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Mina Nonaka



建築は一定だけど、自然は不定なの。その二つが融合したとききっと素敵になる。


profile 野中 美奈 Mina Nonaka

activity

award

日建設計 アルバイト

建築新人戦 2020 100 選

オンデザイン アルバイト

はまっこ郊外暮らしコンペ 横浜市立大学賞

1999 神奈川県横浜市 生まれ 2015 横浜市立上の宮中学校 卒業 2018 神奈川県立横浜平沼高等学校 卒業 2018 神奈川大学 工学部建築学科 入学 2021 同学科 六角美瑠研究室 配属

skills Rhinoceros : モデリング

Lumion : パース・動画作成

Photoshop : パース作成、着彩

Illustrator : レイアウト

わたしの記録 (中学~高校)

昔から何かをつくるのが好きだった。 私の作り出したものでみんなが笑顔になるところを見ることができた気がする。 いつしか人に愛される空間をつくりたいと思うようになった。


同じ時間、同じ空間を共有する

空間があるとそこには人がいる。 たとえ壁があったとしても、人々の距離は近い。 たとえ顔見知りの人であっても、同じ空間を共有するのはなんだかあたたかい。 近くにはいないのだけど近くにいるような、そんな設計していきたい。


誰もが訪れて楽しい、ここにいたいとおもえるような、 そんな建築をつくっていきたいんだ。


Contents

01. 自然に集う 第3学年前期 設計課題 「シネマコンプレックス」

02. 上下に移りゆく暮らし 第3学年後期 設計課題 「30

人が暮らし、30 人が泊まれる、この先の暮らしの場」

03. 立体に広がっていく緑 第3学年後期 設計課題 「街のインフォメーションセンター」

04. 木と僕たちの成長日記 第 4 回 Woody コンテスト 提出作品 「木のぬくもりに包まれた子育てを楽しむ家」

05. 『まち参道』をきっかけに はまっこ郊外暮らしコンペ 提出作品 「郊外住宅地のニューノーマルな暮らし」

06. 空き家に、まちに、自分たちの居場所を 日本建築学会設計競技 提出作品 「まちづくりの核として福祉を考える」


01.

自然に集う

2020.06 ~ 2020.08 第3学年前期 設計課題「シネマコンプレックス」 建築新人戦 2020 100 選

白楽駅前に駅前広場と一体となった積層型のシネマコンプレックスを計画する。 近年、映画を取り巻く環境は IT 端末や映画配信システムの普及により手軽に鑑賞することが可能となったが、大画面での臨場感や映画鑑賞 前後の空間の高揚感は建築でしか表現できない。そのような空間を引き立てるために幻想的空間を自分なりに定義し、空間と化した。



物語に浸るには幻想的な空間が必要である。 緑があるとガラスが消える。軒裏や床を反射させることで緑が建築の存在を消してくれる。 それを幻想的な空間として提案し周辺環境と関連させ、駅前に自然にみんなが集まれる雑木林のような映画館を計画する。



01

計画敷地:神奈川県横浜市 神奈川区 白楽駅前

白幡池公園

計画敷地

白楽駅

六角橋商店街 N

商店街に面したこの計画敷地。駅前ということもあり、時間帯によって利用する客層が異なる。また、周辺に は教育・医療機関と商業施設が散らばっているため、幅広い世代がこの敷地に集まるであろう。


02

コンセプト

しずか にぎやか

敷地の西側にはマンションが立ち並び、住宅地が広がる。

敷地はしずかとにぎやかの境界。憩いの場として自然をここにも取り入れる。

駅前であり、商店街に通ずる道路と面している。

比較的人通りは少ないので落ち着いている。

雑木林を登っていくイメージ。

朝と夕方は会社員と学生たちで賑わう。

しずか

にぎやか

白楽駅

N

計画敷地から見て駅周辺及び東側は人通りが多く、賑わっている。 一方で西側は住宅地が広がっており、静かである。


03

空間のダイアグラム

シアター1

ふれあいひろば

シアター3 シアター2

ブックカフェ

ブックカフェを中心にする。ホワイエと広場を結ぶようにルーバーに本棚を取り付ける。 セレクトショップ

この配置にすることで、映画を見終わった人がふらっと立ち寄れるのはもちろん、映画を見

交流スクール

ない人もお茶をしたり本を読んだりしてくつろげる。 自分のお気に入りの物語をこのシアターで見つけてもらう。 映画から学ぶ語学スクール 絵本の読み聞かせ

04

ダイアグラムから生まれる人の行動 チケットと軽食を買い、いざ映画鑑賞へ

帰りにカフェによってのんびりしよう

映画 楽しみだなあ

映画おもしろ かったねえ

ポップコーン いいにおい

この本おもしろそう!

