por t folio
2016 - 2020 yui kitamura
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profile
唯
目指していること
気づきを与える誠実なデザインでより良い方向へ向かうこと できること 気づきを言葉にすること 言葉で考えること 人が考えを言語化することをサポートすること 批評的なフィードバックをすること
それらを活かして、 人と共創すること が得意です。
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01 経歴
04 趣味 読書・洋画観賞
首都大学東京システムデザイン学部インダストリアルアートコース卒 - インテリアデザインスタジオ所属 東京都立大学システムデザイン研究科インダストリアルアート学域在学中 - インテリアデザインスタジオ所属
05 スキル Adobe
大学生になってから洋画を見ることや小説を読むことにハマっている。現象をどうい
Illustrator
Premiere Pro
う言葉で説明するかということに興味があり、映画や小説で出会った気になるフレー
● ● ● ● ●
● ● ● ● ○
Photoshop
After Effects
● ● ● ● ○
● ● ● ○ ○
InDesign
XD
● ● ● ● ●
● ● ● ● ○
ズを集めている。 - メモリィチップを埋め込んで|https://scrapbox.io/mileletter/
02 実績 2018 博報堂ブランドデザインコンテスト BranCo!2018 SECOND PRIZE
Lightroom Classic
東京都産学 島しょエリアの産業活性化プロジェクト
● ● ● ● ○
2019
3DCG・CAD
SPEED FLAT 2019
Cinema 4D
Auto CAD
荒川区地域産業活性化研究
● ● ● ○ ○
● ● ○ ○ ○
静電植毛デザイン研究会 Fusion360
IDREIT に「スパイラルチェア」掲載
● ● ● ○ ○
ゲーム 2020
大学 4 年の秋ごろからオンラインゲームの楽しさに気づき、最近は splatoon2 で遊ん
SPEED FLAT 2020
でいる。勝つための方法を考えてウデマエを上げることが楽しい。
web・programming
静電植毛デザイン研究会
HTML
CSS
JS
python
富士通 冬季インターンシップ
● ● ● ● ○
● ● ● ○ ○
● ● ○ ○ ○
● ○ ○ ○ ○
コニカミノルタ 冬季インターンシップ
06 記事
03 コンタクト
https://note.com/yktmr 2 ヶ月オンラインだけ
レーザーカッター の
水泳
でプロジェクトを進め
カット順をコントロー
小中高と背泳ぎの選手をしていた。太陽に近い屋外のプールと水に浮かんでボーッと
た話
ルしたい!
twitter @_yktmr
することが好き。高校では競泳の傍ら、毎年文化祭でウォーターボーイズ公演を行なっ ており、企画運営やビジュアル制作を担当する中で「人に何をどう体験してもらうか」 について考える面白さに気づく。
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これまでやってきたこと
01 人の感じる心地よさをつくることで課題を解決する 人とものと環境の関わり合いやそれぞれのバランス感を重視し、人の感じる心地よい状態を広く実現・提供することで、
ある現象や行為、技術に着目し、調査・分類・実験・試作を繰り返すことで得た知見を元に、
社会の抱える課題に対してデザインの力でできることを模索し、提案してきた。
新しい表現やその手法を生み出すことに挑戦してきた。
自分や周りの人の体験を注意深く観察し、得た気づきを突き詰めて考えることで答えを出す。
個人の直感やスキルに依存しないクリエイティブな表現を追求している。
01:わらもん
UX design / editrial design
02:STARBUCKS SEATS
03:荒川読歩
UX design / editrial design
04:CALLOUT
05:ナガラゴト
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02 現象や行為、技術の研究を通して新しい表現や手法をつくる
UX design / UI design
UX design / web design
06:静電植毛技術を用いた表現手法の研究
UX design / UI design
08:レーザーフロッタージュのオマージュ
07:スパイラルチェア
furniture design
03 専攻分野に囚われないクリエイティブをつくる
other works「やってみたい!」を手当たり次第始めてみる
所属している研究室の専攻分野であるインテリアデザインに留まらず、
気になったことや思いついたことをすぐやってみたくなる性格なので、
映像やパッケージ、プロダクトなど、様々な作品を制作してきた。
最後までうまくやりきれるかは度外視でとりあえず手当たり次第に始めてきました。 始めただけで終わらないものがあることも事実なので、やり切れたものもそうでないものも掲載します。
09:Shibuya Culture Bomb!
11:切れ込みのあるふろしき
Graphic design / movie
product design
10:文庫ラップ
product design / editrial design
01:IKEA 風あつ森インテリアカタログ
02:卒業生へのサプライズ「せんぼんびき」
03:レーザーカッターのカット順を制御する
04:折り紙パズル(未完)
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01 6
これまでやってきたこと
人の感じる心地よさをつくることで課題を解決する 0 1 :わらもん
7-14
02 :STARBUCKS SEATS
15-22
03 :荒川読歩 南千住編
23-30
04 :CALLOUT
31-38
05 :ナガラゴト
39-46
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01 家族のわらい日記「わらもん」 UX design / book design
博報堂と東京大学教養学部が共催する 大学生のため のブランドデザインコンテスト 「BranCo!」に向けて制作し た作品。大学の同期 5 人でチームを作り、コンテストのテーマである「笑い」に沿って、家族間での何気ない笑い を共有・記録し、カルタ遊びをしながら振り返ることのできる絵本型プロダクトを提案。
期間 学部 2 年 3 ヶ月 成果物 絵本型プロダクト 受賞歴 BranCo!2018:SECOND PRIZE
担当したところ 「笑い」に関する調査、定義づけ コンセプトの決定 アイデア出し プロトタイプの制作 - プロダクト本体 - キャラクターデザイン
プレゼンテーション - 発表の流れ - スライドの準備 - コンセプトムービーの構成 - コンセプトムービーの制作
成果物の撮影と現像
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目指したこと
笑いの可視化を通して、 家族間の双方向的な伝え合いを習慣化すること
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わらもん
家族 みんなで 笑ったことを形に残す「わらもん」 絵日記とカルタを融合させた絵本型のプロダクト「わらもん」 。日々の暮らしの中で笑いあった ことをカードに書き込むことで、オリジナルのわらいカルタを作る。カルタを作っていく過程 では、親が意識的に子供との対話時間を確保することや、子供が自発的にその日の楽しかった 出来事を話すことのきっかけ作りに役立つと考えている。また、一冊のカルタを完成させた後 には、カルタ遊びを通して日常の何気ない、けれど掛け替えのない思い出を振り返ったり、い つもは一緒に生活していない家族とも出来事を共有できることが魅力である。
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details
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カードを埋めるとキャラクターが笑顔に
わらうことが大好きなキャラクターたち
子供たちに喜んでもらう工夫として、カードにエピソードを書き込むこ
子供たちが主体的に「わらもん」を楽しめるようにキャラクターを設定
とで初めは無表情だったキャラクターが笑顔になる仕組みに。カードを
した。キャラクターストーリーを通して「わらもん」の使い方をイメー
収納するページの隣では、様々なキャラクターが「きょうはどんなこと
ジさせたり、新しいカードを書くことへのモチベーションを維持させた
でわらったの?」と問いかけている。
りしている。
how to 誤飲を防ぐ大きめのカード
01 ウッキッキー!が家族のブーム
04 カードをはめてわらもんを笑顔に
02 無表情のわらもんからカードを取り出す
05 遊びながら思い出を振り返る
03 カードにわらいエピソードを書く
06 子供が大きくなってから見返してみる
キャラクターの口でもある 2 枚 1 組みのカードは、一般的なカルタカー ドよりもひとまわり大きいサイズになっており、1 冊につき 12 組入っ ている。子供が誤って飲み込む心配はなく、また、絵や文章を書くのに も十分な大きさである。
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笑いに関する調査・定義づけ 01 実体験にフォーカスした議論やアンケート調査 笑いに関する研究結果を調査することだけでなく、自分たちや身の回りの人の実体験 に焦点を当てて議論やアンケート調査を行い、 「笑いとは何か?」の定義づけを行った。 諺やオノマトペといった笑いに関する言葉や、愛想笑いや思い出し笑いなどの種類、 標準語と関西弁での違いや、いじりといじめなど、思いつく限りの笑いやそれに関連 する事象を比較しながら、取り上げる笑いを検討した。
02 議論から導き出した「笑い」の特徴
03 議論から導き出した「笑い」の構成要素
一人よりもみんなで
内容への共感が笑いに繋がる
笑い = 内容への共感 + 相手への好意
アメリカの心理学者ロバート・R・プロバインの笑いに関する研究によると、人間は一
会話の中での笑いでは、話題についてよく知らないとどんなに面白い内容でも笑えな
会話の中で笑うためには、内容への共感だけ
人の時よりも人といる時の方が 30 倍も笑いやすくなるらしい。
い。笑いが発生するためにはある程度前提を共有していることが必要不可欠。
でなく、話している相手や話題になっている
共感
人への好意の有無も重要な要素。二つの要素 が組み合わさって、発生する笑いの大きさが
仲が良い人との方が笑いやすい
笑ったことの内容は忘れやすい?
