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MEYES
P o r tfo l io Matsumura TKY VOL . 01 / 2013-2017
FR
MEYES
P o r t fo l io Matsumura TKY VOL . 01 / 2013- 2017
VIEW FROM NEW HOUSE
AWARENESS
VIEW FROM OLD HOUSE Inspired by TADAYUK I N AIT O H
introduction
建築装置 建築は街を構成する主たる要素である。 私が考える建築は環境を 喚起させる “装置” のように街に作用することを目指している。 普 段のなにげない断絶を改変することで街 ・ 場所に違和感を与え、 見 る人の意識を注目させる。 このような建築は街の主体とはなり得ない が、 マイノリティーな建築として街を支える建築である。
CAREER 1995
東 京 都 国 立 市に生まれ る
2013
都立多摩科学技術高校卒業
2014 -16
日 建 設 計 アルバイト
2017
芝浦工業大学 工学部 建築学科 堀越英嗣研究室卒業
p h ot og ra p h @ A TAM I
SKILL Illustrator,
matsumura takuya
Photoshop, Bentley CAD, Sketch Up,
AWARD 2016
Exterior & Garden design 学生デザイン大賞 2016 入賞 h t t p : / / eg - f a i r. jp / com p e/ resu l t . h t m l
CONTACT tamag9500@gmail.com +81 80 1362 3337
C NTENTS
project T
01
project a1
02
project M
03
Garden on The Wall
project a2
Ver.Mentalism
物質主義に対する反抗声明
道と玄関の間の空間を再考した提案。
04
原村の木材を都市 「晴海」 と共変させる
郭図ト書館
project G
COLOR MY TOWN
「占有域を規定する住宅塀の表面を庭化 させることで街全体の表情を変化させること ができるのではないか。」 という疑問から、
物質主義社会において無視されてきた檜 ことでサブ経済圏を生み出す提案。 物質 社会を 1 段メンタリズムへと変化させる。
関係性を生み出す。
05
る地域活性化プロジェクト。 子供という媒
変景公界
outro.
poetic experiment
深川図書館の再建に伴い、 柵によって断 絶している街と清澄庭園の関係を再編する 提案。 図書館を郭化することでに三つの
不忍池のアート MOD
不忍池のハスを収穫することでできる景と、 大道芸からくる短周期のアートスタイルによ る景が掛け合わさり、 池の風景が何重に も可変していく。
06
FACE TO FENCE × OMIYA ILLMINATION
芝浦工業大学大宮キャンパス周辺におけ 介を用いて大学 × 街、 街 × 人といった 関係性を創出する。
その場所に在るはずのない風景、 物体を 見た時に感じる 「風変り」 な印象は、 生 きることを豊かにすると思う。 この風変りさを 実現するための手法を実験する。
project T
01 Garden on The Wall Exterior & Garden Competition 緑・光・風・水のある暮らし方-幸せ感あるエクステリア-
page No:
06 - 11
なのはな 「快活な愛」「競争」 「幸せ」「快活」「元気いっぱい」「豊かさ」
スターチス
ヒイラギ 「用心深さ」「先見の明」「保護」「歓迎」「用心」「剛直」
この家は色鮮やかだ。
Garden on The Wall コンクリートブロック塀に咲く植物たち
道路から見える花々は重なり合い、 奥へ奥へと行く 楽しみをつくる。 一歩塀のうちに入ると、 コケた壁と 鮮やかな壁のコントラストが招いてくれる。 ひとつの壁 を抜けると、 また新しいコントラストが生まれ、 机や 洗濯物、 玄関が現れる。 それは見るものに驚きと 発見を与えてくれる。
カランコエ HOUSE
WINDO W
「幸福を告げる」「いい思い出」 「あなたを守る」 「おおらかな心」
スターチス 「変わらぬ心」 「上品」 「愛の喜び」 「お茶目」
チューリップ 「博愛・思いやり」
STREET この家は甘い香りがする。
この家は声がする。
道路を歩くとヒイラギの凛とした香りが興味をそそる。 一歩中に入るとチューリップの愛らしい香りが誘惑す る。 奥にはスターチスのほのかな香りに混じってコー ヒーの香りが漂ってくる。 この家はそんな香りの宝庫 だ。
道からは人が見えない。 けれど、 なにか楽しげな声 がする。 中へ進むと食器の音と笑い声が聞こえる。 瞬間、 風が鳴き、 揺られた植物たちの声にかき消さ れた。 なにかずっと聞いていたいそんな心地のする場 所。
HOUSE
STREET 日のあたる南面 には観葉植物を 生やし、 北面に は直接光を必要 としないコケ類を はやす 。
栄 養 価 が 高 く、 保水性の優れた 土を使用する 。
土崩を防ぐため の土留めであ り、 根 巻 き を 促 進させる 鉄筋。
植物の根による コンクリートの浸 蝕を防ぐための 耐根シート。
普段は街と家を 隔てているコンク リートブロック 。
植物
土
鉄筋
耐 根 シート
コンクリート
SOUTH
道路側立面
道路からいろんな 色がみえる
石壁のところまで 行ってみよう
曲がると 外のダイニングがあ る
そろそろ帰ろうかな
そうだ 、 洗濯物をしまわなきゃ
なのはなと カランコエ の 間 を通って帰ろう
ダイアグラム
DIAGRAM
カモジ 苔
コンクリート 耐根シート 鉄筋 土
観葉植物
道路から見える壁庭は街にむけて癒し を与え、 家から見える壁庭はコケによる 人工的な自然環境を作り出す。 壁庭 の両面が作り出す裏表の幸せが相互 に影響する庭空間を形成する。
家側 立 面
North
project a1
02
郭図ト書館 清澄庭園に隣接する深川図書館の建替え計画
page No:
12 - 31
深川図書館 清澄庭園に隣接することを活かした深川図書館の再建計画
これは江東区清澄にある深川図書館建替え計画である。 深川図書館の歴史は古く 1902 年を起源とし、 1928 年に建替えられ 1993 年に改築された。 そのため建物は明治期の建築 を踏襲した形態をしており、 現代の街並みに対して違和感が残っている。 大正期の建替え 時に現在位置する清澄庭園の隣に移され、 駅近な現代の図書館とは異なり自然との一体 化を感じる図書空間である。 清澄庭園を取り囲むように公園が配されており庭園内の木々 が街まで溢れ出しているように感じる場所である。
深川図書館 , 清澄庭園隣接地 KIYOSUMI, KOUTOKU, TOKYO FENCE LIBRARY
清澄庭園周辺の配置図
柵 - 再読 文化財とまちとの関係を再読する
人間には大事なものを囲う習性がある。 例えば商品
文化財の多くが封建制の名残が残る一方で、 現代
を持ち運ぶときには包装で包んで運ばれている。 これ
社会では個人個人が物質を所有する資本社会であ
を都市的に考えると、 城郭や寺院などの象徴的建
る。 まちは大地主から細分化されていた封建時とは
築は塀や曲輪、 堀などで何層にも囲まれるようにつく
異なり、 元締めのいない超細分化によって構成され
られる。 囲われることで俗世が希薄化していき、 象
ている。 この差異が現代における文化財とまちとの関
徴としての価値が高まっていく。
係に齟齬を生じさせている。
自然地形 田畑 町屋
UNKNOWN 家
家
屋敷 御館 家
家
家
家
GARDEN
家
TOWN
家
清澄庭園南柵面
清澄庭園
135 - 0024 トウキョウト コウトウク キヨスミ 3 チョウメ 3
大泉水を中心とした築山、名石を起伏に富んだ回遊路で 結んだ野性を感受する庭園
都立 9 庭園として東京都指定名勝に指定されている。 中 心の大泉水を中心に築山や名石が配された回遊式林泉 庭園である。 江戸時代の豪商の屋敷跡を起源とし、 明 治期に岩崎家によって庭園として開園された歴史があり、 大名庭園の名残ともいえる。
清澄庭園全景
郭ト ク ル ワ
まちと庭園を分断しているフェンスを建築化する
柵によって線的に街と庭園が分断されていた
柵を空間化し小さな居場所が連なる
縦ノ変形 街と庭園の関係性を変えるための縦分解
密接地における壁の役割をもつ
GARDEN
TOWN
半堀によって視線だけの間接的なつながり
柵によって分断されていた街と庭園
埋没することで互いの空地を直接的につなぐ
横ノ変形 空間体験を規定するための横分解
窄めることで空間に移動性を持たせる
