Architecture Portfolio_type1_ja

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今までの作品をまとめてみると、わたしにとっての建築とは 自分の身の回りのエネルギーの流れを観

察し目に見えない形 を捉えて、どのように空間として人に還元できるかを常に考 えているようだ。そし

て [環境応答・時間発展を観る・成長 ]という3つのテーマで分けることができた。環境応答では 建築空 間と人の関係について根本的に考え、感情としての 建築が生まれた。時間発展を観るというアプロー チでは自然 現象や生き物がもつエネルギーから生まれた存在感をもつ建 築の姿を模索した。

成長では、少し大きなスケールから地球のためであり人間の ための建築を考えた。

これらの作品はまだ未熟なものの、これからの新しい建築をつくるうえで私にとっての大きな基礎とな るだろう

今までの作品をまとめてみると、わたしにとっての建築とは 自分の身の回りのエネルギーの流れを観察し目に見えない形

を捉えて、どのように空間として人に還元できるかを常に考 えているようだ。そして[環境応答・時間発展を観る・成長

]という3つのテーマで分けることができた。環境応答では 、建築空間と人の関係について根本的に考え、感情としての

建築が生まれた。時間発展を観るというアプローチでは自然

現象や生き物がもつエネルギーから生まれた存在感をもつ建 築の姿を模索した。

成長では、少し大きなスケールから地球のためであり人間の ための建築を考えた。

環境応答

時間発展を観る

1.emotion city archi-feel

2.public space form of affordance coding

3.experiment_pavilion artifical life 4 . space as time transfoemation 5 . book cafe boundary as noize

growth 成長 ー
5.housing
新しい地表をつくること
complex

環境応答

2.public space form of affordance coding

1.emotion city archi-feel

emotion city archi-feel

現代は均質でピカピカな都市空間が冷たく広がり、固く無表情でこちらを見ている。

「あ、あの建物笑ってる。」もしこんな未来がきたらどうだろう。心を持ったような建築が現れたら。人

の表情が移り変わるように建築の空間が変化する。未来の都市はきっと人間らしい感情豊かな建築で溢 れているだろう。そして人は建築に対してほっとした愛情のようなものが生まれるのかもしれない。人

工的感情都市、都市に音で感情を設計した。

現代の都市の建築は、生活や社会的活動の営みをブラックボックス化させ、外部環境 から切り取られコントロールされた内部空間は人間の感情を均質化させる環境である。

静的な空間は人の行動を規格化させている 積層した床による関係の切断

ないだろうか 建築が感情を持つことで生まれた動的な空間 は、私たちの行動に揺らぎを生む

周辺の環境音によって空間が大きく、小さくう つろい変化する。建築の感情を通して、建築内 部の人同士、さらにその周辺にいる人達と一つ

1 2
の心(律動)を共有するような場になるのでは

感情という生命現象を実現するための方法としてSMC(セン サーモーターカップリング) を用いる。SMCとは左側から センサー(感覚装置)の情報が入力され、右側からモーター の運動が出力されるシステムをいう。Arduino というAVR

マイコンや入出力ポートを備えた基板を用いてSMCの実装を 行った。入力情報として用いたのは都市の環境音である。音 のデータが波形として入力され角度へと変換し、モーター運 動として模型への出力を行った。

各階では楕円の外形線と短軸の接点に2つの動点を置く

建築の上部から下部(6階から1階へ)の順に1データずつ伝播させるように出力を行う

arudino uno microphone sensor

センサー の情報 モーター の運動

〈なめらかな波を出力する〉

単調な変化ではなく、歪みをつけるために10度ずつ回転させな がら、楕円を積層する

2.波形(赤線)に変換 1.アナログ値で入力

S=1:200 tokyo.shinjuku 2022.08.11
時間 パルス波 max 3つのデータの平均値をとりながらセンシングし、集まった500データの内のmaxの値を出力する + 1loop 2loop 3loop 4loop 5loop 6loop 7loop 8loop

一般的に感情や認知は内部にある行動の中の動作要因であると定義されるのに対して、観測者が外から 建築をみて楽しい、悲しいなどの感情を見出すことができるとき、建築は感情を持っていると定義した。

建築に開口を設けることで外部環境と建築の内部は接続してきたが、感情 を持った建築はその存在自体が新しい環境となり、被膜として表れる。

tokyo.shinjuku 2022.08.11
ざわざわ がやがや わくわく 休日のお昼  人のおしゃべり 足音  風と木 しーん そっと 真夜中  高層階の部屋 地下通路  わっ びっくり    クラクション  雷・信号  信号    ②悲しい ①楽しい   ③驚く

