YUDAI AKITA / KOBE Univ. / 2016-2019 SELECTED WORKS
PORTFOLIO
あと
痕 の表 象
失われつつある戦争の記憶を後世につなぐ、 空襲の痕跡の「表象」と地下と地上の「対比」によって
―名古屋における戦争の記憶― 設計の背景
学部 � 年卒業設計
神戸大学卒業設計賞 優秀賞
毎日・DAS 学生デザイン賞 入選
土地の歴史が克明に感じられる場所―
□名古屋城天守の木造建て替え
□戦場を経験した人口の減少
機能:ミュージアム、公園、追悼空間
年
計画敷地:愛知県名古屋市熱田区 敷地面積:約 ��,��� ㎡
���� 焼失中の名古屋城天守
再建された現在の RC 造の天守
木造に復元…
市民の寄附によって再建されたRC造の天守閣を失うことは、名古屋の戦争 と戦後復興を語り継ぐシンボルが失われることに他ならない。
���� ����
���� ����
全人口中の比率 (%)
�.� �.� �.� �.� �.�
戦後 �� 年が経過し、戦争は歴
史上の出来事として風化した。 戦場を経験し、語り継ぐこと
のできる人の数は、今後 �� 年 でほとんど0になる。
□計画敷地 この土地は、「熱田空襲」と後に語り継がれる空襲により 名古屋で最も凄惨な被害の出た場所である。
愛知は当時、国内有数の兵器工場を持つ都市であり、この 場所も水雷や航空機などの兵器工場であった。
その背景が愛知県の空襲の特殊性をよく表している
爆撃中の様子
1
名古屋市熱田区 堀川
�
名古屋国際会議場
名古屋学院大学
�
熱田神宮公園
白鳥古墳
白鳥庭園
� �
計画物
公園の様子
�
配置図 �:����
�. 研究機関・教育機関 �. 展示空間
�. 空襲体験手記を刻んだ空間 �. ライブラリー �. 屋外展示空間 �. 駐車場
-�-
堀川
熱田神宮
七里の渡し
■表象による土地の記憶の表現 工場で働く学徒
工場勤務者
空襲 軍司令部
空間・形 アメリカ軍のパイロット
多くの人間と国家間の複雑なバランスの上に成り 立った空襲という出来事を客観的かつ多面的に表 現する。
�
歴史表現として、「不在」をヴォイドにより表現するのではなく、戦
争資料を用いた「表象」により、負の記憶の新たな表現を提示する。
■現代との対比
�
GL-�����
現在の「平和」を感じさせる、 大らかで気持ちのよい空間
�
行き来
�
争」を感じさせる空間を地下に配し、 過去の「戦争」を感じさせる、
�
厳かで引き締まる空間
� 地下展示空間
� �
�
��
地下平面図 �:���� GL-����
�. 航空機展示(晴嵐、九九式艦上爆撃機) �. 愛知・名古屋の戦没者追悼空間 �. 追悼空間前室
�. 兵器の模型展示(九三式魚雷、九四式魚雷 他) �. 航空機展示(流星、彗星、零式) �. 水盤(魚雷発射試験池跡)
�. パネル展示(日本の兵器生産の歴史) �. 兵器の模型展示(魚雷発射信管) �. パネル展示(現代の兵器)
��. 航空機展示(水上偵察機)
-�-
現在の「平和」を地表に、過去の「戦 自分の立つ場所の記憶を重ねて見る
■痕の表象:爆撃機の飛来数、侵入方向
爆撃機の方向性の情報を付与
展示空間
通史のパネル展示・遺品展示
爆撃機の飛来数の情報を付与
爆風のレイヤーの「地」の部分に写す
建築化
大屋根
広大な公園の中に休憩できる空間をつくる
■痕の表象: 爆撃された兵器工場 爆撃後の写真
兵器工場の断面図
爆風の強
建築群
かった範囲 を「図」
他の部分を
「地」として 扱う
「地」の部分 に工場屋根 を表象した 破片のよう
空襲体験手記を刻んだ空間
な屋根を配
円の中心を揺らがせることによりアメリカ
置
と日本で爆弾の落下位置の認識が異なる不 確定さを表現
■痕の表象: 着弾点、クレーターの有無、爆風範囲、爆発の様子
公園
地域に開き大らかな公園とすること
直径 ��m
