YUSUKE KONNO Architecture portfolio 2018

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KON N O YUSUK E

PO RTFOLIO S H I B A U R A INS TITUTE O F TECHNOLO GY


KON N O YUSUK E

PORTFOLIO S H I B A U R A I NS TITUTE O F TECHNOLO GY

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KONNO YUSUKE / 紺野 雄輔

所属 芝浦工業大学大学院 理工学研究科 修士 2 年(2019 年 3 月卒) 建設工学専攻 原田真宏研究室

大学での活 動 内 容 学部 3 年時 ・構造実験のゼミに参加し、試料作製から破壊試験の結果をまとめた ・建築史研究のゼミに所属、知恩院について調査・プレゼンを行う 学部 4 年時 ・原田真宏研究室に所属、造形ゼミを行い、既存の形式を考え直すこと の大切さに気付く ・卒業制作では自分の出身地である陸前高田市において、地域ネットワ ークを活用した土地と人との再接続を提案する ・学生プロジェクトを立ち上げ、資金の確保や全体計画の作成を行う 修士 1 年時 ・建築計画の講義にて、先人の知恵を建築設計に取り入れている事例に ついて調査し、プレゼンを行う ・学生プロジェクト実行のため、企画書作成や設計・施工を行う ・芝浦祭にて実施コンペに参加し、実作を自主施工する ・研究室 M1 生で取り組んだ大東建託コンペ : 指定校部門で優秀賞となる

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賞歴

コンペティ シ ョ ン

芝浦工業大学学生プロジェクト 2017 年度新規採択 2017/05 日本財団 Gakuvo Style Fund 採択 2017/08 芝浦祭会場構成コンペティション最優秀賞 受賞 2017/11 Barrierless City Award & Competition 2017 実作部門 入賞 2018/01 大東建託 賃貸住宅コンペ 指名大学部門 優秀賞 2018/03 2017 年度 芝浦学生プロジェクト 最優秀賞 2018/05

学部 3 年時 芝浦工業大学デザインチャンピオンシップ 2015 「商店街を繋ぐだんだん棚」 第一回 WoodFriends 住宅設計学生アイディアコンペ 「素がある住宅」

掲載紙 ・岩手日報掲載 ・住宅新報掲載 ・J-WAVE Jam The World 出演

学校課題製作 学部 1 年時 ・国立西洋美術館 表現模型作成 学部 2 年時 ・設計課題 中庭を愉しむ住宅 ・設計課題 既存樹を活かした住宅 ・建築学科夏季ゼミナール 竹ひごで作る 1 畳の茶室 学部 3 年時 ・設計演習Ⅰ 江東区立臨海小学校 ・設計演習Ⅱ 佃島集合住宅 ・設計演習Ⅲ 江東区立深川図書館 ・設計演習Ⅳ 光と対話する美術館 学部 4 年時 ・設計演習Ⅴ 即日設計演習 7 回 ・卒業制作 修士 1 年時 ・建設工学演習 川越に作る建築

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学部 4 年時 第三回 POLUS- ポラス - 学生建築デザインコンペティション 「呱々、戯曲とカンパニー」 SMOKERS' STYLE COMPETITION 2016 「ショート・スモーク・ムービー」 芝浦工業大学デザインチャンピオンシップ 2016 「周辺居住環境を喚起させる住宅」 修士 1 年時 第四回 POLUS- ポラス - 学生建築デザインコンペティション 「一宿一芸 - 土蔵が紡ぐ時間と文化 -」 第 13 回ダイワハウスコンペティション 「大きな都市の木の下で」 芝浦祭会場構成コンペティション 「可動フレームが作る PhotoSpot」 芝浦工業大学デザインチャンピオンシップ 2017 「Vivre a l'oblique- 直交性都市に斜に構える公園 -」 第 15 回 主張する「みせ」学生デザインコンペ 「開かれた隠れ家 - 旗竿敷地を活用した相席レストラン -」 Barrierless City Award & Competition 2017 実作部門 「フォトスポット - 風景を切り取るフォトフレーム -」 研究室 大東建託コンペ : 指定校部門 「のびのび長屋 - 都市近郊におけるマイクロディベロップメントの提案 -」


実作

言語

芝浦祭会場構成コンペティション 「可動フレームが作る PhotoSpot」 期間:2017/11, 1 週間 概 要: 大 学 の 芝 浦 祭 に お い て 開 催 さ れ た 実 施 コ ン ペ に お い て 最 優 秀 賞 と な り、 施 工 ま で を セ ル フ ビ ル ド で 行 う こ と と な っ た。 テ ー マ は「 来 場 者 と 創 る 建 築 」 であったことから、来場者によって写真に撮られることで完成する建築を提案 した。施工予算は 10 万円以内・施工期間が実質 2 日間であるという条件から、 材料である合板や木材をプレカットし、また建築をユニットによって構成する ことで施工性の向上を計った。また、不特定多数の人が使用するため、安全性 の確保を平面計画の工夫で合理的に解決した。

日本語 英語(TOEIC640 点)

芝浦工業大学学生プロジェクト 「よねさきの丘プロジェクト」 期間:2016/08 ~現在進行中 概要:東日本大震災、その後の大々的な工事によって岩手県陸前高田市の風景 は一変した。住んでいた町がなくなり、まったく違う町が出来上がろうとして おり、その変化が住人にもたらす影響は計り知れない。そうした街の中に、か つての風景が残る丘陵地がある。その丘を“よねさきの丘”とし、周辺住民や 復 興 の た め 訪 れ た ボ ラ ン テ ィ ア が 集 い、 語 り 合 え る よ う な 場 所 と し て 計 画 す る。 プ ロ ジ ェ ク ト の 企 画 か ら 学 生 団 体 の 創 設、 活 動 資 金 調 達、 敷 地 の 図 面 化、 設計、施工、ワークショップまでを自分たちで行う。

使 用 ソ フ ト ウ ェア OS:Windows 10/Mac OS CAD:AutoCAD/VectorWorks 3DCG:Rhinoceros/SketchUp Rendering:Vray/Kerkythea Graphics:Adobe CC(Photoshop/Illustrator/Indesign) Other:MicrosoftOffice

資格 普通自動車第一種運転免許 車両系建設機械 ( 整地等 ) 運転

訪問した都 市 アメリカ /United States of America ・サンフランシスコ /San Francisco ・ロサンゼルス /Los Angeles ・サンディエゴ /San Diego ・フラッグスタッフ /Frag Stuff ・シカゴ /Cicago ・ワシントン /Washington DC ・ニューヨーク /New York イタリア /Italy ・ローマ /Rome ・ベネチア /Venezia ・ミラノ /Milano

ドイツ /Germany ・ミュンヘン /MunChen ・ベルリン /Berlin スペイン /Spain ・バルセロナ /Barcelona ・マドリッド /Madrid 中国 /China ・香港 /HongKong ・澳門 /Macau ・深圳 /Shenzhen ・台湾 /Taiwan

スイス /Switzerland ・グリンデルワルト /Grindelwald ・チューリッヒ /Zurich ・バーゼル /Basel オランダ /Netherlands ・アムステルダム /Amsterdam ・ザーンセスカンス Zaanse Schans

所在 address: 東京都江東区豊洲 3-7-5 tel:080-6047-6202 e-mail:me17043@shibaura-it.ac.jp HP:https:/ /aj13022.wixsite.com/yonesaki-project

