Portfolio Shinichiro nameki
Shinichiro Nameki 行木 慎一郎 1985 千葉出身 2010 東京理科大学工学部建築学科卒業 2012 法政大学院デザイン工学研究科建築学専攻卒業見込
AWARDS 2006 住宅課題賞 ( 建築系大学住宅課題優秀作品展 )
第三位
2008 第 25 回 JIA 東海支部設計競技 銅賞 2010 名古屋港ガーデンふ頭を考える学生提案競技 特別賞 Ground Scape Design Work Shop 第 5 回(社)愛知建築士会学生コンペ 第 27 回 JIA 東海支部設計競技 2011 日本建築学会設計競技
2
最優秀賞 佳作
審査員特別賞 関東支部入選
JACS 住宅設計コンペ
優秀賞
Index
p4 コラージュされた都市は溶けて p16 C+C p22 Windows p36 地下鉄の出口 p40 うつわ p44 とある旗竿地の住宅 p48 防潮林を歩く住居群 p54 谷津はまちをつなげて p60 椅子
3
コラージュされた都市は溶けて 卒業設計
東京のような空間を作りたいと思い、東京の地図を山手線を利用しコラージュして立ち上げた形 態の建築を考えた。 コラージュした場所の特性が重なり合い、溶けていきながらも、東京のいくつかの空間的特徴が 表出する。 そんな、みんなで緑地を分け合うような集合住宅。
4 コラージュされた都市は溶けて
5
6
7
1. 東京と湾岸の違い 東京 : 微地形のために道路のグリッドが変形している。 湾岸:埋め立て地のために土地がフラットである。そのため、 整形のグリッドであり、 グリッドのスケールが人間にあっていない。 渋谷川の影響から、変形した グリッドをもつ渋谷
埋め立て地である敷地の月島 現在写真北東佃のあたりで大
N
規模な開発が行われている。
400m
2. コラージュの手法 コラージュする地域は東京中心部を走る山手線をたよりに決定する。 1-cyome,45min Tabata
55min
Uguisudani Sta.
1-cyome, Okubo
35min
山手線 3-cyome, Marunouti
Shibuya Sta.
25min
5min
Ebisu Sta. 2-cyome, Takanawa 15min
fig.1
fig.2
渋谷駅まわりで山手線沿いの、自分が特徴的
プロットした地点の周辺の地図 ( 縮尺 1/3) を
だと考える街を地図上でプロットする。
用意する。
H
fig.3 山手線の形を敷地に収める。 8 コラージュされた都市は溶けて
fig.4 地図上の区画内の建物の高さをパラメーターとして、 区画の境界を立ち上げる。これが空間の境界となる。
3. モデルの検証 コラージュによってできあがった空間モデルを観察する。そこには東京の魅力が あった。これを元に設計をすれば、東京の空間性を持った集まって住まう場所が設 計できると考えた。
隙間
群像
4. モデルからの設計 モデルを建築化する上で、 抽出された「隙間「群像」による空間を創出する。
群像
隙間
9
1
10 コラージュされた都市は溶けて
5
10
1F Plan 1/400
GL+2500
GL+2500
GL+2000
GL+3000
GL+2000
GL+3000
GL+5000
GL+3500
GL+3500
GL+5000
1
5
10
2F Plan 1/400 11
住空間に合った スケール 12 コラージュされた都市は溶けて
路地性を持つ 外部
立面の群像
屋根の上の空間 13
群像する ボリューム
共有する緑地
ビルの間の ポケットパーク 14 コラージュされた都市は溶けて
垣間見える空
暗闇の先に 瞬く光
縦へ伸びる空間 15
C+C 東京都住宅課題賞 第三位
任意の二人を設定し、その二人に対して住宅を考える。 設定したのはお互いに仕事を持った若い夫婦。神保町という高密度な場所に対して、 紙を折るように軽やかに空間を作り、それ同士がゆるやかに連結しているような建築 を目指した。
16 C+C
17
Concept 18 C+C
Site
1) 敷地は細い道路を 挟んで駐車場に面し た角地にある。周囲 は立て込んでいる。
2) 一つ目の「コ」の 3) 二つ目の「コ」の 4) 二つの「コ」の字 字は角地に対して開 字を合わせる。隣の をそれらと垂直な き、アクティビティ 一様な壁を借りる。 「コ」の字でくるむ。 を見せる。
5) 剛接した「コ」の 字たちを二本のシャ フトで繋ぎ構造の補 助とする