で親しみやすい空間とする 破片が飛散する爆発の 様子を表象した ランドスケープ
爆弾の着弾点・クレーターの有無
地上と地下の行き来
建物が崩壊する強さの爆風範囲の情報を付与
地下展示空間 延々と広がる地下通路には戦争に関
■痕の表象: 爆撃される前の兵器工場
するアートが展示され、何回も訪れ ることで戦争に関する理解を深める
愛知・名古屋の戦没者追悼空間
魚雷発射試験池
空襲が行われた � 月 � 日になると中心にある本空襲の死 没者数である約 ���� の碑が上開口から降り注ぐ日光に
土地区画整理図
照らされる 抽出
壁にあたる部分を地下通路とする
展示空間を挿入
-�-
展示室・研究機関を含む線形の建築は、爆撃機の飛来したベクトルを表している
市民が憩う巨大な屋根は、空襲により破壊され瓦礫の山となった工場を表している
複雑なランドスケープは、着弾地や爆風の範囲など、さまざまな情報を内包している
全体模型写真
クレーターが形成された地点には、円形のモニュメントが配置されている。
-�-
市民はこの公園を日常的に使っている。
大屋根
地下展示空間入り口
地下展示空間
着弾位置を表すモニュメント
爆風の範囲を表すランドスケープ
展望室
研究室
通史の展示空間 空襲体験手記を刻んだ空間
愛知・名古屋の戦没者追悼空間
ミュージアムの順路構成
➂展望室&カフェ
出入口
➀ 「追憶の軸」
戦後処理について
戦時の国民生
名古屋の戦後復興 愛知の空襲
戦時
戦後復興
戦後に関する展示
追悼空間へ
➃空襲体験記を刻んだ空間 地上と地下の行き来
時間軸を表す展示空間のクライマックスとして西側の道路へ向かって開 口が開いており、 「今その時」を見て一連の展示が終わる。
➄地下展示空間 ➁戦没者追悼空間
「追憶の軸」内観
➀「追憶の軸」
包括的な戦争の歴史についての理解を深める。 その中での愛知の戦争の特殊性を学ぶ。
➁戦没者追悼空間
広く壮大で厳かな空間で、心を落ち着け、戦没者を追悼する。
➂展望室&カフェ
敷地の全景を見渡し、空襲の痕跡という記念空間としての
➃空襲体験記を刻んだ空間
自分がいるまさにその場所で起こった空襲についての手記 を読むことでこの場所を歩くことの聖域性を高める。
➄地下展示空間
一言で言い表せることのできない戦争への理解を主体的に 深める空間。アートや復元模型などの二次資料が中心とな る。
公園の意味を理解する。
-��-
日
戦時の国民生活
アメリカとの摩擦
日本本土空襲
中国への侵略 シベリア出兵
南方の資源確保に 向けた作戦
時の国家体制 愛知県の軍需産業の発展
日本の海戦
真珠湾攻撃
日本国内に注目した展示
第一次世界大戦
軍隊生活と戦場での兵士の犠牲
ヨーロッパの
動向
生活
堀川 受付 GL+����
MWC
ミュージアム順路
WWC
盧溝橋事件 満州国について
�� 年戦争の通史
展示空間 平面図 �:���
地上展示空間「追憶の軸」平面図 �:��� 来館者は最初に堀川を渡ることで非日常的空間への意識を向ける。いわば、参
愛知県内 � か所の小さな戦争資料館から集めた資料を展示する。
道のような役割を担う。
B-�� の侵入方向を、来襲する前後で場所の様相が大きく変わっ
てしまったことから、時間軸と捉えた。この時間軸に沿って、 一般的に日本の資料館にある内容を展示する。
「愛知の戦争」展示内容例 俯瞰した視点から―
被災者本人から―
語らぬ遺物から―
アメリカ視点から―
戦争遺物 名古屋市焼失区域図
熱田空襲の様子を描いた絵
-��-
米国戦略爆撃調査団文書
空襲によってできたクレーターの写真
愛知・名古屋の戦没者追悼空間
地上展示空間へ
地上へ
GL-����
GL-�����
GL-�����
���mm 四方の碑が ���� 個並んでおり、 熱田空襲での約 ���� 人の戦没者を表象 している。
ゆるやかなスロープ
EV
空襲のあった � 月 � 日になると全ての
前室 GL-�����
碑に日光があたる配置となっている 戦没者追悼空間 �:���
