Portfolio2020-2021

Page 1

捨てること - 食物連鎖から学ぶ -

敷地情報 国分町 1 丁目

住居 8

広瀬通りと青葉通り、晩翠通りの仙台主要な道路に囲まれ、周辺には

SDGs は世界の目標で、一人ひとりが取り組まなければ達成しなくてはならない。現状意識している人は一部の人達でほとんどの人は意識していない。なぜなら環境の変化が見え

アーケードや国分町 2 丁目など商業施設が密集している地域がある。

だけでなく東側にも設け られており対象敷地から

2 階の住民は皆この

住居 9

階段を降りる。

東側に大きな開口が 設けられている。

東側に大きな開口が 設けられている。

UP

お店の勝手口は普段開い ており日常の接点が生ま

1 階住居の開口

入店することができる。

ずらいからである。私は特に食品ロスについて感じてもらうため年少から年長にかけて生き物を育て、最後に食べることで食について向き合う機会を設けたいと考える。

キッチン 3

お店のシャッターは正面

このエリアは駐車場の利用が高まり、現在この地区の用途として最も

れやすい。

多いことがわかる。街の駐車場として機能しているものの空車が多く

東側に大きな開口が

東側に大きな開口が

設けられている。

設けられている。

1 階住居の開口

おおやね広場 magnet

動線にキッチンが侵入す 隣地住民動線

みられる。

ることで視線が交わる。

居室からキッチンの様子

通りだけでなく住

が見え、お互いの廊下が

居室からキッチンの様子

一つの空間として利用で きる

が見え、お互いの廊下が 一つの空間として利用で きる

居にも抜けが生ま れる。

交互にディスタンス

わり子どもから大人まで使えるようになり、S 極・N 極を用いてくっつける

UP

という意味があります。老若男女 問わず誰でも気軽に利用してほし いという店主の願いから名付けま した。

住居 25

外に出られる大きな 開口がある。

距離を離して向かい合った

な空間である。

配置。居合わせた人同士で

Day out などによるイベントが定期的に行われ、地区内外から多くの

人が集まる。

配置図兼 1 階平面図

0

S=1:100

1

10

5

住居 26

住民が持ち寄って敷 地一杯に植物を植え て育てている。 植木が広がり、キッ チンから緑が見え るようになる

住居 27

DAY OUT 肴町公園を中心に活動。子供達の遊びが何気なく生まれる場を目的と

ど、その人にちょっとより

住居 28

し、今までに小さな絵本の図書館や定期的なマルシェの開催を行って

そった椅子を提案しました。

ちょっとひと休み

220

188

660 110

660 142

B

A

知しまいした」や「いいですよ」

キッチンと一体化 した空間になる

肴町公園は街区公園に位置付けられ市街地の中心に位置しながら閑静

は高さを変えて使用するな

MATERIALS

住居 16

部屋の拡張

住居 13

肴町公園

置き方。親子が使うときに

待ち合わせの場所などにも用いられ街のランドマークとなることでしょう。

キッチン 6

住居 19

キッチン 4 洗

住居 6

テラスの拡張し

は様々です。友達同士では

は別々の方向で互い違いの

ことで使い方の幅を広げることができます。磁石をモチーフにすることで

“いがす”とは東北地方の方言で「承

住居 24

キッチン 2

住居 2 洗

で生活が完結している。

キッチン 8

住居 15 住居 12

住居 5

た一丁目に居住する人の多くは職場が青葉区内にあることから自区内 広場で座る人同士の関係性

をすることをテーマに設計しました。向きを変えることで座面の高さが変

キッチン 1

大町 2 丁目は 20 代~ 50 代の学生や働く世代が多いことも分かる。ま

UP

ねぇねぇ、なに読んでるの?

様々な人が使う公共施設に対応するため向きを変えて「くっつける」操作

A

UP

住居 1

の立町、大町 2 丁目は多くの居住者がいることがわかる。また立町、

CONCEPT

UP

各地区の世代別人口を比べてみると、国分町 1 丁目は少ないが、周辺

UP

居住

いる。

キッチン 9

住居 29

避難場所

こんきん食料品店 ( 明治元年創業 )

敷地である国分町内には避難場所がなく、一番近い東二番小学校は大

C

ピロティ部分はかつて野菜や果物が 住居 30

雨時には開設しないことから避難の難しい地域といえる。広場であり 基本地図 S:1/5000(A3)

N

国分町一丁目の用途割合

ぎっしりと並べられていました。

避難場所として機能することで認知されやすと考える。

近年は店主の高齢化や、店舗規模の UP

縮小などにより使われていません。

275

一丁目

C 12mm の杉板 (275×310)

E

150

D

F

55

住居 18%

220

220 660

12

220

施設名

公園 1%

浴場 1%

F 4mm ダボその 2

220

2

夜間最大 500 円

D

駐車場 28%

40 分 /200 円

25 分 /220 円

他区で

従業

従業

660

142

1 でつくった座面とカットした A を

カットした B,C,D を数ヵ所 E,F で取付

188

64%

数ヵ所 E,F で取付ける。

け、座面をつくる。

お母さんの買い物を待つ、お父さんと子ども

ID:0024

待ち合わせ時間までのすきま時間

国分町一丁目

動くものと止まるもの

“ただいま”と“おかえり”を

1713119

県内他

他県で

市町村

従業

3%

15%

B

12 時間最大

D 地点 空 空 空 空

平日 1200 円

E 地点 空 満 満 満

休日 1400 円 夜間最大

F 地点 満 満 満 満

800 円

G 地点 満 満 満 満

15 分 /100 円

H 地点 空 空 空 空

けた外観などを基に日常は座って

りの子どもたちが宿題などをした

10

③キッチンのお裾分け

一階の一部を住民の動線として共有し、その動線の一部に侵入するようにキッチンを配置した。これにより

キッチンを共有し、ダイニングを各部屋に配置することでダイニングとキッチンが一体化した空間

お裾分けのために設えたキッチン同士は、階段や路地によってつながりを持っている。便宜的に隣 接する住居のためとしているが、場合によってはそれぞれがつながり、関連しながら展開できるよ

として展開する。部屋の大きさを調節することで部屋から家具が溢れ選択的に共有することができ

流を図るための利用も想定される。

所としても利用される。

④お裾分けの連続

②通路のおすそ分け 隣地住民との接点が生まれ、お互い認識できる環境を設けることができる。また隣地店舗における文化の交

生が住んでいた際は、帰宅時の学生に勉強を教える場所として開くなど学生ならではの交流が行われる場

150

肴町公園

食品ロス

食べるまでの過程

成長過程と食物連鎖

成長過程と目線の変化

管理の視線

うなつくりとなっている。

る。

た毎月開催されるイベントでは屋

人の口にたどり着くまでに多くの植物・動物の食べる食べら

設計するこども園は子どもの成長と共に食べる食べられるの

身長が伸びることで目線の高さが変化することを活かし子

保育士にとっては子供達の管理が重要である。子供達が危険

れるの過程を経ている。しかし生活の中ではほとんど分から

関係を理解し毎日食事のできる有難さを体験・学ぶことを目

供の成長過程と連鎖の変化の過程を合わせることができる。

な目に合わないか常に気を付けなければならない。そこで放

な影響を与えている。

ず、多くの命を頂いているという実感がない。そのため食品

的としている。年少時は植物を育て、年中は育てた植物を昆

平均身長をもとに 50cm 床を下げることで目線の高さが合う

射線状に空間を挿入することで、死角を減らし、子供達の安

日本でも年間約 612 万トン食品ロスが生まれている。これは

を捨てること対してに罪悪感が生まれない。

虫が食べながら育てていくように徐々に連鎖を学び最後は育

ようになる。

全な教育を行うことができる。

一人あたり毎日ご飯茶碗一杯分のロスしてることになる。

日本の「食品ロス」

350

約 612 万トン

飢餓をゼロに

300

高次消費者

250

活用にあたり暖簾・台の製作、壁

200 150

事業系

100

50 4 0

50

良覚院丁公園

3 3

1 日約 132g

片平さんかく公園 一番町1丁目

家庭系

150

柳町公園

年間約 48kg

約 284 万トン

200

公開空地

消費者

※茶碗 1 杯のご飯の量に相当

400 350 300 250

マンション 併用住宅 併用集合 戸建住宅

入園

国民 1 人当たり食品ロス量

約 328 万トン

0

100

※年間 1 人当たりの米の消費

0

1

2

3

4

5

の塗装を行いました。地域の銘酒

卒園

植物等の生産者を育てる 昆虫等の消費者を育てる 動物等の高次消費者を育てる

生産者

量 ( 約 54kg) に相当

50

0

身長 (mm)

GL

「玉の春」を扱うお店としての雰囲

0 歳 678

気をつくりながら気軽に寄りやす

1 歳 738

い空間になるよう意識しました。

2 歳 836

地域の方と何度も話し合いを行い

3 歳 921

農林水産省から

持たせた。

し、社会との接続と商店街の今後の在り方ついて提案する。

基本情報

余白の棲家

4 歳 998

決めていきました。材料のほとん

5 歳 1061

どを地域の方から提供して頂いた ことでほとんど予算をかけずに造 ることができました。

~住民によってつくられる風景の街~

株式会社デサント仙台オフィス

動物の世界には、建築家は存在しません。動物はみな、自分 の家(巣)を自分たちでつくっていきます。森という大きな 領域を共有し、様々な種の動物たちが集まりそこに暮らしま す。いわば、森は動物たちがつくる住まいの風景とも呼べる のではないでしょうか。本提案は、この動物の巣作りから着 想し、住民たちが自らの住環境を自らで構築し、それらを森 のように共有する。そんな住民によってつくられる新しい風 景を創造します。

自ら住環境をつくる動物たち

リモートの普及によって仕事と生活が表裏一体の関係に変化する。仕事と生活が同一の空間になることでの

整う家

表紙の壁と 10 枚の屋根

切り替えが難しくなった。そこで両関係を繋ぐものとしてサウナを設け、リモートスタイルに適応した住宅 環境を整備する。またサウナは住民間の接点となり、常にお互いの気配が感じられるような住宅となる。

1713119 今野隆哉

ARENA SHOP 仙台

イベント時の活用

従業員数 :264 人

「つくる・かざる」で周囲とつながる

工場 : 水沢工場 事業目的

画像 : 公式サイトより

現在のデサント仙台営業所から東京、大阪に 続く第三のオフィスとして主に東北のスポーツ

つくる

かざる

活性化を目的としている。また東北初の ARENA SHOP、スイミングスクールを開くことで東北か

イベントではギャラリーとして地 域の方に活動の様子を発表しまし

ここに住む住民はみな、何かをつくること、かざることが好 きな人たちで集まっています。それぞれ異なった趣味を持ち、 その趣味のための魅力ある屋外空間を住民たち自らでつくっ ていくことができます。住民間同士で自分がつくった空間を 見せあったり、時には一緒につくったり、また、つくった空間 で地域の人たちを招いたりなど、つくることやかざることを 通して住居間でつながり、また周辺地域ともつながります。

た。ギャラリーの他に講談師の方 に協力頂き公演を行いました。活 動を通じて地域の方が今後の町に ついて考えるようになったり、活 動の情報を知った方が訪れるよう

ら世界に活躍する選手を育成、強化する環境を

になったりと町全体に影響を与え

整備する。

ることができました。

空間構成(アウトドア世帯の場合) 面積表

外側は人が止まるスペースとする

B1F

2F-3F SWIMMING POOL

2F

896.14

86.5

3F

407.46

71.1

B1F-1F ARENA SHOP

その頃の経験は 12 年経った今も印象に強く残っている。

敷地情報

4F

922.52

59.0

758.34

62.9

2700

放課後の居場所としての商店街

移動可能なファサード

子どもの放課後の時間に着目し、学校から家

共有地に出た部分は簡易的に設置している。

に帰る間に商店街を経由するようにする。商

老朽化で既存の建物が解体されても交流の

店街を利用することで社会と接続する機会を

跡が残り、別の場所に利用することで新た

持ち、学校や家庭では学べない多くの社会経

な交流が生まれる。

居室 コア(水回り)

-3

-2

-1

0

1

予測

2

3

信頼下限

4

5

6

7

8

9

既存の魅力を活かしながら、ショップを出店し

10

信頼上限

たいかたなどを後押しできる場所になるように 改装した。

設置

娯楽室 -1130

第 2 研修室

10000

10000

倉庫

各世帯

4

地域との交流も活発になることが期待される。

屋内ホール

4700

4700

第 1 研修室

第 3 研修室

配置計画

1

予測

2

3

4

5

6

7

8

9

3

10

①二車線道路

02

木造グリッドで作られた空間は子どもやアーティストの作品を展示す場所と なっている。作品の大きさに合わせて自在に展示空間をつくることができる。 また、作品の展示と共に作品の製作の様子が外から見られるようになってい る。これにより世代関係なく誰でも利用できる場となる。

