MAURITANIA MALI SENEGAL GAMBIA
11
GUINEA BISSAU
ERITREA
8
BURKINA FASO
GUINEA
SIERRA LEONE
20
GHANA COTE D'IVOIRE
6
7
12
BENIN TOGO
DJIBOUTI
26
10
NIGERIA
13
CENTRAL AFRICAN REPUBLIC
CAMEROON
4
LIBERIA
5
34 35 36 KENYA 15 16 17 18 19
UGANDA
GABON
SOMALIA
ETHIOPIA
EQUATORIAL GUINEA SAO TOME & PRINCIPE
9
27 28
CONGO
39 40 41
RWANDA
DEM. REP. OF CONGO
BURUNDI
3
ANGOLA
31 32 33 TANZANIA 22 23
29
MALAWI
Seychelles
37
ANGOLA
ZAMBIA 38 1
25 NAMIBIA
プロジェクト・リスト ボツワナ
ZIMBABWE
2
24 MOZAMBIQUE
BOTSWANA
SWAZILAND
14
30
21 MADAGASCAR
LESOTHO
SOUTH AFRICA
ガンビア
マラウィ
otshelo Ke Mpho ( 生命は贈り物 ) と 11 銀 行従業員向け HIV/ エイズ予防のアドボ 22 リロングウェ市、タチセカ、タツァバンゴ B カシー(提言活動) 題する IEC 活動用ビデオの制作 の若者向け HIV と STI の予防 2 教 育当局と地 域社会の指導者向け、HIV/ ガーナ 23 市場の若者に予防活動を広める エイズ予防活動をカンエ地方の学校教育の 12 PPAG 内部での HIV/ エイズの自発的に受 モザンビーク 現場に含めていくことに関するアドボカシー けるカウンセリングと抗体検査 (VCT) サー 24 鉱 山労働者とその家族の間での HIV/ エイ (政策提言)活動 ビスの強化 ズとともに生きる人たちに対する偏見と差 ブルンディ 13 クマシ中央 刑務所の受 刑者たちの間での 別の軽減 3 ブジュンブラ、ギタガ、ンゴズィでの HIV STI・HIV/ エイズ予防活動の提言活動 ナミビア と STI の感染の減少 レソト 25 アムサティ地方の在学中および学校に行っ カメルーン 14 H IV/ エイズと闘う女性たち:女性用コンド ていない若者ならびに出産可能年齢の女性 4 「若者エイズ・メディア」プロジェクト ーム普及活動 を対象にした HIV/ エイズ・STI の予防 5 「若者エイズ積極的行動」プロジェクト ケニア ナイジェリア 1
コートジボアール
15 若者の積極的行動変容の促進 6 若 者の間に誠実さと禁欲を(ロールモデル 16 ナクル地方の上級初等学校での HIV/ エイ キャラクター:フィデルとアブスティーナ) ズに関するピア教育を支援するよう教育省 7 ア ボ ボ 地 域 の タクシー 運 転 手 向 け STI・ 担当官と親に向けた提言活動 HIV/ エイズ予防のアドボカシー (提言活動) 17 若者が利用しやすい VCT サービスの推進 18 「ジュアカリ」コミュニティにおける VCT エリトリア 19 H IV/ エイズの自発的に受けるカウンセリン 8 サワ国立サービス訓練センターの陸軍司令 グと抗体検査 (VCT) サービスの強化 官向け HIV/ エイズ予防のアドボカシー(提 リベリア 言活動) 9 コンドーム使用に対する障壁の軽減 20 H IV/ エイズ予防と制御に関する政策立案 者とオピニオン・リーダー向けアドボカシー エチオピア (政策提言)活動 10 ナ ザレスの工場労働者向け HIV/ エイズ予 マダガスカル 防のアドボカシー(提言活動) 21 STI の予防と治療、HIV/ エイズとともに生 きる人たちに対する偏見と差別の軽減
IPPF は日本政 府、IPPF アフリカ 地域事務局、そしてマラウィ家族 計画協会に対し、心から謝意を表 したい。
26 民間部門での HIV/ エイズ予防活動
34 ム バララ市で 短 期的 仕事に従事している HIV/ エイズと STI の感染者と影響を受け た若者のケアと支援 35 ギャップを埋める -- イガンガ地方の、危険 にさらされていながら予防の網にかかりに くい若者向けの HIV/ エイズ予防 36 STI と HIV/ エイズ予防を目的としたコンド ーム使用を支援することを求めるミチャナ 地区の宗教指導者向けのアドボカシー(提 言活動)