19
1
3
5
Plan 1/200 20 C+C
4th F.L +7400 M3rd F.L +6600 3rd F.L +5000
2nd F.L +2500
Groud F.L +100 800
11400 12200
2750 1
27
850 5
10
Section 1/300
21
Windows 修士スタジオ設計課題
集合住宅において外界と接しているのは窓である。また、幅 6m の敷地性からいかに窓を作るか が重要である。 そこで、窓と部屋の間のような空間を持つ住戸群を考えた。その空間は一つ一つの住戸で違い、 その空間ではそこに住む人々が思い思いの外部との関わりがなされる。
22 Windows
23
窓のみによって外部と接する集合住宅
Site 西麻布
敷地性から閉じられがちな壁面 24 Windows
窓と部屋の中間のような空間とそこでの所作 25
Volume study and Roommodel
1) 建ぺい率 60% で敷地からオ 2) このヴォリュームをいくつ フセットされたヴォリューム もの棟状のヴォリュームに分 を建てる。 け、それらをずらすことで外 部との関係を持つ。
Structure
3) ひとつの塔は入れ子状であ り、内側の空間と外側の空間 を持つ。 内側の空間は洞窟のような 空間であり、外側の空間は外 部のような空間である。
4) 内側の空間はみかけの厚い 開口を持つ。 外側の空間はみかけの薄い開 口を持つ。 一住戸はその両方で構成さ れる。
自由な開口部
RC 造厚さ 300mm の L 字型のコアで XY 方 向の水平力を分担。
26 Windows
27
/0
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V/2
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7
V/1
V/0
6 V//
5 V/.
4
3
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V.7 )/03.
V.6
ȳȤɳɩɳ V.5
V.4
V
28 Windows
ɳɉɪĘ
2 1
V.3
V.2
0
V.1
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1
5
10
1F Plan 1/400 29
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0/
V/2
10
V/1
1/
0.
V/0
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V/0
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V.7
/5 )153.
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V.6
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/4 )203. V.5
V.4
V.3
30 Windows
)653.
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1.
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07
V/.
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V.7 )/....
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V.6
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V.2
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/1 V.1
)73..
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)3... )153.
V.1
V.0
/0 V./
V.0
V./
1
5
10
2F Plan 1/400
1
5
10
3F Plan 1/400 31
460
5148
2698
5103
1346
561
3193
V. 2
7055
1
0
V.
3
V.
