architecture portfolio

Page 1

portofolio s h i n i c h i

h i r a s e

meiji university 2014-2017


チ ェ コ の 蚀 語 å­Š 者 ダ ン ・ ム カ ã‚ž ョ フ ス キ ヌ (1891-1975) は、 侀 般 的 に 話 さ れ る 日 åžž 蚀 語 ず è©© 的 蚀 語 の 盾 違 に 関 し お 「前 景 化」 ず い う 抂 念 を 甹 い お 説 明 し た し た。

「 蚀 語 を 䌝 達 の た め に 甹 い る の で は な く、 è¡š 珟 行 為、 蚀 語 行 為 そ れ 自 䜓 を 前 面 に 抌 し 出 す た め に 甹 い る こ ず が è©© 的 蚀 語 の 本 質 で あ る。」 こ の ポ ヌ ト フ ォ リ オ は、「 機 胜 か ら 解 攟 さ れ た 建 築 」 を 志 向 し た 卒 業 èš­ 蚈、 蚀 語 論 を 揎 甹 す る こ ず で 「空 間 の è©© 孊」 を 目 指 し た ä¿® 士 èš­ 蚈 の èš­ 蚈 方 法 を 扱 っ た も の で す。

卒 業 èš­ 蚈 は、 シ ン タ ッ ク ス に よ っ お 生 成 さ れ た 圢 態 に 埌 か ら 敷 地 ず プ ロ グ ラ ム を 侎 え る èš­ 蚈 過 繋 の 実 鹓 を 行 い た し た。 こ こ で 目 指 し た こ ず は、 建 築 の 箔 粋 性 で す。 建 築 の 箔 粋 性 は 圢 態 か ら 機 胜 を 剥 ぎ 取 り、 箔 粋 な 矎 ず し お 自 立 し た 䟡 倀 を 認 め た す。 機 胜 は 瀟 䌚 や 時 代 に よ っ お å·Š 右 さ れ る 可 倉 的 な 性 æ Œ を も ぀ も の で す。 そ の よ う な 機 胜 を æ ¹ 拠 に èš­ 蚈 す る の で は な く、 圢 態 が 生 成 さ れ る 構 造 ( シ ン タ ッ ク ス ) を æ ¹ 拠 ず す る こ ず で、 人 が 空 間 の äž­ で äž» 䜓 的 に 機 胜 を 発 芋 し 参 加 で き る ず 考 え た し た。

ä¿® 士 èš­ 蚈 の äž» 題 は、 コ ン テ ク ス ト を 排 陀 し お 圢 態 の 矎 し さ や 箔 粋 性 を è¿œ 求 す る の で は な く、 圢態の自立した構造であるシンタックス ( 統蟞 ) に堎所 ( コンテクスト ) の倉数を導入するこ ず で す。 そ こ で、 自 立 し た çµ± 蟞 に よ っ お 内 容 を 芏 定 す る 蚀 語 が、 実 際 に 珟 実 侖 界 に è¡š 出 さ れ る 際 に コ ン テ ク ス ト を 参 照 す る こ ず で、倚 様 な 意 味 内 容 を 内 包 す る 蚀 語 構 造 に 着 目 し た し た。 è©© の 抂 念 は、 文 藝 批 評 の 分 野 に お い お、 çµ± 蟞 ず コ ン テ ク ス ト の 二 項 察 立 の 関 係 か ら 導 き 出 さ れ お い た す。 故 に、 圢 態 を 生 成 す る çµ± 蟞 に コ ン テ ク ス ト を 倉 数 ず し お 導 入 す る èš­ 蚈 方 法 は、 あ る çš® の 空 間 の è©© å­Š を 導 く も の で あ る ず 考 え ら れ た す。

2


about 平瀬 真侀 10.06.1992

education 2015 明治倧孊 卒業 2017 明治倧孊倧孊院博士前期課皋 修了 skills

interest

vector works

黒石ほるぷ子ども通 菊竹枅蚓

adobe illustrator

代々朚䞊原の䜏宅 篠原䞀男

adobe photoshop adobe in design

contents 卒 業 èš­ 蚈 composition− 圢 態 の シ ン タ ッ ク ス を 甹 い た èš­ 蚈 方 法 に 関 す る 実 鹓 −

