Ensemble

Page 1

SELECTED WORKS 2017-2021

KAZUKI HARA ARCHITECTURE PORTFOLIO



KAZUKI HARA ARCHITECTURE PORTFOLIO


KAZUKI HARA ARCHITECTURE PORTFOLIO


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ͳ͞ΘͶ‫༙͗;׽‬ΕΉͤɽࢴࣙਐ΍ͨ͹Ҳҽͳ͢ͱ৿͢͏


Contents

KAZUKI HARA ARCHITECTURE PORTFOLIO


Contents

Contents

計 2 21

2 1

つくり、暮らす 計

21

33

3

55 KAZUKI HARA ARCHITECTURE PORTFOLIO

2 1 2 2

2 1

2 2


Profile

原 和暉 KAZUKI HARA

TEL

: 080-3655-9926

MAIL : arckh1199@gmail.com

設計理念

建築を考えるとき、人々の「暮らし」を構想することを大切にしています。 生きる場所や言語、年齢や価値観など、誰一人として同じ人はいません。 ひとりひとりに寄り添った視点で物語を展開し、空間へと導きます。 また建築は暮らしの機微を支える器であると同時に、 人々が生活のなかで建築を使いこなし、対話するような関係を目指しています。

KAZUKI HARA ARCHITECTURE PORTFOLIO


Profile

BIOGRAFHY

AWARD 受

1999 年 2 月

愛知県 美和町

設計

図 「森の傾斜地に建つ邸宅」

学内 1 位 / 150 人

2017 年 3 月

愛知県

卒業

設計

図 「都心における美術館」

学内 3 位 / 150 人

2017 年 4 月

愛知工業大学 工学部建築学

入学

建築新人

2019 年 11 月

同大学 安井研究室

建築設計 「 uture he ue」

愛知建築

卒業

2020 年度 日本建築学会設計競技

2020 年 4 月 2021 年 3 月

美和高

lustic2020 愛知工業大学 工学部建築学

30

2019

100

15 大学合同

学内 1 位 / 30 人

画展

賞 部入

デザインコンペ 2020

4 位 / I ALI

都市まちづくりコンクール 2021

33

SKILL かに また

んでもらう、 が高く、複

せの の

けをすることが フトを

きです。

断することで、それぞれの長所を生かした表現力ある設計を

意とします。

Jw_cad 設計の主となる ールです。家 から建築 まで、複雑なモデリングが

です。

の 単な イアグラムから 本・ 細

図 まで 図することが出来ます。

ARCHICAD 曲 を 意としませんが、

主にレン リングに用います。3

Photoshop

Illustrator

CA

なモデリングを行います。

ースの作成や図 の

に用います。

で 本的な図 も

く 図

イアグラムの作成や図 の

最も い れた フトです。

レゼン資 の 置に用います。

用の

です。

、またプ

Lumion 複 の ースを

ポートフォリオや 易的な書 の 作に

りリアルな 材検討、照明計画に用います。

用しています。

P RI 2 1

C

プン

ア バイト (2018/05 - 2019/04)

本図・

図設計

、モデリング、 ース 作、

プロポーザルコンペ検討、プレゼン資 作成、

設計

ト ア 計

クチ 所 (2020/03)

(2019/12)

、モデリング、 ース 作、プレゼン資 作成

作 KAZUKI HARA ARCHITECTURE PORTFOLIO

2 1 2 2

く作成する場合や、よ


KAZUKI HARA ARCHITECTURE PORTFOLIO


余白建築 閑所空間再考による都市の孤立者のための建築

Project : 卒業設計 Program

: フォリー / 都市計画

Creation Time

: 7 カ月 (2020/08~2021/02)

Site

: 愛知県 名古屋市中区 中心地

Concept : 都市における余白の設計 物質的な豊かさばかりが重視され、曖昧なものごとや弱さに寛容でな

い社会、個人の心の拠り所が無いと感じる都市。息苦しさが蔓延した

世の中では、自殺やひきこもりなどの精神的問題をよく耳にするように

なった。そうした社会の課題に対し、本研究では名古屋の城下町でか

つてから町の裏側で人々の拠り所となっていた「閑所」を、日々刻々

と移り変わる環境を手掛かりにしてもういちど再構築していく。環境と 人々のあいだを媒介する存在として建築を定義し、現代の高密な都市

の中に、誰しもが感じるであろう孤独のための余白の時間を提示する

ことを目的とする。

07


01 YOHAKU KENCHIKU (2021)

01. 研究概要 ■ 閑所空間再考による都市の孤立者のための建築

物質的な豊かさばかりが重視され、曖昧なものごとや弱さに寛容でない社 KAZUKI HARA ARCHITECTURE PORTFOLIO

08

会、個人の心の拠り所が無いと感じる都市。息苦しさが蔓延した世の中

では、自殺やひきこもりなどの精神的問題をよく耳にするようになった。

そうした社会の課題に対し、本研究では名古屋の城下町でかつてから町

の裏側で人々の拠り所となっていた「閑所」を、日々刻々と移り変わる環 境を手掛かりにしてもういちど再構築していく。

環境と人々のあいだを媒介する存在として建築を定義し、現代の高密な都 市の中に、誰しもが感じるであろう孤独のための余白の時間を提示するこ

とを目的とする。


01 YOHAKU KENCHIKU (2021)

2.

しい

な都市

■ 拠り所を くし 人

■現

しい

都市

は現 の都市の中で、 と心を める居場所が 在しないと感じる。

いる。その

される都市が、人々の

、 っち、ネカフェ 流者などが

場の 要が高まっている。

そして近年、自

な生活を生み出して

やひきこもりなど

的問題を取り上 た記事を

ディアで見かけることが なくない。日本の年間自 経 情 と関係 が深く、2020 年はコロナの 増加した。

は、

により 11 年ぶりに

こうした背景には、高度経 ことが

かとされ、経

成長期

上主

全であるという思考を生み、

では教会やモスクが日常に

的なコミュニティが

の物

しい

会が

かさを

なものや さは

する

会となったことが原 にある。

き人の い部分を い合う地

在している。日本でも、

の境内や

家 度がそれらを っていたが、現在その 力は れてしまっている。 的な居場所の 在と二

しい現 において、都市や

的な成 主

会が け合わされた

会が 人の心の拠り所や共 的な

関係 について考えることが必要なのではないか。

KAZUKI HARA ARCHITECTURE PORTFOLIO

時間構 によって

09


01

.

