PORTFOLIO
2016-2021
寺澤 宏亮 テラザワ コウスケ /
Terazawa Kosuke
寺澤 宏亮 テラザワ コウスケ Terazawa Kosuke
History 1996.12 愛知県一宮市生まれ 2015.03 愛知県立一宮高等学校 卒業 2018.05 リノベする学生団体DaBo 創設 2020.03 明治大学理工学部建築学科 建築史・建築論(青井哲人)研究室 卒業 2021.04- 明治大学理工学研究科博士前期課程 建築・都市学専攻 同研究室 在籍
Award 2020.02 明治大学卒業設計生稜賞審査 「生稜賞」 (兼任講師1位) 明治大学卒業設計公開審査 「優秀賞」 (上位5選) 2020.02 JIA神奈川県7大学卒業設計コンクール 「審査員賞」 (木下庸子賞) 2020.03 赤レンガ卒業設計展 3次審査進出 上位18選 2021.05 毎日・DAS学生デザイン賞 「金の卵賞」入選
Thesis 2020.04 『町家の材料・構法的差異から捉える台湾濁水渓河系の領域 その1』 青井哲人 他5名 (日本建築学会大会 2020 梗概投稿) 『町家の材料・構法的差異から捉える台湾濁水渓河系の領域 その2』 青井哲人 他5名 (日本建築学会大会 2020 梗概投稿)
Software Google SketchUp / Adobe Illustrator / Adobe Photoshop / AutoCAD / Vectorworks / Adobe Indesign / Vectorworks / SU podium / V-ray / Rhinocerous / ArchiCAD / Revit FlowDesigner (空気対流解析) / DIVA(日射解析)
p1
P
U 装 度 武 強 論 nの 理 io ct Fi
もと の ea
id
UP
強度
柔軟 な発 想
リア ルな 場面 の想 Fict ionの 像
現 表 ト・ プッ ウト ア の 究 研
力
スタジオ課題・コンペ
<Construction design>
Actual
Reserch &Theory 研究室活動
P 力U 観察 と照合 の モノ を現実 論
<Reserch <Reserch & & Outputs> Outputs>
抽象
改善 場の な 践的
た実 則っ に 調査
プライベートの実施設計
学部2年の頃からプライベートで古民家リノベの<実施設計>をやる機会に恵まれたため、 建築の具体への解像度が人より高かった自身がある。他方、所属に選んだ青井研究室では、 <理論と歴史>の専門であるから、建築と都市の実態を徹底的に調査しつつも、一度視点を ひいて、体系的な解釈やメタな理論をつくることを学んでいる。 さらに、 これらと平行してスタジ オ課題やコンペにも全力投球したが、 こっちではあくまでアンビルドの<フィクション>をいかに 論理立てて構想できるかということが大事なので、 フィクションならではの発想と構想力を鍛え ることもできていたのではないかと思う。仮に今あげた、実務設計、研究活動、設計演習の三つ の学びをワラジ (草鞋) と呼ぶのなら、 よくばりにも私は、 これら三足のワラジをぐるぐると履きま わす学生生活を過ごしてきた。 そして三足のワラジの学びには、上図のような関係、相乗効果 があったことを肌で感じている。本作品集の章立てはこれにならって、<Studio works 設計演 習>、 <Construction design 実施設計>、 <Reserch & Outputs 研究活動と成果物>の 三つのとした。三者どれも手抜きなく撃ち込んできた。 これらの横断的な学びがそれぞれ作品を 下支えする力になっていることを願う。
p2
学生時代の﹁三足のワラジ﹂
make Fiction
<Studio works>
Studio works
設計演習
01
継承看板建築 - ファサード保存の二元論を解除する -
02
AGRI SCAPE - 都市型農業の実験都市 -
03
基礎に棲まう - 家と大地とその間に -
04
光細胞の美術館 -Light Cell Museum-
05
Fast walker-Slow walker - ワークスタイルで選ぶ 2 つの動線の共存 -
Construction design
実施設計
06
麦踏 - パン屋のアプローチ空間のリノベーション -
07
Dipa - 洲をつくるプロジェクト -
Reserch & Outputs
研究活動と成果物
08
女木島デザインサーヴェイ 2019 『日本建築の自画像 - 探求者たちの物語 -』展
09
台湾 領域史研究 『町家の材料・構法的差異から捉える台湾濁水渓河系の領域』
10
福島アトラス 06 『Excaving Home-Land - ふるさとを発掘する -』展
11
ブリコラージュ共和国 - ブリコラージュ作品認定プロジェクト -
私の建築バイブル 11 選
p3
Studio works
設計演習
01
継承・看板建築
- ファサード保存の二元論を解除する -
【卒業設計】 看板建築の体系的な保存と改修 文献調査/フィールドワーク/プログラム設計 /基本設計/作図/グラフィック/模型表現 敷地所在地: 愛知県一宮市本町商店街 製作期間: 2019.10-2020.01 指導教員: 青井哲人
受賞・評価 〇明治大学卒業設計公開審査 ・生稜賞(兼任講師1位) ・優秀賞(上位5選) 〇JIA神奈川卒業設計コンクール ・審査員賞(木下庸子賞) 〇赤レンガ倉庫卒業設計展 ・上位18選
p6
﹃看板建築﹄に﹃ファザード保存﹄の手法を適応する︒
提案
看板建築の一つ一つには保存する価値がない。 しかし、 これらが群として連続している街の姿には保存 する価値があるかもしれない。 そこに着目し、看板建築の立面保存を実験的に試みる。本設計は、重要 文化財にお馴染みの 「ファサード保存」 の手法を、 「看板建築」 に適応するというケーススタディである。 看板建築の立面の保存には、裏側の軸組が構造として必要なため、2間半の軸組を立面と一緒に保存 することをルールにする。敷地の背後では、 それぞれの敷地のケースに即した建て替えを提案していくが、 このときに、保存した立面と背後の空間との関係は多様に再編可能である。古い立面は住人のシンボ ルにもなれれば、 ときに即物的な境界装置に読み替えてしまうことだって考えられる。立面は、街の住人 らと新しい関係をとり結び、生きた立面として再認されるだのだ。 街路側の要求によって保存される表層と、時代に則って更新されていく裏側。 これらの二者の積極的な 共存がここに実現し、街は群として多層に時間を蓄積していく。 こうして 「保存」 と 「進化」の二元論は解 かれていく。
p6
継承看板建築 -ファサード保存の二元論を解除する-
看板建築
ファザード保存
継承・看板建築 p7
背景
戦後に織物産業で栄えた街、愛知県一宮市
本町商店街。神社へと伸びる一本の街道に沿
って、織布を売る商店が 「看板建築」 としてぎっ
しりと顔を敷き詰めていた。
2)立面の連続が途切れる しかし、近年の産業の衰退に伴い、商店街の
活気は衰え、看板建築たちは徐々に壊されは
じめた。連続した立面によって作られていたか
つての風景は、空地化が進んだことで、所々
「歯抜け」状態となっている。
3)ベッドタウンへ移行 一方で、宅地としての需要は未だ高く、街道か
らセットバックした形でマンションが建てられる などして、織物のための商業の街から無個性
なベッドタウンへと街が機能が移り変わろうと
している。
この街が、歴史的なアイデンティティを維持し
ながら、次の時代へと建物を更新していく、 そ のための方法を考えたい。
着眼 1
| 立面の価値、 『集合的記憶』として… 1)街の記憶と看板建築 看板建築の立面たちは、近代アジア特有の雑多
で小汚い印象こそあるが、 ここにはかつての織物 産業が栄えた頃の建物のふるまいがしっかりと記
憶されてる。建物の立面ひとつひとつには保存す
る価値はないかもしれないが、 これらの立面がこ の街に連続していたその状況には保存する価値
があるかもしれない。 それは街の 『集合的記憶』 に 結びつく財産である。
2)立面のサンプル採取 立面の保存を前提に、全建物のスナップ写真をと
り、 それらの比較から看板建築の立面の、開口・ 素材・高さなどのパターンを読み取った。
着眼 2
| 丸の内のファサード保存の手法 1)ファサード保存の構成の類型 丸の内のファサード保存の空間構成の類型を取
り出した。対象の物理的な条件に従って、保存の 範囲を定めているのがわかり、 それに対する新設 建物の接続方法もワンパターンではない。
2) 「保存」と「進化」の二元論 丸の内では保存部分と新築部分を二元論的に 分断していて、裏の新築部分はガラスでファサー
ドをつくることで保存部分に対して透明であろうと する。 この設計態度には、些か違和感をもつ。
「ファサード保存」 という丸の内の手法を参考にし
ながらも、 この二元論的な態度には批判意識をも
って、 「看板建築」 の 「ファサード保存」 に挑みたい。
p8
継承看板建築 -ファサード保存の二元論を解除する-
間取りと土地所有の聞き取りから
1)織物産業の看板建築
看板建築の動きと類型を把握する︒
| 看板建築の空地化と喪失する地域性
増改築の履歴と 建物類型の調査
看板の裏側に展開される 「町屋」 としての建物類型とその増改築のパターンを把握した。
これにより将来的な土地の所有や建物利用範囲の変化をある程度想定しながら、現実 性の高い保存・更新の計画を練ることができる。
p10
継承看板建築 -ファサード保存の二元論を解除する-
利用状況の分類と設計対象のサンプリング 調査をもとに既存の看板建築の空き室のパターン2つと、 空地や立面欠損のパターン4つの合計6パターンを抽出した。
現況の空室を多数かかえる店舗や空地はそれぞれ01-06のパターンに分類する。 そして、 それぞれのパターンで1敷地
ずつを対象に選んで、 ケーススタディとして設計を行う。
大分類
SITE 番号
26.27.28.32.33. 34.35.36.37.38.
居住棟が機能的に独立
21.22.23.24.25.
居住棟が店舗棟に機能依存
14.15.17.18.19.
3進以上所有が連続する
残存する町家型の看板建築
1.3.5.6.7.9.10.
SITE 番号
分類
case study SITE 43
1.3.6.10.14.15. 19.24.25.26.27. 34.38.39.42.43. SITE 37
01
3.7.18.21.32. 33.37
39.41.43. 1~2進で所有が独立
(SITE 1.5)
1.5.9.17.21.22. 23.28.32.35.36.
02
coming soon!
SITE 45 1階建て
SITE 44 塀・衝立のみ
立面の部分的な欠損︵2階立面の欠損︶
16.20.23.29.30. 31-32.33-34. 40.42.44.45.
駐車場として利用中
空地︵全ての立面の欠損︶
セットバックによる空地
看板の立面を失った土地
廃業・空き家化・空地化の見込みがある町家型の看板建築
2.4.8.11.12-13.
45.
03
4.8.16.31-32. 33-34.40.42. 44.
SITE 31
31.
SITE 29 (2.20.30)
04 05
2.11.12-13.16. 20.29.30.
