Architecture Portfolio -Time Sculptures- Haruka KOTANI 小谷春花

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Time Sculptures Portfolio2016-20 Haruka KOTANI

1


小谷 春花 Haruka KOTANI

1996 年 1 月 大阪生まれ 2014 年 4 月 早稲田大学 創造理工学部 建築学科 入学 2018 年 3 月 同大学 山村健研究室(意匠論研究室 /B1-M4) 2018 年 4 月 同大学 大学院入学 (2020 年 3 月修了予定)

成績

実務経験

B2 林芙美子邸増築 入選

2015-19 YSLA + 山村健研究室

B2 集合住宅課題 入選

・国際コンペ

B2 設計演習 BC 6/16 講評

『New Gwanghwamun Square』( 広場 , 道路計画 )

B3 第二課題美術館 ハイパースクール 入選

『Europan14』 『Europan15』( 都市デザイン計画 )

B4 卒業設計 学内審査 16/65 位

・展示計画

M2 ダイワハウスコンペティション「愛の家」 佳作

SUNTORY 美術館 展示計画 (nendo 協働設計 )

M2 EUROPAN15 Productive CITY 佳作

青山スパイラルホール (Israel 大使館協働設計 )

M2 修士設計 学内審査 4 位

・設計 新宿 高田馬場ホテル ( 内装計画 , ブランドデザイン )

◎ Photoshop

◎ Rhinoceros

◎ Illustrator

◎ V-ray

◎ Indesign

△ Sketch-up

○ AutoCAD

△ Cinema4D

・授業補佐 「2018,2019 設計演習 BC 」TA 2017-19 舞台照明デザイン / 新宿 , 六本木 , 神田明神神社 2019 福島 + 冨永設計事務所 インターンシップ

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1, 境の重なる風景 長野県上田市を基盤とした Japanese Brutalism の再考 4-23

2, 大地の間 人工環境における建築の調和と地下空間の神聖性の模索 24-31

3, 21 世紀における市場都市 市場によって発展した都市に、次なる「市場」のあり方を提案する 32-41

4, 島から学ぶ住宅と地図 日と月を中心とした純粋住宅の設計 , 見えない関係の地図化 43-51

5, 緑に埋もれる小さな空間 駅から離れた東京の週末住宅 52-63

5, 行為の積層を支える建築 消えゆく文化を肯定する行為と建築 65-73

6, Groun Ring 都市軸の収束と地下空間への無限成長美術館 74-79

7, 港に住まう 港、工場、仕事、生活の都市的接続点とその形 80-87

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1, 境の重なる風景 被災後の長野県上田市を基盤とした Japanese Brutalism の再考

Japanese Brutalism の再考 日本古来の建築は、 「鎮護」という見えない力を以って生活史を紡いできた。生活の歴史は災害の克服の歴史であり、災いから立ち上がるときにこそ、建築は最も素直な形で建ち上がる。この姿勢に、Brutalism との共通点を見た。 「Japanese Brutalism」が「鎮護」から更新される時、どんな役割が果たせるのか。 2019 年 10 月の台風 19 号によって被災した長野県上田市において、自然との乖離がもたらした空間 ・ 時間の断絶の中に、街の時間構造の再構築を試み、災害と人の関係性に、日本建築史の流動を試みた。

4


計画:土地の時間を接続する立面図 5


舞台は 2019 年 10 月の台風 19 号によって被災した長野県上田市である。被災後の途方もなさは、科学技術による自然からの乖離が空間 ・ 時間を断絶したことを象徴していた。物事は二元化し区別され、 「境」ができたことによる。 しかし、精神性・空間性において拠り所となり得るものも残っていた。「境」が重なり自然を内包する瞬間である。この手がかりを建築へと展開し、街の時間構造を再構築していくことを試みる。 建築を 2 つ、そしてそれを繋ぐ関係として船を設計する。こうして山と街の時間を接続していく。

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計画:土地の時間を接続する立面図 7


8


9


10


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二つの山に挟まれ、風が吹き込む土地 (風の課題との対峙)