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SELECTED WORKS

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P,8

すべてを失った都市は幸福を与える -”自己生成する都市”の提案 2017, 卒業設計 , 芝浦工業大学三学科合同卒業設計展 Archifes2017 二票獲得

P,30 対話する図書館 - 二つの緑地を渡すブリッジが出会いを運ぶ 2016, 設計課題製作 , 学内最優秀作品 , オープンキャンパス出品 P,38 川越美容院 - 日常に埋もれた周辺住環境の魅力を喚起する美容院 2017, 建築設計演習 , 学内発表作品 P,46 可動フレームが作る PhotoSpot 2017, 芝浦祭会場構成コンペティション , 最優秀作品賞 , 実施プロジェクト ,BarrierlessCityAward2017 実作部門 入賞 P,54 よねさきの丘プロジェクト 2016 ~ , 芝浦工業大学学生プロジェクト 2017 年度新規採択 , 日本財団 Gakuvo Style Fund 採択 , 実施プロジェクト 2017 年度 芝浦学生プロジェクト 最優秀賞 P,70 のびのび長屋 - 都市近郊におけるマイクロディベロップメントの提案 2018, 第 6 回 大東建託 賃貸住宅コンペ : 指名大学部門 , 優秀賞 P,80 INDEX

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すべてを失った都市は幸福を与える -”自己生成する都市”の提案 2017, 卒業設計 , 芝浦工業大学三学科合同卒業設計展 Archifes2017 二票獲得 自身から湧いてくる内発的動機によって環境の中で振舞うとき、人は幸福を感じる。 津波の被害に遭い、都市全域が新たに造成された陸前高田の土地と人との再接続の提 案。津波とそれ以降続く復興事業によって全くスカイラインを変えてしまった土地で、 新たに暮らしを立てていく住民。内発的動機による都市創造の始まりの場所をつくり、 そこを拠点とし、自分たちで風景を創ることで、幸福を伴いながら土地と人との再接 続を行っていく。 セルフビルドが可能なモジュールを設計し、その単位を用いて拠点となる建築を構成 する。材料となる木材や技術的なバックアップを地域ネットワークを活用し、身体性 の延長が新たに造成される土地に浸透しながら、地域そのものを復興していく。

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すべてを失った都市は幸福を与える -" 自己生成する都市”の提案 -

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背景 /BACK GROUND ドラマチックな土地の変化

土地区画整理事業により動いた土の量 高田地区

2005 年

今泉地区

2011 年

10

2016 年

今泉地区

高田地区

切土量 860 万 m³

切土量 345 万 m³

盛り土量 375 万 m³

盛り土量 785 万 m³

合計 1100 万 m³


読み替え /PARADIGM SHIFT

内発的動機と幸福の関連性 外発的動機

内発的動機

より強く、より長続きする

外部報酬を得るため 外部罰を回避するため

自己有能感 自己決定感

クリアランスされた土地 すべてを失い、クリアランスされた土地を、内発

読み替える

的動機による創作の場と考える。

内発的動機による創作の場

内発的動機とは、己の中から湧いてくる行動欲求 で、発生には 2 つの要因があるとされる。 fig,1

自己有能感 ---- 行動、体験を通じ有能感が味わえる

のが楽しい (fig,1)

自己決定感 ---- 自分自身で決定して動かしているの

が楽しい (fig,2)

内発的動機づけは外発的動機に対してより強く、 fig,2

より長続きするとされており、また内発的動機に よって行動しているとき、人は強く幸福を感じる。 幸福を伴いながら、自分たちで作ったものが街に 現れることで土地に愛着を持ち、土地と人との再 接続を行う。

すべてを失った都市は幸福を与える -" 自己生成する都市”の提案 -

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提案 /PROPOSAL

規格材を用いた施工容易で増殖可能なモジュール 人力で扱える 2x6 材を用いたモジュールを設計する。骨格はモジュールによって構成され、その骨 格は新たに宅地に建てられる建築を形作っていく。 住民らの手による創作は身体性を延長し、乾いた造成地に浸透していく。新たに創造される都市の

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風景の中に、自らの手が加わった「モノ」が介在していくことで、土地と住民らは再接続される。

2x6 断面のプレカット材

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半剛接合のジョイントにより骨格を成す

同様のモジュールで小屋組みまでを構成する


新たに造成された宅地にハウスメーカーや住宅工務店らの建築と共に建ち、さらに浸透していく

すべてを失った都市は幸福を与える -" 自己生成する都市”の提案 -

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提案 /PROPOSAL 38

51

38

51

剪断ダボ 8 × 70 定着用充填剤 Dowels: Shear dowels 8 × 70 Fixing glue

140

剪断ダボ 8 × 70 定着用充填剤 Dowels: Shear dowels 8 × 70 Fixing glue

140

ダボ : ダボ :

38

140

接合部断面 1/15

構造材 杉材 38 × 140*3 Structure: Cedar 38 × 140standard*3

140

打ち付けビス :

140

木工用ステンレスビス φ 6 × 120mm Screw: Stainless screw φ 6 × 120mm

190

接合部アクソメ 1/20 14

接合部断面 1/15


地域のコンテクストに対しての還元性 平成 27,8 年ボランティア活動者数の推移(陸前高田市) 201 181

181 138

121 99

104

(人)

107

99 77

77 42

11 月12 月 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月

7 月 8 月 9 月 10 月

市面積全体の 78.6% を林業用地が占めている陸前高田市 造成事業の為に開拓により出た小径材を十分に使える

陸前高田市には現在もボランティアーらが訪れる ものづくり活動はボランティアーの需要を向上させる

気仙地区に 3 箇所の工場をもつ気仙プレカット 必要部材のプレカットの為地元の林業を興すことが可能

船大工の技術を用いた大工集団、気仙大工 技術的バックアップを担うと共に、存在を盛り上げる

かつて入母屋屋根が建ち並ぶ風景があった陸前高田市 拠点となる建築が新しくも馴染みある風景となる

ものづくり行動の共有は人と人との強い繋がりを生む 仮設住宅・宅地移転によるコミュニティの離散を引き留める

すべてを失った都市は幸福を与える -" 自己生成する都市”の提案 -

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Site Plan 小作業場 少人数向けのファブラボ、個人や親子での利用がおすすめ

C

ドミトリー 訪問ボランティアーのためのドミトリー、12 人宿泊可能

ブックカフェ 週末や、隣にある高校の生徒ら、クラフトに 疲れたときの一休みにおすすめ

集会所 何処に何を作るかの意見交換会を行う。2 室

川原川公園(予定)

ある集会所は間仕切りにより一間になる

地元 NPO 事務所 陸前高田に拠点事務所を置く NPO 法人のための

自治体分室 手作りの建築が都市に置かれるために

オフィス

自治体と連携を行う

大作業場 大人数向けのファブラボ、ボランティアーらと

軽食 平日のランチ時間における利用や、 バイパスを走るドライバーにおすすめ

協力するときに主な作業場となる Volunteer 案内所 訪問ボランティアーらに、進行中の作業や、場所

総合運動公園(予定)

を紹介する

B A

高田松原津波復興祈念公園(予定)

それぞれの拠点は現在の交通動線によって繋がっており、 将来計画されている公園に建築システムが広がっていく ことで互いに繋がりあう。

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現在の交通動線 互いの位置関係 広がる建築システム


作るという行為は環境との応答関係を作 り出し、新たに造成された土地に自らの 痕跡を残していく

時間の経過とともに街の中には痕跡が増 殖していく すべてを失った都市は幸福を与える -" 自己生成する都市”の提案 -

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受付

搬入口

カウンター ドミトリー

ブックカフェ

アトリエ

オープンキッチン

A'

A

建築拡張中

拠点 C 平面図 1/200

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屋根: スレート瓦 透湿防水シート 野地板 t=24mm 中空層 グラスウール断熱材 Roof: Slate roof tile Moisture permeable waterproof sheet Sheathing roof board Air space Glass wool t=80mm

外壁: 杉羽目板 t=12mm ワックス2度塗り 中空層 t=20mm グラスウール断熱材 t=80mm 防湿気密シート Exterior wall: Cedar board t=12mm wax 2 times finish Air space t=20mm Glass wool t=80mm Moisture permeable waterproof sheet

