ARCHITECTURE PORTFOLIO Kenta hiramoto
2015 - 2017
PROFILE
AWARDS
2015 建築設計演習Ⅰ B 課題 奨励賞
1994.7 大阪府 生まれ
2016 建築設計演習Ⅲ B 課題 奨励賞
2010.3 大阪教育大学附属天王寺中学校 卒業
住空間エコデザインコンペティション REAL SIZE THINKING 2016 4選
2013.3 大阪教育大学附属高等学校天王寺校舎 卒業
KG ビジネスアイデアコンテスト 理工シーズ部門 最優秀賞
2018.3 関西学院大学 総合政策学部 都市政策学科 卒業見込
建築設計演習Ⅳ A 課題 最優秀賞 建築設計演習Ⅳ B 課題 ファイナル 2017 Hack Osaka 2017 Student Battle Field 最優秀賞
ARCHITECT ・Aedas( 設計事務所 , 代表 Andrew Bromberg) ・Santiago Calatrava
平本 健太 -kenta hiramoto-
ACTIVITY Part time Job: 竹中工務店大阪本店にて模型制作・3D モデリングなど 株式会社 Constraction Investment Managers にて模型制作 映画館 ( 当時観客動員数日本一 ) にてスタッフ配置・統括など Hobby: 野球 ( 高校時代 : 硬式野球部副キャプテン )、読書、映画鑑賞 Other: Tech in Asia Singapore 2017 参加 ( 朝日放送アシスタントとして )
SKILL
3D Modelling:
Archi CAD, Auto CAD, Google Sketch Up Architectural Drawing: Archi CAD, Auto CAD Adobe Applications:
Photoshop, Illustrator Other Digital skills:
Microsoft Word, Microsoft Powerpoint, Microsoft Excel
CONTENTS
建築設計演習Ⅰ B 課題 カフェ
建築設計演習ⅢB 課題
学内奨励賞
美術館
住空間エコデザインコンペティション Real Size Thinking 2016
学内奨励賞
礼拝所
2015.6
全国4選
6
11
2016.5
Smoker s Style Competition コンペ デバイス
建築設計演習Ⅳ A 課題 広場
学内最優秀賞
複合施設
竹田城跡まちづくりプロジェクト 研究室プロジェクト
10
学内ファイナル
12
3回生
2回生
1回生
建築設計演習Ⅳ B 課題
4 回生 12
2017.5
6
新建築住宅設計競技
ヒューリック学生アイデアコンペ
コンペ 住宅
コンペ 商業施設
OMOTESANDO V/H COLLECTION -Vertical and Horizontal-
表参道と青山通りの交差点の一角に、 街としてのブランド力を象徴する拠点施設を提案する。
表参道はこれまで様々な社会情勢の浮き沈みを乗り越えながら、 ファッションの街としての役割を担い続けている。
・ ・ ・ ・ 「表参道で」 という言葉の持つブランド力がより多くの人々を巻き込む。
◆ OMOTESANDO -Fashionable City-
◆ 空間構成 1. 縦横移動式 EV
1. おおらかさをもつ街、 表参道 表参道は新しい街であるが故に、 突飛なものや全く新しいものに対しても、 除外するのでは
― かつてレム ・ コールハースは著書 「錯乱のニューヨーク」 において、 エレベーターと鋼
なく、 一要素として飲み込んでしまう、 その繰り返しがこの街の多様性・多重性を形成してきた。
構造の発明によって、 敷地は無限に反復され、 タワーとブロックとの融合により、 摩天楼が 発展したと述べた。 ―
RF:Roof Deck
一方で、 一帯には数々の名建築家による建築物が個々の異彩を放っているが、 拠点となる 今日、 縦横移動式 EV の発明により、 超高層の形態は新たな変化をすると考えられている。
ような施設はなく、 そのブランド力が敷居の高さを感じさせる。
本提案では、 表参道という現代建築の最先端が集まる場所において、 先駆的に縦横移動 式 EV を採用し、 一種のヴィジュアルイメージとして外装へ EV コアをむき出しに配置する。
7F:Restaurant 1.