メンバーの体験談から、家族関係では笑いの内容に対する共感度合いに関わらず、他
自分たちの普段の会話体験を分析したところ、たくさん笑いあったということは覚え
の人間関係に比べて一定の笑いが発生しやすいのではないかと気づいた。
ているが、何について笑ったのかという内容は忘れやすいということがわかった。また、 笑ったことの内容を覚えている人の方が会話の満足度が高かった。
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決まっていると考えた。
好意
コンセプトの決定 01 笑いとは「無意識のスキンシップ」である
プロトタイプの制作 カルタカードが収納された絵本型プロダクト
話している相手や、話題に出ている人に対する好意があるからこそ笑うことができ、
プレゼンテーション 01 一次予選:5 分間のプレゼンテーション 計 24 グループが二次予選への進出権を得る。私たちはブロック2位通過であった。
笑い合うことは無意識にお互いへの好意をやりとりすることだと考えた。
02 二次予選:15 分間のプレゼンテーション
02 好意の笑いは振り返りの笑いへと連鎖する
15 分間のプレゼンテーションと審査員による質疑応答を行った。一次予選での審査員 内容への共感だけでなく、お互いへの好意の上に成り立つ笑いやその出来事は、振り
のコメントや、博報堂社員であるメンターさんの指摘を受け、ブラッシュアップした
返ることで懐かしさを感じられ、新たに「思い出笑い」を生むことができると考えた。
内容を発表。実物大のプロトタイプに加え、大きいサイズのモックと、使用シーンを 伝えるコンセプトムービーを用いた。各ブロックから 1 グループが選出され、計 4 グルー
03 笑いを可視化することで思い出しやすく
プが決勝へと進出した。
笑ったことは記憶に残りにくく、また、人によっても覚えている部分が異なりやすい ことから、同じことを同じように思い出して笑い合うことは難しい。笑い合った内容 を共に可視化することで、振り返りやすくなると考えた。
本の構成 絵本に登場するキャラクターの紹介、 「わらもん」の使い方などについてのストーリー、 そこで、
カードを収納するページに加え、4 ページごとにキャラクターたちのわらいエピソー ドが描かれている。
表紙 お互いへの愛情を伴う「親子間での笑い」を可視化し、 振り返ることで「思い出笑い」を生む
キャラクター紹介 「わらもん」を説明する導入のストーリー
03 最終審査:15 分間のプレゼンテーション
カードのページ ×4
二次審査後すぐのプレゼンテーションであったが、結果発表を待つ間に少しプレゼン
- キャラクターによる問いかけ
の構成を修正。銀賞を獲得した。
- 1 セットのカードを入れるページ
絵日記とカルタとを融合したプロダクト 「わらもん」を制作
キャラクターのわらいエピソード
「わらもん」の遊び方を説明するストーリー 裏表紙
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02 STARBUCKS SEATS UX design / web design
スターバックスを対象とし、「cafe experience for future」がテーマの授業課題。これからのスターバックスを担うビ ジネスモデルの一つとして、身近な自然を楽しむきっかけになるドリンクスタンド型店舗を DX と絡めて提案した。
期間 修士 1 年 1 ヶ月 制作形態 グループでの制作 成果物 ビジネスモデル、web サイトのモックアップ、(展開するとシートになるショッパー、デジタルサイネージ)
担当したところ スターバックスやカフェに関する調査や情勢についての考察 コンセプトの決定 アイデア出し サービスの設計 プロトタイプの制作 - 特設 web サイトのモックアップ - 展開するとシートになるショッパー - デジタルサイネージ
プレゼンテーション - 発表の流れ - スライドの準備(制作担当分) - 発表(コンセプト、事業形態、制作担当分) - イラスト
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目指したこと
身近な自然に目を向ける時間をつくること
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スターバックスを今日は川辺で 新しい物事への興味・関心の入り口として機能している特別なスターバックスの店舗に、座席 を持たないコーヒースタンド型店舗が仲間入り。店舗に座席がなくともこれまで通りにコーヒー と居場所を提供し、身近な自然の景色と音を楽しみながら、自然や環境について知るきっかけ を与える。
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location & target
service flow
01 川辺にあるテイクアウト専用の店舗
注文を受け取る 運動や気分転換、日用品の買い物など、近所に外出する際のお供として
座席を持たない、テイクアウト専用のコーヒースタンドのような店舗。河川敷があり
STARBUCKS SEATS 専用の店舗でドリンクやフードをテイクアウトする。
川の近くで休憩できるような場所を想定しており、地域の特産品や景観をイメージし たオリジナルのドリンクまたはフードを提供する。取り上げる川は、身近な川から観 光名所として知られる川まで様々。モバイルオーダーに対応し、シームレスに商品を 受け取ることが可能。
落ち着く場所を探す
02 これまでのスターバックスとは異なる客層もターゲットに
店舗近くの河川敷を散策したり、自宅に帰るまでの道中で ちょっと座って休憩できそうない場所を探す。
日常的にスターバックス を利用している人はもちろんのこと、これまでの店舗では利 用しづらかったであろう小さいお子さん連れの方や、ペットの散歩中の方など、新し い客層もターゲットとして取り込むことができる。自然環境への関心の入り口になる とともに、普通のスターバックスに足を踏み入れるきっかけとしても機能すると考え られる。
座って楽しむ 商品を受け取った際の紙袋は、 展開するとちょうど一人用の簡 易レジャーシートに。 荷物もお ける大きさになっているので、 気軽に飲み物と自然を楽しめる。
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details 01 特設 web サイトで「STARBUCKS SEATS」を知る
02 店外に設置したデジタルサイネージで、近くの川についての興味を引く
新しい試みである「STARBUCKS SEATS」について、コンセプトや楽しみ方を知ってもらうための特設 web サイトを用意。日本の川や川の
店舗の外壁には円形丸型の水族館にあるような覗き窓をイメージしたデジタルサイネージを搭載。付近の川辺にいる生き物や水質、水温な
水質環境などへの関心のきっかけを作るためのメッセージを掲載したり、川の水面写真から各地にある店舗を見つけることができる仕組み
どの情報がグラフィカルに提示される。web 上だけでなく店舗の外で視覚的に情報を提示することで、STARBUCKS SEATS を利用されない
を採用。それぞれの店舗の個別ページでは、地図やオリジナル商品の PR に加えて、降水量や水流の速さ、生息している主な生き物につい
方の目にも入る可能性があり、地域自体の意識向上にも貢献できると考えている。
ての詳細を掲示している。 サービスのイメージを伝えるトップページ
コンセプトを伝えるホームのページ
店舗ごとのページ
流速
水深
透明度・色
水温
生き物の名前 オイカワ コイ科に分類される淡水魚の一種。西日本と東 アジアの一部に分布し、分布域ではカワムツや
水温:15.6℃
ウグイなどと並ぶ身近な川魚である。
日本の川への関心を促すメッセージ
03 紙袋を展開してレジャーシートとして使い、くつろぎの時間を楽しむ テイクアウト用の紙袋兼、通常店舗における座席の役割を果たすレ 川の水面写真から、 気になる店舗をピックアップ
ジャーシートに変形する。一人分のドリンクやフードが入り、展開する と座りながらも荷物を置くことができる大きさになる。 800mm STARBUCKS ST EATS
STARBUCKS SEATS
600mm
ホバーすると
K STARBUC S S TEATS
店舗名である川の名前が表示される
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カフェに関する調査や考察
コンセプトの決定
01 ブランド力を活かしたカフェチェーンに留まらない取り組み
01 テイクアウト利用客にも居場所を提供する
様々なカフェ形態を分類・分析し、スターバックスの立ち位置について考察した。
モバイルオーダーの普及や、新型コロナウイルス の感染拡大に伴って、店舗を利用す