外壁: 杉羽目板 t=12mm ワックス2度塗り 中空層 t=20mm グラスウール断熱材 t=80mm 防湿気密シート Exterior wall: Cedar board t=12mm wax 2 times finish Air space t=20mm Glass wool t=80mm Moisture permeable waterproof sheet

構造材:

天井:

杉材 38×140*3 剪断ボルト接合 Structure: Cedar 38×140standard*3 Shear bolt joint

7832

杉板 t=24mm塗装仕上げ 杉垂木 @450mm Ceiling: Cedar Board t=24mm paint finish Cedar rafter @450mm

カウンター Counter

カフェ Cafe

アトリエ Atelier

内壁:

2908

杉板t=24mm 塗装仕上げ Interior wall: Cedar Board t=24mm paint finish

床: モルタル金ゴテ仕上げ depth=200mm 断熱材スタイロフォーム t=50mm 防湿層 Floor: Mortar steel trowel finish depth=200mm Styrofoam t=50mm Moisture-proof layer

2908

2908

2908

2908

2908

2908

17448

AAʼ 断面詳細パース 1/75 すべてを失った都市は幸福を与える -" 自己生成する都市”の提案 -

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地域から抽出される建築の個性 気仙プレカット

入母屋屋根の風景

ボランティア数

加工材

201

181 99

104

99

181 138

121

(人)

107 77

77 42

平成 27,8 年 11月 12月

1月

2月

3月

4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

平均 130 人 / 月 (平成 27,28 年度)

土地の原風景

風向き

ファブラボ

気仙大工の手 住民の手で建築を拡張

技術提供 住民と協力 森林面積 市全体の

78.6%

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間伐材

「作る」機能

身体性の延長


建築妻面 地域にもともとある風景を形 成している入母屋屋根形式を用い、新し い風景を作りだす

すべてを失った都市は幸福を与える -" 自己生成する都市”の提案 -

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材料置き場 大型レーザー加工機

地域 NPO 貸しオフィス

会議室

訪問ボランティアー案内

受付

建築拡張中

A’

A 地域 NPO 貸しオフィス

N

拠点 A 平面図 1/200 自然換気窓 7370 572 1347 1347 1056

自然換気窓

3048

地元 NPO 事務所

訪問ボランティアー案内

作業場

A

A’ 2908

南面立面図 縮尺 1:300 22

2908

2908 14540

2908

2908

5816

2908

2908 8724

2908

2908

5816

2908

AA’断面図 縮尺 1:300


ファブラボ搬入口 建築内部は入母屋屋 根形式による気圧差喚起によって室環境 を良好に保持する

すべてを失った都市は幸福を与える -" 自己生成する都市”の提案 -

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分室事務所

厨房

A

A’

食堂

N

カンファレンスホール

拠点 B 平面図 1/200

7370 572 1347 1347 1056

自然換気窓

食堂

3048

カンファレンスホール

A

A’ 2908

2841

2908

2908

2908

2908

2908

2908

2908

2908

AA’断面図 縮尺 1:300

南面立面図 縮尺 1:300


小屋組み 建築は柱・梁間・小屋組みを 同形式のモジュールで構成し、住民らの 創作のインスパイアとなる

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1 階部分正面 メイン動線によって左右 に機能をゾーニングす。

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ブックカフェ 内部では構造材が光を受 け柔らかい色合いを放つ

すべてを失った都市は幸福を与える -" 自己生成する都市”の提案 -

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軒先パーゴラ 増殖する建築は常に輪郭 を変化させ、街並みを形づくっていく

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カフェ内部 クリアランスされた土地に その土地の物質で作る建築は、風景と人 を結び直す存在となる すべてを失った都市は幸福を与える -" 自己生成する都市”の提案 -

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対話する図書館 - 二つの緑地を渡すブリッジが出会いを運ぶ 2016, 設計課題製作 , 学内最優秀作品 , オープンキャンパス出品 清澄の緑に挟まれた荘厳な地に臨む新しい文化施設としての提案。図書のほかに音楽、 ダンススタジオやアトリエを併設し、異種のアクティビティとの視覚的、空間的交流 を生む。通行人が建築内の空廊に惹き込まれ、館内のアクティビティに興味を持ち、 自分のお気に入りの場所を探す。そこで自分と、友人と、自然と対話しながら本を読む。 そんな新しい図書館。 1 階から 2 階へと緩やかに繋がるブリッジは、幅 7700mm で多様な使われ方を許容 する半屋外空間となる。諸所のアクティビティーはブリッジと 1 階の図書館という母 体の中に住み込むように配置されることで互いに交錯し、刺激しあい、出会いを与え る役割を担う。ブリッジは通りを歩く人々を引き込み、異なる目的を持った人同士が 同時に存在するフィールドのような公共建築を実現する。 アクティビティーの機能配置は動線、性格、交通といったエレメントから決定され、 多種の目的を単体でみても満足することができる。また、ホールの舞台袖に繋がる貨 物用エレベーターのほかに東と西にそれぞれエレベーターを設けることに加えて、ブ リッジのスロープ勾配を 1/12 にすることによって公共建築として必要なバリアフ リーとしている。

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対話する図書館 - 二つの緑地を渡すブリッジが出会いを運ぶ -

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背景 /BACK GROUND 公共空間が担うべきコンプレックス 清澄白河駅と門前仲町の間にあるこの エリアには文化的なコンテクストが存 在する。敷地である清澄公園と清澄庭

半蔵門線

園を含め、木場公園や隅田川の河川敷

料館通り

江戸深川資

といった緑地、また点在する小規模な ギャラリーやスタジオやコンセプトカ フェ等が密集している。 ここに図書館という公共空間を設計す るにあたって、私はそれらの点在する

文化的なコンテクストが出会う交差点 大

のような場所を目指すべきであると考

東西線

えた。異なる目的とそれらを目指す 人々が出会う交差点のようなコンプ レックスを設計する。

清澄公園

清澄庭園

異なる目的の人々

出会い、刺激し合う 建築で

敷地

繋がる

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提案 /PROPOSAL

三角地帯による 2 つの緑地の分断が起

清澄庭園と清澄公園を繋ぐようにブリッ

ブリッジに沿わせるように機能を複合す

こっている。接する道路にはショップが

ジを掛ける。ブリッジはそれぞれランド

る。ブリッジ上の動線を歩く中で目的や

多く、人通りが一定数存在する

スケープに接続しながら着地する

人に出会う

平面計画として緑地側に凹凸をつけるこ

創作アトリエやブラウジングルーム・小ホー

通りに接する広場からのブリッジにより

とで緑を取り込む。通りに接した面はカー

ルといった目的別に必要な天井高を設け、緑

人を引き込む。ブリッジは 2 つの緑地を

テンウォールとし、街に開ける

化することで清澄庭園からの見えに配慮する

繋ぎ、同時に多様な人同士を繋ぐ

対話する図書館 - 二つの緑地を渡すブリッジが出会いを運ぶ -

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N

0

1 階平面配置図

20 10

50(m)

南側の交差点に向かう部分と東西に一か所づつアプローチを設け、それぞれは ランドスケープを伴う広場に接する。庭園側にはテラスはあり、一定範囲内で あれば出ていけるようになっている。また図書館に蔵書の種類区分として日本 十進分類法でもって考え、曲線の什器によってそれらを緩やかにクラスター分 けしている。 西側入口