4
5817
0.5
1
3
2F Plan 1/100 32 Windows
400 4300
RF FL GL+13800
300 75
防水シート スタイロフォーム t=25 押えコンクリート
水勾配1/75
内部グラスウール充填
共用テラス
住戸 No.24
防水シート モルタル金ごて押え
260 200 防水シート スタイロフォーム t=25 モルタル金ごて押え 水勾配1/75
耐火ボード t=30
住戸 No.13
ガラス繊維強化コンクリート t=40 構造用合板 t=12.5 スタイロフォーム t=40 石こうボード t=12.5
CH=4000
4500
300 150
3F FL GL+9500
パーティクルボード t=20 ラワン合板捨て張り t=12 フローリング t=12
住戸 No.14
2F FL GL+5000 Detail A
隣地境界線
隣地境界線
1F FL GL+500
住戸 No.2
CH=4000
4500
住戸 No.1
GL
369
2596
1313
1850
0.5
1
3
Section 1/100 33
3921
Section 1
34 Windows
1780
2360
5280
Section 2
敷地境界線 5310
Section 3
2430
2340
4690
Section 4
1
3
5
Sectionperth 1/200 35
地下鉄の出口 2011 JACS 住宅設計コンペ 優秀賞 ( 法政大学院 向山直也との共作 ) 私たちがリアリティを持つ「風と光に満ちた空間」は地下鉄の出口であった。薄暗い 階段を昇る時、風に背中を押され、目線の先には光が降り注ぐ出口とその向こうの空。 その時の電車の中では感じていない風の温度、匂い、空の高さ、明るさから、季節の 移り変わりや時間を感じる。 そのイメージを建築化するとき、大階段を中心とした建築を考えた。 プリミティブな家型のヴォリュームによって周辺の住居と適合し、そのヴォリューム をシンプルに切り欠いた場所に大階段を通す。大階段は途中で2度クランクし、決し て広くはない敷地内の空間体験を豊かなものとする。大階段は玄関と外部屋を結び、 風、光を階下に導く。そして全ての居室は階段に寄り添うように配置される。 リビングという決められた居室でのみ家族が集うのではなく、偶然町の中で友人と出 くわすように、階段で家族と集う。
36 地下鉄の出口
37
Diagram
1.
2.
3.
4.
駐車場を前面に取った
立ち上げたヴォリュー
切り欠いた場所に階段
階段に沿って風が流れ、
最大のヴォリュームを
ムを切り欠き、光を導
を通す。
みんなが集う第二の庭
立ち上げる。
く。
としても使われる。
1
3
5
Section 1/200 俯瞰 38 地下鉄の出口
階段部俯瞰
子供部屋から階段方向を見る
0
0
0
1
+3800Plan 1/200
+5000Plan 1/200
3
5
+1500Plan 1/200
39
うつわ 第 27 回 JIA 東海設計競技「屋根と床」 審査委員長賞 ( 法政大学院 向山直也との共作 )
食卓に並ぶ料理のように砂漠に草木を生やせたらと思った。そのために食卓に並ぶう つわのような、そこにしかない環境を受け止めるような建築を作ろうと思った。食卓 の上の風景のような砂漠の上の風景。 うつわの傾斜のきついところは屋根のようであり、うつわの傾斜のゆるいところは床 のようである。 人々の生活とともに環境を受け止めるうつわのような住宅。 その住宅はそこに住む人々だけでなく、その周辺の人々にとってのものでもあり、砂 漠のオアシスのように人々を受け入れる。 現在ドバイではサイトスペシフィックを無視した建築が乱立し、人々の行動は一つの 建築内部だけで完結している。
40 うつわ
41
Site
24°32’44.68’’N 59°35’01.08’’E アラブ首長国連邦 ドバイ
