田所 佑哉|Yuya Tadokoro

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Architecture portfolio Yuya Tadokoro

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田所 佑哉

Yuya Tadokoro

Profile 1997.9 2016.3 2016.4 2020.3

高知県高知市百石町に生まれる  高知県立高知工業高校 建築学科 卒業  九州産業大学 工学部 建築学科 入学  同大学            卒業

Sell-PR

YUYA

自分は高校を含め7年間建築を学び、建築とはどのよ うに生まれるものなのか、建築はどういった立ち位置で あるべきなのか考え設計してきました。  建築は場を生み出し暮らしの背景となるものです。建 築が生まれることがどのような物語を継承していくのか といった物語を想像することが大切だと考えます。  そのようなことを考えて設計した作品を紹介します。

TADOKORO

PC skills

Award

Illustrator/Photoshop/Jw_cad/Vectorworks/AutoCAD SketchUp/SUpodium/LUMION

2015

Experience 2016  梓設計 九州支部 アルバイト 2017  SANAA オープンデスク アトリエ サンカクスケール アルバイト 2018  生物建築舎 オープンデスク リズムデザイン アルバイト

CID 第一回たまりコンペ 高知県建築コンペ

2019 2020

Contact

トニカ北九州建築展 2019 Design Review 2019

優秀賞 建築部会長賞 川島範久賞

一次選考通過

九州産業大学学内講評     金賞 / 工学部長賞

トニカ北九州建築展          荒木賞      SDL 卒業設計日本一決定戦        4 位 Design Review 2020

最終 5 選選出 /JIA 賞

オンライン卒制展

2 位 / 永山裕子賞

北海道組卒業設計新人戦合同講評会

優秀賞

telephone:080-6377-2320 Email:tyg0914@gmail.com Line:tyg0914


Index - 目次 Profile

- 建築作品 -

01

寄り土間のある暮らし

02

思い出と凹みのある家

03

ヨコミチ食堂

04

鹿児島を楽しむ家

05

便乗する建築

- 活動 -

06

ABC 建築道場

07

KASEI

08

殿


Architecture portfolio ďź‹ Yuya Tadokoro


Desingn Activity

日々を楽しむ家

住吉の長屋

寄り土間のある暮らし

思い出と凹みのある家

新旧の循環

道シェア

高校2年後期 2世帯住宅

学部1年前期 図面+模型

学部2年後期 設計課題

学部2年後期 設計課題

学部3年前期 グループ設計課題

学部3年前期 集合住宅

高知県建築コンペ 建築部会長賞

学内順位(1/98)

学内発表作品

学内発表作品

学内発表作品

コンペ「道」

ヨコミチ食堂

炭家

便乗する建築

ABC 建築道場

KASEI

殿

学部3年後期 ギャラリー

学部 4 年後期 住宅コンペ

学部4年通年 卒業設計

学部1年∼ 8 期生 代表

学部2年∼ 熊本震災ボランティア

学部2年∼ チーム

トニカ北九州建築展 2019 川島範久賞

鹿児島を楽しむ家

学内表彰作品 金賞受賞

Design Review 2019 一次選考通過

近代建築社卒業制作 2020 連載


01

寄り土間のある暮らし

学部 2 年後期 住宅設計課題

Wall House 敷地は福岡県アイランドシティ。 埋立地の新興住宅街のため画一的に区画割りのされた起伏のない土地である。 文脈の少ないこの地では新たな暮らしのあり方を考えることにした。 一般的には建築は水平で土地には起伏がある状態だが、本提案ではそれらを 反転させ、外部と内部が横断するような建築を目指した。 また、小学校から公園に向けての寄り土間を設ける事によって、家族の内庭 や子供部屋といった空間の読み替えが起こるような場とした。



0.0 課題概要: 「新興住宅街においての住宅の在り方を考える」

0.1 敷地:福岡県アイランドシティ

福岡での宅地の大きさは関東や関西の都心よりも比較的大きく「外」を意識 して設計された住宅が多い特徴があります。  本課題では、現在住んでいる「福岡」の環境や地域性を客観視し、その中核 として「外部空間」を意識して設計を行なってください。 「外」の中の「内」、 「内」の中の「外」 、「外」と「内」の並列な関係、想像力 を活かして新しい「外部を感じることの出来る家」を設計してください。

