Portforio - Ryosuke Kokubo -

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Portforio / Ryosuke Kokubo

街の中の場所であること、人の居場所であること。 私は設計において、その建築が建つ街との関係を意識します。 そうすることで、街につながり、街をより良くしていく建築をつくりたいと思っています。 そして、そこが人の居場所であるということを意識します。 そこに居ることが喜びとなり、価値となる建築をつくりたいと思っています。 街と人、そのスケールの違う二つの視点を繋ぎ合せることで、 親しみと愛着にあふれ、未来へと繋がる幸せな建築を生み出したい。 私は建築をつくる上で、そう考えています。



Contents forest bath

間隙を縫うように、―都市生活者の拠り所

実施計画 / 夏の別荘

卒業設計 / 公共施設

東海学生卒業設計コンクール 2009

金賞

全国学生卒業設計コンクール 2009 二次審査通過(14 選)

ラティスクエア

SD Review 2008 鹿島賞

Green Connection コンペ / 再開発計画、アーバンデザイン

学部課題 / パブリックスペース(情報、 商業、 イベント)

2009 年度日本建築学会設計競技「アーバンフィジックスの構想」                         東海支部入選

switch school

うち/そと 子ども/大人 学校/公園

かつて街に壁があった、その場所で コンペ / 公共の場の読書空間

学部課題 / 小学校+公園

studies about TABLE

Workshops



名古屋大学工学部社会環境工学科建築学コース 2008 年度 卒業設計 2008.4 − 2009.3

間隙を縫うように、―都市生活者の拠り所 都市で生活する人々の拠り所となる やわらかい皮膚 を持った公共施設

東海学生卒業設計コンクール 2009

金賞

全国学生卒業設計コンクール 2009 二次審査通過(14 選)


街中の雑多な 多なもの ものを飲み込 込む

背景

やわらかい皮膚をも やわら をもったこの場所は、 そんな な街に 街に線を引くようにからだを横たえ、 自らと人を結びつけるように彼らが巣食う場を与える。

都市生活者の拠り所となるような場所を

そうしてこの場所は、そこで暮らす人々にとっての、 生活の、そして心の拠り所となる。 人の、街の、時間の、 間隙を縫うように、

立ち並ぶ高層ビルや大型の商業施設の足もとに置かれる、些細なオープンスペース。 もしくは逆に極端に広々とした都市公園。 公共施設は大規模で立派な設備の整う、かしこまった場所である。 ここで働き、ここに住み、ここで日々の生活を送る人たちは、どんなに窮屈な毎日を送っているのだろうか。 そんな都市のど真ん中に暮らす、「都市生活者」のための場所をつくる。 それは彼らにとっての、生活の、そして心の「拠り所」となる場所ではないだろうか。

設計手法

境界面の変容から生まれる境界空間 ソトの空間(街)とウチの空間(施設)を隔てる壁を、 二つの空間が拮抗する境界面としてとらえてみる。 境界面はゆらぎ、その表と裏が錯誤するようにして複雑化する。 ソトがウチに入り込んでくる場所、逆にウチがソトへ押し出す場所、

間隙を縫うように、−都市生活者の拠り所 都市 都 市で生活す で生活す で生 活する る人 人々 々の の拠 拠り り所と 所となる なる、や やわ わら らかい かい皮膚 皮膚をま 膚を をま まと まとっ とっ った公 った公 た公共施設 共施設 共施 設の の提案 提案

厚みを持ち空間化する場所、今まで通りの場所。 関係は多様化する。


街 商店 頓寺 至円

名古屋 古屋 屋プライムセントラルタワー プライムセ ルタワー ー

敷地

ブリリアタワー ブリリアタワ リアタワ アタワー 名古屋グランスイー ランスイー ート ト

名古屋の都心部にあたる名駅地区。 長屋の残る戸建住宅地と、近年次々と 建設が進む高層ビル群やオフィスビル が隣接・混在する。 高層ビルが並ぶ大通り、その裏に意外 なほど多くの駐車場。 そこには静かでひとけのない場所が広

オフィス

がっている。

オフィス フィス ス マンション 戸建住宅 事務所 所 小規模マンション 規模マンション

オフィス コインパーキング

戸建住宅 宅 稚 マンション ン 幼稚園 事 事務所

大小、新旧、様々な機能が様々に混ざり合った場所 長屋・戸建住宅地

オフィス 専門学校

戸建住宅 建住宅 建住 事務所 事 務所 所 小規模マンション 小規模マ マンション 戸建住宅 戸 建住宅 建住宅 事務所 事務 務所 所

高層マンション、戸建住宅、長屋、幼稚園、専門学校、教会、オフィス、個人事務所。

駅 屋 古 名

ひとけのあまりないこの場所にも、実は多種多様な生活があるのではないか。 様々な建物の大きさ、建物の間の「空地」 、建物の「つくり」 。

戸建住宅 戸建住 戸建 住宅

そのスケールの落差はこの場所の魅力の一つであり、

高層 マンション

ここで暮らす人々にもその空間体験は確かに記憶されているのではないか。

長屋 屋

計画地は「地域の公園」と

高層ビル群

コイン パーキング

「2つの駐車場」という現状 名 屋ルーセントタワ 名古 名古屋ルーセントタワ ワー ワ ー

敷地周辺図 S=1:4000

そこらじゅうで新しい建物の建設工事も行われ、今この時も時間が混ざり合っていくように感じた。

では別々に管理される 3 つ

こんな様々な要素がごった煮のように混在している地域に、

の敷地を合わせて計画する。

それをまとめて引き受けてしまうような場所を作れないか。

N

長屋 長屋

今なお一部に残る長屋の街並み、その背景に現れる真新しい高層ビル。

0

20

50

100M

配置 周辺のスケールをもとに , この場所にあるべき空間を再編成する

隣接するのは、大きく以下の3つに分けられる。 オフィスやマンションといった〈大きなヴォリューム〉 住宅等の〈小さなヴォリューム〉の集合する場所 視線の抜ける〈奥行のあるヴォイド〉

チューブ状のヴォリュームを、 〈大きなヴォリューム〉にあてるようにして蛇行させる。 一方、 〈小さなヴォリューム〉や〈奥行のあるヴォイド〉に対してはオープンスペースを確保し、 囲われたヴォイドを形成。 さらに、部分的にヴォリュームを持ち上げることによって、小さいヴォイド間をゆるかに連結。

駐車場部分に建設可能な容積を想定し、それを敷地全体に展開することにより、 ボリュームを検討した。また、外構の面積は既存の公園面積分を確保している。


設計方針

設計過程 SECTION‐「境界」の変化

①− a

「環境」を持ったレストスペース中心の公共施設

囲われた場から周辺との関係を結ぶため、境界面の

③ (①×②)