計画2 / 夜の伽藍 風と大地(山) 被災施設の代替施設 / 食堂

山との接点 2 川のあちら側

推定浸水線

0. 「境目の設計」 における時間的役割

境目の設計 - 時間構造の再構築

山 (地政)

本計画では、分断された時間の混在しうる、・「境目」の重なる瞬間を作り出し、街の時間構造の再構築を試みる。災いの 土地において、この行為を Brutalism の延長と位置付ける。 具体的な手法として、 災害から構造を導く「土地の節目」、行為と空間を結ぶ「日常の節目」を設計し、災いと冠婚葬祭を扱う。

ハレ

災い

病気

日常

健康

本来自然が内包された時間構成

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「境目の設計」における時間的役割

近代言語 (科学技術) の介入

山 (地政) 日常を脅かすもの

災い

病気

日常を守るもの

日常

健康

二元的思考による自然との乖離 →空間・時間の断絶/災害後の救いの渇望

本計画: 境目の設計 1.土地の境目 2.日常の境目

山 (地政)

災い

病気

日常

健康

境目を少しずつ重ね、 土地の時間と接続していく


千曲川

山との接点1 川のこちら側

水位観測所/儀礼空間 川と気象(天)

計画1 / 昼の伽藍

浸水域の最上流に位置し、沈みゆく土地 (水の課題との対峙)

境目の設計 1. 土地の節目 災いの前後をつなぐ設計

2. 日常の節目 日常の境目をつむぐ設計

配置計画 - Brutal としての佇まいと役割 「Brutal」的佇まいとは、「見えない物に力を与えること」「負を正に変える美学と力学」ことであると分析した。 上田における本計画では、「推定浸水線」という目に見えない境界を造形の一部とする推定浸水線は、水に沈む領域を隔てる生と死が重なる瞬間である。 このことから、その境界は、街の時間構造を再構築していく生命線となる。 日常的には、その線を浮かび上がらせ、災害への警告を促す存在であると同時に、災害時にはその実状を記録し、そして救いをもたらす。 上田という土地が背負う山のゆたかな時間性を取りもどすことを考え、川を挟んで 推定浸水線と山の接点にふたつの建築を配置する。 水位観測所として働く「昼の伽藍」と、被災施設の代替施設として働く「夜の伽藍」である。

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1. 巡路をたどる

2. 神前式 / 列柱を通る

3. 船頭の謡を受ける


FL=GL+18,000mm

A1 X1

X2

3.00

1.50

X3

X4

2.50

A2

X5

1.50

X8

X7

X6

5.0

1.50

2.50

1.50

X9

X10

3.00

FL=GL+10,000mm

Y1

5.00

08

FL=GL+600mm

3.00

Y2

Y3 05

05

Y4

〃 〃

10

01 09

11

17

13

Y5 14

Y6

02

01

02 15

FL=GL+50mm

Y7 12

04

04

FL=GL±0mm

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Y8

03

Y9

Y10

基準=GL±0mm

Y11

17

Y12

Y13

05

Y14

Y15

Y16

水位=GL-6,000mm~

Y17

Y18

3.00

Y19 07

Y20

01. 主催者席 (ex.新郎新婦席) 02. 参列者席/観客者席 03. 御供机 04. 植栽 05. 橋 06. 風向計 07.船着場 08.舞台 09.倉庫 10.事務室 11.事務室 12.倉庫 13.女性トイレ 14.男性トイレ/多目的トイレ 15.倉庫 16.倉庫 17.水位計測計(既存) 18.JR北陸新幹線

