2014-2017
鈴木 駿太
Shunta Suzuki 2014 - 2017
鈴木 駿太
Shunta Suzuki 2014 - 2017
04
Contents
建築設計 | Architecture Design............................................................. 06 マチイエ ―新旧住民をつなげる高架下のサードリビング..................................................... 08 趣味の家 ....................................................................................................................... 16
サインデザイン | Sign Design........................................................................ 24 新入生のためのサイン..................................................................................................... 30 オープンキャンパス 2016仮設サイン計画 .......................................................................... 32 オープンキャンパス 2017仮設サイン計画 .......................................................................... 34
その他の制作物 | Other Works................................................................. 36 ヒカリノマチ .................................................................................................................. 38 OLED CARD KEY...................................................................................................... 40
05
建築設計
Architecture Design
Architecture / machi-ie
マチイエ ―新旧住民をつなぐまちのサードリビング
まちに住む様々な人の活動を支え、 垣間見ることで住民同士の交流を生む 大学生や単身赴任のサラリーマンなど、自らが今住んでいる地域に愛着や関心の持ちづらい『新住民』と、そこに以 前から定住している『旧住民』。両者の間にはコミュニティの意識が希薄であり、移り住んだ若者やサラリーマンは自 分の住む土地に愛着が持てず、もともとそこに住んでいる住民は風土や慣習を解さない他所からきた住民を好意的に 受け止めることができない。このような新旧住民間でのコミュニティの隔たりは、日本の多くの都市で見られる。今 回の提案では、自分が住んでいる小さな町を舞台として、それぞれの立場の住民が同じ場所に集い、自然と交流が生 まれる、そのような空間が必要だと思った。 この町には公民館や集会所と呼べるようなものがないが、既存の公民館や集会所の機能をもつ空間をつくるだけでは、 新住民との交流は期待できない。旧住民である高齢者や親子にとっての憩いの場となり、同時に新住民学生やサラリー マンにとってのワークスペースになる、そしてそれらが互いの営みを垣間見る場となり、コミュニケーションを促す。 そのような多様な人々が関係する新しいコミュニティスペースを提案する。
08
Location
9
Architecture / machi-ie
高架下に設置されたゴミステーションには駐輪場も 隣接して設置されており、地域の様々な年代の人々 に利用されている。
こまちなみ保存区域として景観条例が定められてい る旧天神町区域の街並み。
010
Location
Location
Architecture / machi-ie
Location
敷地 : 石川県金沢市天神町
敷地は石川県金沢市天神町。かつては、桶屋や鍛冶屋などの商売屋が多くあっ
天神町緑地
たまちで、伝統的な町家建築が、曲がりくねった道路に面して軒を連ねる様子 が残されている。現在金沢市より「小町並み保存区域」に指定されている一方 で、周囲には学生マンションや新興住宅の立ち並ぶ比較的新しい街並みを見る ことができる。 一方で町の中心に大通りから台地上にアクセスするため、2001年にトンネ ル及び高架橋が設けられる。高架下の一部は現在ゴミステーションや駐輪場と して利用されている。今回はこの高架下を計画地とし、高架下のマイナスイメー ジを払拭するとともに、まちの新しいコミュニティハブとして活用する。
台地へ登るための歩行者用階段。学生は 台地上の学校へ通うためこの階段を登る
付近には緑地があり、遊ぶ親子連れや ゲートボールをする人を見かける。 011
Location
Architecture / machi-ie
Program
Diagram
運営と利用者が共同でまちを創る
『マチイエ』は地域住民にとっての憩いの場であり、町内会にとっての打ち合わせスペースであり、学生 にとっての学習・作業スペースとなる。それらの空間をレベルによって緩やかに分け、それぞれの姿が視 界に入るようゾーニングすることによって異なる立場の人々であってもお互いの気配を感じ取れ、コミュ ニケーションのきっかけをつくる。
高架下の昼間でも薄暗い空間では自然と 人との距離が近くなる
また、マチイエで行われるイベント、展示、ワークショップは施設の管理者やディベロッパーだけでなく 学生や地域住民とともに計画する仕組みをつくることで地域住民が一体となり主体的にまちの発展に関わ ることを狙う。
・子供と遊べる場所がほしい ・近所の友達とおしゃべり ・町内会の会議がしたい
親子
ノマドワーカー
定年退職者
想定される用途や利用者によって暗~明 フロアをつくる
地域住民 町内会
カフェ
ミーティング
マチニワ
ワークスペース
イベント・展示