-��-
WWC MWC
展望室からの眺め
展望室 カフェ
カウンター 厨房 前室
収蔵庫
収蔵庫 WWC MWC
事務室
資料室
資料閲覧室 搬入口 前室 荷解室 一時保管室 修理工作室
倉庫 暗室 WC
薫蒸室
写場
WWC
MWC
館内エレベーター 追悼空間と展望室をつなぐ エレベーター
空襲体験手記を刻んだ空間
機械室
-��-
公園の様子
地上は現代の平和を表している。 市民は日常的に公園を使い、痕跡の表象を施したランドスケープによって戦争の記憶をふとした時に感じられる。
地下展示空間出入口
公園の各所に、地下展示空間へと続く 階段が配されており、好きなタイミン グで展示を見にいくことができ、また 好きな時に出ることができる。
-��-
地下展示空間
地下は戦争という過去を表している。 順路は決められておらず、ここに訪れる人々が自由に地上と地下を行き来する。
地下展示空間では、戦争にまつわる
アートや、愛知の戦争に深く関わる航 空機にまつわる展示を行っている。
順路が無いことで、展示を見る人自身 による主体的な戦争への理解を促して いる。
-��-
ROKKO
CANYON
学部 � 年 計画演習Ⅰ 「STATION × ARCHITECTURAL STUDIO」
学内選抜作品
機能:駅、建築学科棟、図書館 計画敷地:兵庫県神戸市灘区 敷地面積:約 ��,��� ㎡
課題文
建築教育施設、建築の周辺にかかる情報の発信拠点、そして駅機能の複合施設を計画する。
ここを通過または滞留・滞在そして交錯する人々が建築やそのインフォメーションを介することで創造的コミュニケーションが生まれ、多様な アクティビティが可視化される場所。このようなイメージを顕在化させる、唯一無二の磁場を創造する。 施設の延べ面積は ���� ㎡程度とする。
�. 機能を分離する
�. 主動線をつくる
�. セットバックする
�. 副動線をつくる
レンタルス
最高高さ
講義室
�FL
図書館
図書館
憩いの道
憩いの道
建築学科棟
建築学科棟
Canyon をモチーフとして形態を
パブリック 駅舎
駅舎と保育園からの動線を確保す
決定した。大学機能と一般機能を
る。
分離しつつも、文化活動の場とす
図書館
建築学科棟
憩いの道
パブリック 駅舎
駅構内から外へ出た時、視線を上 へ誘導し、人の動きを誘発するよ うなルーフテラスを設ける。
るために、地域に開いた図書館を
図書館
建築学科棟
憩いの道
パブリック 駅舎
�FL �FL �FL
各テラスをつなぎ、人の動きをさ らに自由にするための通路を設け る。
B�F
B
ホール
B�F
併設。
神戸大学
徒歩 �� 分
駅舎
保育所
計画敷地
神社
神戸大学との関係図 屋上庭園 幼稚園児と保護者
ルーフテラス
配置図 �:����
研究
スペース
究室
屋上庭園
カフェ
講義室 スタジオ
講義室
コンコース 講義室 マルチメディア室
会議室 会議室 学生用休憩室
ホワイエ
カフェ カフェ
カフェ
コンビニ
建築資料室
コンコース
ギャラリー
ショップ
B’
B-B’ 断面図 �:���
駅舎 屋上庭園
イベントスペース
Scene � ホームから見える建築ギャラリー
ホームで電車を待つ間、建築学生の作品を展示したギャ ラリーを見る。
活動展示の場を、最も人目につくホームに配置すること で、効果が最大化する。
ギャラリー
ホーム
Scene � 改札から見えるスタジオ スキップフロアになっている製図室と駅構内はレベ ル差によりゾーン分けされているが、視覚的な交差 により緩やかな共存空間が生まれる。
スタジオ
-��-
駅構内
Scene � 屋上庭園
Scene � ルーフテラス
頂上は庭園となっており、六甲の豊か
テラスは段状に上がっていき、奥行き
な山の景色になじむ。
感を作り出すことで、人の動きを誘発
普段はゆったりとした時間が流れる空
する。レベル差によって空間を分ける