06 p11
居住棟が店舗棟に機能依存
01
case study
看板を共有する集合住宅 2進目を中心に集合住宅を挿入し、看板とその裏の空間を街路と繋がるコモンズとして読み替える。
C室 物干し場 (バルコニー) 避難階段 B室 吹き抜け
共用の応接間 (和室)
物干し場 (バルコニー)
螺旋の通り土間
SOHO型シェアオフィス (みせ)
共用キッチン
主人用水回り
和室
和室
和室
和室
通り土間
和室
洋室
和室
DK
通り土間
婦人服ヤマイチ。店舗にある1~2進目は空き室になり主人夫 婦の居室は3進目以降で主に生活しているが、浴室などの水 回りと客人対応では1~2進の店舗棟に機能的に依存していた。 C室
空き室となった1、 2進目を中心に外からの新規住人が生活で きる集合住宅に改築する。 このとき、 ファサードとそれを支えるた めに2間半の奥行の既存木造を保存する。保存した店舗部分
4F 平面図
や和室は主人に必要な機能を維持しながら、新規の3世帯の 住人と共用のコモンスペースとして展開する。通り土間や床の 間など既存町家の空間構成は2方向避難の動線を兼ねている。
物干し場 (バルコニー)
街路から看板を見ると、階段動線、和室、物干し場などによって、 住人らの裏の生活の様子がチラチラとうかがえる。看板立面は
B室
この建物に住む 「みんなの顔」 として新しい役目を得るだろう。 3F 平面図
共用の応接間 (和室)
A室
物干し場 (バルコニー)
吹き抜け (みせ)
和室
和室
洋室
洋室
2F 平面図
SOHO型シェアオフィス (みせ)
共用キッチン
通り土間
倉庫
主人用水回り
和室
和室
和室
DK
通り土間
1F 平面図
p14
継承看板建築 -ファサード保存の二元論を解除する-
p15
居住棟が機能的に独立
02
case study
看板を受け継ぐ店舗併用住宅 中庭と通り土間の復活により、 貸し店舗と主人夫婦の動線を住み分ける。
ώϩαωʖ ৺࣪
࣪ ʤ ৠؔʥ
DK
ୁ͢వะ ʤΊͦʥ
ఋ ʤ༽ڠʥ
1945年 → 【保存】
༺࣪
༺࣪
༺࣪
DK
࣪
࣪
1965年に増築
→【改築】店舗併用住宅
2001年に増築
→主人の居住の継続
→【減築】共用の中庭
元・紳士服ヒラバヤシ。既に仕舞屋となった店舗は、街の活 気のためにと、日中はシャッターだけは開いている。2001年 に増築された3進目の2代目夫婦の住居は1~2進目の店 舗棟から機能的に独立している。 2進目を減築し中庭を入れることで、1進目を独立した店舗 併用住宅として分離して、新規の町の商業の担い手に貸し
৺࣪
出す。通り土間の形式をそのまま主人夫婦が店舗脇を通過 するためのアプローチに利用している。
ώϩαωʖ
街路からは、店舗奥のガラス越しに中庭の植木と主人の家 の立面がうかがえる。新規の住人は、かつての看板の形式 3F 平面図
やその裏に残された和室を受け継ぐ形でこの街に住む。
൚ؔ
ώϩαωʖ DK ࣪
༺࣪
༺࣪
༺࣪
জؔ
2F 平面図
௪Εͷ͜
ୁ͢వะ Ίͦ
कਕ༽Πϕϫʖο
ఋʤ༽ڠʥ
DK
࣪
࣪
1F 平面図
p16
継承看板建築 -ファサード保存の二元論を解除する-
p17
03
case study 1階建て
コンビニ上には看板公園 屋上に2階立面を新設し、 その裏を立体的な公共広場として展開する。
この角地では看板建築はすでに建て替えら れ、一層陸屋根のよくあるコンビニエンススト アが建てられている。周囲の看板建築の2階 建ての立面の連続に対して、 ここでは2階立 面が欠落してルールが崩れている。 街の立面の連続性を回復するために、 エリア 内の看板建築の開口装飾のボキャブラリー や中層RCビルの立面構成を折衷・引用しな がら、屋上に2階立面をハリボテを設置する。 ハリボテの裏の構造体を利用して、屋上は立 体広場としてデザインし、公共に開く。 このとき、 立面はこの屋上公園を利用する人と街路を 通る人の視覚的な関係をつくる境界装置とし て読み替えられている。
)٦ԐυρΫ
ʤ )٦ԐυρΫʥ
ఴ૯ɻ ఴ૯ɻ
ఴ૯ɻ ࣙ༟ৱࣆੰ
ࣙ༟ৱࣆੰ
αϱϑωΦϱηηφΠ
2F(屋上) 平面図
p18
継承看板建築 -ファサード保存の二元論を解除する-
奥行方向 断面図
p19
04
case study 塀・衝立のみ
境界となる看板の遊具 塀の上部に立面を新設し、 その躯体をアスレチック遊具として転用する。
ここにあった看板建築はすでに壊されて、 跡地は大地主である地元の寺院が運営す る幼稚園の運動場として利用されている。 街道に対しては、塀と簡単なフェンスを構え ており、周囲の看板建築の連続性に対して 歯抜けのヴォイドをつくっている。 街の立面の連続性を回復するために、看板 建築の開口装飾のボキャブラリーを引用し て、既存の塀の上部に2階立面のハリボテ を新設する。 このハリボテを支えるためには 裏側2間半のスペースに構造体が必要とな る。 そこで、 その構造体を使ってアスレチック 遊具をつくる。 街路から看板をみると、遊具により垂直化さ れた園児たちの活発な様子が、開口ごしに チラチラとうかがえる。 この立面は街の人と 園児を視覚的につなぐ境界装置となるのだ。
p20
p21
セットバックによる空地
05
case study
隣地に拡張する画廊とマンション看板 アプローチのための空地に、隣地の画廊を増築することで、 街路沿いに疑似的に立面を補う。
このエリアは宅地としての需要はあるため、看板建築が中規模の マンションに建て替えられるケースがある。マンションは街路に対 して、 セットバックして建つことがほとんどで、街路側はアプローチ ヤードとなるので、周囲の看板建築にとっては歯抜けである。 ఴࣖ࣪ ʤพ౫ʥ
街の立面の連続性を回復を計画するために、 たまたま隣地の画 廊が展示スペースの拡大を求めていたことから、 アプローチヤード を中庭状に囲う展示室を2階レベルに増築した。 それにより街路
Ϝϱεϥϱ Φϱφϧϱη
ஹਭνϱέ
沿いに復活した立面は、実質はマンションの入り口でもあるので、 いかにもマンションのような顔にデコレートされた立面をつけて、
Πϕϫʖο
看板建築の一員としてふるまう。
Ϝϱεϥϱ Φϱφϧϱη ఴࣖ࣪ ఴࣖ࣪
ளྡྷ
ఴࣖ࣪
ఴࣖ௪࿑ ʤพ౫ʥ
Πϕϫʖο ݻՊժ࿕ Φϱφϧϱη ʤΊͦʥ
p22
ఴࣖ ίʖη
継承看板建築 -ファサード保存の二元論を解除する-
ఴࣖ࣪ ʤพ౫ʥ
ఴࣖ࣪̐
p23
駐車場として利用中
06
case study
駐車場には看板付きレンタルスペース 点在する駐車場それぞれに適応が可能な、仮設型看板建築のモデルを提案する。
SITE 29
SITE 20
SITE 30
SITE 02
ளऄΪϪʖζ̒
ளऄΪϪʖζ̓
ऄྈ༽ΰʖφ
ளऄΪϪʖζ̔
看板建築が壊された土地が連続し、 まとまった空地が あらわれると、 そこは次の建物が計画されるまでの間は
ளऄΪϪʖζ̕
ளྡྷ
必ずと言っていいほど駐車場として利用される。 この手
ࢋؽ
在する駐車場たちは、 この商店街の空地の大部分を占 めている。 街の立面の連続性を回復を計画するために、 これらの 期間限定の駐車場にも、仮設の看板建築を提案する。 ளྡྷ
ளऄΪϪʖζ̑
ளऄΪϪʖζ̐
ளऄΪϪʖζ̏
٦Ԑ࣪ ࢋؽ
単純な架構の反復でつくることで、立面の反復する個
ϫρΩʖ࣪ Ϫϱνϩ Ϫϱνϩ ϩʖϞ ϩʖϞ ϪϱνϩϩʖϞ
ϪϱνϩϩʖϞ̏
数が調整可能になるので、撤去後に別の新たな駐車場 に移設・転用ができる。各室はコインパーキングと連動 して運用ができるようなレンタルスペースとすることで、 駅前の会議室や休憩室の需要にこたえる。
ϪϱνϩϩʖϞ̏
ளऄΪϪʖζ̏
p24
継承看板建築 -ファサード保存の二元論を解除する-
p25
ひとつの立面に「保存」と
p26
継承看板建築 -ファサード保存の二元論を解除する-
「更新」が同居する。
p27
02
p28
AGRI SCAPE - 都市型農業の実験都市 -
AGRI SCAPE -都市型農業の実験都市-
【スタジオ課題】 新しい都市居住システム リサーチ/マスタープラン/基本設計 /作図/グラフィック/熱環境シミュレーション 建物用途: 複合施設 敷地所在地: 東京都江東区豊洲 製作期間: 2020.04-07 環境解析: 寺澤宏亮 共同制作者: 村上達也 勝部直人 寺島瑞貴 吉村和馬 指導教員: 大河内学 蜂屋景二 平岩良之 樋山恭助
受賞・評価 〇毎日・DAS学生デザイン賞 ・ 「金の卵賞」 入選 〇明治大学学内専攻 ・個人2位 (Archives掲載)
p29
エネルギー供給地であったこの地で 分散型エネルギーインフラを組み込んだ 農業都市を実践する。
豊洲の大きな用地に、地域交通と環境に配慮し た新しい都市居住システムを提案するというス タジオ課題。豊洲市場の近接による流通のポテ ンシャルと、豊洲埠頭のエネルギー供給基地とし ての歴史的コンテクストを再評価し、分散型エネ ルギーインフラを組み込む 「都市型農業の実験 都市」 をマスタープランとして提案した。 計画する5つの建物の間は 「ホワイエ」 と呼ぶガ ラスの温室でダイナミックに接続した。 このホワイ エが農場であり、交通であり、憩いのコモンスペ ースでもある。ホワイエには意図的に熱環境の むらをつくり、住人たちの生活環境の多様性と 野菜の生育環境の多様性を重ねている。個別 の建物では、 ホワイエと建物の間の熱循環の仕 組みをデザインすることで、人間にとっても農作 物にとっても快適かつエネルギー効率の高い環 境をつくっている。
p30
AGRI SCAPE -都市型農業の実験都市-
p31
ホワイエと呼んでいる家型の 野菜温室が各敷地間を横断する。 駐輪場
SOHO_6
女子トイレ
男子トイレ 保育園2F
外廊下 会議室2
住居系機械室
会議室1
住居エントランス 男子トイレ
UP
発電機
住居系機械室
SOHO_7
住居エントランス
外廊下
保育園2F
会議室2
住民用ポスト
UP
UP
発電機
会議室1
外廊下
siteC 農 siteC 農×住
4.5歳 保育室
UP
siteD 農×住×保育 siteD 農×住×保育
4.5歳 保育室
女子トイレ
SOHO_6
SOHO_5
ベランダ
SOHO_7
SOH
UP
ベランダ
UP
UP
住民用ポスト
外廊下
UP 外廊下
ランニングセンター2F
