Uchumegane 9 American Issuu by uchumegane

★★ Interview with Magarisugi ★ ★Driving Photographing US A ★★Yeezus Komplex ★ ★ American Desert Tour★ ★Across the U S A 6000K ★ ★ E Z LI FE in American Dream★★Reading Samahdi ★ ★An d more ★★

UCHU ∞ vol.9 アメリカ特集

Contents 4

ロズウェル U FO フェスティバルリポート

アンテロープキャニオン UPPER and LOWER

バーニングマンコンプリートガイドブック作者緊急インタビュー

Driving, photographing in USA by Razy ISOI

"Yeezus" コンプレックス by 大林寛《OVERKAST》

アメリカ砂漠巡り by まきべえ

106

Across the USA 6000km by SHOZY

168

EZ life aka E Z 僕に踏まれた USA 僕が踏まれた USA 序章

178

激写！∞！謎の宇宙人疑惑のUFO 写真公開 byマーシャル・マクレイジー

188 読書三昧サマーディ歌に秘められた知らざれるアメリカ 190

Razy's collage『Feedback subway loops』

192 編集後記 194 次号予告

Roswell UFO FESTIVAL 2013 by UCHUMEGANE

t n e d i c n I ell

Rosw

件事ェル

ウズロ

1947 年 7 月 2 日、アメリカ、ニューメキシコ州のロズウェル近郊の砂漠地帯に UFO が墜落。その後、アメリカ軍により、UFO と宇宙人の死体が回収された。世界で最も有名な UFO に関する事件である。墜落したとされる UFO は 2 機。第一墜落地点は、ロズウェルから北西 150 キロほど離れた砂漠の中。第二墜落地点は、ロズウェルから西、400 キロほどの同じく砂漠の中。 GoogleEarth で確認するとわかるが、ロズウェルからはかなり遠い。見渡す限り何もない、そんな場所に 2 機の UFO は墜落した。 1947 年 7 月 8 日、陸軍は、空飛ぶ円盤を回収したと発表。それを受けて、地元紙、ロズウェル・デイリー・レコードは、「軍が空飛ぶ円盤を回収」と紙面に掲載。その信じられないニュースは世界中を駆け巡ったが、人々は「どうせ嘘だろ」と、大して信じなかった。それから 30 年後、目撃者たちは何を思ったのか、真実を話しだした。

回収に関わった、アメリカ軍陸軍少佐ジェシー・マーセルは、『あの時ロズウェルで回収したのは、異星人の乗り物だった』と証言した。事件の後、基地によばれた葬儀屋グレン・デニスは『ロズウェル異星人の死体解剖が行われていた』と語った。墜落した UFO の消火にあたった、消防士は、『地球以外の星から来た物体の墜落だった。死体は２体あったが、彼らは非常に小さく、10 歳の子供くらいのサイズだった。非常に小さな耳と大きな目があり、毛は全くなかった。つなぎのスーツを着ていた』何故この情報が、事件から 30 年経ち次から次へと出てきたのかそれはわからない。彼らは軍から『喋ったら殺すぞ』と脅されていたとも言う。それならなぜ、30 年経ってからは、皆堰を切ったように話し出したのか。謎は多い。しかし、この事件に関与する人々は 600 人ほど居ると言われている。彼らの全てが嘘をついているのだろうか？アメリカ軍は、事件後、気象観測用の気球が墜落したと発表した。本当に 1947 年 7 月 2 日、気球が墜落したのだろうか？気球であればここまでの騒ぎになっているだろうか？全ては謎に包まれている。ニューメキシコ州・ロズウェル、世界で最も UFO に身近な町。ここでは、UFO の墜落した 7/2 周辺の土日を中心として、毎年お祭りが開催される。UFO が本当に墜落したかはわからないが、アメリカ独立記念日の頃、ロズウェルを訪れれば、世界中から UFO を愛する、温かい人々が、夜空を眺めて、見知らぬ星を夢見ている。

Roswell U F O FESTIVAL

ロズウェル

UFO フェスティバル

★ロズウェル UFO フェスティバルとは？？ 2013 年に開催された主なイベントを記します。 ★前夜祭 2013 年 7 月 4 日独立記念日・退役軍人と家族との BBQ 大会もあるよ。 ★初日 2013 年 7 月 5 日