ザンビア
セイシェル
ジンバブエ
南ア共和国
地域事務局
27 G ACACA 所管と関連して国内主要刑務所 での HIV/ エイズ・STI 予防 28 受 刑者向け HIV/ エイズ予防活動 29 マヘ地方の若者を対象とした HIV/ エイズ・ STI 予防と制御
37 ルサカとカブエの青少年を対象とした HIV/ エイズ予防に向けたアドボカシー(提言活 動) 38 スフィルハウス診療所—自発的に受けるカ ウンセリングと抗体検査
39 加 盟協会の実施するサービスの向上に向け た地域事務局の能力向上 40 H IV/ エイズの蔓 延に効果的に対応するた タンザニア めの能力向上 31 青 少年に向けた HIV/ エイズ予防のための 41 IPPF アフリカ地域事務局内での HIV/ エイ 行動変容のためのコミュニケーション ズの提言活動に関する能力の開発と強化 30 ゴーテング、クワ・ズル・ナタル両州の中 小零細企業向けの実行と提言計画
マラウィ家族計画協会 Private Bag B 424, Area 14 House No 96 Lilongwe Malawi
telephone facsimile email web
ウガンダ
ルワンダ
4 Newhams Row, London SE1 3UZ, United Kingdom Published in November 2005 by International Planned Parenthood Federation
32 予防とケアの強化を通しての STI、HIV/ エ イズに対する社会の偏見との闘い 33 若 者向けの HIV/ エイズの自発的に受ける カウンセリングへのアドボカシー (提言活動)
+44 (0)20 7939 8200 +44 (0)20 7939 8300 info@ippf.org www.ippf.org
telephone (265) 773915 facsimile (265) 771032 email fpam@malawi.net
国際家族計画連盟 (IPPF) は、149 カ国の加盟協会で 構成され、183 カ国で活動を展開する世界的ネットワー クである。また世界で最大の任意の非政府組織 (NGO) として、セクシュアル / リプロダクティブ・ヘルスとライ ツの提供者であり推進者でもある。 UK Registered Charity No. 229476
市場の若い露天商に VCTサービスを届かせる JTFマラウィ、ミトゥンド市場 プロジェクトの経験
サービスの提供に格差があるこ とを認識したマラウィ家族計画協 会 (FPAM) は、HIV/ エイズ 日 本 信託基金(JTF)の支援のもとに、 ミトゥンド 市 場 の 15-24 歳 の 若 い露店商の露店近くに巡回 VCT・ STI サービスを提供することによ り、HIV 予防拠点を設立した。
国際家族計画連盟
(IPPF)
このプロジェクト活動を企画す る上で、マラウィ家族計画協会は プロジェクトの成功を導くための 4 つの重要な基礎固めを行った。
ビジョン
女性、男性、青少年すべてが必 要とする情報とサービスが受けら れ、セクシュアリティが人間の生 活のなかでごく自然の大切な側面 であり、基本的人権のひとつであ ることが認められ、そして個人の 選択が十分に尊重され、汚名をき せたり差別をしたりすることのな い世界を目指す。
使命
アドボカシー ( 政策提言 ) やサー ビスを通してセクシュアル / リプロ ダクティブ・ヘルスとライツの推 進運動を実施することにより、特 に貧しい人や弱い立場にある人に 重点をおいた個人の生活の質の向 上を目指している。 不健康、望まない妊娠、暴力、 差別を心配することなく性生活を 楽しむ青少年すべての権利を守る。 女性が妊娠を合法的かつ安 全に 停止させることを選択する権利を もつことを支援する。 性 感 染 症(STI) を な く し、 HIV/ エイズの蔓延と影響を減らす 努力をしていく。
活動の基盤を成す価値観
セクシュアル / リプロダクティ ブ・ライツが国際的に認められた 基本的人権であり、すべての人に 保障されるべき権利であると確信 している。 ジェンダーの平等の確立を目指 し、個人の、なかでも若い女性の 心身の安寧を脅かし、健康と人権 の侵害が世にはびこることにつな がる差別を撤廃するために尽力す る。 多様性を尊重し、その組織運営 と事業に青少年たちや HIV/ エイ ズとともに生きる人たちの参加を 得ることに重きをおく。 なすべき事柄を達成し、運動を推 進する核心は、ボランティア精神 であると考える。 さまざまな社会集団、政府、組 織、資金援助組織と提携した活動 に専心する。