2.
6F:Museum
2. 「表参道で」 のブランド化
平面から廊下は排除され、
各フロアの外周に EV コアを配置
フロアは各店舗の面積分のみとなる
3.
4.
5F:Bar
ショーを催す
アーティストの発掘 サロンへ行く
・ ・ ・ ・ 表参道で
店を構える
カルチャーの発信
縦横のフロアを各層で交互に積むことで、
ショーや展示会のショーケースとして
空間がシームレスに繋がる
中央のヴォイドに螺旋スロープを配置
4F:Plaza
2. スクリーンファサード 食事をする
お茶をする
外壁のカーテンウォールの各面はディスプレイとなり、 ファサード全体が大きなスクリーン となる。 スクリーンは各ブランド等の広告用として利用され、 表参道と青山通りそれぞれの 象徴的なヴィジュアルイメージを形成する。
3F:Salon
表参道には若者のカルチャーを発信する街という現代的イメージが付きまとうが、 新たなカル チャーを発信することは、 つまり新たなアーティストを発掘することである。 しかし、 近年その傾向
Screen
は原宿に傾いており、 表参道エリアでは、 メインストリートには高級ブティック、 路地に入ると美容 EV
サロンやセレクトショップがあるという風に、 境界線が明確化しつつある。 そこで拠点施設において各エレメントを集積することで、 各分野の登竜門としての役割を担う。 「表参道発」 という名前が価値を持つ。
Void
Vo
id
Void
また、 訪れる人々にとってもエレメントを複合化することにより、 各店舗ごとの敷居の高さを緩和し、
2F:Cafe
間口を広げることで、 より多くの人が 「表参道で」 という体験を味わうことが出来る。 そしてその体験が広がることで、 新たに生まれたカルチャーが発信されてゆく。 特に、 ショーケースとなる螺旋スロープでのイベントは、 アーティストを発掘するためのものでもあり、 人々がファッションやアートと関わりやすくするためのものにもなる。
1F:Atrium
最上部のトップライトから光が降り注ぐ。
南北方向の Horizontal Void から欅並木が垣間見える。
断面パース
6F ギャラリー。 表参道の遍歴を示す。 若かりし頃の流行を懐かしむ。
階段広場から見たファッションショーの様子。
螺旋スロープはレンタルスペースとすることで、 表参道に旗艦店を構えるブランドのほか、 若手アーティストのブランドもショーを催すことが 可能であり、 アートの展示会にも用いる。
アーティストの発掘の場でもあると同時に、 多くの人にとって表参道のカルチャーに触れる きっかけとなる場である。
新たなカルチャーを生み出し、 発信し続ける場所。 THE OMOTESANDO となる。
神戸メリケンパーク地区への空間活性建築提案
KOBE STREET FRIPPERS
建築設計演習Ⅳ A課題 3回生 秋 最優秀賞 対象敷地 : 神戸メリケンパーク 構想期間 :7weeks 用途:パブリックスペース、展望台、スケートパーク 構造:鉄筋コンクリート造
神戸メリケンパークにスケートパークおよび展望デッキを提案する。
広場全体にストリートカルチャーを取り込み、新たな神戸らしさを 形づくることで、今まで見えなかった神戸の姿を、美しい景色と共に 体感できる場所になる。
ひとつのカルチャーを通して多様な人々が繋がることで、 空間が色味を増していく。
神戸がフリップする。
世間一般 柄が悪いと嫌厭される
コンクリ広場 高架下
街から排除されていく
独占的な場となる
ストリートカルチャー これまでの、ストリートカルチャーが根付く場所は 自然発生的であったが、もとより計画的に創られるべきでは?