06

4. 川の上を歩く

5. 街から祝福を受ける 4. 川の上を歩く


TOP=GL+3,000mm

風向計

橋FL=GL±0mm

45 44 43 42 41 40 39 38 37 36 35 34 33 32 31

31 30 29 28

㻢㻘㻜㻜㻜

27 26 25 24 23

23

22 21 20

過去の浸水水位の記憶

19 18 17 16 15 14 13 12 11 9 8 7 6

5 4 3 2 1

㻝㻠㻜

10

5

船着場FL=GL-6,000mm

BOTTOM=GL-8,500mm

㻞㻘㻞㻡㻜

A2

A1 組手詳細:細部に見るディティールのないディティールと彫刻性

災いを記録するために、農業用堰に水位観測所を付加して改修する。自然に対して何かを立てるだけで水位は記録できることを、街の水位表を表していた。そこから、着想を得る。 柱によって計測するために、様々な高さの柱を設け、それが異なる太さを生み、空間が生まれていく。水と構造が結びつく。 植生豊かな河川敷は学びの場となり、河川敷整理によって伐採された針槐の木を使用して柱を作る。施工が簡易になるよう彫刻的な組手を生成する。グラウンドと連結して立体公演となり、隣接する木材加工場を含め、遊び場となる。

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1/2000 concept model 水から立ち上がる柱

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1. 水と同じ時間になる流線型の和船を選ぶ

2. 船を降りて山麓へ向かう

3.1 階の大広間


5. 光が水盤に反射し、山溝が光る。節目が街に落ちる。

4. 水際の親水空間

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1/2000 concept model 風に呼応する山としての屋根

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9

7

8 水盤=GL-1,000mm

8 橋=GL-700mm

6

0

2.2

5

0

4

10

12

0

2

3.9

3

0

2.6

1.2

11

13 2

0

2.2

0

2.2

14 15

1FL=GL+1,000mm

15

0

1.9

0

2.2 GL±0mm

01. 高倉へのエントランス 02. 大広間へのエントランス 03. 大広間 04. 食の間 05. 基壇 06. 提灯 0㻣. 水の橋 08.水盤 09.高倉 10.展示室 11.倉庫 12.水場 13.事務室 14.事務室 㻝㻡㻚㻼㻿㻛㻱㻼㻿

1

台風による最も大きな被害の原因は風であった。山が向かい合い風が強まる土地に立つこの施設は、山の一部として立ち、山(大地)を基盤として風に拮抗する屋根を抱える。 1 階の大広間は、山を望む方向性を保ちながらも、空間を2段形に構成する。時に祝賀の場ともなれば、葬儀の場ともなる。災害の後は、被災した施設の代替を果たし、 教室や公民館など、様々な人々を受け入れる。屋根の中は、食堂としてのコアが存在し、調理場の機能を内包する。東日本大震災で人々の命を救ったのは窓のない部屋だった。山の中のように、人々の大切なものを守る。

21


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2, 大地の間 人工環境における建築の調和と地下空間の神聖性の模索 | 早稲田大学 設計製図 第1課題 ガウディ美術館

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「海は3次元 – 空間を総合する唯一のものである。 その表面に、空は自らをそこに投影する。その表面を通して、私は海底と運動を理解する。 私の理想はタラゴナの奇跡海岸に置いて、すべてのものを見ることである。 」 Antoni.I.Gaudi 空と海の地中間に空間を設けることで、 ガウディの描いていた海の彫刻性を東京都青海埠頭という人工環境に還元する美術館を設計した。

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UNDERGROUND PLAN 1.5

3

4.5

Scale 1/180 9

18

(m)

1, グエル邸 立面図案 size:A0 2, カサ・カルベット 安楽椅子 3, コロニア・グエル教会 平面図 size:A1 4, コロニア・グエル教会 構造模式図 size:A1 5, コロニア・グエル教会 ポーチ天井ヴォールト図 sive:A1 6-8, カサ・ミラ 扉の引き手、取手 9, カサ・バトリョ 平面図 size:A1 10, カサ・バトリョ 屋根平面図 size:A1 11, カサ・バトリョ 立・断面図 size:A1 12, サグラダファミリア 後陣スタディ模型 1/10 13, サグラダファミリア 身廊部の大窓の詳細模型 1/10 14, サグラダファミリア 生誕のファサード 鳩のスタディ模型 15, サグラダファミリア 生誕のファサード 鐘塔塔頂模型 16, サグラダファミリア 天井ヴォールト伏図 size;A0 17, サグラダファミリア ドローイング size;A0