「STARBUCKS」という確立されたブランドイメージを活かして、普段のスターバック
ることに抵抗を感じている人が少なくない中で、従来通りの「サードプレイス」とし
スとは一味違う体験を提供する特別な店舗を展開しているところが他のカフェチェー
て機能するためには、テイクアウト利用客にも居場所を提供することが重要だと考え
ンとの大きな差でもある。一つ上のクオリティを味わえるロースタリーや、地域の特色・
た。インスタント商品の展開や、自宅でスタバ気分が味わえる YouTube 配信「スターバッ
文化を発信するリージョナルランドマークストア、地域コミュニティを重視したネイ
クスの窓」といった、自宅でスターバックスを楽しむための工夫はあるものの、自宅
バーフッド&コーヒーなど、スターバックスのサービスを通して、自然とこれまで知
と職場が一体化しているコロナ禍においては、やはり自宅でも職場でもない場所でリ
らなかった世界に触れる機会を提供する窓口の役目を果たしている。
フレッシュするための時間が必要だと考えている。
02 身近な自然のそばでくつろぐ時間の提案 多くの人が仕事や娯楽で外出する機会が激減し、運動不足に陥ったり、気持ちが沈み やすい状況下に置かれている。意識して散歩に出る人にも、そうでない人にも、身近 な自然に目を向けて、リフレッシュする時間を提案する。また、そうすることで、自 然や地球環境に対する関心の入り口として貢献できると考えている。
そこで、
02 社会情勢を踏まえた最近のユーザの傾向 モバイルオーダーの普及と店舗利用への抵抗
自然を求める気持ちの高まり
2020 年 2 月に公開された日経新聞の web コラムによると、2019 年 6 月にモバイルオー
外出自粛期間のあいだ、運動不足を解消するために公園へ散歩に行ったり、自宅の近
ダーを始めたスターバックスのアプリは、20 年 1 月の月間利用者数が 19 年 6 月と比 41% 増 べて 41% 増え、138 万人に成長したという。自分自身の体感としても、新型コロナウ
くをジョギングする人が増加していた。また、首都圏各地から自家用車を使って近郊
イルスの感染拡大や緊急事態宣言の発出に伴って、なるべく他者との接触機会を減ら
snowpeak が公式 instagram アカウントにて焚き火を見る配信を行っていたり、写真家
したいという考えから、店舗の利用に抵抗を感じていたり、対面での注文を必要とし
の濱田英明さんが SNS にアトリエから見える海の風景を収めた動画を投稿していたり
ない方法の人気が高まっているように感じる。
と、人々の中で自然を求める気持ちが高まっていたと言える。 約 138 万人
ドリンクと一緒にスターバックスの座席を持ち出して、 自然の景色や音を楽しみ、
の浜辺に出向いた人も少なからずいたようで物議を醸していたことも。加えて、
身近な自然への興味・愛着を入り口に、 自然環境への関心を抱くきっかけをつくる
約 98 万人
2019 年 6 月
2020 年 1 月
(サービス開始)
テイクアウト専門店 「STARBUCKS SEATS」を提案
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サービスの設計
プロトタイプの制作
01 特設 web サイトで知る
01 サービスの中での特設 web サイトの役割を明確にし、ページの構成を決める
「STARBUCKS SEATS」 の理念やサービスの内容を理解し、興味を引くための web サイト。 店舗の詳細や販売されている店舗限定商品についても記載する。
ユーザが「STARBUCKS SEATS」を知る最初の入り口となるため、サービスの内容や利 用の流れに加えて、「STARBUCKS SEATS」が掲げる理念を伝えたり、サービスや日本 の川についての興味を引くという役割を担う。
02 テイクアウト専門の店舗で商品を買う
わかりやすいビジュアル、とっつきやすいメッセージ
モバイルオーダーにも対応しており、接触回数や待ち時間を減らすことが可能。購入
サイトのメインターゲットはこれまで普通にスターバックスを利用していた人で、川
した商品は「STARBUCKS SEATS」専用のショッパーに入れて受け渡しする。
や自然、地球環境についてあまり知識・関心がない人がほとんどだと考えられる。
03 デジタルサイネージで近くの川について知る
川の水面写真から店舗を知る また、店舗検索システムには、店舗名となる川の名前や大体の地名から検索できるこ
店舗外壁に設置されたデジタルサイネージには、近くの川の情報がグラフィカルに提
とはもちろんのこと、視覚的に店舗を知るエンターテイメント性を持たせた。
示される。店舗外に設置することで、スターバックスを利用しない人たちにも興味を 持ってもらいやすいと考えた。
04 専用ショッパーで屋外に居場所をつくる
02 ペーパープロトタイピングによる検証 ページの流れや各要素の大きさ、組み合わせなどを検証した。
商品を購入することで手に入る専用ショッパーは、展開すると一人分の荷物やフード を置いて座れる簡易レジャーシートに変化する。店舗そばの河川敷や、帰路にある公 園など、好きな場所で自分だけの居場所を作ることができる。
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03 荒川読歩 南千住編 UX design / book design
荒川区地域産業活性化研究として、荒川の街にある地域資源の魅力を伝えるための街歩き地図を制作した。一般的 な街歩き地図や観光マップとは異なり、散策する道のりは文章のみで表現されている。実際の風景と文章を照らし 合わせながら街並みを楽しみ、選択肢に答えることで次の目的地へと誘導される、新しい街歩き体験を提案。
期間 学部 4 年:3 ヶ月 制作形態 グループでの制作 成果物 文章で読む街歩き地図 産学協同研究 荒川区地域産業活性化研究
担当したところ 荒川区の地域観光資源に関する調査 コンセプトの決定 アイデア出し 作品制作 - 作業分担など、制作のディレクション - 文章の執筆(20%) - 文章の校閲(50%) - 冊子構成 - ページのデザイン - 表紙、挿絵のデザイン
プレゼンテーション - コンセプトムービーの制作
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目指したこと
文章で読む新しい街歩き地図のデザイン
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街の魅力を読んで見て探す街歩き地図「荒川読歩 南千住編」 南千住駅をスタート地点とし、風景を描写した文章に沿って南千住の街を歩きながら、隠れた 魅力を探す新しい形の街歩き地図を制作。一節ごとに道のりが分岐する質問が用意されており、 選んだ選択肢によって導かれる道のりが異なる。明確な目的地を持たず、街の風景自体を楽し めるようデザインした。
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how to 01 南千住駅前の芭蕉像からスタート
02 描写に沿って歩き進め、分岐する選択肢を選ぶ
「荒川読歩」の使い方を読んだら、南千住駅前のロータリーに建てられた松尾芭蕉像を探し、そこから街歩きを始める。
はじめに
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選んだ選択肢によって導かれる道のりが変化する。ページを行き来しながら散策する。
【二二九】
【三八】
【一五一】
【一七八】
【一】
03 選択肢にはない道に進んでしまっても大丈夫 街を観察して面白いところを探すことが荒川読歩の醍醐味なので、時には導かれる方 向とは異なる道へと入っていくのもアリ。明確な目的地がない分、寄り道をしてみたり、 疲れたから途中で中断したり、自分のペースで楽しめるのが荒川読歩の魅力の一つ。 【一六七】
【一四四】
【一一六】
また戻りたくなったら、本の末尾にある地図を見て、一番近くのポイントから再会で きるようになっている。
【九二】
【九〇】
【六八】
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荒川区の地域観光資源に関する調査 01 荒川区にある歴史的な観光資源についての調査 インターネットの情報や、荒川ふるさと文化が発行している冊子などを元に、荒川区 にある観光資源についてまとめた。名称をはじめ、関連するキーワードや場所、現存 しているかどうかという視点で分類した。
02 調査資料を元にフィールドワークをし、資料にはない魅力を探す 旧三河島汚水処分場喞筒場施設などの史跡見学
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南千住の街でフィールドワーク
コンセプトの決定
