挿入する。現代のパブリックスペースは誰もが使え
活基盤となる床を挿入する。その床では似 るようになっているため、開かれすぎており、実際 た利用者たちがフロアを回遊しながらコミュニケー は日本人の身体感覚に合わず使われていない光景を 六甲山麓に位置する灘丸山公園。その敷地は山道 ションを深めていく。その中で利用者たちはふと 度々目にする。そこで、メリケンパークと第三突堤
穴
という賑わいの場の間となる海上に歩行空間と周り を登った先に急に現れる平らな土 切妻屋根が重なりあってできる に に出会い、そこでは違う目的の利用者たちが親睦を深 から離れてたたずめる空間を設計した。現在ある高
中間領域
地 が互いにせめぎあいなが それぞれの層 が続くと思ったが、実際は平で昔は山だった場所が の街は植物や海などの野生と対話でき を作り出し、住民たちは敷地の中で時と生活を重ね合 を形成することを提 らこの六甲の地に独自の磁場 切り開かれている。そしてその土地は今桜の名所に
だった。自分はその土地に入る前はそのまま傾斜
める。 して、神戸 架道路の一部と船着き場の機能を転用 空間を豊かにする要素を埋め込むことで多様な居場所 わせながら場を巡るようにして毎日を過ごす。各住 を獲得し、様々な関係性につ
る新たな楽園
居の躯体を伸ばすようにして構成された身体
案する。 なったり、休日は様々な家族が集まるとても 豊か
な公園になっていた。そうだと思っていたものが かれた人々が一時その関係性から解放される。また は今のファッションには スケールを保った切妻屋根の大空間。 実際は違い、それが心地よさを持っているこの土地 敷地のある西宮市では、中産階級の多い住宅街に紛れ、相対貧困層と呼ばれる人々が 欠かせない存在であるジーンズを作った。その影響力は世界 そこでは様々な人が巡り合い、建築に人々の生活が絡 が であったことからここにそんな意 点在している。 は住まいの外とのつながりの喪失が、社会からの 中へと及び、ジーンズは様々な文化と交錯し 数々の歴 まるなかで で新し 孤立に直結し、問題が深刻化しやすい。 のである。 実はその中でも日本とリー 史を紡いできた 地域住民が、より交流を深め を持つセミナーハウスを設計 想外な心地よさ 中でも片親の子育て世帯は相対貧困に陥りやすく、特に外とのつながりを必要とし い風景が創出される。集まって住み、家族に変わる他 バイスにはとても深い関係性にある。日本でジーンズはだだ した。 ている。彼らを対象に、子育て空間を共有することで、住まいの外や地域社会との新 人と住うことで、ある「場」 、それもコミュニケーショ のワークパンツからボロやビンデージジーンズとして を見つけることができる図書館。 しいつながりを持った集合住宅兼児童館を提案する。 ンの場がたち現れるとき、そこには普段の生活では味 ファッションへと昇華したのだ。このことをもっ わうことのできないグルーヴ感のある濃密な時間を過 これが今回、この六甲駅から南側にある敷地に新たに計画す 敷地は、路地を挟んで二つに分かれる。そこで古来より存在する、 と多くの人に知ってほしい。またジーンズの良さを改めて感 ごすことができるのだ。 る図書館である。六甲は都市へのアクセスが良く、通勤、通 じてほしい。この建築ではそんなリーバイスが日本的だと謳 さらに人々が巡り合うことで連鎖的に地域は広がって の概念を用いて建築とする。両側街とは、道を挟んで両側の家が一つの単位となり共 学する人のベットタウン的側面がある。そんな人々が身近な 同体を形成するという考え方で、 道を皆で共有している意識がコミュニティを形成し、 いき、最終的には う でメモリアル空間を表現した。 知でつながった新たな 場所で、一日中過ごせるサードプレイスのような場 社会的な外とのつながりを生み出す。つまり挟み込まれた道は外部でありながらも、 1 つの核となる。 都市圏を形成する上での 所を提案する。 住民の共有意識から内部化されていく。
リーバイストラウス
意想外
相対貧困層
ヒト+ケンチク
自分の新たな
居場所
INDEPENDENT LAYER X HOLE COMMMUNICATION BEYOND OUR IMAGINATION CULTURAL RECONSTRUCTION
「両側町」
「再構築」
TUCK & OPEN
日本は今個人社会を通り過ぎ、孤立社会とも呼ばれるように 設計ではまず、路地という外部空間を、児童館機能を備えた集合住宅によって挟 なった。日々にストレスがたまり、周りの人を知らずに過ご み込むことで、生活空間に取り込む。これにより、子育て空間が地域の住民と している毎日に刺激と癒しをもたらしてくれるのが六甲で有
TRIANGLE & PEOPLE & TIME
共有され、住民に社会とのつながりが生まれる。次に、この仕組みを各住戸のレベル 名な
TIENOWO
商店街の中でのコミュニケー
まで落とし込む。子育て機能を持つ共有空間を、分割した一つの住戸で挟み込む であると考える。 ことで、住まいの内側に取り込む。これにより子育て空間を共有する意識から、住人 そんな商店街での雰囲気を取り込み、中庭を核とした内に開 同士にも互いにつながりがうまれる。このように、外を内で挟み込む関係によって、
ション
を作り出すことを目指す。 新しい外とのつながり 発化する空間を多数設け、また天井の高さや場の使用目的を いた図書館を計画し、建物の中ではコミュニケーションが活
KEISUKE SHINOHARA
建物ごとで変えて自分が居心地の良さを感じ、
探せる図書館を提案する。
I
DIALOGUE with WILD
0 2 0 2
を し閉じた半私的なランドスケープ よく生活するためにそれぞれに対して 独立した生
8 1 0 2 S K R O W D E T C E L E S
IoT が進み自動運転が一般的になった 2070 年。賑わ 学生、高齢者、観光者、市民。不特定多数の人々が交 いのランドスケープが主流となっている街に、少 錯するこの六甲という敷地にそれぞれの利用者が心地
ハナレに
BEYOND OUR IMAGINATION CULTURAL RECONSTRUCTION TUCK & OPEN TRIANGLE & PEOPLE & TIME
KEISUKE SHINOHARA
I
TIENOWO
0 2 0 2
橋で友達と
待ち合わせ!
勉強しに行こうかな
近所の人も
見に来てくれてるー
疲れたーー
INDEPENDENT LAYER X HOLE COMMMUNICATION
8 1 0 2 S K R O W D E T C E L E S
眺め最高!
上に登ってみる?
ここ集中できていいね
DIALOGUE with WILD
篠原敬佑 | KEISUKESHINOHARA
PROFILE 1997.11
三重県伊勢市生まれ
2010.3
松阪市立中川小学校卒業
2013.3
松阪市立嬉野中学校卒業
2016.3
三重県立津高等学校卒業
2017.4
神戸大学工学部建築学科入学
2020.4
遠藤研究室所属
SIDEJOB 2018.6
竹中工務店模型アルバイト
2020.3
タトアーキテクツ / 島田陽建築設計事務所 オープンデスク
LANGUAGE Japanese English (Intermediate level)
SKILL Archi CAD Rhinocerous Cinema 4D
CLUB 水泳 / そろばん / 習字 / 空手 / 英会話
LUMION Illustrator Photoshop
SELECTED WORKS
01 DIALOGUE with WILD
02 INDEPENDENT LAYER x HOLE COMMUNICATION
03 意想外 の先にあるもの。
04 Cultural Reconstruction
4 回生前期設計課題 神戸ウォーターフロント ランドスケープ
3 回生後期設計課題 station x campas
3 回生後期設計課題 セミナーハウス
3 回生前期設計課題 メモリアル空間
京都ランドスケープ展 2020 出展予定
学内講評会選出作品(3 票)/KUAJ 掲載作品
第 51 回 DAS・毎日デザイン賞《金の卵賞》 入選
学内講評会選出作品
~ memorial of Levi's ~
眺め最高!