柵をボリュームに変換し空間化する
穿った小さな空間は少数の居場所となる
+5500 2F
+250 0
-1500
-1500 -3500
切断位置
G.L
+3100 +5500
2F
2F
UNDERGROUND -150 0
-15 00
ON UNDER
-35 00
+ -
+25 00
事務
半外部たまり場
01 屋外テラス
02 集密書架
04
05 こどもの棟
廊下型ギャラリー
08
09
カフェ
01
03
04
02 03
05
10
06 07 08 09
〃
幼児のたまり場
06 こどもの棟 2F
07 大通り側エントランス
10
11
11
A
d c
d c e
B
e A
まちと庭園のつな ぐ度合を規定する鉛直方向計画
A
A
B
B
c
c
Y
d
建物が密集する長屋地帯を意識しながら目立つプロポーション
Eye = y = 1600 日本人の平均アイレベルの 1600 高さで風景を分断する X
5000
e
d
tan79 = 5 = 5000/x
e 夏気候において直接光が落ちる幅によって規定する
B
庭園の木々に隣接する部分は半分のボリューム感
長屋の左右対称性を意識したエントランス
庭園の広場と公園の空地同士を視線的につなぐ
UNDER 2000 地中や上階などの多様な居場所が多様な人々を受け入れる
2F
UNDER 5000
UNDER 3000
2F
1F
project M
03 く が い
変景公界
不忍池のアート MOD
上野公園に新しい現代美術館を設計する
page No:
32 - 57
変景 UENO NEW ART STYLE
変化とは生物にとって生きていることの証であると考える。とりわけ、知性を持つ人間は、 変化を刺激ある娯楽に変換することができる。 しかし、 その感度の良さは逆に消費的 なものであり、 恒常的に変化を求めることを意味する。 「変景公界」 はハスという植 物的な次元と、 アートという感性的次元を対峙させることで景が常に変わっていく公界 ( 公共の場 ) を創出する提案である。 これは上野公園および園内文化施設の変動性 と、 不忍池の恒常性を意識したものであり、 人は次元が相反する景によって自意識 を芽生えさせる。 アートフィールドとしての上野公園を新たなアートスタイルを発信する場 に転換する。 不忍池
アート 四季の風景
池
島
夏季
あぜ路 1 あぜ路 2 あぜ路 3 水中 ハス下 ハス上
screen MOD
art MOD
stage MOD
昼
夕
夜
あぜ路 1 あぜ路 2 あぜ路 3 水中 ハス下 ハス上
冬季
〃
〃
〃
変景のチャート : 不忍池の既存環境と提案する装置によって派生的に変景が起きる
古典的美術館 古代から美術品は権威の象徴として納められるてきた。 それは美術家にとって も価値の基準となり、 コレクションとして美術館に納められることをアイデンティ ティーとした。 現代で美術館の大半を占める権威的美術館を古典的美術館 と呼ぶことにする。
ホワイトキューブ 近代以降の美術作品の多様化に伴って、 作品を際立たせるために空間の存 在感を希薄化した現代の主流美術館をホワイトキューブと呼ぶ。 ホワイトキュー ブはモダニズム以降の影響を色濃く受けており、 抽象空間の最たるものである。
ローカルフィールド 現代のアートは近代よりもさらに多様化しており、 形を持たない無形アートも存在する。 また、 Installation や SEA などの空間や社会に対して干渉する作品もあり、 美術館とい う物的建物ではなくフィールドという、 より広範な体験をできる場としていくべきである。
「変景公界」 では 1900 年代後半の Land Art的側面を意識しており、 上野公園にお いて放置されている不忍池をアートフィールドとして上野の新しいアートスタイルを生み出 すことを目指している。
鵜の池
ボート池
ハス池
不忍池およびハス池
夏の不忍池 : 自由に生えそろったハスが空間を埋める
冬の不忍池 : 枯れたハスの茎が無造作に残っている
不忍池:ハス池 不忍池は上野公園の西に位置しており、 上野公園の多 くが台地にあるのに対して、 不忍池は谷状の場所に位置 している。 そのため、 文化施設は台地に偏っており、 イ ベントも分断されている印象を受ける。 不忍池はハス池、 ボート池、 鵜の池の 3 つに分かれており、 特にハス池は 夏になると華を咲かせ、 冬になると枯れたハスの茎が残る 2 つの景を見せる。 どちらも、 池全体を埋め尽くすハスで 観光資源とされているが、 一方で、 管理はあいまいで無 造作な見方もできる。
ハス池
55,000 ㎡
不忍池
110,000 ㎡
不忍池およびハス池の詳細
840mm 面積
870mm
46,000 ㎥ 水深
830,000 ㎥
水量
不忍池環境問題 不忍池ではいくつかの環境問題が引き起こされている。 その 中には、 外来生物の繁殖などの問題も含まれるが、 一番 の問題はアオコなどによる水質汚濁である。 不忍池には不 法投棄されたゴミが浮かんでいることや、 アオコが発生するな どにより水質汚染が進み、 また景観も損ねている。 特に、 富栄養化によるアオコの発生は、 ハスの自生によって栄養 が循環しており、 閉じた系である池では解消が難しい。 アオ コの発生によって水生生物の酸素不足や、 渡り鳥の減少な どを引き起こしている。
強い日差し 高水温 富栄養 水の停滞 水の濁り
ハスが枯れる
アオコ
富栄養化 [Li,N]
植物プランクトン の増殖
ゴミとハスの残骸
アオコ発生
不忍池環境復元プロジェクト 管理団体が推進している不忍池の環境復元提案として、 バイオスティミュレーション ・ バイオオーグメンテーションを推進している。 これらはいずれも分解者である微生物によっ てアオコを減らしていく方法である。 前者は池に化学物質を投与することで、 既存の 微生物を活性化させ、 後者は外部で培養した微生物を池に投入することで絶対数を 増やす方法である。 方法
コスト
栄養添加
窒素やリンなどの栄養を添加 し、 微生物の活動を促進する
4750 万円~ 1 億 9000 万円
炭素繊維
水田に設置した炭素繊維に微 生物を付着させ、 その微生物 の浄化機能を利用する
5700 万円~ 5 億 7000 万円
喰蓮によるアオコ解消 環境に対して化学物質を用いた治療は環境負荷だけでなく費用もかさむ。 不忍池の ハスは江戸時代から将軍への献上品として収穫されていた。 しかし、 現在は採取禁 止となっており、 ハスの栄養はすべて池へと還元されている状態である。 この還元分が 池の富栄養化を引き起こしていることから、 ハスを収穫することでアオコの発生源であ る栄養を抑制する。
ハス池 面積 55,000 ㎡ レンコン畑 1ha(10000 ㎡ ) あたり 2104 万円 つまり 1 億 1572 万円の潜在価値
1ha
5.5ha
2104 万円
1 億 1572 万円
SHIN
OBAZ
U “M
OD” P
LACE
大道芸と通じるアートな景
1. 都度組み立てるアートな場 大道芸のように短周期的な展示や、 イベントに合わせた活動の場として簡易的な組み立てシステムを 設計する。 不忍池にある島をそれぞれシーンに合わせて可変する MOD な場所として計画する。
screen MOD
art MOD
上野公園で行われている大道芸 [ ヘブンアーティスト ]
stage MOD
緑地公園としての野性な景
2. 季節によってハスとアートが入れ替わる池 1 で MOD 化された島が起点となって、 不忍池蓮池がアートな空間に変わっていくランドアートであり、 ハスが 枯れる 11 月~ 3 月に池を対象とした作品を展示することで、 1 年間の中で自然とアート [ 人工 ] がせめぎ合 う景ができる。
“ blue men” by Pedro Marzorati
4 ~ 10 月のハス隠れの池
1
2
3
枯れ
4
5
葉
11 ~ 3 月のアートが芽生える池
6
7
8 蓮華
9
10
11
12
月
収穫 枯れ 不忍池ハスの収穫期の詳細
公界 [MOD 化された島 ]
01
- 01 [screen MOD] : 投影機を用いて島を放映会場化する - 02 [art MOD] : 室空間をつくり島を現代アートの展示室とする - 03 [stage MOD] : 島にステージを建て即席のパフォーマンス会場をつくる
あぜ路 [ 水面レベルの路 ]
02
水面 +200mm に敷かれたあぜ路であり、 目線がハスの高さと一致する体験。
あぜ路 [ ハス高レベルの路 ]
03
ハスの高さ GL+1000mm に敷かれたあぜ路で、 不忍池のハス全体を俯瞰するような体験。
あぜ路 [ 池底レベルの路 ]
04
池の底である水面下 -800mm のあぜ路で、 周りを完全にハスの葉で覆われる体験。
04
02
03
01
公界 く
が
い
