PORTFOLIO BY SHOTA KAWABATA
自己紹介 設計理念
小さな建築をつくること
どんな建築もひとつの壁や柱などの小さな要素の集合からでき、 その集合体としてできた建築がまちをつくる新たな要素となっていく。 些細なことだけれど、その一つ一つの要素を丁寧に設計していきたい。 そうしてできた建築は誰もに愛されると信じて。
川 畑 奨 太 Shota
Kawabata
経歴 2018年3月
京都市立西京高等学校
卒業
2019年4月
福井大学
工学部
建築・都市環境工学科
入学
2023年3月
福井大学
工学部
建築・都市環境工学科
卒業
2023年4月
福井大学大学院
2023年6月
+architects(建築学生団体)結成
工学研究科
安全社会基盤工学専攻
入学
インターンシップ 2023年8月 (株)プランテック(インターン) 2023年9月 (株)佐藤総合計画(インターン)
受賞歴 2022年10月
第 28 回北陸の家づくり設計コンペ
2023年3月
Nagoya Archi Fes 2023 中部卒業設計展
2023年 8 月
第 14 回エイブル空間デザインコンペ
2023年 9 月
福井大学
2023年12月
ホクコン・フィランソロピー基金
学内コンペ 2023
福井新聞社賞 山本理顕審査委員長得票
入選
佳作 2023 年地域創成活動支援事業
優秀賞
課外活動
+architects ( 建築学生団体 )
バスケットボールサークルの立ち上げ
スノーボドサークル副代表
作品目次 02 ひとつ卓の暮らし
01 織り成す町屋
住宅、ゲストハウス、公共空間
03 となりの塀に誘われて
こども園
05 かげだまりに包まれて
広場、公共空間
住宅
04 C-Wall
ワンルーム
織り
01
―これまでと
京町屋の住民に 寄りそった 新たな改修の提案
これまでとこれからを紡ぐ ―
織り成す町屋
01 きっかけ 私の知らない京都 私は、京都で育った。数年ぶりに生まれ育った町を歩いてみた。 京都市の様々な取り組みにより伝統的な街並みが保たれている一方 でどこか作り物の京都、京都をテーマにしたテーマパークを歩いて いるかのように感じた。私の知っている京都の姿はそこにはなかっ た。それにもかかわらず、それを京都らしくて良いと写真を撮る観 光客ばかり。このような経験を通して、私は京都らしさとは何なの 出典:Google Map
2019 年
京都
出典:Nazuna 公式サイト
椿通り
2023 年
京都
椿通り
だろうかと疑問をもつようになった。本当にこれがこれからの京都 の姿でいいのか。これからの京都の在り方を問いたい。
02 リサーチ 京都らしさとは 京都の町を歩き、私自身が思う「京都らしさ」とは何なのかを考える。京都を歩く上で私自身が京都らしいと感じたものを写真に 収めていき、大きく 2 つに分類した。一つは、昔から残る歴史的な建造物や街並み。もう一つは、そこに住む住民の暮らしである。
―
変化する時代の中で残り続けてきた、木造の京町屋や伝統的な造り、街並みばかりが京都らしさと着目されている。もちろん、そ のもの自体に歴史的価値があり一般的な京都らしさであることに違いない。しかし、昔から受け継がれてきたその場所で姿を変え ながらも現代での暮らしが営まれ続けていることに真の価値がある。住民の存在があり続けて初めて 1000 年の都、京都の「京都ら しさ」になるのではないだろうか。
住宅、公共空間
簾
格子
ばったり床几
暖簾
壁沿いに並ぶ植栽
家の前に停められる自転車
うだつ
犬矢来
駒寄せ
一文字瓦
細い路地にあふれる生活
側面に置かれた荷物
石畳
鍾馗様
腰壁
虫籠窓
無秩序に置かれた室外機
道路側に干される洗濯物
卒業設計
B4
京都ならではの意匠
暮らしの断片
り成す町屋
とこれからを紡ぐ―
03 敷地―西陣エリア 対象敷地として、以前私が住んでいた京町屋を含む連続した 2 つの 2 軒長屋で構成され
京都市
金閣寺
た 4 軒の京町屋とする。京都市北区紫野下柏野に位置するこのエリアでは、京都の伝統
竜安寺・仁和寺
工芸品である西陣織がつくられ続けている。そのため、このエリアに現存する京町家は、