新興住宅街であるこの街では画一的な区画、建築が立ち並ぶ。文脈の薄いこの 土地では新しい生活の舞台がたつことが求められると感じ設計を行った。 対象敷地は小学校と公園の中央に位置する敷地である。

0.2 コンセプト

0.3 手法:ウチソトの混在するダブルスキンと起伏のある土間

外の時間の流れ

内の時間の流れ

水平な建築と起伏ある敷地

起伏ある建築と水平な敷地

目まぐるしく変化していく町の風景の中で、変化しないものは人間の本能的

ダブルスキンの壁面によって外部空  起伏のある外部と水平な建築という

なものだと感じ、室内での諸室は最低限にとどめ大きな居間空間を設けた。

間との距離を調節し、家族の時間の流 関係性を埋立地という水平な外部環境

環境の変化の中で日常の変化を見失わないよう、壁面により外部との距離間

れを守る中間的な居場所が生まれる。 を利用し外部と内部の関係性を反転さ

を調節し、家族内での時間の流れを感じるられるよう設計を行った。

せることで内外の環境が混在する。


西側立面図

北側立面図

A-A 断面図

3 1

8 5

(m)


30 10

80 50

(m)


A A

3 1

8 5

(m)


3 1

8 5

(m)


居間を中心に家族が集まる

子供部屋から居間を見る

曲面の壁はたまりをつくる

通り土間が通学路の延長となる


01

思い出と凹みのある家

学部 2 年後期 住宅設計課題(二世帯住宅)

Alcove House 在宅終末という考え方が見直されている現代。 二世帯住宅という課題から家族と住宅の関係性を考えたいと感じた。 おじいちゃん、おばあちゃんっ子だった私の生活は祖母の他界によって 激変した。実体験を元に設計した本課題は迷走したが、住宅とは暮らしの舞台であり 建築とは背景として支えていく存在を目指すべきなのだと感じた。



南側立面

外リビングから海を眺める

リビングの扉を開き内外が繋がる

親世帯の玄関からリビングを眺める


子供の成長を感じる窓辺空間

リビングに繋がる吹き抜け近くの勉強スペース

外部を切り取る fix 窓

軸線で親世帯と繋がる


0.0 課題概要: 「二世帯住宅の在り方を考える」

0.1 敷地:福岡県福岡市東区香住ヶ丘5丁目

そもそも二世帯住宅とはなんでしょうか?「祖父母世帯と一緒に暮らす住 宅」といえばその通りなのですが、それならば日本の家族は昔から親と暮らす のが一般的でした。  1970 年代に生まれたのが「二世帯住宅」という言葉です。一棟の住宅の中に、 玄関、バス・トイレ、キッチンがそれぞれ 2 つずつあるというものでした。た だ、その後二世帯住宅も多様化して、現在では大きく分けて、完全同居 / 分離 / 部分分離の 3 つのタイプに分けることができます。  親世帯、子世帯との距離感を考えながら、多様化した現代の二世帯住宅の在 り方を考えてみてください。

0.2 今求められる二世帯住宅 -2025 年問題 -

第一課題での敷地であったアイランドシティや、日の入りを眺めることができ る本敷地では変化していく日々の時間がより感じられると感じた。 優れた眺望を活かし設計を行っていく。

0.3 形態ダイアグラム

- 在宅終末という考え方 2025 年問題:団塊の世代が全員75歳以上の後期高齢者となり、医療と介護 の需要が大きくなる為、従来の病棟看護では対応していけない事態が起こり得 る。そんな中、在宅看護が見直されてきている。 そんな現代における在宅看護を支えるポケットのある住宅を提案する。

最大ボリュームを検討

眺望軸での分割

ポケットを生み出す

- 暮らしの背景となる建築 -

敷地からの眺望軸にボリュームの分割ラインを設定し、大きさやズレなどを調

土地 人 建築、それぞれの時間の流れを顕在化させることを目指す。

整しながら形態を作っていくことで、内外にポケットが生まれ、機能や暮らし

用途を規定しない余白空間(ポケット)を設けることで変化を顕在化させる。

を受け止め支える。在宅看護で必要な更衣室や仮眠室といった機能もこのポ ケットが受け止める。


N


1階平面図

A

A

2730 910

7280 4550

(mm)


2階平面図

2730 910

7280 4550

(mm)