LOW TEC による仮設的な場の提案 不忍池に浮かぶ小島をアートプレイスとして MOD 化す る。 南面への眺望を意識して外周部に桟橋を廻し、 階段状のたまり場を造成する。 広場部分にはパイプを 固定するハッチを設けることで、 必要時に応じて建設で きる。 これによって、 不忍池の風景を保全しつつ、 新 たにアートという価値を付加する。 桟橋
up
MOD
VIEW
ハス池
up
公界の平面図
3type MOD screen MOD 布をスクリーンとして用いることでプロ ジェクションマッピングなどの映像作 品を映す。
01-01
art MOD 布を外周面に貼り付けることで室空 間をつくり、 短工期の展示室を実 現する。
01-02
stage MOD 即興芸術として大道芸の潮流を汲 んだ仮設ステージはパフォーマンスの 拠点化を目指す。
01-03
art MOD
企画展示 インスタレーション アーカイブ
screen MOD
プロジェクションマッピング 屋外映場
stage MOD
ライブ ( 音楽 ・ 大道芸 ) イベントメインステージ
01
05
ジャッキベースのハッチを開きパイプ柱を固定する
踏み台までの縦動線として階段ユニットを取り付 ける
02
06
必要高さまでパイプを継ぎ、 水平方向のパイプを クランプによって固定する
建物の表面に下地板を金具によって固定する
03
07
屋根の外形となる斜材をクランプによって固定する
下地板の上に耐候性布を重ね、 鋲によって 固定する
04
[ art MOD ] 踏み台を金具により水平パイプに固定する
[art MOD] の建方 パイプベースの家形空間を構成する
[Academic use only]
01
公界 [art MOD]
01. 土台留め金具
07. パイプクランプ
を構成する部材
02. 土台留め鋲
08. 布留め鋲
03. パイプ継ぎ手
09. ベースハッチ
04. 踏み段留め金具
10. ジャッキベース
05. 下地板留め金具
11. 手すり
06. 金具留めボルト
12. 下地板
W:60mm × D:150mm × H:5mm
L:50mm / D:6mm
建設現場で用いられているパ イプを組み合わせる足場を展 示室として組み替える。 工期 の短さと簡易さから、 展示期 間だけの超短周期の建設 ・ 解体システムを可能にする。
φ:45-55mm
L:30mm / D:6mm
L:250mm / φ:46mm
W:100mm × D:100mm × H:90mm
W:30mm × D:105mm × H:50mm
L:60mm / D:6mm
W:250mm × D:300mm × H:30mm
W:130mm × D:130mm × H:650mm
W:30mm × D:1,550mm × H:30mm
W:200mm × D:1,400mm × H:50mm
Scale×100 12 03
09 07 02
04
05 10
06 08
11
17 16
13. 階段ユニット
W:1,2400mm × D:170mm × H:3,200mm
14. 踏み段
W:600mm × D:3,000mm × H:55mm
15. 梁用パイプ
L:520 1,600 3,450mm / φ:50mm
16. 柱用パイプ
L:950 1,150 2,050mm / φ:50mm 2,250 3,450
17. 土台用木材
W:200mm × D:adjust × H:100mm
18. 耐候性布
W:3,000mm × D:adjust × H:1mm
13 14
15
18
[ art MOD ]
昼景
光量の多い昼の時間帯は布に反射し、 物体として公界が現れる。
夜景
夜になると内部の光が外部に漏れだすことで発光する場となる。
[ art MOD ]
夕景
赤色光が差し込む夕暮れになると布を透過した光によって内部の骨組みが浮き彫りとなる。
【公界 [art MOD] の 3 つの変化が不忍池の景を変景する装置の役割を持つ。】
あ ぜ路
収穫するためのあぜ路
収穫・鑑賞・体験
池全体をアート化する装置 公界を基点とした不忍池全体のアート化のため に、 高さの異なる 3 本のあぜ路を計画すること
鑑賞するためのあぜ路
で、 ハスの収穫路 ・ ハスやアートの鑑賞路 ・ 葉隠れ体験路の 3 つの付加価値を与える。 そ れぞれ、 水面 ・ ハスの上端 ・ 水底のレベルに 合わせた路となっており、 橋を渡るだけでなく周 囲から見た橋を渡る人が見え隠れする風景を計 画した。 手すりの支柱にステンレスパイプを用い ることで不忍池のハスの移り変わりや、ハスとアー トが入れ替わる様を路に写しこむ装置となる。 ステンレスパイプ
不忍の景
変景する不忍池を写しこむ
02
水面レベルのあぜ路
ハスの先端を愛でながら散策し、 アートや水生生物との親和性
体験するためのあぜ路
5,000
5,000
02
800
1,000
2,800
5,000
03
03
ハス高レベルのあぜ路
ハスの先端の高さなので不忍池の中心から全体を見回すことができる
04
水底レベルのあぜ路
水中レベルの路でありハスが背丈を超えて覆ってくる体験をする
04
02
ハスを収穫する
03
遠くを眺める
04
ハスの壁を体験する
project a2
04
Ver.MENTALISM 物質主義に対する反抗声明
檜原村を基軸とする木材のサブ経済圏による社会へのけん制
page No:
58 - 91
檜原村 檜原村 / 土地の特性
東京本島部で唯一の村である檜原村は土地の 9 割以上を森林で覆われている。 村内には JR などの鉄道機関が通っておらず、 生活資材および通学、 通勤、 遊 戯は東に隣接するあきる野市 (JR 青梅線 : 武蔵五日市駅 ) を経由する必要がある。 この交通不便により戦後すぐに衰退の道をたどっており、 東京の本島では唯一の限 界集落と化している。 急峻な山肌に囲われた線状集落は開発の手を阻み原生林 が残るものの、 住民の移動をはばかる存在である。 自然と共生してきた恩恵である 森林は豊富な木材資源を有しているが、 古くからの産業である林業は採算が取れ ず停滞している。 東京の奥座敷と呼ばれた檜原村は美しい自然を残しており都民 の森と呼ぶにふさわしい地形・体験を有しており、 そこに暮らす人々は自然の厳しさ に触れながらも美しく住んでいる。
晴海 檜原村 / 土地の特性
東京湾岸は現在、 再開発の波に覆われている。 江戸時代から大型船舶の貿易 拠点として埋め立てられてきた東京湾岸は明治の産業革命以降、 産業を支える工 業地帯として工場・インフラ・物流が集積した場所となった。 これらは現代において高 層マンション・複合型アミューズメントへと再開発が行われている。 さらに、 2020 東京 五輪は東京湾岸部への注目度を促進させ、 豊洲・晴海・勝鬨の島々の幼年人口 は日本で唯一の増加傾向を示している。 子供が多く集まる場所であるからこそ街全 体で豊かな空間造りを目指すべきである。
東京の2つの場所は都市の両際 東京の東西の際に位置する檜原/晴 海。この2つの場所は一見関連性が見 えないが、それは都市の秩序に対する 影の部分として共通する関係が見られ る。
檜原村の高齢化率 檜原村の高齢化率は約50%に達しており、東京本島部で 唯一の限界集落である。 70 60 50 40
36.5
40.6
30 20
17.3
20.1
47.5
43.4
26.8
22.8
51.5
53.8
55.9
58.1 59.1
31.6 33.4 29.1 30.3
10
36.1
Hinohara village national average
0
2000 2005 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040
檜原と晴海の地価比較
中央区の幼年人口
都市の両際にある2地区の地価は両極端な側面を有して いる。
日本の少子化に対して中央区および江東区の幼年人口 は増加している。その中でも豊洲/晴海/勝鬨の3地区は集 中的に増加傾向である。
1,600,000 1,400,000 1,200,000
[\/㎡] 晴海 1,175,000 \/㎡
1,000,000
12,362
2014
13,169
2015
800,000 45,000 40,000 35,000 30,000 25,000 20,000
Under 11 age
2013
14,155
2016
15,040
2017
16,018
2018 檜原 20,766 \/㎡
2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016
16,981
2019
17,358 0
5,000
10,000
15,000
[people] 20,000