Supreme × LOUIS VUITTON
ファッション業界やイベントなど、コンテンポラリーなコンテンツには ストリートカルチャーが用いられているトレンドがある。
建築という比較的遅い速度の分野への展開は見られない。
神戸みなとまつり FMX ショー
メリケンパーク
東遊園地
人々はコンクリ広場ではなく、緑の広場に集まっている。
元町駅
周囲の各アイコン建築が 90°の
既存広場への主な動線を引き、
視覚内に収まるよう海側にポイントをうつ。
軸線上に Active Walk を配置する。
震災メモリアルパーク
ポートタワー
神戸海洋博物館
オリエンタルホテル
Site Plan S=1:15000
展望ポイントと軸線の交点を結ぶように Art Wall を配置する。
神戸の絶景は海上からでしか一枚の景色に収められない。
A
A
A
A
0 5 10
40
100m
Plan 1:1500
広場の空間構成 まず広場部分の空間構成について、既存の芝生広場の両端に沿うように、広場への動線を軸とし て、Active Walk を配置する。 これは歩行通路とスケートボードや BMX のコースであるハーフパイプが一体となったもので、ハー フパイプはそのまま地下のスケートパークへのスロープとなる。 また、地上の広場と地下空間との上下の関わりをもたせるため、広場に堀を穿ち、広場を訪れた 人々が普段目にすることのないようなスケボーのプレイを観ることができる。そしてこの堀は地下 空間への自然光を採り入れるためのボイドでもある。
B1 Plan 1:1000
芝生に穿たれた段状の堀から、地下を覗く。多様なスタイルのプレイを観る。
東側 Active Walk から Art Wall を見る。海沿いを歩き、海沿いでプレイする。
Active Walk 断面
Art Wall の空間構成 次に Art Wall の空間構成について、周囲一帯に位置する神戸の各アイコンを海側から一望できるポイントを定める。そして海岸 からその点までの直線を軸として二枚の壁を配置する。この壁には大きなストリートアートが描かれ、壁が抜けた部分から見える 海原の景色と連続するようにして、一帯をギャラリーのように鑑賞できる。こうしてパブリックに開かれた鑑賞空間はストリート アートという、通常、落書きのように捉えられるものをアートとして自立させ、そのイメージをクリーンなものとする。人々がこ の場で写真を撮り、SNS で全世界へと拡散することにより、単なる都市のパブリックスペースとしてでなく、一種の観光地として この場は発展する。 展望デッキに付随する垂直壁には様々な大きさの開口を設ける。この開口は陸側から海側へのシークエンスを演出するとともに、 展望デッキから陸側を見た景色をピクチャーとして切り取る。各高さ、各場所によって景色は見え方を変え、様々な神戸の景色を 楽しめる場所となる。
中央桟橋から海側を見る。両サイドに連続するアートと海原の景色に足を止める。
HL
6000 4000
GL
7000
24000
4000
3000
North Elevation 1:600
A-A Section 1:600
二枚壁の外側を見る。通路沿いには体感型のアートが描かれる。
Hand Drawings
- 即日設計パース -
東工大 H26 住居付き建築設計事務所
東工大 H21 川辺の飲食施設
東工大 H27 窓の数が決められた小屋
筑波大 H27 店舗併用住宅
東工大 H22 都市に建つサードハウス
筑波大 H26 10 年後の転用を考えた住宅
自作課題 納涼床を持つ店舗兼住宅
自作課題 震災復興住宅
background
Target: 訪日ムスリム観光客
IORU - 訪日ムスリム観光客を対象とした仮設礼拝所の提案 -
2016 年現在、訪日観光客の数は増加の一途を
っている。
今後も増加は続いていくと見られているが、その主な層はア ジア人観光客である。中流階級の増加、地理的要因などが根 拠として考えられるが、その中で一定の割合を占めるのがイ ンドネシア、マレーシアなどのムスリム観光客である。
