Space Design Portfolio
Saito Takahiro
2011-2014
Contents
Landscape Design
都会っ子 面貌
Habitat Design
YANEGANIWA HOUSE
12
外と内の間の家
22
おぢさんの家
28
階高の小屋
38
鳥になる小屋
44
Nc
50
Palermo
56
五輪
62
MOUNTABLE
66
TOCCON
72
UNNATURAL
78
平面構成 , 立体構成
82
生活用品 , 空想空間
84
校外活動
88
Shed Design
Interior Design
Element Design
Basic Design Outside School Activity
2
Landscape Design 都会っ子 面貌 渋谷の人の居場所をテーマにした卒業設計。 パブリックスペースにおいて人の居場所とは? それはパブリックではあるがプライベートの確保された空間である。 ただ大きな広場を提供するのではなく、 ただ用途を与えるのではな く、 その場所と人とが互いに影響しあい共に変化していくものである。 概 要 卒業設計 / 個人制作 制作時期 2013 年 9 月∼2014 年 2 月 制作期間 6 ヶ月 せんだいデザインリーグ 2014 出展 第 37 回学生設計優秀作品展 出展
2
YO ! メーン ! 一人の時は小さな面、みんなとだったら大きな面!お気にを探す楽しさ当然、あっと驚く景色に直面! 溢れる情報、みんなの表情!渋谷のオアシス、人混み解消! その名も!
世界で最も人が集まる渋谷スクランブル交差点。 ここでは情報の発信、消費されるという現象が止めどなく起き ている。 その情報は谷底に集積され人々に空間を与えていく。 広告、看板といった面的要素で組み上げ出来た空間は十人十 色のように同じ場所は存在せず、情報と人との関係性によって その姿形は日々変化し、渋谷とともに成長していく。
Concept Model
渋谷はショッピング、食事、映画、音楽といった繁華街として賑わい、流行の発信地としてたくさんの人が集まる。人と情
まず看板の要素を参考に面だけで立体を立ち上げたコンセプト模型。
報が絶え間なく行き交う状態は渋谷の大きな特徴である。しかし、それによって人混みが発生し、人々にストレスを与えて
写真の通り、「面を面の側面で、面を独立、面の側面の一部分を繋げる」というルールを作り、それらのものを繋ぎ合わせ一
しまう。人で溢れるスクランブル交差点周辺にはやすらぐパブリックスペースがないのである。
つの立体を制作した。
情報を発信するだけの看板に「人の居場所」という機能を付ける。「都会っ子 面貌」は人混みのストレスを解消し、渋谷を楽 しむための提案である。
4
Study Model
次に「人の居場所を作る」ために床面を足して出来たスタディ模型。そして上へ登るための階段を付け加えていく。
敷地に対してのボリューム検討。どのくらいの範囲か、どのくらい高さを出すか、どのような素材を使うかを検討しながら
また、面の素材や色の検討も行う。
出来たスタディ模型。
5
Diagram Talk
Watching
Mochi-tsuki DJ Police Exercise
Live Consultation
Performance Meeting
Type of size Normal
Stay
New
Move
W720×H4500 W720×H7000 W720×H4500
W2500×H5000 W2500×H10000 W5000×H5000
W720×H7000 W860×H4500 W860×H7000
W10000×H5000 W12000×H6000 W14000×H7000
W860×H9000 W900×H4500 W900×H7000
W12000×H9000 W13000×H13000 W15000×H15000
Seven Types
Build 9000
13500 800
スクランブル交差点周辺では目的地へ向かう人、待ち合わせをする人、暇な人、たばこを吸う人など、 同一平面上でそれぞれが行動することにより人混みが発生する。 単位行動を地上と上空の縦方向に分けることによって人の居場所を確保すること出来る。
2400
4800
9600 2400
渋谷にはたくさんの看板や広告といった情報が発信されている。その看板や広告サイズの平均から 7 種類の面材を割り出し、組み上げていく。
4000
8000
4000
6
Starbucks Coffee
109MEN'S
Scramble Crossing
一人でスクランブル交差点を眺められる小さなスペース。
複数人で集まり利用できる大きなスペース。
Hachiko
0m
10m
20m
30m
40m
50m Shibuya Station
恋人同士の待ち合わせや同じ時間を過ごせるスペース。 Nine Types
その場所でしか得られない情報があるスペース。
看板、広告、新聞、チラシ、雑誌、鏡で組み上がった面材
S=1/800
Garden plant
上出口、信号機、照明、手すり、花壇な
スを作り出していく。 スには様々なアクティビティが発生する。
Signal , Pole , Lamp
この巨大な面の集まりは、地下からの地
は向きによって床、柱、梁といった構造になり多様なスペー 地上は歩行者が使い、組み上げられて出来た上空のスペー
Exit
どから立ち上がっている。地上出口の背 新聞
週刊誌2
企業看板
チラシ
ファッション雑誌
鏡面
週刊誌 1
ファッション雑誌 2
アルミ
面から上空へ登ることが出来る。
例えば小さな面では一人で休憩したり、大きな面では複数 人で遊んだり、ライブパフォーマンスなども出来る。 角の出来たスペース、面に挟まれた閉鎖的なスペース、床 面だけの開放的なスペースがうまれ、その人の気分や行動 にあった表情を持っている。
Normal
New
7
Volume
