[ 満月メール(見本).txt ]
2月の連休にはセミリタイアされている3人のお客様が訪タイされました それぞれ経済的な裏づけをお持ちで、あと数年で本格的なリタイア生活に入ら れる方ばかりです きょうはその中のおひとりSさんについてお話ししたいと思います Sさんは日本で彼氏さんと25年間、一緒に暮らしていたそうです まるで夫婦のようですね いまどき普通の夫婦でも25年も続かないと思います ところが彼氏さんは5年ほど前に突然病気で亡くなられたそうです Sさんにとって心残りは彼氏さんに感謝の言葉が言えなかったことだそうです 25年間一緒にいて、たくさん楽しい思い出もあったことでしょうが 亡くなられる前の数週間のことが5年経った今でも悔やまれるというのです  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ Sさんとホテル近くの屋台食堂で食事をしていたとき どこからともなく子猫が迷い込んできて Sさんのひざの上にちょこんと座りはじめました その後、私たちはSさんとの話に夢中になっていたのですが 気がつくと子猫はSさんのひざの上で寝てしまっていたのです そりゃもう、ゆすってもさすっても起きようとしません 絶対にそこを離れたくないような感じでした
パタヤーという、どちらかというと野良犬だらけの街で こんな可愛い猫が突然、人のひざに乗っかってきて しかも熟睡してしまうという、なんとも珍しい光景でした
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[ 満月メール(見本).txt ] 食事を終えたあとSさんはこう言いました 「実は、相棒は大の猫好きだったんです」
私たちは絶句してしまいました
なんと猫ちゃんになり代わって 彼氏さんが挨拶に来ていたのです!  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 屋台を出る前にSさんは猫ちゃんをゆっくりとひざからおろし、バイバイとい いました
猫ちゃんはあくびをしながらSさんに向かって いつも一緒だから安心してね と言っているように見えました
私たちは思わず猫ちゃんに敬礼し、また遊びに来てくださいと、深々と頭を下 げたのでした  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 人の幸せとは一体どこにあるのでしょうか? 人は何のために働くのでしょうか? お金は誰のために使うのでしょうか?
人はその能力やお金を自分に関わる人のために使うから幸せを感じるのであっ て 自分のためだけに使っていては幸せになれないのだと思います
誰かに何かを与えることによってのみ自分の人生が鮮やかになるのです 体力も財産もそのためにあるのだと思います
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[ 満月メール(見本).txt ]
パタヤーではせっかく本国で貯めてきたお金を 欲望を叶えるために現地の女性につぎ込み 物質的な楽しみに没頭している人を見かけます
それはそれで楽しいリタイアなのでしょうが 何となく違うような気がします
どんなに健康な体をもって、お金を持っていても それをシェアする人がいないなら、どんなに淋しい人生でしょう
Sさんの彼氏はその死を通じて 目先のものを追いかけるのに夢中で 肝心なものを取りこぼしてはいけないよ、と言っているように 私には思えました  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 寒さが続きます お体には十分ご注意下さい
きょうの満月から次の満月まで あなたにたくさんの幸運が舞い降りますように あなたのご健康を心よりお祈りしています
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