外の風にあたって 本読みたいな

読みたい本を見つけた

ブックカフェでコーヒーを飲みながらのんびり本を読もう


映画の感想を外で少し話そう

あそこで 話そ

気になる本を見つけたので、外で寝そべりながら本を読む

縦につながるブックカフェ


大空間シアター:幻想的空間と隣接 シアター1 幻想的空間:床の反射

ふれあい空間:地域とのつながり

シアター2

シアター3

幻想的空間:軒の反射 ホワイエ ふれあい空間:地域とのつながり

事務管理

機械室

A-A’断面図 1/200

ホワイエとチケット販売、軽食販売がワンフロアにあるため、 映画鑑賞の準備がスムーズに行える。

ステージになる階段。

ガラスの階段にすることで

ストリートライブなどで使用される。 非日常感が演出される。


緑による空間的効果 緑は建築を消す効果がある。建築を消すことで、普段では味わえない幻想的な空間を体験することができる。 映画鑑賞前も後も物語に浸る空間を作り出し、非日常感を体感させる。



緑って建築を消すんだよ。隠しちゃうの。 駅前に森のように自然に囲まれる場所があったらそこは人々の憩いの場になるんじゃないかな。 映画を見るって決めてない人でも気軽に入れるような、そんな劇場を提案した。


02.

上下に移りゆく暮らし

2020.09 ~ 2020.10 第3学年後期 設計課題 「30 人が暮らし、30 人が泊まれる、この先の暮らしの場」

共に暮らすことで自分の好みにあった豊かな時間が生み出される住空間を計画する。 この建物は大きく住まいの場所とそこでの暮らしを特徴づけるサービスの場所とで構成される。 メゾネット型の住居にワンルーム型の住居を隣接させることで、各階に違った表情をつくり出す。



本来の集合住宅ならば他の住民と関わることはできるが、共同で生活することはあまり主流ではない。 プライバシーを確保するために閉じた箱になり、住人との関わりが減ってしまうが多いのではないだろうか。 多様なイベントが開かれる馬車道に面したこの計画敷地。敷地の特徴を生かし、ここを利用する住民、ホテル利用客そして地域の人々とかかわるきっかけとなる住宅兼宿泊施設を提案する。



01

対象敷地:神奈川県横浜市 関内エリア

赤レンガ倉庫 大さん橋

馬車道駅 計画敷地 馬車道通り

日本大通り駅

山下埠頭 山下公園

関内駅 横浜スタジアム

元町中華街駅

N

関内エリアには人々が訪れる場所が数多く存在している。この中から各自のプログラムにあった敷地を選定する。

02

計画敷地:馬車道通り付近 私が選定した敷地は馬車道通りに面している。この通りはまちづくりが進んでいて数多くのイベントが行われている。

歩道にはベンチが配置されていて誰でも腰をかけれる

歩道が広いので様々なイベントに使用される

歩道と車道の境目には鮮やかな緑たちが植えられている


03

プログラム計画

04

運営のダイアグラム

馬 馬車道十番館

4人家族 ×4組 高齢夫婦 ×1組

オーナーとなる住民

計画敷地

関内ホール

通 こども食堂を開く

下宿生 ×10 組

N

計画敷地をまたいで対角線上に特徴のある建物がある

宿泊者

アルバイト より活性化させるために

こども食堂

こども食堂の課題

オーナーのお店で得た

・資金の確保

売上金等で経営

・スタッフの負担、確保

関内ホールの子育て支援の取り組み

・地域との連携

・ベビーマッサージ

・会場の確保

・子育てに関する講演会

独居のお年寄り 学校帰りの子供たち

・よこはま地域子育て支援拠点ネットワーク

関内ホールに訪れた人

⇒オーナーと設計者が共同で管理と運営を行っていく

こども食堂やお店を通して

地域住民

05

居住空間のつくり方

06

オーナーと宿泊者の関係

07

地域へとつながる

お店の種類

5500

6000

4000 5000

33m²

1unit が2種類ある

20m²

この大きさを利用して

宿泊者

宿泊者

用途に合わせた居住空間を作り出す おおきなはこ

ちいさなはこ

住人

宿泊者 4人家族

高齢夫婦

下宿生

宿泊者

オーナー住人

ジュース屋さん

園芸屋さん

おおきなはこ(2~3人用) 下宿生

33m²×6室=198m² 下宿生

20m²×10 室=200m²

小物屋さん

ちいさなはこ(1人用)