西側立面図

東側立面図


05

01

02

06

00

00

07

03

04

00

ポケット

01

土間

02

玄関(親)

03

寝室(親)

04

LDK(共)

05

物干し場

06

通路

07

トイレ

00

A-A 断面図

西側立面図 2730 910

7280 4550

(mm)


03

ヨコミチ食堂

学部 3 年後期 ギャラリー設計

!"#$%&#!'%(!)#&*!&+(* 高知県には水切り瓦という風土的な建築の形がある。 水切り瓦は高知県の横降りの雨から壁面を守る瓦として発祥した建築様式である。 時代と共に、水切り瓦はその家の金銭的なステータスを現すものともなっていた。 そのような土地の環境と人の感情とが混在してきた建築の在り方を考えた作品である。



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N


3645mm

7280mm

A

1820mm

1820mm

1820mm

1820mm

1820mm

7280mm

1820mm

1820mm

1820mm

1820mm

7280mm

1820mm

4000mm

4000mm

14400mm

4000mm

2400mm

s=1/100 一階平面図 N

A


5738mm 3441mm 1872mm 450mm

s=1/100 北側立面図

A-A’断面図


2階から桜の木を眺める

道路に接する縁側空間

暖 が内部化する

桜を囲む共有のデッキ空間



04

炭家 - 揺らぐ境界 -

住宅設計コンペティション - 鹿児島を楽しむ家コンペ -

Charcoal House  降り積もる火山灰。鹿児島の環境特性を炭ブロックを活用した建築で考える。  鹿児島県鹿児島市、桜島が近くに在るこの街は年間 1700 回灰の降る日常が 存在する。降り積もった灰は埋立地へと処分され消えていく。灰を処分するの ではなく利用することで、地方(鹿児島)の環境を楽しむ建築の提案である。



0.0 課題概要: 「鹿児島を楽しむための家」

近年、 「スローライフ」や「エコロジー」など、経済発展重視とは異なった価値観 が浸透しています。この様な状況の中で、 「地方で暮らす」ということは、これまで とは少し異なり、地方を積極的に楽しむ生活を意味して行くと思います。しかし、日 本の住宅地はどこも同じ様な風景が見られ、現代の住宅に地域性は少なく、地域に対 する帰属性や愛着を稀薄にすると思われます。そこで地方を楽しむための家を、今一 度住宅を考えてみて下さい。地方の固有性や特性、都市とは異なったコミュニティや 文化、或いは住宅と自然によって作られる地方の風景など、地方をアドバンテージと し、人生を豊かにする積極的な環境として捉えた提案を求めます。敷地は鹿児島県内。 各自で設定し、 「地方(鹿児島)を楽しむための住宅」を考え、提案して下さい。



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05

便乗する建築

TOGETHER ARCHITECTURE 土地に根付く伝統産業の新しい在り方の提案。 和紙産業の作業工程を分解し、工程内にある機能を地域の新しい暮らしの資源 として読み替えていく事で産業と暮らしの新たな関係性を生み出す。