作品制作
01 古いものと新しいものが混ざり合う街
01 地図で通る道を決めるため、再度南千住でフィールドワーク
プレゼンテーション 荒川区役所にて、10 数名の方に向けて成果報告
実地調査より、南千住では新しいものと古いものが隣り合わせに混在していることが
面白いものを発見したら写真を撮ったり、地図上でマッピングしながら、地図で通る
実際に制作した冊子を配り、スライドに実際の道のりの視点写真を表示させながら体
分かった。同じ道沿いにある建物でも右と左で建てられた時期や意匠が異なることも
道をリストアップした。
験シミュレーションを行った。皆さんもちろん荒川区に住まわれているので、見知っ
珍しくなく、対照的な建物や街の雰囲気が共存していることが魅力的だと考えた。
た街並みが出てくることにあれこれコメントをしながら積極的に体験してくださった。
テストプレイの様子をコンセプトムービーに 荒川区に住んでいない友人にお願いしてテストプレイしてもらった様子を元に、コン セプトムービーを制作。実施した日が雪だったのが残念だが、南千住の街を横断して いるのがしっかりと伝わった。
02 不思議な構造の建築物たち 街の中をよく観察すると、どうしてこうなったのだろうか?と思わされる不思議な建 築物に遭遇する。場所や用途に共通点は見られないため理由は不明だが、南千住の特 徴の一つだと考えた。
そこで、
02 分担しながら文章を執筆し、現地でのテストプレイを行う 荒川の街並みを観察するための街歩き地図 「荒川読歩 南千住編」を制作
03 文章のトーンを揃えるために用語の使い方や語尾などを修正 04 フォーマットに文章と挿絵を流し込む
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04 CALLOUT UX design / UI design
新型コロナウイルス の感染拡大に伴い、生活様式が急変した現代におけるワークエクスペリエンスや心身のバラン スを保つためのアイデアをテーマとした授業課題。在宅ワークの中で、以前のような自然な雑談休憩へと導くコミュ ニケーションツールを提案した。
期間 修士 1 年:1 ヶ月 制作形態 個人での制作 成果物 アプリケーションのシステム構成と UI 発表歴 日本人間工学会アーゴデザイン部会 2020 コンセプト事例発表会にてポスター発表
担当したところ 在宅ワークでの気分転換やオンラインコミュニケーションについての調査・考察 コンセプトの決定 アイデア出し モックアップの制作 プレゼンテーション
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目指したこと
視覚的に声をかけ、 オンライン化で失われた井戸端雑談を取り戻すこと
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オンラインでも自然に雑談を始める 人に話しかける機会が激減し、仕事中や作業中の何気ない会話が失われてしまったように感じ る。一度も発話することなく一日を終えることが難しくないこの状況では、多くの人が気づか ぬうちにストレスを抱えているのではないだろうか。CALLOUT は、視覚による即時的な声かけ を可能にし、自然な流れでこれまでのような雑談休憩へと導く。
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how to get a notice / 話しかけられる 01 作業中に画面外から絵文字が飛び込んでくる 作業開始前に CALLOUT にログインしておくと、作業をしているときに突然画面外か ら絵文字が飛び込んでくることで、同じワークスペースのメンバーから声をかけられ る。作業画面の最前面に大きく通知を表示させることで、視界に入り込んで声をかけ られるオフラインでの体験を擬似的に再現している。
送られてきた絵文字と送ったメンバーの名前
02 選択肢から返事をするか、電話をかける 送られてきた絵文字をクリックすると、周囲に返信用の選択肢が表示される。ユーザ が好みの絵文字をあらかじめ設定しておくことができ、返事として絵文字を返すと、 話しかけてきたメンバーの画面に通知が飛んでいく。電話のアイコンを選択すると、 そのまま相手に通話をかけることも可能。
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how to talk to friends / 話しかける 01 CALLOUT を覗き、話しかけられそうな人を探す 集中力が切れたタイミングや相談したいことが出てきたときに CALLOUT を開くと、 ワークスペース内でオンライン表示になっている人に声をかけることができる。ウィ ンドウに浮かんだオンラインアイコンから、話しかけたい人をクリック。
ワークスペース内でオンライン表示のメンバー ワークスペースタブの中で浮かんでいるアイコンは、話しかけることが可能な人たち である。それぞれのアイコンの上にマウスをホバーさせると名前が表示される仕組み に。役職による表示位置の差別化などはなく、それぞれの人が表示される場所は、ワー クスペース内での連続オンライン時間によって変化する。より長くオンライン状態で ある人が画面上部に表示されるようになっている。
参加中のワークスペースが表示される一覧 アイコンをクリックすることで、メインタブに表示するワークスペースが切り替えら れる。アイコンの右下についている数字は、現在ワークスペース内でオンライン表示 の人数を表している。
話しかけられない人はウィンドウの底に 話しかけることができない人は、オフライン表示としてウィンドウの底にグレースケー ルのアイコンが溜まるようにデザインした。
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how to talk to friends / 話しかける 02 人を選ぶと、相手が作業中の画面構成がポップアップする ポップアップウィンドウに表示された作業中の画面構成を見ながら、話しかけるため の通知を表示する場所をクリックして選択。話しかけたい相手との関係性によって通 知を飛ばす場所を自分で決めることができる。相手が実際に作業している様子が表示 されるわけではなく、開いでいるウィンドウの大きさや位置が抽象的に表示される。
03 選んだ場所に絵文字を飛ばす 山田 太郎 通知を表示したい場所をクリックすると、送る絵文字を選ぶためのウィンドウが出現 する。ウィンドウの中をスクロールしながら、相手の画面に飛ばしたい絵文字を一つ 選ぶ。選んだ絵文字は、画面の外から表示場所へと勢いよく飛び込んでくる仕様。相 手に通知が届く様子は、表示中の画面構成上で確認できる。
04 相手からの返事は画面右上へと飛び込んでくる 送った絵文字に対して、相手も絵文字を返してきた場合は、画面右上に外から通知が 飛び込んでくる。絵文字を送られた相手は、そのまま送信者に通話をかけることも可 能であり、その場合は送られてきた通知から電話に出ることができる。
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調査・考察
コンセプトの決定
プレゼンテーション
01 人によって好むコミュニケーション方法が異なる
01 雑談をするために連絡を取る、即時性の低さ
01 体験の流れを紹介する簡単な動画を用意
コミュニケーションがオンライン化して、人によって求める対人関係や人との距離感
学校や職場にいる友人にその場で直接話しかけて会話を始めることができた以前の状
が大きく異なることが顕在化した。ほぼ一日中友人と通話をつなげて生活している人
況とは異なり、物理的な距離が離れている分、プロジェクトのミーティングであろう
や、授業以外ではほとんど人と音声でのコミュニケーションを取らない人など、人に
がただの雑談であろうが、話の内容にかかわらず、話を始めるためにまずテキストメッ
よって求めるものが違う分使いやすい・良いと感じるツールが異なるのは当たり前で、
セージで連絡を取り、予定を合わせることが必要になった。なんでもないような話を
それに合わせて様々な新しいコミュニケーションツールが登場している。
するにしては、会話のハードルが高くなってしまったのではないか。
02 コミュニケーションツールは「人の存在感」を伝える
複数人で同時編集できる共同ノートサービス「miro」を使ってオンライン上でグルー
インコミュニケーションを支えるツールが存在する。いずれのサービスも、ユーザに
プワークをしていたときのこと、授業開始時間になっても zoom に現れなかったチー
対して、インターネットの向こう側にいる別のユーザの存在感を伝えることで成り立っ
ムメイトの視界に入って、付箋機能を使って声をかけた。オンライン上で初めて自然
ており、存在感の演出の仕方によってそれぞれのサービスを特徴付けている。