古着屋さん

66m²×1室=66m² 20m²×12 室=240m² 99m²×5室=495m²

オーナー住民に対して4~5組の下宿生・宿泊者

オーナーと宿泊者が開く

が一つの unit となる

こどもから大人まで楽しめるラインナップ

駄菓子屋さん


08 断面構成 オーナー

オーナー 落ち着いて空に面する

5階

4階

オーナーと下宿生 住民の水回りと寝室 生活の共有部(ランドリー・キッチン)

リラックス空間 開けた空間 (お店や趣味)

オーナーと宿泊者によるお店

住民たちのコミュニケーション

地域に開かれる

3階

それぞれの階が異なる表情をもつ

プライベート

共有ランドリー

オーナー住宅

座談スペース

託児所

階段の下は子供たちの秘密の場所

こども食堂

エントランスホール 倉庫

学習スペース

木陰が気持ちがよい

パブリック 機械室

A-A’断面図 1/250


地域交流

住民

宿泊者

開けた空間 ( お店や趣味 )

住民たちが BBQ をしたり キャンプを楽しめる屋上空間

上から 400 のところに開口部を開けることで 外からのプライバシーを守りつつ採光を取る

世間話をしたり、お店の情報など

座談スペース

気軽に腰を掛けて話せる

カフェテラス 歩道とのレベルに差を出すことで、 外にいる人と建物内の人の距離が近くなる 宿泊者や下宿生の受付を

エントランスホール

学習スペース

ここで行う

B-B’断面図 1/250


屋上にはみんなで共有できる庭がある。 この階には2組のオーナー家族がいて、1 組はカフェ、もう 1 組は植物園を経営している。 植物園で栽培したハーブを使ってで BBQ 時に料理の香りを惹きたてたり、カフェで新作のドリンクを提供したり。ここを利用する人たちの生活はこうして彩られていくんだ。


宿泊者

住民

開けた空間 ( お店や趣味 )

B’

緑が広々と広がった屋上ではのびのびと 気分転換ができる 下の住人や地域の人も招いて交流も可能

オーナー A

A’

オーナー E

A

R 階平面図 1/200 B


いろんな人たちがいるならいろんなくらし方があるはず。 共有のキッチンで得意料理をみんなで披露したり、共働き家族の子を隣の家族がお風呂に入れてくれたり。 この階はそんな住民たちの生活共有空間。プライベートな空間ではあるんだけど、日常生活を共有する場だからちょっと距離が近いんだ。


宿泊者

住民

開けた空間 ( お店や趣味 )

B’

住民たちの共有キッチン 普段使いはもちろん、イベント時にはここで調理ができる

オーナー B

オーナー D

オーナー A

オーナー F

オーナー C

A’

オーナー E

A

共有ランドリー

4 階平面図 1/200 B


人々が住んでいるのにこの階はお店が集まっているからなんだかにぎやか。 長期宿泊者も短期宿泊者もお店を開けるスペースがあるので期間を決めて好きなように物販ができる。 ウィンドウショッピングをしてもいいし、ここでしか買えない個性ある物たちを手元に向かい入れてもいいよね。


宿泊者

住民

開けた空間 ( お店や趣味 )

B’ 外に向けて配置されている庭では日差しを浴びながら 住民たちとふれあうことができる

オーナー B

オーナー D 住人たちが開くお店は住居内だけでなく、 共有廊下にも広がる

座談スペース

A’

オーナー F

オーナー C

A

3 階平面図 1/200 B



各ユニットには庭がついている。 そこからは中と上の様子が見れるから人との距離が近く感じられるんだ。


03.