北野天満宮
西陣織が行われていた織屋建てであり京町屋保全継承地区にも認定されている。対象の 京町屋のうち、1 軒は西陣織をつくっている。また、近くには多くの観光名所がある。この エリアの京町屋も解体か、ゲストハウス等への改修の一途をたどっており、観光客の住宅街 への流入が起こっている。対象の京町屋は昭和初期に建てられた京町屋だが既存のまま残り 続けるのも時間の問題である。そこで観光客との共生を目指した新たな改修を試みる。
SITE
西陣エリア
04 全体計画 京町家は、その時々の必要に応じて多様にその空間を使える構造になっており、一つの家の中で家族の変化や祭事などに対応してきただけでなく、建物が一 緒でもその使用用途は自由であり、多様な用途の混在する職住共存の都市空間を可能にしてきた。当時から、その時の暮らしに柔軟に応じて現在まで残り続 けてきた。それは今後も同じであるだろう。暮らしの変化に沿った改修を行う。
二
一
零
三
四
住宅
住宅
住宅
宿 公共
京町屋で暮らしが営まれている
町屋を守る
暮らしが空間構成として 記憶される
暮らしが空間構成として 記憶される
宿 公共 時がたち、外壁が崩れ暮らし が街に溢れ出していく
共通する街並みを壊さないためのルール
15m
1 階に庇をつける
セットバック時の修景
15m までの高さ制限
屋根は平入
ウナギの寝床の継承
軒下空間はみだし 2mまで
1,230
5,730
3,000
鉄 骨 架 構
空 隙
3,000
2,610 5,730
3,000
1 階平面図兼配置図
5,730
3,000
洗濯機
2 階平面図
3,000
5,730
3,000
1,230
暮 ら し を 守 る ダイドコ・オクの間
ダイドコ
断面図
ミセの間
オクの間
道路にプライベート空間が面している
ミセの間
断面図
1,230
冷蔵庫
5,730
3,000
3,000
洗濯機
2,610
5,730
3,000
1 階平面図兼配置図
5,730
3,000
洗濯機
3,000
5,730
3,000
居間の前に自転車置き場をつくり外との距離を生む
2 階平面図
新たな柱割を利用し緩衝空間をつくることが可能になる
二期
初期
観光客の増加により住宅街での騒音や住民のプライバシーが失われている。新たな柱割を利 用し間取りを変えることで外部との干渉空間をつくり暮しを守る。
冷蔵庫
二 期
冷蔵庫
木 空 架 隙 構
3,840
2,500
2,000
2,000
2,500
2,000
3,840 2,500 2,000 2,000 2,500 2,000 655
洗濯機
伝統軸組工法
UP
地 震 力
UP
DN
町 屋 を 守 る
UP
DN
4 棟の既存町屋を老朽化による解体を防ぐため改修する。伝統軸組工法の特性を利用 し地震力は揺れることで受け流す。一方で限度超えた地震が来た際に倒壊を防ぐため に耐震性を備えた鉄骨造の架構を木架構に空隙を設けながら挿入する。
UP
DN
一 期
UP
DN
655
◆時代の変化に応じた新しい間取りを許容する
洗濯機
UP
UP
DN
伝統軸組工法
1,230
冷蔵庫
DN
DN
◆老朽化が進む町屋を補強し保存する
UP
DN
新たな架構 (鉄骨造)
シェアキッチン
みんなのダイニング
エントランス
西陣織 SHOP
西陣織体験場
公衆トイレ
コインランドリー
みんなのリビング
駐輪場
児童館
茶室
奥庭
客室 1
客室 2
客室 3
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
13
14
15
0
1000
2000
3000
4000
2014 年
約 6.5 倍
UP
DN
2018 年
京都市内の簡易宿所数
03
12
UP
2 階平面図
DN
14
07
08
1 階平面図兼配置図
04
05
06
住民
01
02
13
09
10
11
15
PUBLIC
PLIVATE PLIVATE PLIVATE
との交わりが生まれることで観光客も京都での暮らしの在り方に直接触れることができる。