間だが、少人数のイベント会場として
ことで、各々がお気に入りの場所を見
も利用できる。
つけて落ち着くことができる。
UP
UP
�
�� ��
��
�
�
�
�� ��
��
UP
UP
Scene � 半屋外カフェ
Scene� 屋上庭園
屋内は居室としてセキュリティを確保し、 屋外はテラスとして休憩したりコミュニ ケーションをとるためのカフェスペース が設けられている。
様々な異なる目的を持った人々が共存す る空間となる。
Scene�
ルーフテラス
Scene� カフェ
図書館 Scene�
建築資料室
Scene�
ギャラリー
�
UP
UP
UP UP ��
�
�
��
�
�
UP �� ��
�� ��
� ��
�
UP � � �� �� ��
UP
UP
UP
�� ��
��
� �� �� � ��
�� ��
�� ��
�
�
� �� ��
�
�
��
UP
UP
� � �� �� ��
��
�
� �� ��
�� ��
�
�
��
�� ��
�
��
�
��
��
�
��
スタジオ
�
��
B
��
�
UP
UP
�� ��
�
�� ��
UP
UP
UP
�� ��
��
��
�� ��
�
�
��
��
��
�� ��
� �� ��
�
��
-��-
UP
UP
UP
UP
UP
UP
GL±� 平面図 �:���
�
UP
UP
�� ��
��
�
�
��
GL-����
UP
UP
UP
UP
屋外プレゼンテーションスペース
UP
�
�
中庭 プラザ
ショップ UP
��
UP UP
UP � � �� �� �� UP �
UP UP
� � �� �� �� UP
UP UP
�� ��
��
児童書架
�
�
GL+���� 平面図 �:���
UP
�
UP
��
�
UP
UP
��
UP
UP
UP
UP
�� ��
�
�
��
UP
GL+����
建築資料室 コンビニ GL-����
UP
UP
UP
UP
カフェ
UP
カフェ
A GL+���� GL+����
�� ��
��
UP
UP
UP
UP
��
�
�
��
��
��
��
UP
C’ UP
UP
UP
UP
UP
UP
カフェ
UP
UP
UP
��
UP
�� UP
UP
UP
UP
UP
�
� �
UP
UP
UP
UP
UP
UP
UP
UP
UP
UP
UP
��
��
UP
UP
図書館
A’
UP
カフェ
B’
�F 平面図 �:���
Agri-tecture
団地を拠点として形成される地域コミュニティによる新しい農業のあり方
���� 年度日本建築学会設計競技「ダンチを再考する」
近畿支部入選作品
機能:集合住宅、農地 計画敷地:兵庫県神戸市北区 敷地面積:約 �,��� ㎡
□高齢化の進展による農業生産人口の減少とそれに伴う耕作放棄地の増加 農業就業人口(万人)の推移 ���
農業就業人口 �� 歳以上の農業就業人口
��� ���
日本の農業就業人口の平均年齢は ��.� 歳であり、全体の �
割を高齢者が占め後継者不足も深刻化している。その背景に
耕作放棄地面積(万 ha)の推移
は農家の世襲制と、高い初期費用があり、新規参入者にとっ
��
てのハードルは高い。
�� �� ��
���
単一の世帯が主体の「農家」から、
��
��� H��
H��
H��
H��
H��
�
S��
S��
S��
H�
H�
H��
H��
H��
H��
団地を中心とした多様な人々が主体の「農コミュニティ」へ
「近郊農業 × 団地」
計画対象団地:神戸市営桜ノ宮住宅 郊外
農地
甲栄台
近郊農業に適した距離 都市
神戸三宮
人工的に削り取られた平地
農地への転換をはかりやすい 計画対象となる桜ノ宮住宅は甲栄台地区
団地が位置する郊外では様々な問題が顕在化していく。
域には農地も広がっており、地域の農業 一方で老朽化・高齢化の進行に伴い入居