立体に広がっていく緑

2020.11 ~ 2020.12 第3学年後期 設計課題 「街のインフォメーションセンター」

この建物は大きく二つの性格をもつ。 一つは、この地域で暮らす人たちの普段の居場所。もう一つは、この地域を訪れる人たちにとっての拠点的な場である。 水耕栽培を中心として、そこから生まれるアクティビティが敷地外に広がっていく。 敷地外の来訪者がここをきっかけに緑とともに生活ができる様子を立体的ととらえた。



地域の人々と来訪者が関わるこのインフォメーションセンターでは、訪れた人にとって印象に残ってほしい。 そんな想いからこの敷地から離れても利用ができるプログラムを計画した。離れていても人々とこの建築はつながっている。 ここにある自然はこの敷地だけで完結しない。人々と自然の循環、これら2つがあってこそ成り立つ建築を提案する。



01 対象敷地:東京都 江東区 清澄白河駅付近

小名木川

墨田川 計画敷地

深川資料館通り

白河庭園

東京都現代美術館

N ブルーボトルコーヒー

カフェとアートの町である。人気のコーヒーショップができてから訪れる人が増えてきている。 計画敷地と東側には歴史ある商店街がある。

敷地の南側の住宅地は昔からあるお店もある

遊歩道の入り口へ進むと桜並木がある

敷地の北側には墨田川に続く小名木川が広がっている

橋の向こうには比較的高いマンションが建ち並ぶ


02 この敷地の緑が広がっていく 地域住民

観光客

成長を見に行くついでに

観光の休憩として

清澄白河の観光

観光センターへ

管理のアルバイト

家でも水耕栽培を楽しめる

観光地の活性化 →清澄白河をもっと知ってもらう

計画敷地

水耕栽培システム

提供サービス

街のお店

N

自分の栽培したものを 水耕栽培の最適温度は約 15℃~ 25℃である。季節に合わせて建物全体の湿度調整の役割を果たす。

レストランで調理してもらったり、 入浴剤として家で使用できたりする 街のカフェや商店街に花や野菜を提供

03 水耕栽培がもたらす空間の変化

04 構造計画(水耕栽培とスラブ)

環境 夏季

冬季

上スラブ 冷房効果

暖房効果 水が通るパイプ

水耕栽培の最適温度は約 15 ~ 25℃である。季節に合わせて建物全体の温度調整の役割を果たす。

視覚

下スラブ

ルーバーの管から各層に水が広がる

スラブの中にパイプを通す。 季節に合わせて育てる植物が変わるため、季節を感じられるファサードとなる

パイプを通る水がルーバーの中の管を通って下のスラブまで流れる。これにより、上から下まで建物全体で水耕栽培が可能である。


05 動線計画とそれによるダイアグラム

敷地の北側には水面が広がり桜があるので景色がよい

北側の景色に意識を向けるためにまっすぐな動線

東西に分かれた建物から移動する際に

清澄白河の風景を楽しみながら

必ず北の景色を見えるようにする

食事をすることができる

06 水耕栽培システム 成長過程は スマホで確認

現地で栽培

専用サイトで何を育てるのか

管理人・ボランティアが

収穫ができるようになったら

どのエリアで育てるのかを決める

お世話をする

輸送 or 現地まで取りに行く

レストラン

コワーキングスペース

自宅で栽培 カフェ

マルシェで種や苗、

栽培に必要なものを購入し

肥料が販売される

家で育て、成長を見守る

説明を受ける

07 季節によって表情が変化する 春

ムスカリ

クロッカス

イチゴ

グラジオラス サンダーソニア ライラックワンダー ウォーターマリー

ミニトマト

サフラン 貯水槽

一年中 ルッコラ

ミント

銭湯


レストランで調理や飾りで使用される 野菜などをここで栽培する

展望台の先には墨田川がある 花火大会時にはここに大勢の人が集まる

観光センター

銭湯ではここで育てられたハーブを使っているため、 時期によっていろいろな種類の風呂に入れる 水耕栽培エリア 予約をして自分の好きな花を育てることができる 色鮮やかなカーテンとなる