がんがん どんどん ザー

広告

宣伝トラック

呼びかけ

工事車

雨の日 建物の換気扇
ざあざあ ごおお
⑤落ち着く 環境音に応答する建築の形態変化 外部の環境音に応答した建築の形態変化に対して、さまざま な感情を対応させた。以上の6種類の運動のスタイルが生成 された。
④怒る・興奮

建築が感情をもったようにふるまうということは、建築の体験者にとって同じ感情を要求するものではな い。たとえば雨が降ると、そのリズムと心臓の鼓動が重なり落ち着くように、悲しい建築の感情のふるま いに対し、体験者は自身の興奮状態を鎮めたりする。感情をもった建築は体験者それぞれに行為や情緒の 選択をゆだね、空間に対しての多様で自発的なコミュニケーションを生む。

//ピンのアナログ入力を読み取り、結果をシリアルモニターに出力する //アナログセンサーの値を(0~1023)使用して標準サーボを正確に制御する #include <Servo.h> #include "Queue.h" Queue<int> queue = Queue<int>(); //import the servo library to use functions サーボライブラリからインポートする ファイルをそのまま挿入するコピペ内容をここに書かなくてもいいパソコンに指示できるよ

//サーボの変数を定義する servoの型に入れる myservo 変数のためサーボの数だけ宣言する create variable of type Servo Servo myservo1; Servo myservo2; // Servoオブジェクトの宣言 サーボの数は3 Servo myservo3; Servo myservo4; Servo myservo5; Servo myservo6; Servo myservo7; Servo myservo8; Servo myservo9; Servo myservo10; Servo myservo11; Servo myservo12; const int SV_PIN1 = 2; const int SV_PIN2 = 3; // サーボモーター接続ピンを指定 const int SV_PIN3 = 4; const int SV_PIN4 = 5; const int SV_PIN5 = 6; const int SV_PIN6 = 7; const int SV_PIN7 = 8; const int SV_PIN8 = 9; const int SV_PIN9 = 10; const int SV_PIN10= 11; const int SV_PIN11 =12; const int SV_PIN12= 13;

Queue<int> queue1 = Queue<int>(6); Queue<int> queue2 = Queue<int>(6); Queue<int> queue3 = Queue<int>(6); Queue<int> queue4 = Queue<int>(6); Queue<int> queue5 = Queue<int>(6);

void setup()

Serial.begin(115200); //シリアルモニターに読み取ったアナログ値を入力したものをプロット start the serial connection  myservo1.attach(SV_PIN1, 500, 2400); myservo2.attach(SV_PIN2, 500, 2400); // サーボの割り当て(パルス幅500~2400msに指定) SG90sの場合 myservo3.attach(SV_PIN3, 500, 2400); myservo4.attach(SV_PIN4, 500, 2400); myservo5.attach(SV_PIN5, 500, 2400); myservo6.attach(SV_PIN6, 500, 2400); myservo7.attach(SV_PIN7, 500, 2400); myservo8.attach(SV_PIN8, 500, 2400); myservo9.attach(SV_PIN9, 500, 2400); myservo10.attach(SV_PIN10, 500, 2400); myservo11.attach(SV_PIN11, 500, 2400); myservo12.attach(SV_PIN12, 500, 2400);  queue1.push(90); queue2.push(45); queue3.push(0); queue4.push(0); queue5.push(0); //servo.attach関数はサーボ特定のデジタルピン番号の接続の計画をマイクロコントローラに通知 サーボの特定の動きの関数 int analog_read_count int servo1Value = 0; void loop() if(analog_read_count >= 1000){// anolog_read_count intended to be 2000 myservo1.write(servo1Value); //set the servo posi myservo2.write(servo1Value); queue1.push(servo1Value); int servo2Value=queue1.pop(); myservo3.write(servo2Value); //set the servo posi myservo4.write(servo2Value);

queue2.push(servo2Value); int servo3Value=queue2.pop(); myservo5.write(servo3Value); myservo6.write(servo3Value); queue3.push(servo3Value); int servo4Value=queue3.pop(); myservo7.write(servo4Value); myservo8.write(servo4Value); queue4.push(servo4Value); int servo5Value=queue4.pop(); myservo9.write(servo5Value); myservo10.write(servo5Value); queue5.push(servo5Value); int servo6Value=queue5.pop(); myservo11.write(servo6Value); myservo12.write(servo6Value);

analog_read_count servo1Value = 0; int sensorValue = analogRead(0);//センサーで読み取った値 int

=

if(servo1Value < mappedValue){ servo1Value = mappedValue; analog_read_count++; Serial.println(sensorValue);