C5

00

45

70

C4

81

0

33

00

0

C3

39

00

C2

17

12

60

0

展示室 FL=GL-3.5m

C1

ショップ

A1

0 50

36 A2

26


B1

B2

C6

B3

29

77

00

40 00

00 00 48

B4

56 00

13

21 70 0

12

B5

48 90 0

13 75

展示室

B6

0

14

展示室

FL=GL-8.5m

FL=GL-7m

15

B7

15

16

00

00

84

24

16

展示室 FL=GL-6.8m

62 10

16

11 16 10

49 60

9

13 24

展示室

0

1

FL=GL-8.5m

展示室 FL=GL-6.5m

00

81

カフェ

展示室 FL=GL9.5m

エントランスホール

2

FL=GL-3.5m

受付 8 7 6

展示室 FL=GL-9.5m

5

ロッカー

4 3

27

B8


28


29


2.50

4.39

15.41

1.62

1.44

5.45

30


Section A-A’ 0

エントランスホール

備品室

展示室 展示室 展示室

機械室

7800 3900

12600

13600 8100

9000 4570

45000

C1

C2

C3

C4

31

C5

1.5

3

4.5

Scale 1/180 9

18

(m)


3, 21 世紀における市場都市 市場によって発展した都市に、次なる「市場」のあり方を提案する | 2019.6-7.(1 Month) Competition at Europe , team , Shortlist selected

1

MARKET SCAPE CITY as a PRODUCTIVE NETWORK INNSBRUCK (AT)

-URBAN SCALEInnsbruck as the center of Europe

Innsbruck is geographically the center of Europe. It is an important hub in Austria, with good access to major cities and abundant tourism resources. BY

DE

BE

Innsbruck is an important position in Austria, with its tourist resources and excellent

PL

CZ

Paris

transport links to major cities. We regard this place as a hub in Innsbruck and envision a market scape city as a

0km 70 0km 60

things gathering and dispersing at one time.

Berlin

AmsterdamNL

GB

London

AT

INNSBRUCK

CH

This hub will be the infrastructure for a new life of people living here, and for visitors as a

HU RO

SI

HR

IT

BA

new base of tourism adjacent to the old city, a new core of the city.

RS BG

Rome

ME

place is scattered throughout the city.

XK MK

Based on the modification of the market space so far in Innsbruck, we design a market-scape city where market space is developed the city, and the scenery of vibrant

UA

SK

FR

network hub with culture, community and knowledge as core.

0km 96

Market scape city is a new hub that forms an invisible network in the city by people and

Historical Survey The city of Innsbruck has its roots in the market and has developed with the market. 1180-1648

MARKET PLACE

A market place was established in 1180, and weekly markets began to be held at intersections in the old city.

1648-1914

MARKET SQUARE

The market begins to move from the old city to innrain, and then a market appears in the square along the inn river.

1914-

MARKET HALL

In 1914, a markethall was built along the inn river, and the market was held in the building. in 1960, a new market was built next to it .

Our Proposals 2020-

MARKET CITY

The market functions as a hub of the urban network. Markets spread throughout the city, with vibrant market spaces.

Productive Networks In our proposal, "market" is regarded as a hub forming a network of elements scattered in the city, and three markets are planned on the site.

CULTURE COMMUNITY KNOWLEDGE

Each of the three markets connects the Innsbruck "culture", "community", and "knowledge" elements to act as a hub for a new network. All of this forms Innsbruck's productive network.

Productive Networks of Innsbruck

CULTURE

Museum

Existing elements of the city

COMMUNITY

Linked to the market

Chapel

Existing elements of the city

KNOWLEDGE

Historic site

Existing elements of the city

Create a new networks

Library

Linked to the market

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Create a new networks

Plaza

Linked to the market

College

Theater

Create a new networks

MARKET SCAPE CITY as a INNSBRUCK (AT)

-ARCHITECT


市場によって発展した中継都市に、次なる市場のあり方を提案する。 物だけに固執していた市場をほぐし、「Market of Culture」 「Market of Community」「Market of Knowledge」として再構成することで、 都市の新たな中継点として物理的にも関係的にもデザインしていく。 見えない関係性をデザインする中で、建築の可能性を再提案した。

a PRODUCTIVE NETWORK

TUAL SCALE-

MARKET SCAPE CITY as a PRODUCTIVE NETWORK

2

INNSBRUCK (AT)

-SPACE SCALE-

MARKET OF NKOWLEDGE The market that gathers intellectual property in Innsbruck. A patio with features such as a meeting room and an information center,

This plan creates a new scape in Innsbruck.

a historic police station will later become an archive.