になってしまうところを部分的に開放することで地域住民の暮らしが豊かにる。また、観光客と住民
帯を住民の居場所にすることで住民に還元する。従来は、ゲストハウスとして観光客のためだけの場
手のいなくなった町屋を観光客が次の住み手となり受け継いでいく。観光客が観光で利用しない時間
以前の住民の記憶として残っている暮らしを公共の場へと延長したゲストハウスに改修する。住み
遊
01
暮 ら し を 潤 す
三 期
◆空き町家を観光客のためだけの場にするのではなく住民の暮らしにも還元していく
観光
観光客
衣
食
家
シェアキッチン
みんなのダイニング
エントランス
西陣織 SHOP
西陣織体験場
公衆トイレ
コインランドリー
みんなのリビング
駐輪場
児童館
茶室
奥庭
客室 1
客室 2
客室 3
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
13
14
15
階段
01
暮 ら し が 溢 れ る
1,230
UP
DN
冷蔵庫
5,730
3,000
01
02
13
3,000
ベンチ
2,610
UP
5,730
3,000
07
08
14
1 階平面図兼配置図
5,730
3,000
03
04
05
06
12
2 階平面図
DN
通り土間
3,000
5,730
3,000
09
10
11
15
1,230
カウンター
いるが、ここを訪れた観光客はどこかよその家に踏み込んでいることを再認識するだろう。
うに現れる狭い通り土間や階段、かがまないとぶつかてしまう突出した梁。町屋は表に開いて
に造られた壁が新たな外壁となり、隠れていた暮らしの一部が街にあふれだす。表に路地のよ
町に開き、ふるまいを変える。時がたち既存外壁が崩れた部分を再構築し機能を与える。内側
3,840
2,500
2,000
2,000
2,500
ゲストハウス
2,000
コインランドリー
655
奥庭 洗濯機 洗濯機 洗濯機 洗濯機 洗濯機 洗濯機
四 期
◆時が経ち既存部が崩れても、ありのままの姿で残り続ける
シェアキッチン
02
アト となりの台所となった塀の内側から香る お い し い 匂 い に 、 近 所 の 主 婦 が つ られてやってくる。
腰壁まで高さを落とした、すやすや保育の塀から見える 0 歳児の成長を育児中のパパさん達が見守っている。
共生というテーマに対し て塀を再解釈することで 地域とこども園をつなぐ 提案
塀を介して地域と共生するこども園 ―
となりの塀に誘われて
塀に座り、バ ス を 待 っ て い る と 、 後ろから 5 歳 児 の 元 気 な 声 が 聞 こ え て
塀をくり抜き、パタンと倒すと縁側になり、 老 若 男 女 が 集 ま っ て く る 居 場 所 に な る。
と な り の 塀 に 誘 わ
― 塀 を 介 し て 地 域 の 人 々 と 共 生 し 未 来 を 作
塀が大小様々にくり抜かれ 子どもの遊びコーナーを 生 み 出 す 。
保育室と路地との間に出来た中間領域は 塀 が 大 人 た ち を 緩 く 遮 り 、 自 由 な 子 ど も 達の遊び場になる。
子 ど も 達 は い く つ もの塀を超えて行き、園内を駆け巡る。
―
05 塀 に 与 え る
04「 塀 」 の ゾ ー ニ ン グ
① 塀と建物の距離の変
< 平面的操作 >
< 断面的操作 >
敷地を細かく塀で囲
2 階 建 て と し、2 階
今までデッドスペースだっ
い、小 さ い 内 を 作 る
は子ども専用のフロ
ペースを塀との間に作り出
事 で、内 外 の 関 わ り
ア と す る こ と で、普
を持たせる表面積を
段は超えられない塀
多くする。
の 上 を 移 動 で き、こ ①塀に切り込みを入れる
ども園としての安全 性も確保する。
子どもにとって塀の 向こう側は未知の世界
こども園
学生コンペ
B4
②切 り 込 み か ら 路 地 を 延長させる
③内 で あ っ た は ず の 場 所が外に変化する
保育室を 2 階で繋ぎ、子どもだけの動線を確保する
一体化する
01 地 域 の 人 々 と 「 共 生 」 す る こ ど も 園