ミトゥンド市場の現状
まず第 1 に、若い露店商 161 人 と重要な情報提供者 10 人を対象 とした基礎調査で、露店商の現在 の HIV/ エイズ関連の知識と性行 動の実態とプロジェクト案が彼ら や地元の当局に受け入れられるか どうかを査定した。この基礎調査 は、同市場プロジェクトを企画す る上で貴重な資料となった。
マラウィの首都リロングウェから 38 kmにあるミトゥンド市場は周辺 地域で最も賑やかな市場である。週に 2 回、8000 人もの露天商がやっ てくる。それぞれが持ち込む商品は、農産物、食品、中古の布地、靴、 食品雑貨で、なかには遠く隣国のモザンビークから来る人もいる。 第 2 に、一 連の会 議 やワーク ショップ、それに政策提言のパンフ 売り手も買い手もほとんどは、市場周辺に宿をとる。品物を売り買いす レットを通して地区と市議会当局 るだけでなく、女性の露店商の中にはセックスと引き替えに値段を安くし の主要人物にプロジェクトの基本 てもらったり、免税にしてもらったり、交通費や宿泊費を無料にしてもらっ 的な考え方について説明した。な たりしている人がいると噂されている。同じように、若い男性の露店商の かには、公共市場の管理責任者、 中には、少しの利益を手にすると、夕方には飲酒、そして市場にいる若 伝統的族長や地方議会議員などの い女性を相手の買春にお金を使う人がいる。このようにして、市場は若 地方政治家、露店商代表、地区保 い男女の露店商たちが HIV 感染の危険にさらされる場となる。 健局の代表がいた。このような説 明の後、ミトゥンド市場に HIV/ エ HIV/ エイズおよび性感染症 (STI) についての露店商たちの知識と性的 イズおよび STI の情報とサービス な危険のある行動の現状を知るために 161 人を対象に実施した基礎調査 を導入する承認を得た。 では、彼らが複数の相手と性的関係をもっていること、一貫した安全な 性行動をとっていないことが確認された。例えば、 第 3 に、市場当局と一緒に市場 - 露天商の 20%は STI にかかっており、そのうちの 50%はコンドームな 内でのいろいろな活動を監理する しにセックスをした経験があった。 露店商作業委員会の委員 10 人を - セックス・ワーカーを相手にしたことがあると答えた露店商の 30%のう 訓練し、露店商仲間に HIV/ エイ ち、コンドームを使ったのは 13%だけだった。 ズと STI に関する情報を提供する ようにした。 若くて、移動を日常とした露店商生活をしているグループ特有のニーズ に合う適切な HIV/ エイズや STI の予防法も治療サービスもないため、 第 4 に、プロジェクト・チーム 状況が改善されることはなかった。例えば、 が HIV/ エイズと STI の予防につ - 自発的に受けるカウンセリングと抗体検査 (VCT) への積極姿勢はあっ いてのメッセージを伝え、コンドー ても、実際に VCT サービスを受けたのは露店商のうちの 30%にすぎな ムや治療サービスを広めるための かった。 画期的な方法をいくつか考え出し - 露店商の多く (23% ) は VCT が必要となったときにどこに行けばいいか た。これらにより、保健サービス きちんと知らなかったり、正しい知識をもっていなかったりした。 を利用するために露天商が自分の 売り場を離れる時間を短縮した。 市場の隣にあるミトゥンド病院でセクシュアル / リプロダクティブ・ヘ ルス・サービスを提供しているが、サービス提供者の態度が冷淡なこと、 待ち時間が長いことが青少年たちの利用を心理的に阻んでいる主な要因 であると答えた。一方、保健ケア・ワーカーの側は、若い露店商たちが 2004 年 2 月 か ら 12 月 ま で 病院を十分に利用していないことは承知しているが、人手不足のため、 実 施された同 市 場プロジェクト 状況の好転に向けて動けないと感じていることがわかった。 で、毎週水曜日と土曜日に提供さ れた HIV/ エイズと STI の巡回診 HIV 感染率が 15 歳から 49 歳までの人たちの 15%に上ると推定され 療・相談サービスを受けた露天商 ることから、若いマラウィ人に効果的な HIV 予防サービスを届けること は 1000 人を超えた。その内訳は、 が重要である。 次のとおりである。