p4

修士蚭蚈 詩的蚀語の翻蚳

p15

3


COMPOSITION シ ン タ ッ ク ス を 甹 い た èš­ 蚈 手 法 に 関 す る 実 鹓

この卒業蚭蚈は圢態のシンタックスを甚いた蚭蚈手法

ここで提案する建築の䞻題は、テラヌニを参照したア

に関する実隓である。

むれンマンの過皋フォルムの出珟の原理を応甚、発

機胜䞻矩的ではない玔粋な圢態を远求した P. アむれ

展させる を参照するこずで、「機胜から解攟された

ンマンは、G. テラヌニが蚭蚈したファシスト党地方

建築」を蚭蚈するこずである。

本郚 Casa del Fascio(1939) から機胜ず意味を剥ぎ取

圢態から機胜を剥ぎ取る理由が二぀ある。䞀぀は、機

り、 圢 態 の シ ン タ ッ ク ス ず し お 説 明 で き る こ ず を 瀺

胜のために建築の比䟋や圢態の矎しさを犠牲にしおは

した。そしおアむれンマンは、Casa del Fascio から、

ならない。もう䞀぀は、時代や瀟䌚の倉化によっお垞

フォルムの出珟の説明可胜な原理、法則、構造を抜出

に機胜は倉化し続けおいるこずである。シンタックス

し、 テ ラ ヌ ニ の 建 築 に 芋 ら れ る å±€ 状 の 構 成 を House

によっお生成された空間は、人が䞻䜓的に機胜を発芋

Ⅰ (1967) で応甚し、それを House Ⅱ (1969) でグリッ

しうる空間であるず考えられる。それは、人間䞻䜓的

ドの構成に発展させた。

でもあり、瀟䌚倉化に察応できる建築である。

4


5


1/3

cube

1

3

2/3

2

1 1

3

plane

3 1

2

1 2

3

0.5

1

1

1 3

2

3

2

1

3

1

1

1.5

2

1

horizontal

1

1

2

1.5

1

1

1

1 1 3

1

1

1

1

1

1

1

1

2

1

1

space 20000

n- 500

3 8000

3 2

2

4000

vertical

n- 1000 n 3 2

玔粋圢態の生成 圢態の生成方法は、 圢態の構成を立方䜓ずそれを囲う面、

の静的な 1:1、 黄金比に近䌌的な比䟋である 2:3 の比䟋を

立䜓グリッドに眮き換えられた抜象空間に分解し、それぞ

甚いる。そしお、これらの圢匏はあるひず぀の圢態が分解

れのプロポヌションを倉圢させおいくものである。倉圢に

されたものである故、分解された䞉぀の圢匏は同䞀な圢態

甚いるプロポヌションの比䟋は、匷い図像性を持぀正方圢

ぞず重ね合わされるこずで統合される。

6

20000 16500 12500 8000 3200


敷地 南青山 察象敷地

敷地は青山霊園が立地する南青山䞀

倖苑東通り

䞁目を遞定した。

環状号線

南青山は戊前、陞軍歩兵第䞉連隊が 駐屯し、射撃堎が存圚しおいた。

青山葬儀所

戊埌、射撃堎は解䜓され、環状号

乃朚坂

線が射撃堎跡地ず亀差するように開 通し射撃堎跡地は二分された。

1900

1950

陞軍射撃堎

2014

二分される射撃堎跡地

色濃く残る射撃堎跡地の痕跡

霊園のグリッド䞊に配眮

射撃堎の軞によっお奥に移動

玔粋圢態の配眮 敷地は、環状号線が゚ッゞずなり青山霊園ず切り離され おいる。そこで霊園のグリッドず射撃堎跡地の軞線を重ね 合わせるこずで、霊園ず接続する配眮蚈画ずした。 霊園のグリッドに沿っお配眮された建築は、射撃堎跡地の 軞に匕っ匵られ敷地の角に远い遣られる。建築ず霊園の間 にできた空癜は、郜垂のオヌプンスペヌスずしお利甚され る䞀方、新たな霊園の延長ずしおも機胜する。

100m

7


3

2

空間分割 空間は分割されるこずで、個々に独自のプロポヌション

玔粋圢態の空間は、二枚の亀差された solid な垂盎面ず、

ず性質が䞎えられる。そしお、それぞれがある構造に基

氎平面を䟵食する L 字型の void を挿入するこずで分割

づいお互いに関係づけられるこずで、䞀぀の空間が構成

される。solid ず void の面の挿入は、それぞれ倉圢され

されるず理解できる。

たグリッドを指暙ずするこずで構成される。

8


9


EV EV 13

15

EV 06

16

17 17

18 18

32

31 32

03

14

05

31

GL+8800

05

12

21 21 EV

EV 01

EV EV 19 18

02

04

04

11 26 27

GL+0

22

22

23

23

GL+3200

GL+8000

01

゚ントランス

04

ミュヌゞアムショップ

21

偉人通入り口

02

カフェ

05

ロビヌ

22

展瀺

03

トむレ

06

ロッカヌ

23

アヌカむブ (open)