リエ 棚の塀はショーケー ス と な り デ イ サ ー ビ ス の おばあちゃん達の 作 っ た 作 品 を 見 に 、子 ど も 達 が や っ て く る 。
子どもにとって人から与えられる影響は成長にとって必要不可 欠である。また子どもにとって「共生する」とは、しゃべる、怒 られるなどの日常生活で誰かと関わりを持つことだと考える。そ こで本計画では、子ども達と地域の人々が互いに様々な人と関わ りを持ち「共生」するこども園を提案する。 ち ょ っ と 小 さ め に く り 抜かれた塀は た ま た ま 見 つ け た大人たちの秘密キチとなる。
誰 か と 関 わ り を 持 つ =「 共生」
02 共 生 の 間 に あ る 「 塀 」
てくる。
こども園が地域の人々 塀 と 塀 に 挟 ま れ た 内 の よ う な 外 の 路 地 に 、 住 民 た ち は集まりだす。 塀 に よ っ て 外 と 緩 や か に 隔 て ら れ た 半 屋 外は心地よい居場所となる。
れ て
と共生をするときに着目 し た の が「塀」で あ る。 「塀」は 普 通 の 住 宅 の 周 りにもあり、内を外から
作 る こ ど も 園 ―
切り離す事で、内外の関 わりをなくしている。 子ども達(内)と地域 の人々(外)が共生する 上で、こども園の周りに
現在の「塀」
ある「塀」について再考 することが大切である。 塀と多目的室の間には常に誰かがいて そ こ を 通 れ ば 賑 や か な笑い声であふれている。
03 未 来 を 作 る 新 た な 「 塀 」 塀
本 計 画 で は「塀」を、
外
子ども達と地域の人々が 関 わ り を 持 つ「居 場 所」
内 子ども
地域
として新たに設計するこ とで、こども園の内外が 子ども
緩やかに混ざり合い、周
地域
辺 の「塀」も 変 化 し、地 域全体に共生が広がる未 保育士
来を提案する。 緑 の 塀 は 周 り の 自 然 を 園 内 へ 運 ん で い き 、 子 ど も 達 の 元 へ と 届 ける。
3つの変化 ② 生まれたスペースを塀と屋根を使って 「空間」にする変化
変化
った場所を操作し有効なス
塀とのスペースに屋根を伸ばす事で、中間領域を作り
出す。
「空間」化する。
③「空間」を地域の、子どもの「居場所」にする塀自体の変化 出来た空間に子ども達と地域の人が過ごせるように、建築的操作 や機能、素材を持たせ、共生のための「居場所」に変化させる。 <建築的操作 >
開口を開ける デッド ス ペ ー ス
高さ
厚み
高さ、厚み、開口等を持たせ塀に人の居場所を 作 り 出 す 。
<機能 >
バス停 本棚
ショー ケース
デン
地域の人と子ども達が沢山活動することができる機能 を 入 れ 込 む 。
<素材 >
広げ る
中間領域を形成
コンク リート
木材
土
植物
普段見慣れたコンクリート、木育を進める木材、自然由 来 の 土 や 植 物 。
06 地 域 に 共 生 が 広 が る 未 来 を 作 る 様々な塀の居場所が、子 ど も 達 と 地 域 の 人 々 と の 共 生を 作 っ て い く 。
1 階 平 面 図 兼配置図
そ こ で 生 ま れ た 塀 を 介 す る 共 生 は、周 り の 住 宅 の 塀 に も 変 化 を 与 え て い
1/200
く 。こ ど も 園 を 中 心 と し て 地 域 一 帯 の 塀 が そ れ ぞ れ の 「居 場 所」を 作 り 出し、共生を未来へとつな げ て い く 。
畑
畑
N
12. 緑の塀
みんなの畑は こっちにもあ るよ~
隣 の 畑 の ト マ ト がおいしそうだから 私 の 家 で も 作 っ てみようかしら
みんなの畑 木浴室
住戸
住戸 1歳児 保育室
みんなの キッチン 0歳児 保育室
授乳室
ほふく室 2歳児 保育室
2歳児 WC
2. すやすや保育の塀
住戸
お隣さんとの塀をちょっ と だ け 移 動♪♪ 住戸
WC
検収室
1. となりの 台 所 の 塀 食品庫 みんなの ダイニング
住戸
更衣室
絵本 コーナー
みんなの 調理室
調理室
みんなのダイニ ングをこっちに も伸ばそう!