フリースペース
イベントホール 温室栽培
UP
SOHO_8
SOH
UP UP
SOHO_8
UP
UP
ランニングセンター2F
フリースペース
UP
UP
外廊下
イベントホール
SOHO_1
温室栽培
SOHO_1 SOHO_2
野外スタジオ
野外スタジオ 大ホワイエ
ホワイエ
ホワイエ
会議室
縁側テラス
執務室
執務室
会議室 GSEducationalVersion
執務室
機械室
縁側テラス
GSEducationalVersion
執務室
発電機
機械室 食堂
食堂 屋外テラス
植物工場
植物工場
siteE 農×研究 siteE 農×研究 倉庫
厨房 主厨房
倉庫
厨房 主厨房
屋外テラス
レンタルスペース
発電機
レンタ
siteB 交通×バイオ発電 siteB 交通×バ
東京ガス発電施設 東京ガス発電施設
住戸エントランス
住戸エントランス
siteA 商×農×住 siteA 商×農×住 cafe
cafe 受付・管理
野菜マルシェ
受付・管理
野菜マルシェ
HO_4
HO_3
市場前駅
ホワイエ前広場
ホワイエ
ホワイエ
アプローチホエワイエ アプローチホエワイエ
UP
電
BRTロータリー
自転車置き場
BRTロータリー
ホワイエ前広場
敷地内循環
排熱
排熱
敷地内建物 C-1-4 冷暖房など
東京ガス
栽培 ホワイエ 熱源
ごみ 野菜など
廃熱の 高効率な循環
発電 バイオマス
電力
発電
A-2
電力
敷地内外
豊洲市場など 周辺の生ごみ
バイオマス発電
ごみ
住戸とホワイエの冷暖房には、隣接する東京ガスの 発電所が排出する熱エネルギーを再利用する。水の エネルギー的な状態を3段階(カスケード状) に分け
敷地外循環
て考える。 まず東京ガスから排出される高温蒸気(第 1段階) をそのまま敷地地下の中継設備に送り、住戸 東京ガス
への冷暖房や給湯用に熱エネルギーを取り出す。 す
高温蒸気
発電機
ると、高温蒸気は30-40℃の温水(第2段階) になるの
冷房・ 暖房・給湯 常温水
高温蒸気
住戸 A 30-40℃の温水
30-40℃ の温水
放射熱暖房
住戸 B
ホワイエ
住戸 C
放射熱暖房
冷房・暖房・給湯
住戸 D 住戸 E
常温水
発電機 (熱の発生)
で、 それらをホワイエ内のすべてのスラブの内部に 張り巡らせることによって、 ホワイエ内は常に放射熱 暖房が実現する。 これらを経て常温(第3段階) となっ た水は東京ガスの発電機に返され、再び発電によっ て高温蒸気に戻される。
p34
AGRI SCAPE -都市型農業の実験都市-
人の動線
物流の動線
野菜の動線
マルシェ
人と野菜の交通
GL+15000
住敷地を横断するホワイエは敷地と駅や周辺の建 物との関係をダイナミックにつなぐ。豊洲市場と市場 前駅に向かって大きく開いたBRTロータリーは、埠頭 エリア広域のバス交通の利用を促進するだけでなく、 敷地内部でとれた農作物の搬出と、敷地外の豊洲
広場
市場や他の居住施設からでるバイオマス廃棄物の
GL+4000
搬入に役立てられる。 ホワイエの4階では敷地内の スモールモビリティが往復し、建物間やロータリーへ の人の移動と、重たい作物の運搬に役立てられる。 搬入
搬出
GL+0
バスターミナル
p35
A1 A2
×
B1 C1 D1 E1
×
E2 E3
E-2 D-1
E-3 E-1-2
C-1-4
A-2
C-1-3
E-1 B-1 C-1-1 C-1-2 A-1
E-1
すり鉢ステージ
C-1-1
ルーバー休憩所
C-1-4 パーゴラ待合所
E-3
温室研究所
C-1-2 ひとやすみ階段
C-1-3 浮島ウッドデッキ
野菜の生育環境の 多様性に、 人の居場所を 重ねる ホワイエ内の日射量の解析シミュレーションをした。 季節と時間帯によって、 それぞれのホワイエの場所に よって日射状況の環境の違いが生まれているのが
A-1野菜マルシェ
分かる。 これらの温熱環境の違いに応じて、育てる野 菜の種類を (育成温度と日射特性の適正をもとに) 丁寧に選んでいく。 それぞれの場所は、必要に応じてルーバーやパーゴ ラをもうけて、人間にとっても快適な居場所にデザイ ンする。 これによって野菜と同様に、住人たちもホワイ エ内の居心地のいい温度や明るさの場所を自分で 選び取って時間を過ごすことができる。
野菜の育成温度 高温野菜 25-30℃
中温野菜 20-25℃
冷涼野菜 A 15-20℃
野菜の日射特性 陽性植物 日射時間 6h以上
半陰性植物 日射時間 3-4h以上
陰性植物 日射時間 3-4h以上
冷涼野菜 B 15-20℃
p37
住戸 A
site
住戸 B
A
通風
野菜マルシェ × 住む 農園
住戸 C
ホワイエ
住戸 D 住戸 E
30-40℃の温水
冷房・暖房・給湯
放射熱暖房
野菜マルシェ
住戸
風速シミュレーション<夏の卓越風>
<冬の床暖房による上昇気流>
遮蔽装置イメージ
7F 住戸配置
立体トラスと張弦梁
現場組立とジャッキアップ
有機野菜レストラン 大ホワイエ 東京ガス 発電機
メゾネットを採用することで、 野菜マルシェ側の温室の暖かい空 気と、 道路側の両方に開口をつくることができる。 非メゾネット住 戸では共用廊下の平面的な抜けによって空気の通り道を確保す る。 この工夫により、 温室の空気の選択的な出し入れが可能に なる。
東京ガス
メゾネットによる 2 面開口
放射熱暖房
常温水
常温水
東京ガス 通風
東京ガス 発電機
発電機
放射熱暖房
通風
住戸 A
住戸 D
住戸 C 住戸 D 30-40℃の温水
放射熱暖房
装置
住戸 C 住戸 D 30-40℃の温水
放射熱暖房
住戸 E 住戸 A
住戸 B
ホワイエ
住戸 B ホワイエ
住戸 E
高温蒸気 住戸 B 冷房・暖房・給湯
冷房・暖房・給湯
放射熱暖房
春・秋の熱環境ダイヤグラム
A
住戸 B
住戸 C
30-40℃の温水
通風
高温蒸気 住戸
住戸 D 住戸 A 30-40℃の温水 常温水
ホワイエ
高温蒸気
高温蒸気
住戸 C
ホワイエ
通風
常温水
発電機
住戸 E 冷房・暖房・給湯
住戸 E 冷房・暖房・給湯
遮光
廃熱の再利用と循環
装置
構造ダイヤグラム
遮光
遮蔽装置イメージ
装置
遮光
遮蔽装置イメージ
夏の熱環境ダイヤグラム
遮蔽装置イメージ
遮蔽装置イメージ メゾネットを採用することで、 野菜マルシェ側の温室の暖かい空 気と、 道路側の両方に開口をつくることができる。 非メゾネット住 戸では共用廊下の平面的な抜けによって空気の通り道を確保す る。 この工夫により、 温室の空気の選択的な出し入れが可能に なる。 メゾネットを採用することで、 野菜マルシェ側の温室の暖かい空 気と、 道路側の両方に開口をつくることができる。 非メゾネット住 戸では共用廊下の平面的な抜けによって空気の通り道を確保す る。 この工夫により、 温室の空気の選択的な出し入れが可能に なる。
放射熱暖房
放射熱暖房
メゾネットを採用することで、 野菜マルシェ側の温室の暖かい空 気と、 道路側の両方に開口をつくることができる。 非メゾネット住 戸では共用廊下の平面的な抜けによって空気の通り道を確保す る。 この工夫により、 温室の空気の選択的な出し入れが可能に なる。
放射熱暖房
冬の熱環境ダイヤグラム 放射熱暖房
野菜マルシェ(俯瞰)
メゾネットを採用することで、 野菜マルシェ側の温室の暖かい空 気と、 道路側の両方に開口をつくることができる。 非メゾネット住 戸では共用廊下の平面的な抜けによって空気の通り道を確保す る。 この工夫により、 温室の空気の選択的な出し入れが可能に なる。
屋上菜園
野菜のカーテン
野菜温室
植栽ルーバー
住戸
モビリティターミナル
野菜温室
野菜マルシェ
通り抜け
バスターミナル
p38
AGRI SCAPE -都市型農業の実験都市-
搬入・駐車
レストラン
200
植え込み断面 W=200, d=150
450
800
植え込み断面 W=400, d=350
マルシェ側の緑のファサード 1500
西ファサード詳細断面 1:30
東ファサード詳細断面 1:30
植え込み断面 W=250, d=150
植え込み断面 W=400, d=300
300
150 150
300 300 850
150 150
植え込み断面 W=250, d=150
1190
ホワイエ前広場
300 850
東ファサード詳細断面 1:30
植え込み断面 W=400, d=300
1190
道路側の緑のファサード
アプローチホワイエ cafe
2F
日常にマルシェ のある生活
野菜マルシェ(アイレベル)
siteAで敷地内の農作物の販売の拠点として、野菜マルシェの役割を担う。商業空間の賑わいと農作物 栽培の風景と日常の生活空間の3者が一体となるような空間性を追求して、大きな野菜マルシェ空間と 住戸棟が向かい合うような構成とした。住戸の生活から出た廃熱はマルシェや温室の放射熱暖房に使 われるが、冬には温室でつくった暖気を再び住戸内にも取り入れられるように、屋根形態とメゾネット形式 を駆使して空気の流れを設計している。25mのスパンを飛ばす張弦梁の固定先は、 ホワイエの家型の登 り梁を借りて立体トラスをつくることで桁行方向の構造強度と現場の施工性をあげている。
p39
交通 × バイオマス発電
バイオマス処理設備
site
site
B
C
住む × 農業
大ホワイエ
大ホワイエ 住戸 家庭用農園
待合所
停留所
シェアキッチン
UP
UP
UP
駐輪場
風速シュミレーション < 夏の卓越風 >
B1F 共有テラスごしにみる栽培空間
風速シュミレーション < 夏の卓越風 > シェアキッチン
UP
16 FL +59000 UP
UP
15 FL +56000
UP
ホワイエ
DN
UP
UP
UP
UP
14 FL +51000
DN
13 FL +42500
駐輪場
12 FL +39000
8F 1F SOHO_609
10 FL +34500
DN
9FL +31000
UP
シェアキッチン
11 FL +38500
UP
DN
8FL +26500
SOHO_601 SOHO_604
7FL +22500 6FL +19000
UP
7.13F
UP
UP
ホワイエ
5FL +15000 UP UP
4FL +11000 UP
UP UP
3FL +7000 UP UP
2FL +3500 UP