ブリッジ始まり

児童書

受付

テラス

すり鉢テラス 哲学 文学 交差点側入口

郷土 言語

9

社会

科学

おすすめ 受付

芸術 産業 技術

地理

東側入口

ブリッジ始まり

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1 階庭園側テラス 自然 と対話しながら時間を過 ごす

1 階受付部分 吹き抜けを介して上階と 視線が交わる

対話する図書館 - 二つの緑地を渡すブリッジが出会いを運ぶ -

2 階創作アトリエ 所々 に通っている吹き抜けか ら下の様子を感じ取る

2 階小ホール 小さなラ イブや観劇、講演会等多 目的に利用される

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トップライト

東西から伸びるブリッジが多種のプログラムを横断するように機能を配置 し、機能同士の視線と動線が交錯するように吹き抜けを設ける。ブリッジ スラブは全体を構成する通し柱と上からの吊り柱によって支えられ、道路 を跨ぐ箇所に必要な階高と勾配を考慮して地上に接地する。 構造丸鋼柱φ 250

ブリッジ屋外

ブラウジングルーム

スタジオ

小ホール 創作アトリエ

吹き抜け

構成アクソメダイアグラム

カフェ 倉庫

吹き抜け ホワイエ

ブリッジ半屋外

ブリッジ屋外

N

0

20 10

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カーテンウォール マリオン@ 2400

2 階平面図 50(m)


東側ブリッジアプローチ 緩やかな地形から 2 階へ と入っていく

ブリッジ半屋外内部 トップライトから光が差 し込む

中央すり鉢テラス 内部から外部へと連なっ てテラスが続く

ブリッジからの吹き抜け 下階で行われている活動 を感じ取れる

対話する図書館 - 二つの緑地を渡すブリッジが出会いを運ぶ -

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川越美容院 - 日常に埋もれた周辺住環境の魅力を喚起する美容院 2017, 建築設計演習 , 学内発表作品 どこか観光地に出かけたり、お金を払って休日にエステに出かけたり、高い料理を食 べたり、生活の中での「贅沢さ」は現代において消費によって齎される・供給されて いる。ここで、私は郊外の住宅街に「贅沢さ」を作ることはできないだろうかと考えた。 消費によって得る方法ではなく、日常生活に埋もれた資産・魅力を再喚起することに よって自身を取り巻く環境が持つ贅沢さを引き出すことはできないだろうか。ここで 私は、「贅沢さ」を構成する要素である非日常性という部分に着目し、日常に埋もれ た環境の魅力を喚起しながら、非日常を手に入れるという 2 つの命題を掲げるべきで あると考えた。 敷地は埼玉県川越市の伝建地区から離れた住宅街。ここには新河岸川という川越建設 時に材木を運ぶために使われていた川が流れ、それによって密集する住宅街と農作地 を広く持つ住宅地とを隔てている。この川とそれに沿う並木という風景を壁面の操作 と回遊する動線によりパノラマ的景色として内部に取り込みながら、外からは見られ ないという関係を作り出す。そこで普段の日常生活にも変化を与える美容院という機 能を配することにより、日常に埋もれた環境の魅力を喚起しながら、非日常を体験す るという 2 つの命題を達成する。

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川越美容院 - 日常に埋もれた周辺住環境の魅力を喚起する美容院 -

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背景 /BACK GROUND

新 河 岸 川

川越建設時代からの鍵の手道

参道

川越市在住で就学・労を行っている者 181,655 人 のうち昼間に他市若しくは他県へ出ている者

ベッドタウン川越に必要な日常の贅沢さ 郊外住宅地の生活に贅沢さの挿入

日常に変化を与える非日常 非日常

昼夜間人口比 市内

45%

市外 55%

昼間人口

97.1%

夜間人口

日常

社交の場であり非日常を得られる髪結い床 30 ~ 50min

その他

公園・河川敷

ジム・ヨガ

50min over 居酒屋 飲み屋

カフェ・喫茶店

39.6% 居酒屋・飲み屋

カフェ・喫茶店 公園・河川敷

36.5%

る。それら日常に埋もれてしまった自然環境 を資産として再喚起することができたならば、 日常生活の中に贅沢さが入り込むこととなる。

床屋とサードプレイス

それと同時に郊外のベッドタウンでもある。 敷地はそのベッドタウンの中でありながら、 古くからある新河岸川と接し、その向こう側 には農作地が広がっている境目に位置する。 ここに贅沢さ、すなわち周辺環境の魅力を喚 起し、同時に非日常を体験するための場所と

図書館等 映画館・劇場

【出典】株式会社読売広告社

40

一つとして、住環境を取り巻く自然環境があ

川越市は小江戸として有名な観光地であるが

出典:総務省「国勢調査」

通勤時間別に見るサードプレイスの場所

日常生活の中で当たり前になっている存在の

して床屋を計画する。


ダイアグラム /DIAGRAM

敷地内にマッスなヴォ リュームを検討する

ヴォリュームの輪郭を周囲 を取り巻く道に沿わせる

周辺道路に接する面のヴォ リュームをカットし、GL で の道路面積を拡張する

隣接する住宅街側にヴォイドを 設け、外に対しての圧迫感の軽 減と内部環境の向上を行う

周辺動線に合わせて内部機 能を配置し、散歩中の溜り 場としての機能を与える

2 階部分は回遊させるシーク エンスとし、周辺に対して 視界を開く

周辺道路に接する壁面のヴォ リュームをカットし、木陰の休 み処を設ける

N

隣接住宅街側の境界壁に勾 配をつけ、閉じ方を調節す る

川越美容院 - 日常に埋もれた周辺住環境の魅力を喚起する美容院 -

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17170 3270

5250

2640

4000

2010

屋根: 塩化ビニルシート防水 t=2mm 下地合板 t=9mm 中空層 t=20mm スタイロフォーム断熱材 t=80mm Roof: PVC sheeting waterproof t=2mm Foundation board t=9mm Air space t=20mm Styrofoam t=80mm

天井:

内壁:

カットサロン Hair salon

1960

コンクリート表し 塗装仕上げ Ceiling: Concrete paint finish

棚壁: ナラ集成材 t=20mm ワックス仕上げ Bookshelves: Oak laminated wood t=20mm wax finish

床:

1520

カフェ Cafe

フローリング ワックス t=18mm 貼り付けモルタル板 t=24mm Floor: Flooring wax finish t=18mm Mortar platet t=24mm

合わせガラス t=45mm 鋼材マリオン 45×95 @1300 Glass: Laminated glass t=45mm Steel mullion 45×95 @1300

カフェ Cafe

お休み処 Rest area

CH=1850

CH=2100

CH=3200

400

アプローチ Approach

開口部:

CH=2850

コンクリート表し 塗装仕上げ Interior wall: Concrete paint finish

床:

外壁:

フローリング ワックス t=18mm 貼り付けモルタル板 t=24mm 床下ピット層 コンクリート基礎 透湿防水シート Floor: Flooring wax finish t=18mm Mortar platet t=24mm Under Floor pit Concrete foundation Moisture permeable waterproof sheet

ベンチ: ヒノキデッキ材 t=24mm ワックス2度塗り Bench: Japanese cypress t=24mm wax wax 2 times finish

1480

ガルバリウム鋼板横葺き t=0.5mm 下地板 t=12mm 中空層 t=20mm スタイロフォーム断熱材 t=80mm 防湿シート t=0.15mm Exterior wall: Galvalume horizonally aticking t=0.5mm Foundation board t=12mm Air space t=20mm Styrofoam t=80mm moisture membrane t=0.15mm 2640