これらを、「農コミュニティ」と呼ばれる、地域を主体とした農業コミュニティを作ることで解決する。
~ �years
P h a se � 「 農 コミュニティ」の形成
シングルマザー
~ ��years
ファーマーズ
核家族
料理人
就農希望者
近隣住民
団地住民
¥
農業収益 高齢者夫婦
ノマドワーカー
若い夫婦
農業に興味がある多様な人々が団地に入居し、引退農家のノウハ ウを継承しながら、苗植えから収穫までの農作物を「つくる」こ とを共有し団地内でのコミュニティが形成される。
近隣の住宅地
マーケット
作物の提供
単身高齢者
引退農家
え工事が計画されている。
Phas e� 「農コミュニ テ ィ 」 の 拡 大
大学生
ノウハウの伝承
率は半分を切っており、市主導で建て替
地域
農コミュニティ
農業がより身近に。 ノウハウの伝授
レストラン
借入・買収
共同で管理
農地への転換
郊外に点在する空き地・耕作放棄地
農地 住戸棟
拠点となるにはふさわしい場所である。
高齢化、インフラの老朽化、コミュニティの希薄化、空地・空家の増加…
団地
生産拠点棟
の中心に位置し、北側に流れる志染川流
コミュニティ農地へコンバージョン
ファーマーズマーケットやレストランによる � 次産業により、 利益拡大だけでなく、近隣住民との交流の場となる。
-��-
都市
配置図 �:����
GL-����
UP UP DN
�階
2階
�階
UP DN UP
DN
DN DN
UP
農機具倉庫 DN
UP
DN
UP
DN
住戸 DN
UP
UP
DN
UP
カフェスペース
リビングテラス
GL+����
農地 UP
住戸棟テラス
UP
DN
GL+����
DN
生産拠点棟テラス
GL+����
UP
DN
キッチン
GL+����
GL+����
DN
GL±�
共有
UP
GL+����
GL+����
住戸
DN
UP
GL+����
用水路 住戸
風呂
DN
キッチン
DN
A
UP
共有
UP
UP
DN
風呂
A’
DN UP
DN
UP
DN
UP
DN
UP
住戸
DN
DN
DN
住戸棟
UP
UP
生産拠点棟
農機具倉庫
GL±�
UP
DN
UP
PLAN �:���
-��-
A gri -t ec t ur e
トマトやゴー ヤなどの 縦 に伸 びる野 菜 を育てるテラスでは 、夏 は グリーンカーテンとして涼しい木 陰 空 間 があらわれ 、冬 は 日 光 を通しあたたかい。
屋 上 の 雨 水 貯 留 槽とポンプからくみ 上 げた 水 道 水 を合 わ せ 、上 から流すことでテラスの 農 作 物 へ 水 を供 給する
段 々の 構 造 体 は 建 物と大 地 の 接 続 を意 味する。 農 地 から帰 宅する人や生 産 拠 点 へ 向 かう人 の 流 れ を 受 け 止 め 、農 業と暮らしを調 和させる。
住戸 住戸 住戸 住戸
共 有テラス
ショップ
コンポスト scene �
scene �
scene �
住 戸 等 の 北 側 は 可 変 的 な 蔵となっている。階 段 室 のあった 場 所 は � 戸 間 の 共 有 蔵 になって おり、生 活 を補 い合う
住 戸 棟 の 住 人 は 積 極 的 に農 業 へ 関 わる必 要 が なく、多 様 な 世 帯 が 入 居する。
農 地 は 段 々になっており視 線 の 交 差 によりコミュ ニティ形 成 の 発 端とする。
住戸 住戸 蔵
カフェ
蔵 共同風呂
用水路
scene �
住戸 住戸 農機具倉庫
scene �
リビングテラスでは、獲れたての野菜を調理してみんなで食べたり、農作業後の休憩により、住民間のコミュニケーションが誘発される。
scene �
scene �
� 階は � 次産業の場であり、外から来た人が食事や買い物を楽しむ。 生産拠点棟 平面図
GL-4000
住戸
厨房
DN
UP
UP
DN
UP
住戸