現代の息苦しさ 私は現代社会に対して少々不満を持っている。 それらの多くは社会が孕む矛盾に大 きく関係している。 例を挙げると都市の公園は様々な制約を受け子供の遊び場とし ての役割を失ってしまっている。 「遊具なしの広場に球技禁止の看板」 これはまさに 都市における矛盾の現れであろう。 この矛盾は都市を構成する大人世代によって生 み出され、 世代の際となる幼年 / 老年世代にしわ寄せが及ぶ。 この矛盾に対して 一部を組み替えることで、 社会システムの派生的組み換えを呼び起こすことを目指 す。
物質思考による贋物化 戦後から高度経済成長期への復興は欧米の思想の流入と、 合理化社会によって 物質思考が優先となった。 それはわかりやすい幸福論であり、 物質つまり財産を持 つものが羨望の対象とされていた。 その象徴として東京は存在し、 各地方都市は 東京を理想郷として開発を行ってきた。 しかし、 それらの開発が生んだのは物質の 贋物化であった。 建築に限らず多くのものは効率重視の合理主義で作られ、 その 思考は社会全体を制限することとなった。 安全 ・ 効率 ・ 利潤が評価軸となり、 物 事の本質は靄の中に消えることとなった。
合理解
本質解
経済解 図1; 物事の一般解 合理解
Materia lism
本質解
経済解 図2; 物事の合理・経済解
木材の流通システム 従来の木材流通には市場を挟んでいたが、直送システムを構築する。 市場 運送費
山元
運送費
GENERAL SYSTEM DIRECT SYSTEM
製材工場
運送費
檜原村におけるバイオマス賦存量 檜原村には管理されていない森林資源として間伐材が大量に残っている。
炭素賦存量 Carbon [t/year]
1720.1 [t/year] 刈り捨て間伐材
檜原村における丸太の生産にかかる費用 檜原村の資源である丸太は採算性が悪く衰退してしまった。 [yen]
\4,880,000
補助金
\6,700,000
丸太売上
\15,365,000 生産コスト
\3,785,000 不足分
SYSTEM DESIGN システムとインフラから建築を考える
現代の社会に対しての不満を具現化するにあたり、 私はシステムを構 築することを提案する。 この場合のシステムは檜原村と晴海をつなぐ 木材の生産から加工 ・ 消費までの流れを作り出すことである。 木材 システムは土地への土着とともにインフラへと昇華する。 これは今後の 成熟社会においての建築設計および開発への指針となることを目指 す。
PRODUCING PROCESS 生産工程
これは森林で伐採された材を集材するシステムの提案である。 各所に点在する伐採現場と檜原中心市街をつなぎ、製材だけ でなく住民の生活基盤を創出するシステムとなる。
MANUFACTURING PROCESS 加工工程
集材された木材は大きさに応じて集成材・板材などに加工され る。製材所は部外からの観光資源として機能し、案内所の役 割も担う。また、村外からの行商の拠点となることで村民の生 活拠点ともなる。
SELLING & CONSUMPTION PROCESS 販売/消費工程
檜原村で加工された材は晴海のアンテナショップによって販売 される。アンテナショップは木工の作業場としてwood labとして街 に機能する。また、檜原の自然体験を行う場として都市の新し い公園を提案する。
PRODUCTS プロダクト
晴海のアンテナショップで消費された材から作られた規格材は DIYなどの個人利用を主とし、規格された材の組み合わせで家 具を生み出す。
FOREST
HOW TO CREATE SYSTEM 豊富な森林資源の中で主材だけでなく間伐材も考慮する。
HOUSE [MEETING PLACE]
COLLECT WOOD 2
中継所は各地区の会所としても機能する。
中継所と製材所をつなぐ長距離ケーブルはトラッキング客 のトイレ ・ フォリーとして用いられる。
TIMBER HOUSE [PEDDING]
ANTENNA SHOP [FAB LAB]
製材所は行商の拠点になり村民の生活インフラの要となる。
アンテナショップは晴海の住民の DIY の作業場として使 われる。
COLLECT WOOD 1
HOUSE [RELAY STATION]
急峻な森から麓への集材のために短距離ケーブルを用いる。
森林資源および村民の生活資材を輸送する中継拠点となる。
TIMBER HOUSE [SAWMILL]
TIMBER HOUSE [TOURIST INF.]
集材された丸太は板材や洗剤に加工され東京の木材需要 に応える。
製材所は檜原村を訪れる観光客の拠点となり村民と外来者 の交流を促す。
ANTENNA SHOP [EXPERIENCE] PRODUCTS
アンテナショップは檜原の資源である野性をはぐくむ 場でもある。
加工された材木はマンションの間取りを改変する仕掛 けをつくる。
KURAKAKE KURAKAKE 倉掛 倉掛
HITOZATO HITOZATO 倉掛 倉掛
ⅰ
伐採現場から山の麓まで短距離集材を行う
ⅱ
各地域で集材された木材は製材所まで長距離ケーブルによって集材される
ⅲ
製材所で製材された木材は東京全域に運搬される
PLOT OF SYSTEM システムの配置
FOREST RESOURSES
SHORT COLLECTING
RELAY STATION
LONG COLLECTING
森林資源
短距離集材
集材中継所
長距離集材
OKEZATO 桶里
OKEZATO 桶里
OZAWA 小沢
OZAWA 小沢
TIMBER HOUSE TIMBER HOUSE 製材所 製材所
NANNGOU 南郷
NANNGOU 南郷
RELAY STATION 集材中継所
空き家改修による中継所の提案 檜原村には全住宅数の約 2 割の 296 軒の 空き家が存在する。 それらは主に檜原主街 地区の本宿とは離れた移動困難地域に存 在する。 その空き家を集材の中継拠点とす ることで檜原全体に集材のシステム作りを行 う。 また、 集材ケーブルは村民の生活物 資の運搬にも利用され改修された中継拠点 は、 周辺住民の会所として利用される。
X1 X2 X3 X4 X5 X6 X7 Y1
910
910
910
910
X1 X2 X3 X4 X5 X6 X7
Y2
Y3
Y4
Y4
Y5
Y5
Y6
Y6
Y7
Y7
Y8
Y8
Y9
Y9
Y10
Y10
Y11
Y11
Y12
Y12
Y13
Y13
2nd FL
7450
6000
UNLOADING 2FL 3000
CONVEYOR EV
1FL 500 G.L 0 Y13
Y12
Y11
Y10
Y9
Y8
Y7
Y6
Y5
Y4
Y2
Y3
1st FL
REST
Y1
Y3
Y2
Y1
LONG COLLECTING 長距離集材
トレッキングのレストと集材 檜原を巡るトレッキングコースと 中継所から製材所をつなぐケー ブルの交差地点にはトレッキング 者用のトイレおよびレストスペース とすることで、 ケーブルがトレッキ ング者にとっての目印となる。 こ れは観光と村の生活の抽象的 なつながりを生み出す。
小型バイオマス発電機
ケーブルの動力には小型バイオマス発電機を用いる。 この発電機の燃料として、 製材所で出る端材や木粉 などを利用する。
9,000
6,000
TIMBER HOUSE 製材所
観光・生活支援エリア 小さなボリュームを積み重なることで観光 ・ 生 活支援の機能が積層的に絡まりあう。 これに より村民と観光客の交流が生まれる。 また、 小屋という単位は檜原の老人にとって愛着の ある形の一つである。
製材所からは北秋川 ・ 南秋川に沿って 集材および生活物資運搬のケーブルが 伸びる。 材木だけでなく生活物資を含 むことでインフラとしての要素が強くなる。 インフラ化されたシステムは檜原全体を 巡り、 村の象徴として意識される。 Collecting Cable
Glass & Flame
Facility model
製材エリア
Bolume model
観光の主資源である製材所は低層部に群と して配置する。 山間部からケーブル集材され た材は高低差に沿って低い方へ製材が進ん でいく。 観光 ・ 生活支援の棟とは上下の距 離を置くことで音環境の配慮を行う。
Sturcture model
その土地の生活が垣間見える観光拠点 地方によくある観光案内所はパンフレット配布所となっている。 この 観光拠点は製材という檜原の主産業を複合した建物であり、 村 民の生活資源の供給場所でもある。 これは観光資源に対して贋 物化することへのアンチテーゼである。 攻撃的な自然に囲まれ製材 の音が鳴り響く、 高齢の村民が行きかう檜原の風景を体験する場 所、 それが観光拠点となりうる。
+50000
12
+41300 11 10
+33300
9 +29300 8
+25300 6
7
+17300
4
3
+10300
2
+5300
1
+1300 FL 0 1. 2. 3. 4. 5. 6.