Site: 礼拝環境のない関西の観光地 関西で礼拝空間のある場所
ex. 大阪城公園、奈良公園など
訪日ムスリムにとって懸念材料となっているのが礼拝環境 である。関西圏ではモスクは 5 箇所しかない。礼拝室の設置 は進んでいる場所は都市部の大型建造物内に限られている。 そこで観光需要が高く大規模建造物のないエリアを対象敷地
京都モスク
三重モスク
大阪
木モスク
大阪モスク
神戸モスク
concept
とする。
イスラム教における礼拝 ・1 日 5 回、10 分ほどの礼拝を行う
「折半構造による仮設礼拝所」
・キブラ ( メッカの方向 ) に向かってお祈りをする ・男女別室
日本では、ムスリムの観光客が増加している一方で、その礼拝環境整備は十分でない。
・礼拝前にウドゥ ( 洗浄 ) を行う
→ 地方の観光地などでの屋内外使用を想定した仮設礼拝所を提案する。
・集団礼拝が理想だが、旅行中は個人で行うことが多い
→ イスラム世界における幾何学模様と日本の折り紙の両面から連想した形態を志向する。
・特に、女性はプライベートな空間が必要
ecological
program ・礼拝用マット 2 枚が並ぶ程度の内部空間
1. 製造がエコ - 既製品のカットのみで製造可能
・八
2. 施工がエコ - 軽量、組立 / 撤去の容易さ
星のベースと、折半構造のドームで構成
・都市部でない観光地における日中の使用を想定 ( 自治体、事業者が設置 ) ・八
3. 機能がエコ - 仮設性の高さ
星の一角からメッカの方向 ( キブラ ) を示す光が入るように設置
Japanese elements
Islamic elements ・幾何学文様による構成
・日本的幾何学→折り紙。折半構造の採用
・風土に合わせた素材づかい
・陰影に対する独自の美意識
・ドーム ( 極座標 ) とベース ( 直交座標 )
おりがみ
八
plan
section
トラス構造のトンネルの両端を閉じることで
トラス構造の段数を増やし、内部空間
トンネル状になっている。
八角形の平面に対して収めることができた。
の高さを確保することができた。
礼拝所の位置、施設を示すピクトグラムが統一されていない現状がある。また礼拝所によっては、施設名、施設の利用説明においてアラビア語での表記がされていない場合が多い。国
1500 2350
12 10
シナ材
1500
1810,66
88
トラス構造に組み立てたもので、
幾何学図形とは程遠いものとなった。
アクリル カーペット
375
それらを円状につなぎ合わせたが
2101.15
折板構造を折ってみる。
530,33
375
プラスチックダンボール
750
elevation
265,17
study model
星
土交通省の観光活性化標識ガイドライン (2005) には『英語の併記を原則とし、英語圏以外の観光客が多く利用する場所では、必要性に応じて表示が繁雑にならないことに留意しつつ、
door
265,17
530,33
375
24
シナ材 ( 側面ホワイト塗装 )
265,17
1810,66
1810,66
扉はドームの一角が不定形な開きと
375
立面図 1/20
なる。モスクのエントランスに用いら
平面図 1/20
断面詳細 1/2
750
1500
2250
1500
れる尖頭アーチ型を参照している。
6000
375
material
24
265,17
265,17
,91
構成したカーペットタイルが敷かれる。
110
45°
692
を外から差し込む光で示す。中にはモザイク状に
りつつ、自然光を柔らかく取り入れることを目指す。
905,33
構成する。乳白色系の素材を用いることで、視線は遮
113°
265,17 中に入った段階でどの方向を向いて祈祷を行うか
640,17
をメッカの方向に向けて設置する。それにより、
い表裏両面に切り込みを入れ、折り紙のように折って
113°
る。展開図を基に山折り・谷折りが決まる。それに従
134