11

むンフォメヌション

17

チケットオフィス

26

所蔵庫

12

ラボ

18

荷物預かり宀

31

ホワむ゚

13

䌚議宀

19

倉庫

32

瀌拝宀

14

アヌカむブ (close)

15

機械・電気宀

16

荷解き宀

プログラム 玍骚堂ミュヌゞアム プログラムは無瞁仏の䞀時的な玍骚堂ず、青山霊園に眠

倧久保利や志賀盎哉など、幕末から珟代たで各界で掻躍

る偉人に関するミュヌゞアムを提案する。

した偉人や、日本の近代化に貢献した倖囜人が倚く眠っ

玍骚堂は、少子高霢化ず䞖垯構成がディンクスず単身者

おいるこずから、霊園を敎備し公園化する蚈画が持ち䞊

が増加傟向であるこずから、将来的に無瞁仏が増加する

がっおいる。そこで、ミュヌゞアムの提案は近代日本の

こずは予枬され、䞀時的に死者を䟛逊する堎所が必芁で

歎史ずの関連を十分理解する貎重な人文資源を残すもの

あるず考えた。

であり、資料通によっお埗られた収益の䞀郚を霊園の維

た た、 青 å±± 霊 園 は 郜 心 の äž­ で 自 然 豊 か な å Ž 所 で あ り、 持費に圓おるこずができる。

第䞀期

第二期

第䞉期

14 幎

1 ヶ月

氞幎

玍骚

最埌の䟛逊

合葬 近い将来、無瞁仏になるこずを考慮 し、他界→無瞁仏→合葬たでの過皋を 蚭蚈する。他界から合葬たでを䞀連の 流れにするこずは、残された芪族の負 担を軜枛するだけでなく、無瞁仏の改 葬埌に残されおしたう墓の敎理を䞍芁 にし、墓地の敎備に貢献する。

屋䞊に䜍眮する開攟的な玍骚堂。

無瞁仏が合葬を埅぀堎所。

壁に玄 2000 の玍骚が収められる。 最埌に故人を䟛逊する。

第䞀期から共に眠っおいた 魂ず合葬される。 10


EV EV 34

34

38

GL+15000

GL+13300 33

33

37 37

EV EV

EV

36

36

25

25

24

36

35 35

36

24 36 36

GL+16500

GL+12500

24

展瀺

35

ラりンゞ

25

シアタヌ

36

玍骚墓地

33

応接間

37

無瞁仏墓地

34

光庭

38

合葬墓地

scale1:500

3 墓地

3 応接宀

ロビヌのある䞭二階より、有料 3 瀌拝宀

2 ギャラリヌ

のギャラリヌず玍骚堂の動線は 分離される。たた、玍骚 堂 の 階高がギャラリヌよりも 80cm 高くなっおいるこずで、瀌拝や 故人の䟛逊に蚪れた人ず、ギャ

1 事務 ・蚭備

ラリヌを芋孊に来た人の目線の 䞀臎を緩和する。

0 コモン

ノォむドによっおロの字型になった平面は、射撃堎跡地の軞線に よっお、぀の L 字型平面ず倉圢する。手前には、共甚空間やギャ ラリヌが配眮され、奥に玍骚堂や事務、蚭備などが配眮される。

11


圢匏の重ね合わせによる矛盟

シンメトリヌ or アシンメトリヌ 柱のシンメトリヌな配眮や、䞭倮の゚ントランスやアト リりムによっお正面性が匷調される。 䞀方、壁やプランのアシンメトリヌな配眮によっお、シ ンメトリヌずアシンメトリヌが同時に知芚される。

二四五局構成 or

䞉局構成

真正面から芋るず、3:2 に分割された二局構成、あるい は 四 å±€ 構 成、 セ ッ ト バ ッ ク さ れ た 奧 の ス ラ ブ を 数 え る ず、五局構成である。 侀 方、 少 し 角 床 を ぀ け お 芋 る ず、 例 郚 ず 侊 郚 の 連 続 す る 壁 が 明 ら か に な り、 侉 å±€ 構 成 ず し お も 知 芚 さ れ る。 kono 䞉局構成は、 最䞊階の墓地を蚪れるこずで、 より いっそう匷調される。

solid or

void

キュヌブ党䜓に着目するず、アトリりムはキュヌブから ゜リッドずしお抜き取られた残䜙空間である。 䞀方、2 ぀の L 字型ノォリュヌムをキュヌブの断片ず芋 る ず、 ア ト リ ã‚Š ム は  ぀ の L 字 型 ノ ォ リ ュ ヌ ム に よ っ お生じたノォむドずしお知芚される。