These market spaces connect people who live here, visitors,

They form a network with universities anda nearby libraries, history and new information. They later form productive etc, network to enrich this city.

it will be a place to collect and transmit media rooted in the community.

Market of Culture 1F plan

An activity of festival that reaches the other side bank

Water Museum 1F plan

Water Museum B1F plan

Feel the scape of Innsbruck while watching the river flow

Market of Community 1F plan

Market of Community B1F plan

Many people interact and the market develops

Market of Knowledge 1F plan

Market of Knowledge B1F plan

Spend time in a quiet and calm space

Organize indiscriminate flow along the river ,separate roads and trams and other infrastructure, pedestrians and bicycles, the area here is dedicated to pedestrians or bicycles. Inside the site, cross the ground and the under ground, and connect the lead to the promenade and public roads.

MARKET OF CULTURE This market that gatheårås history and humanities activities in Innsbruck. Close to the old town and the river, this place is the cultural hub of Innsbruck. The basement functions as a parking lot, and the square on the ground is a place where a market or music festival is held as an event. The hydrophilic space along the river a relaxing space for visitors to the market, and the art gallery will display ships with related rivers and their history, art. These will promote the cultural development of Innsbruck.

MARKET OF COMMUNITY This market that gather exchanges in Innsbruck. While maintaining the existing market functions, by design a large space, it will be a place where people and things gather and dispersing there. The bridge connects the market to the ground and underground promenade opposite the bank, the underground that touches the circle leads to chapel plaza and the airport. By doing so, it attracts the visitors and the people on the other side, and develops the market space widely.

MARKET OF NKOWLEDGE The market that gathers intellectual property in Innsbruck. A patio with features such as a meeting room and an information center, a historic police station will later become an archive. They form a network with universities and nearby libraries, etc, it will be a place to collect and transmit media rooted in the community.

Crossing Bridge section

Expect for the scape to be updated

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3


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place is scattered throughout the city.

The city of I

1180-

MAR

A mar weekl inters

1648-

MAR

The m to inn squar

1914-

MAR

In 191 river, in 196

Our Pro

2020-

MAR

The m netwo with v

Product

In our propos regarded as a network of scattered in t and three ma planned on th

Each of the t connects the "culture", "co "knowledge" as a hub for All of this form productive ne

CULTURE

Existing elem

COMMUNI

Existing elem

KNOWLED

Existing elem

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4, 島から学ぶ住宅 日と月を中心とした住宅の設計

| 2019.8-2019.9.(5daysWS + 2weeks) Competition 佳作

お金、情報、関係・・・。あらゆる物はどんどん見えなくなっていく傾向が加速する中で、 図面や地図とは、それらを描き留める可能性のある媒体であった。 建築家としてどんな図面や地図を描いていくべきなのか・・・。沖縄のある 1 つの島を題材として、 その島の地図を描くことによって図面の持つ力を再確認する。 そこで見聞きした「叡智」から、純粋なる住宅とは何かを考える。

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日と月の家

- ある島から学んだ愛のかたち 00 - へだたり

ある 1 つの島を手がかりとして、愛を探した。愛には、へだたりが必要だった。時には愛し いものと距離が必要なこともあれば、ぴったりと寄り添うときもある。これらの出来事は、 ふたつの時間のかたちであった。

ひとつひとつの時間が噛み合うコンセプトドローイング

01 - それぞれの時間

島には、海のもの、山のもの、生き物、人工のもの・・それぞれの時間が流れており、それ らは少しずつ噛み合って存在していた。これらに流れる時間を「それぞれの時間」と呼ぶこ とにする。