5
8 ピースのうち 1 つにはアクリルを挿入し、そこ
,91
イズの 8 ピースの木材を組み合わせて構成する。
ドームは乳白色系のプラスチックダンボールを用い
692
ベース部分は 16 角形をしている。これは同サ
90°
37
37 5
530,33
ドームとベース部分の 2 つで大きく構成される。
100
多言語表記を行うことが有効である』と記されている。礼拝所の標識の表記事項・ピクトグラムを統一すべきだと考える。
265,17
礼拝室 prayer room
×8個
375
750
375
プラスチック段ボール シェルター部分1/5 厚さ5mm
山折り
谷折り ×8枚
prototype 積水ハウス株式会社主催、Real Size Thinking 2016 - 住空間エコデザインコンペティション - において、全国 4 選入賞により、協賛金 70 万円での実寸制作を行った。以下、その組み立て過程を示す。( 約5分 30 秒 )
feedback Real Size Competition および 朝日放送主催 Hack Osaka 2017-Student Battle Field- における審査員講評やムスリムの方々からのヒアリングから挙がった商品化に向けての改善点を以下に示す。
国ごとの違いを調査するため、Hello Talk という英語学習用アプリを使用し、 「Muslim」というワードから無作為に 40 名のムスリムの人々にアンケートを行った。以下に結果を示す。
・素材
・対象
・意見
特に屋外利用時において、ドーム部のプラスチック段ボールについては、耐水性や老朽化の問題。基壇部の木材については凹凸のある地面における安定性。
男性:19∼48 歳 21 名
「集団礼拝を行うことが宗教的なメリットとなるので、このサイズでは、
テントのような、フレーム+ビニール or 麻布地案も検討したが、本来の 折る というコンセプトから外れる。→ ポリプロピレンを検討中。
女性:15∼27 歳 19 名
あくまでも仮設の、緊急的な礼拝所として機能する」
国籍:インドネシア 6 名、マレーシア4名、モロッコ3名、
「個人で持ち運べる方が便利」
セルビア1名、クウェート3名、サウジアラビア7名、
「デザインが大変好印象」
・サイズ Real Size Competition 時の課題条件が 2.4m の立方体に収まるサイズ制限があったため , 現状のプロトタイプはこのサイズ。 → サイズの操作により、防災用シェルターなどに転用可。
エジプト3名、イラン4名、タイ2名、UAE4名、 スーダン3名、計 40 名。 ・調査結果
・ウドゥ ( 洗浄 )
訪日経験の有無 有 5% 無:95%
ウドゥ用のドームを設置し、内部に浴槽のように水を溜めておくことを想定していた。水を変える頻度。
旅行中も必ず 5 回礼拝を行う 行う 100%
→ 現状では、ペットボトルほどの容器に水を溜めておいて、その都度、浴槽の中で流しながら使用するしかない。
この礼拝所を使用してみたい はい 92.5%
・料金 個人の所有ではなく、土地の管理者が所有するとしているが、一つあたりの料金はどう設定するか。 → 観光シーズンの動向に合わせた数の調整が可能であることが仮設のメリット。しかし観光客数だけでなく、実験による利用の回転率や製品自体のコストがどこまで落とせるかが関わる。 実寸制作時はスタディ模型などの諸経費も含めての 70 万円であったが、基壇のアクリルや、木材の加工費などに多くのコストを費やした。商品化すれば加工費等は削減可。 ・プライベート性 使用中のロック。→ 素材の断面にマグネットを仕込む。 ・戒律の厳しさの多様性 国によって戒律の厳しさが大きく異なる。日本への観光客が多い国 ( インドネシア・マレーシア・シンガポール ) の人々は日本を訪れた際、場所がなければ日中の 3 回のお祈りを行わない場合が多い。 観光地活性化と言うも、それだけでは動機付けにはならない。→ 国ごとのアンケート等のリサーチを行う。