「都会っ子 面貌」は面のランダムな構成によってオープンスペースとプライベートスペー スが混合しあう形となっている。 面で埋め尽くされた渋谷。アスレチックのように登って自分の好きな場所や新しい景色を 探すことが出来る。また、周辺のビルと接続しているため地上→ビル→目的地ではなく、 地上→都会っ子 面貌→目的地という地上から目的地へダイレクトに移動することが出来、 渋谷の新しい動線になる。
8
渋谷には「完成」という言葉は存在しない。時代によって表情を変え、常に未完成な 街であると言える。したがって、完結した建物はここには似合わない。 「都会っ子 面貌」は渋谷の状態によって面の数が変わり、情報と人とがリンクしあ い姿形が変化していく。たとえばオリンピックやサッカーなど渋谷が活気に溢れてい るとそれに影響を受けボリュームが大きくなっていく。情報と人が少なければ逆に小 さくなっていく。面に張られた広告、チラシ、新聞なども一定の期間を経過すると変 化し、それに応じて人の居場所も変化する。
9
Persective 上空の床下が鏡面になっているため地上を歩く際、上を見上げる と空の間に自分やスクランブルの様子が切り取られ混ざり合う。
New
「都会っ子 面貌」のスクランブル交差点上空には大きな穴があい ている。 上空からスクランブルを覗くと普段アイレベルで見ていた人混み
Ne
w Ne
w
が違った景色で見ることが出来る。ライブで圧倒的な密度の人混 みを傍観することが出来る。 そして、面の看板や広告以外に上空での人々のアクティビティが 広告のように発信され、地上と上空との関係性を築いていく。
Normal
10
渋谷のパブリックスペースとは、 渋谷と人とが互いに影響為合い、共に変化していくことである。
11
Habitat Design YANEGANIWA HOUSE
Y3
Y SE U Y
6
Y5
Y7
Y4
eA B p y T e Typ
e iS ngl le b u Do
Y
Y
10
Y9
12
h g i H y t i s n e D ing s u o H
C e p Ty ype D T
X1 X2
X3 X4
8
O H
Y
E N A
概 要 住宅設計課 / 個人制作 制作時期 2013 年 4 月∼7 月 制作期間 4 ヶ月
2
N A G
1
A IW Y
渋谷の看板の要素に着目し、設計した集合住宅。 渋谷の街の観察から見出せる「高密度」な状況の分析、そこか ら導かれる高密度を生み出すコンセプトを抽出、空間モデルへ の発展、およびその敷地への応用の 4 段階のプロセスを踏む。 100 人が住める高密度な集合住宅の設計。
le p i r T uple dr a u Q
いっしょの敷地に住んでいるのに隣人をしらない。 マンションやアパートにおいて人と人との関係性とは何 か? 集合住宅はプライベートやシステマチックの確保を優先し た結果、他者とのコミュニケーションを失った。そして、 「他 人に迷惑を掛けない」といった日本の言葉が更に世帯同士 を遠ざけ各世帯を孤立化させていった。集合住宅はただ「住 む」だけの機能的なものではない、他者との関係性を作り 上げるものである。 敷地は渋谷。単身者の多い集合住宅でどうコミュニケー ションを生み出すか。 渋谷の象徴ともいえる情報に着目し、100 人住める高密度 集合住宅を設計した。住居スペースをずらすことによって スペースがうまれ、人と人とのコミュニケーションが始ま る。
Concept Model
渋谷センター街にはたくさんの看板があり、視線の先には色とりどりで、処理できないほどの情報が並び発信されている。
まず看板の要素を参考に面だけで立体を立ち上げたコンセプト模型。
その設置方法は様々で、店の正面看板、突き出し看板、垂幕と種類が豊富で , 平面的なものが街 ( 空間 ) を埋め尽くしている。 写真の通り、「面を面の側面で、面を独立、面の側面の一部分を繋げる」というルールを作り、それらのものを繋ぎ合わせ一 より多くの人に情報が行き渡るようにそれそれが重ならないようずれたり、高さを出したりうまく工夫されている。 この看板のもつ要素を「100 人が住む」集合住宅に取り入れることにした。
14
つの立体を制作した。
Study Model
次に「居住空間として成り立たせる」ために面とボリューム
面だけで住居空間をイメージして出来たスタディ模型。
具体的に 100 人住むにはどれくらいのボリュームが必要な
住居空間とキッチン、風呂、トイレといった水回りや階段、
を使い出来たスタディ模型。面が構造でボリュームが住居空
縦方向に長い面が柱梁となっていて、面だけで組み上がって
のかを検討しながら出来たスタディ模型。ボリュームの密度
エレベーターといった動線を検討しながら出来たスタディ模
間をイメージしている。
るというイメージから離れてしまっている。同時に屋内外の
が増え、ボリューム同士で出来たボイドが新しい空間をうみ
型。
問題が発生する。
出している。
15
Diagram
ユニットを積み重ねるのではなく、コアにそれぞれの用途にあっ たユニットを貼付けることで多様性をうみ出し、ユニット同士 に空間を持たせることで庭が出来る。従来の集合住宅は平行線 に開口があるが住居を貫通させるにように開口を設けることで 住人同士の関係性をうみ出す。
16
水回り、動線、室外機が大きな 4 枚の面に
大きな面に住居ユニットが看板の様に取り付
大きな面の挟まった動線。赤線が共有階段と
挟まり、2 棟のコアを形成する。
けられている。
廊下、青線が共用エレベーター。
赤が室外機置き場、青が水回り、ダクト。
Volume
22600
WC
敷地境界線
30000
34668
EV
EV
24564
0m
10m
20m
30m
40m
50m
S=1/500 交通量の多い道路(大通り)と遊歩道に挟まれた敷地。 大通りは 5 階∼6 階建ての建物が並び騒がしい表情に対し、遊歩道は緩や かなカーブに一軒家が並び穏やかな表情をもっている。 周りの建物の高さや大きさ、2 つの道の表情に対して、最高 10 階、最低 7 階建てという変則的な集合住宅を設計した。 そして、この集合住宅が二つの道を遮るのではなく、 2 つの表情と住人の表情を伺うことの出来る関係性を成り立たせた。 これによって集合住宅にある閉鎖的なイメージを変えることが出来る。