UP
UP
1FL GL+0
3F 待合ラウンジ フィーレンデールの梁間の抜け
交通と 流通と エネルギー
p40
バスターミナルのための待合ラウンジに、生ご みを電気エネルギーに変えるためのバイオマ ス発電施設を併設する。正面の大きなロータリ ーでは「BRTバスの昇降」のみならず、 「 敷地
6.12F
農のある 都市生活の 実践
土いじりから始まるコミュニケーション。単身世 帯・2人世帯・4人世帯が家庭菜園という共通 の趣味と共有の畑を持ちながら、 それぞれの 生活を送れるような都市型の共同住宅の提案。
内の作物の搬出入」 と 「豊洲市場を含む豊洲
三層ユニットのメゾネットで構成し、各ユニット
エリア広域からの生ゴミの搬入」 という3つの
の三層目が半外部的な農業スペースとなる。
役割を集約している。建物の構造はフィーレン
熱循環も三層一体で計画され、夏には重力換
デール形式の二重梁を採用し、夏は梁の間の
気で風が抜け、冬には共用部ごと全館空調で
抜けからホワイエの内部に風を送りこむ。
温室となる。
AGRI SCAPE -都市型農業の実験都市-
site
D
農業 × 研究 研究所
大ホワイエ
研究用オフィス
植物階
環境層
研究オフィス
研究用農園 農業ギャラリー
9 8
5F
4F
レクチャールーム
実験室
実験室
実験室
実験室
実験室
実験室
倉庫
7
8F
実験室
緑の広場
ホール
ホワイエ
植物階 休憩スペース
オフィス
6 5
吹き抜けオフィス
コア 実験用温室
コモンスペース
オフィス 植物階
ダンダンオフィス 会議室
コモンスペース
オープンラボ
コモンスペース
受付
執務室
4 3 2
フェロー室
食堂
立体公園
緑の広場・図書館 エントランスホール
総合受付
オープンラボ
光
SUNLIGHT
熱
主構造 吊り構造
会議・食堂
立体トラス構造
温室の熱
1
ギャラリー 光環境のダイヤグラム 熱循環のダイヤグラム 構造ダイヤグラム 内にこもりがちな研究施設、研究者が外界と接続できるように、4F7F に環境層を設け、光、熱、緑を
建物内に取り込むことを考えた。斜めに空いたボイドは上下階に多様な空間をもたらす。
都市型農業の 研究と発信
都市型農業の研究所を内包した、学びのための複合施設を 提案する。室内に籠もりがちな研究施設と地域のための学び の機能を螺旋状に組み上げて立体的な交わりを実現する。中 間階に空いたボイドは地域を呼び込む広場としてだけでなく、 研究施設内に熱、光、緑を呼び込む環境層として機能する。 立体トラスの構造特性を利用して建物内にスパンの柔軟性を 生み出し、多様な機能を受け止めるコンプレックスを実現して いる。
p41
03
p42
基礎に棲まう - 家と大地とその間に -
基礎に棲まう -家と大地とその間に-
【M1学外コンペ】 自然を身方にする家 基本設計/作図/グラフィック 建物用途: 住宅 敷地所在地: 神奈川県百合ヶ丘(斜面地) 製作期間: 2020.08-09 共同制作者: 古田將 村上竜也
p43
床の下で地形に 沿って暮らそう。 百合ヶ丘のような丘陵地の宅地では、盛土による水平面の造成によって、住宅と大地の縁が切れて いる。 このあり様を改善すべく、住宅の接地の新しいあり方を提案する。 ボーリング調査によると、硬 い支持層が盛土面から6-8mのところにあるため、場所によっては盛土を除けば支持層に届くことが わかった。 そこでまず、①既存擁壁があれば転用基礎、②支持層に届く所は独立基礎、③支持層に 届かない所はベタ基礎、以上の3種類の基礎を状況に応じて各々のレベルで設置する。 それらを土 間でなめらかにつないで、基礎の延長に住空間をつくる。上方には鉄骨の基礎柱を立ち上げてこの 空間を内部化する。最後に鉄骨基礎の上に2階として軽い木造の切妻のボリュームをのせる。 これら の手つきによって、木造住宅の足元に大地との連続性を持った第2の住環境が生まれることになる。
p44
基礎に棲まう -家と大地とその間に-
住宅と大地の間 縁が切れている
住宅と大地との間に介入する擁壁
支持地盤との距離と基礎の種別
地盤調査
盛土 (6m)
ローム層
鉄骨基礎で 床下をつくる
ローム層
ローム層に届かない 箇所はベタ基礎とする
既存の造成地
提案する家と大地の間の空間
p45
2730
2730
1820
1820
2730
910
910
2730
455
フリースペース
910
リビング
寝室
1820
主寝室
寝室
2 2F plan 階平面図 1/100
3640
2730
±0
1820
③
+1000
1820
910
2730
⑥ +2000
⑦
+3000
④ ⑤
2730
①
⑨ ⑩
基礎腰壁
② キッチン
地べたスロープ
+2100
書斎
455
ダイニング
1370
基礎ベンチ
トイレ +1500
1820
20
+3100
15
17 基礎棚
+300
14 16
地べたスロープ
11 +2900
bath room
+2000
6. ナナミノキ
11. イジュ
2. オシダ 7. ヒラドツツジ 12. テイカカヅラ ①タニカ ⑧コバンモチ ⑮オオモミジ 3. ゲンカイツツジ 8. コバンモチ 13. ヘデラ・ヘリックス ②オシダ ⑨ミヤマシキミ ⑯ヤマボウシ 14. ハイゴケ ③ゲンカイツツジ 4. ドウダンツツジ ⑩テンダイウヤク 9. ミヤマシキミ ⑰サンショウ ④トウダンツツジ 5. 西洋シャクナゲ ⑪イジュ ⑱アガバンサス 10. テンダイウヤク 15. オオモミジ ⑤西洋シャクナゲ ⑫テイカカヅラ ⑲ヤブランギガンティア ⑥ナナミノキ ⑬ヘデラ・ヘリックス ⑳コレオプシス・ムーンビー ⑦ヒラドツツジ ⑭ハイゴケ
基礎に棲まう -家と大地とその間に-
12 13
19 18 基礎植込
植栽の種類 1. タニカ
p46
⑧
1 階平面図 1/100
敷地面積
138.5 ㎡
建築面積
68.7 ㎡
18. アガパンサス
延べ床面積
117.5 ㎡
20. コレオプシス・ムーンビー
建ぺい率
49%
法定容積率
100%
法定建ぺい率
50%
16. ヤマボウシ 17. サンショウ
19. ヤブラン・ギガンティア
1F plan
家
1 階ガレージよりダイニング方向をみる
2 階フリースペースよりリビング方向をみる
敷地東側の小道より下をのぞむ
▽ GL±9450
屋根: ガルバリウム鋼板 アスファルトルーフィング 野地合板 t=12㎜ 断熱材 t=50㎜ 合板 t=12㎜ 垂木 45×60 @227㎜
外壁: ガルバリウム鋼板 通気竪胴縁 45×18 @455㎜ 透湿防水シート 合板 t=12㎜ 断熱材 t=50㎜ ▽ GL±7650
窓:アルミサッシはめ殺し窓
p47
梁 105×180㎜ 窓:アルミサッシ引き違い窓
5250
西立面図 1/100
p48
基礎に棲まう -家と大地とその間に-
▽ GL±5250
珪酸カルシウム板 t=6㎜
アンカーボルト
鉄骨基礎は︑軽い木造だからこそ成立する︒
土台 105×105㎜
ブレース:丸鋼 20-φ4㎜
梁基礎: 鉄骨梁H-200×150×12×8㎜
ガセットプレート
▽ GL±9450
屋根: ガルバリウム鋼板 アスファルトルーフィング 野地合板 t=12㎜ 断熱材 t=50㎜ 合板 t=12㎜ 垂木 45×60 @227㎜
小梁基礎: 鉄骨梁H-150×150×12×8㎜
外壁: ガルバリウム鋼板 通気竪胴縁 45×18 @455㎜ 透湿防水シート 合板 t=12㎜ 断熱材 t=50㎜ ▽ GL±7650
家
窓:アルミサッシはめ殺し窓 梁 105×180㎜ 窓:アルミサッシ引き違い窓
基礎
ブレース: 丸鋼 20-φ4㎜
バルコニー
ガレージ
手 :丸鋼
▽ GL±5250
土台 105×105㎜
基礎: コンクリート t=120㎜ 捨てコンクリート t=30㎜ 砕石 t=100㎜
アンカーボルト ベースプレート
梁基礎: 鉄骨梁H-200×150×12×8㎜
ブレース:丸鋼 20-φ4㎜ ガセットプレート
小梁基礎: 鉄骨梁H-150×150×12×8㎜
矩計図 1/30 基礎
▽ GL±0
既存擁壁: コンクリート
床: 複合フローリング t=15㎜ 合板 t=12㎜ 根太 45×90㎜ @455㎜ 断熱材 t=60㎜ 珪酸カルシウム板 t=6㎜
床: スギ板 t=15㎜ 合板 t=12㎜ 根太 45×60 @455㎜
鉄骨柱: 100×100×12㎜
▽ GL±250
リビング
2008322
ブレース: 丸鋼 20-φ4㎜
ガレージ
鉄骨柱: 100×100×12㎜
アンカーボルト ベースプレート
▽ GL±250
基礎: コンクリート t=120㎜ 捨てコンクリート t=30㎜ 砕石 t=100㎜
既存擁壁: コンクリート
▽ GL±0
p49
裏の坂道との豊かな関係。
p50
基礎に棲まう -家と大地とその間に-
p51
04
p52
光細胞の美術館 -Light Cell Museum-
光細胞の美術館 -Light Cell Museum-
【B3スタジオ課題】 単位空間の反復 基本設計/作図/グラフィック 建物用途: 美術館 敷地所在地: 米国フォートワース 製作期間: 2018.11-12 指導教員: 新野裕之
p53
柔らかい光の単位を フラットに反復する。 このルールだけで 全てをつくる試み
単位空間の反復によって美術館という大きな全体性を設計せよ、 と いうスタジオ課題。 ボールド状の空間の頂部に天窓を穿ち、 これを単 位とした。天窓の直下には布材を用いて光を拡散することで、柔ら かくニュートラルな光のまとまりを演出している。細胞のように単位が ただフラットに反復してつくられる展示室では、 この光のまとまりとそ の四隅に落ちる列柱だけを手がかりにして、 テキサスの地の抽象芸 術がパラパラと自由に並べられる。平面構成は谷口吉生の建築を 参照したが、壁をたどるような体験とシークエンスのメリハリを体現し きれなかったことを反省している。
p54
光細胞の美術館 -Light Cell Museum-
①2つ単位をぶつけ合わせる。
⑤合体完成。
②壁と壁が重なる。
④アーチ状の壁を1枚差し込む。
⑥何度も反復して増殖する
p55
反復方向と光のニュアンスの違い
p56
光細胞の美術館 -Light Cell Museum-
だけからシークエンスをつくる
p57