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オープニングセレモニー at UFO MUSEUM プラネタリウムでっかく OPEN スタントン・フリードマンやキャシー・マーデンによるありがたいお話 ★ 2 日目 7 月 6 日（この日がメインとなります）朝 7 時宇宙人マラソン。（コスプレしてランニング。コスプレしなくてもよし）朝 10 時宇宙人ペットコンテスト（ペットを宇宙人にコスプレさせる）昼 15 時宇宙人コスチュームコンテスト（宇宙人になりきるコンテスト）夜 21 時エレクトリックライトパレード（電飾をつけて遊ぶパレード）

★ 3 日目 7 月 7 日至る所で、UFO 研究家や宇宙人関連本著者によるありがたいお話を拝聴可能。 ★フェスティバル開催中には楽しいことがいっぱい！！・移動遊園地がやってくるが、規模は小さい。・プラネタリウムが開催されるので、昼でも星が見れる。・宇宙人関連アイテムを取り扱ったフリーマーケット同時開催！・宇宙人コスプレをしている人が沢山！・皆が道路に宇宙人や UFO の絵を描いて遊ぶ。・日本未公開のレアな映画が見れるかもしれない。例 Lunopolis 月面人とオリハルコンとケネディ暗殺をモチーフにした映画。

会場内は移動が大変。駐車スペースは多いから車で行こう！

ALIEN PET CONTEST ロズウェル UFO フェスティバルのピースフルな雰囲気を伝えるのに最も適したイベントが、 2 日目の午前中に開催される、エイリアンペットコンテストです。市民が、ペットを着飾って、宇宙ぽくする最高のイベント！そこには笑顔が溢れ、宇宙人を通して、誰もが友達になれる。ユートピアがそこにはあった。

エイリアンはやっぱりグリーンだよ！こだわりのポイントはメガネさ。飼い主：ジェームス犬：ケネディ

染めると噛むから、

メガネがポイントな

飼い主：サム犬：

宇宙船をイメージしてケージを作ったのなかなか中に入ってくれないのよ。飼い主：エイミー猫：

可愛いでしょ。緑に染めるのが大変。頭の上で宇宙生物を飼ってるの。飼い主：マドンナ犬：ルーシー

、マントにしたよ

なんだ！

：ジョン

Roswell Ufo Graffiti

a great var Alliens

riety of

Roswell でお買いもの。

ロズウェルに住む気のいい老夫婦が営む宇宙人グッズの店：STARCHILD ここに来れば魅力的な宇宙グッズが揃います！ UFOMuseum のすぐそばです。 Starchild 108 W. 1st St., Roswell, NMDirections: On the south side of 1st St., a half-block west of US Hwy 285/Main St. and one block south of US Hwy 380/2nd St. Hours: Daily 9 am - 5:30 pm. h t t p : / / w w w. r o a d s i d e a m e r i c a . c o m / story/20029

T シャツの品揃えは圧巻の一言。

宇宙人といえばグレイ型サングラス！

Roswell Photo gallery by shozy

usa colums

text by susazy

■ ROZWELL UFO FESTIVAL とアメリカにおける宇宙人ロズウェルに住む人に聞くと、この街には 1 年に大きな３つのイベントがあると言います。「春にある 3on3 の大きな大会と、ハロウィンにあるゾンビーウォーク（ゾンビの姿でストリートを練り歩く）。最大のイベントが 7 月の UFO フェスティバルだよ」 3 つのうちの 2 つが UFO とゾンビという時点でこの街は素晴らしいと断言できますが、この街の宇宙人への依存度も異常と思わずにはいられません。 1947 年に落ちたとされる UFO による事件は、1970 年代後半に、突如として目撃談を公表する人が増え、UFO はアメリカ空軍が回収し、宇宙人の人体実験をおこなったことが事実として、落ち着き現在に至ります。言い切ってしまいますが、ほぼフィクションです。ロズウェルは、世界でもっとも有名な UFO 事件の舞台となった街としての責務を果たすためなのか、立派な UFO ミュージアムがあり、売っているグッズはすべて宇宙人 UFO 関連という特異性を持ち、毎年、 UFO フェスティバルというお祭りを開催し、世界中の宇宙人ファンの関心を集めています。宇宙人を信じる人々によるピースフルなお祭りですが、よくぞ UFO だけでここまで頑張るなと衝撃を覚えます。