� 階テラスでは、一階よりもゆったりとした時間が流れる。
DN
住戸
DN
UP
DN
脱衣所
UP
リビングテラス
DN
脱衣所
UP
コンポスト
直売所
DN
共同風呂
住戸
リビングテラス UP
scene �
キッチン
共同風呂
住戸 GL+3600
共有
DN
UP
住戸 レストラン
住戸
テラス
住戸 DN
UP
共有
住戸
DN
キッチン
UP
DN
DN
UP
UP
UP
UP
住戸
DN
機械室
DN
DN
DN
G
DN
UP
UP
GL±0
UP
生産拠点 � 階平面図 �:���
生産拠点 � 階平面図 �:���
生産拠点 � 階平面図 �:���
講評
ダンチをストックとして活用する課題に対し、日本の持つ他の問題、ここでは農業問題を絡めることで
現実的な有効解を導いている。前段で統計資料に基づき農業問題を整理し、ダンチへの取り込みの合理性 を説く。計画対象団地の選定、周辺環境を含めた調査も丁寧である。後段の具体的な提案では、一部の 棟を解体撤去する前提で有効な農地、コミュニティスペースを確保しており、ともすれば各地で採用可
能なプロトタイプと思える。農家的コミュニティの考え方は、そこで過ごす人々の様子が想像でき、リア リティを感じる。当作品の他にも農業と絡めたものがいくつか見られたが、その中で秀逸。
(鴻池組設計本部建築設計部第 � 部部長 臼井明夫)
サンクンガーデンになっているレストランでは、地域住民との交流も図られる -��-
学部 � 年 計画演習Ⅰ 「近畿圏の大学のためのセミナーハウス」
学内選抜作品
機能:セミナーハウス 計画敷地:兵庫県神戸市灘区 敷地面積:約 �,��� ㎡
課題文
大学内での活動としての講義や演習・実習とは別に、ある一定の期間、空間を共にし、集中した活動や共通の目的を持って活動する場が求めら れている。この課題は、近畿圏の大学共通施設として位置付け、セミナーや共同制作、スタジオ、社会との連携など学内では難しい様々の活動 に対して自由で豊かな場を提供することを目的としている。
□計画敷地
A
兵庫県神戸市灘区 灘丸山公園 BATH house GL+500
SHOP
UP
Lodging
UP
UP
神戸大学
UP
UP
計画敷地
Performance studio
UP
UP
Restaurant
三宮
UP
六甲アイランド
UP
ポートアイランド
UP
UP
UP
UP
UP
UP
□ダイヤグラム
Main Street UP
通路シェルター
UP
平地には人が住み、まちがある
UP
UP
制作スタジオ
人工的に削られた、フラットな台地
この台地に、ちいさなまちをつくる
まちに目的があれば人々が引き寄せられる 「大学生 × 市民」のローカルな交流を生む
A
-��-
� 階平面図 GL±� �:���
制作スタジオ
ギャラリー
制作スタジオ
まちのように施設内を巡る
パフォーマンススタジオ+レストラン
宿泊施設
メイン通り
A-A’ 断面 �:���
南側立面図 1:200
-��-
北側立面図 1:200
HEXA store×house
HE XA 発 の ロ ッ ク バ ン ド だ ぜ !
この人、いつも素敵な写真を撮るなあ。
来月の中庭ライブに向けて特訓だ!
今度コツを聞いてみよう。
第 �� 回長谷工住まいのコンペティション
「 多 世 代 ・多 国 籍 で つ な が る 集 合 住 宅 」 応 募 作 品 あそこで誰かがギターを弾いてるね。
執筆に行き詰まっ た ら 、
見に行かない?
いつもここに合唱を聞き に く る ん だ 。
見たことない魚ね!
なんていう種類か聞いてみよう。
今日も何か面白いこと探しに行こうぜ! 映画を見ていたらみんな集まってきて 気付いたら観賞会に!
お 隣 さ んの釣った魚、立派だなあ。 ス ケッチしてみよう。
サンドイッチ持ってきました∼!
今日は s to re をぶらぶら し て み よ う 。
天気がいいからテラスでピクニック!