子育て支援 コーナー & 多目的室
工作 コーナー
8. 子育ての塀 住戸
7. みんなのトイレの塀
園長室 保健室
WC
職員室 幼児 乳児 WC おままごと コーナー
住戸
10. 遊びコーナーの塀 3歳児 保育室
最近人が沢山いるか ら 、縁 側作ってカフェ で も や ろうかな! みんなの トイレ
授乳室
ランチスペース 兼 遊戯室 ステージ
園庭
3 歳児 WC 住戸
4. 大人の秘 密 キ チ の 塀 畑
9. ワイワイ保育の塀 3. アトリエ棚の塀
絵本 コーナー
5歳児 保育室
アトリエ 住戸
11. いくつも断片的に現れる塀 駐車場 (車イス用 1 台) 住戸
5. 縁側の塀
地域 支援室
みんなの トイレ
絵本 コーナー 工作 コーナー
車いすのおじいちゃん の休憩場所
こどもの 秘密キチ
6. バス停の塀 入院中の息抜きでこども園にいって みましょうか♪
こども園さんで乗り 降 り す る よ
通所介護 ( デ イ サ ービス)
4歳児 保育室
住戸
住戸
住戸
住戸
介護付き 有料老人ホーム
8 . 子 育ての塀
6. バス停の塀
7. みんなのトイレの塀
2. す や す や 保 育 の 塀
みんなのダイニング
12. 緑の塀
1 1 . い く つ も 断 片 的 に 現 れる塀
03 在宅ワークという新たな 暮らしの形に沿った住宅 の提案
卓がひとつながりになることで家族をつなぐ家 ―
ひとつ卓の暮らし
01 家族それぞれの卓 今回の提案では在宅ワークだからこそ家族の存在に目を向けて みる。家にはいつも家族がいて、日中はそれぞれがそれぞれの
ペットの猫が外を眺める定位
仕事(生活)をしている。そ して、それぞれに仕事をする 上で持ち場がある。その持ち 資料をつくるお父さん
家事をするお母さん
家族みんなでご飯を食べる ダイニングテーブル
場を大きく卓と捉えることに
次男がいつも下に隠 れて遊ぶちょっとし た秘密基地
した。卓がつながることで、
長男が
家族が家族であり仕事仲間と 積み木遊びをする 外を眺める 猫 次男
本 の
家族それぞれが使う別々の卓をひとつなぎにすることで、とも
お父さ 本が置
なるような家を提案する。
宿題をする 長男
02 ダイアグラム にに仕事をしているように感じられる。一方で卓の用途が変わ ることで空間の違いが緩く生まれ一体感を持ちつつ切り替えが できる空間となる。また、卓自体に決まった用途がないため気 分によって好きな場所を見つけ仕事をすることができる。
―
①部屋があること で人同士の繋がり が感じられない。
②コの字型に部屋 を配置し窓を介し 互いを認識する。
③壁を取り除き 卓をつなぐ。 台所の卓 ここからは庭の木やこども が遊ぶ姿が良く見える
03 ゾーニング計画 間仕切りをつくらないようにし、空間の用途を明確に決めないこ とで緩やかに家の中がつながる。また西側から東側にプライベー
住宅
B4
グラデーションのある配 置にした。パブリック空 間は外に開かれるように
private
学生コンペ
ト空間からパブリック空間へと変わる
窓が多くなっている。こ れにより、南東側からの 採光を十分に確保する。
public
配置図兼 1 階平面図
お父さ
ひとつ卓の暮らし 卓がひとつながりに なることで家族をつなぐ家
南面から見た外観、卓が内から家を彩っていく
位置
家中を駆け巡る卓がそれぞれの仕事を許容する
長男が気分転換で勉強 する
がよく勉強している
本が読めるように縁側 のようになっている
個人の部屋には 卓がない
さんの仕事で使う 置かれている
大きな吹き抜けに なっていて 1 階との 繋がりを感じられる
ご近所さんと 座ってお話
さんの仕事場