17
Perspective 4 枚の面の間に水回り、動線を確保し、 面の外に住居ユニットを取り付けた。 ユニットの大きさ、配置位置をずらすこ とによって空間を作り下のユニットの屋 根を庭として使用することが出来る。 庭ではそれぞれ好きなことが出来る。 植物を育てたり、運動をしたり、お茶を 飲んだり、それぞれのユニットに表情が うまれ集合住宅全体のファサードにな る。
住居
18
水回り、導線
庭
9800 シェアをして暮らす人も多く、核家族が少ない。 この集合住宅は 1 人暮らし用、2∼4 人のシェア用の 4 種類
Type
B
Closet
3150
Entrance
のユニットから成り立っている。
Room
Passage
6000
3200
Closet Closet
Kitchen
Dressing room
Bath room
EV
WC
10800 4150
Type
6000
Entrance
Passage
Closet Closet
14925
TypeB 3150
C
Closet
Room Dressing room
Kitchen Bath room
11800 5150
Type
A
3150
Closet Room
Passage
D
Closet
Entrance
9000
Closet
Dressing room
Closet
TypeC 3150
3500
Type Closet
6000
Unit Plan
3150
渋谷での集合住宅の利用者は 6 割り以上が一人暮らしである。
Entrance
Room
Kitchen
Passage
Closet
Closet
Dressing room
Kitchen Bath room
WC
Bath room
TypeA
WC
TypeD
S=1/100
A 1F
Floor Plan
3500
3500
4150
9000
B
5150
22600 3150 3150
30000
EV
9000
EV
B
22675
2850
6F
5150
21600 3150 3150
3500
3000 3000
9FL
9000
3000
8FL
3000
6FL
EV
30000
3000
7FL
3000
5FL EV
3000
4FL
3000
3FL
2FL 150 3000
3500
10FL
GL
1FL
6000
30000
30000
A
3150
3500
20600 3150 3150
3500
3150
3F
4150
3500
21600 3150 3150
3500
4150
4F
5150
3500
22600 3150 3150
3500
4150
5F
4150
3500
21600 3150 3150
3500
4150
9000
6000
6000
4150
6000
2F
30000
30000
EV
EV
EV
6000
6000
9000
EV
9000
30000
EV
EV
30000
EV
EV
3500
21600 3150 3150
3500
4150
8F
3150
3500
19600 3150 3150
3500
3150
9F
3150
3500
16450 5150
3500
10F
30000
30000 6000
6000
EV
3150
EV
9000
30000
EV
EV
11800 3500
9000
6000
6000 30000
EV
5150
EV
EV
6000
4150
6000
7F
S=1/250
Habitat Design 外と内の間の家 人には外出時の表情、家の中の表情がある。 その表情をテーマに都心に 4 人家族の住宅を設計する。 都心の観察、分析を行い都市と住宅との新しい在り方を考える。 概 要 住宅設計課題 / 個人制作 制作時期 2012 年 10 月∼2013 年 1 月 制作期間 4 ヶ月
外と内の間の家
22
Concept/Diagram
人が混沌とした建物に入る
多様化した家族がそれぞれの部屋に入る
都市単位としての美しさ
都市を歩くと建物が至る所に建ち並び混沌としている。混沌とした場所だが、そこには人間の生活があり、人間の内面が現 れる。それは混沌した中にうまれる一つの美しさである。 奇麗な都市を求めるのではなく、混沌とした都市に住むことによって生まれる風景、風情を混乱した「美しさ」として捉え ても良いのではないだろうか。 そして、都市の中の住宅において、家族にはそれぞれの顔がある。父は外で働いたり、母は家事をしたり、子供は学校へいっ たり、外での顔や生活時間の多様化が進んでいる。 この住宅は都市の混沌と生活習慣の多様化をテーマに設計した。
24
「人→混沌とした建物→一つの都市」というものを都市の美しさとする。 これを多様化した家族の住宅に取り込む。 「家族→それぞれの部屋→一つの家族」というものを住宅の美しさとする。
住宅単位としての美しさ
Volume
1000
12000
1075
18000
敷地境界線
2347
2500
1000
3314
5000
2500
0m
5m
10m
15m
S=1/100
25
Plan 家族ではあるが多様化とタイムスケープの違う生活をそれぞれ送っている。 1 階は家族の個室があり、それぞれに玄関が用意されている。 そして、2 階に上がるとリビングやキッチンがあり、家族が集合する。
6779
3464
2F
3315
3464
5155
A
Room4
Passage
Room3
WC
Closet
Closet
3827
13420
2500
5500
Closet
7248
A
13420
2500
Dining
2FL
Living
Kitchen
Room1
GL
8266
200
Balcony Dressing room
300
8000
Bath room
5155
Closet
8444
3315
B 2532
B
6779
5155
1F
��A
13340
[������] 8550 1:100 ��:
Room2
300
3640
B
Passage
Balcony
2500
Closet
55
51
55
51
200
2500