→ 今後はまず第一に素材の選定およびウドゥの扱いについて再検討し、 コスト面を調整し、実験段階に入ることを目標としたい。
A HOLE NEW CITY ― 都市に吹く風がもつ心地よさ ―
梅田茶屋町にこの街の過去・現在・未来を繋ぐ機能を持った 複合施設を提案する。 梅田周辺で唯一、地上レベルでのみ展開される地区に新たな面を 創ることで現状の周遊回路に新たなムーブメントを起こす。 現状の独立した点を繋ぎ、凌雲閣の機能を再考しつつ、グローバル化を 見据えた未来へと展開する。 茶屋町に新たな風が吹く。
大阪梅田・茶屋町地区への空間活性建築提案 建築設計演習Ⅳ B課題 3回生 春 ファイナル選出 対象敷地 : 大阪梅田・茶屋町 構想期間 :9weeks 用途:複合施設 構造:混構造 ( 鉄筋コンクリート造・鉄骨造 )
◇新たな面的な場所性の創出 茶屋町には現在、NU茶屋町や梅田アプローズタワーなど数々の高層 建築が立ち並び、ショッピング街として高密度かつ屋外地上レベルで の回遊性を成している。
しかしその各要素はそれぞれ小さな領域において独立してしまって
いる。そこで現状の回遊コースに対し どこへでも行ける面 、 どこか
らでも来れる面 を構成し、プログラムとして茶屋町の 現在 、 過去 、
OBSERVATORY
未来 の要素を抽出することで、面的な場所性の創出を図る。
CASINO CASINO
◇プログラムの抽出
CASINO HOTEL
現在 在 : 分散して独立した小さな場所性の集積
HOTEL
→ ショップ、レストラン
HOTEL
過去 : 過去に失われた豊かな場所性の抽出
LOBBY
→ レジャー施設、茶屋 未来 : 拠点性を生み出す滞在型の場所性の創出
RESTAURANT
→ 観光センター、カジノ、ホテル、広場
RESTAURANT SHOP SHOP 梅田芸術劇場
SHOP
毎日放送
SHOP CHAYA MEDIA LOUNGE
NU茶屋町
ATRIUM LOBBY PARKING SPA
梅田駅
POOL
◆壁が生み出す上下の結びつき
建物前の広場には連続する水盤と連立する壁がある。水盤の縁は人が腰掛けて休憩することができ、その地下部分に広がるスパには壁が囲む ボイド空間により、地上との直接的な関わりが出来る。この壁によって、地上部の水辺広場と地下部のスパ落ち着きのある囲われた空間となる。
◆システム計画 ◇中長期型の滞在場所 茶屋町における回遊の休憩所としてこの建築は機能する。また観光文化センターというプログラムに より、グローバルな人々とローカルな人々の交錯が発生する。 メディアラウンジは、カフェとしてその場を利用する人々と情報検索のためにインターネットなどを 利用する観光客との新たなサーチ&ブラウズの関係が成立する場となる。 また建物下部の全ての階にカウンターを設け、インタラクティブな空間演出を行う。
◇カジノマネーのサイクル 建物上部に配置されたカジノの主な客層ターゲットは、観光センターを訪れホテルに中期滞在する 観光客、および出張で大阪を訪れたビジネスマンである。 茶屋町のおしゃれさに混じることでそのイメージはクリーン化され、そこで創出されたマネーは、 茶屋町周辺の未開発地区の開発資金となる。そして新たな開発がまた人々を引き寄せる要因となるこ とで、そこにサイクルが発生する。
◆インタラクティブを内包するスキップフロア 建物の中間のフロアボリュームのさらに中間には大きな穴が開いている。両サイドのスキップフロアがセットバック されていくことで上下の関わりだけでなく、新たに前後の関わりが生まれる。また内縁にはすべてのフロアにおいて誰 でも座れるカウンターが設けられており、そこには読書をする人やインターネットをする人などそれぞれが自分の憩い の時間を楽しみながら周囲との相互関係が成り立つ。都心の中において、人々がふと立ち寄れる場となる。