銭湯

栽培エリア

倉庫

地上と地下の中間に入り口があることで 視線にズレが生じる

トイレ

入ってみたいという好奇心を待たせる

倉庫

船着き場

水耕栽培で利用する水が蓄えられる 川の水を引き上げるため

水耕栽培エリア

コンコース

水の循環が生まれる

カフェ&バー

貯水槽

機械室

長手断面図 1/250


コンコースから訪れる人と地上から訪れる人が交わるところにあるカフェ&バー。

日中は学生や地域住民が勉強をしたりおしゃべりをしたり。

夜には仕事帰りのサラリーマンや観光を終えた人々がここで過ごす。


コンコースからとカフェからの人が交差する


地上から目線を下におろすとそこではバザールが開かれている。

そこでは家でも気軽に育てられる植物の苗や種、肥料が販売されてる。

建物の表面には花壇と水耕栽培の緑たちが顔を見せている。

季節によって表情が変わるんだ。


地上から中の様子が見える


広々とした階段を上るとそこにはおおきな空が広がる。

この場所が移動の中心となる。

人々が移動する際、この清澄白河の風景を必ず目にする。


清澄白川の景色を見渡しながら移動する



川の水がここに浸水してくる。 それによって植物という不思議な生命体が循環していくんだ。 水と植物。自然と隣り合わせでこの地域が活性化していくことを想定して提案した。


04.

木と僕たちの成長日記

2020.09 第 4 回 Woody コンテスト 提出作品 「木のぬくもりに包まれた子育てを楽しむ家」

夫婦が家事の合間に子どもたちの宿題を見たり、自然とコミュニケーションが取りやすく、 家にいながら家族揃って楽しく過ごせるような、京都府内産のスギ、ヒノキに包まれた住宅。 親子の成長を日記として記録していく、子供たちとともに成長する住まい方を考えた。



いつも家のどこかに家族の気配を感じる。 そこではたとえ家族がそれぞれ別のことをしていたとしても、一緒に時間を過ごしている気分になれる。 シンボルツリーや家を支える木たちの色の移り変わりが、そこで暮らす家族の様子を日記のように記憶していく。 家族との程よい距離間の中で、子どもたちとともに成長する住まい方を提案する。



子どもたちとシンボルツリーの成長

木の変化と使い分け

明るい色合い

・水や害虫に強い

高2

社会人

中3 小3

小1

落ち着いた色合い

・高い耐久性

スギ

大1

木に実がなる

さらに大きくなる

丁寧に育てる

剪定をしていく

実家に帰ってサクランボ狩り

8年後に実をつける

時間が経つにつれて落ち着いた色合いになることで家全体が暮らし方に合 わせて雰囲気をかえていく。また、湿度の変化に強いスギは玄関口に、耐

・耐水性が高い

水性が高く温かみのあるヒノキはキッチンや書斎に用いて、それぞれの木

キッチン ▶ 学びの場 書斎 ・リフレッシュ効果 ・美しい光沢

ヒノキ 苗を育てる

▶ 玄関口

調湿機能

の特徴を生かす。

のある香り

寿命が来るまで実をつけ続ける 寿命は人間の半分くらい

住んでいる家族

断面ダイアグラム

父:小説家

母:週末の趣味は手芸

周辺環境による平面ダイアグラム スラブを分節し高低差を付ける

従来の住宅

←町とつながる

妹:ちょっと人見知り

兄:活発でやんちゃ

+ 山とつながる→

犬:食いしん坊

二枚のスラブを積層 視線が限定、遮られてしまう

どこからでも人 ( 家族 ) の

それぞれのスラブごとに

気配を感じられる

空間の雰囲気分けが可能になる

周辺との関わり方が内部の構成にも現れる。 西側には外とつながれる空間を配置し、東側には家族でのんび り過ごせる空間を配置する。

各自の部屋は最小限にすることで 共有空間での活動がメインになる

遊んだり勉強したり作ったり、 様々な行動の中で好奇心を育てる

学びの場

書斎 お互いの視線がぶつかる

シンボルツリー (サクランボ)

剪定をきちんと行わないとおいしい実を つけてくれない気分屋さん。でも愛情 をこめて育てれば立派になる。

緑や風にふれあいながら

まるで子どもたちのように。

豊かな感性をはぐくむ

一段下げることで家族の空間との

ふれあいの場

集まりの場

間に程よい距離感をつくる

おもちゃを片付けたり、 父の本を飾ってギャラリー空間を作る

断面図 (1/100)


子どもとともに変化していく使い方 0年後(幼少期)

自然を感じながらすくすくと成長する子供たちを 家のどこにいても見守ることができる

10年後(青年期)

成長した子どもと程よい距離感を保ちながら 親と子が互いによい影響を与え合う

30年後(父定年後)

子どもが家を出て行った後夫婦だけの家として 地域との交流なども積極的に行う

集まりの場

「みてみてママできたよー!」

友達を招いてパーティーを開催しよう

父の講演会やワークショップなどを催す

「今日は絶好のプール日和だね!」

家族そろって風を感じながら BBQ だ!