p58
光細胞の美術館 -Light Cell Museum-
p59
05
Fast walker-Slow walker - ワークスタイルで選ぶ 2 つ動線の共存 -
Fast walker-Slow walker -ワークスタイルで選ぶ2つ動線の共存-
基本設計/作図/グラフィック 建物用途: 集合住宅 敷地設定: 東京近郊住宅地 製作期間: 2018.10-11 共同制作者: 石原修大 柳瀬正義
7:00
15:00
出勤 駅
オフィスワーク
24:00 帰宅
通勤サラリーマン
テラス
打ち合わせ
カフェで仕事
テラス 帰宅
駅→都心 レンタル
ノマドワーカー
オフィス 自宅ワーク テラス
在宅勤務
出勤 パートワーク
カフェ
テラス
帰宅
待ち合わせ
保育園のお迎え テラス 帰宅
兼業主婦
テラス
テラス
友人と麻雀
カフェ
孫のお迎え テラス 帰宅
定年退職者
slow
fast
「働き方」 に着目した集合住宅のコンペ。都心近郊では様々なワークスタイ ルをもつ働き手が混在している。 ひとりひとりのスピードに着目すると、せか せか出勤し時間に追われながら働く 「fast」 の時間と、 自宅やカフェでリラッ クスしながら働く 「slow」の時間があり、両者のバランスのとり方は職種や 年齢によって様々である。 このことに着目し、活気あるfastの空間とのどか
の時間と Slow の時間で Fast 居場所と動線を使いわけるライフスタイル
【B3学外コンペ】 働き方を変える集合住宅
なslowの空間を一度2つに分けたうえで、絡み合うように交錯させた集合 住宅を提案した。目まぐるしいfastの生活の中にもslowのおちつきが、 のん びりしたslowの生活の中にもfastの活力が、両者がぶつかることなく同じ場 所に共存する。 そのような複雑で豊かな場所を提案している。
p61
スローエリア<slow-area>
交錯<Interlace>
挿入<Insert>
p62
Fast walker-Slow walker -ワークスタイルで選ぶ2つ動線の共存-
ふたつの時間をもった動線が立体的に混ざり合う︒
ファストパス<fast-pass>
Housing
ファストパス
ファストワーカーのための寝間 スローライフリビング スローエリア
スローパス
p63
Cafe カフェを取り巻くスローエリア ファストパス
p64
Fast walker-Slow walker -ワークスタイルで選ぶ2つ動線の共存-
Co-working space スローエリア
ファストパス
p65
ファストパス
ファストパス
木々やスローパスと交錯しながら伸びる 木々やスローパスと交錯しながら伸びる
植栽エリア
植栽エリア
カフェ
カフェ
カフェ前のテラスには気持ちの良い風が抜けていく カフェ前のテラスには気持ちの良い 住人たちが植栽を育てる静かなスローエリア 住人たちが植栽を育てる静かなスローエリア
p66
Fast walker-Slow walker -ワークスタイルで選ぶ2つ動線の共存-
ファストパス
ファストパス
吊り橋のような動線はデッキの上を越え 吊り橋のようていく な動線はデッ 。 キの上を越えていく。
4F
3F
段々デッキ
段々デッキ
傾斜に合わせて階段状に重なったデッ 傾斜に合わせて階段状に重なったデッ キの道は キの道は 地域の人々も通す。多様な人種が混合するスローエリア。 地域の人々も通す。 多様な人種が混合するスローエリア。
2F
x y
1F
y
2F
x
p67
Construction design
実施設計
06
p70
麦踏
- パン屋のアプローチ空間のリノベーション -
麦踏 -パン屋のアプローチ空間のリノベーション-
【B2 実施設計】 パン屋のアプローチ空間 基本設計/作図/詳細設計/施工監理
建物用途: 住宅→パン屋のアプローチ 敷地所在地: 神奈川県小田原市江之浦 製作期間: 2017.08-2018.02 共同制作者: 中山健人 小松素宏
本間誠也 宍戸元紀
制作母体組織: 学生サークル♭ 外構: 宮下純一 (施主) 協力: 本多健 瀬戸ひふみ 後藤智揮
鈴木敦子 中島滋夫 植松欣也
プロモーション動画のQRコード
p71
小田原市根府川の歴史ある古民家に開業したパン屋[麦
古民家の中央に 土間を貫通させ 内部にアプロー チ空間を作る!
焼処 麦踏]。 その店舗の手前の住居部分をリノベーション するプロジェクト。設計は学生コンペにて決めることになり、 私は大学の同期の中山とタッグを組んで設計案を提出し、 当選し、実施に至った。 道路面には塀と庭木が生い茂り、 パン屋をやるには閉鎖的 すぎる印象があった。 そこで、塀と木々を取り去り、焼杉のル ーバーと暖簾と建具をデザインし、 パン屋としての象徴的な 玄関を作り出した。玄関から先は、板張りの土間に張りかえ て、靴のままパン屋の店舗まで進んでいけるようにした。 こ のアプローチ空間は、食事や休憩のためだけでなく、 イベン ト・展示・バザーなどにも使われる場所になった。
p72
麦踏 -パン屋のアプローチ空間のリノベーション-
将来︑茶室などを計画予定
︻二次竣工︼玄関建具設置完了
暖簾・サイン設置完了
玄関土間コンクリート打設
暖簾・サイン計画始動
︻一次竣工︼ 完成報告会︵地域プレゼン︶ ルーバー設置完了 照明設置完了 床板張り完了
漆喰左官 土間床根太打ち︑合板張り付け
外構整備 ルーバー焼入れ︑塗装 清掃︑瓦礫撤去完了
施工開始︵詳細設計は現場で検討︶
寺澤・中山チームの学生間の実施コンペ当選
p75
地元の議員、 工務店、 空き家バンク関係者なども顔を合わせた。
時間をかけて段階的に設計施工
ルーバーと暖簾と建具で ファサードをデザインした 取手はサルスベリの木
既存の道路側正面。 ブロック塀と放置された庭木で閉鎖的な外観であった。
完成報告会の集合写真。設計施工にかかわった学生チームと地域住民。
11 5 4 3 2 2018.1 12 11 10 9 2017.8
すっかり5つ星の名店となった麦踏mugifumiのパン。 根府川の情報誌がおかれる。 土間を横断してつかう 「なんちゃって路上ライブ」。
07
p76
Dipa
- 洲をつくるプロジェクト -
Dipa -洲をつくるプロジェクト-
【B3-M2 実施設計】 学び舎のリノベーション 基本設計/詳細設計/デザイン監修/施工監理 建物用途: 複合施設(学習・食時・工作・避難) 敷地設定: 神奈川県足利下群 箱根町湯本 製作期間: 2018.08-2021.09 共同制作者: 小松素宏 学生団体DaBメンバー 協力: 正眼寺 宮西悠司 藤川幸宏 飯田耕介 運営: 自尊他尊舎(準備会)
p77
左: エントランスの階段 右: 書室
p79
Detailed Design&Self Build
Dipa 概要ページ 【自らを " 洲 " とし法を " 洲 "】このプロ
1/4500
箱根湯本駅
ジェクトのメインテーマだ。 洲 = より どころ、法 = この世の理、としこの先の 生き方を本や人と の関わりを通して学 び、自身、 そして法 (= この世の理 ) を知っ てい くこと。その学ぶ場を提供するこ とが施主である和尚さんの実践 となる。 学生と施主の関係 ( 学生実施プロジェク ト) 設計者として要望を聞き取り、施工者と して現場に立ち工事をす る。少し特殊なのが、設計施工の早い段 階から施主との現場での 話し合いが行われていた。そして全て施 主と一緒になって現場で 決めていたことが特殊であると言える。 これは設計事務所と工務 店で経験するようなことを学生が兼ねて 行なっている。 正眼寺 100m
p80
Dipa -洲をつくるプロジェクト-
ほぼスケルトンの状態からスタート
左上: 工房 左下: キッチン 右上: 外壁解体後の様子 右下: 外壁完成後の様子
p81
学び / 食事 / 工作 / 避難 これらの多用途の雑多性を そのまま空間に表現 古いアパートを独学支援の拠点へとリノベーションするプロジェクト。 スケルトンの状態から学生の設計施工によって全ての工程を実施した。 1. ゼミや来訪者同士の会食につかえるフレキシブルな空間の 「みせ」 2. 災害時にも対応可能な大規模 「キッチン」 3. 気軽に出入りして書籍を閲覧できる 「エントランス」 4. じっくり研究と向き合うための 「書室」 5. 自由な制作実験のための 「工房」 これらすべての用途の複合である。 それぞれの空間が個々の主張をしな がらも、雑多な全体性をもつように意匠をコントロールした。 また、正面道路 側は減築により幅1800の 「雁木」 をつくり、歩行空間を豊かにしている。
Toilet Book room
Kitchen
2F
Studio
MISE
Entrance
GANGI
色はチームごとの設計範囲の区分けを示している。私は 「みせ」 「キッチン」 のエリアに軸足をおきつつ、 全体意匠の調整と、後輩担当部分の設計の補助もしたので、網羅的に管理していた側面もある。
複数の設計者を メタな立場でディレクション 自尊他尊舎準備会(運営)/ 技術協力
正眼寺(施主)
宮西悠司(まつづくりプランナー)
(住職) 小野宗 (職員) 小野美
運用
柳(歴史学者・番頭)
藤川(建築設計技士)
島田(社会学者)
飯田(大工)
矢野(アーティスト)
小林(左官職人)
山本(都市開発)
監理手当 作業手当
依頼
技術指導
学生団体 DaBo 基本設計・工程管理・PJ 進行
寺澤
設計監理 施工監理 (デザイン調整 工程管理・品質管理)
みせ・キッチン
小松
設計監理 施工監理
設計監理 施工監理
エントランス・トイレ
寺澤
池辺
武井
長谷川
中山(共同代表)
設計監理 施工監理
設計監理 施工監理
階段
工房
南壁
小松
本多
飯塚
市川
片山
設計監理 施工監理
雁木
外装など
寺澤
小林め
照明
寺澤
奥平
山中
金本 太古
岩田
平嶋 吉川
廣瀬
施工指示 (工事内容の共有)
施工指示
施工のみ参加のメンバー
(延べ 200 人以上)
施工指示
施工指示
施工指示
左官技術メンバー 高岡(ものつくり大学) 奥平 武井
一部外注
片山
(設備・板金など)
飯塚