5
宿泊室 ロビー 待合室 フィットネス エレベータ ホワイエ
7. 8. 9. 10. 11. 12.
ホール インフォメーション PC室 ライブラリ ギャラリー レストラン
X1
X2
X3
X4
X5
X6
X7
X8
X9
X10
X11
観光案内所
行商
製材
檜原村は交通の不便さから現代に おいても行商の文化が残されている。 これは檜原村の村民にとって生活を 支える不可欠な要素である。 この生 活の基盤こそが観光資源となる。
林業は檜原村の主産業である。 林 業の中でも製材は重要な工程であ り、 製材された材は東京の木材需 要を支える。 檜原の職的基盤を観 光資源として製材工程の見学 ・ 体 験の場を作り出す。
素屋根から想起した外郭フレームの内部はスラブが重なったり突出した平面計 画により、 光が外郭から透過し、 上下のスラブのズレにより全体を明るく照らす。 また、 低層部には製材所が配置され、 観光 ・ 生活の場と製材の場の距離感 を縦の配置計画により保っている。 一つ一つのボリュームを抑えることで村民と 観光客にとって人間的なスケールを持ち、 交流の場としての側面を意識する。
Y9 4
Y8
4
3
3
Y7 Y6
14
4
4
15
16
Y5 Y4
15
Y3 Y2
4
4
Y1 X3
X4
X5
X6
X7
X8
X9
X10
X11
LEVEL +27000
X3
X4
X5
X6
X7
X8
X9
X10
X11
LEVEL +32000
Y12
10
Y11 1
1
6
6
Y10
6 Y9 4
Y8
6
3
4
3
Y7 Y6
5
8
7
4
Y5
4
2
Y4
4
4
Y3 Y2
9
4
4
Y1 X3
X4
X5
X6
X7
X8
X9
X10
X11
LEVEL +3000
X1
X2
X3
X4
X5
X6
X7
X8
X9
X10
X11
LEVEL +8000
4
7. 8. 9. 10. 11. 12.
搬入路 アプローチ 階段 E.V 浴場 製材
13. 14. 15. 16. 17. 18.
ラウンジ ギャラリー 事務 トラック搬入 行商 待合
ホール 発送所 インフォメーション PC 図書 レストラン
4
3
5,0004,000
1. 2. 3. 4. 5. 6.
3
Y9 Y8 Y7
4
Y6
4
Y5 18
Y4 5,000 4,000
17 4
Y3 Y2 Y1
X3
X4
X5
X6
X7
X8
X9
X10
8,000 X3
X11
LEVEL +38000
4,000 X4 X5
X6
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X8
X9
5,000 X10
X11
LEVEL +43000
Y12
Y11 1
4
4
3
11
11
3
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4
5,0004,000
10,000
6
Y10
Y9 Y8 Y7 Y6
4
Y5 13
Y4 5,000 4,000
4
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4
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4
Y3 Y2 Y1
X1
X2
X3
X4
X5
X6
X7
X8
X9
X10
X11
LEVEL +14000
5,000 X1
9,000 X2
8,000 X3
4,000 X4 X5
X6
X7
X8
X9
5,000 X10
X11
LEVEL +20000
その土地の生活が垣間見えるアンテナショップ 都内に数多くあるアンテナショップはただのブランド ショップと化している。 このアンテナショップは檜原 の特産である木材を販売するだけでなく加工作業 までを可能とすることで、 檜原村の木工体験を晴 海の住民へと通信する場である。 晴海という制約 の多い場に檜原の自由度を有した空間が高層マ ンションの住人にとっての木工所となる。
晴海
Z5 20,000
2
Z4 13,000 1
Z3 5,000 Z2 4,000
Z1 0
2
1
3
3
SELLING
管理された温室空間で木材は販売される
木工用具の販売所として木材関連の多くに携わる
CONSUMPTION
箱空間では木材の加工 ・ 塗装 ・ 組み立て が行われる
3D プリンターを利用することで多様な木工を支える
1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 4
5
5
6
7
7
8
8
9
9
自然のホーン PCのホーン 木工作業所 インフォメーション 3Dプリンター 塗装所 木材販売所 エントランス 庭
木材加工を行う場を矩形のボリュームで囲 み、 さらに外周をガラスのウォールで囲むこと で半外部空間を作り出す。 この温室上の空 間は木材販売の場であり、 自然素材である 木材を保管する環境調整を行う。 さらに上 階には 3 つのホーンがあり、 ひとつはデジタル による木工作業の場として PC 室となる。 他 2
UP
UP
つは壁と天井がレイヤー状に剥けていくことで 自然と一体化するような体験を意識したホー ンである。 また、 全体を骨組みによる半外部 空間で囲むことで、 檜原村のもう 1 つの資源
UP
である自然の体験をレイヤー状に体験する。
UP
DN DN DN
UP
DN
UP
DN
X1
X2
X3
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X10
X1
X2
X3
X4
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X6
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X9
X
木材の搬入
木材の商談 木材の加工(切断・塗装)
Loading Selling
3D-printerによる木材加工 インフォメーション
自由に遊べる空間
Inf.
3D ?