学部 4 年通年 卒業設計



00. 設計背景

01. 紙の町 - いの町 -

- 都市の更新 失われる町らしさ -

敷地は高知県いの町です。

近代以降の暮らしは都市部を中心に経済発展重視の暮らしへと変化してきました。「スローライフ」や

高温多雨な気候と共に水質豊かな仁淀川を有する本敷地は紙の生産に適した環境です。

「エコロジー」といった経済発展重視とは異なる価値観が見直されている現代において、都市の圧力(経

上流では紙の原料となる(楮・三俣)が山間部の斜面地を活かし全国一の生産量で育てられ、中流では

済性・合理性・利便性)から生まれる町ではなく、土地本来の環境や暮らしが建築を介し町に現れる風

仁淀川の水を水運や原料として利用し紙を漉きます。

景を目指します。

この街は土地の環境をうまく活用した人の活動がよく見える土地です。 土地から生まれる建築

都市の圧力から生まれる建築

04. 機能分解 全国にはその土地固有の環境が生んだ暮らしや文化があります。それらはその

本提案で取り上げる和紙産業も都市の圧力により産

家族経営に閉じた地域産業の工程を経営工程としても成り立つ

土地固有の風景を生みだし。人々はそれを継承してきました。現在、それらの

業が家族経営になっており、風景に対しても閉じる

よう2拠点に分離し閉じていた産業を街に開いていく。

風景や伝統産業は都市の圧力の中で減少しています。

傾向にある。

家族経営により閉じこもる産業 家族経営により閉じこもる産業 産業衰退が地域固有の風景を失っていく

和紙産業も衰退の傾向にある

閉じた工程を分離させる


02. 和紙産業の衰退

03. 土地から生まれる活動 × 暮らし

- 衰退に伴う風景の縮小 -

- 環境に対する人の活動が風景を生み出す -

かつて和紙産業は和紙の原料を作る上流部、和紙を漉く中流、土地の環境と呼応しながら流域に沿っ

地方の暮らしは、都市の圧力(経済性・合理性・利便性)を常に受け続ける。

て風景を構築していた。しかし、ペーパレス化に伴い和紙産業は衰退し流域に沿っていた風景も産業の

風景は、土地の環境とそれらを住みこなす人の活動で生まれる。本提案では、土地の環境から生まれた

衰退と共に家族経営の規模に縮小し産業が閉じてしまった。

活動である和紙産業に対し、土地を住みこなす人の暮らしが介入する余白を設け、経済発展重視とは異

土地本来の活動が閉じてしまうことは町らしさを失う事に直結する。

なる土地から生まれる風景を構築する。

( 百万円 )

(社 )

周囲の環境を遮断

1400

4,500 4,000

1200

3,500

100

3,000 2,500

80

2,000

60

1,500 1,000

20

500

環境

土地性の希薄化

= 環境 / 暮らし / 風景 / 記憶

40

98

99

00

01

02

03

04

05

手すき和紙の出荷額と事業者数の推移

06

07

08

事業者数

09

10

11

12

暮らし

機能

余白

環境 環境を住みこなし人によって風景が生まれる

(年 ) 13

経済発展型

本提案

出荷額

分離した工程に特化した建築を意匠的視点で建築化していく。 建築に暮らしが介入することで土地から生まれた活動と暮らしの混在 する風景が生まれる

siteA

暮らし

siteA

産業や暮らし、建築の更新と共に風景は成長を続ける

暮らし

暮らし 暮らし siteB

暮らし

siteA

siteB

風景に溶け込ませながら建築化を行う

暮らし

機能

小規模に閉じる土地から生まれた活動

0

0

暮らし

周囲の環境を受け止める

分離した工程と重なり合う暮らしの工程が建築に介入する

成長する固有の風景を生み出す

siteB


05. 作業工程 楮を育てる

1

楮蒸しと皮剥ぎ

楮を育てる

楮を蒸す

2

黒皮を剥ぐ

3

黒皮を干す

4

黒皮を晒す

5

6

黒皮を剥ぎ取る

11 月∼1 月にかけて楮は収穫さ

刈り取りから 1 週間以内に蒸す

蒸し終えるとすぐに冷水をかけ

しっかりと乾燥させる。

外皮を取りやすくする為、水に

ナイフで下(もと)から「うれ」

れる。楮は 2 年生以上のものを

工程を行う。蒸し時間は 3∼4

皮を伸縮させる。幹から外皮を

1 年分の楮をここで生産し箱詰

数時間から 1 日晒し柔らかくす

に向かって青皮を丁寧に削り落

使うと硬く、傷節が多くなるた

時間程で、楮を蒸すと同時に芋

剥ぎ取る。外皮を剥ぎ取った幹

めし保管する。水分の残らない

る。皮を水中で踏みつけ繊維を

とす。芽や枝の跡、傷となった

め1年生のものを扱う。

を入れ蒸し芋を作ることもあ

は蒸す工程での薪となる。

よう注意する。全体工程として

痛めないよう黒皮を除去する。

所をすべて取り除く。

落葉した後 4 尺(1.2m)に切

る。人手がいる事もあり、楮蒸

下(もと)から「うれ」に向かっ

はここで大きく2分することが

皮は(靭皮部)は黒皮 / 青皮 /

出来上がった白皮は、乾燥して

しは年に 1 度の地域イベントに

て一気に剥がす。剥がされた黒

出来る。黒皮のまま保管し必要

白皮の三層構造であり、上質紙

次の次に使うまで冷暗所で保管

なっている。

皮は一握りに束ね乾燥させる。

な分量だけ使っていく。

になるほど白皮のみを利用する。

して置きます。

えられ束にして蒸す工程の

為に保管される。

06. 流域連関図 卒業証書に利用 小学校 柿の木

住民 山

おばあちゃん

畑 遊び場にする

干し柿を作る

加工販売

子供

和紙工場

干し野菜を作る

洗濯物を干す

紙製造者

蒸し芋を作る 道具を保管する

林業者

siteA

林業の片手間に作業する

農具を保管

幹 楮(黒皮)