5500
2FL
26
GL
敷地境界線
1FL
��
[������] ��: 1:100
S=1/100
S=1/100
Perspective
27
Shed Design おぢさんの家 小屋をセルフビルドするプロジェクト。 クライアントが幼少期に過ごした 「おじさんの家」 の再現と茶室兼ギ ャラリーを設計する。 建築家・長岡勉さんと共に桑沢デザイン研究所の学生有志でクライ アントへのヒアリングから構想、設計、施工の全ての行程を自分たち の手で行った。 概 要 小屋設計施行 / グループ制作 制作人数 10 人 制作時期 2013 年 2 月∼8 月 制作期間 7 ヶ月
おぢさんの家
28
小屋という小さな建築。そのスケール感と可動性のフレキ シビリティは、小さな建築ならではの可能性である。 採光、風通しや風景を切り取りとる際、一人で脚立など使 わずに屋根や開口を可動することが出来る。
Concept/Diagram
小屋というミニマムな建築において、使われ方は限られてしまう。しかし、建具をとりつけることによって光のいれ方、風通し、 小屋(フレーム)に建具を取り付けセルフビルドする。 風景など外部との関係を操作することによって多彩な空間がうまれる。茶室、ギャラリー、寛ぐ場所、、、人が集ぎたくなる ような小屋を設計する。
30
Study Model S=1/100
Study Model S=1/50
片流れ屋根の小屋
二重屋根小屋
マトリョーシカ小屋
ベンチ小屋①
ふたごや (双子小屋)
二重屋根小屋②
まつぼっくり小屋
マトリョーシカ小屋
貫通小屋
ベンチ小屋
トップライト小屋①
縁側貫通小屋
いもむし小屋
ロング縁側小屋
真ん中に壁のある小屋
ロング縁側小屋
31
Study Model S=1/30 出動小屋 A 案
長い小屋
大きな 1 枚戸は外に対して大きく開けるため半屋外が出来、屋内→半屋外→屋外というのびやかな空間を感じられる。
小屋と小間を貫通する縁側を横並びで配置し、それに大屋根を掛けた模型。
また、屋根は小間と縁側へ均一に光を取り込むトップライトを設置した模型。
細かい光と風を調節出来るよう壁面は細かい開口がある。
出動小屋 B 案
への字屋根小屋
出動小屋 A 案と形は似ているが、出窓の大きさや屋根の開口に差を付けた模型。
他の 3 案と違い、屋根が縁側と小間に向かい伸びている模型。
小さく飛び出た窓には立体作品を展示することも出来る。
屋根が伸びているため反屋外が出来、縁側はベンチを設置してある。
32
Volume
14800
00
45
①
④
②
8765
⑤
⑩
③
⑥
⑪
⑦ ⑧
⑫ ⑬
22
⑨
58 1 .0
⑭
98
17
3
決定案の模型。大きな扉を開くと、外に対し て大きく開けた空間になり、のびやかに感じ られる。それにプラスして1枚の引き戸が着 いているので、大きな扉からでなくとも、小 屋に入る事が出来る。 小間には出窓があり、作品を置いたり人が腰 掛けられる。出窓は開閉する為、風や光を大 きく取り込む事も出来る。
0m
5m
10m
15m
屋根は小間と縁側へ光を取り込めるように、 可動式にした。天井の開き具合で光を調整出 来る。
1 木々側に開放的な空間が出来る
1
2
3
S=1/100
2 木々に向いた開口が出来る 3 隣接する住宅と視線をずらす
33
Plan 5822.01 646.89
646.89
646.89
646.89
646.89
646.89
646.89
646.89
646.89
215.63
1292.152 2243.472
1643.003
400 2826.327
FL GL
1643.001 596 278
619
862.5
862.5
862.5
809.5
②
③
400
824.5
①
318
956
D 824.5
1047.001
GL
2587.5
建具付模型
835.795
1990.532
278 318
333
2826.328
1903.153
923.176
フレーム模型
FL
④
⑤
⑥
1294
1294
⑧
⑦
⑪
⑫
2677 1294
⑩
4500
C
⑨
1294
2588
2384.881 A
⑬ ⑭
333
24 61 .8
956
B 862.5
862.5
862.5 509
2587.5 5822.01 61
24
53
300
318
S=1/50
816.153
5822.01 24
3
.85
61
.85
3
GL
GL
GL 4500
3206.5
GL 4500
2826.328
1643.003
2826.327
1643.001
2826.328
1643.003
1643.001
2826.327
3650
3206.5
S=1/100
34
Build 今回のコンセプトでもある学生たちによるセルフビルドの様 子。長岡さんのもと、施工前の部材のリサーチ、発注、切り 出し、ジグ制作、施工での現場作業は全て学生たちで行った。
1 部材の切り出し
2 土台となる木杭、大引、根太の設置
3 柱、梁の設置
4 フレーム完成
5 垂木の設置
6 床の設置
7 正面大扉の設置
8 奥の壁面の設置
9 建具の設置
10 小屋全体に防腐剤を塗る
11 屋根の波板の設置
35
Perspective
壁は突き上げ戸になっていて、パタパタと開き小屋内部に風と光を取り入れる。大扉を開 くと周辺の住宅からの視線を遮断し、小屋の前方の川に向けて開放的な空間が出来る。 この敷地は周辺の住宅に囲まれ、日当りも悪い。住宅と住宅の隙間にできたデットスペー スのような場所である。このような敷地を建具の可動性によって豊かな暮らしに変える。
36
37
Shed Design 階高の小屋
概 要 小屋設計課題 / 個人制作 制作時期 2012 年 11 月∼2013 年 1 月 制作期間 3 ヶ月
38
階高の小屋
アイレベルを操作することで空間に変化を付ける。 小さな敷地に小さな小屋 (4 畳半の茶室とギャラリー ) を設計 する。具体的なクライアントと想定された敷地に、人が寛いだ り、絵を描いたり、集まれる「人の居場所」の設計をする。