Concept
1)外部環境から生活 を守るために屋根は存 在している
2)外部環境を受け入 れる受け皿としての屋 根もしくは床を考える。
3)雨の少ない環境の 中、雨を集め同時に緑 化を進める。
4)中庭は砂漠のオア シスのような公共的な ものとして周囲の人々 の交流の場となる。
貴重な雨水を 集める
自然溢れる中庭 を囲む生活の場 となるような床
上部の緑化と地下空間である ことが寒暖の激しいこの場所 において一年を通じ安定した プライベート空間をつくる
1
3
5
section 1/200 42 うつわ
1
5
10
Plan1/400
43
とある旗竿地の住宅 第 25 回 JIA 東海設計競技「奥」 銅賞 ( 法政大学 上野宏岳との共作 )
都市における旗竿地に「奥」を感じた。しかし実際にそこの居住者は「奥」がある住 宅で生活しているのだろうか。 旗竿の竿部分にボリュームを置く。 そこにより周囲に依存した「奥」ができる。 道路側と、新たに出現した「奥」により、ボリュームは階層的な陰影を得る。
44 とある旗竿地の住宅
45
都市の旗竿地
Site
a
b
4300 c
d
20000
e
f
g
h
i
3300 j 1
3
5
Plan 1/200 46 とある旗竿地の住宅
5
10
Plan1/400
47
防潮林を歩く住居群 第5回(社)愛知建築士会学生コンペ「美浜で暮らす」 佳作
海風は心地よい。しかしそこに住む人にとってはどうだろう。潮風は住居にとって は毒である。住む人々にとって潮風をいつも心地よく感じてもらいたい。 私は海沿いのある雑木林を見つけた。ここを防風林として整備し、その防風林の中 を歩き回ることができるような住居を考える。塩害への強さを軸とした樹木の層を 行ったり来たりする家では、うっそうとした落葉樹のエリアで風呂に入り、見通しの よい針葉樹のエリアでご飯を食べると言ったように、樹木の種類に合わせた行動がさ れるだろう。背後の家から塩外から守るこの森ができた近い将来、この家々はもちろ ん、その背後でも美しい町並みができるだろう。建築内部だけで完結している。 砂漠気候という雨量が少なく、一日の寒暖の差が大きい中で、自然と共生した住宅を 考える。
48 防潮林を歩く住居群
49
敷地の森 N
Site map 1/3000
20m
100m
200m
海沿いに打ち捨てられたような雑木林がある。僕にはこの野生 の森林と共生するような環境を作れないかと思った。
敷地周辺の家々は潮風で痛み、海に開けた住居ではない。家同 士の関係も希薄であり、島のように独立している。
□ Concept of architecture ヒメユズリハ
アスナロ カイズカイブキ イチイ クロマツ
伊勢湾
カクレミノ
クチナシ
マサキ ヤブツバキ
ビロウ
強
マツ、マキ類
ダンチク
コナラ
耐潮性
ウツギ
クロマツ
針葉樹
ネズ ニシキギ
キンモクセイ
弱
ニシキギ
ヤツデ
常緑広葉樹 シソジュ
落葉広葉樹等
ウツギ
レンギョウ
ツルグミ
メダケ
アカガシ
ヤブラン
クロマツ
シャリンバイ
タツタナデシコ
カツラ
フウトウカズラ
ヤブツバキ ブツバキ
ビロウ
ネザサ
ソテツ
ニシキギ ギ
ダケ メダ ウツギ
ミツバアケビ
クヌギ
ニシキギ
ヤツデ
シソジュ
ヤブラン
クロマツ
シャリンバイ
タツタナデシコ
クチナ ナシ
ビロウ
ザサ ネザ レンギョウ
ウツギ
アカガシ
テツ ソテ
カツラ
ヒメユズリハ ヒ フウトウカズラ
ネズ ニシキギ
2)いくつかの樹木の層をまたぐ、けもの道 のような建築を考える。ヒダのような形は森 との接触面を大きくする。
ニシ シキギ ギ
イチ チョウ
カツラ
ウツギ ギ
ミツバアケ ケビ レンギ ギョウ コナ ナラ ナ
クヌギ
キンモク キンモ クセ セイ
ニシキギ
ヤツデ
シソジュ
キョウチクト キョウチク キョウチクトウ クトウ トウ