朝は洗面所が混雑、お母さんは ここでお化粧をすませてしまう
ベランダにある卓は日が良く当た り洗濯物を干すのにちょうどいい
2階平面図
家のどこにいても家族のつながりを感じられる。
普通の卓だけでなく高さや厚さを変えることで、本来の使い方以外にも様々な用途で利用できるようにする。
でこぼこの卓
物干し竿の卓
台所の卓
デスクの卓
本棚の卓
ショーケースの卓
04
c
壁を家具スケールに することで ワンルームにない 豊かさを生み出す 提案
carr cut
c-Wall
01 壁と時間軸
02 壁と会話する
03 c-Wallの規格化
私たちは壁とともに暮らしている。カレンダーを貼る
c-Wallは家具の拠り所となったり
アパートのワンルームは、生活空間
ことで日時を知り、建具や服をかけることで生活に利
、生活を区切ったりすることで部
丸見えとなり、パブリックとプライ
用する。それにも関わらず、引っ越す時には壁から全
屋の中にふるまいの約束事を作り
仕方なく混在している。
てを引き剥がす。私と壁の時間はぷつんと終わる。本
出す。人はc-Wallと会話するよう
提案では、次の住まいにも引き連れていける壁「
に家具の配置や日常を考えること
c-Wall」を提案する。壁に時間軸を与えることで人と
で、自らの生活空間を主体的に獲
壁との会話が始まる。
得していくだろう。
c-Wallはそんなワンルーム内に層を
、パブリックとプライベートを分か
をする。c-Wallを置くことで部屋は
なってしまうが、それ以上に得られ
があるのではないかという思いから
普及を前提とした寸法の規格化を行
p pr ui bvla it ce
04 ものさしのある生活
05 c-Wallの形
で室内にCH2,000mmのかりそめの天 井が生まれる。かりそめの天井は住ま
板材:ラワン合板 t=4mm 角材:45角
いを変えても引き継がれ、生活の中の
建築基準法で共同住宅の最小廊下幅が1200mm以 上である点、幅を可能な限り大きく取ることで、 c-Wallをより壁らしく見せたい点から幅を1,200 mmとする。
を買い替えたとき、c-Wallの間に立つ 新しい冷蔵庫を見て前の冷蔵庫との大
奥行き:300mm
きさの違いに気づく。c-Wallが記憶の
開口にある程度ものが置ける奥行きを取りたい点 、奥行きを取りすぎるとc-Wallが家具のようなボ リュームになってしまう点から奥行きを300mm とする。
媒介となり、以前の冷蔵庫のことを懐 かしむきっかけが生まれる。
ワンルーム 学生コンペ / 共同設計
M1
一般的な扉の高さが2,000〜2,400mmである点、 高さを可能な限り大きく取ることで、c-Wallをよ り壁らしく見せたい点から高さを2,000mmとす る。
幅:1,200mm
1つのものさしとなる。例えば冷蔵庫
開口はc-Wallに機能を与 開口により生まれた機能 時々で変化する。開口は mmと幅1,200mmの公 200mmを基準にした倍 化し、それを100mmグ わせて作る。 200×200
ハンドルを回すことで全体が上昇し
、内部のキャスターが接地すること
CH2000mm
で移動可能となる。
かりそめの天井
public
06 開口について 高さ:2,000mm
壁の高さを2,000mmに統一すること
priv
c-Wallをどこかへ連れて行く際に段 差で傷がつかないよう移動時にキ
ャスターを隠さない構成とする。 内部構造
c-Wallを長く愛してもらうために巾木を採用し、c-Wall
への負担軽減を目指す。 また、巾木があることでc-Wall の壁としての印象を強めることができる。
200×800
c-Wall
ry continue te colorful
07 11の形