変化に関する断面のスタディを中心に行い、それに ヴォリュームの検討を加えた。

人々の拠り所となる公共施設。そこは心と体を休める場所としてあるべきである。

断面のスタディは、窓の要素と壁の要素の二つの変 触手を伸ばす生物のようなふるまい

<マドの厚み>

化に大きく分類される。

そしてそこには、都市にあって都市にない、街の一部であって街よりも豊かな

一つの「環境」が必要なのではないだろうか。

③− a 囲われた場

<ウチとソトがせめぎあうスキマ>

周囲と関係を持ちながら生まれる場

<カベの厚み・空間化> 様々な奥行き性と明暗をもつ

ただし、その環境をつくるために周囲との関係を

<都市とは異なるひとつの環境として>

断ち、殻に閉じこもるような「閉じた環境」をも

<周辺に対し閉ざされた場>

VOLUME-「環境」への応答

a

TUBE

b

COURT

③− b

つ場所であってはいけない。 そんな場所は人々の生活から遠くかけ離れた場所

スタディの結果から導き出された 3 案より、人が使

になってしまう。

い込む余地の残されたスキマ空間を持ち、様々なス ケール、人、時間の混在する周辺環境に対し、柔軟

生物的

回遊性

周囲と関係を結びながら生まれる場所でなければ

③− a に対応することが可能な    案を用い、本設計

線として

新たに囲われたソト

ならない。

を行った。

求心性のある神聖な空間

ダイアグラム ウチ・ソト・スキマの関係性 3 つの空間はその表面を変化させ、互いに影響を及ぼ しあう。光や風、視線や活動はそれぞれの空間を行き 交い、空間に関係を結ぶ。 互いの関係性により、

せめぎあうソトとウチ、そしてそのスキマ まとわりつくスキマ

囲いとられた場(ウチ)と、街やその周辺の

独特な性質の空間と なっている。

外部空間(ソト)とが互いにやりとりをする中

スキマは二つの空間を緩やかにつなげ、ソトと

そんな空間の関係性

で、そのはざまにスキマのような空間を生む。

ウチのあいだでやわらかな空間となり、それら

が、この場全体を包

とは全く異なる空間性を持つ。

み込む人々の親しみ

そんなスキマはウチとソトを結び合わせる触媒

となる。

強い二つの場のせめぎあう中にあるその空間 は、やさしい人々の居場所となる。

のような存在である。

窓の厚み、繰り返し 壁厚、隙間の厚さ、ヴォリューム の厚さと、この建物は様々なス ケールで厚みを作り出す。

アツマドのふるまい

アツマドでできる場所

ポツマドがその厚みを増すようにして生まれたアツマドは、

アツマドにより、スキマにはスケールの落ちた空間が作られ、

ひと、ものの居場所として、様々なふるまいをする。

それぞれの人がくつろぎ、時間を過ごす場となる。

多様なスケールをつなぐ存在である。

その空間性はスキマを飛び越え、ウチやソトの壁際にも居場所をつくる。

街の要素を整理する線引きとし ての役割をするとともに、それ らを縫い合わせる窓のような役 割ともなる。


f

j

b

a

エントランス アート

GL+100

小説

バスケット ゴール

雑誌

i

h

レスト

e

a

芝生

オーディオ オーディ ディオ

j i

d

g GL+4200

c

ナチュラルカフェ GL-500

f

イベント 事務

メインアート c

g

e

GL+4800

GL+1100

野菜販売

カフェ アート

遊具 菜園

(搬入)

ナカ・スキマ側部 d

平面図及び外構図 S=1:500

N

エントランス アート

雑誌・情報

GL+7900

GL+100

0

10

25M

3

GL+5000

GL+5600

丘 GL+7000

GL+10600

スキマ上部

GL+4900

書庫

GL-2400

GL-2700

坂 倉庫

スキマ下部

各部平面図 S=1:800


計画 アート(企画ギャラリー、個展)

機能の分布

図書・情報(雑誌、一般書籍、生活・ビジネス図書)

個人ではなかなか得られないが、気軽に利用しやす いといったよう

軽食(カフェ、ドリンクコーナー)

な中規模な機能を用意し、ナカ全体に複合的に配置する。

運動(遊び場、ランニングコース)

各機能は全体にちりばめられるが、周辺環境やその空間性の違いか

菜園(個人農園、カフェのナチュラルフード)

らその分布の濃淡が生まれている。

レスト・フリースペース

動線経路 エントランスはヴォリューム端部やアツマドにより示され、階段室はスキマ空間へ、エレベータは

階段、EV

変形したアツマドのコアに納められており、どの場所からも空間の行き来が可能となっている。

アクセス

さらに、チューブ状のヴォリューム構造とアツマドの特性を用い、敷地周辺を通る人々の通過行為

通り抜け経路

を促す動線計画を行った。

平面計画図 S=1:800

構成 体験を引き継ぐ開口のバリエーション

複雑に絡み合う公と個

壁厚の変化による位相の変化

それぞれの開口はその幅・高さ・奥行きの

各空間の性質が異なることにより、そこ

壁厚はゆらめくように各所で変化し、

各パラメータの変動により、ウチとソトの

での人々の公私の関係にも差が現れる。

壁を介した空間同士の関係性は変化する。

関係やその中の空間の質を変化させる。

その中で人々は自分のこの場所での過ご

これにより、スキマ空間はウチとソト

し方を選択する。

る。 に対して様々な位相を持つ場となる。

それは周辺の空間のスケールをもとに定め られ、街での人々の空間体験と連続する。

公と個が複雑に絡まり合い、接するよう にしてこの場ができている。


断面 人々が自らの居場所を見つける余地の残るスキマ空間 ナカ・ソト・スキマの関係は、それぞれの空間の影響、特にソト の影響により、ヴォリュームの各部で変化し、その位置関係や気積、 壁厚などが変化する。 こうして、それぞれの空間の変化が呼応しあいながら各々の空間 にも差異が表れることにより、多様な場を築いている。

a-a

b-b

c-c

d-d

e-e

f-f

g-g

h-h

i-i

j-j

短軸断面図 S=1:600 a

b

c

d

e

f

g

h

i

j

a

b

c

d

e

f

g

h

i

j

西側立面及びスキマ断面図 S=1:600

g j

i

h

j

i

h

g

f

e

d

c

b

a

f

e

d

c

b

a

東側立面及びスキマ断面図 S=1:600

立面 場に呼応する開口群

ソトカベ

ソトの窓

壁厚やスキマの幅、開口量や厚窓の大きさ

ウチカベ

ウチの窓

は周辺の環境に呼応して変化する。 様々な奥行きを持ち、人の姿が見え隠れす る立面を構成している。

ウチとソトを貫く窓



名古屋大学工学部社会環境工学科建築学コース 2007 年度 学部 3 年設計課題(studio 4) 2007.11 − 2008.1

ラティスクエア

関係・環境・変化を調停する 格子 に囲われた広場

「旧繊維問屋街の街づくり戦略の検討とキープロジェクトの設計提案」

錦二丁目「えびす祭り」成果物展示会 出展


「格子に囲われた広場」 時間の経過とともに変容する周辺との関係に対する応答、木漏れ日 のような環境を持つ心地よい空間、ハレとケに対応し、変化する場。 そんな許容性を持つ、 「フレームに囲われた広場」を提案する。