クロマツ
フウ
シダレヤナギ
ジンチョウゲ
ウツギ ウ
ダンチク
クロ ロマツ イ イヌマキ
ツルグミ ミ
メダケ
カクレミノ
ヤブ ブツバキ キ
ベラ トベ
キャラボケ ケ
ダンチク
サキ マサキ マ キンモクセイ
アカガシ ガシ シ
ネズ
カク カクレ カク クレミ ミノ ノ
シャリンバイ
レンギョウ
キャラ ラボケ
アキ キニレ レ アケ ケビ
テイカ テイカ カカズラ カ
ソテツ
クロマツ
イタリアポ ポプラ プラ
ヒサ サカキ
キャラボケ
イヌツ ツゲ ヤブラン イ
ンチク ダン
イチョウ
カツラ
コナラ
キョウチクトウ クトウ
クロマツ
クロ ロマツ
フウ
シダレヤナギ
ジンチョウゲ
ウツギ ウ
ダンチク
クロマツ イヌマキ
ネズ
1)耐潮性を軸にした , 樹木の層状の揺らぎ のある秩序。
クチナシ シ
マサキ トベラ
ヒメユズリハ ニシキギ
ダンチク
カクレミノ
シャリンバイ
陸側
レンギョウ
カクレミノ クレミ
ソテツ
クロマツ
ウツギ
ミツバアケビ
ジンチョウゲ
キョウチクトウ
クロマツ イヌマキ
ソテツ
ダンチク
カクレミノ
シャリンバイ
トベラ
メダケ
カツラ
アカガシ ガシ
キャラボケ
チク ダンチク ダン シソジ ジュ ジ ュ
クロガネモチ クロ ネモチ
イチイ
アキニレ レ
ネズ
ヒメユ ユズリハ
アスナロ カイズカイブキ キ
キャラボケ
アケビ ビ
テイカカズラ テイカ
ダンチク
イチョウ
イタリアポプラ
ヒサ ヒサカキ
キャラボケ
イヌツゲ ヤブラン ン イ
フウ
シダレヤナギ
チク ダンチク シソジュ ュ
クロガネモチ
イチイ クロマツ
アカガシ
キャラボケ
ヒメユズリハ
アスナロ カイズカイブキ
アキニレ
ネズ
テイカカズラ
ソテツ
キャラボケ
アケビ
ヤブラン イヌツゲ
クロマツ
イタリアポプラ
ヒサカキ
キャラボケ
ダンチク メダケ
ダンチク シソジュ
クロガネモチ
レンギ ギョ ギ ョウ
ウツギ ウ
ツルグ ルグミ ミ
メダケ
ヤブラン
クロマツ
シャリンバイ
アカガシ
カツ ツラ
ヒメユズリハ ヒ フウトウカズラ
タツタナデシコ
ニシキギ ギ
3)みんなの森と広い接触面をゆるやかに内 包する。隣の家と庭を共有する。
□ future
Parking
5年 年後 後
夏期に南東風がある以外年間を通して北西風 が卓越している。
敷地は整備されていない雑木林であり、北側 は広大な駐車場であり 後ろの住宅地に塩害が生じている。
雑木林を整備し、塩害を受ける地域が減少す る。同時に駐車場へ森を広げていく。
防 潮 林 耐 潮 性
大きさ 概形
強
マツ類、マキ類等
主に針葉樹
クロマツ
カイズカイブキ
イヌマキ
アスナロ
イチイ
イヌツゲ
クロガネモチ
常緑針葉樹 100∼150mm 針型
常緑針葉樹 ー 鱗片状
常緑針葉樹 70∼180mm 線状披針形
常緑針葉樹 ー 鱗片状
常緑針葉樹 15∼25mm 針形
常緑広葉樹 15∼30mm 楕円形
常緑広葉樹 50∼80mm 楕円形
50 防潮林を歩く住居群
ゆるやかな植物の層による防風林の整理。 潮風の流れ 海側
町の木「クロマツ」を軸として、手つかずの雑木林を少しずつ整備し、植物と 建築による環境を作る。
向こうが見える開放的な針葉樹林の前のダイニング
木漏れ日の中の閉鎖的な常緑広葉樹林の前の風呂
4)周辺の樹木の疎密の変化により、家具が 置かれていく。
5)背後の山並みのような立面で海への 眺望を確保する。
10 年後
海岸に対して防潮林がベルトを作り、塩害を 防ぐ。
15 年後
この森に見え隠れするランドマークのような 住宅群ができあがり、この街の自然とともに 生きるモデルとなる。
修 景 葉が厚い常緑広葉樹
耐潮性のある落葉広葉樹等
弱
カクレミノ
ヤブツバキ
アカガシ
アキニレ
イチョウ
キンモクセイ
カツラ
常緑広葉樹 60∼120mm 掌状と倒卵形
常緑広葉樹 50∼120mm 卵状楕円形