整数 sensorValue センサーの変数=ピンの接続場所 analogread P12確認 音の入力の値を角度にマップする //remap the raw sensor values into range for Servo position (0-180)
mappedValue
int
map(sensorValue,0,1023,0,180);//角度のマッピング 模型と調整

form of affordance coding

現代の空間は先にデザイナーや建築家が設計され、後に人々が”設計された空 間”を使う。空間→人の一方的な関係である。”人間が行動する存在である”と いうことを受け入れて,動く人間の時間と運動を捉えることで空間と人間の 連続的な相互作用が生まれるのではないだろうか...?今回新宿駅の様々 な人の様子を観察して、設計をおこなった

public space

How can I change the relationship between space and people and create a continuous circulation?

now new rule roop

新宿駅のようなメガストラクチャーな空間は

身体のスケールを越えて人の行動を制限する

立つ

並ぶ

あらかじめ設計された空間は客

観的な視点でX・Y・Zの3つの

距離組み合わせから記述される

目的の方向に歩く 特定の方向に歩く

方向と距離による極座標を用いて主観的な視 点から空間の記述することで動く人の時間と

運動を捉えることができるのではないか

体の作用点となる部分を極座標 を用いて身体センシングを行う

私たちの人間の形は足の長さ・腕の長さ、そし て頭から股下までの長さの3つの特徴的な長

さをもつ図形の一つである。その長さをとらえ ることができる図の5つの点から身体センシン グを行う

次にセンシングした情報を以下のルール使い、

形態へ変換する。距離と方向の尺度から空間を

記述する自分 に近い空間は青く、遠い空間は

赤へ向かう

z direction 深さ angle x y direction angle

Using the rules to turn them into forms

From that form, new people's behavior will emerge.Leaning on, sitting on, or through その形から、新たな人々の振る舞いが生まれる。寄りかかったり、座ったり、通り抜けたり。

形態へ変換する・・・

The actions of new people there lead to the next space

一人のデザイナーが建築をデザインするのではなく、人々が空間をデザインする。この時重要なのは、単なる インタラクティブなデザインではなく、さまざまな人々が「人」という現象と相互作用できるタイムスパン (one month..,or...one week)のループが存在するということだ。

空間的な大きさ・運動の速度・加速度と いった街ゆく人の固有の身体性と運動を 内包する
personA spaceʼ spaceʼʼ spaceʼʼʼ personB personB personC personC 立つ 並ぶ 目的の方向に歩く 特定の方向に歩く 直立
start Destination walk[歩く] stand[立つ] line up[並ぶ] sit[座る] stand[立つ] walk[歩く] line up[並ぶ] sit [座る] relax[関節がゆるむ] chaotic[雑然] pass under[くぐる] climb[登る] lean on[よりかかる]

駅の中央通路などの人の数が多い場所では、より

複雑で予測不能な形態、そして行動が生まれるか

もしれない。

極座標で空間を記述することは音を聞くような建築かもしれない

音とわたしの接点

大気中の振動である音は、仮に反響を無

視して考えると、(大気中に)攪乱をひ

きおこした事象から同球円状の広ってい

く。音を聞くとは攪乱を引き起こす運動

を聞くことである

「耳に向かわなかった音」は地 球の地表に反響して、あとから 耳に届き、聞くことができる

地球 速度=0
速度〈音速 速度〉音速 地球 地球 時間=T[s]
時間発展を観る

3.experiment_pavilion

artifical life

4 . space as time transfoemation

5 . book cafe boundary as noize

建築が「建てられる」ということは、つまり紙の上や3D上で「描かれる」空間はユークリッド 空間である。しかしその前に一度立ち止まり、「生きられた」空間とは何か考える必要がある。

今回私は自然現象について時間をある1点だけでとりだしたふるまいではなく、今まさに進んで いく時間の発展の仕方を観ることで、動きの連続的な時間変化の中にどこに生命的要素があるの か考察と実験を行った。

このランダムネスな変化において、生きているの境界線はいったいなんだろうか

群の複雑な形態の動きを静的な状態で再現する際に、群知能のシュミレートから記

録された動きの軌跡や密度などのデータをもとに形態をつくる。このプロセスから 〈動きの質を決めるもの〉を考える。

experiment1

8羽の鳥の個々の軌跡をつなぐ

残像をつくるように1msごとに大きく

同じ大きさ(=同じ時間)の四角をつなぐ

100ループ分の動きを点でプッロトする

群がつくる時間の軌跡をろらえることができた 密度をつくる

時間の流れ
四角に変換
個体 時間変化
抽出

experiment1ではプロットごとの区別に重きを置きすぎて、単位意時間あた りの個体同士の関係を接線を細長い面として結ぶことで、群の軌跡としての 時間的挙動をあらわにしたが、時間の発展という観点では、時間の一方向的 な流れが隠されてしまった。experiment2では前回の実験のフィードバック から動きを知覚できる時間の間隔について考える。