間の全てが
イベートが
を作り出し
かつ手助け
は多少狭く
設計ルール
れる豊かさ
• かりそめの天井を失わないよう必ず水平 上面を持つこととする • 高さと幅の公約数である200mmを基準に 寸法を与え、一体感をもたせる • 4辺の内少なくとも一辺は基本形の寸法の まま扱うこととする
らc-Wallの
行う。
vate
全てのc-Wallの基準となる壁
c-Wallに形=個性を与えることで会話の糸口 を生み出す。形の規格化に当たり、「愛着が 湧きそうなキャラクターを持つ形」や、「人 の行動に作用する形」、「あちら側との関係 に作用する形」の計11の形を設計する。
あちら側をなんだか覗き込みたくなる壁
窪みに身体を預けたくなる壁
座っていると太くて立ち上がると細い壁 FL+900 400・800
FL+1,100 600・200 文庫本を しまえる開口
机横の棚になる開口
FL+700 800・600 机代わりになる 開口
あちら側の上の方を大きくくり抜く壁
少し出たお腹が空間を優しく縁取る壁
上の方で空間を縁取る壁 FL+1,400 200・200 コートを掛けられる開口
FL+300 400・400
て
座ったときに 物置となる開口
与える。 能は、その は高さ2,000 公約数である 倍数値で規格 グリッドに合 800×200
あちら側歩き去る姿が絵になる壁
雑誌をしまえる 開口
頭が丸くて可愛らしい壁 FL+900 400・800 中に服を 掛けられる開口
FL+900 200・800 背の高い 植物を飾れる開口
800×800
FL+1,100 200・400
左右対称で頭が尖って少し偉そうな壁
足元が少しだけあちら側と繋がっている壁
FL+400〜 200・200 ディスプレイになる 開口たち FL+300 800・200 靴をしまえる 開口
ワンルーム・ケーススタディ
1,400
900
500
6m×4m×2.4mのワンルームをケーススタディとし、c-Wallを用いた空間づくりを行う
c-Wallにより生まれる空間特性 小さな部屋の中に距離が現れることで、部屋と都市を一体 とした近景(=自分を含むエレメント一体)・中景(=近 景を除く部屋内部)・遠景(=都市)の関係性が生まれ、 部屋から都市までが緩やかに繋がり始める。
c-Wallが家具の拠り所となることで家具が部屋の周縁から開放される。
部屋の周縁と 一体化している家具たち
部屋の周縁から 開放される家具たち
近景
部屋の周縁から開放された家具は、それぞれが独立したエレメントとして部屋に立
中景
遠景
ち現れる。エレメントが多層的に重なり、小さな部屋の中に距離が生まれる。
c-Wallにより生まれる部屋内の心理的距離は、隣り合った場の別々の行動を許容する。
全体図
周縁からの開放と関わりしろ
色とりどりのc-Wallたちは、それぞれがまとう場を強く 意識させる。色とりどりのc-Wallたちの間を 飛び回るように生活することは空間が 停滞しがちなワンルームの中に 動きを生み出す。
ベッドが部屋の周縁から開放されることで独立したエレメントとして立ち現れ る。一日の中で何度もベッドを通り過ぎるようになり、ふと腰を掛け たり、乾いた洗濯物を置いたりなどベッドと関わる機会が増える。 家具を周縁から開放させることは家具自身の関わりしろを 増やすことにつながる。
次の住まいへ 住人がいつかこの家を引っ越すとき、c-Wallを いくつか引き連れて次の家に引っ越すだろう。この 住まいでは机の横にあったc-Wallが、次の住まいではキッチン の横にあるかもしれない。また、恋人と同棲を始めたときにはお互いが 程よい距離感を保つための境界に、子供が生まれたら一人で寝る練習をするため