-��-
やっぱり自家製のハーブティーが一番ね。
1 興味や関心を共有する store×house
4 全体構成
本や楽器、スポーツ用具など、持ち物にはその人の興味や関心が表れる。
DIAGRAM
通常なら家の中に保管するそれらの モノ をこの住宅の共有部分であり house= 住戸 への動線でもある store に展示することで、同じ興味や関
store と house を住戸の単位とし、store を連続させることでフロアを構成していく。
心を持つ人と関わるきっかけとなる。 house
store
中央のヴォイドから光がさしこむ。 s t o r e か ら h o u s e へ 、h o u s e か ら s t o r e へ の 住 民 の 移 動 が 可 視 化 さ れ る 。
store×house
この建築の基本単位
連続するstore
store は動線にもなる
2つのコア
EV と直通階段
「ミセ=store」
「保管する場所=store」
モノから始まる繋がり
閉じていて共有されない
2 六角形ユニットが繋がる集合住宅
HEXA
5 断面構成 house store
こ の s t o r e で は 、映 画 好 き な 住 民 が 上 映 会 を 開 い て い る 。 興味を持った他の住民も足を止めて一緒になって観賞会が始まる。
SECTION 1/300 四角形 SQUARE
共有キッチンからstore を望む。 大きなダイニングを備えた共有キッチンでは国際色豊かな料理が作られている
六角形 HEXAGON
軸が直行し 2 方向にしか行けな
軸が 3 方向に広がる事で、動線
いため動線が限られ、偶発性に欠
としての機能を確保しながら寄り
ける。直線的な移動になり視線の
道を誘発する。曲がる動線は視線
変化が少ない。
を移り変わらせる。
斎藤さん家族(日本 )
10 歳 / 小学生 / スポーツ
ダン
ス
書
store
釣った魚の調理
魚拓
会
大
め
初
き
house core
伝統料理
絵の先生
27 歳 / 音楽家 / 釣り
39 歳 / 料理人 / 書道
平面的に見ると、異なる住戸の store と house が中央の中庭を囲み、向か で、各住戸の house までの動線に選択性が生まれる。
ロナウドさん ( スペイン )
ミシェルさん ( アメリカ )
2 つのボリュームとテラスが生み出すアクティビティ
い合うように配置されている。この二つのボリュームがデッキで繋がること
3 HEXA に住う人と生まれる関係の例 37 歳 / 共働き / フェス
6 平面構成
M DT
伝統料理
絵画作品制作
作
制
演奏会
映画観賞会 3F PLAN 1/300
六角形ユニットで構成されたstore での趣味の可視化により、 モノを介したコミュニケーションが生まれる。
田中さん ( 日本 )
51 歳 / 自営業 / 美術観賞・制作
アドリアーノさん(ブラジル )
-��-
23 歳 / 留学生 / ギター
ガネシュさん ( インド ) 34 歳 /SE/ 映画
Media Wall
映画のまち池袋に、プロジェクションマッピングによって広 告・映像作品・情報発信を行う新たなメディアとなる建築と 事業スキームを提案する。
第 � 回ヒューリック学生アイデアコンペ応募作品
Grass hopper によるパラメトリックデザイン
ライノ側で編集し、形を整えた
卒業設計のスタディ Grasshopper に加え、物理エンジンであるプラグイン Kangaroo を用いて膜構造に挑戦する。
スタディ経験を活かして作品作りをしようと思い、ド ロネー図を作成する簡単なプログラムを用いた。
-��-
日中は公共施設としての性格を強める
様々な「向き」により壁の見え方が変わっていく
「劇場のまち」池袋 昭和 23 年(1948) 「舞台芸術
広告・観光案内・映画・テレビなど様々なメディアが映し出される。
事業スキーム
学院」が開校してから、池袋 は劇場のまちとして発展して きた。 この演劇文化は次第に映画や 漫画、アニメなどのさまざま なメディア媒体を有するサブ カルチャーを取り込み、現在 では「漫画とアニメが融合す
民間企業 (テナント)
建築→プロジェクションマッピング
広告収入
行政
情報提供
?
安価な 広告媒体の提供
広告収入
Media Wall
企業広告
民間企業 (広告主)
7-8F
豊島区役所文化観光課
広告媒体の提供
経営主体
メディアとしてのカベ プロジェクションマッピングと建築
安価な
賃料
るまち」となっている。
9-11F 宿泊施設
個人事業主
2-6F テナント(飲食)
2-7F テナント
個人広告 個人作品
1F ギャラリー
交流の場 アウトプットの場
学生・アマチュアクリエイター
プロジェクションマッピング→建築
-��-
B2-B1F ホール
WINDSURFING / ARCHITECTURE / MOTORBIKE / FISHING / FOOD / etc...