「それぞれの時間」 は、 いわばその人にとっての自分の時間。1 つ 1 つ歯車の大きさが違うので、 ときに距離を置くことを求めてくる。母と子のような距離、犬と飼い主のような距離、とき

には愛するがゆえに執着できないほどの距離、想うがゆえに置かなければならない距離・・・。 それぞれの距離を、保つかたちでなければならない。

おおきさの違う歯車たち

02 - 共通の時間 距離をへだてた中にも、違う場所にいても、そこには共通の時間が流れている。太陽と月。 島では、夕方のある時刻になるとどの家も、ベランダに腰掛け、同じ方向を乱した。共同体 の 1 つのかたちだった。

朝日が昇ると共に活動してきた私たち。月を眺め、遠くの誰かに想いを馳せる。誰しもに共 通に流れる悠久の時間が、わたしたちの心を繫ぎ止める。月と日を眺めるための見台を軌道 に沿った形に設けた。 春秋 冬

N

N 夏至 春秋分 冬至

太陽の軌道

N

「月日」として流れる大きな歯車

03 - 日常 日常は 01 と 02 の二つの時間でできている。今回の計画では、日常という「ありのまま」を 描くことで、そこに流れる時間の輪郭をなぞり、愛のかたちのをたどる。

軌道に沿って設けられた見台に座る距離が、その時の二人の愛のかたちを表す。

距離に現れる日々の関係

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「月日」として流れる大きな歯車

0320


5, 緑に埋もれた小さな空間

駅から離れた東京の週末住宅 | 早稲田大学 設計製図第四課題

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街中の空き地や、これから空き地になって行く場所は、緑の生えた獣道、人の手を離れた庭のように点在していた。

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計画物 a:エントランス 家の入れ替わりの激しい東京では、塀の中に囲ま れ、入れないまま残る緑が多く存在する。住宅に も直接入れるわけではなく、遠隔にエントランス を設ける。入れない庭の禁断性と縦走する。

計画物 b:週末居室 東京の中の緑は、以外に 1 つ 1 つが高濃度だ。そして人の 手を離れた動きがある。それらをフレーミングして庭のよ うに感じることはできないかを考え居室を作る。

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庭を切り取る居間の窓

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0.72

2.40

60


X1

X2

X3

X4

3.90 1.30

1.30

1.30

1.30

Y1

2.60

Y2

2.60

9.10

Y3

2.60

Y4

1.30

Y5 Y6

1/100 61


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5, 行為の積層を支える建築 関係と行為を風景へと変換する建築装置の創出 | 2018.11-2019.2.(4 Month) 早稲田大学卒業設計

まずはじめに、1/10 の模型を作ってから建築を考える。 村に「建築家」はいらないかもしれない。だけれど、物理的なものでなくても、 関係性や継承する時間をデザインすることはできないか。 琵琶湖に隣接する針江集落において「かばた」という特別な台所小屋が存在する。 今にも消えそうなその行為や水と街の構造を、どう肯定するのか、建築を通して寄り添う。

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水の構造。琵琶湖を1周し、琵琶湖に水を流す側と琵琶湖から水を引く側があった。同じ水を共有していることに、大きな集落のかたちを見た。

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今にも消えそうな「かばた」の役割を 3 つへ分解し、建築へと託す。人の行為に還してゆくことで、消えることの運命性と共存できる継承の仕方を提案する。

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「管理」の場。 様々な段階における管理という役割を担う場所。「かばた」の、家と村の間にある関係性の役割を建築へ展開する。 街の消えゆく様子と裏腹に増える観光客を調節する。 川の掃除道具を保管しつつ展示する。 「かばた」を使う住民を見て観光客はありのままの姿を学ぶ。 X 型の参道と川の交点であるこの場所に、宿泊施設・倉庫展示室・親水空間を設けることで、 街の行為と外部からの行為を受け止める場所を作る。

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「還元」の場。 「かばた」がもつ環境的役割を建築へ転換する。この場所では、空調として温度を調節する機能を果たす。 街の地下に、蔵を点在させ、残飯や米ぬかを畑の肥料として再生成する場所を作る。空調機能が行き届く、部屋ほどの規模の蔵。 冬は暖かく、夏は涼しい場所となるため、「正月の藁を編む」など、村の行事の集合場所・作業場所ともなる。その場所を「かばた」の機能が寄り添って支えているという状況を作り出す。