ラティスクエア

proposal

繊維問屋業の衰退、ポテンシャルを持った場所 錦二丁目は、かつては有名な繊維問屋街として活気にあふれていたが、 日本繊維業の衰退・流通形態の変化 により、現在はどこか寂しさを感じる。 しかし、名古屋の二大都心である栄地区と名駅地区のほぼ中間に位置 し、飽和状態の都市部において、新たな市場として注目を集めている。 ここで生活する人々は、服飾や飲食、デジタルコンテンツなど、様々な分野の若手が集う 「錦二丁目ベンチャ ータウン構想」を計画し、協議を進めている。 この街は、新しい姿へと生まれ変わろうとしている。 コインパーキングで溢れた街 この地区には非常に多くのコインパーキングが立地し、その存在は街の表情に大きな影響を与えている。 コインパーキングがつくるヴォイドは、予期せず隣接するビルの側面や街区中央部などの「街の裏側」をあ らわにし、その空間の印象が街全体の印象も悪くしてしまっていると感じた。 しかし一方で、そのヴォイドのおかげで非常に過密なこの地区にも、 日の当たる空間が生まれているのも事 実である。 ヴォイド空間を、街を良い方向へと導く存在へと変えていけないだろうか。 back ground

通り側のメインエントランスから奥を望む

frame diagram

volume diagram

強固な壁で閉じられたヴォリューム。 ウチとソトは完全に隔てられている。

周囲のスケールにあわせた サイズのヴォリュームを、街 区中央の隙間(閑所)を埋め るようにして配置していく。

Re-Set

壁を格子状のフレームとして再定義する。 格子を介して、 ウチとソトは自由に関係をもてる。

Re-Construction

配置したヴォリュームをつ なぎ合わせ、緩やかに分節 された一体空間とする。

格子状のフレームに様々なパネルを加え、 壁を再構築する。 周囲の状況に応じたゆるやかな変化を持つ 囲われた空間ができる。

ヴォリューム上部から通り方向を眺める

人と情報が交錯する敷地  計画の対象とする10番街区 は、近年、新たに商店が進出し 始めた袋町通りに面する。  今後も店舗が増加すること が予測され、 この地域のメイン ストリートとなるであろうこの 通り沿いに、 オフィスのお昼休 憩の場やこの街の情報発信地、 小規模なイベント・催しの会場 といった様々な使い方を許容 するオープンスペースを提案 する。

袋町通り

event space

10番街区

錦二丁目

lounge

site choice

2nd floor plan S=1:250


parking

meeting room

shop A

A parking cafe

自動車での アクセス

information 錦二丁目の様々な情報を提供する

event 広いデッキスペースで 様々なイベントを行う

information center

B

rest room

B shop

裏からの 住民のアクセス

袋町通りからの 買い物客のアクセス

green&stairs 緑の中に階段がのび、静かな 安らぎの場となっている

1st1st 1st floor floor floor plan plan plan S=1:200 S=1:200 S=1:250

zoning

N

shop&rest 店舗スペースの貸し出しをするとともに、 空きスペースを休憩所として開放する

平常時は家具が設えられ、住民のくつろぎの場、 オフィスワーカーの昼食・休憩の場として利用される。 イベント時には、 ステージと客席となり、 ライブやショーが行われる。 格子越しに、 格子越し に、 隣 隣の建物の の 雰囲気や緑がの のぞく

隣接する 隣接 する建物 建物の新 の新たな たな な ファサードとして機能す する

ヴォリュームの上にものぼれ、格子屋根との 関係を楽しめるレストスペース

情報センターは「ガ ガラス」 「格子」 という二重の フィルターを通し、 、緩やかに街へ開く

event space

lounge shop in info informatio no orm matio ation o information cent cce nttter center

parking

B-B section S=1:200


パンチング メタルパネル

panels plywood panel panching metal panel no panel

植栽・展示

広告・看板

木製パネル 格子越しに見える空 frame

壁面緑化パネル

frame expansion plans

通り抜け通路

空間を満たす木漏れ日のような光

スケルトンとしての格子状フレーム 格子状フレームのみが構造を担い、 自重とパネル等の付加物を支える。 これにより、 フレーム以外の部分は容易に取り外しができ、イベント時の 模様替えや周辺建物の要請に応じて、パネルをつけかえることが可能で ある。

2000

500

また、 フレームによって区切られた 各パネルスペースは、一般に貸し出 され、展示や広告物の設置等にも 用いられる。

2000 200 00 この街では、 「えびす祭り」 と呼ばれるイベントが 年に一度催され、多くの人出で賑わう。 ここは臨時 のイベントスペースとして姿を変え、いつもと違っ た様相を見せる。 この広場は条件に対応し、様々な場の変化に対応 する。

A-A section S=1:400

structure & program

大きなガラス面を持つヴォリュームが地上空間を分節する

north elevation S=1:400




名古屋大学工学部社会環境工学科建築学コース 2007 年度 学部 3 年設計課題(studio 2) 2007.6 − 2007.7

switch school

うち/そと 子ども/大人 学校/公園

公園をまとうことにより拡大された 地域 と そと の小学校

「隣接する公園も含めた小学校の改築計画」 代表者による小学校でのプレゼンテーションに参加 1 等案


うち/そと

子ども/大人

学校/公園

分棟の配置、各構成単位・室に対応する

1階に配された特別教室は、平日は子ども

学校を取り囲むようにして公園を設ける

ように設けられたデッキ、全開放が可能

たちの学びの場として使われるが、休日に

ことで、学校は大きな公園の一部のよう

なガラス戸により、外部と内部がにじむよ

は一般開放され、地域住民のための生涯

に、公園は校庭とは別の子どもたちの居

うにしてリンクする。

学習の場となる。

場所として存在することとなる。

この地域の既存の環境として残されたプロムナード

switch school

N

うち/そと 子ども/大人 学校/公園

名古屋の賑わいの中心である栄・久屋大通り地区や行政の 中心である三の丸地区に程近いところに山吹小学校は敷地 を持つ。北側は文化の道と呼ばれる町並み保存地区があり、 閑静な住宅街にもなっている。その一方、西側・南側には目 と鼻の先に大通りが走り、毎日多くの車が行き交っている。そ んな山吹小学校に改築計画の話が持ち上がった。 今回の計画は、山吹小学校に隣接する山吹谷公園も含めた 敷地での改築計画であった。休日にはたくさんの親子連れで 賑わう、地域住民にとって大切な公園である。 こういった条件のもと、私は公園を利用し、地域と小学校とが