03

②歩行者専用通路に変更

③共有地を介して交流をが生まれる

エントランス

空き店舗を稽古場として活用する。隣の建物と 2 階を共有することで、 使い道の幅を広げる。 また、 道路を挟んで向かいにはかつて人形劇を行っ

演劇と放課後

も持つことができる。

閉架書庫

1820 1820

アウトドア家族の風景。ブランコやネットなどをつるすことで、周辺に住んでいる 子どもたちのあそび場をつくります。

駅からのアプローチ 坂下からのアプローチ

お店の軒先を利用した人形 劇が盛んにおこなわれた。

2000

い軒先のある建物が減少し、

1820

次第に人形劇も衰退して

昭和 30 年

8000

8000

39700

7700

4000

4000

6000

3000

7200

40700

配置図兼 1 階平面図 1/200

1000

7200

8300

4000

20000

2 階平面図 1/200

42100

11000

7100

525

1630

2730

2200

建築学生世帯テラス前。学生と DIY 家族の子供は、時々一緒に DIY などをして交 流をしている。

DIY 家族のダイニングからの風景。天気のいい日には外に出て食事をするのがこの 家のルール。

西立面図 1/200

2900

トヨタ財団による援助により期間限定で活動を行った。

ステージ兼展示室

られた。作品を通じての地域との交流ができると考える。

現在は活動していないが、組織は残っている。実際に運 営している方への聞き取りを行った際、活動したいが何

1300

2730

19500

3715

2730

3715

住居 12

ができるか分からないとのことだった。運営に携わる機

展示空間

3900

20160

16060

1620

日野屋本店“浦島太郎” 白石薬局提供

12 100 人女子会

せんまや本町アートフェス

子どもが描いた絵を地域の人が興味関心を持つ様子が見

1720

5070 2200

見守っていくことができる。

3900

3715

2730

1720 1300

3900

2200

04 1720

2200

2730

ず商店街に拡大していくことで子どもたちの成長を町で

アーティストの作品を通じて子どもが興味関心を示し、

1720

3715

商店街を利用する重要な機会である。学習塾内で収まら

会を提供することで活動の幅が広がることができる。

南立面図 1/200

稽古場兼会議室

更衣室

休憩スペース

3900 3715

3715

2730

3715

住居 13

事務室 3900

11145

平面図

2730

2730

790

1:400

6250

N

平面図

1:400

倉庫

N

平面図

1:400

N

9480

すみか

~成長に寄り添うこども園~

保育室からすみかを眺めながら時間を過ごす。

余白を創る

平面的関係

3.Action

三次元的な拡がり

余白から得られる行為 【登る】 目標を持って、自分にとっての未知 の場所を目指す行為。成長とともに どんどん登れる範囲が増えていく。

従 来 の 構 造 体 を ほ ど き、「登 る」「見 渡 す」と い う 行 為 を 挿 入 し た「す み か」を 新 た な 構 造 体 と し て 提 案 す る。す み か は、 こども園の支えとなるとともに、子どもたちの拠り所となる、大きな木のような存在である。

柱とスラブ

柱をほどく

5.Diagram

すみかを囲む建築的操作

通路を伸ばす

天井裏を膨らませる

すみかは、構造としての役割を果たすとともに、皆にとっての目印となることから、大きな中心性を持つ。そこで、すみか を敷地の中心に置き、それらを囲むように保育室を配置していく。

【見渡す】 俯瞰的な見渡しは見える範囲を拡大 させ、他者を客観的に捉える。成長 とともに他者に対する理解が深まっ ていく。

1本の木に対しても様々な見方がある。

梁を伸ばし、屋根を架ける

住居 2

3. 仕事と生活を繋ぐ

10 枚の屋根

表紙の壁

かける

仕事

のように。この一つひとつの屋根が重なり合うことの可能性を提

通り過ぎることになる。もしそれらの本の表紙が見えていたらま

サウナ

シャワー

サウナ

クールダウン

シャワー

住居 6

着衣

2,3 回繰り返す

仕事と生活の間にサウナを設けることで 1 日の生活を整えることができる。クールダウンはサウナならではの時

ひとりの空間

間になる。1 回だけでなく何度も繰り返していくことで整える。そこで気分によって場所を選べるよう 4 つの空 間を設ける。

WS1

4. サウナ・仕事・生活の庭

WS8

住居 8

みんなの空間

住居 7

WS9

新しい本が入れば違った印象

奥行きのある本棚がうまれる

N

をもつ棚が生まれる

A-A` 断面図 1/200

庭をサウナ・仕事・生活が共存する場所とすることで日常的に庭を利用することになり、お互いの気配を常に感

2

0

止まり木テラス 公園 街並み

10000

10000

5400

3900

3000

5000

1m

2m

5m

園児動線

10m

を見ることができるようになる。

コミュニティセンター

玄関 職員室 搬入室

応接室

事務室

更衣室

食品庫 調理室

トイレ

3歳 デンの一番上まで登れるようになり、調

0歳乳児室

理室を上から見たり、先生と同じ目線で

ほふく室

話したりと、今までとは違った視点で他 者や物事を見る。

すみかの中は様々な年齢の子どもたちが交わる空間である。

地域動線

A 木かげ広場

ホール

1歳乳児室

2歳 少 し ず つ 走 り 回 れ る よ う に な る。

会議室

すみかの下から、すみかを登って

0・1歳

遊んでいる子どもたちを見て、自

成長とともに自分の意志で移動で

分にとっての目標としていく。

きるようになる。天井から差し込

2歳乳児室 多目的室 デンの最上段 GL+2000m

む光を浴びたり、すみかの下をく ぐって、まわりの子どもたちの様

3歳保育室

N

5歳保育室

子を感じ取る。

公園

4歳保育室

街並み

配置図兼平面図 0

乳児たちはすみかに登っている子どもたちを目標にする。

1 敷地について 1-1 敷地形状

1-2 荒町商店街

敷地は、仙台駅から南に約 1.3km の場所にある、若林区荒町地区とした。南面は旧奥州街道である県道

荒町は、東西約 600m ある旧奥州

235 号線に面する。敷地周辺では、「狭い間口と深い奥行」という街道沿いで特徴的な敷地割りが目立つ

街道の両側に広がる町である。藩

。その中でも対象敷地は、敷地の合筆が進んだ結果、駐車場となっており、敷地にあった歴史的な積層は

政時代には麹造りの御譜代町とし

参照されていない。

て栄え、その時代からの伝統を引

●敷地形状の変遷

継ぐ麹屋も現存する。旧奥州街道

N

辿る根っこ

用幅が広がり、土地の所有者が比

N ①敷地所有者が店を構え、奥に建物が連続する。

②敷地所有の作法が変わり、旗竿地に住居が建つ。

③建物の劣化により取り壊され、駐車場になる。

④敷地がすべて合筆され、細長いマンションが建つ。

宗教施設(寺、神社、教会)

較的自由に敷地を活用している。

7,000

る開校に伴い多くの学生が近辺に住むことが予想さ れ、人口 ( 若い世代 ) の増加が考えられる。 土樋キャンパス

泉キャンパス

文学部

文学部

902 名

経営学部 法学部

経済学部

666 名

経営学部

731 名

754 名

法学部

748 名

土樋・五橋キャンパス 11114 名

N 地下鉄

愛宕橋駅

多賀城キャンパス

972 名

1240 名

/ 荒町商店街

1380 名

工学部

年齢別

人口構成

6m

15m

30m

人口総数及び世帯数 推移 単位:世帯

1880 名

キャンパス移動 5711 名

●荒町地区の人口

~ 歳

荒町地区における平成22年と令和1年の

~ 歳

人口構成を比較すると、10代と20代の人 口は減少傾向にあることがわかるが、世

~ 歳

帯数の推移に目を向けると平成30年まで

~ 歳

減少傾向であったのが、令和1年に増加 傾向に転じている。また、世帯構成員数

~ 歳

について荒町地区と若林区、仙台市を比

~ 歳

較すると若林区と仙台市は2人以上だが 、荒町地区は1.75人であり、一人世帯が

~ 歳

●荒町商店街地図 S=1/10,000

●敷地写真 S=1/1,000

単位:人

歳以 上 ~ 歳

●キャンパス移動生徒数 (R.2 の在学生で換算 )

経済学部

旧奥州街道

、奥行きが深い。現在は敷地の利

75

病院

沿いの敷地は、通りに多くの店が 並ぶように、一般的に間口が狭く

A

3m

1-3 大学キャンパスの新設 2023 年に東北学院大学五橋キャンパスが開校され 商店 東北学院大学 五橋キャンパス予定地

人口総数

単位:人

世帯数

多いことがわかる。

各エリアで配管を集める 探検していたら川がよく 見える場所を発見

しかし、摂取した養分を体外に排出するトイレは人間にとって大切な空間である。

【簡単と複雑】 計画敷地に面する道路から散歩 している人が休憩できる

動線、他方では容易にアク

倉庫

セスでき、フェイルセーフ

子どもが内側から窓を 開閉することが可能

普段気付き難いことを小さな発見からほんの少し知ることができるかもしれない。

子ども用トイレ

少しの隙間から 木が見える

全ての動線を複雑にするの ではなく、一方では複雑な

③ おむつ替えシート

川を流れる水、排便を流す水、喉を潤す水、体内から排泄するおしっこ、植物が育つ水もみんな同じ水である。

的配慮をした。

女性用トイレ

トイレは誰が綺麗に保っ てくれているのか

はんぶんこの生活 - 都市にありふれる「ひとり」のための集合住宅 進学のために仙台へと移り住んだ学生のための集合住宅である。移り住んだ学生の多くは、地域住民との関係が希薄になりがちで、地域への所属意識も低い。地域と相互扶助の関係を構 築する手がかりとして、生活の一部が部屋から溢れ出ることによる、住民同士や隣地住民、地域住民との生活の「はんぶんこ」から、交流を喚起する提案である。

鬼ごっこがはじまる? 大人も見えない 壁に背の高い孔

【管理のしやすさ】 複雑な動線となっている が、配管が集まるようにト

子どもの近くで お父さんが待機

イレ・洗面台を配置するこ

上部パーゴラ

GL

府中産の木のベンチ

壁面には子どもたちが描いた 絵が展示することも可能

床のサインを 辿ったら⁉

コンクリート壁に土 を塗っていく

とで、管理者側の動線を容 易にした。

お父さん一緒に 探検しよ

7100

【防犯性を確保】 壁が多くなってしまう分、

水洗い場

不審者が隠れられる場所が

男性用トイレ

でてくるので、開口を開け 多目的トイレ

B-B` 断面図 1/100

ることで、人の姿を把握で きるように配慮した。

トイレにこもりたい ときもある。

展望台

スロープから見えやすいところに多 目的トイレを設置

3000mmの擁壁に挟まれ 少し落ち着いた場所

展望台から仙台の街並みを一望できる。また天

Class room

気の良い日には太平洋が望める。施設に立ち寄 った際その景色に思わず魅了されることでしょ

けもの道と土間 面積表

図書館には表紙の壁が至る所にあり、その壁の

図書館

合間を縫うように歩くことで新たな出会いが生 まれることを期待している。また初めから目的

体育館 600 ㎡

3700

中心に分野を分類した。

遊戯室 35 ㎡

アリーナを一層下げることで校舎との統一性を意識した また地域の人が多く利用するため中間層に職員室を設け

市民センター

図書館

3700

教室、アリーナ双方に監視の目が届くように配慮した

GL

市民活動室 70 ㎡ 閉架書庫 196 ㎡ 事務室 84 ㎡

として現れ、半屋外空間をもうけた。それに

ホール 372 ㎡

より営業時間外でも市民が集える空間となり 七夕の時期には市民の皆さんでつくった吹き

4 自然科学 514.8 ㎡ 5 技術 416.3 ㎡ 6 産業 309.0 ㎡

【2. 子供の空間の認識をピアジェの理論から考える】

「トイレに行く」という行為は、尿意や便意から生まれてくるもの だが、それ以外に潜在的な要素があると考える。騒がしい場所か

【3. コンセプト】

2m

5m

10m

10.55 ㎡ 10.83 ㎡

子ども用トイレ

10.67 ㎡

多目的トイレ

10.54 ㎡

倉庫

4.34 ㎡

建築面積

46.93 ㎡

S=1:100

【4. ダイアグラム】

ー発見の余地が点在した、変化を楽しむことができるトイレー

ルートマップ

サーベイマップ

幼少期 ( ここは具体的に明

成長するにつれて、シーンか

トイレに行くという行為から生まれる経験、子供たちの空間認識

らシーンへの過程を周辺の要

からコンセプトを考える。

ど多くの動物が生息している。ここ数獣害が深

7 芸術 146.0 ㎡

ら少し離れて気分転換をしたり、窮屈な所から少し解放されたい

記 ) は、シーンを断片的に

刻化しており、農地を守るため町民が狩獣資格

がためにトイレに行ったりと、いわばトイレは、その場から少し

挙げて、それを線でつない

素との相互関係を構築しなが

子供たちにとって楽しい空間とは、シーンからシーンへの過程が

8 言語 302.4 ㎡

を取る動きが出始めた。

距離を置き、ゆっくりとした時間の流れを感じるための「目的地」

でいく。つまりシーンが連

ら、だ ん だ ん と 正 確 な 地 図

一つに定まることがなく、なおかつ一つの過程でも変化を感じる

として選択される。そして体内から不要物を排泄し、落ち着き、

続していないマップである。

( サーベイマップ ) として作

ことのできるような空間だと考える。

り上げていく。

そんな「発見の余地が点在した、日々の変化を楽しむことができ

また元いた時間の流れへと帰っていく。

9 文学 292.1

1600

2984.1 ㎡ total 4964.1 ㎡

ゆっくりとした時間の流れの中に身を置くことで、普段感じるこ

800

H.11 H.12 H.13 H.14 H.15 H.16 H.17 H.18 H.19 H.20 H.21 H.22 H.23 H.24 H.25 H.26 H.27

A-A` 断面図

る公衆トイレ

S=1:85

S=1:100

2 地域に根差したひとり暮らし

とができ、変化を楽しみながら安らいだり、子供を見守ることが

あるトイレを設計する。

200

大きな箱から解放する

合理的に配列されてい

そしてこのトイレは、子どもだけに留まらず大人も童心に帰るこ

とのできない気づきや発見に出会うだろう。そんな発見の余地が

600 400

男性用トイレ

②各個室を分散して配置し

①各個室が大きな箱に

るトイレ」が本設計の提案である。

1400 1200 1000

0

子ども用トイレ

できる空間となるだろう。

2-1 地域とつながりながら暮らす

年度

地区別有害捕獲数の推移 ( 平成 11 年度~平成 27 年度 )

人工物と自然

N

配置図兼一階平面図 S=1:75

④L 型の壁で構成し発見の

気配をつくる土間

※破線はけもの道を示す

西側立面図

先祖代々狩猟を行いながら森

①西側から外観を見る。そこには、奥に見える記念樹のもとに行

②子ども用トイレの個室 ( 大便器 ) を見る。小さな窓から姉が見

③子ども用トイレ北側から中央を見る。地面にあるサインを追っ

④中央付近から東側を見る。冒険して記念樹の見える出口を見つ

きたいという姉と、トイレについてきてほしいという妹がいる。

守ってくれており、妹は、トイレに続いている光が入り込む空間

ていくと、道の途中にトイレから流れている配管を見つけ、水が

けると同時に、道と思っていたところに進んでみるとベンチがあ

を見つける。

流れているのを感じる。

り、そこで本を読む男の人を見つける。

林を守っていた

91

会議室

26,900 4,762

2,500

3,788

2,683

5,758

350

W.C.