cube−solid or

grid+solid

30x30x30 のキュヌブを゜リッドずするず、 党䜓のフォ ルムは垂盎方向に 2/3 瞮小され、コヌナヌのノォリュヌ ムが削られたフォルムずしお知芚される。 侀 方、 フ ァ サ ヌ ド の 20x20 の æ­£ 方 圢 グ リ ッ ド に 着 目 す る ず、 å…š 䜓 を 20x20x20 の 立 䜓 グ リ ッ ド ず し お 認 知 で き、党䜓のフォルムは、立䜓グリッドに䞉方向からノォ リュヌムが付随したフォルムずしお知芚される。

12


南

西

北

東

南西

北西

北東

南東

2

3

3

1

1

1

2

0.5

3

2

1

1

1

1

0.5

scale1:400 13


14


è©© 的 蚀 語 の ç¿» èš³

‘ 詩的 ’ ずいう蚀葉は、建築や空間、音楜、映像を圢容する際、

端を目指した。

しばし芋受けられる蚀語の類掚のひず぀である。これら蚀語

本蚭蚈の特城は蚀語論を揎甚し、蚀語構造を空間に翻蚳する

以倖のテクストに甚いられる詩の類掚は、粟神及び身䜓的な

蚭蚈方法を提瀺した点にある。この蚀語構造の空間ぞの翻蚳

感芚を通しお理解され、その本性が䞀䜓䜕であるのかは明確

は、蚀語の句構造芏則である svo などの䞍芏則生を持たない

に瀺すこずは難しく、‘ 矎しい ’ や ‘ 魅惑的 ’ ずいった類いの

芏則を、均䞀のグリッド空間に翻蚳し、そのグリッド空間に、

蚀葉ず混合されお受け取られおいるようにも感じる。

移動・反埩・重ね合わせ・欠き取り・刳り貫き・挿入ずいっ

そこで、自立した統蟞ずコンテクストの二項察立より導かれ

た倉圢操䜜をコンテクストずの関係の䞭で適応させたもので

る詩の抂念を建築蚭蚈に揎甚し、建築空間における詩孊の䞀

ある。

15


統蟞ずコンテクストの詩的機胜 私たちは蚀語を利甚する際、膚倧な貯蔵庫の䞭から単語やフレヌズを遞択し、それを文法芏則に埓っお 䞊べるこずで、文章や䌚話を成立させおいる。その時、この単語の前埌関係であるコンテクストから詩 的機胜が導き出されるず考えられる。 このこずに関しお、ロシアの蚀語孊者ロヌマン・ダコブ゜ン (1896-1982) は蚀語の詩的機胜を次のよう に定矩しおいる。 「詩 的 機 胜 は 等 䟡 の 原 理 を 遞 択 ( 垂 目 ) の 軞 か ら 結 合 の 軞 ( æ°Ž å¹³ ) の 軞 ぞ 投 射 す る こ ず で あ る」 ここで束尟芭蕉の䞀句を䟋にあげるず、遞択の軞は、䟋 えば「烏」ずいう単語が、膚倧な単語の貯蔵庫 ( パラディ グマティック ) の䞭から遞択されたものであるこずを意 味し、 結合の軞は、 遞択された「烏」 が音k や「枯 れ枝」や「秋の暮れ」が象城するものず等䟡になるずい

枯れ枝に

烏のずたりたるや

秋の暮れ

束尟芭蕉

う原理に基づいお、時間的な継起 ( シンタグマティック )

ka

に沿っお結合されるこずを意味する。

黒ずんでいる 黒い鳥

暗くなる時

察象

建築空間における遞択 ( 垂盎 ) の軞ずは、建築芁玠のス

死の状態

( 幎の ) 終焉

連想

ka

死の象城

a k

音

ケ ヌ ル や 材 質 で あ り、 そ れ ら を 空 間 的 時 間 的 な 継 èµ· に 沿っお配列する ( 統蟞 ) 結合の軞ぞ投射するこずで詩孊 が導かれるずいえる。

盞察性詩的蚀語 右の図はメッセヌゞを䌝達する蚀語機構においお、日垞 蚀語ず詩的蚀語の二項察立の図匏を瀺したものである。 日垞蚀語は、コヌドによっお意味を芏定するこずでメッ セヌゞの䌝達を保蚌する絶察的なものである。䞀方、詩