シェフ
マチイエ
運営会議 町内の行事、イベント
・お昼ごはんが食べたい ・作業スペースがほしい
ワークショップ、展示等の 企画や運営の会議
・展示や発表をする場が
ぞれぞれのフロアに視線が抜けるよう
欲しい ディベロッパー
新住民
012
吹き抜けを設ける
program
Architecture / machi-ie
Overview ❶
❸
雨の日でも使えるまちのオープンスペース。イベントや
2 階ミーティングスペースと 3 階ワーキングスペース。ミー
ワークショップ等の会場にもなる。高架下の特性を活か
ティングスペース。印刷スペースや作業台をワークスペー
❹
した半屋外空間。
スの利用者と共有し、互いの活動を垣間見る。
❸
❺
❶
❷
❷ ❶.マチニワ ❷.カフェスペース ❸.ミーティングスペース ❹.ワークスペース ❺.テラス
1 階カフェスペース。入口の扉を開放することで外部とつ ながる。吹き抜けによって 2,3 階の人々の活動を伺い知 れる。
013
Architecture / machi-ie
Planning
Planning
1 階平面図
N
014
2階平面図
3階平面図
Architecture / machi-ie
Planning
015
Architecture / machi-ie
A-A’断面図
016
Planning
Architecture / machi-ie
Planning
B-B’断面図 017
Architecture / Shumi no ie
趣味の家
―建売住宅における『趣味の住まい』を考える
建売住宅の新しい形を考える。一般的に間取りが既に決定されているため、住み手それぞれにとって最適な 空間になることは困難である。そこで、家族が思い思いの活動や趣味を行う空間を主体的に形成できる住宅 を考えたい。 それだけでなく、個人個人の趣味嗜好が家族に垣間見えることで、家族間でのコミュニケーションが促進さ れる。『趣味』が個人のためだけでなく、家族の絆をより深めるような家を提案したいと考えた。
018
Location
Architecture / machi-ie
019
Architecture / Shumi no ie
Story
Story
設計の過程
□問題
□解決策
決められた間取り
建具と家具によって空間に可変性を持たせる
分譲住宅(建売住宅)では、予め間取りが決定さ
建売住宅でありながら、住み手の様々な活動や趣味を受容する家はどのようなものだろうか。
れているため、家族は住宅の間取りに合わせた生
今回の提案ではカウンターテーブルと引戸を各所に用い、家族のそれぞれの趣味・心境・ライフステー
活を強いられてしまう。
ジに対応する使い方を『拡張』できる住宅を考えた。
趣味を楽しむ空間を構成する2つの要素
カウンターテーブル
引戸
一般的な机としての利用な他、
開放すれば隣り合う空間を一体化する
コレクションやインテリアを
拡張性のある建具
ディスプレイする可変性のある家具
020
Architecture / Shumi no ie
Story
□設計条件
計画地:千葉県船橋市駿河台一丁目 主要用途:専用住宅 家族構成:夫婦+子供1~2人 駐車台数:1 台 地域地区:第一種低層住居専用地域 構造:木造軸組工法 階層:地上 2 階
家族構成 ・夫婦+子供1~2人 ・夫婦共に趣味があり、 ・コレクションや子供のもの ・を収納する場所が欲しい
021
Location
Architecture / machi-ie
Planning
1階平面図
引き戸が閉まっており、それぞ れの空間が独立している。
引き戸を開放することでLDK、 土間、外部が一体となる。
カウンターテーブルは通常の テーブルとしての利用の他、収 集物や小物をディスプレイする スペースとなる。
022
Architecture / machi-ie
Planning
023
Architecture / machi-ie
Planning
Planning
2階平面図
引戸が閉じられているときは、寝室 は共用部が分けられ、プライベート 性を保てる。
寝室と共用部が一体となって空間を 広く使うことができる。
長いカウンターテーブルは座って勉 強したり、本を読んだりするだけで な く、 自 分 の 趣 味 の も の を デ ィ ス プレイすることで家族間のコミュニ ケーションを促進する。
024
Architecture / machi-ie
Planning
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Architecture / machi-ie
Planning
2階平面図
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Planning
Architecture / Shumi no ie
Planning
027
サインデザイン
Sign Design
Sign Design / Kanabi Sign Project
校内仮設サイン計画
2015年から2017年にかけて、自主制作として校内のサインを仮設として制作していた。はじめは新 入生に向けて入学式から2週間近く、それも個人でできる小規模なものであったが、その後課題とされてい たオープンキャンパスのサインの改善を要請され、2年に渡りオープンキャンパスでのサインを担当するこ ととなった。 金沢美術工芸大学は1972年の校舎移転以来、増築を繰り返してきた。そのため、建設年代によって内装 やサインが異なり、動線は複雑となった。毎年行われるオープンキャンパスや文化祭において外部の参加者 は目的の場所にたどり着くことが困難な状況であった。
030
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Sign Design / Kanabi Sign Project
Story
増築を重ねたキャンパス
032
Sign Design / Kanabi Sign Project
Contents
新入生のためのサイン
オープンキャンパス 2016 仮設サイン
オープンキャンパス 2017 仮設サイン
2015.4.14 - 5.7
2016.7.15 - 16
2017.7.14 - 15
033
Sign Design / Kanabi Sign Project
34
Sign Design / Kanabi Sign Project