都市へと広がり、繋がってゆく道 この提案はユニットの連なりとして各場所の形状に合わせて 構成することができる。 求心地となる丘やカフェから外部の緑道および高層ビルへと 広がっていくように配置した。 同時に、 それらは外部から人を呼び込む仕掛けでもあり、 求心地と周辺の都市環境との結節点の役割を担う。
3000
▶
:吸う人専用レーン 吸う人専用レーン
500
▶
吸わない人専用レーン :吸わない人専用レーン 1200
1600
1200
関学 Art Museum 建築設計演習Ⅲ B課題 3回生 春 奨励賞
開放、閉鎖、解放。
対象敷地 : 関西学院大学 神戸三田キャンパス内 構想期間 :7weeks 用途:美術館 構造:鉄筋コンクリート造
ショップ 機械室
電気室
館長室
企画展示室
応接室
学芸員室
学芸員室
事務室
関西学院大学神戸三田キャンパス内の芝生広場において 美術館を設計する。
開いた空間と閉じた空間の連続が、 内部へのシークエンスを演出し、 人々の感覚を揺さぶる。
そして塔を昇り、 展望台へ出たとき、 “開放” は “解放” へと昇華する。
空間構成
礼拝堂
Ⅰ号館
工房 セミナー室
Ⅱ号館
吹き抜け
図書室
吹き抜け
企画展示室
吹き抜け
敷地の芝生広場にボックスを配置する
ファサード側を立ち上げる
開いた空間と閉じた空間を分断する
境界にバッファ空間を挿入する
収蔵庫
イベントスペース
0 5 10
40
100m
Site S=1:1500
芝生広場の中央部に、 裏道に背面が沿うように配置する。 交差点もしくは正門から、 連立する高木群の隙間からアクセスする。
建築模型の展示および保存 常設展示スペースにおいては学生制作の模型を保存・展示する。 通常であれば廃棄されてしまうことの多い建築模型を保存 ・ 展示することで、 学内での成果物を学外へと開放し、 発足して間もない関学建築がより発展してゆくためのきっかけとする。 イベントスペースでは卒業設計展を初めとした、 様々な講評会などを一般の方へもオープンな形で開催する。
閉
高木の隙間から広場に入ると、開いたファサードが見える。
開
開いたファサードから、すぼまった入り口へと向かう。
閉
エントランスへ入ると 10mの天井高をもつアトリウムが広がる。
開
中心のコアが上部の展示空間への視線を引く。
人々を迎え入れるような、両翼を広げた形。
工房
ショップ
セミナー室
機械室
吹き抜け 図書室 電気室
館長室
企画展示室
応接室
吹き抜け
企画展示室
学芸員室
学芸員室
吹き抜け
事務室
収蔵庫
イベントスペース
1F Plan S=1:500
2F Plan S=1:500
開
閉
解
バッファ空間はアートギャラリーとなっている。
塔内に入ると、頭上には 16m の大空間が広がる。無機質な素材に囲まれた吹き抜け空間には
塔屋を出ると、そこには周辺のニュータウンの連なりや緑が景色を成している。
そこに架かるブリッジを渡り、塔へと移る。
天井スラブに入ったスリットから一線の光が差し込む。72 段の螺旋階段を昇る。
身体が解き放たれる。“開放” が “解放” となる。
最高高さ
RFL
常設展示室
1FL
EV
企画展示室
管理部門
GL
A-A Section S=1:500
South Elevation S=1:500
East Elevation S=1:500
私たちは、今までの空間体験の記憶により、空間の大きさを感じとる。
盲目の人が住む住宅
その時存在するのは、感覚的な大きさだけである。物理的な大きさなど無視をして。 それは、大きさを感じる初めの五感が視覚であるからだ。大きさで住宅を作るには視覚が邪魔だ。 大きさの住宅とは、大きさを物理的に触覚で捉える人のための住宅である。 触覚により空間を把握する視覚障害者、全盲者のための盲目の住宅を提案する。
■Main Plan
■平面構成ダイアグラム
■空間の捉え方
+
健常者用 感覚的大きさの住宅
●910mm モジュール真壁
=
後付け バリアフリー
■Element
●盲目者の空間の大きさの捉え方
●健常者の空間の大きさの捉え方
既存のバリアフリー住宅
●910mm モジュール真壁による各居室のスケール ④
