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2 竹中 信乃 たけなか しの 兵庫県神戸市出身。両親が共働きであるため、 銭湯を営む祖父母の世話を受け育つ。 高校生で演劇をはじめ、舞台美術・演出に興味 を持つ。 20歳の頃、舞台美術アトリエにインターンをし たことがきっかけで建築の道を志す。 建築だけでなく、都市工学、家族社会学等を学び、 「都市」「世界」規模で物事をリサーチしつつ、 ヒューマンスケールのものを自らの手で「作る」 ことを得意としている。 来歴 1996年 兵庫県神戸市生まれ 2015年 甲南女子高等学校卒業 2015年 東京大学理科Ⅰ類入学 2019年 東京大学工学部建築学科卒業 2019年 東京大学大学院新領域創成科学研究科
東大・藝大・東工大三大学講評会 グランプリ 2021年 社会文化環境学修士論文賞 2021年 東京建築コレクション2021修士論文展 趣味:銭湯通い、野球観戦、演劇鑑賞 特技:ヨーヨーすくい(最高32個)、大きいものを1人で運ぶ 使用ソフト:Rhinoceros, Grasshopper, Revit, AutoCAD, ArcGIS 他多数
社会文化環境学専攻入学 2021年 同専攻修了 2021年 株式会社久米設計入社 受賞歴 2013年 兵庫県高等学校演劇研究会神戸支部最優秀賞 2018年 設計課題が都政新報・朝日新聞に掲載 2018年 卒業論文が神戸新聞に掲載 2019年 東京大学卒業制作奨励賞 2019年
3 01-02 Urban Research 03-04 Architecture 05-06 Handmaid 01 修士論文:銭湯と「家」-神戸市を事例に02 "Trading" 2019 Okabe Studio 4-7 8-11 03 卒業制作:銭湯、今を生きる 04 ぶどうの傘の下 12-23 24-27 05 紅掛け空 06 舞台美術 28-29 30-31
4 01 銭湯と「家」-神戸市を事例に修士論文 ・社会文化環境学修士論文賞 ・東京建築コレクション修士論文展 ・兵庫県公衆浴場組合で講演 私の祖父母は神戸市で「五毛温泉」という 銭湯を営んでいた。 午後三時に開店し、孫たちの世話や家事をしながら、 祖父母と叔母が番台に座る。 我が家では「仕事」と「生活」は不可分であり、 農民や漁師と同様、「家」とは共同生産組織であった。 近代日本では、家族は生産単位から消費単位になり、 多くの機能が住宅に付随した。 風呂もその一つであり、銭湯は1970年の10%に減少した。 銭湯は、都市生活に必要な社会インフラの1つであり、公共性を 持つものであった。 しかし、それを担ってきたのは我が家のような、 ごく普通の「家」である。 1.研究の目的 銭湯とは、 公衆浴場という公共性の高い施設でありながら、 一般家族によって経営される商業施設であり、 私有財産として相続され、設備も大規模である。 ・風呂なし住宅が激減し、公共性が失われつつある現代で 銭湯がどのように残っているのか ・「家」が銭湯をどのように運営、更新、継承しているか を探る。
商店 商店 家庭内工場 借工場 銭湯 5 インタビューした銭湯(A-I)のうち、 市内中心部にある銭湯を、「働く場所の銭湯」、郊外を「帰る場所の銭湯」と分類。 (1) 働く場所の銭湯 (2) 帰る場所の銭湯 参照:兵庫県浴場組合名簿(1994,1970,1994,2000,2020版) 2.銭湯と周辺地域
銭湯名 A温泉 B温泉 C1温泉 C2温泉 D温泉 E1温泉 E2温泉 E3温泉 F温泉 G1温泉 G2温泉 H温泉 I温泉 家族 A B C D E F G H I 血縁上の家族 6 3.「家」としての銭湯 (1)銭湯経営者の家族史(2)おばちゃんと銭湯(3)家族従業と銭湯 銭湯名 A温泉 B温泉 C1温泉 D温泉 E1温泉 F温泉 G1温泉 G2温泉 H温泉 温泉 家族外 従業員 0 2 2 15 2 7 20 0 0 属性 近隣住民 近隣住民 常連客 友人の母 近隣住民 近隣住民
立体駐車場を コンバージョン した銭湯 7 4.銭湯のライフサイクル 5.まとめ (1)「モノ」のサイクル
(1)「人」のサイクル
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28 05 紅掛空 構造(佐藤淳)スタジオ2019 ・展示会 「森に棲む月に棲む建築構造デザイン」 出展
29 「壊れても死なない」構造 形状コンセプト 「天女の羽衣」と呼ばれる世界最軽量の布と、 カーボンロッドを用いたテンセグリティ構造 で、「壊れても死なない」軽い建築を目指した。 1:5スケールのモックアップを作成し、3Dス キャンの後に構造最適化を行い、風速20m に耐えうる構造とした。 布のほつれによる破壊を防ぐため、2枚の布を4股とな るようにつなぐ形状スタディを行い、上のような断面コ ンセプトが生まれた。 このような構成を活かし、生物の表皮と内臓をイメージ して、微かにグロテスクながらも空に向かい燃えるよう な造形をデザインした。
劇団前夜「枕の起源」(2018) 演出家から、「飛行機と会議室」のオーダー を受け、背景に彩度の低い色合いの1/1.5 スケールプロペラ機を配置し、前方に円形 の会議机を計画した。客席が会議机を囲む ように三方に配置されている。 飛行機の作成は、3Dモデルを輪切りにし て骨組みを作成し、プラスチックダンボー ルにレナラックを塗り、塗装して仕上げる ことで、軽い構造として作業負担を下げる と同時に、コストも抑え、美術費総計で30 万円とすることができた。
30 06 舞台美術
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宣伝美術 天の川最前線「漂流者たち」(2018) 4mx4mの狭い教室を劇場として使用した。壁と柱が 舞台上に出てしまうことを利用し、それに合わせ、移 動と回転で多様な家具として利用できる美術とした。 劇団綺畸「水星劇場」(2016) メタ的な劇の構成に合わせて、劇場の中にプロセニア ムを複数配置し、舞台の上に舞台が続いていく入れ子 状の構成とした。 左から 劇団綺畸「馬刺」(2017) 学内の立て看板構造規制等を検証しな がら作成。「屠殺」「差別」という劇の テーマから、キャンパスに入る人の目 を引く色使いとした。 演劇集団宇宙の喜び(2016) 路上パフォーマンスを中心とする、演 劇集団の立ち上げチラシ。魑魅魍魎と したイメージで劇団員3人を描いた。