YOHAKU KENCHIKU (2021)

拠り所

高 都市となった現在の名古屋市中心部は、町人の か生活を ってできた 共空間が 在した。本提案では、都市の ラで人々の

によって構成されており、街区の 側には「 所」という

的な拠り所となっていた 所を現 に再構築することを 的とする。

と 所 1 12. かつて人 の拠り所

所 町屋の

として生

まれた

所には共同

水場や集会所、

分に関 係なく

居られる町人たちの

よりどこ であった。

江戸名所図会「竹女故事」による。https://edo-g.com/blog/2016/03/nagaya.html/nagaya18_l

2 21.

が建てられ、

しも

となっ 現 の 所 しかし 画整 経

後の

地区

した

、 先の

無作 な開発や

的なコイン ー ング

などによって

られようとしている。

プログラムの 敷地の 定

、約3カ月間のスタディを行った。しかし都市の

10/08 無

者に対 する

12/-- 明

11/--

8

9

10 12/01 残

KAZUKI HARA ARCHITECTURE PORTFOLIO

10

が過 に思え、プログラムが 定出来なかった。

する

11 の

市など

12

1

12/07

+ 08/24 トイレと都市


01

04. 調査分析 時間による環境の変化

YOHAKU KENCHIKU (2021)

■ 閑所再生の手がかり

調査結果の分析から、閑所にはスクラップアンドビル

ドが繰り返される開発の圧力を受けながらも、約 400

年を超える長い時間の痕跡と刻一刻と変化する短い時

間のなかでの環境の変化が存在することが分かった。 人工物に囲まれ、計画の副産物として生まれた環境

こそが、現在の閑所の特徴であり、都市の孤立者の 拠り所となるのではないだろうか。

- 400 年の時間の痕跡 ・閑所の名残りの空間 (1600~)

- 刻々と移り変わる自然環境 ・より鮮明に空を知覚できる

・四季のうつろい

戦後の土地区画整理事業の際に再計画された閑所の面影

都市の建物が高層化したことで、 現在の閑所空間に入ると

古くから閑所空間に残る巨木や植生は、 均質な街区内に

が残る空間が散見される。 現在は駐車場や神社等に利用。

囲まれている感覚を強く感じ、 空がより鮮明なものとなる。

淡い四季の変化をもたらす。

・残存する木造住戸 (1950~)

・風が抜け、光が落ちる

・じめじめとした環境

戦後復興で一斉に建てられた木造住戸が路地とともに残る。

都市の表側では自然環境を制御しようとするのに対し、 裏

コンクリートで覆われた地面、 一年中日陰となっている場所

歓楽街や闇市など何度も改変されながら拠り所となっている。

側にはその残余として風が抜け、 光がビルの隙間から落ちる。

は水はけが悪く、 雨が降るとしばらくの間じめじめした状態に。

・神社 / 社寺 (1600~)

・雑踏が遠くに感じられる

・暗がりで光る自販機

朝日神社など3社の神社、 建忠寺など 110 寺の仏閣が清

うなぎの寝床と呼ばれる細長い空間が、 現在の駐車場となっ

夜になると真っ暗になる閑所内部には、 駐車場に隣接され

州越しの際に名古屋市内に移され、 現在も残存している。

たことで、 奥に行けば雑踏から離れ、 都市を眺められる。

た自販機が小さく明りを灯している。

・植生 / 巨木 (1500~)

・ビルに反射する夕焼け

・うちに溢れ出す洗濯物

夏至の頃から冬先にかけてビルの隙間から夕日が差し込み、

閑所側にはバルコニーやベランダが配置されやすく、 日曜日や

で樹齢 500 年を超える樹木が閑所内に残っている。

閑所空間を赤く染め上げる時期が存在する。

雨の跡などには洗濯物が一斉に干されることがある。

KAZUKI HARA ARCHITECTURE PORTFOLIO

神社の御神木としても、 そうでない巨木としても、 長いもの

11


01

. 計画

YOHAKU KENCHIKU (2021)

所の再

の再

く い

■ 用

ム 現在多くの 所が 定

る 場

用に まっており、有

活用がされていない。

個人・小

業者

そこで都市 出のニー

を踏まえ、小

地所有者

業や

人が初期 資を行い所

有する。小さく い合う事 業計画により都市へ小さ

がかり

所空間を

の の場

な主体が介入していく。

■街

から と

る場

かの

かと

る場

リー

所空間

機能

所有者・経営者

業者

場所

全てが計画されて出来た都市とは対照的に、 所空間には多様な時 間の集 による自然環境が 在していた。それは都市で計画されて

こなかった

である。そこで明 な

たとき自然を感じ大きな時間のなかでただ て 所を再定 し、環境を

. ■

の 計

を た 、人が 独を感じ

ことのできる居場所とし

・ 全するためのフォリーを設計する。

り所

所とフォリーは、イニシャルコストについては所有者が や

街区単位で

は街区内の住民・ 業等に す。

み、また都市的な

を行うことで、生活者の 近に

するが 的な場を生

がしなやかかつ共 的なコミュニティに がる。

の 計 のコン ク トと

する

れ場

町屋の機能配置 (1600 年 )

による

現代の機能配置 (2020 年 )

個人

を り所とす

閑所

から 個人 回

り所

空間

ト リ

カン

縁側

周囲の建物より一層分高いことで遠くまで見渡せる

部 から を たス

た り

を作り

り人

地上階からの視線を切る二次部材

機能 機能を 所 能 KAZUKI HARA ARCHITECTURE PORTFOLIO

12

、自然環境、動線、 材、また 囲を

定などからフォリーの形 を 定していく。 複雑な文 と 続により、全体 が

の間にもうひとつの

になり、

が生まれる。

人々の 独な 間に寄り う場をつくるため、 所内に

な時間の

路地性を引き込みつつセットバック

を高

く多層的

する

環境とフォリー

人文地 学者の a A

leton が提 した “

人が本 的に自らの を しながら、 のことを す。

続的な

する。

れ場

が抜ける場所を

この考えを 用し、現 の生活の場、また た都市から 所へ る動線、

-

” とは、 という

的な拠り所がなくなっ

の設計をすることで、日常からの


01

・植生環境の

YOHAKU KENCHIKU (2021)

れ の なれ

project1.