T シャツやコスプレ、街角の落書きやお店の看板に描かれた宇宙人や UFO を見ていると、宇宙人の色はグリーンで俗に言うグレイ星人、 UFO の形は円盤型がほとんどです。 1960 年代に入り、宇宙人に誘拐された、ビル夫妻の事件において、二人の目撃談をもとにイラスト化された、宇宙人がグレイ星人の元になったといわれます。その後、ロズウェルで話される目撃情報（実は自分も見てたんだよ。政府に口止めされてたけどね）もビル夫妻の目撃情報の宇宙人像に近く、宇宙人はグレイだとアメリカ中に広まったわけです。（ビル夫妻はコミュニオンという SF 小説の挿絵からグレイを連想したという説やドラマアウターりみっつの影響という説もあります） UFO が円盤型をしているのは見た目が恰好いいからというのが大きいでしょう。 UFO 宇宙人を信じる人々に溢れるピースフルな雰囲気ついては、異形を受け止めるという包容力から発せられるものだと私は感じています。「遠い星からやってくる宇宙人さん。変な形してても、受け止めよう。私たちはあなたを歓迎します」という態度は、ひいては、別の週刊慣習言語宗教をもつ他者に対しても、同じく好意的に受け止めますという決意であり、世界中が宇宙人を信じることは即ち、平和への近道となることだと私はここに断言いたします。

Anterope Canion PHOTo by Razy and SHOZY Upper by Razy Lower by SHOZY

LowER

UPPER

usa colums

text by susazy

■ アンテロープキャニオンアッパーとロウアーアリゾナ州ページという町の近くに、その峡谷はあります。アンテロープキャニオンは、有名アーティストの PV などでの利用により、人気観光地となり、多くの人々による写真が公開されていますが、峡谷がアッパーキャニオンとロウアーキャニオンに分かれていることは意外と知られていません。この土地はナバホ族が管理し、入口近くにて、ガイド料・入場料を支払い、ナバホ族の担当ガイドと一緒に入場することになりますが、アッパーとロウアーは、入場する場所も違います。ページの町から訪れる場合、右側がアッパー・左側がロウアーと覚えておくとわかりやすいです。日光が直上から降り注ぐ正午帯に合わせて入場すると、光のシャワーが見れるかもしれません。アッパーキャニオンは、光のシャワーを見られる可能性が大きく、入場口がわかりやすいのが特徴です。その分混んでいるという問題もあります。ロウアーキャニオンはアッパーキャニオンより離れた場所にあるため、入場口がわかりにくく、狭い場所やアップダウンも多いため、比較的空いていますが、いくつもの地層が織りなす美しい光景と螺旋の岩石が織りなすアートに見とれてしまいます。時間があれば、どちらのキャニオンにも訪れるのがお勧めです。宇宙メガネによる写真は、アッパーを RAZY・ロウアーを SHOZY が担当しています。

マガリスギ緊急インタビュー【バーニングマン・コンプリートガイドブック】著者、 2014 バーニングマンツアーの企画者でもあるマガリスギに聞く。ガイドブック・ツアー・バーニングマン 2014。 TEXT and Interview by SHOZY

バーニングマンに関しては、他の人が本を出したとしても薄くなると思うんですよ。絶対経験値は自分の方が濃いはずだから。薄くて面白くないものが先に出されるなら自分の納得行くものを先に出してしまおうと思った。 ■ バーニングマン・コンプリートガイドブック出版おめでとうございます。まず最初にバーニングマンを本にしようと思ったきっかけから教えていただけますか？「理由はいくつかあって、バーニングマンの情報については、web でずっとやってきてたんですけど、最近は広がっていないのを実感していて。昔は興味を持ってくれた人が Google で検索して見てくれてたんですが、もう若い子は SNS で見てそこで終わってしまっているようなんです。自分が SNS を使って頑張って情報を拡散すればいいのかもだけど、それでは労力として見合わないかなと感じて、バーニングマンを伝えるにあたって新しい切り口が欲しかったというのが一つの理由です。もう一つは、バーニングマンに対しての注目度が上がってきているから、恐らく自分が作らなくても誰かがガイドブック的なものを、そのうち出すんですよ」 ■ そうでしょうね「今、旅系ブログやネットニュースなんて文章はコピペで作れるんですよ。論文だけじゃなく。で…そこはまー仕方ないみたいになってるのですが、だったら本は先にだしておかないと悔しいかなと。波及力のあるメディアで出した方が本物になっちゃうから、それとバーニングマンに関しては、絶対経験値は自分の方が濃いはずだから、薄くて面白くないものが先に出されるなら自分の納得行くものを先に出してしまおうと思った」