2 回生後期設計課題 地域の図書館
2020 年度日本建築学会設計競技「外との新しいつながりを持った住まい」
第七回ポラスコンペティション「地球につながる新しい風景」
学内講評会選出作品
共同設計者:篠山航大、長田遥哉
共同設計者:幸田梓
ハナレに
07 サンカクと トキと ヒトと
勉強しに行こうかな
近所の人も
見に来てくれてるー
疲れたーー
06 はさんで ひらいて ~子どもがつなぐ未来への道~
橋で友達と
待ち合わせ!
上に登ってみる?
ここ集中できていいね
05 知恵のワ ~共鳴現象~
EXTRACURRICULAR ACTIVITIES
セブ留学 2018.6-2018.9
OPEN HOUSE DEVELOPMENT 5days championships イエローチームリーダー担当
TATO ARCHITECTS INTERNSHIPS TERM: two weeks
DIALOGE with WILD 設計期間 2020.06 - 2020.08 プログラム パブリックスペース 敷地 兵庫県神戸市中央区
IoT が進み自動運転が一般的になった 2070 年。賑わいのランドスケープが主 流となっている街に、少し閉じた半私 的なランドスケープを挿入する。現代 のパブリックスペースは誰もが使える ようになっているため、開かれすぎて おり、実際は日本人の身体感覚に合わ ず使われていない光景を度々目にする。 そこで、メリケンパークと第三突堤と いう賑わいの場の間となる海上に歩行 空間と周りから離れてたたずめる空間 を設計した。現在ある高架道路の一部 と船着き場の機能を転用して、神戸の 街は植物や海などの野生と対話できる 新たな楽園を獲得し、様々な関係性に つかれた人々が一時その関係性から解 放される。また残された高架構造は神 戸の街の新たなランドマークとなる。
MOVIE
野生に支配された新たな楽園。既存インフラの改修により、様々な関係性に疲れた人々に憩いの場を提供する神戸の新たなシンボル。
00.ISSUE
03. COMPOSITION
現在のパブリックスペースでは誰もが使えるように設計 された賑わいを求めるものが多く存在する。たしかに成 功例はあるものの、一方でだれにも使われずに錆びれて
緑との対話空間
いってしまうものも数多くある。これはパブリックス ペースが開かれすぎており、日本人の身体感覚にあって おらず誰のものでもない場所になってしまっていること が原因だ。もっと場所と人が深い関係性を持てるパブ リックスペースが必要である。
海との対話空間
01.INTRODUCTION
海上の横断空間
メリケンパークや第三突堤の開発で賑わいに満ちた三宮の突堤。その突堤の間に位置し、少し地面から切り離された海 上に半私的なランドスケープを挿入する。老朽化した高架道路と船着き場を改修し、野生との対話により日常の関係性
緑化された高架構造
を忘れることができる空間を設計する。
02.DIAGRAM 船着き場 今ある既存の船着き場のパターンを踏襲し、海との対話空間、メリケンパークと第三突堤開
04. VISITOR
発地域の横断空間に転用する。横断空間はこれから活性化する突堤部分を結びつける役割を 果たし、湾を南北分け、機能を商業施設と新しい船着きに分ける。そこから南北に延びる桟 橋の部分は海との対話空間であり、人の目に触れず、自分のための空間として利用でき、波 の音や船の汽笛の音、また普段触れることのない海に触れながら、のびやかにひとりでの時
様々な目的で訪れる人々。学校終わりに人
間を過ごせる場を計画する。
目を忍んでデートするカップル、仕事終わ りにビールを買って物思いにふけるサラ
高架道路 海上に位置する計画地。湾の周縁を縁取るように配置された植栽が東西の賑わいを緩く分断し、計画の骨格となる。
サイクリングを楽しむ人
チルを楽しむ大学生
仕事に疲れたサラリーマン
震災で息子を失った父
など多様な使い方が想定される。また震災 関係者がメモリアル空間に訪れた後に現実
今ある高速高架道路の一部を残し、緑との対話空間に転用する。壁面緑化やビオトープを設 計することで都市に緑で覆いつくされた非日常の散歩道を提供し、都市居住により、庭を失っ
から離れて失った家族に思いをはせること
たことで、家にいながら自然と触れ合う機会を喪失した人々は都市の効率化によって生まれ
広域平面図 1:3000
リーマン、大学終わりにチルを楽しむ若者
もできる。
てきた余剰の高架で改めて緑に触れる生活が日常化することで原始的で文化的な生活の良さ を再確認し緑視率の観点から癒しを享受できる。 近くの病院から散歩に来た人
近隣の人々
中学生カップル
PLOT
課題概要
JUNCTION
・神戸ウォーターフロント ランドスケープ課題 前半をグループでの都市デザイン課題、後半を個人でのランドスケープ課題とし、前半 では都心部のウォーターフロント地区と兵庫運河ウォーターフロント地区を対象に都市 地域再生のマスタープランを作成した。後半のランドスケープ設計課題は未来の地域の 拠点として都市の活力を牽引するパプリックオープンスペースのデザインである。都心 · 兵庫運河ウォーターフロントへ広がる面上の敷地に都市への戦略を保持しつつ微細な空 間や環境を併せ持つ魅力的な拠点オープンスペースを構想してほしい。新しい都市のラ
GREEN SPACE
イフスタイルや多様なプログラムを許容する空間、様々なスピードや流れに対応するデ ザイン、高い回遊性を持ち、新しい都市のライフスタイルを創造する場所、都市に変化 を呼び込むランドスケープデザインに挑戦する。 ■課題の進め方 · ポイント * 前半課題のマスタープランの中で拠点となるオープンスペース ( 具体的には広場、公園、 道路、歩行者空間、土木施設、埠頭、工業跡地、公開空地など ) を選定する。グループ の中で選択した拠点オープンスペースを組み合わせることで都市にどのような活力をも
TRAFFIC
KOBE CULTURAL JUNCTION
たらし、変化を起こすのか目標を設定する。 ・都心部とウォーターフロントの関係性を再考し、都市における新しい水辺の意味を考え
自動運転が一般的に普及し急速にスマートシティ化した2070年の神戸市。都市部では車の数が減り、車線や高架のスペースは余剰の空間となった。 本提案では多数の高速道路が交錯するジャンクションの三角地帯を中心として新たに文化のジャンクションに転用する。 文化のジャンクションは農業、ビオトープ、スポーツ、ラウンドアバウト、公園の5つから成る。効率化の中で同一化していく都市に対して、人々 が憩い、神戸が持つ魅力を再確認できる原始的な風景を提案する。
る。 ・拠点とする対象敷地の周辺 1 街区程度 ( 拠点エリア ) も拡大した対象敷地として捉えデ ザインコンセプトを構想する。 ・敷地における環境条件などの直接的なコンテクストと、経済 · 文化 · 社会 · 生態などよ り広い概念のコンテクストの双方を理解し、設計を進める。
SITE SURVEY
SITE
大阪湾岸道路延伸計画
自動運転技術が交通システムを変えていく
しかし、海側を走る湾岸線は、現在六甲アイランド付近より東のエリアまでしか整備さ
2050年、自動運転機能が装備された新車割合が100%に達し、現行の自動車平均使用年数
現在、神戸の都心を走る高速道路は、阪神高速3号神戸線、5号湾岸線の2種類である。 れていない。この計画は、その湾岸道路をさらに西に延伸し、三宮の南、ポートアイラ
・対象敷地 ( 拠点 ) と周辺エリア ( 拠点エリア ) においてどのようなランドスケープ操作
ンドを通り、阪神高速31号線と接続するというものである。 この高速道路ができることによ
が都市活性化のツボとなるのかを敷地周辺の操作も考えつつ設計を進める。
り、三宮とウォーターフロント
自動運転車は常に交通状態を把握しており、渋滞が起こらな
隊列走行する)により、道路の容量は2倍以上になるとの研
さらに、50年後には、都心の
究結果がある。
高架が必要なくなる未来が想像
これらの事実は、将来的に複数車線による交通を不要にする
される。
・プログラムやアクティビティを構想し、都市内の回遊性を高めるだけでなく多様な利用
れていると考えられる。
ニング(走行車同士がネットワークで車間距離や速度を調整、
の減少が期待される。
デザインを学ぶ
が12年4カ月であることを考慮すると、2070年には全ての自動車に自動運転機能が搭載さ
いように最適化されたルートで走行する。また、プラトゥー
を分断する3号神戸線の交通量
・面的な敷地における地形操作、植栽 · 水 · 小構造物等ランドスケープから発想する敷地
自動運転技術の発展が、都市の中に新たに価値のある場所を生み出している。
十分な理由になり得る。
を誘発するデザインの仕組みをつくる。 この課題の前哨戦となるマスタープランの課題では、将来高架道路が利用されなくなるにあたり、高架道路を市民のためのパブリックスペースとして転用するものであった。ランドスケープ課題ではこの高架道路と他にも 使われなくなるインフラを予測し、転用することを試みた。またマスタープランの際自分が重点的に思考したビオトープ設計も引き継いだ。
ファーストスケッチ
誰にも邪魔されない強い軸線の空間とクライマックス。 先に何があるのか興奮を掻き立てるような地面と壁の操 作。
それぞれが孤独を楽しむ
人間が無意識につくっている目に見えない縄張り「パーソナルスペース」
PLOT ベースとなる高架道路と船着き場。一部の 高架道路を残し、船着き場のパターンを踏 襲して、私的な空間を作っていく。
海までの道をフレームで囲う。植物をフレームに絡ませたいが、塩水と相性が悪い。
円のランドスケープを挿入。円の意味と役 割が見えずらい形。
潮の干満を利用して、時間帯によって突堤の先へ行けるデザイン。
船着き場部分のデザイン 円をもう少しシンプルに。回遊のための円? 高架道路と地上をつなぐ円?