国際家族計画連盟(IPPF) 日本HIV/エイズ信託基金
つながりをつける
-VCT の利用者 956 人 -STI の治療の利用者 112 人 さらに、HIV/ エイズ関連問題を 中心に的を絞ったピア・グループ の討論会は 60 回に及び、これに は推定で 3200 人の露店商が参加 した。HIV/ エイズとともに生きる 人々のための地域社会の結集と支 援の必要性について討論されたこ ともあった。このプロジェクト期間 中に配布できたコンドームは 1 万 4000 個に上る。 ピア・エデュケーターとして養 成された露店商作業委員会の委員 10 人は、仕事仲間の HIV/ エイズ の助言者となって活躍し、友人や 同僚たちを新しい VCT サービスと STI 治療サービスを受けるように 声をかけた。彼らはまた地域に根 ざしたコンドーム配布人となって活 動した。 FPAM が 支 援する伝 統 的な歌 と踊りのグループを活用して、若 い露店 商とその顧客に FPAM の 巡回診療サービスについて知らせ、 サービスを利用するよう勧めてもら い、合わせて、HIV/ エイズと STI についての基礎知識を観客に伝え てもらった。プロジェクト期間をと おして、 FPAM のアウトリーチ・ワー カーは 3 万人もの人に HIV/ エイズ に関する意識を高める機会を提供 したことになる。
嵐に阻まれる
1 月か ら 4 月、 そして 11 月と 12 月には土砂降りの雨がこのプロ ジェクトの大きな障壁となった。ミ
トゥンド市場の泥道を巡回診療車 で動くのは、アウトリーチ・チーム には大きな問題だった。こうした 季節的な土砂降りの雨のため、露 店商たちも自分たちの売り場を離 れられず、サービス利用者の数も 減った。
学習曲線
FPAM はこのプロジェクト実施を 通して、下記のような教訓を得た。 < 実践と人々を結びつける > 露店商の時間や保健ケアを受け ることに関する制約を認識した上 でサービスを企画すれば、忙しい 経済活動に従事している人たち向 けにも HIV/ エイズ関連のサービス を提供できるという理解を得た。
< 地元の提携と連携を確立する > サービス提供を継続させるには、 地元当局と市場周辺の地域で活動 しているその他の組織と合意と連 携を確立することが必須である。 < サービスの対象相手を巻き込む > プロジェクトの企画段階から基 礎調査の実施をとおして、サービ スの対象となる人たちを参画させ、 最初から協力的な提携関係を打ち 立て、プロジェクト活動の継続発 展性を醸成する。
IPPFと日 本 信託基金 HIV/ エイズ日本信託基金(JTF) は国際家族計画連盟(IPPF)がア ジアとアフリカの加盟協会の実施 する HIV 予防事業を支援すること を目的として設立された信託基金 である。この基金の資金は全額、 日本政府の拠出によるものであり、 アフリカ全域における HIV/ エイズ 予防のための資金を提供してきた。 2000 年の設置以降、今日までに 同基金はアフリカ全域の 23 カ国 で実施されたプロジェクト 41 件に 資金を供与してきた。
ミトゥンド・ツリー
FPAM は樹木の絵を使ってプロジェクトを説明し ている。 「土はいろいろな問題のある根を抱えており、 土壌の養生や改良が必要である。土に手を加えれ ば、肥沃になり、木は大きく成長し、好ましい、強 い提携を象徴する幹となる。枝は、市場で実施する サービスを示す。枝は幹を通して栄養を運び、健康 な葉をつけ、果実をつける。これらがうまくいくと、 良好で、健康な、そして強い樹木 ( 若い露店商 ) が 増え、ミトゥンド市場の ( 樹木の葉が人に酸素を提 供するように ) セクシュアル / リプロダクティブ・ヘ ルス環境に貢献する。ミトゥンドの人たちは誰でも この木が好きになる」 。
ミトゥンドプロジェクトツリー(プロジェクトコンセプトを絵で表したもの)
持続可能性 の基礎
「これを実現するためには、FPAM は、( 土を耕し、 地味を豊かにするための大なたと鍬で象徴される ) 有能なスタッフとサービスという手段と道具を結集 する必要がある。しかし、FPAM は、その「木」を 育てるのに必要な投入物を買うため、資金とある程 度の技術援助 (1 万 5000 ドル ) を JTF に要請した い。さらに、すべての活動を成功に導くために、関 係者と提携組織からの支援を求める」 。
国際家族計画連盟(IPPF) 日本HIV/エイズ信託基金