隣に家が建ったので緑のカーテンを栽培

「ごはんだから降りておいでー!」

気分を変えて今日はここで勉強…

ふれあいの場

学びの場

母が趣味の手芸を本格的に始める


家族中心のリビングルーム


書斎から見る学びの場


05.

『まち参道』をきっかけに

2021.01 ~ 2021.03 はまっこ郊外暮らしコンペ 「郊外住宅地のニューノーマルな暮らし」 横浜市立大学賞

横浜市内の郊外部を対象に、郊外住宅地の魅力を活かした、ニューノーマルな暮らしを支えるまちづくりについてのアイディア。 リモートワークなどの普及により郊外地域に関心が高まる一方で、個人の生活が重視され、地域の活性化までには至っていない。 そこで、横浜の郊外地域に多くみられる神社をきっかけに『まち参道』をつくり、まちの一員”であるという意識を構築する。





01. 郊外住宅地の課題

・横浜郊外住宅地に多く見られる神社

・郊外住宅地の現状 コロナ後のお祭りなど地域イベントの開催状況

横浜市郊外の人口の推移と今後の予想 (1000 人) 370

365 360

現在も中止している

355

一時中止した

350

影響なし

345 340 335 330

2015

2018

2020

2024

2028

2030

今後も予想される人口の増加

2036 (年)

×

コロナ禍における住民同士の交流の機会減少

駅前の神社は人の利用が多く見られるのに対し郊外の神社では荒廃化が見られる

地域のつながりの消失

03. まち参道の広がり

02. まち参道

それぞれの家で個 別の活動。家同士 は道路により分断 される。

間の道に木のフレームを連続して配置することで、まち参道として利用する

家と家の境界がな くなり、気軽な地 域交流につながる。

まち参道沿いの住民がまちの 一員として意識し出す

近隣住人に活動が漏れ出しまちが 全体としてつながり出す


04. さんどう隊

05. 想定される使い方

さんどう隊とは、地域のなかで”なにか”をしてみたいと考えている人々が結成した地元組織

彼らはまち参道に対して自分の何かを提供する。日曜大工が得意な人がその技術を提供したり、 植栽や特産物を販売したりと幅広い世代が関わることができる。

06. 人々のつながり

07. フレームの詳細

木材の接合 クランプにより接合する。

木材の柱 住人が自由に棚を取り付け るなど加工が出来る。

接合下部 スチールの土台に差し 込む。 自由に取り外しが可 能。 初めのフレームの設置は横浜市が行うが、このような関係が、市など大きな公共団体に管理 されることなく市民が主体となるまちづくりを可能にしている。


いらっしゃいませ~!

ここわかる人~? 今晩は肉じゃが~

これ何?

フレームの間に棚が設えられ、その上に布が張られる。 それにより、生鮮市場やリモートワークスペースが生まれる。 天気・季節によって設えを変更することもできる。

神社の入り口付近には塾ができるかもしれない。 フレームはその時の状況に応じて作り変えることができるため、 まちの様子の変化に対して柔軟な対応が可能である。

今日もがんばってるね


おいしいパンよ いいもの買っちゃった

似合う??

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この後バイトなんだよね ええぇ?

住民たちがフレームをつくり、住民により更新されていく。 その発想は様々で、多様性のある参道が出来上がっていく。 パン屋さんを開いたり、小さな展覧会を催したり…

クランプにより組み立てられる木製フレームは、住人でも簡単に施工できる。 木のフレームに紐をかけ、棚を設え、簡易的なアパレル店舗が出来上がる。 次第に店舗が増えてゆき、参道の雰囲気が出来上がっていく。


住民たちはフレームをもとに多様な活動を展開していく。

それらは参道を彩り、街に変化を与えていく。

その活動は近隣住民にも影響を与え、賑わいが広がっていくだろう。

それまで個人で活動していた人たちもまちに参加していき、その過程でまちの一員という意識が芽生えていく。

『まち参道』をきっかけに、この地域に豊かな風景が住民の手によってつくられていく。



06.