による境内空間の再生計画

の内地区のある街区の ルの にひっそりと

400 年を超える

この は金明

が 在する。

であり、

ション等に囲まれながら、風に られ

なマン

れ日をさ

んさんと としていた。かつて 所だった場所には 同様に古くからの植生が多く残 している。

そして はこの の力を

し、 囲の人たちの

つかの間のはなれになると いと考えた。

そこで に向かって登 を け、

れ場

の 用による 囲から れるための屋 と1、2階 のあいだの高さにスラブを かせた。

また

の考え方に づく境内 の 大を図る建

ち方を計画し、 在の

として書 を 置した。

なれの

ム の自

街区

の 間

site: 金明 内部には

街区

400 年を超える

がそびえ、画一的な街区の中

に かな植生をつくりだしている。

こうした環境は の街区でもしばしばみられる。 間

リーの

線を るための屋

に向けた登

1 2 階の間に くスラブ

KAZUKI HARA ARCHITECTURE PORTFOLIO

居 る

になる書 13


01 YOHAKU KENCHIKU (2021)

project2. 3つの空に

する

み屋街の

計画

名古屋の最も都心である栄 の ルの 側に 後

住 群を活用した古い み屋街がひっそりと

在する。 になると し な様子で路地が たさ

れるが、名古屋には終

場が ない。

そして対象地は高 ながらも、一部建物の高さが低

く、 ルの 間から空へと 線が抜ける。

それにより 間は空の り わりがより 明に見え、 から 先にかけては

けが内部を く め、

中になると 空に が く。

本提案では都市の 一の自然である3つの「空」

に対 した、時にはひとりで み、時には大切な 人と まで語り合う場を設けた。

の自

街区

み屋街の路地

けで まる 所

屋 の 場 の

けの

光を 散するポリカ

用の ニルカーテン

3

KAZUKI HARA ARCHITECTURE PORTFOLIO

14

特定多 があつまる

を すための ンチング タル


01

都市の 栄地区の

YOHAKU KENCHIKU (2021)

project3.

を活用したひとり空間の計画 街が 集する街区の にアクセス

の悪さからか、常に空いている

場が 在する。

このかつての 所空間は こそ人通りがあるもの の、 間は かで ど人通りがない。

そこでこの

を 用し、地上階に 人が

めのコーヒースタンドと 想空間としての 室を設 計した。

設計の要となる 室は、特に われていない 区画2区画から

を定め、 囲より1層高く

ち上 ることで 線を った。そこへ るまでの動 線は

室に き くようにし、都市からグラデー

ショナルな動線を描いた。

の自

街区

自 と

間のあいだは 用者が なく、

のコイン ー ング

P

トックの

用 機

ー ー

ンド

一層高い RC の 室 増築の け に き く路地

3 無音の 室 囲より一層高いことで、都市から を取 り、コンクリートが一期一会の 間を生 。

でも れる ャラリー

増築の け

力用コア

コーヒースタンド

2 路地空間 から 定した要 を部材に

KAZUKI HARA ARCHITECTURE PORTFOLIO

RC の水

15


01 YOHAKU KENCHIKU (2021)

4. 環境再生と

都市 の

者のための ブリック ッチン計画

都心から し れたア ートやマンションが多い 地 。名古屋の中でも敷地が低く、対象の 所

にはかつて 川という水路が 在していた。現在 は

となったが、そのことが

してからか雨

が った後などはしばらく っており人が寄り か

なくなってしまっている。

そして現 の都市住人は 人化が み、自らの 住宅でこそ、 独を感じる 間が多い。

そこで現在のマンションの

場に、雨水 集の

フォリーを設け、その水を 用した ブリック ッ

チンを設計した。都市の 側に 在するじめじめ

とした問題を共 的な場へと展開させていく。

場の

の自

街区

かと

トックの

敷地内をかつて流れていた 川は名古屋のなかでも敷地が低く、

その

からか現在の対象敷地でもじめじめとした環境である。

集水屋

アクリル

KAZUKI HARA ARCHITECTURE PORTFOLIO

16

ブリック ッチン


な都市 名古屋にはかつて100を超える 所空間が

いくつかの 各街区で

在し、現在もその が残っている。

的な場所が

されていくことで、都市に

が 蔵されていく。

そうした表

YOHAKU KENCHIKU (2021)

01

. 都市 の波

ある都市こそが、

人々の 続的な 会を構築する

ことに がるのではないか。

■シ ク ン

現在の

しい日常から、都市の

としての 所へ り、また

の生活へと回 していくシークエンスを

A~ にしるす。

場と家のあいだ

ルの 見上 ら

A)

日々

しく

場の

に物

られない らと

かな

どの大 れ日が

がある。

が生え、 いでいる。

の前 くなかで

気が

した

は、

場からエスケープする。

)金明

境内

たまにここで見かける人と言葉をかけ合った。 どこの

かも知らないが、

人と話すことで、

囲の

れ日のはなれ 2 階

線は屋

られ、地

でお気に入りの本を

ったりとした時間はい

よりは

しだけ

んわりと

。 んなことを

れさせてくれる。

かんでいる。 )

れて会

場 に出

日の気分は、

いた。

KAZUKI HARA ARCHITECTURE PORTFOLIO

C)

しだけ心が

々しい。 17


01

YOHAKU KENCHIKU (2021)

KAZUKI HARA ARCHITECTURE PORTFOLIO

18


01

YOHAKU KENCHIKU (2021)

卒業設計 学内最終提出シート (A1×10 枚)

KAZUKI HARA ARCHITECTURE PORTFOLIO

19


KAZUKI HARA ARCHITECTURE PORTFOLIO

20


職住無境界住宅 アフターコロナにおける城下町基盤を活用した “ワーカーズビレッジ” の提案

Project : 2020 年度日本建築学会設計競技 歴史的空間再編コンペティション 2020 U30 復興デザインコンペ 2020 2021 第 8 回都市まちづくりコンクール Program

: 住宅 / まちづくり

Creation Time

: 1年 (2020/04~2021/03)