ペイブメント、階段勾配、突堤の先端のデザイン、 先端までの距離などの因子を変化させて、周り と断絶しながら、個人が海の方向へ吸い込まれ ていくような空間を目指す。
フレームから壁に。海への軸線が強調され、壁と人との関係性が先端に歩くにつれ変わっていく。
自然
現在既存の構造体から片持ちで、上空に高
との対話
架道路と並行して道を作る案。
ビオトープ
動線 視線
海に
景色の一部
分断
桟橋
近くする
周縁
歴史 との対話
遠いつながり
周囲に溶け込ませるため円弧のように緩や かにランドスケープをつなぐ案。この後、 方向転換し逆に切り離された楽園を作るこ とに。
思想地図
高架上
高架下
若者
孤独 滞留 海との 対話
自分
老人 観光客
との対話
ビジネスマン 商業空間
4 つの居場所の関係性をダイヤグラム化。それぞれの空間が持つ ポテンシャルを把握し、ペルソナを元に、骨組を作っていく。
E
B C
D
みえない高架 との対話 +1200
+1200 +1200
みえない高架 との対話
Eʼ
Bʼ Cʼ
Dʼ 二階平面図 1:600
平面詳細 3
平面詳細1
A
10m 20m
Aʼ
平面詳細 2
一階平面図 1:600
緩い勾配の階段を降りていくと、海と体がつながっていくように感じ、先端では自分だけの海を楽しむ。
突如現れる異質な筒。降りていくと気が付けば海の中に潜り、音のない静かな空間で思いを巡らすことができる。
平面詳細図1 1:100
少し多人数に開かれた桟橋。潮の緩慢により時間帯で場が変わり、毎度違う表情を見せる。
平面詳細図 2 1:100
平面詳細図 3 1:200
E-Eʼ 断面詳細図 1:100
05. EFFECTS 1 横断空間 2 海との対話空間 RAIN
CO
O
2
2
BIRD
HIGHLINE GARDEN
COOL SPOT
BATTERFLY
COOL SPOT
都市の効率化によって生まれてきた余剰の高架でグリーンインフラを作り出 すことで緑被率の向上による心理的な安らぎの効果を得られるだけでなく、 そこに様々な生態系が根付き、少しずつ環境が変わっていく。緑に触れる生 活が日常化することで原始的で文化的な生活の良さを再確認すると共に、地 球環境、都市環境の向上にも寄与する。
桟橋からの帰り道、ふと眼前に飛び込んでくる空中の楽園。
広々とした横断空間の始まり。列柱が作り出す空間と頭上に抜ける階段に圧倒される。
06. VARIOUS PLANTS
中木
日陰植物
水生植物
高架道路からの神戸の原風景を残し、海側と山側に視線が誘導されるよう植物を配置。
B-Bʼ 断面図 1:200
日陰や水辺を作ることで多種類の植物を育成。色とりどりの植物が季節とともに表情を変える。
C-Cʼ 断面図 1:200
E-Eʼ 断面 1:200
低木
D-Dʼ 断面詳細図 1:100
INDIPENDENT LAYER X HOLE COMMUNICATION
六甲における駅と大学の複合施設∼
設計期間 2019.12 - 2020.02 プログラム
駅 / 大学キャンパス
学生、高齢者、観光者、市民。不特 定多数の人々が交錯するこの六甲と いう敷地にそれぞれの利用者が心地 よく生活するためにそれぞれに対し て独立した生活基盤となる床を挿入 する。その床では似た利用者たちが フロアを回遊しながらコミュニケー ションを深めていく。その中で利用 者たちはふと穴に出会い、そこでは 違う目的の利用者たちが親睦を深め る。それぞれの層が互いにせめぎあ いながらこの六甲の地に独自の磁場 を形成することを提案する。
SITE
PROGRAM
+
+
独立した床
観光地である六甲山、都会にアクセスのいいベッドタウン、大 きな大学が複数ある学生の街と様々な顔を持つ六甲には不特定 の人々が入れ替わり錯綜する。
+ 虚の穴 ( 木のヴォリューム )
実の穴 ( 吹き抜け )
柱
無数の人々が交錯する土地性を整理するための床。全部で3
ここでは大きな建物に光と風を通し、また各床間
この中にはカフェやライブラリ、ホールなどの情報発信施設が入り、この
建物全体を 400x400、8mのグリットで柱を配置し支える。
層あり下から市民の層、駅利用者の層、大学利用者の層。そ
の視線のコミュニケーションが生まれる。ここに
中でこの中で違う利用目的の利用者たちは親睦を深め、その様子は内外に
こうすることで建築のプランが自由になり各床はワンルー
れぞれの層で似た利用者は親睦を深める。
は各床を行き来するための動線やベンチなどが置
発信されていく。
ムのようなプランが可能になる。
かれ自然と人々が集まる。
DIAGRAM
実の穴。吹き抜けであり
虚の穴。これはヴォリュー
各層をわかりやすく突き
ムであり、情報発信施設
破ることで層の透明化が
が入る。一見閉じたよう
おこり視線の抜け、光、
に見えるが、その中に入っ
風の抜けをもたらす。
てみると、各層同士が交 わっているのを事後的に
実の穴 ( 吹き抜け )
虚の穴 ( 木のヴォリューム )
ハコの向きは人の流れを呼び込む。またハコはそれぞれが情報発信の場となり、街に溶け込んでゆ く。
実の穴の周りは活動が活発になりそれから離れるほどに活動はプライベートになっ ていく。
PLOT
課題概要 STATIONxARCHITECTUAL STUDIOS 敷地は阪急六甲駅北側プラットフォーム沿いの区画。ここ に建築教育施設、建築の周辺にかかる情報の発信拠点、そ して駅機能の複合施設を計画する。 阪急六甲駅、普段のある一日の乗降客数は 29,566 人。一方 教育施設の主たる利用対象者は神戸大学建築学科関係者約 350 人。そしてここでの情報の受信者は不特定多数、無数の 市井の人々。ここを通過または滞留 · 滞在そして交錯する 人々が建築やそのインフォメーションを介することで創造 的コミュニケーションが生まれ、多様なアクティビティが 可視化される場所。このようなイメージを顕在化させる、 唯一無二の、ここにしかない磁場を創造することが本課題 の主旨である。 ■附帯条件 駅機能は敷地内のいずれかに再構成する。既存バス · タク シー乗降機能は敷地外の隣接地に移設するものとし、計画 敷地内には不要。教育施設は建築学科に所属する学部生、 大学院生、社会人、研究者、教授らが主たる利用者。情報 受信者は建築のみならず関連する分野のインフォメーショ ンや展覧会、ショーなどに集う人々。それぞれの機能は独 立することなく幅棲する形態をもつコンプレックスとする ことが望ましい。建蔽率 · 階数は規定しない。但し、周辺環 境に配慮したものとし、ランドスケープデザインも建築と 同様の地平で思考する。施設の延面積は 8,000 m 程度。 敷地周辺情報の検討。たまれる場所がなく、景観が悪い。細長い敷地で南北の迫りが窮屈である。これに対して、アトリウムと屋上庭園で上への上昇感か ら窮屈さと居場所景観すべてを解決する。
周辺から連続するように施設に入れるよ
大学、駅、既存あった生活用品を買うた
箱と層という建築言語が出てくる。機能
町の井戸が暫定コンセプト。この施設に
箱同士の関係性と穴が開いた層と箱の機
うなことを考えていた初期。プライベー
めのショップの配置スタディ。各層に 3
を箱に収めその周りの自由なスペース。
街の人が光やコミュニーションなど様々
能の関係性をスタディ。穴から遠いとこ
トな機能は上層に。