2640

2340

2340

9960

断面詳細パース 1/60 42


吹き抜け

カフェ客席

新河岸川

田谷堰

中庭

散歩道休憩処

M2 階平面図 1/200 カフェ

テイクアウト販売

美容院

中庭

吹き抜け

駐輪場

中庭

N 1 階平面図 1/300

川越美容院 - 日常に埋もれた周辺住環境の魅力を喚起する美容院 -

2 階平面図 1/200

43


1 階から吹き抜けを見る 中庭は北庭として、柔らかい風景と植物 の顔を内部に提供する

44


2 階美容室 パノラマ状に周辺環境を見渡せる 2 階部 分からは、新河岸川沿いに並ぶ桜を臨む ことができる

川越美容院 - 日常に埋もれた周辺住環境の魅力を喚起する美容院 -

45


可動フレームが作る PhotoSpot 2017, 芝浦祭会場構成コンペティション 最優秀作品賞 BarrierlessCityAward2017 実作部門 入賞 芝浦祭という大学祭の会場構成コンペである。コンペは「来場者と創り上げる風景」 というテーマの下行われ、そこに ・予算 10 万円以内で材料費・施工費を賄うこと ・セルフビルドによって製作可能であること ・施工可能期間は日中 2 日間以内であること という条件が加えられた。 ここで私は、「来場者と創り上げる風景」を「利用者が居て完成するシーンの建築」 と読み替え、お祭り期間中に利用できるフォトフレームを計画した。利用者が入ると それが絵となり、普段とは異なる風景をフレーミングする。構成としては、フレーム を 3x6 板を切り出すことで製作し、出た余材をそのまま使って天板とした。またフレー ムは 2x6 材を組み合わせて地面から立ち上げ、互いに弱軸を補うように市松状の平面 配置とした。こうすることで安価な規格材を余すところなく使いながら、自立用の構 造体を別途設ける必要もなく、2 日間の工期で完成することができた。

46


可動フレームが作る PhotoSpot

47


100

119

1500

200

1500

220

219

770

265

1880

695

845

1500

220

1700 1820

200

1500

220

1820 3640

立面図 1/40

平面図 1/40

ダイアグラム /DIAGRAM

3x6 板からフレームを切り出 し、出た余材を天板として 使用する

48

フレームユニットを市松状 に組み合わせることで、互 いに支え合う構造とする

平面的に生まれた角と隅が 人の溜り場を作り出す


板材: ラワンランバー t=18mm Top of table: Lauan board t=18mm 火打ち: スリムプレート t=2mm ビス打ち付け φ4.5 ×65mm Angle: Slim plate t=2mm Screw φ4.5 ×65mm

打ち付けビス: 木工用ステンレスビス φ4.5 ×65mm Screw: Stainless screw φ4.5 ×65mm

直角材: 柱: SPF 38×89 2本 Pillar: SPF 38×89 *2

スリムプレート t=2mm ビス打ち付け φ4.5 ×65mm Angle: Slim plate t=2mm Screw φ4.5 ×65mm

天板:

打ち付けビス:

ラワンランバー t=18mm Top of table: Lauan board t=18mm

木工用ステンレスビス φ4.5 ×65mm Screw: Stainless screw φ4.5 ×65mm

柱: SPF 38×140 2本 Pillar: SPF 38×140 *2

可動フレームが作る PhotoSpot

49


施工風景 セルフビルドによって施工を行う。3 人 で 4 ユニット x2 セットを 2 日間で製作 50


会場での配置 人は密度が大きい中に居るとき滞在時 間が短くなる。このことから、「座る」 動作よりも「立ち止まる」動作の方が 適している

可動フレームが作る PhotoSpot

51


フレーミングによる景色の絵画化 普段とは異なる人の量により変化する風 景をフレーミングする 52


角と隅による溜り場 フレーミングによって使用者の感覚とし て、「人ごみの中を窓から覗く」ような体 験となる 可動フレームが作る PhotoSpot

53


よねさきの丘プロジェクト 2016 ~ , 芝浦工業大学学生プロジェクト 2017 年度新規採択 日本財団 Gakuvo Style Fund 採択 , 実施プロジェクト 2017 年度 芝浦学生プロジェクト 最優秀賞 震災以後顕著に姿を変える陸前高田におけるコミュニティ広場の計画である。街全域 で行われている土木復興事業は早急なインフラを齎すが、その「大きな土木」は土地 と人とを引き離してしまっている。敷地はこの地で以前の風景を残す丘陵地。風景と の対話と建設活動の開示の仕方を考え、地域循環を促す「小さな土木」を行う。アク セス路の為に木を切り、山を削る。居場所を作る為に穴を掘り、木を建てる。土を動 かし、木から家具を製作する。 土木を含んだ建設行為の横断は、オープンな建築運動となる。完成されたフォリーと いう「完了形」から、更新されていく丘という「現在進行のプロセス」へデザイン対 象を移行することで、周辺住人はその開かれたプロセスに参加可能となり、風景との 向き合い方を模索する時間を獲得する。本計画は、 「前」から「後」という更新の「最 中」を考えることによる、土地への帰属意識を与える土木の提示である。

54


よねさきの丘プロジェクト

55


・岩手県陸前高田市米崎町「よねさきの丘」が持つ背景

早 期復興事業が取りこぼしたこと

防潮堤 風景 盛土

らこそ、風景について考え

3.11 津波被害区域

続ける広田湾を望めることができ、現在建設中 の大規模な防潮堤や新しく建設された公営住宅

早期復興事業=短期決定型

12m の防潮堤

も望むことができる。変わらぬ場所から見つめ

広田湾

なおすことができるこの場所は、市民と陸前高

風景

る場所・行為が必要である と考える。

である。この丘からは、震災後も変わらず在り

仮設住宅

を考える余裕はなかった。 発災から時間が経過したか

日本大震災時の大津波の被害を免れている場所 700m

があった。その場所の風景

よねさきの丘

よねさきの丘は、小高い場所に位置するため東

震災直後に要求された復興 事業は短期決定をする必要

と「よねさきの丘」の関係

田をつなげる場所となることができる。

当計画=長期・漸次決定型

敷地周辺の上空写真

・建設プロセスの横断で生まれる効果 ( 通常の建設行為 )

測量

同一団体 ( 私たち学生団体 )

建築系学生を中心とした当 団体は、実務経験の場を必

ワークショップ

敷地サーベイ

材料調達 ( 伐木 )

資金調達

続的な土地への介入

基本設計

搬入路造成

材料加工 ( 製材 )

メディア広報

実施設計

知度の段階的効果

地盤改良

構造検討

東屋施工

施工検討

かれた建設行為

要とし、1/1 スケールでの

敷地から見る海を望む風景

身体的な建築活動を行うこ とで今後の設計活動フィー ドバックを得られる。

関係者以外も

立入歓迎 PLEASE ENTER

56

建設プロセスの横断を行い場所

活動の途中段階でのメディア媒

本計画では、常に現場を開放

をつくっていくことは、その土

体による情報拡散や、地域住民

し見に来た人には説明を行

地への継続的な介入を必要とす

とのいくつかのワークショップ

う。そこで何が起きているの

る。地域との深い関係を築くた

を行うことで、その場所と私た

かを知ることで、その土地の

めの足掛かりとなっていく。

ちの活動の認知度が向上する。

理解を高める。

活動資金審査会の様子


建材や農具を扱う大型HC

よねさきの 丘 を 構 成 する諸 要 素

りんご畑

WS

ものづくりWSや丘の使われ方を 町や海を見渡しながら行う

切り出した木材を造材・加工を 行なっているヤード

高台造成住宅地(大きな土木) 半径500m以内の造成地に 新築一戸建て67戸

施工の容易さから、次の場所 づくりが行われる

災害公営住宅 脇ノ沢団地 平成29年竣工の60戸

フォリー第1期。街と防潮堤を超 えて海を望む為の居場所 春と夏にお祭りが開かれる広場

WS でモックアップを作成する 伐木・運び出しにより結ばれた 連絡路。 重機が通過可能

ボランティアーや地域住民 らによる花画廊アクセス

進行中復興事業

結婚や出生の記念樹が植えられ 時間や思い出を蓄積する

陸前高田グローバルキャンパス シェアラボや学修プログラムを催行

地域住民らに解放された菜園に 野菜が植えられる

仮設住宅群

アプローチにより木々に囲まれた 丘の認知度向上 NPO法人(施主) カフェや寺子屋、 ペットサロンなど

12mの防波堤(大きな土木) 市街地から海が見えなくなった

農家さん

N

広田湾(水産業や松原) 昔から人の生活と密接な関係があった

WS

WS

こんなに起伏 があったんだ

あれ、僕もやっ てみたい!