既存の豊かな環境・記憶を残す

現状の山吹小学校

もっと近い存在となることを目指した。

既存の学校と公園の間を

それぞれが別のかたまりとして存在していた小学校と公園

学校と公園を隔てる機能

配置図 S= 1:3000

公園と学校の間をつくる分棟のヴォリューム

通る欅並木。 は失ってしまうが、 この土

を、 ともに分割し周囲に分散させることによって、公園と小学

住民に積極的に開放することとした。

park

volume school

地の記憶として引き継ぎ

校を互いに近い存在とした。 さらに、小学校の特別教室を公 園に隣接させ、分散した公園に特徴を与えるとともに、地域

敷地内にばらまかれた

、本計画では小学校のメ 敷地内には立派な木々が立ち並ぶ。 分散するヴォリュームはこれら既存の樹木の合間を 縫うようにして配置されている。

インストリートとして機能 させる。

school

park

volume

校舎のヴォリュームに より、学校と公園は緩や かに分けられ、同時に 校舎は両者と関われる 場となる


X'

日陰の体操デッキ

水辺の ランチデッキ

調理実習室

準備室

図書メディア  センター

高学年 昇降口

準備室

読書のデッキ

音楽室

低学年 昇降口

Y'

Y

太陽のランチデッキ

発表のデッキ 欅並木の プロムナード

屋内プール

トワイライト  スクール

芝生の広場

放送室 更衣室

会議室

ステージ 器具庫

日向の自然デッキ 事務室 保健室

教職員・来客用   昇降口

ちいきの広場

配膳室 自然観察デッキ

アリーナ

器具庫

理科室 中学年 昇降口

自然の広場 準備室

更衣室

準備室 作業デッキ

給食室

図工室 作品ギャラリー

きん舎

X

N

配置図兼1階平面図 S= 1:600

低学年棟

低学年棟

1−2

応援席 アリーナ

ステージ ジ 芝 芝生の広場

音楽室

昇降口

WC

音楽室

0

5

20

50M

高学年棟 1−1

学びのデッキ 学 学び 学びの び 6−2 読書のデッキ 読書 読書の 書の

5−2

6−1

図書メディアセンター

昇降口

準備室

5−1 調理実習室

水辺の 水辺 辺の ランチデッキ チデ デッ ッ ッキ キ

日陰の体操デッキ 日陰 日陰 陰の の体 の体 体操 操デ 操 デッキ ッキ

Y-Y 断面図 S= 1:800

X-X 断面図 S= 1:800

東立面図 S= 1:800

北立面図 S= 1:800


屋根が刻む軽快なリ リズムは、古くからの町並みの スケールに調和する るとともに、子どもたちの

5−1

5−2

高学年棟

6−1

6−2

アクティビティを地域 域に

1−2

1−1

学びのデッキ

低学年棟

2−1

のぞかせる。

プール上部 2−2

多目的 ホール ランチルーム

放送室

応援席

4−1

アリーナ上部

配膳室 中学年棟

4−2

3−1

3−2 学びのデッキ

校務センター 校長室

2階から眺める風景にはたくさんの木々。 今ある小学校が持つ風景を引き継ぎ、 その良さをより高めるような建て替えを 目指した。

2階平面図 S= 1:800

棟=子どもたちの家 プログラムとして、各棟の掃除・管理はそこに教室を持つクラスで行われ、 それぞれの棟が子どもたちの学校生活の舞台となる。 低学年から中学年、さらには高学年と、子どもたちは校内のさまざまな場所を 渡り歩き、長い小学校生活の中で子どもたちは様々な環境に触れ、成長する。 1−1

1−2

2−1

教員スペース

2−2

低学年棟クラス周り詳細平面図 S=1:300

クラス周り詳細断面図 S=1:300

対象敷地:名古屋市東区撞木町 敷地面積:16,040 ㎡ 建築面積:7,324 ㎡(建蔽率:45.7%) 延床面積:8,486 ㎡(容積率:53.0%)

西立面図 S= 1:800

南立面図 S= 1:800




名古屋大学工学部社会環境工学科建築学コース 有志 週末住宅の実施計画(共同設計者として参加) 2007.9 −

forest bath 外と内の取り引きをする境界をもつ夏の別荘

SD Review 2008 鹿島賞


別荘住宅地 敷地周辺は別荘どうしの間隔が近く、 別荘住宅地、というような風景であった。 そこで、周囲との直接的な視線のやり取りは避けながらも、 自然をできるだけ取り入れることを意図した。 敷地には大きな唐松が何本も立っている。 この木々が視界に入るような生活を考えた。

forest bath 軽井沢に敷地を得た夫婦の別荘の計画。 クライアントの要望は、「何もしないで過ごせる空間がほしい」ということであり、それは、何か特別なことをするというよりも、思い思い に森のなかに身をさらし、木なのか木洩れ日なのか、を眺めていられるような空間がほしい、という意味であった。 そこで、季節や日差し、時刻などによる環境のさまざまな表情をとらえ、過ごす人の居場所がそこに生まれるような空間をめざした。

家型の外形から くさび形を切り欠く

SITE PLAN S =1:600


外と内の取り引きをする境界 くさび形の切り欠きは、家の内側ほど広く、外側ほど狭い。 つまり、内側ほど開いていて、外側にゆくほど閉じている。 この通常とは逆の開口によって、この場所では閉じることと開くことが反比例のように起こる。 そのため、自分や身の回りが動くことによって外部と内部の関係が変わってゆき、

大きな開口

外と内の取り引きをするような、愉快な体験ができる。

高い 遠い

小さな開口

家の内側に近いほど、開口部は開いているが、 近い

閉じる

開く

低い

外部 内部

壁の高さは高く、外部との距離は遠い。 家の外側にゆくほど、開口部は閉じていくが、 壁の高さは低く、外部との距離は近い。

つまり、どの場所にいても、

開くことと閉じることを同時に体験する。 閉

B B A

A

距離を調節すること 位置を限定しているのは、水回りだけである。 ベッドやテーブル、棚は内に置かれても外に置 かれてもよい。 1 人 1 人がさまざまに自然との距離を調節しなが ら場所をとる。