UP
UP
自然を引き込んだ半外部空間
風景を望む半外部空間
DN
DN
PC作業ルーム
風景を望むための空間
UP
素人の手でマンションを変える
BY
均質化された高層マンションが立ち並ぶ晴海は人工物の塊である。 そこに野生 を孕んだ檜原のアンテナショップを建てることで晴海の住民にとって工房として機 能する。 その場で販売される木材を加工及び塗装 ・ 組み立てるという DIY のシ ステムを作ることで均質化したマンションを住み手が改変することを可能とし、 新 しい木材利用のライフスタイルを創出する。 DIY の仕方として、 規格化された 材の組み合わせによってプロダクトを作る方法と、 各サイズに合わせてカットから 行う方法を考える。 また、 3D プリンターなどの機器を手軽に利用できるファブラ ボの要素を複合することで、 より多面的な木材利用および DIY の創出が可能と なる。
INNER HOUSE PRODUCTS CABIN マンションを変える DIY の提案として家の中の家 (小 屋) を提案する。 マンションの間取りは経済性の面か らも大衆の認識面から考えてもLDKタイプが大半を占 めている。 このLDK住戸に入るスケールの小屋を規 格することで住民による自由な空間づくりを可能にす る。 これはつまり均質化され物質的価値を重視した 高層マンションを精神的な価値観で更新することであ る。
MAX 2,500mm
マンションの平均天井高2,500mmを最大高さとする。
t=20mm集成材の組み合わせによる建方 t=20mm
insert
CABIN & DIY/GOODS
DIY HANDMADE wall floor partition furniture
COLOR PALET TOMATO
SELECT YOUR PRODUCTS COLOR
HANDMADE OR
RED MAROON WINE BROWN
CHOCOLATE
1.必要な部材を1F木材販売コーナーにてご購入ください。 2.加工が必要な場合は同フロアの木材加工コーナーにて加工してください。 3.ご自身の希望の色をカラーパレットよりお選びください。 4.お選びいただいた色の塗料をお渡しいたしますので1F塗装室にて塗布してください。
3D MADE
※作業時には作業着または汚れてもよい服をご利用ください。
FLAME ORANGE CORAL YELLOW LEMON
LEMONGREEN GREEN
DARK GREEN TURQUOISE
VER. CHILD ROOM
AQUAMARINE
VER. READING ROOM w500/t20/h1400 w400/t20/h2300
BABY BLUE
w300/t20/h1800
w1800/t20/h2300 w400/t20/h1980
BLUE
w300/t20/h1600
COBALT NAVY INDIGO
w300/t20/h2000
w1800/t20/h1800
VIOLET
w500/t20/h1400
MAGENTA
w650/t20/h1400
FOLLY
小学年を対象とした小屋で、デスク ・ベッド・棚を取り付けた勉強型
CHILD
VER. ROFT
三面を本に囲まれたコンパクトな 書斎型
VER. ZASHIKI
READING w1100/t20/h2000
w500/t20/h1200
WHITE IVORY LINEN
w300/t20/h1800
BEIGE LIGHT CYAN w300/t20/h2000
PIGGY PINK MYRTLE
w300/t20/h2500
BISTRE
w300/t20/h2000
w1700/t20/h1900
CHARCOAL
w300/t20/h900
ROFT
ロフトとして縦の移動性を有したロフトと棚の混合型
w300/t20/h2200
応接室や個室として使える座敷型
ZASHIKI
LIVER SILVER GRAY BLACK
1. 2. 3. 4. 5.
1
COLLECTING WOOD
ケーブルによって木材と生活物資は輸送される
WOOD PROCESSING
集材された木材や生活物資が荷揚げ・荷下ろしされるシーン 製材と観光が複合され、製材業を見学するシーン 規格に製材された木材が檜原村から輸送されるシーン 檜原村を出発した木材たちが晴海のアンテナショップに到着するシーン アンテナショップで販売される木材が加工・消費されるシーン
LUMBER FACTORY GUID
2
製材現場を見学する
5
輸送された木材はDIYや雑貨の材料に用いられる
CARRYING OUT WOOD
3
製材された木材はトラックにより輸送される
CARRYING IN WOOD
4
輸送された木材の一部は晴海にある檜原アンテナショップに運ばれる
SYSTEM DESIGN ↓ LIFE STYLE DESIGN システムデザインはライフスタイルへと昇華する
檜原村の衰退に対して古来からの主産業である林業 に着目し、 これに観光というサブプログラムを関係付け ることで檜原村を活性化することを考えた。 さらに、 観 光客と村民の複合化によって檜原村を更新する。 檜 原村の更新によって生じた波はアンテナショップという形 で晴海に流れ、 人工島である晴海を改変する。 人工 島の晴海と体験・木材の場である檜原村アンテナショッ プは物質主義の塊である高層マンションに影響する。
共変関係 この提案は檜原村の再生ならびに、 晴海の住環境の向上を目的とはし ていない。 現代社会に対して反抗することで歪曲された価値観に疑問を 呈すことがこの提案の根幹にある。 現代の木材需要と利用は盲目的で あると感じ、 この木材システムの提案により距離を置きたい。 つまり、 巨 大建築の木造化や木質バイオマス発電は一種の流行の上にあり、 物 質社会の原理を含んでいる。 これに対し、 準構造として木材を利用す ることや DIY などの市民に対しての木材利用を提案する。 これは直接的 な木材システムではなく間接的であり、 檜原村と晴海の 2 地区はお互 いに独立した木材の提案となっている。 檜原と晴海はお互いに木材需 要を創出し、 徐々に木材の需要供給のシステムへと変わっていく。
観光拠点から働き口への転換
Craftworker
Receptionist
Cook
ただの観光拠点であった建物は檜原観光の定着とともに村民の働き口へと変わる。
街の木工所として定着
Dishes
Desk
Cabin 木材の加工場として販売だけを行っていたが木材の販売から加工・組み立てまでを行うことで街に定着する。
晴海のマンション
森林
同一フロアが積層され人工環境の塊であ る晴海のマンションを DIY による木材利用 で改変する。 完成品を買う手段から完成 までのプロセスも買う仕組みを生み出す。
プロダクト
晴海地区 これまで意識されていなかった住民の 個人単位の木材利用により、 均質化 された晴海地区を木材循環の消費者 として生活の木質化を生じる。 アンテナショップ
集材中継所
檜原ローカルエリア 集材および生活物資の運搬は定時を 知らせる目印となり、住民の集会のきっ かけを生む。 小地区のシンボルとして 周辺住民の持ち回りの菅理を行う。
THE LIFESTYLE OF EACH DISTRICT CHANGES 集材ケーブル
檜原地区
集材所
地形の急峻さや交通の不便さによって 衰退していた林業が活性化し、 檜原 村の特産として再発見される。 檜原 の主産業として職の創出と観光資源 の生成を両立する。
project G
05 COLOR MY TOWN FACE TO FENCE × OMIYA ILLUMINATION
大宮の街をみんなの色彩で彩る
page No:
92 - 119 HP URL COLOR MY TOWN 2015 http://www.sawadalab.se.shibaura-it.ac.jp/color_my_town/top.html
FACE TO FENCE 2007 - 2015 http://www.sawadalab.se.shibaura-it.ac.jp/FACE_TO_FENCE/
OMIYA ILLUMINATION 2006 - 2015 http://www.sawadalab.se.shibaura-it.ac.jp/omiya_illumi_hp/top.html
CONTACT 芝浦工業大学 システム理工学部 環境システム学科 澤田研究室
ADRESS
埼玉県さいたま市見沼区深作 307
主催 芝浦工業大学 システム理工学部 環境システム学科 澤田研究室
TEL
048-720-6219
FAX
048-687-5199
後援 「地 ( 知 ) の拠点整備事業」( 大学 COC 事業 ) まちづくりコラボレーション さいたまプロジェクト 芝浦工業大学「学生プロジェクト」
協力 小岩金網株式会社 さいたま市 見沼区 さいたま市立蓮沼小学校 生活協同組合 コープみらい 大宮アルディージャ公式サイト 一般財団法人 学生サポートセンター 大宮駅東口北部地区商店街サミットザ・しょうてん in 大宮 地域とつくる < 大宮東口商店街イルミネーションプロジェクト >