に声をかけることができた体験だった。
作業通話
ビデオ会議
共有ノート
意見
声、作業音
姿、表情
作業内容
る人をターゲットとして動画を制作した。
「CALLOUT」がない時
「CALLOUT」がある時
02 視界に入って声をかける、オンラインでの新鮮な実体験
メッセージを送るものから共同編集用のノートが作れるサービスまで、様々なオンラ
メッセージ
「CALLOUT」があるとどうなるのかを伝えるため、一人暮らしで在宅ワークをしてい
miro
人の存在感
03 オフラインでの存在感 =「視界に入る」
そこで、
人の存在感という観点から考えると、オンラインとオフラインで大きく違うのは、視 界の隅に作業をしている他の人の姿が写るかどうかだといえる。作業している姿が見 えるからモチベーションにつながったり、タイミングを見計って声をかけることがで きていた。
オンラインでも視覚的に声をかけ、 突発的な雑談を始められる
オンラインコミュニケーションツール 「CALLOUT」を制作
39
05 ナガラゴト UX design / UI design
2020 年度コニカミノルタ冬季インターン シップにて「学び」をテーマに制作した作品。一人暮らしの大学生をター ゲットに、日常生活の中で「〇〇しながら」社会課題に対して考える習慣を持つためのひとりごとアプリケーショ ンを提案。
期間 修士 1 年:5 日間 制作形態 個人での制作 成果物 アプリケーションの UI
担当したところ 「学び」に関する分析・定義づけ コンセプトの決定 アイデア出し プロトタイプの制作 プレゼンテーション
40
41
目指したこと
社会課題に対して「考えを持つこと」を習慣化させる
42
個人の意欲に依存しない学びを実現する 情報やツールにあふれている現代では、社会課題に対して意欲・関心がある人が一人でも学び を深めやすい環境が整備されていると言える。しかし一方で、より良い社会を目指していくた めには意欲の低い人をどのようにして巻き込んでいくかという点が課題になっていると感じる。 個人の意欲にかかわらず、多くの人が社会課題に対して考えを持てる環境を整備することで、 課題解決に貢献できるのではないかと考えた。
43
target
details
一人暮らしを始めた大学生
01 洗い物や掃除を始める前に「ナガラゴト」を開始する
親元を離れて生活し始めた大学生は、自分で決めることが急に増えて、自由で楽しい反面不安
ウィジェットやアプリケーションホーム下部の「+」ボタンから新しいナガラゴトを開
ナガラゴトを開始すると、今回の問いが提示 される。与えられた問いに対して、声に
も抱えている。生活環境の変化に伴い、社会の一員としての自覚が芽生え、社会課題に対して
始する。ウィジェットには大きさによって、今のテーマのカテゴリーや問いなどが表
出しながら考えをまとめる。話したことは音声入力技術によって記録される仕組みに。
の知識不足を解消すべきだとは感じているが、忙しかったりあまり興味が持てなかったりで な
示される。
初めは自分ごと化しやすい問いを与え、ナガラゴトを重ねるごとに抽象化していく。
あなあにしてしまっている人たちをメインのターゲットとした。
44
02 与えられた問いに対して、話しながら考えていく
03 ナガラごとはテキストとしてアーカイブされていく
02 過去のナガラゴトを振り返る
話した内容は、録音されるのではなく、テキ ストとして記録されていく。話し方によっ
振り返ったり、同じ問いに向き合い直すことで考え方の変化を感じたり、気になるこ
てフォントサイズが変化する仕組みになっており、話しながら詰まったところやスラ
とを調べるきっかけになる。
スラ言葉にできたところが可視化される。
カレンダータブ
カテゴリータブ
過去のナガラゴトが日付別に表示される。
過去のナガラゴトが SDGs のカテゴリー別に表示される。
45
「学び」に関する分析・定義づけ 01 学びとは:自分で考えて気づくこと
コンセプトの決定 03 意欲に依存しない学びの継続:習慣化する仕組み
01 課題:社会課題に対する学びが個人の意欲に依存している
人から何かを教えられることは学びとは言えず、知ったことについて自ら考え、気づ
コロナ禍における学びの変化として、技術の学びを継続している人が増えたという実
社会課題に関する様々な情報や学ぶためのツールにあふれている現代は、興味・関心
きを得ることで学びにつながると考えた。自らの考えを持つことを積み重ねていくこ
感があった。コロナ禍以前の環境では、「目標に対する継続的な意欲」と「自分を律す
のある人にとってはとても学びを深めやすい良い環境であると言える。それゆえに意
とによって、世界を理解する解像度が上がっていき、それこそが未来をつくる「学び」
る強い意志」がある人が学びを継続させやすい構造になっていた。しかしコロナ禍の今、
欲が低い人たちとの差も開きやすい構造になっている。
に必要なことだと考えた。
外出自粛によって他者からの誘惑が減ったことにより、対象に対する「漠然とした意欲」 と「きっかけ」によって学びにつながる行為を生活の中に組み込むことで、学びを継
02 若者の社会課題に対する関心の低さ
続させられるということに気がついた。
02「〇〇しながら」は考えごとにちょうど良い 日常生活の中には、洗い物や洗濯物、掃除など、 「体は動いているが頭と口はヒマな状態」
これまでの学びの環境
が存在する。この状態は何かを考えるのにちょうど良い時間だと気づいた。
内閣府が平成 30 年度に行った「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」によると、 日本の若者のうち約半数が今の日本の政治に関心がないと答えている。そこから、こ れからの未来を担っていく若者が社会課題について向き合っていくための対策が必要
目標に対する継続的な意欲 +
だと考えた。
03 声に出すと考えていることがまとまりやすい
自分を律する強い意志 人に話したり、文章に起こすことで、考えていることを意識的に自分の外に出すと、
若者が今の自国の政治にどのくらい関心があるか
見えづらかったことが見えてきたり、なんとなく思っていたことがクリアになったり
わからない
する。また、声に出すという方法を取ることで、感じたり思っていることが必然的に
関心がある
言語化され、考えていることに変化すると考えた。
コロナ禍の学びの環境 そこで、 43.5% 47%
漠然とした意欲 + きっかけ +
関心がない
学びにつながる行為を生活の中に組み込む
個人の意欲にかかわらず社会課題に対して 自分の考えを持つことを習慣化
生活の中で「〇〇しながら」考える ひとりごとアプリケーション
46
プロトタイプの制作 01 SDGs に対応した問いのカテゴリー
プレゼンテーション 03 手書きで UI の大きな構造を決め、XD でプロトタイプする
01 コニカミノルタのデザインインターンシップにて発表
ナガラゴトで取り扱う社会課題は、SDGs に準 じている。ナガラゴト独自のカテゴリー
コニカミノルタのヒューマンエクスペリエンスデザインセンターにより実施された
分けを作ることや、そもそも社会課題は明確に分類分けができるようなものではなく、
2020 年度冬季インターンシップにて提案内容を発表。
相互に関係しあっているものであるためカテゴリーを設定しないことも考えられるが、 SDGs という今社会で一般的に認知されているカテゴリー分けを採用することで、ユー ザーがこのアプリケーションを超えて主体的に学ぼうと思った時に学びやすくなると 考えた。
02 話しながら考えたことを振り返りのために可視化する 考えたことを次の学びにつなげるためには、振り返りの機会を設ける必要がある。振 り返りやすさの観点から、アーカイブは録音ではなく音声入力技術によるテキスト化 を採用。加えて、言葉と言葉の間や話すスピード、声量の変化によってフォントサイ ズを変化させる仕組みを導入することで、問いに対するその時々の戸惑いや確信を失 わずに記録したいと考えた。コンピュータ上のタイピング行為を時間情報とともに記 録し、再生することができるソフトウェア『TypeTrace』を参考にしている。
47
02 48
これまでやってきたこと
現象や行為、技術の研究を通して新しい表現や手法をつくる 06 :静電植毛技術を用いた表現手法の研究
49-64
07 :スパイラルチェア
65-72
08 :レーザーフロッタージュのオマージュ
73-76
49
50
51
52
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69
70
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75
76
77
03 78
これまでやってきたこと
専攻分野に囚われないクリエイティブをつくる 09 :Shibuya Culture Bomb!