1F PLAN S =1:150

互いは、背中合わせ・端と端などの距離をとり ながらもどこか繋がっている。


1 ラーチ材 t28 保護材含浸処理   アスファルト防水シート   ネダレス t35 2 PB t9.5  寒冷紗パテシゴキ AEP   野縁 20x30  @300   グラスウール t100 3 重ね桁梁 400x175 4 ウェスタンレッドシダー t30   耐水合板 t12   防湿シート   根太 45x60 @450   スタイロフォーム t30 5 ラーチ材 t28 保護材含浸処理   アスファルト防水シート   竪胴縁 45x30 @450   グラスウール t50 6 スチール FB 22x50 7 Fix窓 フロートガラスt8 8  −200x80x7.5x11 9 H−200x100x4.5x7

1

2

6・7

indoor

8

9

outdoor

3

4

5 ▽GL

凍結深度 ▽GL-850

DETAIL S =1: 60

斜め上への視線

低い軒によって、内部からは出て行け そうで出て行けない、外部からは入れ そうで入れない場所が生まれる。 この場所は光や空気が行きかう空間と なっている。

斜め下への視線

唐松の枝は低いところにはなく、6mぐらいから枝がはじまる。 その高さは、水平方向を見る開口ではつかまえることができないため、 水平だけでとらえるのではなく、斜め方向でとらえることを考えた。


開口のねじれた空間 家型からくさび形のボリュームが欠き取られたあと、 両側には牛乳パックのような空間が残る。 中央では棟高さいっぱいの高い垂直の開口をもち、 一方で軒先では低い水平の開口をもつ、開口のねじれた 空間となっている。 その空間では棟中央側からまわりこんでくる空気と、 軒先から入ってくる空気が十字に交錯する。

SECTION A-A S =1:150

SECTION B-B S =1:150



名古屋大学大学院環境学研究科都市環境学専攻 修士課題、アイデアコンペ(共同設計) 2009.4 − 2009.7

Green Connection 既存環境に内在するポテンシャルを活かした「生活基盤としての緑地帯」

2009 年度 日本建築学会設計競技「アーバンフィジックスの構想」                         東海支部入選


Green Connection 緑地が連なり、線状の緑地帯となることにより、そこには歩行者専用の緑道を 通すことができる。人々はこの緑道を通って地域内の他の場所へ行ったり、緑 地帯沿いの駅から仕事に向かったりする。 また、多様な幅を持っているため、緑地帯はただの歩道としてのみならず、人々 の憩いの場ともなる。開けた場所や森のように木々が集まった場所まで様々で