楮畑

おじいちゃん

休耕地化した棚田 楮(黒皮) 楮を育てる

蒸す

剥ぐ

干す

楮(黒皮)

田んぼ

出荷 楮(黒皮)


原料をつくる

7

煮熟する

8

紙を漉く

白皮を晒す

9

塵を取る

10

打解する

紙を漉く

11

圧搾する

12

13

板張り乾燥

保管してあった楮を煮熟前に一

煮熟後は灰汁が出る為、楮を一

楮の場合、機械で行う事が難し

塵取り後、原料は打解されます。

紙の漉き方は「流し漉き」 「溜

湿った紙を重ねて出来た紙床

圧搾を終えた紙は 1 枚ずつ干し

昼夜流水にさらし繊維を柔らか

昼夜放置し蒸らした後流水の中

い為すべて手作業で行います。

打解は叩き棒で石板か堅木の板

め漉き」の2種類があり、流し

(しと)を一晩そのまま水分を

板に貼り付け天日乾燥します。

くしてから煮熟を行う。

に浸し灰汁抜きを行います。

水中にカゴを入れその中に適量

の上で丁寧に叩き束になってい

好きでは紙床板に何層も紙を積

落とした後さらに水分を取る為

強制的に乾燥させる方法もあり

原料に対して約 10 倍の水を使

川の浅瀬を石で囲い、川の中に

の楮を入れます。傷や芽、炊き

る繊維を一本ずつ解いていきま

み重ね製作します。溜め好きで

板で挟み込み圧搾機で重力を加

ますが、起毛が起こりやすく過

用し者熟する。

白皮を並べて水で自然に白くな

むらなどをこの作業で除去して

す。現在では工程が機械化され

は「卒業証書」や「はがき」な

えていきます。徐々に力を強く

乾燥なる欠点があります。こう

2 時間程度者熟を行い、細い繊

るよう晒していきます。(川ざ

いきます。繊維が離解しないよ

動力臼やビーターなどが主流と

どが製作されます。地域によっ

していき 6 時間余りかけて圧搾

して作られた紙は素材を楽しみ

維が解けるような状態にする。

らし)という。

う丁寧に行っていきます。

なっています。

て漉き方にも違いがあります。

していきます。

様々な用途で利用されます。

販売 田んぼ

和紙工房 訪れる(知る)

訪れる(知る)

沈下橋

第3加工 販売

訪れる(知る)