EV

W.C.

女子更衣室 機械室

多目的ルーム

EV

DW

奥に行くほど意識が薄くなって気配となってく

観覧スペース

男子更衣室

会議室

倉庫

プール

7,400

ダイニングキッチン

壁と向き合う空間

杮 ( こけら ) 葺き 杮葺きは薄い板を重ねて屋根を葺く方法で、古代から取り入れられてきた。 縮景園内では「清風館」と「超然居」の屋根に使われている。木を用いてで

25m×5レーン

杮葺きは屋根に利用されるほど

杮葺きを感じてもらうため、杮以外の構造や機能、素材 はシンプルした。また曲線に緩急差をつけることにより

で向き合う不思議な空間である。その壁

防水性が高ことに加え、軒付け

場所によって様々な見方ができるようにした。

に杮葺きを取り入れることにより、普段

かし、その美しさは屋根の上からしか分からずほとんどの人は感じることが

には隙間を空けて通気性を良く している。これはトイレ空間に

は見ることのできない素材の質感や匂い

できない。そこで、杮葺きを屋根ではなく壁として用いることで誰もが美し

などを空間全体で感じることができる。

さを感じられる空間となるだろう。

空気層

必要な防水性、通気性を満たし ている。

構造

7,400

WC

A`

A`

野地板

平板

鉄筋コンクリート

社長室

会議室

喫煙所

会議室

喫煙所

プール

7F

6F

5F

4F 3,330

観覧スペース

更衣室

3F

2,960

2,500

2F

駐輪場

ショップ

南立面図

機械室

試着室

2,500

26,900 4,921.12 3,637.022,683.72

W.C. 駐輪場 事務室 DW

190 1,700 300

5,758.14 350

駐車場

試着室

倉庫

ショップ

倉庫

野地板 鉄筋コンクリート

1000 1000

9200 3770

A

990

平板 上目板

1000 510

3930

1000 300

205.8 ㎡

2550

DW

A-A´断面図

3780

138.7 ㎡ 94.4 ㎡

敷地面積

775

4500

機械室

延床面積

200

775

200

700

300

1000 300

700

9200 3930

510

1000 990

3770

700

300

軒先詳細図

B1F

面積

建築面積

700

小軒板 裏板

1F GL

720

1FL GL

7,400

GL

道路境界線 A´

地下1階平面図

1000

鎧張を用いた伝統的な住宅

350

200

会議室

会議室

カフェ

1,758.14 2,683.72 1,758.144,100 385

隣地境界線

2800

事務室

事務室

26,900 6,800

A`

配置図兼平面図

1:50

詳細情報

200

事務室

事務室

事務室

2,500

4,000

事務室

事務室

4,000

事務室

土間

内壁詳細図

3002,550 350

2階平面図 A

7,400

2,500385

2,350330

2,500

祖父室

事務室

A-A` 断面図 S=1:60

385

4,000

2FL

事務室

1FL

4,000 31,000

子ども室 2FL

シカの被害対策としてネットを使用している

3階平面図

1:200

2,450385

1000

8,398

構造

RC 造

面積 男子トイレ

9.87 ㎡

女子トイレ

10.90 ㎡

多目的トイレ 7.80 ㎡

1000

3,005

22,300 6,800

8,447

6,500

44,710 2,500

隣地境界線

7,400

6,500

2,500

22,300 6,800

7,400

320 3,680 320 2,690 4,000

1,000

2,225

軒高

8,500 14,200

1000

最高の高さ

2,500

森の管理に繋がる

2,425

ある鎧張を用いた。山に植

6,575

N

4階平面図

5-7階平面図

外壁は福井の住宅の特徴で

3502,550 300

2,500 3852,500

350

道路境界線

4,000

6,500

6,200 14,200

2,500 3152,500

4,000

190 2,000

上目板

350

外壁

樹した杉板を用いることで

12

杮葺きの防水性と通気性

曲線美 トイレ空間は生活のなかで壁と至近距離

650~750

きる厚みのある曲線は職人の技術の高さと美しさを感じることができる。し

2,500

DW

浴室

DW

EV

EV

44,100

6,500

会議室

EV

カフェ

9,205

DW

EV

2,500 350

7,400

9,205.03

印刷室

350

3003,705.03 1,389.94

2,500 350

350

25,000

会議室

5,758

24,800 6,800

EV

居間

4,000

共有エリア

W.C.

EV

2,683

喫煙室

DW

バルコニー

ルーフテラス

玄関ホール兼倉庫

②狭まる壁 壁の角度を振ることで空間に奥行きが生まれる。

祖父エリア

2,500350

会議室

DW

子ども室

土間

26,900 8,558

6,500

会議室

EV

A

祖父室

2,500

3502,500 2,632.623,867.38

A

た。

夫婦エリア

6,500

各階の生活の動きを捉えることができる

を配置すること日常に動物が溶け込むようにし

7,400

3502,500

の階層を統一させた。壁を目印に視線が上下し

流できるようにした。また、各エリアの間に土間

9,205

敷地の高低差による変化がうまれるように建物

でお互いのプライバシーを確保しつつ日常的に交

社長室

1,389

③高低差による視線の移動

の間に共有のダイニングキッチンを配置すること

350

2,500350

W.C.

A-A` 断面図 1:40

低い

互いに開くための「共用廊下」を拡張

同じ時間と違う時間を重ね逢わせることで、学校という誰もが一度与えられる時間に新たな時間を逢わせられるかもしれない。

配置計画 東側を祖父の部屋、西側に夫婦の部屋を配置しそ

5

10

毘沙門天

毎日同じ時間に玄関の扉を開け、同じ時間に友達と出会い、同じ時間に鉛筆を動かす。毎日同じ時間を過ごしているはずなのにそこで生まれる時間に同じものはない。

夫婦寝室

24,800 6,850

配へと変化していく

2,500 44,100

が変化する重なる開口の範囲が小さくなるだけ気

1

3-3 プライバシーのすみわけ

ヨソモノの学生

森民酒造本家 etc...

祖父、父、母、子

①二重開口 壁を二重に開けることで角度によって見える範囲

「荒町」の人々

荒町商店街

地域住民

でいく。

の中に溶け込んでいくことを意識して設計した。

0

3-2 住民と / 地域と協力して作るオープンスペース

S=1:100

余地をつくる

時間の重なりによる出会い

物両者の存在が気配となり、日常の中に溶け込ん

然に挟まれている。ダムの延長でありながら自然

3-1 家具やキッチンによる空間のおすそ分け

荒町市民センター

家族構成

二階平面図 S=1:75

土間に壁を挿入し操作することによって人間と動

人工物

自然

敷地周辺には砂防ダムがあり、敷地が人工物と自

3 空間の提案

荒町小学校 荒町児童館

アクソメ

2-2 ひとり空間の集合体 / 集合して暮らすことの豊かさ

福井県 , 第 2 期福井県第二種特定鳥獣管理計画より

③壁を挿入し道をつくる

市民センター

1m

配置図兼平面図

【1. トイレに行くという行為の経験から考える】

敷地情報 町の 93% が森林が占めておりシカやイノシシな

エントランス 132 ㎡

流しを飾れるように二層吹き抜けとした。

0

な変化に気付くことができる

2 歴史 195.4 ㎡

)

市民センターは図書館の棚が空間を仕切る壁

女性用トイレ

A`

3 社会科学 173.6 ㎡

頭 (

A-A` 断面図 1/200

娯楽室 35 ㎡

1 哲学 296.4 ㎡

することでお互いの気配を感じながらを些細

有害捕獲数

3700

1000

第 2 研修室 100 ㎡ 第 3 研修室 100 ㎡ 和室 1 120 ㎡ 和室 2 40 ㎡

をもって来る方が探しやすいように出入り口を

人間の日常と動物の日常が交わる場所を土間

4700

第 1 研修室 48 ㎡

曲線のガラスを挿入することで採光を 確保しやすいようにした

男性用トイレ

けもの道とは動物が日常的に使う動線である

0 総記 338.1 ㎡

4200

会議室 48 ㎡

屋上展望台

2700

階層ごとにボリュームをずらすことで南面からの光を最大 限確保しつつ、ずらした部分をテラスとすることで、隣地 が高層でも解放的な校庭にした。

【面積表】

3700

う。

2500

東立面図 1/200

0

駐車場

ころから、客観的な立場で他者や物事

SK

③周辺環境の変化に対応 隣地には高層ビルが建ち並び、今後建て替えなどで 更なる高層化が考えられる。一方小学校は低層が一 般的である。そのため周辺の高層化に対応しつつ、 明るく開放的な学校にしたいと考える。

15000

この施設は八木山の頂上付近に立地しており、

Class room Lunch Room

できる。

保育室

うになり、今までいた場所ではないと

4050

6000

Alcove

Corridor Family section room

差し込む。

俯瞰的に園全体を見ることができるよ

広場のついた泥を落とす

3100

可動壁を取り入れ、可動率の高いものから三段階に分類し、 高いものは空間をシンプルにし、利用率の低い空間は噛み 合わせることで多様な空間を生み出すように設計した。

Art room

すみかを登っている園児たちを 見 て、目 標 と す る。ま た、本・

ホール

すみかを登った子どもたちは、園全体を見渡す。

2450

教室

ち は、デ ン の 隙 間 か ら す み か と

おもちゃコーナーとしても利用

A-A’断面図

たまり

Free space

ができる。

4・5 歳

壁の高さは1200

アルコーブ

へと視点が移り変わっていく。

650

物事に対していろいろな見方

を目指す

子 ど も た ち の 秘 密 基 地。乳 児 た 350

を 受 け 止 め、柔 ら か い 光 を と り 入 れ る。光 と す み か を 通 し て、 木漏れ日のように影をホールに

があることを経験し卒園する。

WS

②生徒数の変化や施設の合併に対応 現在生徒数の減少により教室の縮小や小学校の合 併が起きている。また小学校だけでなく、幼稚園や 児童センターなどの施設の合併も考えられる。そこ でそれらの変化に対応できる空間を設けなければ ならない。

デン

ホ ー ル の 屋 根 材 は、ガ ラ ス 繊 維 膜 材 料 を 使 用 す る。空 か ら の 光

すみかと子どもの成長

トイレは見えない、隠れたものとして扱われている。

になってきた今回設計する住宅は人と動物が互いに意識しながら生活していくこと

稼働後

屋根材

も の 行 う。子 ど も た ち は、同 じ 目 線 で 見 た り、す み か か ら 見 下 ろ し た り と、様 々 な 場 所 か ら 見 る こ と

木かげ広場

見えない、隠れたものとして扱う 1 つのエレメントがライニングである。配管が剥き出しになるとどうであろうか。

16850

4800

逢わせることで

しかし近年そのバランスが崩れてき、ニュースでも動物の被害が多く見られるよう

コミュニティセンターから地域の 人 を 招 き 入 れ、す み か の 下 で 催 し

ま た、近 く の 公 園 や、遠 く の 街 並 み を 望 む こ と が で き、園 か ら 地 域

止まり木テラス

その中で人は動物と共に生活してきた

1FL

稼働前

待機時

木かげ広場

成長とともにテラスへ登れるよう に な る こ と で、下 か ら で は わ か ら ない木の表情をみることができる。

北陸の約 7 割が森林を占めていてそこには多種多様な生き物が生息している

2FL

二つの箱を重ねることでワークスペースだけでなく、たま りの場、アルコーブが生まれ子供達の交流の場と居場所 を提供した。

移動時

10(m)

じながら生活できる環境になる。

さらにトイレという空間は 1 人になり思考 ( 養分 ) を整理できる空間である。

3FL

交流の活性化も考慮した。 これらのことから主に以下 の三点を柱とし設計を行った。

教室

サウナ

住居 1

脱衣

③他の空間との繋がりや隙間による視線の交差を生み出す

本が借りられることで透過性が生まれ

住民が手を加える例としては、灯をつるしたり、ブランコをかけたり、階段を上ったところでは グリッドの高さが低くなり、棚をつくり物を置くなど場所や世帯によってつくられる空間に多様 性があり、それらが敷地の中で混じり合い一つの風景をつくります。

生活 WS7

示した。

た違った出会いがあるのではないだろうか。

おく

タイヤ

WS2

一つひとつの屋根がエリアを示している。例えば 1 が哲学の屋根

本棚に並ぶ本は背びれしかみれない一歩歩く間に何十冊もの本を

①雨水を下に流したり、直射日光を防ぐ

つるす

利用方法

WS6

WS4 住居 5

住民が自ら手を加え、空間をつくっていくための手がかりとして、立体格子グリッドの木架構と 外部螺旋階段で空間を構成しています。また、階段の外側を居室で囲んでおり、居室での機能の 延長として、外部空間を使うことができます。コアは、水回りとしての機能を持ち生活の中心と して真ん中に設けています。生活が一つの居室で完結せず、余白として設けた外部空間を住民が 自由にカスタマイズできるつくりとしています。