私はこのプロジェクトのために学生団体を創設し、全体の設計施工をメタな立場でディレクシ ョンする役を担った。 複数の設計主体による個々のデザインの主張と、 全体調和に対する空気 の読み合い、 それらのバランスをコントロールするのは難儀であったが良い経験になった。 プロの設計士と職人の助言を通して品質を担保する体制をとったので、 プロセスの中で現場 を学ぶという仕組みができている。200を超える学生がこの仕組みに参加し、宗教法人がつく る共同体としては異例の学生アソシエーションが生まれた。
p84
Dipa -洲をつくるプロジェクト-
ディテールを考える特訓
詳細図・施工図のラフ案と建築家藤川氏による赤ペン入れ
p85
既存のラチス梁や柱、タイ
ここはいい場所になりそう。。。
現場でPC開いて、設計の調整
朝礼にて施工内容の指示
p86
Dipa -洲をつくるプロジェクト-
記念のソロ写真
現場のゴツゴツしたものたち
ラチス梁の現し
飲み込まれる既存の柱
PB とタイルを見切りなしで納める。
上まで伸び、飲み込まれていくような既存柱
せる黒合板など新旧が共存するこの空間は、様変わりする壁面を楽しみながら食事ができる
黒塗装モックアップ
職人もゴツゴツ
塊と化したモルタル#20
施工の様子
p87
Reserch & Outputs
研究活動と成果物
08
女木島デザインサーヴェイ 2019
『日本建築の自画像 - 探求者たちの物語 -』展
デザインサーヴェイから 50 年 女木島をもう一度描く 共同体や環境世界のあり様と密接に関係している女木島の集落構成は、1967年に神代雄一郎の デザインサーヴェイによって丁寧に図化された。当時は、日建設計を筆頭とする高層ビルの都市開 発が始まった時期で、彼らに対して、神代らは、地域コミュニティがもつべきの理想的な建築集落の 姿として、 このデザインサーヴェイを提出することで論争を巻き起こした。 この戦いに神代は負けた。 それから50年たった今の女木島。集落構成だけは維持しながらも、刻々と実態は変化している。我々 は、 香川県立ミュージアムの 『日本建築の自画像 -探求者たちの物語-』 展に向けて、 この50年ぶり の女木島の姿をもう一度ありのままに描画し、島がこの50年に受けたあらゆる変化を再び図面をつ かって記録すること試みた。
p90
女木島デザインサーヴェイ2019 『日本建築の自画像 -探求者たちの物語-』展
p91
防風・防波用の巨大な石垣オーテとコンクリート堤防。
p92
女木島デザインサーヴェイ2019 『日本建築の自画像 -探求者たちの物語-』展
p93
p94
女木島デザインサーヴェイ2019 『日本建築の自画像 -探求者たちの物語-』展
かつて島の農地で再生産していた茅葺きの生き残り。 すっかりトタンで覆われた。
p95
p96
女木島デザインサーヴェイ2019 『日本建築の自画像 -探求者たちの物語-』展
神社の地形は、祭りの日だけ劇場空間に変貌。 p97
女木島の世界を一枚絵で表現 p98
女木島デザインサーヴェイ2019 『日本建築の自画像 -探求者たちの物語-』展
p99
09
台湾調査 領域史研究
を洋式 瓦と花崗岩で模したものであ 鹿港の町屋は空間構成・構法ともにき よく保存もされているが、面路部に近 4 北斗 『町家の材料・構法的差異から捉える台湾濁水渓河系の領域』 竹造 闘式の合院系と町屋の構法的特 日本建築学会2020年度大会に梗概を投稿 (青井哲人 他5名) 町屋の材料・構法的差異から捉 北斗では、都市中心 である奠安 桟橋へ伸びる宮前街に面して、かつて 地のほとんどを竹造町屋が埋めていた 台湾 濁水溪流域 領 台湾中部を西流する濁水渓の領域を一つの構造化された領域世界 闘式( 斗式)だが、材料が竹に置 町屋(街屋) 材料・構法 亭 民地後半期の調査( 『衛生調査書 第十 ととらえる視角から台湾都市史研究を再構築する研究。 私の参加し 生活編(本島人) 』警務局衛生課,1 た2019年度の調査は、町屋の材料・構法の差異を、 領域編成上の 1.はじめに:濁水渓流域類型都市の では竹造がドミナントであったが、 前報では、 河川流通の動脈から、B 類 に繁栄した都市の町屋が竹造であっ 特質という観点で捉えることがねらいであり、 北斗、田中、竹山、鹿港 C 類型=中継港市 : 北斗のふたつをと く災害との関係から説明されると筆者 の4つの都市の町家の 「亭仔脚」 を中心に類型化と比較を試みた。 を濁水渓流域の商人資本的な領域編 再生産の早い竹は安価で流出損失も再 点で捉えた。本稿では、C 類型から派 宮前街 39,41 は町屋二筆分の背後 北斗は、 <中継港市(扇央部) >であり、清朝末期に今の姿が形成さ 田中と、D 類型=谷口都市 竹山をと 例である(図5) 。柱は直径: 120 150 町屋建築が日本植民地支配下の産業 い刺竹を二尺程度のピッチで並べ、長 れた。構法は福建系の穿闘式(穿斗式) だが、材料が竹に置換され を受けてどう変化したのかを考える。 の貫を通した格子状パネルをつくって ている。 これは頻繁する河川氾濫の都合、 そのたびごとに町家を再建 商人資本的な領域編成下の町屋から、 向・桁行方向の貫の高さはズラしてお 編成下の町屋へ、という見立てである する必要があり、仮説的で安価な材料と構法が求められたこ との表 を通して固める。また梁間方向の貫の 2. 田中と竹山 上部のものが正面壁から突き出して軒 れである。今では竹も部分的に規格コンクリート柱や鉄骨材料に置 竹山は 18 世紀に山地と平野の境界 母屋はすべて柱が直接承け、母屋上 町屋の材料・構法的差異から で、清末には行政・軍事および山地開 換されるようになっている。 なく流してトタン屋根を葺くものが多 点ともされたが、50 強ほどの町屋ロ いは竹葺であった) 。壁は柱・貫で囲 比する景観であった。田中は 1901 年 田中は、 <中継港市(扇央部) >から派生した鉄道街であり、 植民地 台湾 濁水溪流域 領 舞を編んで土を塗る。現在では木製に 都市で、やはり 50 強ほどのロットに 町屋(街屋) 材料・構法 亭 窓枠や窓格子、建具にいたるまでがか 後期に形成された。町家は大火後に様式煉瓦造の2階屋に一体的 た。これが 1920 ∼ 30 年代に各々異 町屋の場合も同様だが、合院系の室 3. 田中 に更新された。亭仔脚の桁には最大5mのスパンを成立させるために、 あるの対して、宅地の間口約 4.5m を 1.はじめに 現・彰化県田中鎮の中心市街では 1 壁の貫が多い。また面路部の亭仔脚を 筆者らのグループでは台湾中部を レンガ造のアーチでなくRCの桁材をのせている。 そしてこのRC材の 造平屋建の町屋が短期間に洋式 瓦 を一本抜き、門を開く外壁を 4 尺ば 域をひとつの構造化された領域世界 鉄筋には古い軌条が配されているのが特徴的である。 れた。宅地は間口 4 5 m、奥行 50 m 民地期の法定寸法よりはるかに小さ 湾都市史研究を再構築することを試 間単位で共同化された連棟式建物の集 な形式であろう(図 報の 2 編は 2019 年 7)。 8 月の調査報告で 竹山は、 <谷口都市>であり、山地開発・ 原住民統治の拠点であっ き、総督府が領有初期に定めた家屋建 亭仔脚における他材の混用 構法の差異を、領域編成上の特質とい て奥行約 3m の「亭仔脚」がつくられ 現存する竹造町屋の多くでは、側 がねらいである。本報では鹿港 ・北斗を た。 そのため植民地後期に市区改正事業によ り、竹造だった町家が 台湾で「 楼」と呼ばれる 瓦造ファ 瓦の腰壁を挿入したり、とくに亭仔脚 次報では田中・竹山の変容から植民地 切断されて、規格材による木造に更新された。 構法に着目すると、木 路沿いの店地には、現在もその頃建て 瓦、コンクリートに置換する例が多 竹山)の、それぞれ典型的な町屋の姿 屋が多く残る。実測はその亭仔脚部分 にも変容がみられる。ここでは宮前街 造ではあるが、竹造穿斗式の名残を受けて、 柱が2階の登り梁まで一 2.鹿港と北斗 実測例 (1) 田中・員集路 415:この町 例から、亭仔脚の部材別の新材料侵 台湾西部平原の中部への漢人入植 本で通り、 そこに貫を通していくやり方で、 いわゆる木造穿斗式である。 210*100*60 の標準的な規格 瓦に し、鹿港が泉州とつながる正式な通商 が使われる。本稿では便宜上、規格 年 ( 乾隆 49) である。泉州閥を中心とす 鹿港は、 <対岸港市(沿海部) >であり、 <中継都市 (扇央部) を a-1 面、 100*60>の北 の面を a-2 面、210* 「郊」と呼ばれる同郷・同業の商人団 亭仔脚の柱は、高さ約 400 mmの 斗などは鹿港の傘下である。狭長宅地に隣接する町屋は開発単位 を中心とする集落を鹿港渓に沿って 挿肘木 上に、 瓦を平面的に図 1-1 に示す (a ら福建へは米や砂糖、山地資源などが 毎に共有壁をはさんで連なる。構法は単純で、磚(レンガ) を積んだ壁 りの並べ方で交互に積んでいること ら物資を集めるネットワークが濁水 かる。梁間方向には、柱の に、杉丸太の床根太や母屋を差し込み、 そこに床板、 野路板をのせる。 24 段目( を構造化した。逆に福建から台湾へは スパン約3mのアーチをかけて亭仔 多彩な加工品とともに木材や磚(レン 図5 北斗窯が営まれたが、 宮前街 39,41 断面図 17 世紀のオランダ時代以来、台湾各地に磚を焼く る。a-1 面と a-2 面を放射方向に1列 ことで(船のバラストでもあった) 、 * 明治大学理工学部建築学科 教授・博(工) 鹿港のような貿易港では大陸から運搬されたものが使われ、 一方杉 計 2 段の成をもつアーチである。ア 州同様の町屋の都市組織をかたちづ ** 同大学大学院理工学研究科 博士前期課程 壁)が積まれ、これに差し込んだ木製 我々はB類型=対岸港市(沿海部)と捉 丸太材は完全に福建産の移入品であった。 階の化粧床組とする。桁行方向には、 柱 ト数は清朝末期で優に 1000 を超えて mの高さ)に乗るかたちでスパン 5.2 他方、C 類型=中継港市(扇央部) p100 台湾 領域史研究 『町家の材料・構法的差異から捉える台湾濁水渓河系の領域』 端部はハンチをつくる。梁の内部には 資集散の中間拠点である。いわば鹿港 0
0.5
1
2
3(m)
Territorial Configuration of Lôchúikhoe また他方で河川氾濫による市街地の From the Perspective of Material and Co され、資本が建物に転化されず、仮設