子供

住民

休憩場所に 農業者

スイカを冷やす

おじいちゃん

物をしまう 誰かに会いに来る

乾燥野菜 おばあちゃん 利用

siteB

利用

観光客

水遊び

住民

護床ブロック

水辺

販売 晒す

剥ぐ

煮る

晒す

ちりとり

打解

漉く

圧搾

乾燥


07. 設計手法 - 経済発展重視とは異なる風景を構築する -

- 小屋の可能性 -

これからの地方の風景は外部からかかる都市の圧力(経済性・合理性・利便性)から生まれるのではなく、

土地の環境や暮らしが混在する為には周囲の環境が入り込んでくる建築が求められます。

土地の暮らしや活動といった人の活動が作り出していくべきです。

小屋は、用途を決め切らない余白空間であり、更新可能な構造体です。使い手の暮らしや周囲の環境が 介入しやすく建築に対し情報が現れてきます。

小屋は周囲の環境や使い手の暮らしが現れる建築である。

08. 小屋サーベイ 軒下の拡張空間は建築自体の形を変えていく。

屋根をつなぐ屋根に洗濯物が干される

簡易的な素材で建築を構成していく

基礎の余白に生活が滲み出し暮らしを彩る

用途を決めない空間は使い手の個性が現れる

使われなくなった養鶏場の余白

壁面から小さな建築が拡張する

屋根を伸ばし拡張しながらスケールを身体的にする

余白部分を作り出していく

簡易的な構造、薪が壁面となる

大石の上に生活が拡張していく

物干し場であり見晴らし台

物干し台であり、展望台のような気持ちの良い空間

屋根下に

橋の下に居場所を生み出にしていく

基礎に屋根をかける事で居場所に変わる

使い手の個性が現れる

れる物、物が建築のような壁面になる

壁面に余白が生み出される

船小屋、使い手による形の生まれ方

はみ出すための構造が余白を生み出す

小屋がスケールを落とし猫が寝転ぶ余白

構造体から余白を生み出していく

スケールを落としながら構造体を使いこなす

基礎だけの余白空間が自然の介入を起こす

使い方が建築化している状態

構造体に対して素材を貼り付けていく

スケールの落とし方、居場所の多様化

鶏小屋の出窓、機能に対して生まれた余白

骨格の余白に自然が絡みつく

建築の介入で場所は変わる

構造体の使いこなし居場所を見出す

骨格の余白に自然が絡みついていく

スケールを落とす環境にはみ出した小屋

コンクリート壁の読み替え、干し場所に

階段上下に暮らしの拡張

軒下の拡張空間は建築自体の形を変えていく。

屋根をつなぐ屋根に洗濯物が干される

簡易的な素材で建築を構成していく

基礎の余白に生活が滲み出し暮らしを彩る

用途を決めない空間は使い手の個性が現れる

使われなくなった養鶏場の余白

壁面から小さな建築が拡張する

屋根を伸ばし拡張しながらスケールを身体的にする

余白部分を作り出していく

簡易的な構造、薪が壁面となる

大石の上に生活が拡張していく

物干し場であり見晴らし台

物干し台であり、展望台のような気持ちの良い空間

屋根下に

基礎に屋根をか

使い手の個性が現れる

れる物、物が建築のような壁面になる

船小屋、使い手による形の生まれ方


- 小屋の要素からなる建築「からっぽな構造」-

- 用途を決めきらない余白空間 -

小屋の持つ「余白」と「構造」の要素が周囲の環境を取り込み風景を構築して行くと考えます。

土間や縁側など日本は古来から、曖昧な空間を大切にしてきました。このような空間は日本人にとっ

「余白」と「構造」の要素を持つ建築を「からっぽな構造」と定義し提案を行います。

て強く根付く建築空間であり、用途から生まれる建築空間にはない、建築の寛容さが生まれています。

からっぽな構造は周囲の環境や暮らしを受け入れます。

本設計では「からっぽな構造」を作る3条件を定義し地形に屋根をかける最小の操作で空間を構築します。 周囲の環境

「余白」 周囲の環境が入り込む

余白

「構造」  変化に対応していく骨格

小屋

+

構造

暮らし からっぽな構造

-土地の活動や暮らしが混在するには?-

siteA

siteB

❶ 自然と人工物の間のような建築であること (建築が環境と人が混在する中立な立場になるため) ❷ 居場所を多様にすること (周囲の環境をより取り込むため) ❸ 建築と家具の間のような構造であること (使い手による建築の更新を促すため)

