苦手であり、自分のことを「暗い人間」だと考えていました。でも、それが一瞬にして変わったのです。ラニは昏睡状態となってICUのベッドに横たわり、ノノンが昼夜彼女のそばにいて、手を握り、元気づけようとしました。しかし、ラニの意識が戻ることはなく、ついに家族は、ラニを逝かせなければならないことを悟ったのです。

ノノンは事故やICUのことを私に話しながら、深い悲しみや痛みを再び味わっていることが、私には感じ取れました。彼女の心は、「どうして」という疑問でいっぱいでしたが、どこを探しても答えが見つからなかったのです。名ばかりのカトリック教徒として育ったノノンは、結婚するために仏教に改宗していました。もはや彼女は、何が真実なのか分からなくなっていたようです。

しかし、今、悲しみと嘆きが激しかったために、助けを求めて手を伸ばそうとしています。

私は、それを感じ取りながらも、ためらいました。彼女とは、それまで深い話をしたことがありません。彼女は私がイエスを信じていることを知ってはいましたが、宗教や信仰について私が口に出すと、いつも皮肉たっぷりに突っぱねてきたからです。

私は深く呼吸をしてから、こう言いました。「ノノン、聖書にはこんな言葉があるのよ。『正しい人が滅び、神を敬う人が道半ばで死んでも・・神がそのような人を、災いが来る前に取り去ったことに気づく者は一人もいません。神を敬う人は、死んで、平和そのものの安息に入ります。』」*1

この言葉をノノンに伝えると、彼女の魂に光が灯ったようでした。「どこに書かれているのか、教えて。」

スマホで聖書アプリを開いて見せると、彼女はすぐ母親に合図して、「ママ、これを見て」と言いました。私がその箇所を声に出して読み、意味を説明している内に、親類も集まってきました。

ラニはみんなから愛されていました。明るく朗らかで、いつも何か優しく愛に満ちた言葉を周りの人にかけていたのです。ノノンは彼女を完璧な姉として慕っていました。この聖句は、神が憐れみの心から、人々を守るために、害悪や災いが及ぶ前に取り去って、ご自身のもとに呼び寄せてくださることがあると説明しています。それを聞いて、その場にいる全員に安らぎと安息が訪れたかのようでした。彼らはついに、ラニがなぜ死んだのかを理解し、神の御言葉に平安と慰めを見出すことができたのです。

それ以来、ノノンは私に連絡を取り続けており、私が毎日、名言や神の言葉を彼女に送ると、いつも感謝の返事をくれるようになりました。

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1. イザヤ57:1-2 リビングバイブル

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