既存の バリアフリー住宅
②
Xmm→物理的には影響しにくい
Xmm→実際 : 曖昧な大きさ
Kitchen
②
Bath
②
凹凸を感じる壁
・既存のバリアフリー住宅は、健常者による感覚的な大きさに
910 ㎜ピッチで柱を配置
よって設計されたものに後付けでバリアフリーを謳った住宅
する。真壁を触って歩く
⑥
①
②
②
④
Wash room
②
④
⑥
④
WC
④
Bed room
Play room
④
⑥
Living
Light court
と柱により凹凸を感じら
を指す。盲目者にとっては大きさを把握しづらい住宅。
れ、大きさを物理的に測
実際 :5000mm→触覚 :5000mm
実寸 :5000mm→感覚 : 曖昧な大きさ
ることができる。 実際 :4000mm→触覚 :4000mm
実寸 :4000mm→感覚 : 曖昧な大きさ
盲目の住宅
■提案 :
人は過去の空間体験によって空間の大きさを感覚で
平面的な大きさを壁や地面を触ることによって物理的
・柱の間隔や畳を用いた平面的な空間の大きさをモジュール化する。盲目
とらえる。また、高さの変化により、同平面の空間
に理解する。つまり、 触覚による物理的空間把握を行う。
者は触覚とモジュール化された要素 ( 柱の間隔、畳等 ) を頼りに空間の大
でも大きさの感覚が変化する。視覚により大きさの
その後、頭の中で大きさを感覚的に想像する。高さ方
きさを物理的に理解する。物理的な空間の大きさの理解とは、絶対的な空
認識は変化する。実際、空間の大きさに触覚は介在
向の変化は、風通しや室温の変化、声の響き方によっ
間の大きさの理解であり、大きさの住宅には不可欠な要素である。
Pantry
Bath
Wash
しない。→物理的ではない。
WC Laundry
Pantry
room
Bath
Wash
Bath
Light court
●パス : 並行壁の間の空間 ●エッジ : 垂直壁
しにくい。
●ランドマーク : 光庭
Pantry
Wash
Play room
WC Laundry
Pantry
Wash
WC Laundry
Kitchen Bed room
Light court
Bed room
Light court
Living Play room
Bath
room
Kitchen Bed room
Light court Living
Bath
Living
room
Kitchen Bed room
Bed room
構成する要素として採用する。
room
Kitchen
WC Laundry
Kitchen
そこで、真壁 ( 柱の間隔をモジュール化 )、T 字路を、パス・エッジ・ランドマークを
て感覚的に感じるものであり物理的な大きさには影響
WC Laundry
Wash room
盲目の住宅の提案。盲目者にとってレジビリティ ( わかりやすさ ) は重要である。
Light court
Living Play room
Living Play room
Play room
家に帰り、玄関を抜けると T 字路に面する。
光庭を囲むように配置された回廊。
家の中心に配置された光庭。
リビングと趣味の部屋の廊下に面する壁は全てガラス
左へ曲がると、家族が待っているリビングがある。
910mm ごとに建てられた柱はモジュールを構成し、
家の内部にいる時間の中で、盲目の住人は、窓から差し込む
張りとなっている。光庭を介して視線が抜けることで、
右へ曲がると、自分だけの一人の部屋がある。
盲目の住人は、この柱に触れながら廊下を歩く。
光などを感じることが出来ず、箱の中にいるという感覚から
盲目の住人が一人の時間を過ごしている間も、その様子
住み慣れていくにつれ、どこからどこへ向かうには
抜けられない。しかし、回廊の全ての面から出入り出来る光
を見守ることが出来る。
“柱が何本分”とモジュールが身体に染みついてゆく。
庭に出て、風・におい・温度を感じることで、そこは身体が
各エッジが時間の過ごし方の選択となる廊下。
解放される場となる。