Site

: 福井県大野市

Collaboration

: 有信晴登 井上玉貴

Award

: 2020 年度日本建築学会設計競技 支部入選 U30 復興デザインコンペ ファイナリスト(4th) 2021 第 8 回都市まちづくりコンクール

33 選

Concept : 地方におけるこれからの職住一体の暮らし

新型コロナウイルスを契機として、 大都市圏から地方への移住が高まる

なかで、都市と地方の格差を是正し、 これからの豊かな暮らしを考える 必要がある。 そこでかつて栄え、多くの都市機能を担っていた近世城下

町基盤に着目した。 敷地は豊かな自然と文化が残る福井県大野市。 「水

の城下町」 とも呼ばれた大野には昔、背割用水と裏庭を共有する豊か

な暮らしがあったが、職住分離の過程でウチニワ空間のコミュニティは 失われていった。 そこで本提案では、地方で都市からの移住者と地域

住民が暮らしを共有する 「ワーカーズビレッジ」 というこれからの住まい

のプロトタイプを提案する。 仕事と生活をウチニワを媒介することでその

境界が曖昧になり、 住民達の共助的かつしなやかな暮らしを提示する。


01. 都市と地方、2つの孤立 ■ 現代の無縁な住まい

■ 都市と地方、2つの孤立

地方都市 幼稚園

病院 純化

飲食店

大都市圏

高齢者施設

純化

高齢化、 人口減少に 「働く」=「オフィス」

「住む」=「住宅」

「学ぶ」=「学校」

かつての日本では、職住が近接した暮らしこそが人々の関係性

を生み、また地域固有の風景をつくっていた。

ともなう物理的な孤立 単身者の増加、 居場所の 不足による精神的な孤立

しかし高度経済成長期以降、サラリーマン家庭が標準家族とし

人口減少・超高齢者社会のなか、依然として大都市圏は過密になる一方、

住宅が住むことだけに純化されたことで、生業をもとにした公

所が物理的、精神的な豊かさを定めてしまっている状況であり、今私達は都

てとらえられ、郊外化が進むと職住は乖離した。

共圏は消え、コミュニティの解体や無縁社会化が進んでいる。

地方では生活インフラの崩壊や過疎化が各地で頻出している。つまり住む場

市と地方、それぞれで孤立を生まない仕組みについて思考する必要がある。


2.

に る

site

古 街並み

街区

ン クト 街 江

新 コロナ イルスを 市と地方の格 を

として、 大都市 から地方への 住が考えられるなかで、 都

そこでかつて人が生き、 栄えた近 城 町

というものに

地方の

を生かし地方都市として成 している地

行 ・ 業・文化・山水都市のような多くの都市 に

し、 これからの かな らしを考える必要がある。

的な問題を みながらも、 その

する。

を う近 城 町。 人

することで、 これからの 住近 の らしの

に う

を見出せるのではないか。


3.

市 市

■ ウチ

と ラの暮らし

1575 年、大

市は

水が市街地を

取り囲み表通りに生活用水、街区の 内側に背

用水が流れ、水回りの共

有など かな水との生活が

チに がる

在した。

の場

も継承される街区の内側の空地や

背 り用水は の鑑賞や や

N 地方 住のニー を まえ、人 約 3

を チ

から

かつての生活共同体の

まる

レ ジ

うが い」という住民の意思だけが残り、残 空間となっている。 この場が継承されてきたのは、通りには用水路、街区内部には中

都市

的な

を て、都市への一

方にその

クの大家となり活用、

「 ーカー

になり、

都市 住者と地 住民の共 的かつしなやかな関係 を構築する。 ■

街 に

がる

(管理) 管理業務委託

はたらき手

を活用し、

整備

手数料支払い

ストック所有者は に

家賃還元

地元住人

地方創世の バックアップ

(50%)

貸出

機能

貸出

機能

サービス

管理・利用

サービス

住む・利用

が 業 と地方に

空き地

空き部屋

事業のバックアップを行う。

空き家

大家

移住者 つ

トックの

子 て

る の

つの間 か友

ノマドワーカー

シングルペアレント

地域住民

移住者

から

周辺住民

となる。

転することで、地方創生

所有者

が地 全体で 活

レ ジ

の街区

入を

用され、地方に居ながらも都 会的な らしが

が 業 と

を 業

することで、 出が

容易になり家

移住者

1

部屋を、都市から 転して

共に地方に 転し、街区単 位での整備を行う。

地 の空地 / 空き家 / 空き くる 業組合に し出す。

雇用・給与

(50%)

のある らしを る。

業の本

企業Ⅰ:飲食系

大家業務委託

業の 業 が 住。

仕事と生活を「 チニ 」を 介することでその境 が

家賃天引き

レッジ」 を形成。

レッジ” というこれからの住まいのプロ

企業Ⅱ:医療介護系

利用許可

街区単位での

業組合が地方の空きストッ

そこで本提案では、地方において都市からの 住者と地 住民が

トタイプを考える。

1

企業Ⅲ:IT 系

はたらき手

を 転する。 ▼

化や表層を整えるだけの開発は大 の歴史 を切断してしまうだ う。

らしを共有する “ ーカー

企業組合

都市に本 を置く多様な 業

が集い、組合を 成して地

、背 り水路があり、これらの要 が一体となった大 の生

後、こうした地方に 在する

が んでいる。

として 400 年間 え に残る「 チニ 」

活を えるシステムがあったからである。

ち、街区の

レ ジ” の提案

空間。近 化で 住分 の過 でその空間は見放され、 「残した

ことは無くなった。また空室や空き家

の街区のもと、400 年続く七間 市や食文化などが残っている。

.

から

が設けられなかった。

が生い り、背 用水に人が寄り く

などの山々に囲まれ、 んだ

け水が市街地中心部から き出る地 。また、市民の いの 栄を っ

光・通風の

らの境

しかし 住分 により、中 には雑

人の近 城 町、 井県大 市を

対象敷地として 定する。大 は、

しの共同の場で、


われていない空き部屋を

.街

してできた小さな図書室

小屋やはなれ、蔵を仕事場や 味室として チニ 側にひらいていく

街区単位で長期的に 業組合が介入し、 階的な 住の環境更新を行うことで ーカー

1 -

hase

2 -

の再生

の再生

環と

レッジが次第に成 していく。

ト クの

hase 現

に られる

提案

コンクリートの背 用水を みへと し、 水の過 に、 チッ 雑 が生い り がちなことから、 チニ 側には空き部屋が プ等の 過のシステムを組み込 ことで水環境の を図る。 つ。そこで現在の らしに 合な部分を 築するとともに、空き部屋 住人の な屋 環境のみなら 、中 の植生の再生に寄与する。 に対し の を 入することで、 住者の居場所を していく。

3

hase み なの

4

する ランダ

なれ

用途例

用途例

・農具小屋

・ワークスペース

・作業場所

・趣味室

hase の

による現 の

なれ 用途例

用途例

・工房

・休憩所

・キッチン

・図書

板張

る る

て替え

空きストックの 後、 ーカー レッジとしての を活 化するた 大 の景観を形成する要 を 出した上で、表側の 景を行う。また 来的な景観上 さわしくない 3 階建て RC 建物については、現 め、 チニ にアクティ ティを創出するための小屋を設けていく。 に した / て えをする。 業や屋 での図書など、住民の活動がさらに ような風景を生 。 の CL 等の技術を活用し、景観