植えた水仙が 咲いたね!

個体差は手作 業で対応しよう

どんな場所にし ていこうか? 風の音が聴こ える...

一本一本重さ も癖も違うなぁ

意見交換ワークショップ

土地形状の図面化

アクセスの為の伐木・運搬

原木からの製材

ものづくりワークショップ

第1弾フォリー立上げ

今度はここに 建てよう!

住民参加の環境整備

第二弾フォリー立上げ


・建築運動によって広がる人と人の繋がり 流入してくる人 運営

箱根山伝承館

相談・ 協力

玉乃湯 ( 温泉施設)

協力

NPO 法人企画 イベント・お祭り

運営協力 持ち込み企画

岩手大学・立教大学と共同運営

頼 幅依 拡 の 道 市 る す 接 隣 に 丘

新規公営住宅の住民 レンタルスペース

地域の若者

新 規 事 業 の 依 頼

J‐wave ラジオ

地元の棟梁

漁業組合

陸前高田市役所

伝い お手 ップ の ショ ーク ワ 作業 り づく もの

陸前高田 サテライトキャンパス

地域の子ども 丘が身近になる

県外からの来訪者

近接地・イベントの企画

交流の場が必要

丘への新規アクセス路の開通・ワークショップ

情報 発信 広報

・宣

丘の整備事業として継続的な介入

利用者の増加

丘の周辺既存住民

地方新聞

母 体 の

助成先母体

土地・実施経験の提供 建設 後の 運営 震災 ・企 7年 画 目の 団体 活動 難化

(NPO 法人 再生の里ヤルキタウン)

い 出会 の と 治体 自 の 他

近いけど入りづらい

震災前からの住民

震災以降に無償で 建設機械の貸し出し

る え 植 に 供 ー 提 リ の ォ 木 フ 花

建築系専門家

会 機 の 力 協 互 相

PR 活 動 資 金 援 助

私たち学生団体

震 ボ 災 ラ 直 ン 後 テ か ィ ら ア の 活 動

談 の相 設計

仮設住宅の住民 例解 既存ネットワーク

芝浦工業大学 学生プロジェクト 58

日本財団 ボランティアセンター

活動場所の近い 学生団体

専修大学 ボランティアサークル

日立建機

花農家さん

新規開拓ネットワーク


・セルフビルド

土地と人とを再接続する建築 この土地は「典型的な里山の風景から特殊性を持つ風景を望む」こ とと「周辺住民らが訪れ参加ができる」という2つの欲求を併せ持 つ場所である。その為土地の性格を顕在化させること、海と対峙す る場所を作ることの実現に、土木が本来持つ人と土地との接続性に より応じることを考えた。 そのために我々は、地域で容易に入手できるものを用いて・素人 施工可能な簡易でオーガニックなディテールを考案し・陸前高田の 風景を享受できるサイトスペシフィックな造形を求めた。 アクセス路開通の際に出てきたスギを4000mmの長さに切り揃え 柱とし、互いに2000mmの間隔を持ちながら極座標配置により土地 のコンテクストの中にリズムを生み出す。頂点をワイヤーで引っ張

ることで立ち上げ、ワイヤーは地形にアンカーされる。生ま れた力学上素直な輪郭を映し出すように径4mmのロープで織 られたメッシュを掛けることで空間を穏やかに規定する。こ のようにして「人工的ながら・自然な」土地の要素と対峙す る環境となる。 部材はそれぞれ場所のものでありながら、場所に存在する 地形や風、指向性といった要素を可視化させる。土地の中で 物質が動いただけという「手数の少なさ」と、小さく土木か ら建築までを横断することによる「接触の多さ」。この間に ある過程が、土地と人との再接続を果たす事に寄与すると考 えている。

Dig

Pull

2,200

Plug Up 柱頭接合部

メッシュ:

ポリエチレンロープ金剛打ち φ=4mm Mesh: Polyethylene solid cord φ=4mm

記念樹木

テンション材: ステンレスワイヤーロープ φ=3mm Tension rope: Stainless wire rope φ=3mm

ステンレスボルト M12 L=285mm ステンレスネジシャックル ステンレスアイナット 六角ナット 2重がけ Piller end joint: Stainless bolt M12 L=285mm Stainless screw shackle Stainless eyenut Double hexagon nut double

▼最高高さ GL+2830m

記念樹木

アンカー接合部:

2830

ステンレスターンバックル 両フック型 Soil anchor joint: Stainless turn buckle both side hook type

柱: 気仙杉丸太 φ=220mm Piller: Cedar log φ=220mm

地中アンカー:

▼GL(海抜+37000mm)

基礎: 単管パイプ φ=48.59mm 組み合わせ 直交クランプ なまし鉄線 Understructure: Steelpipe φ=48.59mm conmine Orthogonal pipe clamp iron wire

700 4550

よねさきの丘プロジェクト

5930

柱地中部分: 防水全天シート t=1mm 二重巻き シリコーンボンド充填 Piller part of under ground: Moisture permeable waterproof sheet t=1mm double Silicone polymer filling

1380

1000

ミニテーアンカー(規格1号) Soil anchor: Minite anchor standard #1

▼Bottom(GL-1000m)

AA’ 断面詳細図 1/50 59


ステンレスボルト M12 L=285mm ステンレスネジシャックル ステンレスアイナット 六角ナット 2重がけ Piller end joint: Stainless bolt M12 L=285mm Stainless screw shackle Stainless eyenut Double hexagon nut double

200

井戸

イベントやスポ ポーツ ツを行う 61

186

広場 150

15

3

広場からの動線

12

23

20

コスモスロ ロード

サクラ

32

柱頭部詳細図

+1,300

S=1/10

A

ステンレスターンバックル 両フック型 Soil anchor joint: Stainless turn buckle both side hook type

サクラ

3

スギ

185

20

15

190

±0 ミニテーアンカー(規格1号) Soil anchor: Minite anchor standard #1

サクラ

学生ボランテ ティアの の畑 同時並行で作成される東屋

訪れた人たちが植え えた 記念樹

風景の 景の眺 景の 眺望をとる

940

A’