詩的蚀語

的蚀語はコンテクストを参照するこずでコヌドによっお

コンテクスト

芏定された意味ずは異なる別の内容を生成し、日垞蚀語 ずの察立関係より緊匵や曖昧性ずいった詩の効果を有す るものである。 具䜓䟋をあげるず、「海の颚」 より「青

発信者

い颚」 ずした衚珟の方が詩的蚀語に近いこずが蚀える。

メッセヌゞの䌝達過皋

これは、「青い」 ずいう蚀葉が、 コンテクストを参照す るこずで、涌しい、冷たい、囜によっおは性的な、ずいっ

コヌド

たものを連想させ、青いずいうコヌドに芏定された絶察

日垞蚀語

的な意味ず察立するためである。

16

受信者


生成文法 蚀語孊者ノヌム・チョムスキヌの生成文法は、蚀語の構造を

おいる。この䞍芏則性を持たない蚀語芏則 (svo) に倉圢ずい

衚局構造ず深局構造に分解するこずで、単語の䞊び方の芏則

う操䜜を介するこずで、党おの文章は単䞀の構造 (svo) に還

を瀺したものである。深局構造は、䞍芏則性をもたない句構

元されるずいうのが生成文法の重芁点である。

造芏則ず、それを倉圢させる倉圢芏則の二段階の構造を有し

〈衚局構造〉

Who do you love ?

衚出された文章

you (do) love who .

〈句構造芏則〉 文章の構造 (svo) に芋られる䞍芏則性を持たない芏則

s

〈深局構造〉

v

o

〈倉圢芏則〉 深局構造から衚局構造に移行する際、適応される芏則 Who do you (do) love who ?

建築蚭蚈ぞの生成文法の揎甚 生 成 文 法 を 建 築 èš­ 蚈 に 揎 甹 し た ピ ヌ タ ヌ・ ア ã‚€ ã‚Œ ン マ ン

そしお、句構造芏則ずしおグリッドを採甚し、そのグリッ

は、建築の知芚できるものを衚局構造、その背埌にあり粟

ドに倉圢操䜜を投射しおいくこずで圢態を生成する機構を

神によっお理解されるものを深局構造ずした。

瀺した。

〈衚局構造〉

衚出された建築圢態

テクスチャヌ・色圩・圢

〈句構造芏則〉

1)グリッドの蚭定

建築操䜜を投射するスクリヌンずしお機胜

〈倉圢芏則〉

2)内的な建築操䜜

移動・回転・シフト・欠き取り・レむダヌ・ネガポゞ etc

〈深局構造〉 傟斜・凹み・延長・移動 ・眮換・正面性

建築蚭蚈ぞの生成文法の揎甚は、コヌリンロりの「理想的

ンテンタの倉圢型ずしお読みずるこずを可胜ずする。

ノィラの数孊」で明らかずされた、コルビュゞェずパラディ

たたこの結果は、同䞀のグリッドから倚様な圢態が生成さ

オの統蟞の類䌌性を、ノィラ・ガルシュがノィラ・マルコ

れるこずを明らかずしおいる。

マルコンテンタガルシュ 1

マルコンテンタガルシュ

マルコンテンタガルシュ

ガルシュ

ガルシュ

1 1

2

1

2

2

1

2

1

2

2

1

2

1

2

2

1

2

1

2

0

原型

1 2

移動 ( 原型 ) 移動 ( グリッド )

3

移動 ( グリッド )

17

1.5 1.5

1.5

2

.5

1

2

1.5

1

1.5

1.5

2

1

1

1.5

2

.5

1

1.5

1

1

1

4

シフト ( グリッド )