06. 空きストックを街区内の小規模拠点へ 企業組合が管理する・事業スキーム・段階的な更新手法のもと、街区内に残る空きストックをワーカーズビレッジの小規模拠点として改修を行う。

ウチニワに対してひらくことを共通のルールとし、小さな単位ごとにリノベーションをしていく。 ■「空き部屋」の増築・減築

■「空き家」のリノベーション

1 住宅=1 家族の仕様により、

大野特有の住居形式であるも

現在使用されなくなった空き部

のの、空き家となった長屋と蔵、

屋を部屋という小さな単位から

はなれを連続的に改修を行う。

ウチニワに対して開く。部屋の

新規機能挿入ととも、CLT 等

機能がまちに開かれ、外部へ

の木材による歴史的建物の長

と共有される。

寿命化を図る。

■共有機能 ■減築部分 デッキ

共有空間と隣り合う

リビング

両縁側

個人領域が内庭を向く

ワークスペース

寝室

ランドリー

デッキ

ひらかれたワークスペース

土間カフェ ウチニワ

住宅街

中庭に面した空き部屋を減築し、デッキを挿入することでウチニワに対しワーク スペースや個人領域が滲むようにひらかれていく。

水回り

住宅街

■「空き店舗」のリノベーション

手入れがされていない空地に

街区内に残る 3 階 RC 造の店

は、ワーカーズビレッジに必要

舗は木質修景を施すとともに

な職の基盤となるオフィスを挿

CLT による耐震補強を行う。

入する。地域の長屋形式に倣

また拠点性を生かし、下階に

いながら、街区の内部と外部

はイベントスペースを、上階に

の抜けを残すように計画する。

はメゾネット住戸を挿入する。

住宅街

オク

ナカ

ワークスペース

デッキ

駐輪場

中庭

ミセ

ウチニワ

個人領域

応接室 コーヒースタンド

コウボウ

はなれに工房を挿入、使われていない土間をカフェにコンバージョンなど、形 式を踏襲しながら改修を行うことで、生活に適した小規模多機能町屋を再構築。

■「空地」への新築

マチ

洗濯を干す

デッキ

ウチニワ

路地

イベントスペース ミセ

抜けを残しながらミセ・ナカミセ・オク・ニワという空間構成を、反転させること 周囲のデッキと連続するように、公共性の高いイベントスペースを二階に挿入す で、街区内外部の境界性が曖昧になり、敷地外との関係性をしなやかに生む。 ることで、ワーカーズビレッジに立体性をもたらす。


■ 波及効果

短冊状の街割りを手掛かり

に、街 区 単 位であったワー

カーズビレッジは地 域のコ

ミュニティハブとして大野全 体へと波及する。そして地方 都市や郊外への移住・企業

移転のニーズが高まることに

よって一極集中、高密になり 過ぎた大都市圏では次第に 余白が増えていく。双方に人

と自然の居場所が取り戻され

ることで、衛生的な都市圏の

形成と地方創成が図られる。





2020 年度 日本建築学会 支部共通設計競技「外との新しいつながりをもった住まい」 提出シート(A2 ×2枚)



Domino Museum 群像劇「ドミノ」の空間化

Project

: 設計製図Ⅱ (B2) 「都心に建つ独創的芸術家のための美術館」

Program

: 美術館

Creation Time

: 3 カ月 (2018/02+2019/07~08)

Site

: 名古屋市中区 栄

Award

: 建築新人戦 2019 100 選

Concept : 群像劇「ドミノ」の空間化

恩田陸の小説「ドミノ」 は群像劇の手法を用いて、一見パラレルな事象

が繋がる瞬間が連鎖し、 クライマックスへ向けまるでドミノのように加速

していく。 全100章のストーリーからなる群像劇から作者が訴えたかった

ことは、都市を歩く人々は無機質な背景、人格を持たない群れではなく 同じ感情を持った人間である。 ということの再認識で、今の日本の都市

への皮肉であると考える。本提案では彼女の意思を反映し、小説内の

28の主人公を空間化、小説で得られた7の主動線に沿って建築空間を 構成する。 それぞれの要素をブリコラージュすることは内部に偶発性を 生み、断片的の集積によってシークエンスを作り出す。美術館を訪れた

人が、作者のまなざしを感じ、 日常が少しだけ豊かになると良いと思う。

33


03

■シ ク ン

する

1

DOMINO MUSEUM (2019)

19 14

1

9

2

8

1.

11

の 著者: 田

田 の小 「ドミ 」は群

により、人と人、人と場所とがつ

ながる 間に きがあり、 者の心を つ。小 内では一見関係のない 100 のストーリーが がる 間が

のように加 して く。

この群 無

し、クライマックスへ向けまるでドミ

から作者が えたかったことは、街中を

に歩く人々は して、

な背景、人格を たない群れではなく、同じ感情を った人間であ

る。ということの再 識であり、現 の日本の都市への

であると考える。

美術館 KAZUKI HARA ARCHITECTURE PORTFOLIO

34

ること

対象地の栄地区は 業や経 の中心地だが、そこに 発 は 在しない。 本提案では彼女の意 を

し、 ・群

の全体構成に沿って・28 の主

人 からなる 100 のストーリーを空間化することで 入

な建築物として

成 させる。日常から 日常への転 、バラバラな都市のシーンがドミ の 様に

するシークエンスは、どこかです てのものは らかの形でドミ

しの様につながっているんだと、感じることができるのではないだ うか。


03 DOMINO MUSEUM (2019)

20.21 32

31

1

32

42

16

22.23.25

2.

10 和

20

” から全体 30

40

を 50

する 60

70

80

90

子 え

え 子

江 江

「ドミ 」では東 全 100

の群

に 27 1

を り広 る。

の主人 が

小 内では、すれ う・ 的の場所へ向かう・ ち合

1

… 同一の

ラに見えるエ

2 や

3

わせをする・

4

るまいが めて多く用いられた。 これら複雑なストーリー

において、それぞれ の人物による独 した複 の話が紡がれ、バラバ

ードが全体を通して知ることでまとまり、本 の を現す

する など都市における人間の ち

。 (エレベーター方 )

の全体構成を 出し、動線計画へと

させる。

KAZUKI HARA ARCHITECTURE PORTFOLIO

■ 全体


03

43

86.87

1

DOMINO MUSEUM (2019)

44.45

58.59

66

64

64 67

50

54

03.27+1匹の主人公に動線とかたちを与える

KAZUKI HARA ARCHITECTURE PORTFOLIO

ex.)