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「育てる」の場。 「かばた」には何段階にも層があり、その構造を最大限に活用する場所を作る。 食材を洗うはじめの層、手を洗う次の層、食べ物などを冷やしておいておく最後の層。野菜棚を設計し小さな市場を作る。買う、冷やすなど一連の行為を継承し、 「還元」の場で生成した肥料はこの場で使用される。

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7,Ground Ring 韓国の歴史軸を束ねる地下都市美術館 | 韓国国際設計競技

Structure for a new plaza 21th type in Korea This plan is planning to show the way of the new plaza in the 21st century from the Republic of Korea to the world. Gwanghwamun Square has repeatedly undergone various transitions many times since 1394. This square has been updating the urban structure every time, so it is a place where many history is deposited. In thinking about a new plaza of the 21st century type, we thought about the design from the following three perspectives.

3 persepectives 1.【Historical Design】 To make a square that can recognize the historical multilayer. Especially as a public urban history museum which can hide historical plaza from Gwanghwamun gates to underground, let us understand diverse historical properties all at once, can make thought to the future. 2.【Environmental Design】 To open the ground plaza to people. Now that the future of automated driving of cars is anticipated, we believe that it is important for the 21st century type plaza to be not a car but a people's center square, and the whole ground will be opened as a new soul square. In addition to the reduction of CO2 in the uncollateralized society, Light Shade, which drops the light under the ground, also becomes a power generator that makes full use of solar energy and is an Eco resilient square. 3.【Space Design】 To make a plaza as a new attractions. Three new circular rings and two underground slopes make up the square design. By connecting them with Kyng-bokkung and Cheonggyecheon, they will attract new flow of people and this place will be a place for people to gather as a new attraction.

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Concept Drawing Underground will grow deeper and deeper in Korea. What is Ground Floor? What is the axis of the city? What is the meaning og plaza in Korea? What is Platform of History? We found Korean people treasure three Historical items. So we designed three Rings around them and made them as connecting point of axis. When History grows, Underground will grow.

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Water Ring - 清渓川と直結する水辺空間

Sky Ring - 軸を繋げる中心円。各美術館へ広がる動線をもつ、空を臨む空間

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Museum Passage - ショッピングエリアと美術館回廊の融合

Time circle - 光化門の下に開けられた円形広場。歴史のプラットフォームとしての美術館

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6, 港に住まう

水、人、仕事を巻き込む形の建築空間と Productive city との接続 | EUROPAN14 国際設計競技

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Connect with the structure of CITY

AMSTERDAM PAPAVERDRIEHOEK (NL)

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LIVING HARBOUR ARCHITECTURAL STRATEGY

CONCEPT of "LIVING HARBOUR"

PLAN OF LIVING HARBOUR

PRODUCTIVE ACTIVITIES

- INTERACTIVE CONNECTION between CITY,CANAL and GROUND The newly lowered ground level of the site and the elevated bridge at the normal street level are the key areas behind this plan in which a vibrant living atmosphere is envisioned.

Having two different levels of public interaction overlapping within the same open area allows the birth of complex relationships between different groups of people to happen spontaneously.

▼ PLAYGROUND

The lowered street level (B1F) opens to the green plaza and holds a playground where families gather and children play.

The city planning of Amsterdam was derived from its canal system in the early 17th century. Reclamation of land from the water surface of the canals gave rise to the city.