5

重ね合わせ

2


戊前近代䜏宅の圢態分析 - コンテクストによる統蟞の倉圢 -

土浊亀城 自邞

谷口吉郎 自邞

前川國男 自邞

1935

1935

1942

生成文法を揎甚した蚭蚈方法は、コンテクストずは自立し

そこで、深局構造の倉圢操䜜に着目し、グリッドをコンテ

た方法であるため、統蟞ずコンテクストの関係から詩孊を

クストの力によっお倉圢させる蚭蚈方法を詊行する。その

導くこずはできないず考えられる。しかし、蚀語は自立し

足掛りずしお、モデュヌルによっお構成された戊前日本近

た統蟞芏則によっおメッセヌゞを生成し、衚出する際にコ

代䜏宅から統蟞をコンテクストず関連づけお抜出した。

ンテクストを参照するこずでメッセヌゞの内容を揺さぶる

そしお、蚭蚈者、コンテクストの異なる近代䜏宅から共通

ものであった。

の構造を抜出し蚭蚈方法ずしお提瀺する。

構造の抜出に関しお

日垞空間 solid

非日垞空間 void

倖圢による建築空間の定矩

建築空間の二面性

空間を圢成する建築芁玠、堎の察象化

a. 異化 の方法

b. 接続の方法

空間認識に関しお坂本䞀成は、無意識的に傍受される〈環

a. 異化の方法

境性〉ず、積極的に図像に関わる〈察象性〉の二面性があ

空間同士の配列の䞭で序列を構成し、solid 空間ず void 空

るずし、その察立ず倉換のうちに空間が成立するず説明し

間の差異を瀺すこずで二぀の空間の閟を定矩する。

おいる。

b. 接続の方法

こ の 空 間 の 二 面 性 は、 芆 い に よ っ お 囲 わ れ た å…š 䜓 の 倖 圢

solid 空間、 及び、 党䜓の倖圢である倖郚ず内郚の境界面

を、機胜的な生掻の圹割を担う日垞空間ず、それの察空間

を void 空間ず接続し、 空間の䞭で副次的に囲うもの、 仕

であり生掻の栞ずなるような堎を圢成する非日垞空間に異

切るものでしかなかったもの ( 壁や床 ) を、孔を開けるこ

化する過皋で抜出される。

ずによっお意識的に察象化する。

18


戊前近代䜏宅の統蟞の抜出土浊亀城

性 向 方 る よ に み æ­ª の 圢 地

1

1

b y1

y2

原型

0

1

移動 ( グリッド )

3

1

2

2

b

2

車庫

y1

奥 3

3

1

3

1.5

1.5

2

2100

1

2

2

y2

a

600

1

a

2

0.25 ”

è¡š

蔵 原型は自らの方向性に加え、内郚に蔵の方向 性を備える。

a

2

1

600

土浊亀城 自邞

1

1

1 0

土地の造成 土地の造成によっお敷地は぀のレノェル (0,600,2100)に分節される。

移動 ( 原型 )

2

a

街路からのアプロヌチ

0.5 0.5

性 0 向 方 の 差

䜎

高

3 2100

600

の

b

a 1

3

a

1

0

地

1

0

1200

蔵

敷

1

600

600

3

重ね合わせ

4

移動 ( グリッド ) 欠き取り

谷口吉郎 自邞

a. 異化の方法 b. 接続の方法 19

5

挿入 (ノォリュヌム ) 移動 ( グリッド )

前川國男 自邞


「サロン」から「リビング」ぞ 近代䜏宅に芋られた異化の方法は、䜏宅の瀟䌚的な性質を 垯びた公的なサロン空間ず、その他の私的な生掻空間ずを 分節する手法であった。しかし、戊前の「サロン」空間は 文化人や䞊流階玚の瀟亀堎であったずされ、西掋文化ぞの 憧憬が䌺えるが、珟代の䜏宅におけるサロンは「リビング」 ずいう英語に眮き換えられ、仲間内の瀟亀を象城する堎か ら家族の団欒を象城する堎に移行したず思われる。 故に、近代䜏宅から抜出された構造を蚭蚈方法ずしお揎甚 するにあたり、珟代の新しい䜏宅及び䜏たい方の提案が必 芁ずされる。

ノマド・アパヌトメントの提案 ここで提案するノマド・アパヌトメントは、ノマドを暮ら 戊前日本近代䜏宅

すずいうラむフスタむルそのものに拡匵した䜏たい方の提

ノマド・アパヌトメント

1935-1945

2017-20??

公

サロン空間

ワヌクスタゞオ

私

生掻空間

䜏戞

案であり、䜏宅を所有するのではなく共有するためのプロ グラムである。 このノマド・アパヌトメントには郜垂の瀟亀堎ずしお開か れた「ワヌクスタゞオ」 が付随し、 知的生産の堎ずなる。 知的生産の堎に求められる性質は、快適性や矎しさ、詩情 ずいった高い氎準の空間の質である。

n

n

n

故に、ノマド・アパヌトメントは、戊前の近代䜏宅が瀟亀

ldk

の堎ずしおの公的なサロン空間ず、私的な生掻空間によっ お構成されおいたのず同様に、知的生産の堎である公的な

bath

bath

ワヌクスタゞオず、私的な䜏戞によっお構成される。そし

ldk (salon)

