Diploma sendai board

Page 1

既存接合部分アクソメ図

既存接合部分断面図1/5

既存接合部分平面図1/5

NEST

過剰な接続/完全な分離が支配する公共空間に対し、 そのジレンマを超える 提案として、すれ違い の公共性を提案する。本計画は、 すれ違いの公共性を、 現実空間の建築に実装させる思考実験である。

Urban Hacking in Shibuya

4.線材による建築の解体

0.息苦しい都市 幼少の頃、 禁止事項だらけの公園、 とりつくしまのない建築物、 誰のものでもない公共空間に囲まれていた。 そこで、 秘密基地作り・ 塀のぼり・飛び降り・ぶら下がりなどの行為を見出していた。 そこには、 まだ見ぬものを見出そうとする、 発見の楽しさがあった。 しかし 、 歳をとるごとに、 都市構築物で遊ぼう、 と考えることはなくなった。 都市空間は、 手の届かない領域の存在となった。

floor

人・物を乗せる 上下の音を遮る 上下の視線を遮る 上下の移動を遮る A-Bを水平に分ける 外部と分ける

1. 公共 の再考 我々は、 なぜ都市から離れていったのか。 そこには、 公共性の発露があっ た。 公共の場は、 多くの人の利害が関係する場であり、 それ故明文化され ていないルールが存在する。 そのルールは、 立て看板、 監視カメラ、 昨今 ではホームレスの人々などの居座りを防ぐための 禁止オブジェクト とし て物質化している。 これらの 建築 は、公共人 はある行為をすべきでは ない、 という倫理観に根ざしている。 近年、 その まっとう の閾値が狭まり つつある。 立て看板・カメラ・禁止オブジェクトは増え続ける。 その結果、 都 市空間は人がただ往来するだけの、 味気ないものとなっている。

渋谷マークシティ前の排除系構築物

公共人の設定

1.すれ違いの公共性 現代において 公共 のような状況があるとすれば、 それはポケモンGoを 公園でプレイする多くの人々のような距離感である。 お互いがお互いを 認識し、 ある共通の土台・ルールを共有し、 視覚・聴覚・触覚の全てもしく はいずれかによる間接的なコミュニケーションが生じてはいるが、 決して 干渉(接続)することはない状態。 それを、すれ違いの公共性 と呼ぶ。

2.渋谷に存在する空間的ポテンシャル

NESTは、既存建物を起点として張り巡らされる無数の線材によって場を成立させる。 これは、建築の機能的エントロピーを限りなく低 減させることで、新たな機能的創発が生まれることを目的とした操作である。 既存建築に構造的に依存し、最低限の関係性を維持しながら、同時に無関係な場所を生み出すことができる。 それは、NESTと既存環 境のすれ違いと言える。

すれ違いの公共性

現状は利用されていない、渋谷の都市構築物が生んだ 間の空間 を敷地とした。 これらは、私有地であり、既存の 公共 の概 念では開かれるべきではない場所である。しかし、我々は、 その原体験として、 間の空間 を半公共的空間として見出した経験 がある。渋谷に、若者たちが特に目的もなく溜まるのも、 このような 間の空間の、無意識に人々をつなぎとめていく性質が効果 をもたらしているのではないか。 ここには、 間の空間 が有する新しい 公共 を生むポテンシャルが隠れている。

ー上下の音を遮る

ー上下の視線を遮る

ー人・物を乗せる

ーA-Bを水平に分ける

分ける

ー外部と分ける

wall

視線を遮る 侵入を遮る 熱の放出を遮る 横からの雨/風/ 光を遮る

ー視線を遮る

ー熱の放出を遮る

ー横からの雨/風を遮る

ー侵 入を遮る

ーA-Bを垂直に分ける

ー熱の放出を遮る

ー上からの雨/風を遮る

ー荷重に耐える

ーA-Bを水平に分ける

ーXだけ距離をとる

ー足をかける

ー高さの間を繋ぐ

分ける

roof

上からの雨・風・光を 遮る 荷重に耐える A-Bを水平に分ける

分ける

ー光を遮る

stair AーBへ通る

YとXに分割し繋ぐ 二足歩行で繋ぐ

Y

X

ー二足歩行 ーYを分割

繋ぐ

ー質量

ー人が乗る

ー高さの間を繋ぐ


Turn static files into dynamic content formats.

Create a flipbook
Issuu converts static files into: digital portfolios, online yearbooks, online catalogs, digital photo albums and more. Sign up and create your flipbook.