~気配による動物との共生~

3200

いて新しい時代をひらく人間の育成に努める」 ことを 教育像とし、 一人ひとりの良さを伸ばせるような環境 整備を目標に計画 ・ 設計をおこなった。 また、 街の 中心に位置し、 地域にとって重要な施設であることか

ハンドル この部分に袋をかけて 荷物を持ち運ぶ

緑の空間

けもの道

1713119 今野隆哉

街の中心、成長の中心としての在り方

「豊かな心 確かな学力 健やかな体を育み 志を抱

①教室の充実化と教室を中心とした空間構成 ほとんどの授業を教室でおこなう。また休み時間でも 教室で過ごす生徒も多い。そこで教室の充実化を図 ることで、過ごしやすい環境を提供できると考える。

生活動線

4800

すみかを囲うように部屋を配置する

サウナ動線

(cm)

mannaka

すみかから枝を伸ばす

〇DIY 〇3 人家族 〇所有マス 19+5

公衆 ( 公式 )

350

1800

4.Idea 「すみか」―余白を持つ構造の提案

建築の余白

概 念 的 な 余 白 を、高 さ 方 向 の 余 白 と し て 建 築 に 落 と し 込 み、三 次 元 的 に 空 間 を 考 え て い く。三 次 元 的 な 空 間 の 拡 が り は、平 面 的 な 計 画 で は 得 ら れ な いような、子どもの成長に合わせた関係性を創り出すことができる。

物事を見るとき、様々な解釈や思考が生まれる。成 長 と と も に 友 達 や 先 生、地 域 の 人 の 刺 激 を 受 け て、 いろいろな目線で物事を見ることができるようにな る。こども園での経験が豊かな感性育む。

WS3

社会 ( 上司 )

120

1200

2.Design

概念の余白

物事の見かたには、余白がある。

〇建築学生 〇2人で共有 〇所有マス 15+4

WS5

2020 - 2021

木かげ広場で、地域の人を巻き込んだ交流が行われている。

1.Concept

〇ガーデニング 〇3 人家族 〇所有マス 19+5

住居 4

仕事動線

②間接的に光を取り込み時間によってさまざまな顔を見せる。

〇アトリエ(雑貨) 〇2 人家族 〇所有マス 19+5

水の空間

重要であると考える。サウナには常その距離感があり集合住宅に取り入れることで新たな干渉が起こる。

所有ルール 各世帯の配置は左図のように白で示し ており、各世帯自分の領域を「マス(グ リッド)」で所有しています。世帯間の 境界が曖昧な残りの28マス(ピンク のマス)を住民たちが話し合いどこを 所有するか決めていきます。その際、各 世帯残り何マス所有できるかが定めら れており、そのルールに沿って手を加 える領域を決めます。 (下図参照)

住居 3

7. 夫婦+子 2 人

のではなく、常にお互いの気配を感じる距離感を保ちながら、かすかな変化を通じて交流していくことが

残りの28マス

〇アウトドア 〇4 人家族 〇幼稚園児、小学生 〇所有マス 22+5

6. シェアハウス (2 人 )

が共存できる環境を提案する

集合住宅では状況が異なる世帯がひとつの土地に集まって住む。お互いが仲良く暮らすことを目的とする

家族構成(特徴) 〇オーナー 〇盆栽 〇単身者 〇所有マス 15+4

5. 夫婦+子 2 人

てサウナを取り入れ、仕事と生活

の住宅に受け入れる環境がない

( 友達 )

45

0

リビング

Portfolio

4000

3 階平面図 1/200

まるい呉服店“サルカニ合戦” 白石薬局提供

いった。

1675

2200

アトリエ

の中を子どもたちが通る光景が見られた。子どもたちが

1720

アトリエ

2730

1200

住居 09

住居 08

昆金食料品店と学習塾

昆金食料品店の裏には学習塾があり、時間になるとお店

住居 11

5160

02

1050

住居 10

住居 07

アトリエ 19 マス

DIY 19 マス

各世帯所有のマス

そこで仕事と生活を繋ぐものとし

が隣合わせの状態になるが、現在

個体

( 家族・恋人 )

風呂

キッチン

GL

手を加える例(カスタマイズ例)

道路境界線

しかし商店街の近代化に伴

作業室

ステージ兼エントランス

昭和 30 年

住居 06

住居 05

アウトドア 22 マス

建築学生 15 マス

(例) DIY 世帯の場合 所有マス19 残り5マス所有可

敷地

各世帯

2190

1820

ガーデニング 19 マス

アトリエ世帯からみた風景。居室間の移動の途中に他世帯の生活の様子が視線に入 りこんでいます。 8 9

0

±0

6100

2000 1820

780

6000

人形劇

戦後以降地域住民のために

事務室

稽古場兼会議室

1820

とができる。

+1200

遊戯室

会議室

2000

±0

1270

3460

05

1820 1820

1675

流する機会を増やすことで、次の世代の育成に繋げるこ

アトリエ

住居 02

7 2

1 市民活動室

8000

8000

遊戯室

倉庫

1820

アーティストを輩出してきた。少しでも子どもたちと交

1675

1675 1675

8375

そこで徒歩 10 分で着く商店街を住まいとすることで、 日常的に学生が過ごす場所にすることができる。

18980

5740

ている。しかし、学生のほとんどが車で 30 分ほどかか る一関に住むことになっている。

1675

4100 8200

4100

熊谷家と白石家の美術

千厩には熊谷登平や白石隆一をはじめ現在まで多くの

7415

療福祉専門学校一関校千厩校舎が開校する予定となっ

4280

住居 04

1820

03

医療福祉専門学校一関校の開校

令和 3 年度に旧千厩小学校の校舎を再活用し、国際医 2100

+5200

閉架書庫

8000

8000

屋外広場

4000

5840

01 12210 5830

住居 03

住居 01

和室 2 和室 1

UP

ていた建物があり、コミュニティ道路の整備により観客席としての機能

1600

美術と放課後

寝室 2FL

1FL

8000

0

オーナー 15 マス

73100

-1

27000

-2

11000

-3

69100

-4

隣地境界線

-5

8400

-6

を子どもたちの勉強や読書スペースとすることでたまり場ができる。

69100

-7

商店街の入口だが、シャッターを下ろしている店舗が多い。シャター

配置は、日射面を考え、南面に住居が面するように敷地全体 を方角に合わせ、2700 のグリッドを引きます。そして、採光 や視線の抜け、高さのズレなどを意識し、各世帯のボリューム を配置しました。

6

1600

勉強と放課後

道路境界線

01

11000

-8

10 年後には高齢化率が 50%を越え人口も現 在の 200 人近くになると予想される。

社会 ( 大人 ) と接する機会がなくなる

配置図&所有ルール

5

して危ない。そこで歩行者が優先して利用できる環境を整備することで安全に過ごしながら

8400

0

商店街の維持

2,850

移動

200mの直線道路が商店街を通っており、歩道も1mほどしかないため車がスピードを出

リモートワークにより生活と仕事

8. 夫婦

1,000

-4

50

5,700

-5

14600

-6

3300 2050

-7

5350

-8

4. 夫婦+子 1 人 仕事空間と生活空間が別であった

2. 集まって住むことの距離感

コア 1F キッチン、トイレ 2F 風呂、トイレ

RFL

設置

道路から共有地へ

0%

450 400 350 300 250 200 150 100

3. 夫婦

中心に水回りである コアがあり、その周 りを螺旋外部階段で 囲んでいます。居室 への移動はこの階段 で行われ、移動の際 に他世帯の風景が目 に入ってくるように 計画しています。

密接

50% 40% 30% 20% 10%

今野梱包の椅子に手を加えて、支援物資で の待ち時間と荷物の持ち運びによる二つの 負担の軽減に重点を置いた。 避難生活おいては様々な面で体力の消耗が 考えられる。例えば支援物資の受け取りも その一つである。そこで待ち時間に軽く腰 掛けできるものを用いれば負担を軽減でき る。また移動の際に袋を用いればカートと なるため、水や食料などの物資を楽に持ち 運ぶことが可能である。

2. 単身

17400

下校

登校

60%

商店街の需要↓

振興会が維持不可

2,850

学校

10050

放課後

て活用することから地域の憩いの場となる。

また、近代以降は、東磐井郡の交通、政治、経済、文化の中心地として発展し、その中

商店街の高齢化・後継者不足

コア(水回り) 動線

詳細図

コンセプト

1. 夫婦+子 2 人

螺旋階段 (右上の図で 説明)

10050

イベントでは屋台やシアター、ステージとし

た。名高い馬産地であり、養蚕、製糸等の産業も根付いてきた。

・交通手段の発達

カートチェア

1. リモートワークと生活を繋ぐサウナ 世帯構成

道路境界線

商店街

りする場所として利用する。毎月開催される

千厩町は岩手県南部に位置し、内陸部と沿岸部を結ぶ気仙沼街道が通る宿場町として栄え

心市街地は官庁や商店、娯楽施設が並ぶ、周辺町村の文化交流の拠点であった。

現状 ・産業 ( 葉たばこ、製糸業、養蚕 ) の衰退 ・大型店の進出

左図のような立体格 子グリッドを組んで 空間をつくっており 、住民が手を加える 手がかりになります。 また、格子は梁のス パンを 1,350 と身体 スケールにすること で手を加えやすいよ うにしています。

動線計画

験をする場所となる。 日常は座ってお話したり、友達と宿題をした

岩手県一関市千厩町本町通り商店街

2700

木架構

6257.31 ㎡

全体有効率 12.3%

提案

にこの商店街で開催される夜市では夜間の外出や子どもだけで買い物することができた。

立体格子グリッド

81.0

5-7F

延床面積

500

8000

交渉から設計・施工まで自分たちで行い、改装を通じて町の価値を探した

私は小学校の 3,4 年生の 2 年間この町に住んでいた。町では社会と触れる機会が多く、特

709.95

13501350

2700

8600

店舗改装

子どもの頃、家族の枠を越えて社会のひとりになれた

89.9

2,850

はじめに

965.24

1F

ことで人の流れを整理した。

500

基準階有効率%

4F-7F OFFICE ROOM

51,500

床面積㎡ 内側は人が動くスペースとし

ることを目指しました。

空間の製作

動物の巣作りのような住まい

ロゴをプールの水を用いることで自社をアピールする機能を

伴い機会が失われてきた。そこで子どもたちが放課後過ごす場所を商店街に設計

用することで地域の憩いの場とな

日本の食品ロスの状況 ( 平成 29 年度 )

2

一番町2丁目 400

系列1

B1F~3F をショップ、プールなどの地域に開いた空間とし 4F~7F をオフィスとした。 ロゴをモチーフとした外観は並木の葉と調和するようにし、

私が子ども頃過ごした町はかつて社会と触れる機会が多くあったが、町の衰退に

台やシアター、ステージとして活

てた動物を頂いて卒園する。

50

大町西公園

設計主旨

今野隆哉

―子どもが社会と接続するための商店街―

りする場所として利用します。ま

世界では 1 年で 13 億トンに及ぶ食料品が廃棄されており、 適切に処理するために CO2 などの有害物質が地球環境に大き

0

大町2丁目

4 00 3 50 3 00 2 50 2 00 1 50 1 00 50 0

肴町公園周辺の駐車場の位置と利用状況

5

100

0

400 350 300 250 200 150 100

大町1丁目

64%

で従業

常住地による 15 歳以上就業者割合

10

育てた動物を頂く

275

55

6% 12%

地域の方への聞き取りや大きく開

店主や友達とお話したり、学校帰

荒町通りに面するところは普段は住人の学生が調理するときなどに利用する。その他にもし教育学部の学

350 300 250 200

50

A 地点 空 空 空 空 B 地点 空 空 空 空

1

植物の種を植える

12

220

A-A`断面

30 分 /200 円

8.2m 28.2m

一番町3丁目 400

400 350 250 200 150

時) (19

自市内

自区で

0

時) (14 時) (19 時) (14

自宅外の

従 業

50

100

0

西立面図 5 S=1:125

200

300

最大 1000 円

1

0

150 100

50

①地域とのお裾分け

36.4m

C 地点 満 満 満 満 自宅で

250

元鍛冶丁公園

150 100

立町

H

最大 900 円 夜間最大 400 円

12%

12

220 660

A

1/1000

国分町一丁目 常住地による15歳以上就業者割合

20

220

300 250

平日昼

28.2m

40 分 /200 円

15%

350 300

200

休日昼

従業

3%

600 円

30 分 /200 円

G

1:150

一番町4丁目 400

400 350

休日夜

6%

錦町公園

国分町1丁目

1200 円

平日夜

400

330

他区で

C

12 時間最大

46.4m

肴町公園

国分町一丁目 常住地による15歳以上就業者割合

自市内

空きスペースの新しい利用方法 キッチン 10

0

660 A`

0

C

17.6m

A

50

0

15 分 /100 円

夜間最大 F

最大 1430 円

150 100

50

夜間最大 700 円

夜間最大 400 円

夜間最大 550 円

国分町一丁目施設割合

12

110

20

F 最大 1200 円

住居 36

300 250 200

150 100

G 最大 1200 円

30 分 /200 円

E

商業ビル 16%

お姉ちゃん、私も宇宙船に乗せて!

1

最大 1000 円

飲食ビル 13%

STEP

400 350

300 250 200

公共施設 4%

D 12mm の杉板を曲げる E 4mm ダボその1

国分町3丁目

400 350

オフィスビル 19%

展示会?今日は子どもの迷路の日!