つの機能があり、上に行くほど大学機能
なものを汲みに行くイメージ。
ろにプライベートなものを置くことが確
が多くなる。
定。
箱と層どちらが勝つのか、またそのヴァ リエーションによって獲得できる空間性 をスタディしていく。
PLOT 箱の形をもっとぐにゃぐやにしてはどうだろう。このあた
コンセプチュアルな断面のダイヤグラムスケッチ。層と箱
層にヴォイドをあけ、アトリウム(後の実の穴)を考えて
平面のスタディ。柱の位置によって居場所が生まれてくる
りから一番大きいホールの中身のことを並行してスタディ
の関係性を遊びながらスタディ。
いく。ここに動線、風、光などが巻き付いてくるイメージ。
ようなことを考えている。中心性はない。
平面のスタディ。L 字壁により様々な居場所をスタディ。
L 字壁ももっと自由に配置。XY 軸に縛られない斜めの軸が
断面イメージ。上層ほどスラブ厚が小さくなっていくイメー
アトリウム部分の解像度を上げる。上に行くほどセット
中心性はない。
出てくる。
ジ。上昇感を獲得できる?
バックすることで上昇感と上から見下げの抜けを作る。
し始めた。
上昇感の先にあるクライマックスとして屋上庭園を作る案。
屋上庭園、アトリウム、平面形態の関係性をスタディして
建築内部も屋上庭園が下りてきて、緑に建築がむしばまれ
箱と層の関係性のスタディに立ち戻る。箱の中での人々の
上から外周面を降りてくるように庭をつなげるイメージ。
いる。
ていくイメージ。
出会い方に注目し始める。(後の虚の穴)
箱と層のスタディ 2。新たな空間性の獲得と期待感の演出
箱と層の全体の関係性をまとめるために案だし。このあた
斜めの層再び。レムコールハースのジュシュー大学図書館
について考察と試行。
りで層と箱には勝ち負けはなく違うものを担保するものだ
コンペ案が参考事例。
と考え始める。
PLOT 各層が、下から地域住民、駅利用者、大学利用者の活動の層になることが確定。実と虚の穴を介して、
トレーシングペーパーを使って各層同士の関係性を確認。穴から遠ざかるようにプライベートな箱を置いていく。
三者はコミュニケーションをとり、そこが地域への情報発信の場となる。
アトリウム周りのイメージスケッ
平面のイメージ。穴が PUBLIC。そ
チ。動線と上昇感。
の周りの PRIVATE。
断面イメージ。
アトリウム周りの断面性のヴァリ
少しサブ的要素になった屋上庭園の
各層高さの検討。視線や居心地、階
アトリウム部分の階段の構造の検
エーションの検討。
配置。とびとびにして置いていく。
段のつながりから考える。
討。吊りを検討している。
初期のコンセプトモデル。箱と層
層同士が斜めになり溶けて一つになるようなイメージのもとできた 2 つ目の模型
スタディ模型集
ドミノシステムを用い各層のプランを自由に組み立てていく。家具配置やプロポーションを見ながらライトウェルの位置を調整し、それに巻き付くように機能を収めていく。
ライトウェルを取り囲むように箱を配置。層は水平に。
研究室
研究室
GL+10800 研究室
研究室
研究室
研究室
ホワイエ
中講義室 GL+5400 ラウンジ
研究室 研究室 GL+8400 スタジオ GL+6000
研究室 研究室 GL+10800
ホール
GL+10000 GL+9600
ライブラリー GL+7800
デジタルファクトリー 職員室
大講義室
GL+10000
GL+9600
打合せ スペース
GL+9200
GL+8800
GL+8400
3FL
700
鉄骨梁 アルミサッシ
2900
強化ガラスt=15+飛散防止フィルム 高透過倍強 化合わせガラスt=10+10 高透過倍強化合わせガ ラスt=12+12 天井高に合わせて3種類を併用
研究室
研究室
2FL
打合せスペース
結露受け
700
GL+9200
ステレンスシーム溶接 t=0.4 ポリエチレンフォーム t=4.0 ゴムアスルーフィング t=1.0 耐火野地板(硬質木片セメント板) t=20 母屋材:St□50×50×2.3、□30×60×2.3の2タイプ 硬質ウレタンフォーム t=35(CH=4000以下はロックウール吹付 t=45) H鋼 194×150×6×9
シール GL+8400
食堂 GL+7200
研究室
研究室
断面詳細
鉄骨柱(400mm)+耐火塗料
研究室 研究室
4900
講義スペース
コンクリート金ゴテ押さえ t=100(膨張剤、 メッシュΦ6.50×50 +浸透性コンクリート表面硬化剤塗布 スタイロフォーム t=25 樹脂ベニア t=12 根太:St□50×50×t=2.3+補強束立柱:St□50×100×t=2.3 硬質ウレタンフォーム t=25 H鋼 194×150×6×9 コンクリートスラブ t=200
床 モルタル下地 長尺塩ビシート
1FL
スタイロフォーム t=50 防湿ポリシート サンドクッション t=50
大学生のためのフロア:3 階平面図 1:400 10m 5m
20m
断面詳細図1:50
ホワイエ兼ギャラリー GL+2400 ショップ
コンビニ テラス
受付 ワークショップスペース GL+2000
コンビニ
スタジオ GL+2000
ホール
GL+4400
西改札
GL+4400
休憩スペース
コワーキングエリア
食堂 GL+3200
ライブラリー GL+2400
駅長室
東改札
断面詳細
駅利用者のためのフロア:2 階平面図 1:600 10m 5m
20m
GL-2000
GL±0 GL±0
薬局 GL-2600 ワークショップスペース GL-2400 アトリウム 1
GL-2000
スーパー
スタジオ
GL-2000
アトリウム2
アトリウム3
ショップ
オープンカフェ GL-2000
GL±0
書店 GL-3000
ライブラリー ショップ
GL-3000
梅田行きホーム
駅待合室
断面詳細
GL-4800 三宮行ホーム
GL-3800 GL-2000
市民のためのフロア:配置図兼 1 階階平面図 1:600 10m 5m
20m
北東立面図 1:400
短手断面図 1:400
北立面図 1:600
スタジオ
スタジオ
スタジオ
スタジオ
中講義室
中講義室
ホール
WS スペース
断面パース 1:250
意想外 の先にあるもの。
設計期間 2019.10 - 2019.12 プログラム セミナーハウス 敷地 兵庫県神戸市(現灘丸山公園)
六甲山麓に位置する灘丸山公園。そ の敷地は山道を登った先に急に現れ る平らな土地だった。自分はその土 地に入る前はそのまま傾斜が続くと 思ったが、実際は平で昔は山だった 場所が切り開かれている。そしてそ の土地は今桜の名所になったり、休 日は様々な家族が集まるとても豊か な公園になっていた。そうだと思っ ていたものが実際は違い、それが心 地よさを持っているこの土地が意想 外であったことからここにそんな意 想外な心地よさを持つセミナーハウ スを設計した。
MOVIE
昔は山だったところが、企業の専用グラウンドにするために切り開かれ、その後の跡地が今の
創造スタジオⅠの入り口からの見上げ。
PROBLEM
丸山公園である。周りは急峻
な傾斜地であるが、その山の中腹に平らな土地ができ、地域の人に長年愛されてきた。
敷地
ハコの機能 昔は山だったところが、企業の専
インターネットの普及と「もの」を生み出すテクノロジーの進歩により数多
用グラウンドにするために切り開