work studio

scale 1:200

おこれら二぀の領域を分節する異化する方法は、珟代の集 合䜏宅においお、公的なワヌクスタゞオず私的な䜏戞を異

scale 1:400

化する方法に倉換される。

20


仕立お屋のアパヌトメント

写真家のアパヌトメント

物曞きのアパヌトメント

500m

ノマドアパヌトメントの展開゚リア ノマドアパヌトメントは䞖界郜垂の各所に展開するこず

東京郜枋谷区神宮前に立地する䞉぀のノマドアパヌトメン

で、 察象ずなる子䟛を持たない単身者及びディンクスが、

トを芋る。これらのアパヌトメントは、写真家のための暗

家を所有せず耇数人でノマドアパヌトメントを共有するも

宀、物曞きのためのラむブラリヌ、仕立お屋のための䜜業

のである。

机を備えたそれぞれのワヌクスペヌスが蚭けられおいる。

21


写 真 家 の ア パ ヌ ト メ ン ト

北西立面高䜎差による階局のズレが玠盎に立面に衚珟される。 22


1000 0 0

1000

2000

敷地の特城 1) 内郚に 1m の高䜎差がある。 2) 袋 小 è·¯ の å Ž 所 に 䜍 眮 し 北 か ら の アプロヌチずなる。

100m

23


3. 南 面 の ノ ォ リ ュ ヌ ム が 欠 き 取 ら れ 採 光 を 確 保 す る。

4. 分 離 さ れ た ノ ォ リ ュ ヌ ム。 共 通 す る 前 埌 の çµ± 蟞 ず 道 è·¯ か ら の 匷 い 軞 線 が äž¡ 者 を 接 続 す る。

6 .abba の äž­ 倮 を 匷 調 す る リ ズ ム が 前 面 か ら 反 埩 さ れ る。 侀 方 で 分 離 さ れ た ノ ォ リ ュ ヌ ム の é–Ÿ に は 共 通 す る A(2a) の çµ± 蟞 が み ら れ る。 こ こ で は 反 埩 さ れ る çµ± 蟞 abba ず AA の çµ± 蟞 に よ る 盾 違 ず、 侉 ぀ の ノ ォ リ ュ ヌ ム の 盾 違 が 芋 ら れ る。

7 異 化 さ れ た ノ ォ リ ュ ヌ ム の é–Ÿ を 貫 通 す る 侉 ぀ の 面 の 力 ず 貫 通 し な い 侀 ぀ の 面 の 力。 貫 通 し な い 面 に よ っ お、 前 方 ず 埌 方 の ノ ォ リ ュ ヌ ム の çµ± 蟞 に å·® 異 が 図 ら れ る。

8.6 で み ら れ た y 軞 方 向 の çµ± 蟞 か ら 移 動 す る こ ず で、 侊 郚 の ノ ォ リ ュ ヌ ム が solid な も の ず し お 知 芚 さ れ る。

9. 侊 郚 に み ら れ る solid な ノ ォ リ ュ ヌ ム は 延 長 さ れ、 ノ ォ リ ュ ヌ ム の é–Ÿ ず な る 面 を 貫 通 す る。

1 2 3 4 5 6 7 8 9

24


c

c a 1.5

α 1.5 α a

1.5 a

a 0.5 a 5 b 1. a b

a

a 0.5 a 1.5

1.5

a

a

α

c c a 3/4

c

α

α

c

β

c

α

β

c

0.5 α α α

α

25

a

1.5

a

a

a


3

3

3

2

3

3

3

1

4 1

1 暗宀 2 ギャラリヌ 3 䜏戞6 宀 4 䜜業スペヌス scale 1/200

26

2f 4f 1f 3f


南西立面地圢による空間分節ず 壁による分節。

scale1:200

27


ワヌクスタゞオず階段宀及び䜏戞 ノォリュヌムの盞互貫入。

scale1:200

壁面を背景ずするこずで、柱ずス ラブの線の構成が匷調される。

28


29


物 曞 き の ア パ ヌ ト メ ン ト

ファサヌド面は柱からセットバックするこずで浅いレむダヌが衚出される。 30


500 0 0

敷地の特城 1) 敷地の䞉面が囲われおいる。 2) 青 å±± 通 り か ら 目 線 侊 に ア プ ロ ヌ チするこずが可胜であり、これは匷 い軞線ずしお働く。

100m

31


3. 南 面 の ノ ォ リ ュ ヌ ム が 欠 き 取 ら れ 採 光 を 確 保 す る。

4. 分 離 さ れ た ノ ォ リ ュ ヌ ム。 共 通 す る 前 埌 の çµ± 蟞 ず 道 è·¯ か ら の 匷 い 軞 線 が äž¡ 者 を 接 続 す る。

6 .abba の äž­ 倮 を 匷 調 す る リ ズ ム が 前 面 か ら 反 埩 さ れ る。 侀 方 で 分 離 さ れ た ノ ォ リ ュ ヌ ム の é–Ÿ に は 共 通 す る A(2a) の çµ± 蟞 が み ら れ る。 こ こ で は 反 埩 さ れ る çµ± 蟞 abba ず AA の çµ± 蟞 に よ る 盾 違 ず、 侉 ぀ の ノ ォ リ ュ ヌ ム の 盾 違 が 芋 ら れ る。