12

400

勾当台公園 国分町2丁目

500

180

A 12mm の杉板をカット ×2 B 12mm の杉板 (275×376)

北立面図

1:50

延べ床面積

28.57 ㎡

プライベート性

高い

進学のために仙台へと越してきた学生たちは、魅力的な都市での生活を消費

ワンルーム形式の集合住宅は、集まって住まうことが豊かに展開しにくい。それぞれの住戸に接続

各部屋は最低限の広さでとどめ、部屋の中で生活が完結せずにその一部がはみ

全ての住戸は、関係性を調節するように、間口と路地の間に住民が積極的に生活を展開で

人の暮らしには、共有できる部分と共有できない部分がある。日

するだけにとどまっており、地域に順応しながら暮らしているとは限らない

する共用廊下は、人が通れる最低限度の空間のみが提供されており、そこでの交流までは設計され

出るように各住戸をつくる。はみ出した部分は、架構の下の屋外空間から共有

きる空間を設け、そこに「半私有 / 半共有」の性格を持たせた。コモンダイニングのよう

々の生活を分節して考えると、食事や料理、映画鑑賞など人と時

。荒町に広がる豊かな地域資源を支える担い手として暮らしを展開していく

ていない。集合住宅は人々が偶発的に出会いうる可能性を内包している点で、集まって住むことの

の路地空間にも侵入する。住民同士で選択的に空間のおすそ分けができるよう

なその空間は、住民が望めば地域へと開放され、生活自体が能動的に都市と一体化するよ

間を共有することができ、より豊かに展開する可能性がある部分

ことで、相互扶助の関係性を築くことはできないだろうか。新参者である学

豊かさを享受しうるのではないかと考えることができる。集合住宅の共用廊下へと生活が積極的に

に、家具やキッチンが住戸同士を横断することで、私有と共有の間に余白が現

うになっている。全ての住戸がそのような性格のオープンスペースを持つことで、地域住

と、排泄や風呂、睡眠など限られた人とでしか共有できない部分

生たちが古参のコミュニティに対して積極的に開くためのハードルを下げた

展開するような提案とすることで、自然と地域へと開かれるような状態を作り出す。

れてくるような提案とした。

民とのワークショップやオープンキッチンを用いた交流が展開できる。

に分けることができる。住居から共有できる部分のみを外へと展

。生活動線に寄り添うように建築を配置をすることで多くの住民が顔を合わ

開し、プライバシーが求められる空間ほど奥に入るように配置し

せることができ、従来のアノニマスな関係性から結わかれていく。

た。


´

m

経歴

福井大学大学院 西本研究室 二級建築士

安全社会基盤工学専攻

今野隆哉

2017/3

岩手県立盛岡第三高等学校卒業

2017/4

東北工業大学入学

2018/3/5∼3/25

台湾語学研修

2019/3/4∼4/7

Q-LAB( 台湾 ) オープンデスク

2019/9/2∼9/14

手塚建築研究所オープンデスク

2020/1/27∼2/7

日比野設計オープンデスク

2021/3

東北工業大学卒業

2021/4

福井大学大学院入学

Illustrator,Photoshop,Autocad,Rhinoceros Lumion,Archicad,SketchUp

1


学部 1 年から 4 年前期までの設計課題

遇わせることで 3 年前期 建築新人戦 2019

杮 3 年前期 ひろしま建築学生チャレンジコンペ 2019 一次予選通過

余白の棲家 ~ 住民によってつくられる風景の街 ~ 4 年前期 第 7 回 POLUS 学生・建築デザインコンペティション

Portfolio 2017-2020

課外活動 仙台建築都市学生会議

2 年前期- 3 年後期

台湾留学

1 年春季休暇

台湾インターンシップ

2 年春季休暇

卒業研究 4 年前期

こちらから閲覧できます

千厩町本町通り商店街 もとまちのあしあと

2


学部 4 年から修士 1 年までの設計課題

はんぶんこの生活

千厩町本町通り商店街

ただいまとおかえりを

~ 都市にありふれる「ひとり」のための

もとまちのあしあと

学部 4 年前期

学部 4 年前期

学部 4 年後期

修士 1 年前期

2020 年度

仙台若者アワード 2020

卒業設計

優秀賞

曾光宗賞

第5回 未来子ども園デザインコンペ

集合住宅 ~

支部共通事業日本建築学会設計競技

東北支部入選

~ 子どもが社会と接続するための商店街 ~

第 19 回

~ 成長に寄り添う子ども園 ~

優秀賞

主張する「みせ」学生デザインコンペ

入賞

5 - 12

13 - 18

19 - 28

3

29 - 37


magnet

けもの道

巡る根っこ

循環の中にたつ

修士 1 年前期

修士 1 年前期

修士 1 年前期

修士 1 年後期

第 5 回 woody コンテスト

第 48 回 五三会建築設計競技

ひろしま建築学生チャレンジ コンペ 2021

CLT アイデアコンテスト 2021

57 - 64

65 - 73

一次予選通過

38 - 46

47 - 56

4


はんぶんこの生活 - 都市にありふれる「ひとり」のための集合住宅 -

進学のために仙台へと移り住んだ学生のための集合住宅である。移り住んだ学生の多くは、地域住民との関係が希薄 になりがちで、地域への所属意識も低い。地域と相互扶助の関係を構築する手がかりとして、生活の一部が部屋から 溢れ出ることによる、住民同士や隣地住民、地域住民との生活の「はんぶんこ」から、交流を喚起する提案である。

製作時期

学部 4 年前期

共同制作者

製作期間

2 ヶ月

今野 琢音

ソフト

Illustrator

Photoshop

Rhinoceros

Lumion

東北工業大学 4 年


2020 年度 支部共通事業日本建築学会設計競技

昨今、「ひきこもり」「孤独死」「幼児虐待」といった記事を目にする。これらの問題の原因の一つは、現代日本の住まいの在り

外との新しいつながりをもった住まい

とができるようになった。また、かつてもあったはずの独居者の自然死は、ドアが閉じられた瞬間に壁の向こう側に切り離され

東北支部入選

方にありそうに思っている。社会や外部への開き方、外とのつながりの喪失が、要因の一つなのではあるまいか。ドアの普及と

ともに、周辺社会やコミュニティとのつながりを急速に失い始めたのではなかろうか。ドア一枚を閉じれば簡単にひきこもるこ てしまった孤独死となり、さらには周囲の人々が介入できない外壁の向こう側で幼児虐待が見過ごされている。そのような状況 を生み出しているのではなかろうか。こうした視点から、現代の住まいの外壁に、時代に即した「外とのつながり」を持たせる べく考えることは、現代の日本における身近でありながら、大きな建築的な課題と思える。


1 敷地について

●敷地形状の変遷

1-1 敷地形状 敷地は、JR 仙台駅から南に約 1.3km の場所にある、若林 区荒町地区とした。南面は旧奥州街道である県道 235 号 線に面する。敷地周辺では、「狭い間口と深い奥行」とい う街道沿いで特徴的な敷地割りが目立つ。その中でも対象

敷地は、敷地の合筆が進んだ結果、駐車場となっており、 ①敷地所有者が店を構え、奥 敷地にあった歴史的な積層は参照されていない。

に建物が連続する。

1-2 荒町商店街

②敷地所有の作法が変わ

③建物の劣化により取り壊

④敷地がすべて合筆され、

り、旗竿地に住居が建つ。

され、駐車場になる。

細長いマンションが建つ。

商店

荒町は、東西約 600m ある旧奥州街道の両側に広がる町

病院

東北学院大学

宗教施設(寺、神社、教会)

五橋キャンパス予定地

である。藩政時代には麹造りの御譜代町として栄え、その

51,5

00

時代からの伝統を引継ぐ麹屋も現存する。旧奥州街道沿い の敷地は、通りに多くの店が並ぶように、一般的に間口が 狭く奥行きが深い。現在は敷地の利用の幅が広がり、土地

旧奥州

街道/ 荒町商

の所有者が比較的自由に敷地を活用している。

店街

N

N

地下

1-3 大学キャンパスの新設 に伴い多くの学生が近辺に住むことが予想される。人口 ( 若 い世代 ) の増加が考えられる。

土樋キャンパス

泉キャンパス

文学部

文学部

多賀城キャンパス

972名

経済学部

1240名

経済学部

1380名

経営学部

666名

経営学部

731名

法学部

754名

法学部

748名

土樋・五橋キャンパス 11114名

人口構成

単位 : 人

歳以 上

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

人口総数及び世帯数 推移 単位:世帯

●荒町地区の人口

●キャンパス移動生徒数 (R.2 の在学生で換算 )