Concept Diagram

ある。デイケアセンターやカフェ、レストランなど、生活の中で利用する様々 な場も緑地帯沿いに整備され、人々の生活基盤としての役割を担っている。


Basic Planning Concept

Site Data

<人口の増加>

本構想の基本方針:地域の既存環境からポテンシャルを引き出す

対象地域の人口及び世帯数は年々増加している。2002 年の地下鉄名城線の環状化に伴うに茶屋ヶ坂駅の設置に

対象地域及びその周辺の現状から、この地域に散在する可能性のかけらを拾い上げ、それらを有効に利用した、

より、それまでは比較的頭うち状態であった人口・世帯

地域全体のポテンシャルの引き上げを行う。今ある環境・空間資源を有効に利用した計画を行う。

数は、それ以降増加に転じている。今後もこの傾向はあ

M JO ME MEI JO LIN NE

GRE GREEN RE EEN EN RIN R NG

る程度続くと考えられ、住宅地として整備されていく必

Analysis of Project Area

要があると思われる。 世帯数の変化 1,000 900 800

SUNADABASHI station

700

<緑道の存在>

2 1

3

1

2

茶屋が坂2丁目

500

2 2

茶屋が坂1丁目

600

2 2

対象地域のすぐそばや外縁では、緑や水に

1 2 33 2

1

1 1

1 1

2

2 2

2 2

沿った歩行者空間である緑道が存在する。

2

2 2

2 22 2

1 2 2 2

2

2

1

2

1

2 2 2

3

2 2

2 1

station

1

3 2

2 3

対象地域の南西:鍋屋浄水場へと続く水の道

1

3 4-5 15

2.5

砂田橋5丁目

300

全体

200

1

0

N

100

N

0

200m

100

Unutilized Area

Building Stories

100

200m

Location of Public Transport Stations

中学校

幼稚園

小学校

これらはこの地域の特色を活かした一つの方

2,500

向性を示すものであり、歩行者空間として安

2,000

心して利用できる快適な空間となっている。

1,500

しかし、その存在はまだまだひっそりとした

1,000

名古屋市の都心部から程よく離れたこの敷地は住宅 砂田橋5丁目

中学校

小学校

高校

コーナン スーパー

茶屋が坂2丁目 茶屋が坂1丁目

病院

ものであり、利用者も比較的少ない。

高校

500

0

クリニック

ろに見られ、まだ開発が進んでいない。周辺には教 立ち並ぶ。都心部へとつながる基幹バスも通ってお

ガソリンスタンド 飲食店

歯科

地の様相を呈しているが、工場や空地がところどこ 育施設や病院が立地し、近隣の地域では住宅が密に

中学校

コンビニ

輪がちょうど交わる地域となっている。

人口の変化

N

0

200m

あたり、名古屋市を取り囲む緑環帯の一部分にある。 屋ヶ坂駅が立地し、緑と交通、自然と人工の二つの

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009

対象地域の北西外縁:矢田川へと続く緑道  0

川が流れる名古屋市北西部とのちょうど連結地点に 一方、敷地内には環状化された地下鉄名城線の茶

100

2

2 2

2 2

1

2

2.5 2 12.5 3 2

1 1

4-5

400

2

2

対象地域は、緑地の集中する名古屋市東部と木曾三

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009

り、まだまだ可能性を持った土地であるといえる。

薬局 車販売店

車販売店 銀行

車販売店 娯楽施設

医院 車販売店 医院

医院

N

0

100

商店

コンビニ

眼科

N

0

200m

100

200m

接骨院

Existing Greenery

Main Planning Concept

Landuse Plan

Facilities for Daily Life

提案・コンセプト:ポテンシャルの読み取りから構想される「生活基盤としての緑地帯」 72%

27%

人口増加から見える住宅地としての住環境の整備、分散する未利用地を用いた再開発の手法、車中心から歩行者中心の交通への転換、緑

0%

0%

道から広がる計画の方向性。

0%

11%

これらの現状から、この地域の住環境の向上を目指し、生活基盤としての緑地帯を提案する。それとともに、対象地域全体の構成をその N

0

100

Used Volume Ratio of Each Blocks

N

0

200m

Classifying Aging Buildings

100

N

200m

0

100

200m

緑地帯を中心とした構成へと改編していき、この地域ならではの特徴をもった住環境整備を目指す。

Contour Map

100

N

N

N 0

0

200m

100

0

200m

100

200m

<散らばる未利用地>

<周辺の緑地・水環境>

<歩行空間の不備>

この地域には、地下鉄駅近隣の地域にしては比較的多くの空地が分布し、敷地内に分散している。その内訳として

周辺には公園や河川が分布し、緑・水が比較的多く存在する。

住宅が多く立地する状況にもかかわらず、歩行者専用の動線(歩行者専用道路や車道沿いの歩道)は茶屋ヶ坂駅周

は、現在用途を持たない未利用地や空きの目立つ月極の駐車場などであり、実際に敷地を歩いていてもその多さを

緑:茶屋が坂公園

辺や外縁の大通り沿いには比較的整備されているものの、対象地域の内部にはあまり多くなく、逆に敷地内では、

感じる。

水:矢田川、鍋屋浄水場

車の移動を中心に考えられた歩道のない車道が、アスファルト舗装された道路として整備されている。

この状況は、今後この地域がまだまだ活性化する余地を残していることを示しており、これらの場所は地域に負担

これらの緑地や水場は、良好な空気の提供や夏季には気温を下げる効果が期待されるなど、物理環境制御の機能を

現状では、あまり車通りの多くないこの道路を歩行者は移動することになり、時折通行する自動車を気にしながら

なく開発を行っていくための、用地としてとらえることができる。

担うとともに、人々の心に潤いをもたらす場ともなり、住環境整備に有用であると考えられる。

歩くこととなる。


Planning Process

地域の既存環境を活かしつつ、地域全体のポテンシャルを引き上げていくという計画方針から、極力、地域に負担をかけない ように開発を進めていくべきだと考えられる。そのためには、開発エリアをまとまった土地として確保して行う短期的な再開

計画が 40 年後に終了することを想定し、10 年間を 1 フェーズとした 4 段

発計画ではなく、地域環境を考慮し段階的に開発を進める、中長期的な計画であるべきだと考えた。

階に大きくわけ、構想する。 主計画である緑地帯と水路を各段階ごとに整備する。それに付随するように

ただし、計画を長期化することで、最終的なプランに達するまでの開発途中の段階で有効に土地が利用されず、地域環境に悪

して交通及び土地利用の計画も行い、最終的に目標とする住環境を目指す。

影響を及ぼしてしまう懸念があり、それでは結果的に計画を長期化したことは失敗となってしまう。よって、本計画では最終 的なプランだけではなく、その開発経過を緻密に計画することにより、各開発段階でも魅力的な住環境となるよう計画する。

Cooling Function

緑地帯は風を導き、常に新鮮な空気を供給する。その風によって、水路や植物か らは水が蒸発し、その蒸発熱によって緑地帯は夏場も快適な空間となる。緑地帯 は人々の憩いの場としてのみならず、地域の物理環境を制御する装置の役割も果 たしている。

About Green Belt filling rate

deterioration

28%

53% 53% 39% 72%

8%

26%

31% 61%

old

27%

14%

high

39% 35%

3%

100%

37%

0%

46%

0%

33%

new

17% 42%

34%

51%

100%

low

25%

0%

41% 32% 43% 39%

29%

facility

24%

25%

37%

20%

11% 10%

100%

traffic 中学校 中学校

高校

SUNADABASHI station

小学校 幼稚園 小学校 コーナン 薬局

スーパー

中学校

幼稚園 コンビニ

病院

高校

hospital

運送会社

commercial ガソリンスタンド

medical

飲食店

educational

車販売店 コンビニ

industrial 歯科 コンビニ

CHAYAGASAKA station

クリニック

薬局 車販売店

車販売店 銀行

車販売店 娯楽施設

医院 車販売店 医院

N 医院

0

100 1 10 00 00

20 200m 20 00m 00 0m 0 m

商店

コンビニ

眼科

接骨院

本計画のメインプログラムである緑地帯の整備は、用地確保の問題や開発面積の大きさか ら、その形成プロセスが非常に重要である。ここでは、既存の緑地や未利用地の分布、建