ように、 が強く、 が多い。
構法: 斗式 材料:竹
北斗 竹造町屋 母屋:刺竹Φ 100
屋根:トタン 割竹
湾濁水渓河系の領域 その2 から南の
貫:竹Φ 50
ほどの宅 建系の 壁:竹小舞 正会員 青井 哲人 * 正会員 吉田 光 ** 漆 のだ。植 同 伊沢 尚 ** 100 同 寺澤 宏亮 ** 柱:刺竹Φ 同 水原 優華 ** 査の三) 同 ⃝ 越中 玲衣 ** 図 7 北斗 宮前街 17 断面図 も中南部 0
1
2
3(m)
構法:洋式 瓦造 1 北斗 亭仔脚 ハイブリッド(断面図比較 ) 田中 表瓦造亭仔脚 材料: 瓦・一部 RC
に経済的 市 : 鹿港、 述のごと その差異 ている。 という観 小さい。 街として 家屋の事 それらの 靭性が高 画の作用 90mm) 末までの 。梁間方 な領域再 互いの貫
ܽʁ5& ʹ ɻʤٌড়Νరͤͳ۔Ζʥ
a-3
(a)
ʁẄ ʹ ʹ ע
a-1
জʁ൚ ࠞଢʁࡒ
所在地 柱
宮前街 44 宮前街 55 木モルタル
竹
(b)
ʁẄ ʹ ʹ ע
宮前街 50
鉄骨
挿し肘木 軒下:竹
宮前街 20
a-2
宮前街 32
鉄骨トラス
鉄骨
鉄骨トラス
×
×
×
× × 鉄骨トラス 竹 木 の門(扉) 斜材 (a-a-a) (b-b) 竹 竹 竹 竹(一部木) 竹 母屋 図 6) 。 竹 竹 竹 竹 竹 葺き材 した都市 木を 間 湾濁水渓河系の領域 その1 統治の拠 は茅ある 図 1-1 田中 員集路44 415 断面図 いて考察する(表 1) 。宮前街 では柱が檜とコンクリー 町屋が 内に竹小 表 1 各亭仔脚の部材寸法の比較 構法:木造 斗式 トに置換されるが、木注に丸穴が たれて竹の貫が通され あげた新 正会員 ⃝ 吉田 光 ** れるが、正会員 青井 哲人 竹山 木造亭仔脚 * ܽʁ5& 柏・紅檜材) 同 伊沢 尚 ** 材料:木材( 同 寺澤 宏亮 ** るなど構法は伝統的な 斗式の意識が残る。しかし宮前街 ࡒ ྌࡒ ྌG
ܽʀಓࠫࡒ ࡒ ౌΕྌ ྌG
並んでい だった。 同 越中 玲衣 ** ਪʁࡒ G 同 水原 優華 ** ళҬʁ൚ 55 では突き出した貫と挿肘木の下部を支える柱が鉄骨と ʹ ʹ ԥ֙ ʹ 見せる。 m 内外で ྌʁ5& ʹ ʹ ԥ֙ ʹ Բʁࡒ ʹ 50 では軒は竹の登 なり、 斗式ではない。さらに宮前街 ʤٌড়Νర͏ͱ͢ͳ۔Ζʥ ためか側 ほどの一室空間をなす。この突き当りの壁に神明(神)や ౌΕྌʁࡒ G ʹ ʹ ࢃ࿑ ʹ り梁になり、宮前街20、32ではその材料が木や鉄骨ト 火後に竹 めに、柱 ʹ ԥ֙ 水渓の流 公媽(祖先)が祀られる(図1) 。 ܽʁࡒ ʹ ラスなどに変化する。母屋や葺き材は竹が残るが、柱と軒 に更新さ せる。植 ʹ Ծԥ֙ ʹ 角から台 構法は単純で、磚を積んだ壁に、杉丸太の床根太や母屋 架構は漸進的なハイブリッドや根本的な変化がみられる。 は3∼7 3020 が伝統的 ྌʁࡒ G ʁࡒ ʹ 本報・次 を差し込み、そこに床板、野路板をのせる。つまり無柱 材木の生産流通 5 まとめ ʁࡒ ʹ 。このと の材料・ 図 空間をつくる。面路部では、1 進目正面壁が道路境界から 1-2 田中 員集路 414-415 立面図 図 1-3 田中 員集路 419 断面図 以上の 2 例に、横街 47、横街 53、竹山路 151 の調査 以上のふたつが濁水渓流域の都市にみられた伝統的な に基づい えること 840mm ほど下がり、両側壁が 100mm ほど突き出て袖壁 ֦ఀٯ෨ࡒ๑ർֳ 町屋の材料 ・構法の二種である。鹿港にみる町屋の形式は、 例を加え、亭仔脚まわりの木材の、部位別の寸法比較表を が、これは田中ではよく見られる。植民地初期の鉄道需要 が現在の に洋式 朝末期の、 となるが、その上部が軒(出展起)となる。屋根は赤土色 作成した(表 1)。おそらく施工時の仕上げ・調整が加わっ による輸移入材がやがて民生利用に放出されたものであ る。員集 を木材、 他の都市では突出した富商にみられる程度で、北斗のよう :田中/ の平瓦や丸瓦を葺く。17 世紀のオランダ時代・ 氏政権 ているだろうが、同表からは、120mm, 150mm, 160mm, な竹造町屋が一般的であった。 ろうか。梁上に 2 階壁面が積み上がり、左右相称の 3 つ 瓦造町 の考え方 時代以来、台湾各地に磚を焼く窯が営まれたが、鹿港のよ 180mm, 200mm など一定の断面寸法に集中する傾向は の窓をうがち、頂部にはペディメントや欄干のような装飾 った。 4000 屋の実測 うな貿易港では大陸から運搬されたものが使われたよう * 本稿は、科学研究費補助金・基盤研究 (B)「台湾都市史の再構築のため つかめた。濁水渓上流部の水里・集集などの製材所で加 瓦の組み合わせでつくられる(図 1-2)。立面の肌理 部では、 が 変質につ に活発化 だ。他方、杉丸太材は完全に福建産の移入品であった。 の基盤的研究:都市の移植・土着化・産業化の視座から」 図 2-1 竹山 横街 45 断面図 工された流通材だったのではないかと思われる。竹山は、 は 瓦の a-1 面と a-2 面とその縦横の向きを変えた、つご 100*60 は 1784 (代表:青井、2015.04 ∼ 2020.03)の助成を受けた Բʁࡒ Љʻ 構法:組積造、 斗式 1960 70 年代まで山間部と平野部をつなぐ木材取引の拠 う鹿港 4 種類でつくられるが、前稿の鹿港の町屋正面のよう 60 の面 磚造町屋 ܽݤʁࡒ ʹ 研究成果の一部である。 人たちは、 材料:磚、杉(丸太) 点であった。 に a-3ɻड़ܽʁࡒ G 面を見せる積み方は見られない。 と呼ぶ。 位とし、 葺き材:桟瓦 濁水渓の上流に控える阿里山では、1900 1915 年の間 母屋:杉丸太Φ 180 参考文献: 青井哲人「竹の都市 ── 台湾濁水渓河 実測例 (2) 田中・員集路 419:ここでは梁間方向が組 ト基礎の 梁方向貫 。台湾か ؑʁࡒ G に林業鉄道、製材所等の営林機関が整えられ、林業開発が 系の内陸河港都市群と竹造町屋の史的意義」 , 『水都学 積アーチでなく RC 梁とされる(図 1-3)。梁間・桁行の 2 )の2通 が、それ 本格化した。鉄道は南の嘉義市に接続し、その北門付近に II』 ,法政大学出版局, 2014 年 3 月, 青井哲人ほか 「台 ؇ ؔ ʁࡒ ʹ 方向の RC 梁は一体で 瓦柱上に乗る。20 世紀初期に登 ンから分 ಓࠫʁࡒ ʹ して地域 湾彰化縣北斗鎮市街地における竹造町屋と都市変遷過 大規模な製材所集積ができたが、濁水渓流域につながる竹 場した田中では、町屋間口が伝統的町屋よりやや広く(約 m)から 味料等の 程に関する研究 その1∼4」 (日本建築学会大会学術 5m)、間口(桁行) 方向には例外なく RC の横架材を使うが、 山にも木材産業連関が展開した。製材・流通材の主役は、 けをつく らされる 講演 概集,2013.08) 前街 39,41 立面図 柏や紅檜(いわゆるタイワンヒノキ)であった。 梁間方向(亭仔脚奥行)の3mは 瓦の組積アーチと RC いに積む 壁:レンガ 資本は泉 ௪͢ʁࡒ ʹ 5. おわりに *Professor, School of Science モルタル & Technology, Meiji University, Dr Eng. 壁(戸境 Master’s Course, Graduate School of Science Technology, Meiji University ؑʁࡒ G& の鹿港を ** 梁の両者が偏りなく採用される。本事例のように2階床裏 田中に見られた洋式 瓦造の連棟式町屋への共同化は、 により 2 (亭仔脚上部)を板天井とする例も少なくない。 町屋ロッ 2939 4050 台湾全土の市街地で進んだ現象であり、濁水渓流域でも 洋式 瓦の生産 (約 2.9 図 2 鹿港 大有街 12 断面図 西螺や北斗のように町屋ロット 200 を超えるような街か かかり、 17 世紀以来、台湾各地に漢人による磚石の窯が営まれ、 図 2-2 竹山 下横街 31 断面図 上述の物 ら、二水や二林のようなロット 50 前後の街までごく一般 鹿仔門・鹿港・淡水等の主要港市を通じた福建からの輸入 p101 れている 磚と併存していた。日本植民地初期には先述の鉄道事業が 立面の素材比較 市であり、 的なものであった。そのうち、北斗は濁水渓の扇状地を流 ver Fan *Akihito AOI **Nao IZAWA **Rei ETCHU **Kosuke TERAZAWA あり、それに伴う巨大な 瓦需要に応えた企業を母体とす 鹿港の旧市街では、日本植民地期の道路拡幅に際して が繰り返 れる 19 世紀の主流東螺渓が 1920 年までに完了する総督 f竹造町屋 TownMIZUHARA ** Hikaru YOSHIDA **Yuka る「台湾 瓦株式会社」(1913 創立)が、1920 年代末ま 楼をもつ近代町屋に改造された中山路等をのぞき、清朝時 ેخʁαϱέϨʖφ
P
2590
ϘυΡϟϱφ෫ཱིͬ͝ʁẄ ʹ ʹ ע
1500
ปʁẄ ʹ ʹ ע
ܽʁ5& ʹ ɻʤٌড়Νరͤͳ۔Ζʥ
0
0.5
2
5(m)
0.5
1
3500
0
5000
5200
2280
0
0.5
1
2
3(m)
3030
0
0
0
0.5
2
0.5
P
1
2
3(m)
0.5
1
3(m)
2
3(m)
10
福島アトラス 06
15020m
図 1 鹿港 磚造町屋 『Excaving Home-Land - ふるさとを発掘する -』展
Territorial Configuration of Lôchúikhoe From the Perspective of Material and C house.PART1
除染の経過のインフォグラフィックス 福島アトラスは、東日本大震災の津波と放射能被害により刻々と書き換えられている福島の環境世界の変化を地 図に記録していくプロジェクト。 わたしが参加した2020年度は、汚染と除染の過程を地図にまとめている。 わたしは、 環境省と除染12市町村がバラバラに公開しているデータをとりまとめて、 インフォグラフィックスを作成する作業を中 野デザイン事務所と共同でおこなった。放射能を運ぶのは水である。 つまり尾根線によってエリアをかき分けること が、汚染水の流域区分を示すことにつながる。右上の図(イスナデザイン作) からはそのような環境認識がよくわかる。