902名

0

橋駅

年齢別

2023 年に東北学院大学五橋キャンパスが開校され、それ

7,00

愛宕

工学部

1880名

キャンパス移動 5711名

荒町地区における平成 22 年と令和 1 年の人口構成を

比較すると、10 代と 20 代の人口は減少傾向にある

歳 歳

ことがわかるが、世帯数の推移に目を向けると平成

30 年までは減少傾向であったが、令和 1 年に増加に 転じている。また、世帯構成員数について荒町地区と

若林区、仙台市を比較すると若林区と仙台市は 2 人

単位 : 人

人口総数

世帯数

以上だが、荒町地区は 1.75 人であり、一人世帯が多 いことがわかる。

7


はんぶんこの生活

学部 4 年前期 支部共通事業日本建築学会設計競技 ~ 都市にありふれる「ひとり」のための集合住宅 ~ 東北支部入選

2 地域に根差したひとり暮らし 2-1 地域とつながりながら暮らす

2-2 ひとり空間の集合体 / 集合して暮らすことの豊かさ

進学のために仙台へと越してきた学生た ちは、魅力的な都市での生活を消費する

荒町小学校 荒町児童館 荒町市民センター

だけにとどまっており、地域に順応しな がら暮らしているとは限らない。そこで

「荒町」の人々

荒町商店街

生活動線に寄り添うように建築を展開す

森民酒造本家

互いに開くための「共用廊下」を拡張

ヨソモノの学生

,;*

ることにより、新参者である学生たちが 古参のコミュニティに対して開く手掛か

それぞれの住戸に接続する共用廊下は、人が通れる最低限度の空間のみが提供され ており、そこでの交流までは設計されていない。集合住宅は人々が偶発的に出会い

地域住民 毘沙門天

うる可能性を内包している点で、集まって住むことの豊かさを享受しうるのではな

りになる提案である。

いかと考えることができる。集合住宅の共用廊下へと生活が積極的に展開するよう な提案とすることで、自然と地域へと開かれるような状態を作り出す。

3 空間の提案 3-1 家具やキッチンによるおすそ分け

3-2 住民と地域で作るオープンスペース

3-3 プライバシーのすみわけ

低い

プライベート性

高い

各部屋は最低限の広さでとどめ、部屋の中で生活が完結せ

住戸同士の関係性を調節するように、間口と路地の間に住 人の暮らしには、共有できる部分と共有できない部分が

ずにその一部がはみ出るように各住戸をつくる。はみ出し

民が積極的に生活を展開できる空間を設け、「半私有 / 半共 ある。食事や料理、映画鑑賞などより豊かに展開する可

た部分は、架構の下の屋外空間から共有の路地空間にも侵

有」の性格を持たせた。コモンダイニングのような空間は、 能性がある部分と、排泄や風呂、睡眠など限られた人と

入する。住民同士で選択的に空間のおすそ分けができるよ

住民が望めば地域へと開放され、生活自体が能動的に都市 でしか共有できない部分に分けることができる。住居か

うに、家具やキッチンが住戸同士を横断することで、私有

と一体化するようになっている。地域住民とのワークショッ ら共有できる部分を外へと展開し、プライバシーが求め

と共有の間に余白が現れてくるような提案とした。

プやオープンキッチンを用いた交流が展開できる。

8

られる空間を奥に配置した。


住居 8 洗

キッチン 3

中国やベトナムなどの物

お店のシャッターは正面 だけでなく東側にも設け られており対象敷地から

2 階の住民は皆この 階段を降りる。

住居 9

東側に大きな開口が 設けられている。

東側に大きな開口が 設けられている。

東側に大きな開口が

東側に大きな開口が

設けられている。

設けられている。

UP

お店の勝手口は普段開い ており日常の接点が生ま れやすい。

1 階住居の開口

入店することができる。

動線にキッチンが侵入す ることで視線が交わる。

隣地住民動線

居室からキッチンの様子 が見え、お互いの廊下が 一つの空間として利用で きる る

通りだけでなく住 居にも抜けが生ま

1 階住居の開口

品を取り扱う店。主に出 稼ぎ労働者や留学生に向 けた食品が店内に並ぶ。

居室からキッチンの様子 が見え、お互いの廊下が 一つの空間として利用で きる

UP

A

UP

住居 1

UP

UP

れる。

キッチン ン 1

住居 12

住居 5 住居 2

キッチン 4 洗

住居 6

キッチン 6

住居 19 洗

部屋の拡張

住居 13

住居 24

キッチン 2

キッチン 8

住居 15

テラスの拡張し キッチンと一体化 した空間になる

住居 25

住居 16

外に出られる大きな 開口がある。

5

10 住居 26

S = 1:300

住民が持ち寄って敷 地一杯に植物を植え て育てている。 植木が広がり、キッ チンから緑が見え るようになる

住居 27

住居 28

キッチン 9

住居 29

住居 30

UP

配置図兼 1 階平面図

1

UP

0

キッチン 1 0

9

住居 36

西立面図

S = 1:175


はんぶんこの生活

学部 4 年前期 支部共通事業日本建築学会設計競技 ~ 都市にありふれる「ひとり」のための集合住宅 ~ 東北支部入選

D W

キッチン 3

住居 10

DW

住居 11

A

住居 3

住居 17

住居 5 住居 4

住居 7

キッチン 2 D W DW

2 階平面図

DW

住居 22 住居 20

キッチン 5

住居 18

住居 14

S = 1:300

住居 21

キッチン 7 住居 23

住居 32

隣地住居との接続

住居 33

隣地は片廊下型の住宅が建ち並び、通常は部屋までの動線として利用されている。二

住居 34

層分の折戸や、廊下の距離を縮めるなどの操作を行うことで既存の片廊下型の住宅と

キッチン 1 0

住居 35

間接的ではあるが、空間が連続するような工夫を施した。

住居 37

住居 38 キッチン 1 2 住居 39

10

0

1

5

1


①地域とのおすそわけ

②通路のおすそ分け

荒町商店街に面する空間は、キッチンを含むことで公共的な側面を持ち、主に住人の学

一階の一部を住民の動線として共有し、その動線の一部に侵入するようにキッチンを配

生が調理や食事に利用する。地域の児童に勉強を教える場所として開くことができるよ

置した。これにより隣地住民との接点が生まれ、お互いに顔を合わせる機会や環境を設

うに設えたことで、教師を目指す学生が住む際には、学生の実践の場所としても利用さ

けることができる。また隣地には東アジア各国の物品を取り扱う店があり、異文化の交

れるとともに、地域との関係を深めるきっかけになる。

流を図るための利用も想定される。

11


はんぶんこの生活

学部 4 年前期 支部共通事業日本建築学会設計競技 ~ 都市にありふれる「ひとり」のための集合住宅 ~ 東北支部入選

③キッチンのおすそわけ

④おすそわけの連続

キッチンを共有し、ダイニングを各部屋に配置することでダイニングとキッチンが一体

おすそわけのために設えたキッチン同士は、階段や路地によってつながっている。便宜

化した空間として展開する。プライベートからセミパブリックへと横断しながら部屋の

的に隣接する住居のための空間として展開しているが、祝祭日にはシチュエーションに

大きさを調節することで、部屋から家具や生活雑貨が溢れ、選択的に時間と空間を共有

合わせて、それぞれがつながり関連しながらキッチンが一続きとなるようなつくりと

することができる。

なっている。

12


本町が歩んできた道のりを「あしあと」として捉え、 この先歩む「あしあと」を考え提案するというコンセ 千厩町本町通り商店街

もとまちのあしあと

プトをもとに立ち上げた。3 つの大学が集まり活動し ている。建築で学んだ知識を生かし町の活性化を目指 し活動している。

メンバー

中村 駿介

東北学院大学 3 年

成田 翔音

東北学院大学 3 年

東北学院大学 4 年

山川 七海

東北学院大学 3 年

宮城大学 4 年

村上 瑛菜

宮城大学 3 年

今野 隆哉

東北工業大学 4 年

小野寺 圭史

東北学院大学 4 年

土田 寛己 髙橋 璃歩

計8名

13


千厩町本町通り商店街

もとまちのあしあと 仙台市は「学都仙台」と呼ばれ、多くの若者が活発に活動しています。特に、東日本

仙台若者アワード 2020 「表彰部門」 優秀賞

学部 4 年前期 仙台若者アワード 2020 優秀賞

活動の様子はこちらから

大震災以後、社会や地域の課題を解決しようとする若者主体の活動が多くみられるよ うになりました。しかし、その存在はまだまだ広くは知られていないのが現状です。 そこで仙台若者アワード実行委員会では、多くの若者がその活動を知るきっかけと なり、より若者が活躍できる仙台をつくるため、社会や地域の課題解決に寄与する優 れた取り組みをおこなっている、仙台市内の若者団体を表彰する「仙台若者アワード」 を 2017 年度から開催してきました。

https://sendai-y-award.qloba.

14


“ いがす ” とは東北地 方の方言で「承知し まいした」や「いい ですよ」という意味 があります。老若男 女問わず誰でも気軽 に利用してほしいと いう店主の願いから 名付けました。

15


千厩町本町通り商店街

もとまちのあしあと

こんきん食料品店 ( 明治元年創業 )

改装前

施工期間

日間

ピロティ部分はかつては野菜や果物がぎっしりと る場所として利用します。商店街で毎月開催され

予算

1 万円

並べられていました。近年は店主の高齢化や、店 るイベントでは屋台やシアター、ステージとして

材料

舗の規模縮小により使われていません。

日常は座ってお話したり、友達と宿題をしたりす

活用することから地域の憩いの場となります。

16

学部 4 年前期 仙台若者アワード 2020 優秀賞

改装後


ふらっと

“ ふらっと ” は熊谷屋 さんの屋号の山平と 気軽に利用できるよ うな場所にしたいと いう想いから名付け ました。ロゴは山平 と空間の特徴である チューリップのダウ ンライトをモチーフ にしています。


千厩町本町通り商店街

もとまちのあしあと

改装前

熊谷屋菓子店(明治 12 年創業)

改装後

ずんだとごまの 2 種類のお餅を販売しています。 既存の魅力を活かしながら、ショップを出店した

施工期間

日間

カウンターはかつて軽食を提供していましたが、 いかたなどを後押しできる場所になるように改装

予算

4 万円

店主の高齢化や、規模縮小により使われていま

材料

することにしました。

せん。

18

学部 4 年前期 仙台若者アワード 2020 優秀賞


“ ただいま ” と “ おかえり ” を

- 子どもが社会と接続するための商店街 私が子ども頃過ごした町はかつて社会と触れる機会が多く あったが、町の衰退に伴い機会が失われてきた。そこで子 どもたちが放課後過ごす場所を商店街に設計し、社会との 接続と商店街の今後の在り方ついて提案する。


第 19 回

主張する「みせ」学生デザインコンペ

入賞

我が国の商業施設産業は今、大型複合商業施設、大小ショッピングセ ンター、コンビニエンスストア、地域中心商店街、等々が入り乱れて、 それぞれの立場から活性化を目指している。一方、中心市街地活性化法、 都市計画法、大規模小売店舗立地法から成る、いわゆる「まちづくり 三法」の改正、施工がなされ、市街地の郊外への拡散の抑制、街の機 能を中心市街地に集中させるコンパクトシティの考え方や、大型店の 立地調整の強化など、多様な支援策を推進しようとしている。 このような混沌とした商業施設業界の動向を見つめながら、新しい時 代の商業施設技術のあり方とその向上、発展のため、 「主張する “ みせ ”」 をテーマにアイディアを競うコンテンストを開催する。


はじめに 社会現状 本町が歩んできた道のりを「あしあと」として捉え、この先歩む「あしあと」を考え提案す るというコンセプトをもとに立ち上げた。現在 3 大学 4 人で活動している。地元の人に聞き 取りをしたり、考えたものを実際に提案したりして建築を通じて町の活性化を目指し活動し ている。

体験 子どもの頃、家族の枠を越えて社会のひとりになれた 私は小学校の 3,4 年生の 2 年間住んでいた町は社会と触れる機会が多かった。特にこの商店 街で開催されるイベントでは夜間の外出や子どもだけで買い物することができました。その 頃の経験は 12 年経った今も印象に強く残っており、地域について考えるきっかけとなった。

設計目標 私が子ども頃過ごした町はかつて社会と触れる機会が多くあったが、町の衰退に伴い機会が 失われてきた。そこで子どもたちが放課後過ごす場所を商店街に設計し、社会との接続と商 店街の今後の在り方ついて提案する。 21


ただいまとおかえりを ~ 子どもが社会と接続するための商店街 ~

学部 4 年後期 卒業設計 曾光宗賞 第 19 回主張する「みせ」学生デザインコンペ入賞

放課後の居場所としての商店街

道路から共有地へ

子どもの放課後の時間に着目し、学校から家に帰る間

200mの直線道路が商店街を通っており、歩道も1mほどしかないため車がスピー

に商店街を経由するようにする。商店街を利用するこ

ドを出して危ない。そこで歩行者が優先して利用できる環境を整備することで安全

とで社会と接続する機会を持ち、学校や家庭では学べ

に過ごしながら地域との交流も活発になることが期待される。

ない多くの社会経験をする場所となる。 商店街 放課後

学校

下校

登校

家 ①二車線道路

②歩行者専用通路に変更

③共有地を介して交流をが生まれる

移動可能なファサード

子どもたちの居場所へ

共有地に出た部分は簡易的に設置している。老朽化で

今回の設計は子どもたちが商店街を利用するきっかけを提案する。利用目的を明確

既存の建物が解体されても交流の跡が残り、別の場所

に提案しているが、それらの目的が薄くなり最終的には用途が明確にならず、子ど

に利用することで新たな交流が生まれる。

もたち自身が使い方を見つける場となることを目指す。 用途 C 用途 A

設置

移動

用途 B

設置 22

用途 A

用途 B

用途 A・B・C


01 勉強と放課後

学生と地域との距離が近く なるように、玄関前に広い テ ラ ス を 設 置 す る。 勉 強 などができるようにテーブ ルや紙が貼れる場所を設け る。勉強だけでなく地域の 方との会話を楽しむことも 期待される。

子ども

見守り

学習指導

学習・読書 運営

地域振興会

学生寮

鑑賞

学生寮

学習

専門学校生

維持・管理

振興会費

日常

来年度から開校する専門学校の学生が

学生寮

住む場所となる。格安で提供する代わ

放課後

りに放課後に地域の子ども達に勉強を

子どもたちの学習・読書空間 夜市・イベント

家賃

屋台・休憩スペース

店舗オーナー

23

教えるようにすることで縦の繋がりが 生まれる。


ただいまとおかえりを ~ 子どもが社会と接続するための商店街 ~

01

学部 4 年後期 卒業設計 曾光宗賞 第 19 回主張する「みせ」学生デザインコンペ入賞

医療福祉専門学校一関校の開校

令和 3 年度に旧千厩小学校の校舎を再活用し、国際医 療福祉専門学校一関校千厩校舎が開校する予定となっ ている。しかし、学生のほとんどが車で3 0 分ほどかか る一関に住むことになっている。

12210

そこで徒歩1 0 分で着く商店街を住まいとすることで、

5830

8200

2190 1270

3460

4100

4100

日常的に学生が過ごす場所にすることができる。

昆金食料品店と学習塾

1050

02

2730

住居 06

2730

昆金食料品店の裏には学習塾があり、時間になるとお店 の中を子どもたちが通る光景が見られた。子どもたちが

2730

商店街を利用する重要な機会である。学習塾内で収まら

2730 2730

見守っていくことができる。

20160

ず商店街に拡大していくことで子どもたちの成長を町で

3715

3715

2730

3715

11145

2730

2730 6250

配置図兼 1 階平面図 24

S = 1:250

790


02 美術と放課後

木造グリッドで作られた空 間は子どもやアーティスト の作品を展示す場所となっ ている。作品の大きさに合 わせて自在に展示空間をつ く る こ と が で き る。 ま た、 作品の展示と共に作品の製 作の様子が外から見られる ようになっている。これに より世代関係なく誰でも利 用できる場となる。

日常 子ども

見守り

指導

展示・製作 運営

市民 販売・WS

鑑賞

維持・管理

振興会費

日常はアーティストがアトリエ

放課後

として利用し、放課後になると

子どもたちが作品制作を行っ

展示・製作 アトリエ

地域振興会

アーティストの製作空間

たり、芸術を学ぶ

アーティスト

部活指導料

夜市・イベント

利用料

地域外の方にお披露目、ワー 店舗オーナー

クショップの開催

行政

25

子どもたちが訪れ、指導を行う ことで技術の継承を行うことが できる。


ただいまとおかえりを ~ 子どもが社会と接続するための商店街 ~

03

熊谷家と白石家の美術

千厩には熊谷登平や白石隆一をはじめ現在まで多くの アーティストを輩出してきた。少しでも子どもたちと交 流する機会を増やすことで、次の世代の育成に繋げるこ とができる。

04

せんまや本町アートフェス

アーティストの作品を通じて子どもが興味関心を示し、 子どもが描いた絵を地域の人が興味関心を持つ様子が見

られた。作品を通じての地域との交流ができると考える。

配置図兼 1 階平面図 26

S = 1:250

学部 4 年後期 卒業設計 曾光宗賞 第 19 回主張する「みせ」学生デザインコンペ入賞


03

美術と放課後

空き店舗を稽古場として活 用する。隣の建物と 2 階を 共有することで、使い道の 幅を広げる。また、道路を 挟んで向かいにはかつて人 形劇を行っていた建物があ り、コミュニティ道路の整 備により観客席としての機 能も持つことができる。

日常 子ども

見守り

演技指導

稽古・発表 運営

地域振興会 振興会費

劇場

公民館

市民 観覧料

放課後

観覧

展示・製作

事務所 維持・管理・

稽古・練習場

講談師

夜市・イベント

部活指導料

利用料

発表舞台 店舗オーナー

行政

27


ただいまとおかえりを ~ 子どもが社会と接続するための商店街 ~

人形劇

1820

05

1820

780

5840

1820

戦後以降地域住民のためにお店の軒先を利用した人形劇

1820

が盛んにおこなわれた。しかし商店街の近代化に伴い軒

1820

事務室

稽古場兼会議室

作業室

ステージ兼エントランス

2900

1820

1820

1820

1820

1820

18980

先のある建物が減少し、次第に人形劇も衰退していった。

3900

ステージ兼展示室

3900

19500

3900

展示空間

稽古場兼会議室 休憩スペース

3900

更衣室

3900

事務室 倉庫

9480

配置図兼 1 階平面図 28

S = 1:250

学部 4 年後期 卒業設計 曾光宗賞 第 19 回主張する「みせ」学生デザインコンペ入賞



~成長に寄り添うこども園~

心に「余白」を持たせることは、結果的に物事を円滑に進めさせるといわれて

います。それは建築においても言えるはずです。

第5回 未来子ども園デザインコンペ 優秀賞

「余白」のあるこども園

設計においてはもちろん機能性も重要ですが、” 豊かさ ”