空き家に、まちに、自分たちの居場所を

2021.05 ~ 07 2021 年度 日本建築学会設計競技 提出作品 「まちづくりの核として福祉を考える」

福祉の現場とは、当たり前のことが困難な方々が当たり前の時間をすごせることを目指して多様な努力が払われる場所である。 まちづくりを活性化するためフリースクールを地域の核とし、子どもたちは空き家を改修しながら自分の場所を見つける。 まちの人々は改修のお手伝いをしながら新しい活動を起こすという相互性のあるまちを提案した。



横須賀の逸見ではかつて、谷戸の起伏の間に人々が住まい、豊かな自然と共存していた。 しかし近年の便利な生活が重視されていく流れの中で、谷戸ならではの坂が多く車の寄せられない不便さからこの地域を離れていく人が増えた。 子供たちが空き家を活用して自ら居場所をつくる。それらの魅力的な空間はまちに開き始め、谷戸地域は賑わいを取り戻していく。 子供たちの新しい環境での小さな日常が、いつの間にか新しい活動や地域の人を巻き込み、まち全体を彩っていく…。



00

02

社会背景

00-a 子供の孤立と福祉

00-b まちづくりの可能性を持つ空き家

提案 / フリースクール

02-a 空き家改修を教材とした仕組み  空き家改修を子供達が行うことにより地域住民と子供、空き家の間に相互関係 が生まれる。空き家問題の解決はもちろん、地域住民の買い物難民の解消や特に 子供には以下のような成長が期待できる。

子育て支援

サービス

よく社会問題として取り上げられるようになった空き家だが、

なっている一方で、日本における子供に対する福祉は保護者を介した間

住宅の密集した地域においては使い方次第で新しいまちづくり

接的なものが多く子供の「主観的福祉」の視点が軽視されている傾向が

の核となる余白として機能させることができるため再注目され

見られる。

ている。

01

利用料

01-a 日本の近代化を支えた横須賀

改修

自己肯定感

居場所の発見

ることに よ で作 分

自我の発達

これらの 3 つは不登校などが原因でフリースクールに通う子供に特に足りない

サポート

物だと言われている。空き家改修を子供が行うことで、彼らの居場所づくりがい

子ども

つの間にかまちづくりへと繋がっていく。

02-b 空き家改修を通して広がる子供の世界

01-c 逸見の地形 ー 谷戸

ることに よ され 謝

感謝

地域住民

敷地 / 逸見

改修によ る き家 空

居場所

近年いじめ問題など子供を取り巻く環境における問題が多様化し複雑に

空き家

放課後児童健全育成

子供

保護者

児童館事業

フリースクールでの空き家改修

商品提供 買い出し

将来への関心

谷戸とは、丘陵地が浸食されて形成された谷状の地形であり、たくさんの細い坂道が 1865 年頃から横須賀は東日本の国防の要となる軍港

入り組んだ豊かな自然が見られる。

拠点をつくる ものづくりや谷戸の地形を学べ

管理・支援

一方で谷戸ならではの問題もある。

01-b 学校にいけない子供

自信

神奈川県内の 1000 人当たりの不登校者数

20

谷戸の地形

10

西

令和元年神奈川県児童・生徒の問題行動・不登校等調査より

横須賀市は神奈川県内で比較すると飛び抜けて不登 校の子供の割合が高くなっている。

管理・利用

買い物難民

坂がすごい上に道が細く車を

平地までのアクセスが大変な上、

寄せることができない

地域の店が次々と店を畳んでしまった

空き家増加 平地に移住する人が増えた

という谷戸の地形ならではの負の連鎖ができている。

空き家を改修

改修する

周辺住民

子供の居場所ができる と、同時に

豊かな街づくりにつながる

拠点 買い物

などの力を借りながら、空き家を

活動機会

横須賀調理製菓専門学校

改修

利益還元

支援

子供が中心に地域住民や周辺大学

マルシェ

改修

施設

30

利益還元 学生支援

支援

40

0

居場所

子ども

出店

県立保健福祉大学

を建てる

り賑わいを見せていた。

商店街 場所貸し

体験教室

る、空き家改修の拠点となる施設

都市として栄えた。商店やスーパー、銭湯などもあ

(人)