参加年度 2013 - 2016 2013 FACE TO FENCE 2014 ILLUMINATION 2015 FACE TO FENCE / ILLUMINATION ( COLOR MY TOWN ) 2016 COLOR MY TOWN
2013 / 2015 4 月~ 8 月
FACE TO FENCE 地域の中にある境界 (FENCE) の調和と融合を図る
「FACE TO FENCE」 プロジェクトは、 芝浦工業大学衣袋研究室の学生有志が 2005 年開催第 19 回環境デザインコンペティションにおいて最優秀賞を受賞した提案 の実現を目指した学生プロジェクトであり、 2007 年から現在まで大学事務局の支援 で継続中である。 普段街中にある様々な境界 (FENCE) に鎹となる子供たちの FENCE が掛けられることで人々が意識し、 その自意識を継続することで地域活性化 の原動力を生み出す。 具体的には大学周辺の地域の小学校と協力し、 子供の 自由な発想からメッシュのフェンスに絵を描いてもらう。 描かれたメッシュを学校や区 役所、 公園などの FENCE に取り付けを行う。 これらの工程を小学生、 保護者、 関係各位と共有して行うことで自分の街に愛着を持ってもらう。
第 19 回建築環境デザインコンペティション 「キャンパスにつくられる子どもスペース」 審査委員 仙田満
竹井秀雄
岡部憲明
中村光男
鎌田元康
大谷勉
小嶋一浩
最優秀賞「FACEE TO FENCE」 矢倉芳美 飯島貴広 江崎岳史
芝浦工業大学
寺島雅樹 本山浩子
第 19 回建築環境デザインコンペティション
現代社会の変化にともない、 大学の役割 や意味が変わりつつあり、 閉ざされた象牙の 塔から、 社会に開かれた大学がめざされる ようになってきている。 大学も地域コミュニティ の一員なのである。 また幼子を持つ教職員 も多くなり、 既婚者の学生も珍しくない。 安心して教育や研究、 勉学に励むことがで きるために、 子どものための施設がキャンパ スにつくられてもよいのではないだろうか。 欧 米諸国では、 そうした施設が増えつつある。 それはまた、 近隣社会に開かれ、 近所の 子どもたちも入れる施設である。 少子社会 を迎えつつある日本は、 幼児期からの子ど もの養育は重要な課題である。 いままでの 保育園、 幼稚園といった区分を超えて、 新たな 「子どもスペース」 を求めたい。 学 齢期前の子どもが、 どういう空間でどのよう に過ごせばよいか、 そのあるべき姿を考えて ほしい。 子どもが自由にのびのびと安全に 過ごせるスペースであるととともに、 大学の 専門に合わせて美術や音楽に馴染ませた り、 物語を聞かせたり、 算数などの知育を 子どもの成長に応じ特化して指導することな どもあってよい。 そして教育者を育てるための 大学付属幼稚園とは違い、 コミュニティに 根づいた施設でありたい。 また、 その 「子 どものスペース」 には、 子どもが健全に成 育するための環境条件が求められる。 自然 との触れ合いがあり、 使われる材料は環境 ホルモンなどとの関係を考えなくてはならな い。 さらに環境設備的にも次世代を担う子 どもたちに体感を通して教育するとともに、 地域コミュニティへ発信する次世代のエネル ギー活用やエコロジカルなあり方を積極的に 考えてほしい。 キャンパスはどこを想定しても よい。 郊外であっても、都心であってもよい。 大学の種類も自由に想定してよい。 自ら設 定した環境に相応しく、 次の時代を育てる 「キャンパスにつくられる子どもスペース」 の 提案を期待している。
最優秀賞「FACE TO FENCE」
半年を通じた工程 4 月~8月
4月.
ミーティングにより年度の対象地や方針の決定
埼玉県 さいたま 市 見沼区
見沼小学校 2013.07.06 見沼区役所
5月.
対象地の測定および調査
芝浦工業大学 大宮キャンパス
春岡小学校 2015.07.05
6月.
調査をもとに FENCE の制作作業
6月.
お絵かきイベントに必要な備品のメンテナンス
7月.
お絵かきイベント開催
7月.
お絵かき FENCE を各地に取り付け
1
7
受付 か ら それぞれの F E NC E の前へ
2
4
お絵かきイベント 見沼小学校 2013.07.06 / 春岡小学校 2015.07.05
プロジェクトの協力小学校では夏休み前の課題として 生徒に描きたい絵の下描きを用意してもらい、 当日 は体育館に用意された FENCE を 2 人で 1 枚づつ描 いてもらう。 当日は沢山の小学生と保護者、 学生、 先生などが世代という境界を越えた交流が生まれる。 描かれた FENCE 達は乾燥後、 学校の柵や区役所 などに取り付けられる。
STEP 1 > 2 > 3 > 4 > 5 > 6 > 7
5
7
完成 !
7
チョークで FENCE に下描き
7
FENCE に色を塗っていく
3
6
7
ほし い ペ ンキの色を取りに行く
7
集合 写 真 を撮って解散
7
7
後片付けは学生が
SETTING >>
プロジェクト説明の看板
生徒たちに
見沼区役所前には網状のベンチに
を取り付け FEN CE
安全のため取り付け金具をテープで留める
小学生と大学生が一緒に取り付け のつけ方をレクチャー FENCE
1. 小 学 校 や 公園の柵を子供たちの FENCE で彩る
2. 夜 に な る とライトアップ
3. 見沼区役所前の椅子型 FENCE
2014 / 2015 7 月~ 12 月
OMIYA ILLUMINATION 地域の人が能動的に参加するためのキッカケづくり
芝浦工業大学では 2003 年度より埼玉県さいたま市大宮駅東口商店街の活性化 研究を委託されており、 設計課題や講義の対象地として提案を行っている。 これら は実際に商店街関係者への発表の機会を設け、 地域研究を行ってきた。 これらの 経緯から 「OOMIYA ILLUMINATION」 プロジェクトは学生主体の、 住民が能動的 に参加できる地域プロジェクトとして 9 年間、 ストーリー性のある活動を行ってきた。 イルミネーションという比較的参加しやすい活動をキッカケにすることで、 商店街の意 識に地域という指標を作り出すことを第一目標とする。
ILL 01 東大宮サマーフェス 東大宮中央公園 2014.08.01
ILL 02 大宮駅東口商店街イルミネーション 大宮駅東口商店街 2014.12.12 / 2015.12.12
ILL 01 東大宮サマーフェス 東大宮中央公園 2014.08.01
東大宮の夏祭りとして 18 回目の「東大宮サマー フェス」においてイルミネーションの制作を行った。 ここでは、 学生の主体性向上のために有志に よるイルミネーションコンペを行い、 実現可能性 のある優れた提案として 「筒形イルミネーション」 を実際に作り出した。 これは筒状の外皮の中に ライトが包まれており、 外皮には子供たちの作 品や商店街の広告として街中に点在させる提 案である。 東大宮サマーフェスでは、 そのケー ススタディとして設置した。
1. 筒形イルミネーション設置風景
2. 筒形イルミネーション
3. 2014 年度イルミネーションの選出コンペ「筒形イルミネーション」
ILL 02 大宮駅東口商店街イルミネーション 大宮駅東口商店街 2014.12.12 / 2015.12.12
地域とつくるイルミネーションとして通年を通して 行っているプロジェクトである。 大宮商店街で は条例により看板の設置が禁止されているた め、 商店街の店舗はストリートへ向けてアピール できないという制限がかかっている。 これに対し て、 イルミネーションに看板としての役割を付加 し、ストリートへ店舗の表情が表出するイルミネー ションの提案を行う。 また、 商店街沿いの高 層ビル壁面をイルミネーションによって飾ることで 商店街の分岐点を明示する役割を持つ。
③
②
①
大宮駅 大宮東口商店街
↓ 店舗をストリートへ表出するイルミネーション
① ③
②
2015 / 2016 4 月~ 12 月
COLOR MY TOWN ワークショップから作られる街を彩るイルミネーション
「COLOR MY TOWN」 は 2015 年から始まった住民参加のワークショップなどの活動 から自分の街を彩る地域活動プロジェクトである。 2015 年まで行われていた 「FACE TO FENCE」、 「OMIYA ILLUMINATION」 の両プロジェクトを融合し、 より広範な地 域活動を目指している。 FENCE では子供たちとのワークショップという住民が能動的 に参加する部分を継承し、 それらの作品を ILLUMINATION として大宮周辺の地域 団体に飾り付けていく。
春野小学校(展示) 2015.11.28
東大宮中央公園 2016.08.05
カトリック緑幼稚園 2016.11.27
春野小学校 2016.12.12
2015 年度 COLOR MY TOWN プロジェクト
東大宮サマーフェスティバル
カトリック緑幼稚園 WS