79-88
1 0 :文庫ラップ
89-98
1 1 :切れ込みのあるふろしき
99-106
79
09 Shibuya Culture Bomb! Graphic design / movie
SHIBUYA +FUN Project として、渋谷スクランブルスクエアの大型ビジョンに放映する 15 秒の動画を制作した (2021 年 3 月頃予定)。新しいムーブメントが次々に生まれ、積み重なって形成されている渋谷の街を、複数のステッ カーを貼り重ねて私物をカスタムする手法(ステッカーボム)を用いて表現した。
期間 修士一年:4 ヶ月 制作形態 グループでの制作 成果物 15 秒の映像(無音) 産学共同研究 SHIBUYA +FUN Project
担当したところ 渋谷に関する調査、定義づけ コンセプトの決定 アイデア出し 作品制作 - 映像の構成 - ステッカーの制作(33%) - 映像制作(パート 2、パート 3)
プレゼンテーション - 発表の流れ - 質疑応答
80
谷 渋谷 渋 ボム
UYA B I SH T URE CUL B BOM
81
目指したこと
渋谷スクランブルスクエアの変形大型ビジョンを使って 渋谷の新しい景観を作ること
82
渋谷の文化は続いてく 渋谷にいる様々な人たちの爆発的なエネルギーによって日々姿形を変えているように見える渋 谷。常に新しい何かが始まり、代わりに古いものが忘れられていくように感じることも少なく ない。だけど、今の多様な渋谷の姿があるのは、これまでいろいろなムーブメントの発生を受 け入れ続けてきたからなのではないだろうか?今の渋谷は過去の積み重ねで形成されていて、 決して古いものを捨て去ってきたわけではないのでは、と考えた。そんな渋谷を表現する映像 を制作した。
宮益坂下交差点 83
JR 高架下
84
左上:歩道橋 左下:スクランブル交差点 右上:渋谷ヒカリエ前 右下:宮益坂下交差点(夜)
85
structure 01
86
11s:年代が古いものからステッカーを貼り重ねる
02 11 13s:ズームアウトしながらより広範囲に貼り広げる
03 13 15s:コンセプトを伝えるメッセージのステッカーを貼る
渋谷の若者を中心に生まれ続ける言葉やファッション、ムーブメントを模したステッ
見えている部分以外にも様々な人が存在し、それぞれの活動を繰り広げている渋谷の
過去、現在、未来へと姿形を変化させながらも多種多様な文化を受け入れる土壌を継
カーを、年代が古いものから重ね貼りしていく。現在に近づくにつれてステッカーの
街の多様な姿をイメージし、カメラをズームアウトさせながらランダムにステッカー
承していく渋谷の街というコンセプトが感じられるような前向きで少しラフな言葉を
枚数を増やし、貼り重ねるスピードを上げる。
を貼り広げていく。
メッセージとして提示。
3:00
11:00
13:00
5:00
5:00
13:10
7:00
7:00
13:20
9:00
9:00
14:00
stickers 01 渋谷にいる誰かに刺さる言葉やカルチャー 渋谷の若者を中心に生まれ続ける言葉やファッション、ムーブメントに加え、作品タ イトルである「Shibuya Culture Bomb」 を題材とし、約 200 種類以上のステッカーを制作。 ピックアップしたフレーズは、誰もが知ってるメジャーなものから、一部の人にしか わからないかもしれないコアなものまで様々。渋谷にいる人たちでさえ知らない側面 があることこそが渋谷らしいと考えた。
02 言葉の持つ意味や背景に配慮する たとえメジャーな言葉でも、背景がネガティブなものは極力選択しないように配慮し た。不特定多数の目に入る場所での放映を目指しており、誰かを不用意に傷つけるこ とは本意ではない。例として挙げると、「JK(女子高生)」という言葉は映像の中に入 れなかった。これは元々未成年を性的に消費する際に隠語として用いられてきた言葉 であり、多くの人が出自を気にしていなくても、使用したくないと考えた。
03 ステッカーらしい配色、シワ・かすれ加工 多くの人がイメージできるステッカーボムらしい配色を意識した。また、シワやかす れの加工を施し、平面的な画面構成にならないように工夫している。加えて、年代が 新しいステッカーについてはかすれ加工を施さず、視覚的にも齟齬のないデザインと なっている。
87
渋谷に関する調査・定義づけ
コンセプトの決定
01 渋谷駅周辺でのフィールドワーク
01 多様な文化の積み重ねによって形成される街
景観の一部としての大型ビジョンの見え方や、実際に放映されている映像について確
渋谷の街はそこに集まる人の爆発的なエネルギーによって変化を重ねてきた。大規模
認するため、渋谷を散策した。想像していたよりも広範囲からビジョンが見えることや、
な再開発も相まって、一見すると過去の面影は跡形もないように感じられるが、これ
画面全体が見える場所は意外と少ないということ、建物の隙間から垣間見えることを
まで築いてきた文化の歴史や土壌があるからこそ、今の多様な人々やムーブメントを
活かした映像が放映されていないことなどが分かった。
受け入れられる渋谷の姿がある。古いカルチャーを捨て去って新しく生まれ変わり続 けてきたのではなく、過去の文化の上に新しい文化を積み重ね、変容しながら形成さ れてきた街だと言える。
02 ステッカーを重ね貼りして私物をカスタマイズする手法 macbook やスケジュール帳、スーツケース、時には車や自転車、スケートボードなど、 たくさんのステッカーをラフに貼り重ねて私物をカスタマイズする手法のことを「ス テッカーボム」と呼ぶ。昔好きだったものの上から新しく好きになったものが貼り重 ねられ、深く意図せずとも持ち主の個性が滲み出るビジュアルになるところが、渋谷 の文化を表現することにぴったりだと考えた。
02 渋谷の文化について調査
03 様々な場所からチラ見えする大型ビジョン 渋谷スクランブルスクエアの外壁に設置された大型ビジョンは、これまでの屋外ビジョ
渋谷を中心に起こっていたイベントや流行っていた言葉、ファッション、音楽などに
ンとは一風変わって、ビルの二面に渡るユニークな形状をしている。画面全体が見え
ついて調査し、渋谷の出来事年表としてまとめた。当初のイメージ通り、多様な文化
る場所は限られているが、渋谷駅周辺の至る所でビジョンの一角を目にすることがで
が錯綜するエネルギーのある街であることを再確認した。また、渋谷の街でよく見か
き、街全体の景観の一部となっている。これまで放映されてきた広告はビジョンの形
けるスプレーなどによる落書きや、ステッカーが重ね貼りされた看板などについても
状や街中でチラ見えすることを活かしたものがほとんど存在しなかったため、街のど
視察した。年季が入って色褪せているものや、新しく描かれたり貼られたりしている
こから見ても楽しい映像の制作を目指した。
ものも見受けられた。
そこで、
ステッカーボムの手法を用いて、 渋谷の文化が積み重なってきた様子を表現する映像の制作
88
作品制作 01 ステッカーにするキーワードを年代ごとにまとめる
プレゼンテーション 03 ステッカーの大きさ、貼り重ねていくスピードの検証
オンラインでのプレゼンテーション
爆発的なエネルギーによって渋谷を形作る若者を中心に、生まれ続ける言葉・ファッ
画面いっぱいにステッカーが重ね貼りされているのが感じられ、且つ、一つ一つのス
関係者 10 数名にプレゼンテーションを行い、大型ビジョンに放映する価値があるかど
ション・ムーブメントなどのキーワードを年代ごとにまとめた。ピックアップした言
テッカーの内容が視認できる大きさや、一枚一枚のステッカーが貼り重ねられていく
うか、評価していただいた。質疑の内容や、その後の FB も好評で、制作した映像を放
葉の中から、ネガティブなイメージが強いものや、渋谷以外の場所のイメージが強い
スピードについて検証した。ステッカーの大きさについては放映中の広告の文字サイ
映することが決定した。
ものを省く。広く一般的に知られていないコアな流行などは、多面的な渋谷の姿を表
ズを参考にした。また、貼り重ねられていくスピードについては、年代が現在に近づ
現するのに適していると考えたためそのまま残すこととした。
くにつれてスピードアップしていき、エネルギッシュな渋谷を表現することに。
大型ビジョンの写真に合成した放映イメージ
04 ステッカーを貼り重ねていく背景についての検証
発表の際には、制作した映像が渋谷の新しい景観の一部としてどう見えるかというこ とがより伝わりやすくなるように、フィールドワークの際に撮影した大型ビジョンの