目に映り込むものは木の幹ではなく葉、庭ではなく空、人 ではなく地面だったり、、、 もしも普段歩いてる道、遊ぶ場所、寛ぐ場所の階高が違っ ていたらどうなるだろう。限られた敷地の中、グラデーショ ンのように視線の高さが変わることによって普段とは違う 風景が見える。
Concept/Diagram
川、住宅、アパートが隣接した三角形の変則的な敷地である。ここに茶室兼ギャラリーのプログラムを含んだ小屋を設計する。 狭い敷地に対して、スキップフロアのように縦方向に空間を作る。 限られた敷地の中で、表情や特徴を活かし人が集い寛げる、そして新しい価値観がうまれる場所を目指す。
視界が広がり、新しい風景を見ることが出来、スキップフロアの上下に新しい空間がうまれる。 その新しい空間を茶室やギャラリーとして使うことによって人の集う場所が出来る。
40
Volume
14800
3060
4200
5134
8765
3030
98
17
3
川、住宅、アパートが隣接する三角形の敷地。住宅に対してはオープンにせず、壁や階段を使ってプライベートを確保した。 小屋の開口を川に向け開放的な空間にし、アパートに対してはブロック塀があるため壁を設けることはせず、物見台やスペー スを作り小さな庭を設けた。
0m
5m
10m
15m
S=1/100
41
Plan 大きく分けて 4 段階の床が存在する。 既存しない床の高さを設定することと階高を変えることによって普段とは違う視点でものを見 ることが出来る。
3060
EL 2850
1250
3150
3030
EL 2210
EL 1500
790
3150
FL
960
EL 1000
800
GL
S=1/100
5134
1
[������] ��: 1:100
4800
4200
S=1/50
800
GL
S=1/100
42
Perspective 天井高の低い茶室が小屋の中にある。開口によって閉鎖的にも開放的にもなり、外部の風景を切り取ることが出来る。 半地下を作ることによって奥まった空間が出来る。ここをアトリエやギャラリーとして使うことが出来る。 物見台から大きな木を観察したり、その周りに集まって催しものなどが出来る。
43
Shed Design 鳥になる小屋 身の回りのものをヒューマンスケールに置き換える。 小さな敷地に小さな小屋を自由に設計する。 人が寛いだり、遊んだり、おしゃべりしたり、様々なシーンを 考えながら人が集まる小屋を設計する。 概 要 小屋設計課題 / 個人制作 制作時期 2012 年 9 月∼10 月 制作期間 2 ヶ月
な
に
鳥
44
の
る
屋
小
もしも自分が小さくなったら。 突如、身の回りの環境がヒューマンスケールに置き換えら れたとき、自分たちはそこをどう使うだろうか。
Concept/Diagram
緑を駆け回り、秘密基地を作ったり、登ったり、ジャンプしていた頃、「鳥の巣、蜂の巣、蜘蛛の巣はいったいどんな居心地 なのだろう」と人以外の生物になった時のことを考えていた。 鳥の巣をヒューマンスケールに置き換え、小人として小屋を楽しむ。
46
周りの環境をヒューマンスケールに置き換える。
Volume
8765
36
00
14800
00
23
98
17
3
川、住宅、アパートが隣接する三角形の敷地。ここには大きな木があり、小鳥たちがたくさんいる。 小さな場所ではあるが小屋があることによって秘密基地のように人が集い遊ぶことが出来る。
0m
5m
10m
15m
S=1/100
47
Plan
2300
小屋の枝部分は筒状になっていて通り抜けが出来、内外部には様々な遊具が設けてある。
2400
0
180
2500
S=1/100
2000 600
500
2300
400
0
1500
3000
GL 2500
48
1100
S=1/40
Perspective
蔓を渡る
虫穴を覗く
蔓に座って休む
木の実にぶら下がる
鳥の巣へ登る
枝を登る
木をヒューマンスケールにすることによって小さな生物を疑似体験することが出来る。 遊んだり、寛いだり様々なシチュエーションが存在する。
49
Interior Design Nc 和食レストランの設計。 和といっても純和風ではなく洋風を取り入れた創作料理を提供 するレストラン。敷地は恵比寿。厨房は床面積の 40%を確保し、 客席は 40 席以上確保する。 概 要 インテリア設計課題 / 個人制作 制作時期 2013 年 6 月∼7 月 制作期間 2 ヶ月
創作料理
50
Y1 9500
150 100
3700
50
Concept
Y2 3300
3200
3000
4000
Y2
2600
3550
2950
100 600
4100
150 100
2750 4600
2000 9200
Y1 Y1
Y2 Y2
9500
Y1 1075
3200
9200
3300 2300
1000 1225
3000
Y2
10200
500
9200
500
X3
特徴はキャンドルの証明である。店内の壁はベージュの色合いで天井から吊り下げられたキャンドルに
1600
1600
この Nc( エヌ•シー ) は日本の「和」という文化に西洋の「洋」を取り入れた創作料理店である。
3200
965
敷地は恵比寿。
よって柔らかい色に囲まれ、忙しい都心を忘れさせてくれる。導線となる床には黒に近い暗く落ち着い
る緑が見える。正座や胡座ではなく椅子に腰掛けるという行為、 「歩く、上がる、座る」という行為によっ 7300
を歩き「洋」の席へ座り「キャンドル」の柔らかい光と共に過ごす、この和洋の動作と感覚によって、
1000 4100
52
4100
新しい時間を楽しめるプランになっている。
150 100
店名である Nc( エヌ•シー ) の「N」は日本のイニシャルの N、「c」はキャンドルの「C」である。「和」
4400
Y1
て違う景色を楽しむことができる。
1400
2750
4000
4100
2235
たつのようなソファがあり、鮮やかなえんじ色が広がるソファに座ると目線の先には盆栽や玉石の広が
50
のテイストだが各座席は全て椅子やソファといった「洋」の要素をとりいれた。座敷に上がると掘りご
1600