くの新しいアイデアが生まれようとしている。しかし、情報、技術の共有は
かれ、その後の跡地が今の灘丸山
まだまだ進んでいない。
公園である。周りは急峻な傾斜地 であるが、その山の中腹に平らな 土地ができ、地域の人に長年愛さ
下側にすぼむカタチは重力換気を引き起こ
上側にすぼむカタチは上空からの風を誘い
し、また上側に広くなっていることで、人々
込むだけでなく、人々に落ち着きと安心感
に開放感を与える。また天空からの光を取
を与える。また周囲に与える威圧感も少な
り入れやすい。
く、壁面採光で光を取り込みやすい。
れてきた。
SOLUTION
提案
機能と動線
ある一定の期間空間を共にし、集中した活動や共通の目的をもって活動する
ゾーニング
近畿圏の大学、会社合同のプラットフォームとなるイノベーション施設を提
日常
案する。ここではセミナーや共同制作、スタジオ、社会との連携など様々な
事務
講義
半外
半中
中
半外
外
中
機械室/トイレ /庭
ゼミ
ゼミ
宿
教員宿
食堂
ゼミ
講義
ゼミ
築によってこの地で過ごしたこれから必要となってくる他種の業界間でのプ
創造 スタジオⅡ
アトリエ
創造 スタジオⅠ
今回の提案では土地性に注目し、建築との意想外な出会い方を提案する。建 ラットフォームを構築し、この
動線2
非日常
活動に対して自由で豊かな場を提供することを目的としている。
CONCEPT
動線1
浴室
宿 宿 機械室 /トイレ /庭
歴史展示
丸山公園という場でしかできない忘れられ
ない経験を研究者や学生に培ってもらい、日本の将来の発展がより加速して いけるようなことを願って設計した。
普通建築というのは通常外部から半屋外、半屋内という風に徐々に奥、つまり最内部へとはいっていくもので ある。しかし今回の提案はその内部に入ろうとした際に、その先に意想外な外部が待っている。斜め壁が二方 向についている内部と思われる黒い BOX に入っていくとそこには心地よい空間が待ち受けている。
研修 宿泊
共用 箱の中の外部
南北のわかりやすい動線 東西の路地的動線
主要動線 庇
PLOT
課題概要
空間性のスタディ
初期ゾーニング案
近畿圏の大学のためのセミナーハウス
切妻屋根の大空間にヴォイド
画像左上と右下からのアクセス
をあけることで「ない」とい
から考え始めた。駅からは遠い
大学内での活動としての講義や演習 · 実習とは別に、ある
う感覚を作りだせると考え、
ので車での来訪を想定。駐車場
一定の期間、空間を共にし、集中した活動や共通の目的を
そのスタディスケッチ。
のある北西側を、普段の利用者。
もって活動する場が求められている。この課題は、近畿圏
模型スタディ
南東側を地域の人が来ると想定
を持つ主要な施設が中心に
がら、研究棟を西、宿泊棟を東
タジオ、社会との連携など学内では難しい様々の活動に対
来ていることがわかる。
側に計画した。
して自由で豊かな場を提供することを目的としている。
東側が宿泊棟、緑の西側が 研究棟を表し、大きな容積
し、主要な機能を中心に置きな
の大学共通施設として位置づけ、セミナーや共同制作、ス
初期ゾーニング案。黄色の
■計画敷地
切妻とその中に納まる箱とい う関係性ができてくる。その
計画敷地は、神戸市灘区の山麓市街地に位置する灘丸山公
形のヴァリエーションを遊び
園の土地を想定する。現在の公園用地の全部または一部を
ながら考え、様々な形の中で
山が近く、海が見える眺めがい
セミナーハウス用地として使い、敷地へのアプローチも南
発想する「ない」という状況
い土地なので、南北での居心地
をいかにリアルにしていくか
が最大化するように計画し、要
側の道路をそのまま利用するものとする。
が課題となった。
所に交流のオープンスペースを
■建築概要
設けた。
建築施設の延べ面積は 4,000 程度とし、階数、構造は自由
切妻屋根に機能ごとに分節 されたヴォリュームが収ま る。移動の際に「ない」が 起こると考え、最大化。
とする . ■利用者 施設の利用者は主として大学生、大学院生、大学教員であ
この場所での非日常的な魅力に 土地との出会いからインスピ
り、15 人単位 (10 人 ~ 20 人 ) が 6 組宿泊でき、最大で
レーションを受け、山が切り開
150 人の学生が共同で研修できる施設とする。また、指導
左図と合わせて、何枚かの切
かれなくなっているというとこ
教員や外来者が別に 15 人宿泊できる諸室を確保するこ
妻屋根を南北に横断する中で
ろから、「ない」とふと感じれる
「ない」を感じる空間を創出す
空間がこの土地での過ごし方と
と。
ることを決定。
考え始める。
グリッド配置を考えなが ら、モデリングでさらに ゾーニングとかたちをいっ たりきたり。
中間
「ない」から「意想外」へ
モデリングスタディ
中間を終えて、この土地の心地よさが、山が切り開かれて「ない」と感じた感覚ではなく、そこにあった想定外な空間性、 つまり「意想外さ」にあることに気づく。ここからスタディががらりと変わり、どうやって建築で意想外な空間を作り出 すか考えているうちに、岩のような構造体作る案が浮上。
動線計画。海と山をつなぐよう に南北は抜けをつくり、そこか ら東西へと入り込むように計画 した。 構造体の高さを9mとして 全体の配置計画は中間前を 参考にしながら「岩」を配 置。なぞの3つのまとまり 斜め壁の配置のスタディ。斜め
が気になる。
の部分が重なり合わないこと、 末広がりと末すぼまりとなる斜め壁を併せ持つ岩のような構造体の中に外部空間を作ることを試行。
外周には斜めを作らないこと、 構造体内への通風と再考を考
配置計画
え、配置していく。
トレーシングペーパーで、斜め 壁の位置、動線企画、ゾーニン グ、それぞれの構造体内の庭の 配置と部屋割りをスタディ。 ゾーニングは初期の東西で宿泊 棟と研究棟を分ける案を引継な がらも、配置をグリッドにした。
構造体の高さを12m に。 各所要室を構造体内に収めてい
縦長にすることで構造体内
く中で、構造体の大きさにヴァ
での上昇感を演出し、プロ
リエーションが出始める。立面
ポーションも整う。「岩」
でそれぞれの構造体が横長に見
の間の半屋外空間に雨除け
えないように岩の短辺と長辺を
の庇を検討。
調整。
A
3
3
12
13
UP
4
5
9
UP
UP
1
UP
UP
7 2 UP
10
UP
3
12
12
2
UP
8 DN
UP
3
11
A
5
4 UP
14
9
UP
DN
6
UP
DN UP
DN DN
UP
7
12
13 UP
DN
DN
UP
10
DN
UP
12
12
DN
UP
8 DN
UP
6
DN
UP
2 階平面図 1:500
配置図兼 1 階平面図 1:400
1 事務室
6 庭
11 浴室
2 講義室
7 アトリエ
12 宿
3 ゼミ室
8 創造スタジオⅠ
13 教員用宿
4 機械室
9 創造スタジオⅡ
14 歴史展示室
5 トイレ
10 食堂
立面図 1:200
BOX と BOX の間の中間領域。
機械室上のハコニワ。
南東側からの外観。
食堂上空からの鳥瞰。
南側から通路と公園
意想外な空間の創出 断面パース 1:200
設計期間 2019.06 - 2019.08 プログラム メモリアル 敷地 岡山県倉敷市児島区