-1,100

花画廊の 花画 廊の動線 廊の 動線 60

アンカー部詳細図

S=1/15

フォリー平面配置図 1/200


建ち上がったフォリー 素材と力の流れを素直に現したフォ リーは空間を緩やかに規定しながら風 景に向かって広がりをもつ よねさきの丘プロジェクト

61


プレゼン審査会 5 つの助成金に申請し、3 件の採択を受 けることができ、活動資金とした

伐木 チェンソーで伐木を行う、木には一本 一本個性が存在した

伐採前の林 里山は間伐されておらず、手付かずの 気仙杉が林立している 企画・資金集め 62

敷地の測量

伐木・運び出し

連絡路成型


伐木 間伐が行われ、光が差し込むようになっ てくる

立木の伐倒 木が林立する中では倒す方向付けをす るためガイドでテンションをかける

敷地の測量 敷地を図面化するために地形を測量す る ワークショップ

よねさきの丘プロジェクト

木材の加工

施工

什器製作 63


伐木後 元々林の中だった場所が重機が通れる ように連絡路ができる

抜根 伐木した後の切り株を取りながら、連 絡路を成型していく 企画・資金集め 64

伐木後 ユンボで均した後、転圧をかけて成型 した連絡路 敷地の測量

伐木・運び出し

連絡路成型


ものづくりワークショップ 自分たちがしていることを知ってもら うため行う

ものづくりワークショップ 子供たちと創ったブリッジは大人が 乗っても大丈夫な堅牢なものとなった

事前ワークショップ 設計に反映するため、周辺住民の方々 と意見を交換する ワークショップ

よねさきの丘プロジェクト

木材の加工

施工

什器製作 65


柱頭加工 木材の柱頭に金物を取り付ける

木材の剥皮 使用する木材を選定して皮を剥く。こ こから気乾が始まる 企画・資金集め 66

丸太加工 柱に使用するために研磨と防腐塗装を行う 敷地の測量

伐木・運び出し

連絡路成型


柱の立ち上げ 人力で引っ張りながら人力で押し上げ ることで立ち上がる

独立基礎のための採掘 柱を配置する場所を測量で打ち出し、 採掘する ワークショップ

よねさきの丘プロジェクト

柱配置の様子 一本づつ人力で立ち上げていく 木材の加工

施工

什器製作 67


メッシュ取り付け メッシュはテンションワイヤとの兼ね 合いを考えながら手作業で取り付ける

暗渠 柱立ち上げ時に見つかった暗渠を方向 を変えて新たに通す

什器施工 フォリーとのコンセプトを合わせた構 成の什器を施工する 企画・資金集め 68

敷地の測量

伐木・運び出し

連絡路成型


下から見上げる 柱と土の力の関係が形式として現れる

全体 敷地のコンテクストに寄り添いながら 海に向かう方向性を作り出す ワークショップ

よねさきの丘プロジェクト

海側を臨む 柱と柱の間から海と街の風景を切り取る 木材の加工

施工

什器製作 69


のびのび長屋 - 都市近郊におけるマイクロディベロップメントの提案 2018, 第 6 回 大東建託 賃貸住宅コンペ : 指名大学部門 , 優秀賞 木造住宅密集地域 - 通称「木密」。 このヒューマンスケールで情緒的な環境は、皮肉にも自らの構成単位の小ささに苦し められている。都市的なマクロな開発によっても、更新を停止させることによっても この環境を維持することはできない。そこで、小さな単位で構成され断続的な増築に 対応し得る「長屋」形式が可能にするマイクロで段階的な開発を提案する。 長屋住民は自らの手で木密の環境・コミュニティを修繕しながら、その構成員として 参入していく。 そのプロセスによって短期間でその地域に「住まう」ことができると考えた。

70


この間ドアを 直してもらったの!

このドアおしゃれ!

おーい! トンカチ貸してー!

ゆっくり持ち上げて!

今日はファブラボで 何を作るかミーティング!

こんどの企画は 棚を作ろう!

怪我には気をつけろよ またご飯食べにおいで!

このドア、私たちの家につけようよ ここにいる若い人は みんな元気だねー

お、重い…

味のある材料だね

持てたー!

誰かご飯くれないかな

どうやってつくるんだ?

のびのび長屋 - 都市近郊におけるマイクロディベロップメントの提案 -

71


背景 /BACK GROUND メガスケール開発による都市記憶の一層

都市が時間的連続の中で構築してきた歴史、記憶等は、 建築を建てることで時間の連続を絶たれる。メガヴォ リュームの建築の場合ある一定範囲の経験が一掃され ることになる。

木密という都市問題

木密は、現在進められている大規模な都市開 発と対称に、ヒューマンスケールな空間性が 魅力として認められながらも、火災や土地資 産活用などの観点で現在改善すべき問題とさ れている。

非接道敷地により止まる都市更新 更新が停滞し、メガスケールな開発により一掃さ れる原因として、土地の細分化によってブロック 内部に出来上がった「非接道地」の存在が大きい。 建築不可能のこの土地は更新を行うことができな い「死地」とされ、都心部にありながらほぼ無価 値の、買い手のつかない土地となっている。計画 地の東池袋四丁目も、同様の問題を抱えている。 池袋駅周辺の第一種住居地域の接道敷地の地価は、 平均 320 万円 / 坪であった。これに対し非接道敷 地は、一般的に周囲の接道敷地 ×0.5 という価格 がつけられている。しかし、建築行為を行えない ため、購入希望価格はつかない。

提案 /PROPOSAL 延伸型 DIY 長屋

双方メリットとなる土地売買

借主参加のセミ・セルフビルド

1 敷地 1 棟の原則(建築基準法施行令 1 条 1 項)にのっとり、 接道敷地から開始し、隣接する死地を購入しそれに順じてリニ アに、断続的に延伸する長屋を提案する。

接道敷地と接する死地を合筆

72

合筆したことにより、次の 隣接する死地を合筆し延伸 する

延伸する程に死地に接道可 能性を与え、木密の環境を 変えていく

接道敷地と合筆することで、無価値に近かった死地が建設 可能な価値のある土地として扱うことができる。賃貸の拡 大を希望する長屋オーナーの需要が、無価値の死地を売却 するチャンスとなり、双方にメリットとなる関係を生む。 接道敷地から始まる合筆が木密内部に進行することで死地 を救済しながら長屋は延伸する。

隣地と合筆するという線的、断続的な更新に対して、地組によ るツーバイ材門型フレームを連続させる簡易なフレーム工法で の建築を提案する。人力で扱えるため大型の重機を必要とせず。 少数のプロフェッショナルの監督のもと借主が参加できるセ ミ・セルフビルドの建設が可能である。


運営スキーム /Scheme 「物作りコミュニティ」を形成するファブカフェ 住人の共同制作により コミュニティを形成

木密のメンテナンス 機能を有する

建設プロセスが 入居者募集の広告となる

共同作業を種にした 周辺住民との縁の強化

セミ・セルフビルドの延長で DIY で住環境を整備していく

経験を活かし 近隣の木密の修繕を行う

周囲の木密をメンテナンス 機能を帯び始める

空間的提案:肩肘張らないラフな内装

無垢な木質フレームを内部に露出させる真壁構造にするこ とで、住民の DIY 等のカスタマイズを受け入れるラフな住 環境を創造する。

防災的提案:木密を守るファイヤーウォール

延伸長屋の先頭はファブカフェとし、物作りの拠点になる よう地域に開放する。長屋や周辺の木密の住人の DIY 作業 を補助し、物作りを種とした地域の縁を創造し、木密に活 力を与える。

のびのび長屋 - 都市近郊におけるマイクロディベロップメントの提案 -

長屋は、外壁に防火性能を有するダイライトを使用するこ とで準耐火建築物となる。この建築が木密内に延長するこ とで、火災の延焼を阻止する機能を持つ。

健全な賃貸運営

延伸型 DIY 長屋は非接道敷地を回収していくため、土地入 手費用が削減され、かつセミ・セルフビルドによる建設で 人件費が低減されるため初期投資が通常のアパート運営と 比較して少なくなる。

一般的な賃貸住宅は、入居者が変わるたびに内装を一新さ せるため、現状復帰のコストがかかる。住民にカスタマイ ズされるこの提案では更新という方法で蓄積されるため、 復帰にかかるコストが削減される。

73


延伸フェーズ /EXTENTION PHASE Phase 01

徐々に時間をかけて進むマイクロディベロップメント のびのび長屋は建築する→死地を回収し合筆する→建築をする→ ... というサイクルを繰り返すことで形成される。 接している死地は合筆することで建設可能な土地へと変化し、結果的に周辺の地価をも向上させることに繋がる。 小さく、時間をかけて行われるこのマイクロディベロップメントは街区の一括開発が進まない都心部の木密地域にお いて、木密の持つ情緒的風景やスケール、地縁を崩すことなく処方箋のように適合させることができる。