当初は、様々な人が様々な方向を向いて活動している渋谷の多様性を表現するために
写真に映像を合成した動画を使用した。
人の顔写真であったり、よくステッカーが貼られている変圧器にしてみたり、渋谷の シンボルであるスクランブル交差点の写真など、渋谷の街に文化を模したステッカー が貼られていることを強調する背景を用いて試作していた。最終的には一枚目のステッ カーが貼られた時のワクワクを優先し、黒背景とした。
05 各パートの時間配分についての検証 02 制作するステッカーの配色やテイストなどの検証
ステッカーが貼り重なっていくパート、カメラがズームアウトするパート、メッセー ジを提示するパートの三部構成にすることが決まってからは、それぞれに割り当てる 尺について検証した。各パートごとに異なる動きがあり、それぞれのスピードを変化
一口にステッカーと言ってもデザインは様々。分担していろいろなテイストのステッ
させたり、揃えたりすることで動画全体に緩急をつけることを意識した。
カーを作り、渋谷らしさに適したテイストを探る。また、平面的なグラフィックとし て見せるのか、シワやかすれの加工をつけて立体感を出すのかについても検証した。
2021 年 3 月頃に放映予定 制作した映像の放映時期については、より多くの人に見てもらえる期間の方が良いだ ろうというご配慮をいただき、緊急事態宣言明けの 2021 年 3 月頃の予定である。
89
10 ラップ文庫
product design / book design
未来のものづくりのあり方を考える企画展「SPEED FLAT 2019」に出展した作品。生活に身近な食品用ラップフィ ルムを「中身を引き出し、切って使うシート状のプロダクト」と捉え直し、身の回りのものをラップの形に落とし 込んだデザインスタディシリーズの一つ。
期間 修士 1 年:5 ヶ月 制作形態 グループでの制作 成果物 ラップ型文庫本、コンセプトムービー、web サイト 展示歴 SPEED FLAT 2020@ 六本木 AXIS GALLERY
担当したところ スピードフラットについての調査、定義づけ コンセプトの決定 アイデア出し 作品制作 - ラップ文庫 - 全作品の外箱と中身に用いる紙の選定
成果物の撮影と現像 作品展示 - 展示設計 - コンセプトムービーの制作 - web サイトの制作
90
91
目指したこと
身近なものを題材に、 見た人の想像が膨らむような作品をつくること
92
一度きりの物語を味わう「ラップ文庫」シリーズ 本のカバーを箱に、ページをフィルム部分に置き換えた、中身を引き出しながら読むラップ型 の文庫本シリーズ。しおりを挟む代わりに読み終わった部分を切り落とし、物語が進むにつれ て箱の中身が軽くなっていく読書体験は、時間の不可逆性を感じさせ、これまでとは一味違っ た楽しみ方を提供する。一冊の本単位ではなく、文章一文単位で読後の向き合い方が変わると ころも魅力の一つである。
93
94
95
features - development 一番小さいラップと
内容量を表す数字の代わりにロゴを配置
文庫本はちょうど同じ大きさ 筆者ごとに異なるカラーリング 収録作品のあらすじ うろこのあるゴシック体 ラップらしい書籍情報と筆者紹介 文庫本の表紙のような装飾枠
作中に登場する食べ物を利用したパターン
読み方のコツなどをイラストと文章で説明
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features - scroll 文庫本の見開き 1 ページ分の行数ごとにタイトルを印字 水平と垂直で線のウェイトに差があり読みやすい明朝体 切り取りやすいように行間は少し広め
走れメロス
と か い う に う ん と 見 せ つ け て や り た い も の さ 。
と 、 わ し は 悲 し い 顔 し て 、 そ の 身 代 り の 男 を 磔 刑 に 処 し て や る の だ 。 世 の 中 の 、 正 直 者
し て 身 代 り の 男 を 、 三 日 目 に 殺 し て や る の も 気 味 が い い 。 人 は 、 こ れ だ か ら 信 じ ら れ ぬ
人 の 妹 に 、 亭 主 を 持 た せ て や り た い の で す 。 三 日 の う ち に 、 私 は 村 で 結 婚 式 を 挙 げ さ せ 、
決 し て し な い 。 た だ 、 ︱ ︱ ﹂ と 言 い か け て 、 メ ロ ス は 足 も と に 視 線 を 落 し 瞬 時 た め ら い 、 ﹁ た
人 を 殺 し て 、 何 が 平 和 だ 。 ﹂
﹁ な ん の 為 の 平 和 だ 。 自 分 の 地 位 を 守 る 為 か 。 ﹂ こ ん ど は メ ロ ス が 嘲 笑 し た 。 ﹁ 罪 の 無 い
走れメロス
あ て に な ら な い 。 人 間 は 、 も と も と 私 慾 の か た ま り さ 。 信 じ て は 、 な ら ぬ 。 ﹂ 暴 君 は 落
﹁ 疑 う の が 、 正 当 の 心 構 え な の だ と 、 わ し に 教 え て く れ た の は 、 お ま え た ち だ 。 人 の 心 は 、
﹁ 市 を 暴 君 の 手 か ら 救 う の だ 。 ﹂ と メ ロ ス は 悪 び れ ず に 答 え た 。
聞 い て 、 メ ロ ス は 激 怒 し た 。 ﹁ れ た 王 だ 。 生 か し て 置 け ぬ 。 ﹂
う は 、 六 人 殺 さ れ ま し た 。 ﹂
臣 下 の 心 を も 、 お 疑 い に な り 、 少 し く 派 手 な 暮 し を し て い る 者 に は 、 人 質 ひ と り ず つ 差
﹁ い い え 、 乱 心 で は ご ざ い ま せ ぬ 。 人 を 、 信 ず る 事 が 出 来 ぬ 、 と い う の で す 。 こ の ご ろ は 、
﹁ お ど ろ い た 。 国 王 は 乱 心 か 。 ﹂
そ れ か ら 、 妹 さ ま の 御 子 さ ま を 。 そ れ か ら 、 皇 后 さ ま を 。 そ れ か ら 、 賢 臣 の ア レ キ ス 様 を 。 ﹂
﹁ は い 、 は じ め は 王 様 の 妹 婿 さ ま を 。 そ れ か ら 、 御 自 身 の お を 。 そ れ か ら 、 妹 さ ま を 。
﹁ た く さ ん の 人 を 殺 し た の か 。 ﹂
﹁ な ぜ 殺 す の だ 。 ﹂
﹁ 王 様 は 、 人 を 殺 し ま す 。 ﹂
た り を は ば か る 低 声 で 、 わ ず か 答 え た 。
日 も 落 ち て 、 ま ち の 暗 い の は 当 り ま え だ が 、 け れ ど も 、 な ん だ か 、 夜 の せ い ば か り で は
無 い 。 十 六 の 、 内 気 な 妹 と 二 人 暮 し だ 。 こ の 妹 は 、 村 の 或 る 律 気 な 一 牧 人 を 、 近 々 、 と
が わ か ら ぬ 。 メ ロ ス は 、 村 の 牧 人 で あ る 。 笛 を 吹 き 、 羊 と 遊 ん で 暮 し て 来 た 。 け れ ど も
メ ロ ス は 激 怒 し た 。 必 ず 、 か の の 王 を 除 か な け れ ば な ら ぬ と 決 意 し た 。 メ ロ ス に は 政 治
走 れ メ ロ ス
太 宰 治
フォントサイズは一般的な文庫本と同等の 13Q 一行当たりの文字数は 39 文字
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web 使用紙やフォントなど展示では紹介できなかった詳細を記載 展示したことと同じ情報しか得られない web を見る価値は低いと考え、デザインを学 ぶ学生として知れると面白い情報を紹介することに。トップページの作品一覧の表示 方法を変更すると (Galley view → Table view)、全作品の紙やフォントを表で比較する こともできる。
作品のキャプション
展示できなかった作品ごとの外箱の展開図 面面のデザインだけでなく、裏面の成分表示を真似た作品情報や注意書きなどにも拘っ て制作したため、一つ一つ見ることができるように展開図を載せた。また、色校正に よる使用色の変化も同じく記載している。
プロジェクトを通してそれぞれの制作者が考えたこと プロジェクトに参加したメンバーそれぞれの考えを発表する場を設けた。それぞれが このプロジェクトで得たことを整理するきっかけにもなり、なお且つ、作品を見てく れた人にも同じく「未来のものづくりのあり方」について考えてもらうきっかけにな るのではないかと考えた。