リーバイストラウスは今のファッション には欠かせない存在であるジーンズを 作った。その影響力は世界中へと及び、 ジーンズは様々な文化と交錯し数々の歴 史を紡いできたのである。実はその中で も日本とリーバイスにはとても深い関係 性窯ある。日本でジーンズはだだのワー クパンツからボロやビンデージジーンズ としてファッションへと昇華したのだ。 このことをもっと多くの人に知ってほし い。またジーンズの良さを改めて感じて ほしい。この建築ではそんなリーバイス が日本的だと謳う「再構築」でメモリア ル空間を表現した。
04. ISOMETRICS
01. BLAND 言わずとも知れたジーンズの先駆者的ブランド。ワー クパンツから始まったファッションスタイルはアメカ ジのアイコンとなり、こてまでバイカーや LGBT など
屋根
様々なカルチャーと結びついてきた。
02. SITE
二階内壁
2階スラブ 岡山県倉敷市児島区 古くからジーンズの産地として知られ、リーバイスから多大な影響を受けた地。今回はその土地の 海辺を計画地とし、そこではリーバイスを土台としたジーンズのメモリアル空間が立ち上る。
03. METAPHOR
縦の動線
本設計ではリーバイスをジーンズひいては布をカタチづくる帯をメ タファーとして設計する。帯はゆるゆる記憶が絡んでいくように絡 みつきながら土台を構成し、その上に帯の重なってできたものが重 層する姿は、リーバイスを土台に日本でジーンズが広まっていった ことを象徴的に表す。
外部から来た構造体
PLAN+2000 1:200
PLAN+7000 1:200
4
3
down
down
6
2
7
5
1
1 エントランスホール
5 日本のジーンズ文化の展示(前半)
2 アメリカリーバイスの展示(前半)
6 日本のジーンズ文化の展示(後半)
3 アメリカリーバイスの展示(後半)
7 ジーンズの集積空間
4 海との対話空間
NORTH-WEST ELEVATION1:200
PLOT
面構造によるメモリアル空間 ■設計趣旨 メモリアル空間を面状の構造により計画する ( 面状の構造とは柱や楽による線材の架構ではなく、壁面 / 床面 / 屋根面の連続により構
ファーストスケッチ
造躯体として成立するものを言う )。構造計画に関しては厳密な構造計算による根拠は求めないが、モデル検討及び構造力学的見地に 立った基本的な考察を必要条件とする。この構造体を構成する材料は石 · コンクリート · 鉄 · ガラス等一般的に流通するものとし、社会
ジーンズ→繊維→帯まで抽象化し、ジーンズが持つ
的な合意を得られるコストを前提とすること。また、平面計画や建築造形において形態的メタファーによる合意を目的とせず、計画す
時間の積層を立ち上がった帯で紡いでいくようなイ
る環境 ( 場 · 空間 ) に対して身体的な関心と理解を探求すること。個人を象徴する空間を熱慮し、そこに必要な空間と場の特殊性を構
メージで表現。
造 構成 · 構築概念を手がかりに物理的提案として創出する。 ■敷地 各自選定。設定した人物にふさわしい敷地を選ぶこと。
三種類の帯
壁
6000
屋根
4000
パーティション、外構
帯を曲げたり、ねじったり、編んだり、縫ったり。様々な 帯を組み合わせていく中での内部空間への動き、偶発的に 硬い t が持ってくる意味を模型から見出している。
1000
帯をスケールに変えて 3 種類の帯を積層させるアメリカから来たジーンズをファッションに変えた、ぼろという時間が積層させたジーンズのよ うなパッチワークというものを重ねていくことを表現帯と時間と積層 2つを対比積層
最後の一層案。突堤部分の敷地を生かし、面材の空間を作る中で、外 部環境を取りこむことを考えている。
アメリカと日本の 2 つを対比的に扱う中で一階をアメリカのジー ンズ文化の展示、2 階を日本のジーンズ文化の展示にする 2 層案 が浮上。アメリカでワークパンツであったジーンズが日本のファッ ションであるジーンズの文化を支えていることを構成表現する。
ゾーニング ぐるぐると回遊しながらアメリカ、日本でのジーンズの変遷、そのシークエンスに海 ( ア メリカ ) と陸 ( 日本 ) との対話空間を設定。クライマックスとしてこれまでの時間の積層を ジーンズの歴代モデルを壁一面に展示することで再現。
2 層案で帯だけでまとまった流線型の建築を試行錯誤している。
最終案真近。アメリカ ( 一階 ) ではばらばらだったものが日本 (2 階 ) でまとまる構成。
エントランスそばにあるワークショップを行える場所
1 階アメリカの展示後海で対話する。
二階日本のジーンズ、ぼろの展示
最後の展示。ジーンズの集積を見てこれまでの歴史を肌で感じる。
知恵のワ ~新たな共鳴現象~ 設計期間 2018.12 - 2019.02 プログラム 図書館 敷地 兵庫県神戸市灘区
地域住民が、より交流を深め自分の新たな居 場所を見つけることができる図書館。 これが今回、この六甲駅から南側にある敷地 に新たに計画する図書館である。六甲は都市 へのアクセスが良く、通勤、通学する人のベッ トタウン的側面がある。そんな人々が身近な 場所で、一日中過ごせるサードプレイスのよ うな場所を提案する。 日本は今個人社会を通り過ぎ、孤立社会とも 呼ばれるようになった。日々にストレスがた まり、周りの人を知らずに過ごしている毎日 に刺激と癒しをもたらしてくれるのが六甲で 有名な商店街の中でのコミュニケーションで あると考える。 そんな商店街での雰囲気を取り込み、中庭を 核とした内に開いた図書館を計画し、建物の 中ではコミュニケーションが活発化する空間 を多数設け、また天井の高さや場の使用目的 を建物ごとで変えて自分が居心地の良さを感 じ、探せる図書館を提案する。
配置図 1:4000
黒い矩形部分は商店街を表す。
PROBLEM
SOLUTION
近年、生活環境やメディアの変化な
本を読む空間を豊かにするために
どから活字離れが深刻化し、それに
空間にバリエーションを作る。ま
伴い図書館の利用者も少なくなって
た図書館と連携する施設を周りに
いる。
配置し、図書館機能の拡張を目指
断面ダイヤグラム
背景と敷地
した。
CONCEPT
KEYWARD
人々が自分のお気に入りの場所で本
うねうねした屋根
を読むことができる図書館。図書館
楕円の平面
で過ごす時間を増やすことで、住宅
程よい囲われ感
の延長にあるサードプレイスを新た に形成する。
1 阪急六甲駅
2 六甲八幡神社
3 六甲宮町商店街
4 六甲本通商店街
人通りが多く、駅近くの敷地。南側に伸びる 2 つの道はどちらも商店街へとつながっており、これ 地上階は元のコンタを残した床レベルになっており、上層階は屋根が湾曲している。両方の操作
が六甲の地域おこしで重要な役割を果たしている。今回設計する図書館は内に開き、そこが活気あ
で人がそれぞれ心地良いと感じる場所を探すことができるような操作をしている。また地上階で
ふれた商店街のように機能することで 3 つの商店街のハブとして機能しより一層地域コミュニケー
はこの独特な敷地の場所性を感じられる。
ションを触発する「商店街コミュニケーション」として提案する。
PLOT
課題概要
敷地評価
ゾーニング
・地域図書館+〇〇〇ー 1. 公共図書館のネットワークと役割分担 , 図書館の機能 , 図書館
商店街でのコミュニケー
建築の機能 · 空間構成を理解すること。