■ 主動線と要素の創造

上図は作者の意図を私が解釈し形態化したものである。

主人公の中から、特にストーリーの中心に関係する 10 人を

ミュージアムの主要動線とし、残りの人物は形態やマテリア 小説の前半では、鮎川明子が娘の麻里

明子が麻里花を苦しめるような右回りの

花に対して適度の期待を寄せ、苦しめ

螺旋階段へと置き換える。また都築玲奈

ている。 (2,22,32,40,41 章)

と合流することから、動線も一つになる。

ルへと置き換えることで異なる 7 パターンの空間を形成する。

その際いずれの空間も、登場人物の状態・心情を抽象化して、 没入可能な形態に落とし込んでいる。


03

86.88.90

100

79

DOMINO MUSEUM (2019)

100

67.68 88.89 98

88.89.90

97

100

04. 建築へ立体化する ■ ブリコラージュによる偶発性の創出

都市を俯瞰する展望台

レクチャールーム 迷い苦しい階段 暗がりから抜ける階段

Domino space

雷鳴の事象

大階段 明るく動的な回廊 (正博の空間)

麻里花と玲奈の塔

展示スペースⅠ (和美の空間)

建築へと立体化していく。動線として成立しながらも、それぞれの要素がブリ

コラージュされることで、内部には意図しなかった偶発性が生み出される。

そうした断片的な空間同士の定点が繋がれることにより、訪れる人々にはシー

クエンスが生まれる。そして何周も繰り返し訪れることで、一見関係のない部

分が集まり、全体を構成するということを認識することが出来るのではないか。

KAZUKI HARA ARCHITECTURE PORTFOLIO

(02)で得られた全体構成に沿うように、 (03)で得られた7の主動線をもとに


03 DOMINO MUSEUM (2019)

Domino Museum 西面から

■ 他者へのまなざし

「ドミノ」は、他の群像劇に比べ、 少ないページ数ながら28人という 多くの人物を主人公とした。加え

て、それぞれの個性的な描写も事 細かに描かれている。そのことを

私は、著者の人々に対するまなざ

4F

5F

6F

B1F

2F

3F

しの深さであると感じた。

「DominoMuseum」は、個々の

集積によって全体を構成しようと考

えた。都市は多くの人や物事が集 まって出来ている。訪れた人が他 者へのまなざしを持ち、日常が少

しだけ豊かになると良いと思う。

KAZUKI HARA ARCHITECTURE PORTFOLIO


03

DOMINO MUSEUM (2019)

KAZUKI HARA ARCHITECTURE PORTFOLIO


03

DOMINO MUSEUM (2019)

KAZUKI HARA ARCHITECTURE PORTFOLIO


03

DOMINO MUSEUM (2019)

KAZUKI HARA ARCHITECTURE PORTFOLIO

建築新人戦 2019 2次提出シート (A1×2枚)


03

DOMINO MUSEUM (2019)

KAZUKI HARA ARCHITECTURE PORTFOLIO


つくり、暮らす景観へ 那古野景観更新手法の提案

Project

: 建築設計Ⅰ 「Future Theque」

Program

: 景観 , 文化施設

Creation Time

: 3 カ月 (2019/10~2019/12)

Site

: 名古屋市西区 那古野

Award

: 愛知建築 15 大学合同企画展 優秀賞 建築設計Ⅰ 学内 1 位

Concept : ものづくり文化の集積から生まれる景観

「景観」 は単に目に見える現象のみではなく、 自然と人間の営みが生み

出した領域のまとわりを指している。私達は目に映る姿を成り立たせて

いる地域の営みと風土に目を向け、内側に隠れている地域らしさを見 出す試みとともにかたちづけられていくべきである。400年前から名古

屋城下町として栄え、 ものづくりを生業としてきた那古野の町並み保存

地区の一角に、無秩序に建てられた建物がある。 目先の利益だけを求

め、 スクラップアンドビルドによってのみ更新を行う。 こうした開発は歴史

性を切断した表層だけの景観か、 どこにでもある画一的な都市に変貌

させてしまうだろう。本提案では那古野の悪とされる建築もマチの重要 な一部であると捉え、 江戸から培われた”ものづくりの文化” を挿入と同

時に、 景観としての” かたち”をなぞらえ、 マチの一角を更新していく。 今

ある生活・ものづくりの生業が那古野の土地と交じり合い、 かたちとして

あらわれることがこのマチにとって真の景観であることを提示する。


04 TSUKURI KURASU KEIKAN HE (2019)

1.

から く く “ の くり” の

■ アイ ン

が われる

み 四間道町並み保存地区

KAZUKI HARA ARCHITECTURE PORTFOLIO

名古屋友禅

和凧

自動織機工場

菓子問屋街

し 来、町人街として栄え、生活

と生産の場が

期には名古屋 が、明

など近

していた 古 。

子や

期には自動織

工業が

などの伝統芸 や

子問屋

んとなり、現在まで重

層的なものづくりの文化が

いている。

敷地である 古 地区は、名古屋 のそ ばにありながら、

問題や住人の高

から続く

更新

化などの問題を え、

2027 年のリニア開発の

によりいっそ

うマチのアイデンティティが問われている。

四間道と町屋群

江戸から残る白壁の土蔵

かつて栄えた堀川

古 の最東に位置し、 川・美 路・四間 や

蔵・町屋が残る約 2.8ha が四間 町 み

として 定されている。

地区


04 TSUKURI KURASU KEIKAN HE (2019)

02. つくりあげられた景観か、ビル群か ■ 表層的な開発への危惧

美濃路(大船通)沿いには景観地区内であるこ

とを無視し、背伸びした集合住宅や外部を遮断

した工場などが無秩序に建てられてしまっている。 一般的に、こうした風景が形成される背景には、 目先の利益を優先したハコモノ建築や暫定開発

としての駐車場などが原因と言える。

しかしそれだけではなく那古野地区においては、 江戸から残っていた土蔵を潰し、工場やマンショ

ンを建て、一方で現代のノスタルジックなものを 築するなど歴史性を切断した負のサイクルが起

こってしまっている。こうした都市のありかたでは、 将来どこにでもある画一的な都市か、またすべて

の景観がつくりあげられた都市へと変貌してしま うだろう。江戸から続く文化やストックを再考し、 那古野で暮らす人々が大切にしてきた “景観” と

いう観点から、共通の指針を考える必要がある。

KAZUKI HARA ARCHITECTURE PORTFOLIO

良しとする流行に乗じ、町屋を表層的に模して新


04

3. つくり、暮らす

TSUKURI KURASU KEIKAN HE (2019)

計画

高 都市のなかにありながら、 歴史的な地区が長く 続する対象敷地

の特 を生かし、 ものづくりの生業と生活が

に関わる 「つくり、 ら

す」 景観計画を行う。 古 に点在するものづくりの文化の中心地とし

て対象地を設定する。

.