MAKING WATER GROUNDSCAPE

MAKING WATER GROUNDSCAPE 1. MAKING WATER GROUNDSCAPE WATER GROUND

WATER GROUND

アムステルダムの運河を介した発展の歴史を読み解き、 大 地 を 運 河 と 同 じ レ ベ ル ま で 掘 り 下 げ る こ と で、 アムステルダムの運河を介した発展の歴史を読み解き、 productive life の基盤とした。 大 地 を 運 河 と 同 じ レ ベ ル ま で 掘 り 下 げ る こ と で、

After analysing the pivotal role of canals b e h i n WATER d t h eGROUNDSCAPE history MAKING of Amsterdam`s アムステルダムの運河を介した発展の歴史を読み解き、 d e v e l oWATER pment, we reMAKING 大 地 を 運 河 と 同 じ レ ベ ル GROUNDSCAPE ま で 掘 り 下 げ る こ と で、 interpret the site by productive life の基盤とした。 アムステルダムの運河を介した発展の歴史を読み解き、 lowering the ground 大 地 を 運 河 と 同 じ レ ベ ル ま で 掘 り 下 げ る こ と で、 level to that of the water. productive life の基盤とした。 productive life の基盤とした。

WATER GROUND

WATER GROUND

2. CONNECTING GROUND TO CITY GREEN HILL

GREEN HILL WATER GROUND

WATER GROUND

▼ FREE MARKET PLAYGROUND

GREEN PLAZA

GREEN HILL

GREEN HILL

WATER GROUND

3. CROSSING THE BRIDGE

PARKING

GREEN HILL

CONNECTING GROUND TO CITY CONNECTING GROUND TO CITY

ENTRANCE HALL

運河と同じレベルまで下げた大地が (GREEN HILL) を介 して都市に接続する。 運河と同じレベルまで下げた大地が (GREEN HILL) を介

WATER GROUND

The free market is located on the bridge that acts as the elevated ground floor (1F) of this project. On weekends, temporary street shops open to throngs of people using the harbour.

The lowered ground level して都市に接続する。 is connected to the city via the Green Hill.

KINDERGARTEN

CONNECTING GROUND TO CITY

運河と同じレベルまで下げた大地が (GREEN HILL) を介

CONNECTING GROUND TO CITY

して都市に接続する。

運河と同じレベルまで下げた大地が (GREEN HILL) を介 して都市に接続する。

BRIDGE

BRIDGE GREEN HILL

GREEN HILL WATER GROUND

WATER GROUND BRIDGE

CROSSING THE BRIDGE

FREE MARKET

CROSSING THE BRIDGE

掘り下げられた大地のうえに橋がかかり、その橋によっ て都市と運河が接続される。 掘り下げられた大地のうえに橋がかかり、その橋によっ

A bridge is laid over the lowered ground, thereby connecting the water to CROSSING THE BRIDGE the city.

て都市と運河が接続される。

▼ CAFE / HARBOUR TERRACE

HARBOUR BRIDGE

By setting a few pieces of furniture, the open space outside the retail shops on the bridge can be transformed into outdoor cafe and resting spots.

掘り下げられた大地のうえに橋がかかり、その橋によっ GREEN HILL BRIDGE

CROSSING THE BRIDGE

て都市と運河が接続される。

4. BUILDING "LIVING HARBOUR" WATER GROUND

GREEN HILL

掘り下げられた大地のうえに橋がかかり、その橋によっ て都市と運河が接続される。

WATER GROUND

SLAB

ARCH SLAB

ARCH

BRIDGE SLAB BRIDGE GREENARCH HILL SLAB GREEN HILL WATER GROUND ARCH WATER GROUND

URBAN SECTION

BRIDGE

GREEN HILL BRIDGE

WATER GROUND

BUILDING “LIVING HARVOR”

With the stacking of bridges as slabs that connect the city and 続によって LIVING HARVOR が形作られる。 water and the continuous series of arches, the BUILDING “LIVING HARVOR” shape of the Living 都市と運河を接続した橋の、スラブの積層とアーチの連 Harbour is conceived. 続によって LIVING HARVOR が形作られる。 BUILDING “LIVING HARVOR”

都市と運河を接続した橋の、スラブの積層とアーチの連 続によって LIVING HARVOR が形作られる。 都市と運河を接続した橋の、スラブの積層とアーチの連

SCALE 1:350 N

BUILDING “LIVING HARVOR”

都市と運河を接続した橋の、スラブの積層とアーチの連 続によって LIVING HARVOR が形作られる。

roof top terrace residence

GREEN HILL

residence WATER GROUND

office office

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