ションをアナロジーに中庭
2. 施設が立地する地域の歴史 , 空間的 , 社会的特徴を把
型の配置計画を選択し、人 通りが多い東側と少ない西
握し , 地域コミュニティ施設のあり方を考えること。
側を考慮して、プログラム
3. 以上を踏まえて、地域コミュニティ施設としての図
を反映する。
書館の望ましい空間を提案すること。
さらに 2 つのエリアの境界
4 棟にすると確定。4 棟の配置計画と庇のデザインの確認。
面のプログラムを考える。
■計画建物の概要
ワークショップの様子
(1) 延床面積 1,600 m 前後 ( 土 10% 程度の増減は可 , ピロティ , 庇 , バルコニー , 屋外階段は面積に参入しなくてよい。) 注意 : 敷地 1 は容積率 200% の地区で 3,000 m ㎡以上 の敷地面積があるが、本課題では上記の延べ床面積と
+
する。
・大学帰りの学生が良く通る。 ・近くに神社がある。 ・空気がきれいな気がする。
(2) RC 造 , 鉄骨造 , または木造 ( 準耐火建築物 )
・緑が豊か。 ・駅に近い。
(3) 階数 / 複数階 ( 平屋建ては不可 )
敷地面積約 3,230 m 第一種中高層住居専用地域 / 建蔽率 60%, 容積率 200%
ティビティが巻き付くよう なことを思考。円形の流れ
敷地 I 收急六甲駅南側 , 六甲八幡神社境内に隣接する敷地。
本を中心として様々なアク
ー
・傾斜地 ・東側は車通りが多いのに、道が細く、危ない。 ・蚊が多い
のようなものがでてきて、 プログラムがおおむね決ま る。
4 棟のヴォリュームをスタディ。周辺から人を流れこませることを考え、円と楕円を選択。また各棟を上階でつなぐこと を確定。
・陰気臭い。
配置計画
平面案の確定。すべての棟を楕円にすることで各棟に方向性がでて、中庭部分も広くとることができる。
屋根をうねらせることで各棟の中の空間性にヴァリエーションを作る。
西側は神社の高木が多く終わっていたので、高さを出しながら も、木よりは高くならないように調節。人通りの多い東側は圧 迫感が出ないように高さを抑えた。敷地内への人の流れを考え て大体の配置を決める。
敷地に対する新たな建物の配置を考えている。これまでの 4 棟案と新たに 2 棟案を考えた。2 棟案は図書館と+○○〇をシ ンプルに 2 つに分けた形。
4 棟案で確定。4 つのヴォリュームを微調整しながら配置。さら に一階は敷地の傾斜をそのまま使うことで、建築内までが地続き になるように計画。また 4 つの棟を上階でつなぎ、建築内での 移動をスムーズに、さらに中庭の囲われ感を強調。
最終案。素材と家具の置き方の検討。
模型スタディ
10m 5m
20m
配置図兼一階平面図 1:200
10m 5m
10m
二階平面図 1:300
20m
Plan Diagram
5m
20m
Flow Line 図書館
サテライトオフィス
ヴォリュームをそれぞれの機能に必要な床面 積で配置
3 階平面図 1:300
角を取り人々を内側に引き込む
丸に方向性を持たせて中の空間と外の空間を使いやす く
主要動線 寄り道動線
ホール
カフェ / コミュニケーションスペース
建築内は二重らせんの動線となっている。人々はぐるぐるとめぐりながらお気に入りの場所を 探す。
はさんで、ひらいて。 ~子供がつなぐ未来への道~
2020 年度日本建築学会設計競技 「外との新しいつながりを持った住まい」 共同設計者:篠山航大、長田遥哉
敷地のある西宮市では、中産階級の多い住宅街に紛れ、相対貧困層 と呼ばれる人々が点在している。相対貧困層は住まいの外とのつな がりの喪失が、社会からの孤立に直結し、問題が深刻化しやすい。 中でも片親の子育て世帯は相対貧困に陥りやすく、特に外とのつ ながりを必要としている。彼らを対象に、子育て空間を共有するこ とで、住まいの外や地域社会との新しいつながりを持った集合住宅 兼児童館を提案する。 敷地は、路地を挟んで二つに分かれる。そこで古来より存在する、 「両側町」の概念を用いて建築とする。両側街とは、道を挟んで両 側の家が一つの単位となり共同体を形成するという考え方で、道を 皆で共有している意識がコミュニティを形成し、社会的な外とのつ ながりを生み出す。つまり挟み込まれた道は外部でありながらも、 住民の共有意識から内部化されていく。 設計ではまず、路地という外部空間を、児童館機能を備えた集合 住宅によって挟み込むことで、生活空間に取り込む。これにより、 子育て空間が地域の住民と共有され、住民に社会とのつながりが生 まれる。次に、この仕組みを各住戸のレベルまで落とし込む。子育 て機能を持つ共有空間を、分割した一つの住戸で挟み込むことで、 住まいの内側に取り込む。これにより子育て空間を共有する意識か ら、住人同士にも互いにつながりがうまれる。このように、外を内 で挟み込む関係によって、新しい外とのつながりを作り出すことを 目指す。
Bʼ Aʼ
Bʼ Aʼ
住居 13
B
児童館 2
住居 15
住居 14
B
A
0
3F 平面図 _ S=1:400
10
20
住居 3 Bʼ Aʼ
住居 4
住居 5 住居 6
B
児童館 1 住居 2
住居1 住居 住居 11
A
住居 8 住居 9
A
住居 10 1F 平面図兼配置図 _ S=1:200
1
精神的貧困
「相対貧困層」とは日本人の年収の中央値の半分 ( 約 122 万円 ) 以下の収入と、生活保護などの支え
両側町では各住戸が面する道路がコミュニティの中心となり、右図のよ
によって “見かけは” 普通の生活を送っている人たちのことを指す。彼らは都市に点在しており、そ
うな賑わいのある道が生まれた。両側町の形成過程は、外とのつながり
の実情は見えにくいが、実際の生活は収入が不安定なだけでなく、貧困というコンプレックスからも
が有利に働く商業地域に始まったことから、人々がつながりを求めて自
人との関わりが薄弱となるなど多くの問題を抱えており、それが「引きこもり」「孤独死」「幼児虐待」
然と形成された一つの形といえる。
へとつながるケースが多い。
両側町以前の地割は格子状に引かれた道路によって囲まれた正方形状の
現在片親世帯では、その 51.4% が相対貧困であるとされており、その家庭の子供たちは、親とのコミュ
コミュニティ不足
ドアのある家
多い。また、親自身も、コミュニティを持たないために、他に助けを求めることができずにいる。 コミュニティ不足 社会的孤立
2敷地 阪神沿線にある兵庫県西宮市鳴尾町。住むためのコストが低
2F 平面図 _ S=1:400
3両側町のコミュニティ
相対貧困層
ニケーション不足や、十分な教育を受ける機会がないことなどから、他の子供との差異に悩むことが
区画を町としていた。その後商業の発展に伴い、道路沿いの住戸が道路
周辺は住宅の密集地と、木賃アパートが混在する土地である。 また、無数の路地が入り組んだ、下町情緒のある場所で、地 元住民は道でたわいもない会話をする姿がみられるなど、道 でのコミュニケーションが残った敷地である。
町
に対して間口を開くようになり、道路が賑わいの場と変化していくと、
町
町
両側町
町 町
道を挟んだ両側の住戸を一つの町とし、「両側町」が形成された。
4 内と外 両側町の内と外
新しい内と外
く、周辺には多数の公園や教育施設があり、治安もよいため、 子育てをするのに適している。