動しているかのようで、まるで日本の土間にいるような感覚を覚えさせる。店内の色合いは日本の「和」
2000
S=1/50
0
の隅には玉石がこっそりと撒かれ個室に上がる為に段差を作ることによって室内でありながら室外を移
3750
3200
た色の石の絨緞が広がる。次に特徴的なのはカウンターテーブルや個室が離れているということ。導線
Plan
X2
X1 12200 6545
2950
2200 2400
4300
2200 2400
Y2
2705
500
3550
9200
1200
2000
2600
100 600
X1
2000
B D
A
2000
2755
150 10
900
7300
4400
Y1
1550
1600
1000
1600
C
2000
150 100
450
2950
2050
2000
2000 10050 13000
2000
2000
S=1/50
53
500
9200
500
10200
Y2
Y1
Y2
Y1
A
Y1
Y2
9200
50
CL
2750
3700
4100
4000
2000
150 100
FL
B
X1
GL
X2
4100 4000
12200 2705
150 100
2950
3700
1105
100
1600
6545
2750
200
3700
3000
300 2000
FL
2000
950 1550
2950
150 100
3750 4000 4100
54
150 100
700
X2
4000
2000
4100
2000
X1
2000
50
CL
GL 200 S=1/50
C
Y1
Y2 9200 1400
3200
4600
3700
FL
150 100
4100
4000
50
CL
X1
D
GL
X2
X2
X1
Y1
Y2
12200 2000
1600
1000
2000 2000
9200
11650 2000 2400 2400
2000
2200
1950
1700
2200
150 100
50
CL
200
3700 150 100
950
4000
4100
2705
2050
X2
2000
X1
2000
FL
GL
S=1/50
55
Interior Design Palermo 恵比寿にシチリアのパレルモをテーマにしたイタリアンレスト ランを設計する。 概 要 インテリア設計課題 / 個人制作 制作時期 2012 年 10 月∼12 月 制作期間 2 ヶ月
Restaurant
56
Y2
Concept
2100 3000
5000
1500
1200
9500
Y1 9500
イワシのパスタ
Y1
3200
Y2 トマト煮カポナータ
Y2
10300 400
9500
400
シチリア料理を中心とした開放的で落ち着いたレストラン。 料理の色味を主張するため、店のテーマカラーはベージュや茶色といった主張しない色に統一した。 1200
提供する料理は新鮮な魚貝や野菜をたっぷり使ったシンプルなものをイメージした。 地中海でとれるメカジキや、イワシやボッタルガ(からすみ)やアサリなどの魚貝料理。 ナス・ズッキーニ・トマト・ピーマンなど彩りある食材を使うことによって、店内のアクセントとと
100
Y1
2600
3800
空間にした。
3900
限られた閉鎖的な室内だが、天井のブルーは青空を意識し、ファサードの大きな窓によって開放的な
3300
なり食欲をそそる。
S=1/50 0 550
100 600
58
Plan
X3
X2
X1
14600 7300 4400
1300
B D
1200
A
Y1
150
1075
500
2300
3300
1225
1000
C
5000
3200
9500
600
500
3000
1180
5000
600
Y2
1600
7300
1600
1600 3200
4100
7300 14600
S=1/50
59
600
500
1180
600
7300
7300
7300 150 100
100
3900 3800 2600
60
S=1/50 FL
GL
1200
2235
900 900
2600
1700
3550
500
2950
150
2755
965
X3
CL
5000 150
100
2000
2000
12200
1200
11650 2000
2000
1300 50
7300
X3
Y1
2000
1700
Y2
9200
1400 3700
3200
4600
50
200
4100
1950
14600
X2
4000
100 600
X2 4400
X3
X1
1600
7300
X1
B
150 100
GL
2100
1500
2600
3550
2950
150 100
4100
3700
4000
950
FL 5000
1200 100 600
150 100
CL 13000 10050
2000
2050
2000
2000
2000
2000
50
Y1 Y1
Y2Y2
1550
1600
1600
Y2
Y2
Y1 500
Y1
9500
Y2
A
9200 1000
2000
2400
Y1
2200
2400
Y2
2200
150 100
10300 9500
400
1
400
Y2
Y1
2950
4100
150 1
500
9500 3300
12200
3700 4000
Y1
Y2
6545
Y1
3200
2705
150 100
C
3000
X1
X2 100 600
3750 4000 4100
700
2600
2000
300
FL
GL
50
3000
150 100
150 100
4100
4000
3700
2950
150 100 2750
3550
150 100
CL
4100
3700
4000
200 9200
2000
X2
X2
X1
1100
1075
1000
4100
2235 500
965
1225 6545
1100
2300
1105
500
7300 3000
2950
X1
12200
100
X2 3750
1000
1600
2750
4000
4100
4050
2000
3200
2600
X1
CL