構造体に暮らしや環境が介入する

橋の下に居場所を生み出にしていく

かける事で居場所に変わる

壁面に余白が生み出される

はみ出すための構造が余白を生み出す

小屋がスケールを落とし猫が寝転ぶ余白

構造体から余白を生み出していく

スケールを落としながら構造体を使いこなす

基礎だけの余白空間が自然の介入を起こす

使い方が建築化している状態

構造体に対して素材を貼り付けていく

スケールの落とし方、居場所の多様化

鶏小屋の出窓、機能に対して生まれた余白

骨格の余白に自然が絡みつく

建築の介入で場所は変わる

構造体の使いこなし居場所を見出す

基礎に暮らしや環境が介入する

骨格の余白に自然が絡みついていく

スケールを落とす環境にはみ出した小屋

コンクリート壁の読み替え、干し場所に

階段上下に暮らしの拡張

軒下の拡張空間は建築自体の形を変えていく。

屋根をつなぐ屋根に洗濯物が干される

簡易的な素材で建築を構成していく

基礎の余白に生活が滲み出し暮らしを彩る

用途を決めない空間は使い手の個性が現れる

使われなくなった養鶏場の余白

壁面から小さな建築が拡張する

屋根を伸ばし拡張しながらスケールを身体的にする

余白部分を作り出していく

簡易的な構造、薪が壁面となる

大石の上に生活が拡張していく

物干し場であり見晴らし台

物干し台であり、展望台のような気持ちの良い空間

屋根下に

橋の下に居場所を生み出にしていく

基礎に屋根をかける事で居場所に変わる

使い手の個性が現れる

れる物、物が建築のような壁面になる

壁面に余白が生み出される

船小屋、使い手による形の生まれ方

はみ出すための構造が余白を生み出す

小屋がスケールを落とし猫が寝転ぶ余白

構造体から余白を生み出していく

スケールを落としながら構造体を使いこなす

基礎だけの余白空間が自然の介入を起こす

使い方が建築化している状態

構造体に対して素材を貼り付けていく

スケールの落とし方、居場所の多様化

鶏小屋の出窓、機能に対して生まれた余白

骨格の余白に自然が絡みつく

建築の介入で場所は変わる

構造体の使いこなし居場所を見出す

骨格の余白に自然が絡みついていく

スケールを落とす環境にはみ出した小屋

コンクリート壁の読み替え、干し場所に

階段上下に暮らしの拡張


09. 対象敷地 -2 拠点の余白 -

A

B

1 km

2 拠点の位置関係


siteA 航空写真

siteB 航空写真


10. 提案 配置図兼屋根伏せ図 -siteA-

5 0

(m) 15

30

N


配置図兼屋根伏せ図 -siteB-

5 0

(m) 15

30

N


1階平面図 -siteA-

楮畑 1820

1820

910

1820

1820

1820

28210

1820

8190

2730

910

2730

1820

C

+3200

野菜洗い場 楮畑

5240

B 黒楮保管場所

楮蒸し場 楮搬入口

A 駐車場

A

18600

WC

楮搬出口

共有キッチン

C

+400

地域の畑

7900

+1200

5460

皮剥場

B

±0

柿の木

−1200

N


2 階平面図 -siteA-

楮畑 1820

1820

910

1820

1820

1820

28210

1820

8190

2730

910

2730

1820

C

+3200

野菜洗い場 楮畑 B

5240

+2200

楮干し場

楮蒸し場 +2400

楮搬入口

A 駐車場

楮搬出口

楮干し場

18600

A

+400

C

+2000

地域の畑

7900

+1200

5460

皮剥場

B

±0

柿の木

−1200

N


アクソメ図 / 立面図 / 断面図 -siteA-

2520

+3400

+2400

2800

+1200

±0 -1200

東側立面図

2520

+3400

+2400

楮干し場

楮干し場 WC

皮剥場

±0

1600

+1200

楮搬入口

楮保管場所

楮搬出口

A-A 断面図

2520

2790

+2400

+2400

+2000

+1200 2800

2800

±0 -1200

南側立面図

北側立面図

2260

1820

+2400

2800

2800

+1200

+2400

+2000

±0 -1200

アクソメ図

B-B 断面図

C-C 断面図


作業工程に便乗する暮らし -siteA-

休耕地化した棚田に屋根をかけ作業工程に便乗する風景を生み出す

楮を育てる作業工程に畑作業が便乗する

皮剥の作業工程で生まれた板敷きに便乗する

干す作業工程に便乗する

楮蒸しの作業工程に便乗する


B

黒楮搬入口

C

1 階平面図 -siteB-

干し場

±0 圧搾場所

道具保管場所

WC

紙漉き場 8425

塵取り場

黒楮保管場所

−3000

+600

+2000

12800

−3000

+150

干し場

干し場

干し場 4375

C

±0

1820

1820

B

板張り乾燥場

6370

25480

7280

2730

5460

晒し場

A

煮熟場

干し場

A

±0

干し場

N


アクソメ図 / 立面図 / 断面図 -siteB-

3770 5140 1370

西側立面図

黒楮保管場所

+2000

WC 道具保管場所

煮熟場

1720

圧搾場所 +600

+150

±0

5370 3650

−3000

A-A 断面図

5140

5140 3790

3770

1350

1370

北側立面図

南側立面図

2675 2525

3800 3200

B-B 断面図

150

600

アクソメ図

C-C 断面図


作業工程に便乗する暮らし -siteB-

土木補強した河川に屋根をかけ作業工程に便乗する風景を生み出す

板張り乾燥の作業工程に便乗する

白楮干しの作業工程に便乗する

煮熟の作業工程に便乗し料理を振る舞う

川晒しの作業工程に便乗し親水空間が生まれる



模型写真

- 部分詳細 1/1, 提案模型 1/30, 敷地模型 1/300-



siteA( 上流 )


siteB( 中流 )