” 楽しさ ”

考えた時に必要となってくるのは「余白」の考え方ではないでしょうか。

こどもは遊びの天才と言われています。「余白」はそんなこどもたちを生き生き

とさせる可能性を秘めています。こどもたちが自ら遊んでくれるような「余白」 のあるこども園を提案して下さい。

子どもたちが最初に家族以外の人とふれあう場所それがこども園(保育園)で

す。誰もが過ごしたあの場所で、私たちは多くを学び、感じ、最初の社会を体験

しました。遊びの中から子どもたちは人との関わりを学び , 自我を目覚めさせ、 ルールを知り成長していきます。近年、女性の就業率上昇から保育園に対するニー ズは多様化しています。

今後、益々進化を続けていくいくこども園(保育園)。 こども園(保育園)の可能性は無限大です。

共同制作者 製作時期

修士 1 年前期

梅田 皓史

福井大学大学院 2 年

製作期間

2 ヶ月

藤原 循平

福井大学 4 年

ソフト

Illustrator

リム プイホウン

福井大学 4 年

Photoshop

Archicad


1. Concept

概念の余白

2. Design

建築の余白

3. Action

概念的な余白を、高さ方向の余白として建築に落とし

物事の見かたには、余白がある。 物事を見るとき、様々な解釈や思考が生まれる。成長 とともに友達や先生、地域の人の刺激を受けて、いろ いろな目線で物事を見ることができるようになる。こ ども園での経験が豊かな感性育む。

込み、三次元的に空間を考えていく。三次元的な空間 の拡がりは、平面的な計画では得られないような、子 どもの成長に合わせた関係性を創り出すことができ る。

余白から得られる行為

【登る】 目標を持って、自分にとっての未知の場所を目指す行 為。成長とともにどんどん登れる範囲が増えていく。 【見渡す】 俯瞰的な見渡しは見える範囲を拡大させ、他者を客観 的に捉える。成長とともに他者に対する理解が深まっ ていく。

平面的関 係

余白を創 る

三次元的な拡がり

1本の木に対しても様々な見方がある。

4. Idea 「すみか」―余白を持つ構造の提案

5. Diagram

すみかを囲む建築的操作

従来の構造体をほどき、「登る」「見渡す」という行為を挿入した「すみか」を新たな構

すみかは、構造としての役割を果たすとともに、皆にとっての目印となることか

造体として提案する。すみかは、こども園の支えとなるとともに、子どもたちの拠り所

ら、大きな中心性を持つ。そこで、すみかを敷地の中心に置き、それらを囲むよ

となる、大きな木のような存在である。

うに保育室を配置していく。

柱とスラ ブ

柱をほど く

天井裏を膨らませ る

通路を伸ばす

すみかから枝を伸ばす

31

すみかを囲うように部屋を配置する

梁を伸ばし、屋根を架ける


栖 ~ 成長に寄り添う子ども園 ~

修士 1 年前期 第 5 回未来子ども園デザインコンペ 優秀賞

すみかと子どもの成長 物事に対していろいろな見方

駐車 場

があることを経験し卒園する。

園児動線

コミュニティセンター

4・5 歳

俯瞰的に園全体を見ることができるよ

玄関

うになり、今までいた場所ではないと

職員室

ころから、客観的な立場で他者や物事

搬入 室

1200

を見ることができるようになる。

更衣 室

食品 庫 調理 室

応接 室

事務室

トイ レ

0歳乳児 室

3歳

ほふく室

デンの一番上まで登れるようになり、調 理室を上から見たり、先生と同じ目線で

話したりと、今までとは 違った視点 で他

地域動線

^

木かげ広 場

者や物事を見る。

ホー ル

1歳乳児 室

1800

2歳

少 し ず つ 走 り 回 れ る よ う に な る。

会議 室

すみかの下から、すみかを登って

0・1歳

分にとっての目標としていく。

きるようになる。天井から差し込

遊んでいる子どもたちを見て、自

2歳乳児 室

成長とともに自分の意志で移動で

デンの最上段

多目的室

む光を浴びたり、すみかの下をく ぐって、まわりの子どもたちの様 子を感じ取る。

3歳保育 室

5歳保育 室

公園

4歳保育 室

街並 み

配置図兼平面図 4

4


4

公園 街並み

止まり木テラス

木かげ広場

成長とともにテラスへ登れるよう

コミュニティセンターから地域の

に な る こ と で、下 か ら で は わ か ら

人 を 招 き 入 れ、す み か の 下 で 催 し

な い 木 の 表 情 を み る こ と が できる。

も の 行 う。子 ど も た ち は、同 じ 目

ま た、近 く の 公 園 や、遠 く の 街 並

線 で 見 た り、す み か か ら 見 下 ろ し

み を 望 む こ と が で き、園 か ら 地 域

た り と、様 々 な 場 所 か ら 見 る こ と

へと視点が移り変わっていく。

ができる。

木かげ広場 止まり木テラス

すみかと子どもの成長 33

物事に対していろいろな見方


修士 1 年前期 第 5 回未来子ども園デザインコンペ 優秀賞

~ 成長に寄り添う子ども園 ~

屋根材

デン

ホ ー ル の 屋 根 材 は、ガ ラ ス 繊 維

子 ど も た ち の 秘 密 基 地。乳 児 た 350

膜 材 料 を 使 用 す る。空 か ら の 光 を 受 け 止 め、柔 ら か い 光 を と り

650

入 れ る。光 と す み か を 通 し て、

ち は、デ ン の 隙 間 か ら す み か と すみかを登っている園児たちを 見 て、目 標 と す る。ま た、本・

木漏れ日のように影をホールに

おもちゃコーナーとしても利用

差し込む。

できる。

保育室 ホール

A-A’断面図

4 3

34

0

1m

2m

5m

10m


乳児たちはすみかに登っている子どもたちを目標にする。

35

すみかの中は様々な年齢の子ど


どもたちが交わる空間である。

栖 ~ 成長に寄り添う子ども園 ~

修士 1 年前期 第 5 回未来子ども園デザインコンペ 優秀賞

すみかを登った子どもたちは、園全体を見渡す。

36




magnet


第 5 回 woody コンテスト 木製家具部門

休息する「場」を創る椅子

公 共 施 設 や 商 業 施 設 な ど 人 の 集 ま る 大 空 間 で は、 ひ と と き 休 息 す る 場 所 が そ こ 此 処 に 創 ら れ て い ま す。 街 中 に 設 置 さ れ た ス ト リ ー ト フ ァ ニ チ ャ ー の よ う な 強 固 な 耐 久 性 に 加 え、 様 々 な 人 が 使 用 で き る バ リ ア フ リ ー な 機 能 も 当 然 な が ら、 待 ち 合 わ せ や 買 い 物 待 ち の ラ ン ド マ ー ク 的 要 素 も 必 要 に な る で し ょ う。 〈条件〉 多くの人が使用することを想定し、丈夫で長持ちする 1 人掛けの椅子

製作時期

修士 1 年前期

共同製作者

製作期間

4日

伊東 舜滋

ソフト

Illustrator

Photoshop

Rhinoceros

福井大学大学院 1 年 40


様々な人が使う公共施設に対応するため向きを変え て「 く っ つ け る 」 操 作 を す る こ と を テ ー マ に 設 計 し ま し た。 向 き を 変 え る こ と で 座 面 の 高 さ が 変 わ り 子 ど も か ら 大 人 ま で 使 え る よ う に な り、S 極・N 極 を 用 い て くっつけることで使い方の幅を広げることができま す。 磁 石 を モ チ ー フ に す る こ と で 待 ち 合 わ せ の 場 所 な ど に も 用 い ら れ 街 の ラ ン ド マ ー ク と な る こ と で し ょ う。


magnet

修士 1 年前期 第 5 回 woody コンテスト

MATERIALS

188

220

142

110

660

660

4 の杉板をカット ×2 4 の杉板

180

275

4 の杉板

150 55

220

220 660

220

12

400

4 の杉板を曲げる 4 ダボその1

12

4 ダボその

STEP 220 12

110 660

220

55

275

660

142

12

220 660

400

330

220

12

20

20

A'

A

188

42


43


magnet

44

修士 1 年前期 第 5 回 woody コンテスト





けもの道 ~気配による動物との共生~ 北陸の約 7 割が森林を占めていてそこには多種多様な生き物が生息している その中で人は動物と共に生活してきた しかし近年そのバランスが崩れてき、ニュースでも動物の被害が多く見られる ようになってきた今回設計する住宅は人と動物が互いに意識しながら生活して いくことを目指す


第 48 回 五三会建築設計競技

一次予選通過

付加価値のある家 皆さんの思う価値が付加された家を募ります。 価値観の多様性が叫ばれる中、生活それ自体の価値にも変化が出てきて いると感じます。 これまで良い、或いは悪いとされてきたことが必ずしもそうではないの ではないか。 そのように強く思っています。 価値そのものを再定義し、住宅という最も身近な建築にプロットして頂 きたい。 社会に対して広く共感されるような価値の定義でも良いし、独善的で独 創的な価値を社会に問うてみるのも良いと思います。 息の詰まるような現状ですが、今だからこそ見える新しい景色に希望が 見つけられる事を期待しています。

製作時期

修士 1 年後期

製作期間

2 ヶ月

ソフト 49

Illustrator

Photoshop

Rhinoceros


けもの道

敷地情報 福井県池田町 町の 93% が森林が占めておりシカやイノシシ など多くの動物が生息している。ここ数獣害が 深刻化しており、農地を守るため町民が狩獣資 格を取る動きが出始めた。

1600

有害捕獲数

1400 1200 1000

頭 (

800

)

600 400 200 0

H.11 H.12 H.13 H.14 H.15 H.16 H.17 H.18 H.19 H.20 H.21 H.22 H.23 H.24 H.25 H.26 H.27

年度

地区別有害捕獲数の推移( 平成 11 年度~平成2 7年 度) 福井県,第 2期福井県第二種特定鳥獣管理計画より

50

修士 1 年前期 第 48 回五三会建築設計競技 一次予選通過


けもの道と土間

配置計画

けもの道とは動物が日常的に使う動線である

東側を祖父の部屋、西側に夫婦の部屋を配置しその間に共有のダイ

人間の日常と動物の日常が交わる場所を土間

ニングキッチンを配置することでお互いのプライバシーを確保しつ

することでお互いの気配を感じながらを些細

つ日常的に交流できるようにした。また、各エリアの間に土間を配

な変化に気付くことができる

置すること日常に動物が溶け込むようにした。

人工物と自然 敷地周辺には砂防ダムがあり、敷地が人工物と自然に挟まれている。ダムの延 長でありながら自然の中に溶け込んでいくことを意識して設計した。 夫婦エリア

祖父エリア

51

共有エリア


けもの道

修士 1 年前期 第 48 回五三会建築設計競技 一次予選通過

気配をつくる壁 けもの道に沿って壁を挿入し操作することによって人間と動 物両者の存在が気配となり、日常の中に溶け込んでいく。

①二重開口

②高低差による視線の移動

③狭まる壁

壁を二重に開けることで角度によって見える範囲が変化し、重なる

敷地の高低差による変化がうまれるよ

壁の角度を振ることで空間に奥行きが

開口の範囲が小さくなるだけ気配へと変化していく

うに建物の階層を統一させた。壁を目

生まれる。奥に行くほど意識が薄くなっ

印に視線が上下し各階の生活の動きを

て気配となってく

捉えることができる

52


※破線はけもの道を示す

N

夫婦寝室

A

A 子ども室 バルコニー 居間 祖父室

土間

ルーフテラス

玄関ホール兼倉庫

ダイニングキッチン 浴室

WC À

配置図兼一階平面図

二階平面図

S=1:150

S=1:150


けもの道

修士 1 年前期 第 48 回五三会建築設計競技 一次予選通過

外壁 外壁は福井の住宅の特徴である 鎧張を用いた。山に植樹した杉 板を用いることで森の管理に繋 がる

軒高

2,500

1,000

最高の高さ

子ども室 2FL

シカの被害対策としてネットを使用している

2,500

2FL

祖父室

土間

2,500

1FL

1FL

鎧張を用いた伝統的な住宅

4,000

GL

S=1:120


55


けもの道

56

修士 1 年前期 第 48 回五三会建築設計競技 一次予選通過



辿る根っこ トイレは見えない、隠れたものとして扱われている。しかし、 摂取した養分を体外に排出するトイレは人間にとって大切な空 間である。 さらにトイレという空間は 1 人になり思考 ( 養分 ) を整理で きる空間である。 見えない、隠れたものとして扱う 1 つのエレ メントがライニングである。配管が剥き出しになるとどうであ ろうか。川を流れる水、排便を流す水、喉を潤す水、体内から 排泄するおしっこ、植物が育つ水もみんな同じ水である。 普段気付き難いことを小さな発見からほんの少し知ることがで きるかもしれない。


ひろしま建築学生チャレンジコンペ 2021 こどもたちが使うトイレ、から出発すると、いったいどんなトイレが考えられるでしょう。 まるでトイレに行くこと自体がワクワクするような遊びとつながるトイレは考えられるでしょうか。あるい は排泄という誰もがする行為に対して、驚いたり好奇心が湧いてくるような、学びにつながるトイレは考えら れるでしょうか。 一言でこどもといっても、そこには幅広い年齢のこどもがいます。一人で行く子はもちろん、お母さんやお 父さんと一緒に入る子もいれば、一人で行ってみようとチャレンジする子もいるかもしれません。汗をかいた りどろんこになった時に、ちょっと着替えるスペースがあったり、おむつを替えたりするかもしれません。 こどもたちがワクワクするような新しいトイレを考えることから出発して、大人や中高生、高齢の方、障が いのある方など様々な方にとって気持ちの良い、楽しく新しいトイレ空間を考えてみてください。 ①「こどもの国のトイレは、おとなも使う」 ・こどもが身体的に容易に利用することができること。 ・こどもと一緒に訪れたその家族にとって、快適にトイレを利用できる空間であること。 ②「公共性」 ・誰にとっても使いやすく、機能的で、安全安心であること。 ・清潔で快適なトイレが維持できるように管理の容易さに配慮すること。 ③「周辺環境等との調和」 ・周辺は芦田川や出口川などに囲まれた自然豊かな場所であり、先に建設されたポムポムや周辺 に整備されるこどもの広場とも調和した外観とすること。