する

建築を計画するにあたって

の3

考1 四間 町 み

する 1 の

提案

建築 作として、マチにとって景観上悪である部分を取り くと同時

にものづくりの

となる

と景観としての形 を 入する。建物ご

とのアド ック的な増築を行うことで、 文化景観を 部へひらいていく。

を を 照し、要 を 出した。

地区計画

考 2 川伊藤家住宅

考3 歩いて見つけた 古 の街 み

を行い、

を整え、

KAZUKI HARA ARCHITECTURE PORTFOLIO


04 TSUKURI KURASU KEIKAN HE (2019)

case1.

マチをつなぐ和菓子工場

侵略者である駐車場。しかし駐車場ができることによって、風が抜け、 光が落ち、マチを縦断するように視線が抜ける。これを残しながら江 戸の水景を踏襲し、輸出入のみであった菓子工場の増設により、販

売・休息の他者が介入可能な場の価値向上と収益モデル再考を行う。

隣接する建物の北側面には光が落

江戸時代には堀川か

ち、奥には堀川が望める駐車場、

ら那古野にアクセス

度つなぐための手 がかりになる。

水空間が存在した。

四間道⇆美濃路⇆堀川の関係を再

可 能 で、舟 屋 や 親

■ 機能の補完から景観へ

phase2

に、菓子販売所と従業員のた

セス可能な船着き場を設ける。

既存菓子工場の側面に沿う様

めの休憩室を、堀川側にはヴォ

リュームの連続性を保つように

カフェを挿入し、収益化を図る。

歴史を踏襲し、堀川側からアク

phase3

付け庇によって建物をスケール

ダウンさせる。

列柱により美濃路と堀川をつな

ぐ方向性をつくる。

phase4

白色系ポリカーボネイト板が日陰で ありながらも、わずかな光を室内へ と拡散させる。

KAZUKI HARA ARCHITECTURE PORTFOLIO

phase1


04 TSUKURI KURASU KEIKAN HE (2019)

case2.

マチにひらかれる工場

トップライト 白色ポリカーボネイト板

那古野のマチに対して、仏頂面な工場の窓からは、使われ

ていない段ボールの山が溢れるように見えてしまっている。

このプラスチック工場には、専門的な加工を行う機械とそれ を使う知識のある人が存在するが当然のごとく会社内のみ

トップライト用 軽量屋根張替え 既存鉄骨架構

での利用となっている。

そこで、使われていない倉庫を改修、マチへひらくとともに、 デジタルファブリケーション施設へと用途転換を行う。

ものづくりの知識の継承、他者の介入可能な場となることで

ピクチャーウィンドウ

Deck

人々が主体的にものづくりする風景が景観となっていく。

現在使われていない

ピクチャーウィンドウ

2F の倉庫は段ボー

ルが山の様に積まれ、 窓の外から見える。

類似する工場は通り

沿いに4つ存在する。

鉄骨階段

KAZUKI HARA ARCHITECTURE PORTFOLIO


04 TSUKURI KURASU KEIKAN HE (2019)

case3.

ものづくり拠点となる集合住宅

堀川を背にして建つ、3 棟の集合住宅が存在する。

景観地区内で一際背伸びし、マチに圧迫感を放つつとともに、空室率や将

西側ファサード

堀川側の様子

来の建物の老朽化問題を抱えている。

そこで景観として悪であり、ただの通過動線となっている共用廊下の腰壁と階 段を減築、各住戸の先に新しくものづくり + 景観のかたちを挿入する。

生活・生業を拡張させるファサードを設けることで、ヒューマンスケールの集 積によるものづくり景観を生み出す。町屋の体系を踏襲した着脱可能なファ

サードは、可変性を齎し、ものづくり拠点として次世代へとマチを紡いでいく。

マチに圧迫感を放つ。

巨大であるからこそ拠点

としての可能性がある。

川のにおいや湿気、寒

さから堀川側の建物は

背を向けるように配置。

■ つくる暮らしから景観へ

phase1 共用廊下の腰壁と共用階段を減築

phase3 ものづくりの機能 + かたちの挿入

KAZUKI HARA ARCHITECTURE PORTFOLIO

phase2 木耐震フレームにより長寿命化


04

TSUKURI KURASU KEIKAN HE (2019)

美濃路に溢れ出す、つくりながら暮らすという景観

KAZUKI HARA ARCHITECTURE PORTFOLIO

堀川側の親水空間


04

TSUKURI KURASU KEIKAN HE (2019)

KAZUKI HARA ARCHITECTURE PORTFOLIO


04

TSUKURI KURASU KEIKAN HE (2019)

KAZUKI HARA ARCHITECTURE PORTFOLIO


04

TSUKURI KURASU KEIKAN HE (2019)

KAZUKI HARA ARCHITECTURE PORTFOLIO

愛知建築系 15 大学合同企画展 提出シート(A1×4 枚)


04

TSUKURI KURASU KEIKAN HE (2019)

KAZUKI HARA ARCHITECTURE PORTFOLIO


Other Projects

森に介入し、森が介入する家

: 住宅 学部 2 年次 設計課題 学内 1 位 /150 人

The Urban Thread

: 美術館 学部 2 年次 設計課題 学内 3 位 /150 人

再起の住まい

: 住宅 学部 2 年次 第 1 回アサヒグローバルコン ペティション ファイナリスト

覚王山のレシピ

: 図書館 学部3年次 設計課題

輪環和話

: まちづくり 学部3年次 まちづくり都市デザイン競技

蒲郡東港プロジェクト

: まちづくり 学部 4 年次 愛工大安井研究室・名大 恒川研究室共同プロジェクト


05 OTHER PROJECTS (2017~2021)

森に介入し、森が介入する家

Program : 学部 2 年次設計課題「森の傾斜地に建つ邸宅」 Creation time : 2ヵ月 (2018/05~06) Award

: 学内 1 位 /150 人

自然と人が歩み寄る暮らし

植物と人工物のせめぎあい、そこに美を

感じる。人の居場所を自然がオーバーラッ

プし、新しい居場所をつくる。大きな流れ jamie north「Remainder」

■ 形態ダイアグラム

の中で互いに歩み寄っていくような住宅

1. 森に介入する

森の場所を残しながら、

等高線に沿ってひとつながりの壁を建てる。

2. 人の居場所をつくる

壁の流れのなかに居室を設ける。

3. 森が介入する

時間の経過とともに森が人の場所へ介入し、 人工物を侵食しながら環境をつくっていく。

areaA areaB

Plan S=1:200 sculpture

atelier

WR garage

BR

BR

BR

Forest Gallery

En

living

X

X’