Phase 04

Phase 02

Phase 03

74


木密内に延長するリニアな長屋は準耐火構造 とすることで、燃焼防止帯として機能する

1) Phase 5 (9,10,1

住戸11

開発の先頭にファブカフェを配置。 ものつくり拠点として地域に解放される

住戸10

住戸9

ファブカフェ Phase 4 (7,8,9)

地域に開いたDIY広場を設けるによって ものつくりを介した縁の創出をはかる。 また消火栓も設置する

Phase 3 (5,6,7)

住戸8

住戸7

Phase 2 (3,4,5)

住戸6

DIY広場

既存の路地空間と対応する位置に 対応して住戸アクセスやピロティを 設けることで街並みを崩さず 都市空間と接続する

住戸5

住戸4

住戸3 1 Phase ) (1,2,3

住戸2

隣接する土地が接道義務を果たすことで 土地の資産価値をあげ売買する機会を得る

住戸1 N

平面図 1/300 0

5

10 m

のびのび長屋 - 都市近郊におけるマイクロディベロップメントの提案 -

75


住居内部(任意の間取り)

クランクが結合してできる広場

既存路地と繋がるピロティ

延伸フェーズ /EXTENTION PHASE

1

入居者によってカスタマイズされる 住環境

2

既存の道を、ピロティで連続させる 3

広場へ

GL

通路と連続した土間空間

76

共有物が集積するピロティ


ファブカフェはフェーズ通過後

地組みで構造を組みながら、先

住居として使われる

頭は伸びていく

先頭は常にモノづくりコミュニティの 拠点であるファブカフェが導入される。

5

ファブカフェの前に用意した ヤードでは、近隣住民も遊びにくる 6

広場に対し開放した土間は、住戸内への搬入を容易にし、 地域の活力を感じることができる場所となる。

のびのび長屋 - 都市近郊におけるマイクロディベロップメントの提案 -

既存路を延長するピロティ

断面図 1/150 77


間口の風景 路地空間を継承しながら、風景に溶け込む

既存路地から見る 長屋住人と周辺住人とがメンテナンスや 手を加える物作りを通じて縁を形成する

1 階⒥住居内観 通り土間に腰掛けながら週末の設計をする 78


既存住居との関係 長屋のクランクによって生まれるヤードは ワークスペースとして周辺に還元を齎す

フェーズ終了時の先頭 死地を回収したのびのび長屋の先頭は 開放され、できた縁をより拡大する

ファブカフェ内部と外作業の様子 ファブカフェではレーザー加工機や工具 を貸し出し、長屋住人以外も利用可能 のびのび長屋 - 都市近郊におけるマイクロディベロップメントの提案 -

79


INDEX 2016 ~ 2018 「人に伝える」という行為はとても難しい。 読み手に " 理解 " してもらうことと " 共感 " を得ることは違うということを意識しなが ら、「人に伝える」ということができるようにコンペに応募する。

80


2016

2017

2018

第 一 回 W o o d Fr ie nds 住宅設計学生アイディアコンペ

第 13 回ダイワハウスコンペティション

大東建託コンペ : 指定校部門

第三 回 P O L U S - ポ ラス - 学生建築デザインコンペティション

芝浦工業大学デザインチャンピオンシップ 2017

S MO K ER S ' ST Y LE COMPE T I T I ON 2 0 16

芝浦祭会場構成コンペティション

第 2 回 フ ェ ー ズ フ リ ー 住 宅 デ ザ イ ン コ ン ペ 2 01 8

Fig. 鏡で誘われた人がベンチに座り、水辺でくつろぐ

夜を彩る光

開放的な空

豊かな木々

港街の水面

Fig. グランモール公園周辺の景色

2. 横浜の魅力を繋げる鏡面ベンチ

①. 道を通る人を横浜の魅力により気付き易くする

?

表面を鏡面シート仕上げにすること によって、周辺環境、青空、街の姿 を映し出す。 鏡面シート t=0.5mm

木角材 50x50 ピッチ 50mm L=950mm

合わせ鏡の世界

木角材 50x50 ピッチ 50mm L=2000mm

①. パターン1/ 車椅子タイプ 車椅子の人も同じように空 間に参加することができる。 ベンチの座面の高さと車椅 子の方の高さは、ほぼ同じ高 さに設定しているので、同じ 体験をすることができる。

1枚鏡の世界

45°

②. パターン 2/ 中心テーブルタイプ

ランバー材 50x150 ピッチ 50mm L=2200mm

60°

歩行者を引き込むために、鏡面を作る。空などの人が 見落としがちな景色を、鏡に映しこむために、人の視 線の高さから鏡の傾きを決める。またこのガラス面は 後ろ側にあるベンチとの仕切りでもあり、人通りの多 い道からのプライベートな空間を作れるようにした。

格子に鏡を貼ることで、歩きながら見える鏡面の変化 を作り出した。単調な移ろいだけでなく、歩きながら 見ることで鏡の見え方が変化していく。また、格子同 士の鏡は合せ鏡となり、鏡面の見え方により深みを与 えられるように設定した。

水平方向連結部材 鉄単管パイプ φ=19.1mm L=1850 1850

アクソメトリック図

②. 鏡の作る心地の良い庇の空間

ランバー材を用い、 肌触りを確保する。 木の線材は互いに組 み合いながら構造的 に合理的な関係で軸 力を負担し合う。

三角形の断面が トラスとして作用

?

み物やお弁当を食べながら、 ゆっくりとした時間を過ご す。家族づれや、横浜にデー りに感想を言い合える

8. 直線的な道に人の溜まりをつくるベンチ配置

4. 景色をゆったりと味わえるベンチ ①. ゆったり座れるロングベンチ

マークシティで購入した飲

トに来たカップル、美術館帰

ダボ連結

7. 互いに支え合う構造

ピン接合

鏡に映った空見て人が集まる

鏡に木漏れ日が映ろう

20

?

②. 格子の鏡面は、歩きながら見え方を変化させる

ガラス

6. 多様な人に対応できるベンチのタイプ

水平方向連結部材 鉄単管パイプ φ=19.1mm L=1850

3. かがみの中に映ろう横浜の豊かな景色 ①. 鏡に景色を写し込み、人を誘う

545

提案は、グランモール公園内の豊かな木々や大水面、港町横浜 らしい開放的な空の景色を映し、横浜の魅力を繋げる鏡面ルーバー ベンチです。 横浜の街を歩く人々が、鏡の中で映ろう横浜の魅力的な景色にふ と目を奪われ、そっとベンチに座り、休憩します。ふとした日常 の中に、街の魅力に触れる特別な体験を与えるベンチです。

160-170cm

1. 横浜で感じる特別な日常感 港の街、横浜グランモール公園に、少しの気付きを与えることで、 日常の特別感を演出出来るストリートファニチャーを提案します。

Fig. かがみに映った空を見て人が引き寄せられる

6. 多様な人に対応できるベンチのタイプ

SHIMMER:MIRROR

歩行者の喧騒から離れ、ゆっくりと横浜の景色を楽し む楽しむために、ベンチは足を目一杯伸ばせるロング チェアとする。また背もたれの角度は、鏡面との力学 的バランスと、くつろげる角度の両方をとった。

芝 浦 工 業 大 学 デザインチャンピオンシップ 2 0 16

INDEX

第 15 回 主張する「みせ」学生デザインコンペ

また、日中の真上からの日差しに対して少しだけベン チに影を落とすために、鏡面を伸ばした庇をベンチに 設ける。道からのプライベート性や、真上を見たとき に鏡越しに見える景色の良さを意識した。

125 125

730

1525

00

②. 道の脇に気付きを与えるストリートファニチャーを置く

水盤とベンチが活動を誘発する

ピン接合 50

道対して傾きを作り、人を誘う

ピン接合 50

2200

50

立面図 S=1/20

全体配置図 S=1/250

まちを楽しくするストリートファニチャーデザインコンペティション

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