床の上を自由にc-Wallと家具 が動き回りながら場を作れるように、 床全体が等価で個別の場を規定しない同一の
の場作りに。壁に時間軸を与えた結果、生活が変わり続けたとしても変わらないものがそば
仕上げとし、水回り、玄関、その他でも用いられ、
にある。そんな住まい方が生まれた。
メンテナンスのしやすいタイル仕上げを採用する。
05 大学内の中心に あるスペースに 学生交流を促す 広場の提案
かげだまりに包まれて 04 ディテール ベンチ
屋根勾配
談話
15%
20%
読書
30%
大人数でも少人数でも受け入れ、
緩い勾配は通行を受け入れ、急な勾配は居
所をつくる
場所をつくる 筋交い
柱グリッド
広場
自分だけの空間
通り
学内コンペ / 共同設計
M1
向こう側への視線の抜けを保ちながら壁の ような役割をすることで人々を留める
1,820
3
広いスパンはオープンに、狭いスパ に空間を包む
01 木陰による場所性 豊かな植栽とベンチで構成されていたこの敷地では、教員や 学生達が昼食、読書、談話、一休みする場所として使われて きた。そこには木があることで木陰が地面に線引きをして一 定の範囲を包み込み、居場所としての空間をつくっていた。 そこで、木陰によって生まれる居場所を重要な要素として捉 え、継承するように設計する。
随時、木陰で休む人々
02 キャンパス内の潮目となる場所 敷地は食堂に隣接しており、学生、教員、事務員とキャンパ ス内のほとんどの人が敷地周辺を通るような場所にある。木 陰を手がかりに工学部側からの流れを呼び込むことで、この 場所でこれまでに なかった他学科の
工学部
国際
学 生 同 士、教 員、 事務員が一度に共 教員
存する潮目のよう なオープンスペー スを提案する。
03 形態ダイアグラム 木や葉っぱの落ちていく様子から形態を決定した。木陰の 概形に近づけるため屋根は円形にする。また積雪荷重を考 慮して片流れにしている。これを木造のモジュールに沿っ て配置した柱で支える。
木が並ぶ様
基本形 木の葉がひらひらと落ちる様
05 動きのあるデザイン
06 伸び縮みする木陰 夕方
朝
陰が延びて食堂へ居場
屋根のない部分に
所を生み出す
陰ができる
食堂
、多様な居場
昼
り道と居場所
3,640
パンは私的
屋根の下に居場所を生む
同じ形が連なり、屋根の勾配、椅子や机の高さの違いから躍動感を
傾いた屋根によってできた日陰は時間帯によって様々な形で表
感じることで対流を促す。
れる。新たな場所に現れる日陰が居場所を広げていく。
07 構造詳細
08 対流と潮目を呼ぶ平面構成
教育学部棟から食堂までの抜けを確保し、敷地への誘いを
ガルバニウム鋼板横平葺き t=4mm ゴムアスファルトルーフィング t=1mm 構造用合板 t=12mm
各仕上げ 屋根:ガルバ二ウム鋼板
出した柱はどこか森の中を歩くように学生や教員の動線を 木陰のある居場所へ誘われる。
ボルト孔座彫り部埋木 (各所共通)
梁:スギ 柱:ヒノキ
M16 座金付きボルト +SW 座金接する様に座彫り
ベンチ:スギ
00mm
m@3 m 0 9 × 0 木:6
垂
40120 50
210
地面:モルタル
210mm
× 梁:105
M12 ボルト +40 角座金 片側梁無しの場合は 直交梁取り合い部は 60 角座金(Zマーク)
食堂
60 60
300
200
2500
120
断面図 400
◆立面図
屋根を反射した光
隙間から緩やかに日が差し込む
を図る。通路に対して不規則にはみ
を生み出し、丸形のベンチによって
情報基盤センター
光が学内全体を照らす
それぞれがお気に入りの場所を見つけ、思い思いに過ごす
抜けをつくることで、緩やかにキャンパス内をつなぐ