Deck

stream

gest room

‫ۃ‬6*/s

‫ ۃ‬ ‫ ۃ‬

KAZUKI HARA ARCHITECTURE PORTFOLIO

‫ ۃ‬PP

‫ ۃ‬PP

areaA areaB ‫ ۃ‬PP

Section X-X’ S=1:200

‫ ۃ‬


05 OTHER PROJECTS (2017~2021)

The Urban Thread Program : 学部 2 年次設計課題 「都心における独創的芸術家のための美術館」 Creation time : 2ヵ月 (2018/11~2019/01) Award

: 学内 3 位 /150 人

都市を織りなす糸の美術館 織物作家である上原美智子氏の作品は、糸の繊

細な “3デニール” という単位に、 「見えないから

こそ見える、見えるからこそその向こう側にある音 や光、記憶までを促す」というものである。

織物作家である上原美智子氏の作品は、糸の繊

細な “3デニール” という単位に、 「見えないから

こそ見える、見えるからこそその向こう側にある音 や光、記憶までを促す」というものである。

本提案では彼女の思想をくみ取り、作品を展示

する際の背景を、建築としては限りなく細い部材

で構成することにより鑑賞者→アート作品→ストリ

ングバックドロップ→更にその向こう側という関係

を構成し、彼女の作品のポテンシャルを引き出す

ことを提案する。

都市の中心に現れる糸の美術館は訪れる人に

アートを超え人々や、自然環境など都市に対する 知覚を増幅する装置となる。

再起の住まい

Program : 第一回アサヒグローバルコンペティション「100 年後も生き続ける住宅」 Creation time : 2ヵ月 (2019/01~02) Award : 1 次審査通過ファイナリスト

KAZUKI HARA ARCHITECTURE PORTFOLIO

津波を受け流す住まい

三重県四日市市において 100 年先も生き続

けることの最大の障壁は “津波”、また近年 のゲリラ豪雨や河川の氾濫である。

本案では地上階に開かれた RC スケルトンと 津波を受け流す間仕切りによって分節し、日

常的な防災コミュニティ、水害に対してレジリ

エンスのある住居群を提示する。

水が通り抜ければ、躯体は安全

東南海地震による浸水範囲:三重県四日市市


05 OTHER PROJECTS (2017~2021)

覚王山のレシピ

Program : 学部 3 年次設計課題「まちに開かれるマイクロライブラリー」 Creation time : 2ヵ月 (2019/04~05)

バラバラな街の魅力の集約拠点

かつて覚王山の活気を取り戻すため “まちづくり” によって 生まれた「レトロ」 「アート」 「エスニック」 「フード」 。

これらの歴史を紡ぎなおす拠点としての図書館を計画する。

輪環和話 -○○したくなるマチへ Program

: 第 22 回まちづくり・都市デザイン競技「岡崎」

Collaboration

: 有信晴登 稲葉魁士 高橋侑里 山本拓

Creation time

: 3ヵ月 (2019/12~2020/02)

岡崎の現状とこれから

対象敷地である岡崎市中心部は、市のシンボルである岡崎城なら

びに伝統産業の八丁味噌づくりの蔵が続くまちなみ景観に歴史的

な風情を感じることが出来る。しかしエリアごとでの文化資源は分 散されており、歩いて各エリアを訪れることは容易ではなく、アク

セスの悪さから、魅力や賑わいを感じる歩行者中心の空間に乏し

さがみられる。対象となる5つのエリアそれぞれの固有の魅力を高 めるとともに、歩いて居心地のよい低層部づくりが必要である。 全体コンセプト 4つの “わ” によってマチを再生していく

対象地区に対して、4つの “わ” による都市の再生を提案。現在

の岡崎市中心市街地のを形作る Quruwa は、岡崎城の城郭の曲 KAZUKI HARA ARCHITECTURE PORTFOLIO

輪をモチーフに考えられ広く浸透している。また、複雑に入り組ん

だ小路が特徴である二十七曲がりや市街地を緩やかに蛇行して流 れる乙川など “輪” や “曲” と深く関与している事物が多いことが

見て取れる。加えて岡崎の方言の語尾に “わ”、“だわ” の様につ

くことが一般的であり、“わ” がなじみ深いものであると考えられる。 これらを踏まえ、都市骨格の “輪”、交通や環境の “環”、市民交 流の “和”、市民主体の “話” の4つの “わ” を岡崎の核として整 備を描いていく。


05

Program : 学部 4 年次 研究室通年プロジェクト Creation time : 7ヵ月 (2020/06~12)

愛知県蒲郡市東港。かつては漁業が栄えたものの、現在放棄されてしまった港を市民のための「アカデミックゾーン」として再策定する。

愛知工業大学安井研究室と名古屋大学恒川研究室の共同プロジェクトとして、市全体のストーリーからマスタープラン、建築提案を試みた。 7/02 第2回敷地調査

10/01 第1回計画発表 @ 蒲郡市役所

2020

6

7

8

9

10

11

OTHER PROJECTS (2017~2021)

蒲郡東港整備計画

12

□プロジェクト始動

継続的な敷地調査 提案検討

□前期最終プレゼン

ストーリー班

□蒲郡市有識者会議

提案の再検討(伊藤・吉田)

□市民まちづくりフォーラム

卒業設計へと引継ぎ

ランドスケープ班 建築班

7/20 照明計画長町さんとのミーティング

9/15 名大恒川研とのミーティング

12/13 第2回計画発表 @蒲郡信用金庫

愛工大安井研、名大恒川研共同で行う、通年のプロジェク

トの初年度として活動を行った。

約 7 カ月に及ぶ計画期間、市民や市役所の方々にヒアリン

グを行い、都市や建築、照明計画を専門とする先生方に教

えを乞いながら計画した。12 枚の最終提案書は、蒲郡のま

ちづくりにかかわる人々の熱意が組み込まれた提案である。 □ 最終提案書

KAZUKI HARA ARCHITECTURE PORTFOLIO


KAZUKI HARA ARCHITECTURE PORTFOLIO SELECTED WORKS 2017-2021 2021年3月 初版第 1 刷発行

発行 / 編集

原 和暉

問い合わせ先 TEL :

080-3655-9926

MAIL : arckh1199@gmail.com LINE :

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