製作時期

修士 1 年前期

共同制作者

製作期間

7日

伊東 舜滋

福井大学大学院 1 年

ソフト

Illustrator

藤原 循平

福井大学 4 年

Photoshop

Rhinoceros

Archicad 59


巡る根っこ 【1. トイレに行くという行為の経験から考える】

修士 1 年前期 ひろしま建築学生チャレンジコンペ

【2. 子供の空間の認識をピアジェの理論から考える】

「トイレに行く」という行為は、尿意や便意から生まれてくるものだが、それ以外に潜在的な要素があ

サーベイマップ

ルートマップ

ると考える。騒がしい場所から少し離れて気分転換をしたり、窮屈な所から少し解放されたいがため

成長するにつれて、シーンからシーンへ

幼少期 ( ここは具体的に明記 ) は、シー

にトイレに行ったりと、いわばトイレは、その場から少し距離を置き、ゆっくりとした時間の流れを

の過程を周辺の要素との相互関係を構築

ンを断片的に挙げて、それを線でつな

感じるための「目的地」として選択される。そして体内から不要物を排泄し、落ち着き、また元いた

しながら、だんだんと正確な地図 ( サー

いでいく。つまりシーンが連続してい

時間の流れへと帰っていく。

ベイマップ ) として作り上げていく。

ないマップである。

ゆっくりとした時間の流れの中に身を置くことで、普段感じることのできない気づきや発見に出会う だろう。そんな発見の余地があるトイレを設計する。

【3. コンセプト】

【4. ダイアグラム】

トイレに行くという行為から生まれる経験、子供たち の空間認識からコンセプトを考える。 子供たちにとって楽しい空間とは、シーンからシーン への過程が一つに定まることがなく、なおかつ一つの 過程でも変化を感じることのできるような空間だと考

①各個室が大きな箱に合理的に配列

える。

されている公衆トイレ

そんな「発見の余地が点在した、日々の変化を楽しむ

②各個室を分散して配置し大きな箱 から解放する

ことができるトイレ」が本設計の提案である。 そしてこのトイレは、子どもだけに留まらず大人も童 心に帰ることができ、変化を楽しみながら安らいだり、 子供を見守ることができる空間となるだろう。 ③壁を挿入し道をつくる

60

④ L 型の壁で構成し発見の余地をつくる


西側立面図

S=1:200

A-A` 断面図

2700

S=1:200

4700

男性用トイレ

4200

3700

2500

子ども用トイレ


A

N

巡る根っこ

修士 1 年前期 ひろしま建築学生チャレンジコンペ

【簡単と複雑】 全ての動線を複雑にするのではな く、一方では複雑な動線、他方で

に 人

は容易にアクセスでき、フェイル

セーフ的配慮をした。

【管理のしやすさ】 複雑な動線となっているが、配管 が集まるようにトイレ・洗面台を 配置することで、管理者側の動線 を容易にした。

ク っ

【防犯性を確保】

壁が多くなってしまう分、不審者 が隠れられる場所がでてくるの で、開口を開けることで、人の姿 を把握できるように配慮した。 【面積表】

À 0

1m

2

m

5

m

10m

62

配置図兼平面図

S=1:200

男性用トイレ

10.55㎡

女性用トイレ

10.83㎡

子ども用トイレ

10.67㎡

多目的トイレ

10.54㎡


①西側から外観を見る。そこには、奥に見える記念樹のもとに行

②子ども用トイレの個室 ( 大便器 ) を見る。小さな窓から姉が見

きたいという姉と、トイレについてきてほしいという妹がいる。

守ってくれており、妹は、トイレに続いている光が入り込む空間 を見つける。

63


巡る根っこ

修士 1 年前期 ひろしま建築学生チャレンジコンペ

③子ども用トイレ北側から中央を見る。地面にあるサインを追っ

④中央付近から東側を見る。冒険して記念樹の見える出口を見つ

ていくと、道の途中にトイレから流れている配管を見つけ、水が

けると同時に、道と思っていたところに進んでみるとベンチがあ

流れているのを感じる。

り、そこで本を読む男の人を見つける。

64


循環の中


中にたつ


CLT アイデアコンテスト 2021

riverside CLT

募集テーマは、 「riverside CLT」です。今年度の募集テーマでは、建物用途に条件を設けない代わりに「河 川」という建設地に関する条件を設定しました。 河川は、生活用水の供給にとどまらず多くの産業の基盤となるほか生態系を維持する機能など、われわ れの生活のあらゆる場面において価値をもたらします。しかし近年は、豪雨等の自然災害が頻発して激 甚化することで、河川のあり方やその周辺地域への影響度などリスク面にも注目が集まっています。 地元の人しか知らない小さな川、都道府県をまたぐ大河、運河など、どんな河川でも構いません。河川 の新たな価値や機能の発見と水辺の景観を CLT で引き出すような提案を募集します。

製作時期

修士 1 年後期

共同制作者

製作期間

2 ヶ月

伊東 舜滋

福井大学大学院 1 年

ソフト

Illustrator

山田 裕大

福井大学大学院 1 年

Photoshop

Rhinoceros

Lumion 67


循環の中にたつ 01. 背景

修士 1 年後期 CLT アイデアコンテスト 2021

02. 敷地情報

金沢駅

ゴミのリサイクルや循環型林業など、21 世紀では地球環境を保全

敷地は石川県金沢市、力強い流れとゆったりとし

するために循環型の社会が構築されてきた。しかし、私たちが日

た河川敷が魅力な犀川である。この町は県産材の

常生活の中でそれらの循環を意識することは少ない。本計画では、

利用拡大を軸とした林業、木材産業の再生を計画

古くから産業の基盤とされ、様々な人や物の時間の流れが同じ場

し、積極的に循環型林業に取り組んできた。また、

所で混在する河川に循環の流れを可視化させる。そこで人々が循

リサイクルにも力を入れており宅配の際に古紙を

環の中に身を置くことで、地球環境への危機意識が高まるのでは

回収するなどの取り組みもみられる。

犀川

ないかと考えた。実際日本でも多くの建材が山に放置されており、 循環の働きが弱まっている。本設計では「木」の活用を社会に発 信していける建築を提案する。 敷地

03. コンセプト

04. 循環

人々は、はじまりと終わりに意識が集中し、過程を蔑ろにするこ

本計画では、古紙のリサイクルにおける循環

とがあり、日常生活の中で小さな発見を見逃してしまう。私たち は石川県の伝統工芸品である和傘に着目した。傘をつくる工程に 循環の流れを取り入れることでささやかな気付きを予感させる提 案とする。きっかけとして河川に CLT の橋をかけ、サイドにリサ イクル工場(復元場)と CLT の加工場(生成場)を配置する。橋

パルプスラッジ の肥料化 →循環型林業 CLT加 工場 (生 成場 )

と、CLTの生成における木材の循環が入り 混じるように設計する。また、橋や傘といっ

県産材の活用

た人々が介入する余地を与えることで、循環 の流れの中で持続可能な社会について考えて いくきっかけをつくる。

を渡ることで復元と生成の過程が自然と人々の視線に入り込む計

RIVER

古紙のリサイクル工場 (復 元場 )

画とした。循環することの重要性を感じつつ河川敷の傘にたどり 着く。和傘は大切に使えば半世紀もつといわれている。本設計も

町の古紙回収

人々に愛される橋でありたい。 廃材利用

68

→家具


再生紙の循環

05. 再生紙× CLT の傘

再生紙と CLT の 2 つの循環のなかで生み出された傘は人 の活動を橋だけに留めず河川敷へと延長させる。 門型構

①町の古紙回収 新しくつくる紙の材料

165

の約 6 割は古紙である

造の2種類の傘を用いることで安心した居場所となる。 これらを河川敷に点在させることで人々の滞留を促し循 環を感じてもらう。

②古紙のリサイクル工場 ( 復元場 ) 2 組の門型が交わる空間で、身の 回りで使われていた紙が再生さ

① ④

れる過程を肌で感じる。

部分パース

③傘 ( 再生紙 )

雨の日、晴れの日によって様々な

06. 構造詳細

自然光を演出してくれる 構成 層 プライ : ラミナ厚さ「 4 4 」 厚さ 4 4 : 樹種 ( スギ 石川 能登産) :

CLT という構造パネルの特徴を シンプルに活かすことに注力し た。復元場と生成場を結ぶ部分 は同寸法の台形のパネルとした。 3枚 1 組の門型とし橋の上に 2

部分パース

④パルプスラッジ 再生紙を生み出す際にできた

部分パ

パルプスラッジは肥料として 山や畑に還る

組並べた。

2 組が交わることで 3 本の流れがうまれる。 門型の傾きを少しずつ操作することでそれ ぞれの通り道はゆるやかに変化する。 河川敷に降り、橋を見上げると循環の全体を認識することができる

中心に進むにつれ道は狭


CLT の循環

門型を構成する CLT は全てピン接合で繋いでいる。接合部のディテール もシンプルにしパネルとロッドによる構造の力強さを感じることができ

①県産材の活用

5,000

石川県の ( 山や加工で生じた )

る。また、現場にパネルを運び込み、簡易的に接続することが出来るため、

間伐材や B 材の活用

施行性の省力化が図れると同時に、サイドに点在する仮設建築物として の活用も可能である。 ロッド

④ ①

平面

狭まり、影の形も変化する

ピン接合

大小様々なパネルが加工される

部分パース

CLT パネル

③傘 ( 骨組み )

ロッドによる連結でトラス化

内部から見上げると橋と同じ構 造でひとつながりで

部分パース ③

あることに気づく

大判 CLT3枚で構成される門型ユニット

④廃材利用

余った部材や経年劣化した部品 などで家具を製作

ロッドを用いてアスファルトと接合させる 10

0

N

▽最高高さ=GL+6900

6,500

6,900

壁:CL T 現仕上げ

3200

工場

ベルトコンベア

6,900

テンションロッド

5,000

1,200

パース

②CLT 工場 ( 生成場 ) ①が丸太の状態で運び込まれ、

GL=0

水面高さ=GL−100

0

2,60

土手からの風景は時間・風向きによって様々な表情を見せる

0

7,00

4,40

0

0

2,500 16,500

4,40

0

8

50

St

Φ60 @


周辺の住宅から復元場の入口へと古紙が集積される

普段何気なく捨てられている紙の循環を肌身で感じる

71


循環の中にたつ

河川敷に点在する傘が垣間見え、人々の活動や川、風の流れを感じる

修士 1 年後期 CLT アイデアコンテスト 2021

いつも反対側へ渡る手段であったが橋の足元へと導かれて降りる

72


作品情報一覧 年度

課題名

建築物

コンペティション

2017 年度 ( 学部 1 年 )

後期

5 × 5 ×5

空間

2018 年度 ( 学部 2 年 )

前期

SOHO

住宅

後期

集まって住む

集合住宅

オフィスビル 2019 年度 ( 学部 3 年 )

前期

仙台防災未来フォーラム 2019

家具

第 6 回 POLUS 学生・建築デザインコンペティション

集合住宅

都市部に建つ小規模小学校

小学校

改築でござる

2020 年度 ( 学部 4 年 )

前期

後期

2021 年度 ( 修士 1 年 )

前期

後期

優秀賞 学内優秀作品

建築新人戦 2019

八木山図書館 後期

学内優秀作品

オフィスビル

防災・復興

紡ぐ

結果

図書館 トイレ

広島建築学生チャレンジコンペ 2019

仙台市

一次予選通過

広場

DIVERSITY

第 17 回主張する「みせ」学生デザインコンペ

水族館

地球につながる新しい風景の街

第 7 回 POLUS 学生・建築デザインコンペティション

集合住宅

外との新しいつながりをもった住まい

2020 年度支部共通事業日本建築学会設計競技

集合住宅

東北支部入選

仙台若者アワード 2020

仙台若者アワード 2020

商店街

優秀賞

商店街

曾光宗賞

卒業設計 SENDAI DESIGN LEAGUE 2021

せんだいデザインリーグ 2021 卒業設計日本一決定戦

akarenga diploma collection 2021

赤レンガ卒業設計展 2021

リモートスタイルハウス

第 7 回 POLUS 学生・建築デザインコンペティション

集合住宅

余白のあるこども園

第 5 回未来こども園デザインコンペ

こども園

休息する「場」を創る椅子

第 5 回ウッディコンテスト

家具

土間を活かした新しいライフスタイル

第 27 回北陸の家づくり設計コンペ

住宅

こどもの国のトイレはおとなも使う

広島建築学生チャレンジコンペ 2019

トイレ

付加価値のある家

第 48 回五三会建築設計競技

住宅

一次予選通過

主張する「みせ」

第 19 回主張する「みせ」学生デザインコンペ

商店街

入賞

riverside CLT

CLT アイディアコンテスト 2021

73

優秀賞

橋 26 課題 20 作品 (2021 年 11 月時点 )




Turn static files into dynamic content formats.

Create a flipbook
Issuu converts static files into: digital portfolios, online yearbooks, online catalogs, digital photo albums and more. Sign up and create your flipbook.