p102
福島アトラス06 『Excaving Home-Land -ふるさとを発掘する-』展
断面図
iver Fan f Town-
で、これに梁、登り梁、母屋が組まれている。垂木は成が 袖壁:レンガ モルタル 小さく、細かいピッチで配られるが、これは漢人の伝統が 壁:レンガ 無意識に残るのだろう(図 2-1)。建物本体も木造で、貫 壁:木 で固められた柱が直接に母屋を承ける、いわゆる 斗式の 袖壁:レンガ 腰壁:石材 構法形式をとる。 実測例 (4) 竹山・下横街 31: 亭仔脚部分が総 2 階と 図 3 鹿港 大有街 12 立面図 図 4 鹿港 瑶林街 16 斗式であ 立面図 なる事例である。2階部分をみればやはり木造 0
0.5
1
2
3(m)
ることが分かるが、登り梁が入る交雑を示し、亭仔脚の柱 *Akihito AOI **Nao IZAWA **Rei ETCHU **Kosuke TERAZAWA **Yuka MIZUHARA **図 Hikaru YOSHIDA のみ 瓦造としている(図 2-2)( 2-3)。 * 明治大学理工学部建築学科 教授・博(工) ** 同大学大学院理工学研究科 博士前期課程
れていった都市組織をつくり変えながら現出した、近代の 景観であることを忘れてはならない。
* 本稿は、科学研究費補助金・基盤研究 (B)「台湾都市史の再構築のため の基盤的研究:都市の移植・土着化・産業化の視座から」(代表:青井、 2015.04 ∼ 2020.03)の助成を受けた研究成果の一部である。
参考文献: 陳頴禎「台湾阿里山における植民地産業開発にともなう地域・ 都市・集落の再編に関する研究」(明治大学博士学位論文、2017 年 3 月), 翁靖傑「日治時期台灣近代建築建築材料紅磚的使用之研究−以商標作為 建築編年的初步探討」 (中原大學文化資產研究所(台湾)碩士論文、2011 年) *Professor, School of Science & Technology, Meiji University, Dr Eng. ** Master’s Course, Graduate School of Science & Technology, Meiji University
除染の大地の時間変化を直観でみせる 福島県広野町で行われた地域展示「Excaving Home-Land -ふるさとを発掘する-」 に展示した<除染のスケール>。
google mapの航空写真を別々の時間で切り取ってコラージュすることで、除染による環境世界の変化を説明している。
近寄ってみると、 グリットの右下に航空写真撮影時の 日付が記されている。除染によって大地が書きかわる 様子を目追える仕組みになっている。
展示の仮説会場は、壁面に窓や分電盤の邪魔が多 いため、 それらをキャンセルすべく、 スケルトンの壁を 用意した。荒っぽい骨の上に独特の浮遊感を再現し ている。各パネルと柱はマジックテープで留めている。
p103
- ブリコラージュ作品認定プロジェクト -
﹁
11
ブリコラージュ共和国
れているのではないか。 そのような問いから始まった のがブリコラージュ作品認定プロジェクト 「ブリコラ ージュ共和国」。 ブリコラ共和国では独自に定めた 「ブリコラージュ憲法」 と 「入国審査項目」 があり、 そ こに記された禁止事項をクリアした作品だけがブリ コラージュ共和国への入国を許される (ブリコラージ ュ会員としての作品の名誉が保証される) という設
https://sites.google.com/view/bricolage-republic/
定だ。 また、入国が失格となった作品たちは、 なぜブ リコラージュと認められなかったのか、 その理由を抵 触した禁止事項と 「体系移行図」 による解説を添え てサイトにアーカイブされていく。 「体系移行図」 とは ブリコラージュの本質である体系の越境を図に示し たもので、 ブリコラージュ作品でないものは、 この図 の中のどこかにエラーが生じる仕組みになっている。 このプロジェクトは研究室縦割り6人のチームで企 画立案から憲法立案、サイト作成まですべてを行っ ており、私はこのリーダーを務めた。 レヴィ・ストロース の 『野生の思考』 の読解によるブリコラージュの概念 の理解からはじめ、 さらに実際にブリコラージュを定
ブリコラージュの 「7つの禁止事項」
義していくためにはどのようなルールを設けるのが適 当なのかを、具体的な作品をあたってひたすら検証 していった。 その成果こそが、 「ブリコラージュ憲法」 に記した 「7つの禁止事項」 と 「体系移行図」 である。 ぜひQRコードからサイトをご賞味いただきたい。
審査委員会による入国審査会議
p104
ブリコラージュ共和国 - ブリコラージュ作品認定プロジェクト-
﹂の言葉の誤用を正す︒ bricolage
建築界では 「ブリコラージュ」の言葉の誤用があふ
p105
これは合格!
ブリコラージュ共和国 - ブリコラージュ作品認定プロジェクト-
ピクセル利用は禁止です︒
目的が先行した資材収集は禁止です︒ p106
意味の変わらない転用は禁止です︒
脈絡のない構造は禁止です︒
p107
私の建築バイブル 私の研究バイブル 11 選 中谷礼仁 『セヴェラルネス + ―事物連鎖と都市・建築・人間』 鹿島出版会 2011/3/1
構築物が時間の中で転用を繰り返している 「事物連鎖」 について、西洋から日本まで広範に例をひいて 容易な言葉で説明されている良本。B3のときに読んだが、後で調べることになったアルルの円形闘技場 もアルド・ロッシもここですでに紹介されていたことを思うと、読み返しがいのあるバイブル。
エドワード レルフ 『場所の現象学―没場所性を越えて』 筑摩書房 1999/3/1
人間が場所に対してどのような認識をもってるのかを懇切丁寧に論述された本。場所の認識の段階を 類型化して説明している。人間が場所と最も親密になっている状態はまさに 『生きられた家』 のように場 所で起こっている事態を自分事のように同化してとらえている状態だという見解が印象的だった。
藤森照信 『看板建築』 三省堂 新版 1999/7/1
研究の対象として誰にもまったく扱われてこなかった明治期の看板建築について、唯一まともに論じて いる貴重な本。卒計のときにはお世話になった。関東大震災の復興町家が、立面をパレットにして、 そこ に洋風のデザインを施すことを商店同士で競い合った。微妙に江戸的趣味が残っているのがおもしろい。
山本 理顕 『地域社会圏主義』 LIXIL 出版 増補改訂版 2013/9/1
B1のときにはじめて読んだ建築本で思い出深い。当時のわたしは、建築という物体でしかないものが、 社会コミュニティとか地球環境とか経済活動とか色んなものを飲み込んで、 ここまで統合的に提案でき るなんて凄すぎると激しく感動した。今読み返しても、社会的問題をよく踏まえているいい提案だと思う。
ロバート・ベンチューリ 『建築の多様性と対立性』 鹿島出版会 1982/11/1
都市の中に転がっている建築がもっている意味の二重性、曖昧性、要素の対立性などについて、 ひたす らに例をあげて論証している。例示型で掴みどころはないが、 ベンチューリの趣味や態度表明はよくわか る。多くの建築家に愛読されている本でもある。
港千尋 『洞窟へ―心とイメージのアルケオロジー』 せりか書房 2001/7/1
たぶんはじめて読んだ建築以外の本格難解本。洞窟壁画の分析を通して人類のイメージの起源に迫っ ている。洞窟の体験と、人類が洞窟にイメージを投射するに至るまでの脳のプロセスを、 パラレルに語っ て 「運動」 という言葉でまとめている。記号論による考察が散りばめられており、非常に勉強になった。
クロード・レヴィ=ストロース 『野生の思考』 みすず書房 1976/3/1
構造主義ブームをつくった世界の名著。未開社会の世界認識のあり方の 「具体の科学」 であるとし、彼 らが神話などを用いて自然界と社会規範を対応させることで、見事に安定的な象徴世界「冷たい社会」 を作り上げているのだと説明している。後に批判される論ではあるが、 それでも基礎として読むべし。
浅田彰 『構造と力―記号論を超えて』 勁草書房 1983/9/10
フランス現代思想の構造主義から脱構築までの流れを超ダイジェストで伝えてくれている本。 『野生の 思考』 とセットで読むべし。秩序とカオスは二元論でなく、 それらを常にズラして脱構築する 「力」 に着目し ている。我々は、近代社会のあらゆる行き詰まりに対して、 ズレをおこし続ける道化であれと主張している。
ピエール・ヴィットーリオ・アウレーリ 『プロジェクト・アウトノミア』 北川佳子 訳 勁草書房 1983/9/10
イタリアの近代建築運動が政治的なものに激しく突き動かされてきたことがよくわかる本。資本社会の経 済成長と共鳴して、都市が無限に増殖していく構想が描かれていた当時のイタリア中のムードに対して、 アルド・ロッシらが、都市形態を参照した 「閉じた建築形式」 によって激しく反発していたのがわかる。
陣内 秀信 『イタリア都市再生の論理』 鹿島出版会 1978/11/30
ティポロジアの基本のき。専門柄、 この本は外すことができない。近代的な開発で壊されてきた歴史地区 の問題に対し、街区中の建物の連続平面図をとりながら、群としての都市形態と建物のロットの類型を 時代ごとに把握することで、 それをもとに街区の修復計画を練るというもの。
北山恒、塚本由晴、西沢立衛 『TOKYO METABOLIZING』 TOTO 出版 2010/7/30
第12回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館のカタログ。 ここで北山恒と塚本由晴が語る都市論 は、木造の粒が集まっているだけという日本の都市の実態の中で、 「ティポロジア」 の理論をどのようにし たら展開することを試みたものだと思われる。 このモチベーションに激しく共感する。
PORTFOLIO 2016-2021
寺澤 宏亮 テラザワ コウスケ /
Terazawa Kosuke