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https://www.notion.so/df6713fbfd054ab989ab57cf06ec7551
concept movie ラップを使う行為を見せる 作品をつくる上で重視したラップの特徴のうち、全ての作品に共通する「中身を引き出し」、 「破っ て使う」二つの行為に焦点を当て、コンセプトムービーを制作した。シリーズタイトルを表示 した後、二つの行為を描いた線画のアニメーションを挟み、視覚的に伝えることを意識した。
- 中身を引き出す
- 破って使う
https://www.youtube.com/watch?v=egMKysAWfbQ&feature=youtu.be
99
11 切れ込みのあるふろしき product design
未来のものづくりのあり方を考える企画展「SPEED FLAT 2019」に出展した作品。風呂敷を「ものを包む布」とし て捉えなおし、柔軟にものを包むことができる機能性を残したまま、現代を生きる人々のための、新しいの風呂敷 をあり方について考え、制作した。
期間 学部 4 年:6 ヶ月 形態 グループでの制作 成果物 風呂敷 展示歴 SPEED FLAT 2019@ 六本木 AXIS GALLERY
担当したところ スピードフラットについての調査、定義づけ コンセプトの決定 アイデア出し 作品制作 - 切れ込みのある風呂敷のプロトタイプ
成果物の撮影と現像 作品展示 - 展示計画 - 展示用キャプションの執筆
100
101
目指したこと
風呂敷の特徴や特性を捉え直し、 新しい風呂敷のあり方を提案すること
102
103
切れ込みのあるふろしき - ポケット ものを包むことで、それまでうちに隠れていたポケットとなる白い部分が姿を現し、 視覚的な華やかさと機能的な利便性が融合した風呂敷。
104
切れ込みのあるふろしき - 持ち手 ものを包むことで、それまで意味を持たなかった切れ込みが持ち手へと変化し、同時 に内側の白い部分が表出する。利便性と上品な可愛らしさを兼ね備えた風呂敷。
105
captions 01 制作意図や背景を言語化して伝える インテリアデザインスタジオとして SPEED FLAT プロジェクトに参加し始めた 2 年前 から、私たちは「身の回りのものを捉え直し、未来への可能性を広げること」をテー マとしている。制作モチーフとして取り上げた風呂敷の歴史や今の私たちとの距離感 について触れ、問いかけを交えながら制作の目的を伝える文章構成とした。展示会に 訪れてくれる人たちの属性は様々で、デザインを学び始めた学生や、デザインに造詣 が深くない方にも理解していただけるよう言葉遣いに気を配った。
風呂敷の歴史 「風呂敷」の歴史は古く、奈良時代には正倉院蔵の宝物を包むために布が使われていたと言われ ている。風呂敷が日常的に使われるようになったのは室町時代に入ってからで、その名の通り、 公衆浴場で使用されるようになったのが始まりである。その後江戸時代に入ると、人々の生活
風呂敷の使われ方と現代の私たちとの距離感
様式の変化に伴い、様々なシチュエーションで広く用いられるようになった。
ものをまとめて運ぶためだけでなく、人への贈り物をするときや、ときには手持ちの かばんとしても使われてきた風呂敷だが、今では我々の生活から少し距離のある存在
来訪者への問いかけと制作の目的
になってしまったと言わざるを得ないだろう。 今や風呂敷は失われていく文化の一つなのだろうか? そんな風呂敷を「ものを包む布」として捉えなおし、柔軟にものを包むことができる機能性を 残したまま、現代を生きる人々のための、新しいの風呂敷をあり方について考えながら、制作 した。
106
02 取り上げた風呂敷の特徴と成果物の説明 作品を制作する中で、それぞれ異なる風呂敷の特徴に着目した。ものを包むことで平 面から変化する造形や、ものを包む際の結び方、包むことで見え方が変化するグラ フィックを題材とし制作を行っている。作品を鑑賞する上での視点を共有することを 重視し、成果物の説明文を執筆した。
107
other works 108
これまでやってきたこと
「やってみたい !」を手当たり次第始めてみる 0 1 :IKEA 風あつ森インテリアカタログ
109
02 :卒業生へのサプライズ「せんぼんびき」
110
03 :レーザーカッターのカット順を制御する
111
04 :折り紙パズル ( 未完 )
112
109
Other Works 01
110
editrial design
IKEA 風あつ森インテリアカタログ
Other Works 02
graphic design
卒業生へのサプライズ「せんぼんびき」
111
Other Works 03
laser cutter / experiment
レーザーカッターのカット順を制御する
01 疑問:カット順はどのように制御されているのか? 制作でかなりお世話になっているレーザーカッターが、どのような順番でデータを処
03 考察:カットデータの処理順 カット順を決定するために用いられている変数は主に 5 種類で、次のような順番で処理が行われていると考えられる。
理しているのかということに疑問を持った。trotec の公式 HP には、処理の詳細までは 記載されておらず、ネット上にも知見が見当たらなかったため実験・考察し、note に
JobControl®
まとめた。
カットラインの色
材料テンプレートの上から順に 加工エリア内で原点に近い順(Y→X)
ジョブとヘッド(原点)の位置関係
レーザーカッターのカット順をコントロールしたい! ver1:https://note.com/yktmr/n/n9faa5de61a1f ver2:https://note.com/yktmr/n/n00e491b288c5
Adobe Illustrator
レイヤーの順番
下から順に
レイヤー内のオブジェクトの順番
02 実験方法
下から順に
複合パスの順番
使用機材
作成前 or 解除時の上から順に
パス内の頂点の順番
カットデータの作成:Adobe Illustrator 2020
始点から終点へ
カットデータ(ジョブ)の出力:JobControl®10.5.2.1 レーザーカッター:trotec SP シリーズ SP500 基本の例
カット順 カラーのカット順
実験内容
■ r0, g0, b0
アートボードやオブジェクトの「順番」、「作られかた」 、「状態変化」の 3 項目に着目
■ r255, g0, b0 アートボード(ジョブ)
アートボード(ジョブ)
して検証を行った。以下これらの検証結果に加えて、trotec HPに記載されている情報と、 Illustrator 用スクリプトを書くためのレファレンスを元に考察した。
6 1
Y=1
3
8
9 5
5
Y=2
9
6
4 3 8
7
Y=3
2
4
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X=1
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X=2
X=3
Other Works 04
graphic design / paper product
折り紙パズル(未完)
01 折り方を考える折り紙のパズルって面白そう! 静電植毛技術を用いたデザイン提案をするプロジェクトの中で出たアイデアで、プロ ジェクトとして進めていくほどの魅力はないと判断されたものだが、面白そうだった ので同期と二人で進めてみた制作。結果としては、難易度の設定で行き詰まってしまい、 未完のままになっている。
02 簡単な形を折り、図面を作る 手順が少なかったり、有名な折り方のものを数種類折り、折り線と表面に出る部分に 色をつけた図面を作った。 にわとり
船
03 テストプレイ お互いが書き起こした図面をそれぞれで試しに折ってみた。 「折り線 + 塗り」を使って、 完成形を伝えずにテストプレイしたところ、お互いに 1 時間以上かけても正解の形を 見つけ出せずに終わった。自分たち以外の人にもテストプレイをお願いしたり、点対 象の図面を用いて完成形を伝えた上でプレイしたりしたが、「折り線 + 塗り」のままで は折り紙という手軽さにそぐわない高難易度だということがわかった。難易度設定で 行き詰まり、未完のままになっている。
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