Master Plan

parking

housing

environment center

物の老朽度、街区充填率等を緑地帯の形態決定の主要因とし、加えて、現在の交通基盤の

commerce

preschool

house

立地状況や用途地域、周辺の施設用途とその分布等、様々な地域構成因子を考慮し、最終

day care center

industrial

station

的なルートを決定していった。それに伴い、導き出されたこの地域特有の緑地帯の配置に 合わせた地域計画を行い、緑地帯を中心とした地域構造へと転換している。


Green and Canal Plan

phase1 ー 緑・水路 ー

phase2 ー 緑・水路ー

phase3 ー 緑・水路ー

phase4 ー 緑・水路 ー

現存する未利用地、駐車場、公園等の緑地化を行う。西濃の敷地の緑地化を行い、今後行われる住宅建

敷地の大規模的な開発を防ぐため、老朽化した建物から順に取り壊し、また街区ごとにおける充填率の

継続的に老朽化した建物が順に取り壊され、緑地面積が増加していく。それぞれの緑地が繋がりを持ち

緑地がひと繋がりの大きな緑地帯となる。茶屋が坂公園や矢田川、鍋屋浄水場、周辺の緑道といった既

替えの種地として利用される。

低い地区を中心に緑地化を行っていく。徐々に緑地面積が増加し、それぞれの緑地が独自の性格を持ち

始め、緑地帯となる。繋がった緑道は駅やバス停から周辺の施設や住宅へのアクセスに利用され、その

存の環境と繋がる一体化した緑地帯となる。そこでは散歩、ジョギングコースなどの豊かな歩行空間が

浄水場の東部の緑地化が行われ、浄水場から取水するビオトープの建設を行う。ビオトープから流れ出

始める。

途中には周辺施設と関連のある施設、商店などが配置される。

整備される。緑地帯によって囲われた地区は良好な住環境が確保される。

す水路は北上し、再び浄水場へと戻っていく。

敷地の南西から街区を縫うように水路を配置し、住環境の向上や大通りからの緩衝の役割を持たせる。

緑地帯内やその周辺街区を交互に縫うように水路を計画し敷地内の気温調節を行う。通過交通と住宅の

浄水場から取水し敷地の高低差を生かし南から北に向けて流れ、敷地の広い範囲において水路が巡る。

境界となり、元西濃の敷地には集合住宅との緩衝として幅の広い水場が設けられ、子供たちの遊び場と

水路は敷地周辺の温度を下げ雨水の一時的貯留に役立つ。

して利用される。

Tranportation Plan

phase1 ー 交通計画 ー

phase2 ー 交通計画 ー

phase3 ー 交通計画 ー

phase4 ー 交通計画 ー

現存する道路は変えず、最初に建替えが行われる街区を2分割するように、各住戸の私有地の一部を私

緑地帯を分断していた道路を徐々になくし、通過交通を減らしていく。さらに住宅の建替えが行われる

浄水場付近の道路やを緑地化し、さらに通過交通を排除していく。敷地南西部の道路も緑地化を行い住

駅前を通る道路以外の通過交通が排除され、その他の緑地帯内の道路を地域住民専用道路とする。緑道

道としそこの居住者のみが使用するプライベート性の高い車のアクセス道路とする。

に従って街区内を通る私道が増加していき敷地全体内の道路のプライベート性が上がっていく。

環境を整えていく。

を分断するのは南北に走る2本の道路のみとなる。

phase1 ー 土地利用計画 ー

phase2 ー 土地利用計画 ー

phase3 ー 土地利用計画 ー

phase4 ー 土地利用計画 ー

老朽化した住宅が建て替わり、将来的に緑地帯に囲まれる地区では戸建てを中心に建ち始めていく。敷

順に老朽化の進んだ建物が建ち替わり、戸建て住宅が増加していく。良好な居住空間を確保するために

敷地東部の集合住宅を緑地化し、デイケアセンターを配置することによって東海病院と緑地を共有する。

住宅供給がほぼ完了し、駅前の通りには1階が店舗またはオフィスの3∼4層の集合住宅が建つ。人口

地北東部の西濃の敷地では集合住宅が建ち、緑地形成における住民の移住先となる。大幸幼稚園将来的

緑地帯内の工業系の施設が大通り沿いの街区に移転する。敷地南部には地域住民のための商業施設が配

緑地帯外には低密度の3∼4層の集合住宅を建設し人口増加を補う。敷地南部の大通り沿いには低層・

が 3000 人に達し安定する。環境センターが建設され、敷地内のエネルギー供給や研究、緑地帯をはじめ

に緑地帯に囲まれる浄水場に隣接した敷地に移転する。

置される。

高密に商業施設が配置され、都市への顔となる。また北部大通り沿いでは低密度に商業施設が建ち並ぶ。

とする周辺自然環境の管理を行う。

Landuse Plan



758 でまえワークショッパーズ 有志 アイデアコンペ(共同設計) 2009.8 − 2009.9

かつて街に壁があった、その場所で 本を読むこととその場所とを豊かに結ぶ木壁

第 11 回シェルター学生設計競技 2009「本を読むための木製の部屋」


かつて街に壁があった、その場所で 本を読むという行為が想像の世界への扉をあけ、現実と想像の間で人は揺れ動く。そこからは普段では気にも とめなかった現実が見え、それまでは考えもしなかった何かを想像する。 私たちが日ごろ過ごしている場所は、決して目に見えるもの、聞こえる音、流れる空気だけでは語られない。 踏みしめる地面のその下には、その場所が背負う歴史や、時とともに埋もれていった人々の思いがある。 本を読むことでその場所の記憶は掘り起こされ、人はその空気感に包まれるなかで本を読む。 その場所で本を読むということは、人を豊かにし、場所を豊かにする。

― 個性を持った一つ一つの木壁 ―

この街には、人が寄り添う壁がある。 幅の広いものや狭いもの、背の高いものや低いもの、分厚いものやか細いもの。 木でできたこの壁には、様々な表情があり、様々なふるまいがある。

― 視線の抜ける方向性を持った木壁の集まり ―

たくさんの壁の中から自分が居場所を見つけ、そこで本を読む。 壁が導くその先には、見慣れた街の風景がある。 本を読むのをやめ壁から離れると、ふとある方向に視界が開ける。 そこにあるいつもと変わらない日常は、どこか新鮮に目に映る。

― 浮かび上がるかつての街の壁 ―

壁は街のどこにでもあるわけではなく、でも、ふと気付くとそこにある。 想像のさきに見えてきたのは、あるひとつながりの壁だった。 そこはかつて、街と街が隔てられていた場所、街の壁があった場所。




個人 設計におけるスタディとその考察 2009.5 −

studies about TABLE テーブルが持つ特性を活かした空間提案のスタディ

Mt. Tables

tables to stairs

−居場所の丘、街のテーブル

−テーブルを階段化する


ここ最近、私は「テーブル」に興味があります。 肌に触れる存在であること、それが物を載せるという機能を持っていること、その機能のために不意にできた天板の下の空間が妙に居心地のいいこと、そしてそれ自体で魅力的なたたずまいをしていること。 そんな印象をもつテーブルの特性を読み解き、私ならではの建築・都市へ繋がる提案へと結び付けられないかと考えています。 テーブルには、人の居場所をつくる力、そして都市に広がる概念が隠されているのだと思っています。

a.テーブルがつくるヒエラルキーからモノをとらえる

b.互いに異質な二つの居場所をつくるテーブル

例えば、普段はなんてことのないものも、テーブルの上に置かれた瞬間に、 何か意味のあるもののように見えてくる。 これは、テーブルがそのものの存在を主張する役割をしているからではないか。 テーブルを簡単な線の組み合わせに置き換える。 すると、そこからはスケールや意味が消え、ヒエラルキーのみが残る。

どんなものも引き立てられるテーブルの上

隠れ家のようなテーブルの下

ものをテーブルに置き換えて考えること。 それはきっと、ヒエラルキーをとらえることである。 テーブルはヒエラルキーを生み出す仕組みであり、それを明快に示す装置でもある。

様々なヒエラルキー

いつもの景色をテーブルとしてとらえると、そこから街は変わり、 テーブルの上はどんなものでも受け入れ、そしてそのものを引き立ててしまう、

新たな建築へとつながるはずである。

いわばステージの上のような場所である。 そこから周囲は開けており、また周りからもよく見える、 陽 の居場所である。 一方、テーブルの下はその逆で、適度な暗がりを持った場所である。 上方の天板とそこに下りてくる4本の脚は、そこに少しだけ閉じた場をつくる。 どこか居心地のいい、隠れ家のような 陰 の居場所である。 テーブルはそこに存在することで、性質の異なる二つの場を生み出す。 この二つの場は、どちらが強い、というわけでなく、ちょうどよい均衡を保っているように感じている。

モノのテーブル化 → ヒエラルキーのみの状態

敷地 → 与えられた土台 → テーブル

積むことによる分化・枝分かれ

積むことによるスケール縮小

入れ子によるスケール縮小


- Composition -

- Activities -

10cm から 180cm まで、高さの異なる 16 のテーブルが寄せ集まってできる

高さの異なるテーブルが寄せ集まったこの場所は、

丘のような山のような場所 山のような場所

相互のテーブルの高さ関係により、様々な場が生まれている。 上に登る階段として、腰掛ける椅子として、 お弁当を食べるテーブルとして、雨宿りをする屋根として。 そしてその関係は、使う側の身体にも影響を受け、変化する。

tables S=1:50

- Proposal -

- Site - 下園公園(愛知県名古屋市中区錦 1 丁目)

いつからか子どもの存在は街の中に埋もれてしまった。

名古屋市の伏見地区は市内有数のオフィス街であり、

大人たちは子どもと接する機会を失うとともに、

このあたりはオフィスビルがひしめき合っている。

MISONO ele.