出店

改修

宿泊施設 旅行者

改修 利益還元

利益還元

商品

物件

買取

お店

商品

移住者 農家

全く別のコミュニティにまでつながりだす


04 空き家改修を学ぶ

解体による廃材

使 っ

04-a 実際のマテリアルに触れる 空き家解体時の廃材や改修の材料をストック

改修用の材料

学ぶ て

ぶ て学 み

04-c 逸見ならではの景色を学ぶ 逸見には谷戸の斜面地ならではの景色が 多く存在し、様々な表情の壁面が多くの

しておける倉庫をつくり、実物大のマテリア ルに気軽に触れ合って学ぶことのできる環境

場所でみられる。

倉庫

をつくる。

それらを地域ならではの景色として子供

サテライト オフィス

たちが理解し、大切にできるような環境 をつくる。

04-b 倉庫から工房へ みて学ぶ

使って学ぶ

たくさんの材料が集まった倉庫

中心の既存の空き家の壁を抜きその周りに縁側

特徴的な窪みのある壁

なっていく。

見でみられる特徴的な壁面を集めることで、そ

てみたりすることで、

マテリアルを分析し倉庫で分別。

空間をつくる。さらにそこに面する崖部分に逸

は子供たちの秘密基地のように

廃材や材料の搬入

れぞれのちょっとした質感の違いやそこから考

分別して分 析す る

倉庫

工房へ

びなが

ら学

に感じられる。

より身近なものとして 逸見の景色を理解でき る。

工房でより大きなものをつくる。

遊 木片を並べて積み木をしたり、気軽

ひらめきや発見をそのまま工房で実

遊びの中で使い方を発見する。 な遊びを通して材料の特性や最適な 使い方を探る。

展望台

えられる使い方の違いや見え方の変化を日常的

面などは棚として使っ

実践

工房

践してみる。より実寸代のものづく して みる

りに触れ、空き家改修への足掛かり になる。

倉庫から工房まで一直線につながる動線が、より深く実践的な体験に子供たちを誘導する。

場所になる の居 ち た

え入れる を迎 者 住 自らの手で自らの居場所をつくることで、谷戸全体が子ど

マ ル

子ど も

05 これからの逸見の姿

トックになる 兼ス ェ シ

もたちのフィールドとなる。この場所では、何をして過ご してもいい。

チエの場では逸見でみられる特徴的な壁面に囲まれながら、解体時の廃材などを用いて空き家改修のアイデアの実験ができる。

谷戸を生かしたまちづくりに魅力を感じた移住者がやって くることで、地域にも、子どもたちにも、移住者にも新し い発見が生まれる。

タクワエの場では子供達が大人の協力を得ながら材料の整理や補完を行い、その中で材料ごとの特徴や使い方を学ぶ。

買い物難民である地域住民向けの市場が開かれる。 近隣の農家や提携商店から子どもたちが商品を運ぶなど、 運営にも携わっていく。


全体断面図 (1/125)

チエの場

逸見の特徴ある壁面が集合しており、ここで逸見ならではの 景色を学ぶ。敷地内にも谷戸の特徴を侵入させることで、谷 戸という地域の良さを体感することを促す。

ツクリの場

ハタラキの場

外部から来た建築事務所の人々の出張オフィス。天井が高く、

連続する窓かと思いきや入り口が一緒に並んでおり、そこか

のびのびと作業ができる。下の階には職員室があり、先生た

ら工房に入る。上の階はガラスで囲まれた内の工房、下の回

ちと相談しながら活動をする。

は谷戸の空気にふれながらのびのびできる外の工房である。

内工房

サテライト オフィス 展望台

道具入れ

外工房

職員室



谷戸に点在している空き家が、子どもたちの手によってだんだんと改修されていく。

改修によって、放置されていた空き家たちは生まれ変わる。物件となり、居場所となり、マルシェとなり、宿泊施設となり、

谷戸全体が抱えていた問題を解決に導く。

逸見のまちはこれからも、子供たちとともに育っていく。



葉の連なり、重なり 第2学年後期 設計課題 「図書館」

さんぽみち 第2学年前期 設計課題 「神大ミュージアム」


集まりとつながり 第2学年前期 設計課題 「集合住宅」

キャンヴァス 第2学年後期 設計課題 「オフィス」



私は人のつながりがどんどん広がっていってほしいと思ってる。 私の建築がそのきっかけになってほしいな。 そんな思いを寄せながら私は設計をし続けていくんだ。



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