動きの軌跡の中に時間の発展を見出せるように、軌

跡を連続した1本の線としてではなくく、ある一定 の間隔ごとに分割しながらつなげていく

さらに1つ1つの行為体の形が全体の形態の動きの質 をきめる。1羽1羽のプロットした点に対して連続した

変化を感じるような形態を与えながら模索する

単純な△の行為体から始まり、、、

導かれた軌跡は100ループ分の軌跡を3 分割し33ループ分のプロットを1つの 軌跡として結ぶ。すると線同士が重なら ず時間の経過を全体の線の変化から捉え ることができる

導かれた行為体は前後の形態と接続する 要素をもつ。しかし接続の仕方は一様で はなく、数や大きさの変化をつけること で前後のつらなりのある連続体がうまれ る。

短い 長い 時間間隔
experiment2
1 1 2 4 2 3 3
動きを生む要素・質とはなんだろうか、、、、

space as time transfoemation

前ページの実験を通して考えたことを、もう少し建築と人の関係性の観点から模

索したいでは次に建築が時間発展というものをどこまで扱えるのだろうか

人はもともと何かの変化を《時間そのもの》として感じていた、何かの変化と時 間をはっきりと区別していなかった。

時計によって、時間は過去から未来へとどの場所でも常に等しく進むもので、空 間と共に、現象が起きる固定された存在へと変化した。

時間を数理的に理解するものではなく、空間の中に時間を知覚できるような存在と しての建築は可能だろうか

私たちにとって適切な時間スケール

というものが存在する

例えば、時計というものをよく知らな

い人が、時計の秒針を観測しその挙動

について考察する。この観測者は角度

を時系列のデータとして記録し、一定

の時間間隔記録することで時計の時間

的挙動のシステムを知る

もしデータが1/100秒の間隔で記

録されているとしたら秒針の角度の違

いがあまりみられず何が起こるか分析 できない。逆に10秒間隔では情報が

おちてしま秒針の役割を見出すのは難 しい

60秒のエネルギーの数値の平均値を1データとし て、空間へ入力される。分ごとのデータが連続して 波となる

1つの時間の流れによって生まれた波を、長さを維持 し、ねじり複製するすると小さい波から大きい波にな るほどエネルギーが高く空間が広がりながら複雑になる

秒 分 時間 複製 粒 波 次元
小 大
エネルギー
変換

立体的に秒・分・時間の3種類から合成された空間は収 縮・発散し人の居場所をつくる

建築の体験者が、空間に対し時間的変動要素を現在(1次元)と1つの過去(2次元)

の2つのデータから1つの過去×1秒=1秒という時間スケールを観測できる

section plane

今回book cafeを設計するにあたって、本を読む人々 が自らの世界に没入できるように、同時に発生する波 がぶつかりあいお互いの視線や存在を打ち消してくれ るような建築の設計を行う

浜辺にたち波の音に耳をすますとナナメ右から入ってくるリズムとナナ メ左から入ってくるリズムが重なりあい、お互いの存在を打ち消しあい ノイズとなって耳にはいいてくる

本を読む人はそれぞれには固有の時間軸が 流れている。例えばミステリーは展開が気 になり早く時間がすぎたり、エッセイは自 分で解釈しながらゆっくりと読み進めたり

そして空間自体は曖昧になり、他人 がいながらも人の様子が見えない霧 のような空間が生まれる。

book cafe boundary
as noize
合成 (3/2) - (5/4) = (6/4) - (5/4) = 1/4 *1=
波の軌跡を追うように知覚する ぶつかった波の音を同時に複数の存在を知覚する

growth

5.housing complex

新しい地表をつくること

5.housing complex

新しい地表をつくること
1 2 3 4 12 34 2 y y z z
A A A’ A’ A’ A’ A A A A’ AA’ A’ A A’ AA’AA A A’ A A’ A A’ A A’ A A’ A A’ A A’ A A’ A’ A’ A’ A’ A A’ A’ A’ A’ A 0
2000 20600 24600 44000 4400 20000 34000 400

作品をふりかえると、感情のように時間の発展が早い建築もあれば、成長のように ゆっくりとした時間の発展の建築の姿も生まれた。建築を考えることを通して様々 な[時間]の姿を発見した。1つの建築や実験を終えると、作品は次なる新たな視 点と問いを私に与えた。その問いに答えつづけながら今日まで作品を作り続けた。 まだ本には載せられなかった言葉にできない建築の空間は沢山あるが、これからも 向き合い、考え続け、作りたい。

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