06

ABC 建築道場

学部 1 年∼

Architecture Activity ABC 建築道場は、福岡 横浜を拠点に活躍される建築家であり、九州産業大学教授の矢作昌生先生を師範 に建築と本気で向き合う道場として活躍しています。活動内容として、毎週テーマに沿った作品を持ち 寄りプレゼンテーション、討論を行い、全員参加の投票で1位を決める「しゅうまい」。建築家、デザイ ナーの方をお呼びして講演会を行っていただく「九産大建築レクチャーシリーズ」の企画・運営。他に も国内外のワークショップへの参加、講演会やコンペ、展示会等、ものづくりを中心に活動しています。 自分は8期生代表として、矢作師範と共に「当たり前のことを馬鹿にせずちゃんとやる。」学生生活を送っ てきた。

A B C


あたりまえのことを ばかにせず ちゃんとやる。


し ゅ う ま い

- 繋げる -

-壁-

- 広がり -

- グラデーション -


- ずれ -

- 巻く -

- 展開 -

- 抑揚 -

- 流動 -

- 散策 -


レ ク チ ャ ー シ リ ー ズ

2018.11.17 (Sat)



道 場 の 展


設 計 競 技

ワ ー ク シ ョ ッ プ

ダンボール椅子ワークショップ 小学生と一緒に構造を考えながらダンボールという方向いよって強度が違う材料で椅子を製作する

設計競技 参加したコンペティションは以下の通り トニカ北九州建築展 2018/2019  Design Review 2019 鹿児島を楽しむ家 歴史的空間再編コンペ 生き物ようなガラス 街を楽しむストリートファニチャー 道コンペ 「2」コンペ JIA 東海支部コンペ JIA 小さくて大きな都市計画

山大学との交流 矢作師範が過去に勤務していたご縁で ABC 建築道場では、 山大学との交流を毎年行っている。 国外の大学生との交流は刺激的な経験となった。


07

KASEI

学部 2 年∼

Architecture volunteer KASEI プロジェクト(Kyushu Architecture Student Supporters for Environmental Improvement project)は、熊本地震の被災地に建設された仮設住宅地の環境改善活動を行い、居住者に安らぎのある 住環境と、それら一連の活動を通じて豊かなコミュニティを築くことに「加勢(かせい)すること」を 目標とした活動。「ものづくり」と「ことづくり」の両面の環境改善支援を同時に実施している。



Photo gallery

先輩方が設計された「みんなの家」

「みんなの家」完成式の様子

仮設団地にあるメッセージ

組手什でそうめん流しを作る

仮設団地の方とのそうめん流しの様子

組手什を使った靴箱も設計し、組み立てた。


仮設団地にたくさん寄付された花

手 を設計し、組み立てを行った

仮設団地立退きに対し、アルバムワークショップを行なった。

仮設団地の住みこなしの様子

花の自重でグラつきのない手 になる

各担当団地のドローイングを行い記録した。


06

殿 -sinngari-

学部 2 年∼

Architecture Team 共に建築を学んできた仲間である。 2年次の住宅設計課題からチームは結成され、店舗の改修、卒業設計を共にしてきた。 卒業後はそれぞれの道に進み離れてしまうがチームとして今後も支え合っていけるような関係性を願う。


アリー / チー / シゲ / おにちゃん / なーさん / ピンク / ジョージ


ある日、チームの一人が仕事を持ってきました。サラダ屋さん「pco salads」の店舗設計、施工のお仕事です。 殿では、店舗の閉まっている間もお店の宣伝にしようと大きなカブをヒントにインスタ映えするシャッターデザインを行いました。 加えて店舗が敷地からセットバックしていたので、足元を明るくし店舗として目立つよう工夫しました。限られた予算、時間の中で行なった経験は今後必ず活きてくると思います。


作業風景

ガラス上部を黒板とし、メニュー等を書くスペースにした

大きなカブを再現

看板も作成した



Thank you for reading

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