1600
1600
2950
150 100
X1
3300
100
14600 9500 10200 3200 9200
7300
X1
Y2 Y2
50
Y1 Y1
2705
X3
Y2
1600
Y1
X3
D
100
FL
GL
4400
7300
7300
150 100
150
S=1/50
61
Interior Design 五輪 2012年7月に開催されたロンドンオリンピックにむけて期間限定 のアディダスショップを設計する。 敷地は渋谷。床面積は60平方メートル。 概 要 インテリア設計課題 / 個人制作 制作時期 2012 年 6 月∼7 月 制作期間 2 ヶ月
Sports Bar
Presented by
62
賑わい騒がしい街に、どこか懐かしさを感じ、落ち着ける 空間を与える。
Concept
ロンドンオリンピックの日本限定ショップということで、日本の「和」をテーマに空間構成し、アパ レルやシューズといったものを販売するのではなく、サッカーを観戦出来るスポーツバーである。 敷地は賑やかな渋谷だが、その騒がしい雰囲気から写真のような田舎の落ち着ける空間になっている。 和の中でも水平垂直で構成された「格子」や「障子」をイメージし、線材で空間を埋め尽くした。 一定の間隔で線材を配置する事によって空間の広がりや、水平線がうみだす安定感で落ち着きのある 構成にし、天井はランダムに線材と紙を配置することによって、躍動感がうまれ動きのある構成にした。
64
Perspective
65
Element Design MOUNTABLE 人の意識的、無意識からうまれる行動を観察分析し、そこから 具体的なエレメントを設計する。 概 要 エレメント設計課題 / 個人制作 制作時期 2013 年 4 月∼5 月 制作期間 2 ヶ月
66
高い山、低い山、横長い山、、、たくさんの山の中には多様 な機能が存在し、使い手を楽しませる。
Concept/Diagram
Time
短い
立つ 図書館では、「本を読む」という目的は同じだが人によって滞在時間や体勢が異なり、同じ空間で様々な行動が見られる。 少し読むのであれば「立って読む」、長く読むのであれば「座って読む」といった行動により場所と道具も変化する。 行動単位を並べたテーブルを制作し、それを意識的、無意識に使うことで行動単位の認識ができ、新しい使い方がうまれる。
68
座る
座り込む
行動によって時間、スペース、道具が変化する。その行動単位を並べる。
長い
寝っころがる
Sketch
行動を横並びにしたスケッチ。行動によって必要なスペースと道具がわかる。
行動の連続を 1 つのテーブルにしたスケッチ。1 続きにすることで、間にまた「立つ」「座る」「座り込む」「寝っころがる」 新しいスペースがうまれ、使い方を探す楽しさがうまれる。
69
Volume/Plan
幅 2m 全長 20m の大きなテーブルには多様なスペースが存在する。普段通り座って本を読んだり、テーブルのしたに座り込んで読んだり、今までの図書館とは違う雰囲気を味わうことが出来る。
1170
700
600
450
1595
450
520
370
520
700
445
500
1000
500
400 700 20000
2780
1300
800
1300
1000
500
500
700
1500 500
1000
900
1400
また、テーブルだけではなくパーテーションの機能も果たす。
1220
3500
580
S=1/50
70
Perspective
71
Element Design TOCCON
概 要 エレメント設計課題 / 個人制作 制作時期 2013 年 6 月∼7 月 制作期間 2 ヶ月
T
家具は当たり前のものとして日常に存在するが、その在り方は 必ずしも固定的なものではない。家具をイスやテーブルといっ たアイテムとして捉えるのではなく、「身体を預ける道具」と して捉えエレメントを設計する。
c o c oChair n
Like Stump
72
布で覆われた姿形は切株に見え、そして人を包み込む。
Concept/Diagram
布が身体を包み込み、左右に揺れ優雅な一時を与えるハンモック。 この布の「包み込む」と「揺れる」をテーマに屋内にも置けるソファを制作する。
74
ハンモックの「包み込む」「揺れる」という要素をイスに取り入れる。
Study
まずフレームを作り、布を張って出来たスタディ模型。
木でフレームを作り、ゴム風船を張ったスタディ模型。
支えを 4 点から 3 点に変更した 1/1 スケールのフレーム。
ゴム風船で失敗した写真。フレームとゴムが接触する部分は
4 点で布を張り、その中心で人を包み込むように支える。
内部が真空になるので、上から力を掛けると側面が膨んだり
さらに人の重さを支えるため、補強材を足した。
発砲スチレンでコーティングした。
場所によって形が変化する。
75
Volume/Plan 最終的に強度と伸縮性を検討しコットンを採用した。 3 点のフレームの中心に座ることが出来、前方左右に揺れることが出来る。フレームの天 板は手すりになり安定性もある。
300
650
1000
900
S=1/10
76
Perspective
77
Element Design UNNATURAL 日常生活における「憩う」「食べる」「寝る」という 3 つのテー マから 1 つを選び、3 つのインテリアエレメントをグループで 制作する。 概 要 エレメント設計課題 / グループ制作 制作人数 5 人 制作時期 2012 年 5 月∼7 月 制作期間 3 ヶ月
UNNATURAL
78
幾何学がユニット化され増殖していく。線と面で構成され たこの空間は現代の食生活を表している。
Concept/Diagram
「食べる」をテーマにエレメントをデザインする。 私たちは重なる命の上に成り立って生きている。しかし、加工食品にあふれた現代において元の食材はカタチを失い、出来 上がった四角や丸い食品からは原型を想像することが難しい。現代の食生活は有機から無機へと変化していないだろうか。 この違和感を形に起こし幾何学で形成されたエレメントの空間は、人工的で不安な違和感を想像させる。