Contents
新入生のためのサイン
本校には案内や誘導といったサインが存在せず、文化祭やオープンキャンパスなどの祭事や外部の人々 にとって不便な状況を招いている。本サイン計画は新入生を主なターゲットとした仮設のサインであり、 サインの需要や配置の正当性を計るための実験的な試みでもある。 今回の計画では、新入生及び在校生が頻繁に利用する場所を重点的にサインを配置していった。大学な どの常用者がいる施設にとって、サインは機能に留まらない、情緒的なものでなければならないと考えた。
本館 棟
1
視聴覚教室 第三教室 学生相談
室
研究 室(桑 村、小松 崎、稲垣 、中安、青柳 、高橋明 彦、荷方 、
西 出、三浦 、佐藤、仁志 出、岩崎 、鈴
共同研究室 シ ルク 製版室
研究 室(寺 井、川崎 、畝野、鍔、後藤 )
映像 スタ ジオ コ ンピ ュー タ室
研究 室(村 中、鈴木 、工藤、坂野 、角谷)
035
Sign Design / Kanabi Sign Project
Opencampas2016
2016年のオープンキャンパスでは、既存のサインシステムを見 直すことが要求された。専攻やイベント毎に設定されたカラーは 15色を越え、判別することが困難であった。また、イーゼルによ る仮設のサインは設置場所によっては大量に設置され、通行を妨げ たり、視覚的に煩雑とする問題があった。 そこで、ピクトグラムを用いてより視覚的にわかりやすくした上で、 使用する色を極力減らすことで最小限のサインを心掛けた。
036
Sign Design / Kanabi Sign Project
Contents
矢印、専攻、展示内容等を分割して制作し、それらを組み合わせることでひとつのサインができあがる ようになっている。修正・補修が容易であり、費用の削減につながっている。また、元々 14 色以上の色 分けがなされていたが、分類を見直し 9 色に。より判別しやすいようにした。 ユニット
矢印
ピクトグラム 入試合格作品
専攻 油画 日本画 彫刻
体験授業
工芸 芸術学 視覚デザイン
矢印
ピクトグラム
専攻
作品展示
製品デザイン 環境デザイン その他
前年のサインとの比較。大量にあるイーゼルから 目的のサインを探し出すのが困難であった。改善 後はイーゼルと共に表示の数も減っている。
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Sign Design / Kanabi Sign Project
Opencampas2017
2017年のオープンキャンパスでは、前回の反省やフィード バックを踏まえ、より来場者が楽しめるようなサインにしようと 考えた。サインシステムの基本は昨年の仕様を踏襲しつつ、グラ フィック面で金沢美大らしい多彩な専攻の性格を表すサインを考 えた。 美大生の多くが使用しているスケッチブックをモチーフとし、切 り文字の背景に各専攻のスケッチ等のアートワークを施した。当 日、スケッチブックをめくって背後のアートワークを見て楽しむ 来場者の姿をみることができた。
038
Sign Design / Kanabi Sign Project
Contents
624(2.06) 318 (1.05)
画用紙に切り文字で表示を描き、その背景に各専攻のスケッチ等のアートワークをレイ ヤーとして重ねる。環境デザインでは図面、製品デザインではカースケッチ等、それぞれ の専攻のアイデンティティーが背景に描かれる。
039
その他制作物
Other works
Other works
ヒカリノマチ
Hikari no Machi workshop
―オープンキャンパスワークショッププロジェクト
2015年のオープンキャンパスオープンキャンパスで、空間デザインの魅力を伝えるため のワークショップを行った。体験授業のような形式的な授業ではなく、 玄関照明だけでなく、ホテルのディナーに用いれば演出照明兼カードキーの保管場所となり、 従来鍵としての役割のみであったカードキーに新たな価値をもたらす。
作る
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置く
光らせる
Other works
Other works
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Other works
OLED Card Key
OLED Card Key
株式会社カネカ産学連携作品
化成品や樹脂製品などの様々な化学製品を扱うカネカの新しい有機EL照明を 用いた新商品を考える産学連携プロジェクト。そこで私はホテルのカードキー が、そのまま宿泊者を迎える照明となる新しい玄関照明の提案をした。 玄関照明だけでなく、ホテルのディナーに用いれば演出照明兼カードキーの保 管場所となり、従来鍵として役割のみであったカードキーに新たな価値をもた らす。
カードキーとして
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玄関照明として
演出照明として
Other works
OLED Card Key
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Other works
Other works
Detail
ケース
有機EL照明 給電コイル カバー
乳白アクリル
カードキーの三面図。中心の最厚部分から外側にかけてテーパーをかけ、薄さを演出す
カードキーの構造図。前面には乳白アクリルを使用し有機EL照
るとともに手になじみやすい曲面をつくっている。
明の明かりをやさしく広げる。
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鈴木 駿太 | Shunta Suzuki
経歴: 1994 年新潟県生まれ/ 2014 年金沢美術工芸大学環境デザイン入学/ 2016 年 NOSIGNER インターンシップ 使用ソフト : Adobe illsutrator / Adobe Photoshop / Adobe Indesign /Autodesk Revit Google Sketchup / VectorWorks / modo ( CG ) E メール: shunta.s1101@gmail.com
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