自らがかつて子どもであったということも忘れ去っていた。

そのような中に名古屋市立御園小学校は位置し、その隣地に下園公園はある。

子どもが消えた街は、行き交う人々が互いに何の意識もせずにすれ違っていく、

ここでは大人と子どもの居場所が隣り合わせにあるにもかかわらず、 SHIMOZONO Park

他人行儀な場所となってしまった。

互いに無関係な状況にありその接点は薄い。

そんな街からは、人々の暮らしも消えてしまった。 都市公園や公開空地に人の姿はなく、街で暮らす楽しみは失われてしまった。

ここに置かれる Mt.Tables は、ある時はオフィスワーカーのランチスペースや 休憩場所となり、ある時は子どもたちの遊び場となる。

子どもと大人が触れ合う機会が失われた街に、一つの居場所の手がかりを仕掛ける。

子どもと大人が近づき、歩み寄るきっかけとして Mt.Tables は存在する。

そこは子どもたちが慣れ親しんだ小学校の勉強机が寄せ集まった場所である。 誰もがお世話になった小学校の机は私たちを引き寄せ、

- Concept - 「table」

今までの街の場所とは違った居場所をつくる。 穴のあいたもの、ひっかき傷で描かれた絵や文字。

テーブルは、あらゆる物を受け入れ引き立てる、モノの居場所である。 ある。

子どもたちの姿が街に映し出される。

そんなテーブルが寄せ集まり、人も自然もまとめて受け入れる、

Mt. Tables

居場所の器のような場所がつくられる。

−居場所の丘、街のテーブル B

- Program -

▽GL+550

▽GL+1100

▽GL+2000

どの小学校でも毎年、傷みなどの理由から小学校の勉強机が廃棄されている。 その机の天板を再利用し、様々な長さの脚をとりつけることにより、 役目を終え、捨てられるはずだった子どもたちの desk は、 街の人々の Mt. Tables へと姿を変える。 A

A

Mt.Tables はそれぞれの天板の廃棄元である各小学校区内にある、 地域の公園や公共の場に設置される。 table の集まり方や数、脚の長さは

B

地域・場所といった条件に応じて決められ、

平面図 S=1:25

それぞれの地域には異なった Mt.Tables が置かれていく。 ▽GL+2,000

Mt.Tables を通じて地域はつながっていく。

wooden desktop

-Structure -

▽GL+1,100

天板は構造体となり得ないため、廃材を再利用した steel plate

スチールのプレートの上にボルトを用いて接合する。

▽GL+550

天板は腐食がひどくなると取り換えられ、 その表情は徐々に変化していく。 また table の脚を別の table のプレートと溶接することで、 互いの強度を高め合っている。

A-A 断面図 S=1:25

B-B 断面図 S=1:25

立面図 S=1:25



学生団体、任意団体、研究室活動 企画・運営・実施のワークショップ 2008.6 − 2009.12

Workshops 千の種あかし隊

名古屋市千種区まちづくり事業 " 文教地域の学習環境づくり " として実施

いしぐれ・こどもデザイン

758 でまえワークショッパーズ

平成 21 年度名古屋都市センター活動助成 はじめの一歩 部門 採択活動

だがねランド 2009

ワークショップ

三重県いなべ市立石榑小学校「わくわくスクール」での実施

第 3 回キッズデザイン賞 コミュニケーションデザイン部門 受賞


いしぐれ・こどもデザインワークショップ コミュニティスクール指定校の三重県いなべ市立石榑小学校にて、 名古屋大学小松尚研究室が実施しているワークショップ。 2005年から地域と学校の協働運営の一プログラム「わくわくスクール」に参加し、

キットでおうちを作ろう !!

小学生を対象としたワークショップを定期的に企画・実施している。 ここはどこ?われら、サウンド☆探検隊♪

体を使って建物を表現しよう:建築体操

まちキング ∼小さないえ、大きなまちづくり∼

ボクのワタシの秘密基地づくり

千の種あかし隊 名古屋市千種区役所、子ども建築研究会(名古屋市立大学鈴木賢一研究室、名古屋大学小松尚研究室が中心) が協働し、企画しているワークショップ。 名古屋市千種区が行う"文教地域の学習環境づくり"の一環として、2002年より多種多様な活動を通して 千種区の魅力を探り出す活動を行っており、本年度をもって終了する。

found 1000-seeds works 展 −千の種あかし隊の 8 年


758 でまえワークショッパーズ

みんなで作ろう! 手作り窓のカーテンハウス

名古屋周辺の建築系の大学生が中心となって結成された学生団体。 主に名古屋市内の小学校の放課後学級で子どもを対象としたワークショップを行う他、 商店街や子ども会からの依頼を受け、デザインやまちづくりといった住環境教育を行っている。 紙で作ろう! ふくらむお部屋

ペットボトルでおうちを作ろう

作って遊ぼう !! 大きなドーム

曽我部昌史氏との協力によるワークショップ

お店の設計

だがねランド 2009 毎年、夏休みに名古屋都市センターで開催される、子どもの体験型まちづくり学習の場。 ワークショップ形式による等身大の「まち」の製作や、都市計画や建築についての学習に加え、 できあがった「まち」の運営を子どもたちが行う。 だがねランド2009 では、さらに鈴木明氏、曽我部昌史氏、さらに学生による都市計画や建築、 まち体験

家具、商品作りのワークショップを実施した。



小久保 亮佑

Kokubo Ryosuke

1986 年 愛知県生まれ 2009 年 名古屋大学 工学部 社会環境工学科 卒業 現在、名古屋大学大学院 環境学研究科 都市環境学専攻 博士前期課程 在籍 東海学生卒業設計コンクール 2009 金賞 2009 年度日本建築学会設計競技 アーバンフィジックスの構想 東海支部入選 SD Review 2008 鹿島賞 (共同設計者)


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