住居 7
外 内
外 内
住戸に挟み込まれた道が
両側町の「挟み込みの関
「町」に取り込まれること
係」をダイアグラム化し
で、外部だった道路空間が 半内部化することによって 両側町がうみだされた。
内 外
内 外
て用いることで新しい外 とのつながりを作り出 す。
6ボリューム
5プログラム
7 二つの挟み込み 挟み込みによる外と内の関係を、集合住
新しい内と外の関係によって、児童館の中ではパブリックとプライベートの 中間にグラデーションが生まれる。そのグラデーションの中で様々なコミュ
建物の顔となる北西部分と双子
宅と路地・各住戸と児童館の関係性に落
の棟の間を走る路地からセット
とし込む。
バックするようにヴォリューム
ニケーションが生まれる。
を配置することで圧迫感を軽減
内 外
内 外
① 外と内:路地と集合住宅
② 外と内:児童館と各住居
①の配置の平面計画では、外部空間で
②の平面計画ではコの字型が向かい
ある路地を二棟の集合住宅によって挟
合った形の住戸によって児童館を挟み
み込み、内部化する。
込み、内部化する。
した。 また各階のヴォリューム同士を
各住戸
離し、住戸の天井部と各基準階 住人の子育て空間
児童館
住居はそこからの採光、通風が 可能となり、全体としての視線
親子
場所:路地 地域の人 地域の子供
Public
のスラブの間をあけることで、
大学生
地域の学生
の抜けが生まれ、建物内の活動
片親世帯
住んでいる子供 児童館職員
住んでいる学生
独り暮らし
は地域にあふれ出す。
Private
建物の間に挟み込まれた路地は、地域と繋がる場となる
各住戸の間に挟み込まれた廊下を走る子供達
8
廊下の先にあるテラスは子供達の遊び場となる
回遊性
双子棟の間にある路地から各住戸の間の通り道 を通って上層のテラスへとつながる。 また各テラス同士も階段でつながっており、 建物の中を回遊しながら、様々なアクティビ ティが繋がり合い、広く地域住民との交流の場 A
A-Aʼ 断面図 _ S=1:100
となる。
A
0 1
5
10
B
B-Bʼ 断面図 _ S=1:100
B
サンカク と ヒト と トキ と
第 7 回 POLUS ーポラスー学生・建築デザインコンペティション 「地球につながる新しい風景の街」 共同設計者:幸田梓
ここ集中できていいね
切妻屋根が重なりあってできる中間領域に 空間を豊かにする要素を埋め込むことで多 様な居場所を作り出し、住民たちは敷地の ようにして毎日を過ごす。各住居の躯体を 伸ばすようにして構成された身体スケール を保った切妻屋根の大空間。 そこでは様々な人が巡り合い、建築に人々 の生活が絡まるなかでヒト+ケンチクで新 しい風景が創出される。集まって住み、家 族に変わる他人と住うことで、ある「場」、 それもコミュニケーションの場がたち現れ るとき、そこには普段の生活では味わうこ とのできないグルーヴ感のある濃密な時間 を過ごすことができるのだ。 さらに人々が巡り合うことで連鎖的に地域 は広がっていき、最終的には知でつながっ た新たな都市圏を形成する上での 1 つの核 となる。
疲れたーー
中で時と生活を重ね合わせながら場を巡る
眺め最高!
橋で友達と 待ち合わせ!
上に登ってみる?
ハナレに 勉強しに行こうかな
近所の人も 見に来てくれてるー
01.前段
05.時と生活の移り変わり
明治時代までは家で仕事をする「居職」の人がたくさんおり、 職住が一体化していた。プライバシーが重要視されすぎた
1 日の移り変わり
結果家には過ごす機能というものが弱体化しシェルターに なってしまっている。そんな中で近年の不安定な社会状況
天気の移り変わり
場の移り変わり
下でこれから家での過ごし方が再評価され、様々な機能が 街から住居へと埋蔵されることになるのではないか。共働 ハレとケ
れず働くケースが増えた。そこで空間的解放、社会的解放、 時間的解放という 3 つの解放が住居においての新しい過ごし 方を提案する。仕事と生活を統合させることで、仕事と家
ハナレ空いてるなぁ …
あの上気持ちよさそー
きが増えたことや働き方改革の影響で場所や時間にとらわ
季節の移り変わり
庭生活の双方が相乗する存在となり、公私ともに高め合う
時間帯やイベントごと、天候や季節の移り変わりに合わせて、人々は自分の居場所を自由に選択でき、気候が
ことを目的とする。
クで新しい風景が創出される。
厳しくなっていく日本での新しい暮らし方を提案する。また、建築に人々の生活が絡まるなかでヒト+ケンチ
06. 連鎖するネットワーク
02.全体構成
住民
住居から躯体を伸ば
作った中間領域に対
住居同士が重なり合うことで
れ、閉鎖的な
すことでその周りに
して建築的要素をさ
様々な居場所が生まれ、住民は
現代の住宅。
中間領域を形成。
らに埋め込むことに
新たな住環境とそこに絡みつく
よって居場所を作る。
新たなコミュニティを得る。
にいいね BGM
内外が分断さ
近隣の人々
03. 配置計画
クリエイティブな人たち 音楽いい感じ
住民、近隣の人々、クリエイティブな人々の三方が繋がり、そこからさらに二次的に 新しい関係性が生まれる。 新たな都市圏 住居から少し離れた場所で移ろいながら場所を 限定しない暮らしや働き方を実現し、新たなク リエイティビティやコミュニティの創発の拠点
住居を円状に配置し、質
採光や通風の観点から、
住居にバリエーションを
の違う2種類の庭を作
住居を南北、東西方向に
持たせることで、プラン
となるものが他地域にも広がることを提案する。
る。住民専用の中庭と近
ずらす。それによりさら
が多様になると共に、住
隣住民と混ざり合う外庭
に中の様子を窺い知るこ
居館の隙間の空間にも
拠点同士は見えない新しいカタチのネットワー
に分かれる。
とができる。
様々な特徴が現れる。
04. 居場所を多様化させる要素
クで結ばれ、新たな都市圏を形成し、この住居 群はそのうちの一つの核となる。 交流の拠点
拠点をつなぐ装置
土間
ブリッジ
縁側
住民の活動が透けて見え、
住民と住民によって許された
仕事や気分転換に訪れるこ
住民の持ち物や食べ物を
地域の人が気軽に入っ
日よけや空気の入れ替
迎え入れるための前庭であ
人のみがはいることができる
とができる 3 種類の大きさ
貯蔵し、汚れを室内に持
て来ることができ、眺
えにより住居の快適性
り、地域と住居の間のバッ
少し閉じた庭で、住民同士の
のハナレ。特に住民とこの
ち込まずにすむ。外庭と
望の場を提供するとと
を高め住居と中庭の連
ファーでもある場。
交流を中心とした場。
敷地を訪れる人の交流の場
中庭をつなぐ役割を果た
もに地域とハナレをつ
続性を高め、つなぐ役
となる。
す。
なぐ役割を果たす。
割を果たす。
…
ハナレ
子供って元気
水遊び大好き!!
中庭
外庭
ブリッジは中間領域に張り巡らさ れ、各住居にも介入し関係し合う。 ブリッジを介して内外やスケール感 が入れ替わる。
ハナレ1
住居 G
各住居の街路側は半透明の外装で、
GL+3,000
プライバシーを守りつつ、内部の生 活が滲み出る。
住居 A GL+400
GL+3,000
住居 F GL+3,000 ハナレ2
住居 B GL+400
住居 E
住居 D 住居 C
GL+3,000
GL+400
GL+400
一階 兼 二階平面図 1:150
2m
5m
10m