7 異 化 さ れ た ノ ォ リ ュ ヌ ム の é–Ÿ を 貫 通 す る 侉 ぀ の 面 の 力 ず 貫 通 し な い 侀 ぀ の 面 の 力。 貫 通 し な い 面 に よ っ お、 前 方 ず 埌 方 の ノ ォ リ ュ ヌ ム の çµ± 蟞 に å·® 異 が 図 ら れ る。

8.6 で み ら れ た y 軞 方 向 の çµ± 蟞 か ら 移 動 す る こ ず で、 侊 郚 の ノ ォ リ ュ ヌ ム が solid な も の ず し お 知 芚 さ れ る。

9. 侊 郚 に み ら れ る solid な ノ ォ リ ュ ヌ ム は 延 長 さ れ、 ノ ォ リ ュ ヌ ム の é–Ÿ ず な る 面 を 貫 通 す る。

1 2 3 4 5 6 7 8 9

32


0

.5a

β α α

a

a

b

α

2α A a A b b a 3 a a A b

α

2

2

2

b

α

α α

α α

1

3

33

A

2.5

A

3A

2.5

A

A

2A

3A


4

2

3

1

1 3

34


3

3

3

1 テナント 2 カフェ 3

3 䜏戞6 宀 4 ラむブラリヌ scale 1/200 1f 2f 3f

Z 字型のノォリュヌム。 たたは、向きを倉えお反埩さ れた䞉぀のノォリュヌム。 35


南東立面void ずしおの䞭庭のノォリュヌムは内郚たで貫入する。

scale1:200

36


北東立面奥の空間に芋られる動き ず、察照をなす静的なファサヌド。

scale1:200

37


仕 立 お 屋 の ア パ ヌ ト メ ン ト

䞋郚の構成二぀の solid なノォリュヌムず䜎い壁に挟たれた void なノォリュヌム。

38


3000 0

敷地の特城 1) 道 è·¯ の 圢 状 に 沿 っ お お り、 幅 が 狭く现長い。 2) 敷 地 の 南 偎 は 3m の 高 䜎 å·® が あ り、3 階建おの建物が立ち䞊ぶ。

100m

39

2000


3.solid ず void が ノ ォ リ ュ ヌ ム 単 䜍 で 反 埩 さ れ、 空 間 の シ ヌ ク ã‚š ン ス 及 び 道 è·¯ の 景 芳 に リ ズ ム が 侎 え ら れ る。 こ の ノ ォ ã‚€ ド に よ っ お 内 郚 に 光 を 入 れ る。

4. 敷 地 の 圢 状 よ り çµ± 蟞 が 移 動 し ノ ォ リ ュ ヌ ム の 分 節 が è¡š 出 さ れ る。

6. 分 節 さ れ た ノ ォ リ ュ ヌ ム の é–Ÿ を 貫 通 す る 力 ず 貫 通 し な い 力。

7. é–Ÿ を 貫 通 す る 面 の 力 は 異 化 さ れ た ノ ォ リ ュ ヌ ム の 面 を 移 動 さ せ る。 こ の 貫 通 す る 面 は 長 手 方 向 を 二 分 す る 面 ず な る。

8. 埌 方 侊 郚 の 道 è·¯ 偎 の ノ ォ リ ュ ヌ ム は 欠 き 取 ら れ、 前 面 の ノ ォ リ ュ ヌ ム ず 面 が 揃 う こ ず で、solid な 目 方 䜓 の ノ ォ リ ュ ヌ ム ず し お 知 芚 さ れ る。

9. 目 方 䜓 の ノ ォ リ ュ ヌ ム は å…š 䜓 が 前 方 に 移 動 し、 南 äž­ 倮 の ノ ォ リ ュ ヌ ム が 欠 き 取 ら れ る。

1 2 3 4 5 6 7 8 9

40


a 1.5

b

a

1/8

α

a

a

41

a

β α 7/8

a a

α 1/4

a

a

a

b b a

a

a

a

A

a

A

A

a

A

A

α


3

3

3

3 3

2

1

4

4

3

1 カフェ 2 ギャラリヌ 3 䜏戞4 宀 4 䜜業スペヌス scale 1/200 1f 2f 3f

42


䞊郚の盎方䜓ノォリュヌムは䞋郚ず ズラされるこずで浮遊する。

scale1:200

43


南東断面壁面によっお䞉分割された 静的な構成ず、それを貫通する壁面。

scale1:200

44


45


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