常緑広葉樹 70∼130mm 長楕円形
落葉広葉樹 20∼60mm 長楕円形
落葉広葉樹 50∼70mm 扇形
常緑広葉樹 70∼120mm 長楕円形
落葉広葉樹 30∼80mm 心形
51
唐松 t=18mm @130mm 縦羽目板張り 構造用合板 t=12mm 唐松 t=18mm @130mm 縦羽目板張り
縦胴縁 45×15 @450 防水シート スタイロフォーム t=30mm
構造用合板 t=12mm
1
2FPlan 1/800 52 防潮林を歩く住居群
10
30
1FPlan 1/800
53
谷津は街をつなげて GROUNDSCAPE DESIGN WORKSHOP 2010 最優秀賞 ( 東京大学 高柳誠也ら計 4 名での共作 )
本の蓄積が空間を作り、廃墟を繋いでいく。 国立国会図書館(東京本館)は納本制度に基づき、日本国内で出版されたすべての出版物を収集・ 保存する日本唯一の法定納本図書館。納本制度とは、原則として日本で出版されたすべての出版 物を対象とした制度であり、試行開始は 1948 年。それから 60 年が絶ち、2007 年 3 月末現在の 収容冊数は 2286 万 9278 冊。納本冊数は年間およそ 100 万点にもおよび、既に国会図書館の蔵 書収容能力は限界に達しつつある。 そこで、限界を迎えた国会図書館のキャパシティを見直し、新たな納本貯蔵システムを構築する。 移転による分散化を繰り返す現状の改善方法ではなく、東京都府中市にある府中米軍通信基地跡 を敷地として本の蓄積とともに廃墟のリノベーション、増設を繰り返すことを考える。1日1列 というルールのもと、日という時間単位を本の蓄積に置き換え、17ha の土地に本の蓄積とともに 生まれる空間を計画する。敷地中央に位置する元倉庫からスタートし、そこから敷地全体に点在 する廃墟を繋ぐように回廊状の建築を増設していく。大きな時代のうねりに翻弄されてきた歴史 をもつこの敷地に、これからの文化を積層させていく。
54 谷津はまちをつなげて
55
谷津をとりこみ、谷津がしらで結びつく。 シャトー周辺は谷津の風景が道路によって分断され、(C)、牛久駅から続くケヤキ通りはまちとのつ ながりを形成しきれていない(B)。ぶどう園通りは車の往来が多く歩きにくい(A)といった問題があり、 シャトーの敷地では庭が有効利用されていない (A’)、観光客が回遊できない (B’) シャトー通りからは アクセスがよくない (C’) という問題点がある。
そこで今回は牛久の原風景である谷津の風景をシャトーの敷地内まで引き延ばし、シャトー敷地部 分を「やつがしら」として整備することによってこれらの問題を解決し、市民や観光客にとって魅 力的な空間を生み出すことにした。 谷津の地形は、市民や観光客による活動が行われる器となり、更に公共施設や集合住宅などを谷津 で結びつけることで、より市民から愛される場所となる。
S28 年 街道沿いまで深く入り込む「谷津」 。谷の中に「谷津田」が開発され、水の乏しい台地には森林と畑 が広がり、谷の斜面は水源涵養林の役目を果たすクヌギとコナラの林になっている。落ち葉が分解 されてできたミネラル分が豊かな土壌をくぐってきた灌漑水によって、良質米が収穫できた。 S58 年 高度成長期を迎え、里山と農村生活 の関係が稀薄になり、牛久市でもシ ャトーの開発により、谷津がとぎれ てしまった。 56 谷津はまちをつなげて
コナラ
畔道
水田
コナラ
スギ・ヒノキ
S28 年
S58 年
57
2F Plan 1/500
Tourist information center
Rent-a-cycle
1F Plan 1/500 シャトー神谷本館 58 谷津はまちをつなげて
A
A
1F Plan 1/500 シャトー神谷本館 59
椅子 Tokyo Designers Week 出展作品
60 椅子
61