80
加工食品の消費量のデータから部材を割り出し、それらを組み上げ、機能を持たせる。
Perspective
81
Basic Design 平面構成 , 立体構成 , 生活用品 , 空想空間 手を動かしながら基本的な造形力を身につける課題。 デザインするには、漠然とした 「イメージ」 を、形態や色彩や素材とい った具体的な要素を通して表現し、 さらにそれを展開、検討する 「造 形的な思考力」 が必要であり、 それを課題を通して学ぶ。 概 要 基礎造形課題 / 個人制作 制作時期 2011 年 4 月∼2012 年 2 月 制作期間 1 ヶ月∼3 ヶ月
Basic Design
82
素材の色、重さ、温度、手触り、匂い、素材と人間との関 係を五感を使って体験的に学ぶ。
Plan Conmposition デジタルではなくアナログ手法をすることによって「頭では なく手で考える」「とにかく手を動かす」表現体験を重ね平面 を構成する課題。 デジタルとアナログの違いを学び、平面の構成力を学ぶ。
色のグラデーションを学ぶ「平面構成」
破材を使い半立体の平面構成をする「アッサンブラージュ」
84
ユニットを作り、それを配列し美しい平面構成をする「平面構成最終演習」
Solid Composition 視覚・触覚を駆使しながら、立体造形の 持つ可能性やそこから生まれる表現効果 について学ぶ課題。 表現するための基本的な技術と知識を習 得し、身体を通したものづくりの在り方 を見つける。
立方体を二等分し美しい形を作る「二等分割」
心地よい手触りを作る「ハンドスカルプチャー」
布の特性を活かし美しい形を作る「布立体」
線材を組み上げ美しい形を作る「棒立体」
85
Product Composition 持つ」「にぎる」をテーマに、手と動作、道具の関係について考え、立体物を作成し ながらデザインを具体化していくプロダクトの課題。 災害時に備えたドアノブの提案。ドアノブの内部にはサイリウムが内蔵されていて、 災害時に電源がなくても一時的に光源を得ることが出来る。また、ドアノブが光る ことで非常灯の役割も果たす。
86
Space Composition 自由なテーマで空間を作る課題。 テーマは「いつもと違う日常」。鏡の亀裂によってうまれる像は普段とは違う非日常。 その違和感を日常に取り込むことによって日常と非日常との間の空間を狙った。
87
Outside School Activity 校外活動
cS hool Activi
ty 2011-201
概 要 ボランティア / 施行作業 制作時期 2011 年 12 月∼2012 年 12 月 制作期間 1 週間∼1ヶ月
Outside
課題で図面、模型を制作するのではなく、施行現場にいくことによっ て建物を建てるということを学ぶ。 主に東北での施行作業を行った。
2
88
パソコンやカッターなど机上ではなく、インパクトドライ バや丸ノコなどを施行現場で使う。
Plywood house Project/Minami-Sanriku 場所は宮城県南三陸町。3.11 の津波被害によって多くの建物が流され人々の居場所がなく なってしまった。KMDW の小林博人さんのもと、SFC の学生と仮設集会場をセルフビルド した。 基本的な構成ユニットとして、地域間伐材を用いて作られるベニア合板を使う。合板にはス リットがあり、それらを組み上げることによる低コスト簡易建築を設計・建設する。 構造フレーム、屋根、仕上げなどの施行作業を行った。
90
延べ日数 1 ヶ月現場に参加した。
構造フレームに断熱材を入れる作業
構造フレームに垂木を流す作業
構造フレームに補強材を設置する作業
屋根に防水シートを貼る作業
屋根に波板を貼る作業
壁の仕上げにプラダンを貼る作業
屋根裏に断熱材を入れる作業
ウッドデッキの制作
照明とドレープの作業
建具の制作
91
Plywood house Project/Maeami-Hama 場所は宮城県石巻市前網浜。漁業の盛んな前網浜だが南三陸と同じく建物が流され、 漁師たちの陸での作業場所と倉庫を失った。 KMDW の小林博人さんのもと、現地の漁師と仮設倉庫をセルフビルドした。 延べ日数 1 週間現場に参加した。
傾斜に位置する
屋根での波板作業
92
屋内の照明
建具などのシーリング作業
畳とフローリングの設置
防腐剤の塗装作業
フローリング (LVL) の研磨とコーティング
Tohoku-Wanpaku-Land Project/Fukushima 場所は福島県福島市。放射能汚染の危険によって外で遊ぶ時間を制限されてしまっ た子供たちのために屋内の広場を作る。 福島市内の野球部の室内練習場 300 ㎡にステージと土で地形を作るというもの。 BHI Studio のアサノコウタさんのもと、現地の学生と広場をセルフビルドした。 延べ日数 1 週間現場に参加した。
竣工パーティの様子
ステージのフレーム作業
屋内中央の白い砂場
床を張る作業
土で地形を形成する作業
小さな丘
プレートで土をならす作業
93
Profile
Saito Takahiro/ 齋藤 孝広 1986 年 10 月 21 日生まれ 2005 年 4 月 和光大学 表現学部芸術学科 2009 年 3 月 和光大学 表現学部芸術学科 2009 年 4 月 和光大学 科目等履修生 2011 年 4 月 桑沢デザイン研究所 総合デザイン科 2014 年 3 月 桑沢デザイン研究所 総合デザイン科
入学 卒業 入学 卒業
大学でシルクスクリーンを専攻。アンディ・ウォーホルやロイ・リキ テンスタインやグラフィティに影響を受け、主に紙媒体へ作品制作を した。卒業後も和光大学の聴講生として作品制作をした。 ポスターや広告に興味を持ち、ビジュアルデザイン専攻で桑沢デザイ ン研究所に入学。1 年時の「空間演出」の授業と南三陸のボランティア がきっかけで「平面に捕われず立体でもデザインをする」という考え 方に変わり、2 年時の専攻をスペースデザインに変更。 建築、住宅、インテリアといったもので位置づけるのではなく、デザ インで人と場所との関係性を築けるものを作りたい。