はるのっ子広場 WS
2015 年度 COLOR MY TOWN プロジェクト 大宮フリーマーケット WS
コープ未来フェスタお絵かき WS
春野小学校お絵かき WS
2015.10.18
2015.11.03
2015.11.21
「COLOR MY TOWN」 発足に伴い、 2015 年度ではケーススタディとして 2 つの地域イベントに WS 教室として参 加し、 1 つの小学校に学生主体の WS を開催した。 これら 3 つの WS に おいて三角や星形の布地に着色し、 最終的に春野小学校の校舎全体に 散りばめたイルミネーションプロジェクト を執り行った。 お絵かきイベントの要 素を、 より広い世代の地域住民に 参加してもらうことを目指した。
東大宮サマーフェスティバル
東大宮中央公園 2016.08.05
昨年度のサマーフェスティバルで 「OMIYA ILLUMINATION」 プロジェクトの一環 として展示された筒形イルミネーションの提案をもとに、 より親しみを持ちやすいイ ルミネーションとして計画した。 その場で開かれている WS で彩られた布を三角屋 根の骨格に覆うことで現代の提灯のような夜景を生み出す。
カトリック緑幼稚園
カトリック緑幼稚園 2016.11.16
大宮に位置するカトリック緑幼稚園の子供たちとワークショップによって制作した布 幕をライトアップすることによって夜中の幼稚園の機能をイルミネーションによって価 値づける。 今までで一番幼い幼稚園児と共同ということで、 単純明快な絵や 手形を利用して幕をつくることに注意した。
はるのっ子広場
春野小学校 2016.12.11
昨年度に 「OMIYA ILLUMINATION」 プロジェクトとして開催された春野小学校 での WS の好評につき、 2 年連続で春野小学校での WS およびイルミネーション 展示を行った。 今回、 書道のように絵具で紙に文字を描き、 短冊のように垂ら すイルミネーションを行った。 冬の枯れ木に光と色とりどりの紙が垂れることで冬の 新たな憧憬を生み出した。
2013 ~ 2016
COLOR MY TOWN × FACE TO FENCE × OMIYA ILLUMINATION
3 つのプロジェクトは実践の学び舎として
3 つのプロジェクトは工学部的な観点から実際に作ることができるか、 作るためにはど こに問題があるかなどを意識することがあった。 フェンスを 1 つ取り付けるだけでも、 人が触った際の安全性の考慮から、 天候による腐食に気を付ける必要があった。 これらはワークショップという住民参加の中で生まれたアイディアを設計者が拾い集 め、正しい方向へ舵を取っていく 「調整者」 としての建築家の在り方を学ぶ場であっ た。 また、 地域を見る視点として都市や制度のウィークネスを見つけ、 建築的思考 によって改善する一連の手順は自らの設計課題に多大に影響を与えた。
O U TR O DU CTION
06
poetic experiment Concrete Poetry を用いた空間の創出の実験
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page No:
120 - 131
odd
「風変り」 な状況は人に違和感を与え、 思考を誘発する装置となる。 風変りさには コミカルな感覚があり笑みをほころばせる一方で、 こうなってはいけないという反面教 師的な面も持ち合わせている。 人工物に自然物を組み込むことで風変りさを生み出 した作品として Olafur Eliasson の “Riverbed” が挙げられる。 また、 人工 ・ 自然の対 立だけではなく、 歴史的事象と現代のギャップに対しても風変りさは見られるであろ う。 現代日本においてファンタジーの世界観とは主に中世ヨーロッパの街並みをさす 場合が多い。 この虚構性をいかにして現実の生活空間に持ち込むかを考えるための 実験的提案である。
“Riverbed” Olafur Eliasson
Louisiana Museum of Modern Art
オッドッド オッド
odd
生木 2017 live tree
άd
2017
つち = ground みず = water
みずみずみずみず みずみずみずみず みずみずみずみず みずみずみずみず みずみずみずみず みずみずみずみず みずみずみずみず みずみずみずみず みずみずみずみず みずみずみずみず
みずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみず
みずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみず みずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみずみず
つち つち つち つち つち つち つち つち つち つち つち つち つち つち つち つち つち つち みず みず みず みず みず みず みず みず みず みず みず みず みず みず みず みず みず みず みず みず みず みず みず みず みず つち つち つち つち つち つち つち つち つち つち つち つち つち つち つち つち つち つち みず みず みず みず みず みず みず みず みず みず みず みず みず みず みず みず みず みず みず みず みず みず みず みず みず
concrete poetry による風変りさの実現
1950 年代に北園克衛と新国誠一によって具体詩宣言がなされ、 日本においてもコ ンクリートポエトリーの基盤が作られた。 コンクリートポエトリーは文字の配置や変形に よってストーリーを想起させる。 ただの詩とは異なり、 形が媒介していることが視覚芸 術に拠っている部分である。 街中に生み出す 「風変りな風景」 を具体詩を用いて 変換することで、 実在させる方法を探ってみたい。
odd scene
CONVERT
concrete poetry
食 / 寝 / 書のポエトリー 生命活動を維持するのに絶対不可欠な 要素として食事が挙げられる。 平安時 代、 貴族の住居として寝殿造が確立し た。 それまで雑魚寝であった就寝形態を 定式化するための室礼が発生した。 室 町以降の武家が台頭した時代、 寝殿 造りに対して、 書院造が確立された。 書院造によって書斎という生活を豊かに するための余剰機能が住宅に考えられる ようになった。 これらの住むことの歴史か ら、 「食 / 寝 / 書」 という 3 つのエレメ ントから具体詩を考え、建築を構成する。
odd architecture
食事
食
寝殿
寝
書院
書 3 つのエレメント
element
convert
明 る い 食 卓、 良風が 吹き抜け
食 閉 寝 暗 書本
poetry
ふうけい
ふうけい
つう つ ふう
architecture
つう つ ふう
かる あかる つちつちつちつちつちつちつちつちつちつちつ ちつちつちつちつちつちつちつちつちつちつち つちつちつちつちつちつちつちつちつちつちつ ちつちつちつちつちつちつちつちつちつちつち
ひかりひか ひかりひか りひかりひ りひかりひ かりひかひ かりひかひ かりひかり かりひかり ひかりひか ひかりひか くらいくらいくらいくらいくらい くらいくらいくらいくらいくらい くらいくらいくらいくらいくらい くらいくらいくらいくらいくらい くらいくらいくらいくらいくらい
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北北北北北北北北北北 北北北北北北北北北北 北北北北北北北北北北 北北北北北北北北北北 北北北北北北北北北北 北北北北北北北北北北 北北北北北北北北北北
食
B
B’
寝 A
A’
書 plan 1:50
AA’ 1:100
BB’ 1:100
south elevation 1:100
虚構 ODD FANTASY 詩情景を具現化する
今回の実験において、 具体詩と空間の関係を考えるには、 テーマが重要であると 感じた。 今回のテーマは 「食・寝・書」 という日本の住居史を意識した詩的なテー マであったため、実際の空間への変換がうまく機能していない印象であった。 続くテー マとしては、 ピクチャーフレームや実際の建築空間をポエトリーに変換し、 そこから得 られる詩情を空間化することを考えたい。
O U T RO DU C T I O N P RO J E C T
FR MEYES P o r tfo lio Matsumura TKY VOL . 01 2013- 2017
Design
松村 拓哉
Edit
松村 拓哉
Published
2017.08
Printed
in Tokyo by ACCEA
© 2017 Takuya Matsumura, Tokyo. All rights reserved.
Takuya Matsumura’ s architectural genesis
Fr om E yes :/ / f r o me y e s/ フローミーズ