「理由としては自分のサイトに限界を感じたのと誰かに出される前に先手を打ちたかった。この 2 つです」 ■ 内容についてのこだわりやどの層に届けたいかなどありますか？「今回発売するものは、あくまで参加するまでのガイドブックなので、幅広く 140 ページにわたって書かれています。まずは第一弾ということで全く知らない人が、行きたいと思った時に、チケットの購入方法や、キャンプ道具は何を持っていくべきなのか、会場に行く際に、どこで買い出しをして、どうやって過ごしたらいいかを知るためのガイドとしてるんですね。第二弾みたいなものがでるとして、中で何かをしたいひと向けにも出したいとも思っているんですが、今回は参加する人を増やすということで、幅広く読んでいただける。本に仕上がってると思います。バーニングマンとはなんぞやと、あとはバーニングマンにいってる人へのインタビューや用語集 FAQ や年表も用意してあります」 ■ それはすごい「普通に読み物としても面白いと思いますよ」 ■ バーニングマンというイベントのでき方って偶然というか不思議な流れで今のスタイルが出来上がっているから歴史を知ることはとても面白いですよね「はい。まずはきっかけ的にバーニングマンのことを知ってもらって、次はインスタレーションをしたい人や DJ したい人むけにかければいいなと」 ■ 続編がどんどんでていく可能性があると

伝説のイベントとか言われるのも違和感あるんですよ。会場内にはアメリカの女子大生が普通に来てますから

「出したいですね。今回も 1 から 10 までしっかりと入れているんですが、10 をどこまでいれていいかというのがあって、キャンプひとつとってもテントをどこにはるのかどんなテントがいいのか等々、細かくしようと思えばいくらでもでてきますよね。レンタカーのことやジェネレーターの利用についてなど…キリがないほどありますし…。徐々に網羅できたらなと思います」 ■ 今回のガイドブックにて有名キャンプの紹介はあるんですか？「それはやってないですね。毎年変わっちゃうので。ただ巨大なサウンドキャンプの場所やクリティカルティッツ（注 1）みたいななくなりそうにないイベントについては紹介してます。一先ず、イベントについて知らない人が網羅できるように今回のガイドブックでは作っています」 ■ バーニングマンも有名になってきてますがまだまだ実態がつかめないと思ってる人が多いので、とてもいいと思います「伝説のイベントとか言われるのも違和感あるんですよ。会場内にはアメリカの女子大生が普通に来てますから。今までだと情報がまとまってないというのがありましたよね。magarisugi.net があってもその層にアプローチできてなかったので、そこに広めていきたいです」 ■ 今後楽しみですよねその層に届いてどのように広がって行くのが「そうですね。あと写真もいっぱいのってるので。ビジュアル的な楽しみもありますよ」

■ 写真はどなたが？「著名なバーニングマンカメラマンによる、数万単位の写真から選んでます。 REIJI ISOI（宇宙メガネ）による」 ■ 数万を全部見たんですか？ピックアップされてなかった？「すべてが届きましてその中から選びました」 ■ バーニングマンって正式なルールでは写真ダメじゃないですか。その中で万単位の写真をとるというのはとても大変ですよね。もちろん許可はとってあるわけですが… 「撮るのが好きじゃないと、難しいですよね。会場内では遊んでいたいじゃないですか。やっぱりすごいなと。これだけの写真よく撮ったなと思いますよね。凄いカメラマンですよ」 ■ 写真も楽しみですね「それと写真展もやりたいなと思っていまして、本にのっている写真はごく一部ですし、僕や編集者が選んだ写真になるので、カメラマンがセレクトした写真展もやりたいなと現在画策中です」 ■ 発売が待ち遠しいですね「バーニングマン・オフィシャルとの契約や審査もあるので大変ですが、おそらく夏頃には造形社より全国書店で発売されます！発売されたら全国行脚しながら本屋をまわろうと思っています。あなたの街にもいきたいなと。床屋と

かフェリーの本棚とかに並べてやろうかなと。ラーメン屋の漫画の横にも並べてやりますよ（笑）」

バーニングマン体験ということで、会場内でどんな感じで過ごそうというのも含めて、事前にディスカッションしながら、一緒に参加したいなと思っているんです ■ ようやく一般的になってきているバーニングマン。さらに参加するための敷居を低くするためにツアーを企画されていると伺いました。「10 数年情報発信をし続けてきて、バーニングマンへのツアーをついにやっています。まーでも、ツアーといっても、いわゆるパッケージツアー的な、送迎があって航空券があってというものではなく、どちらかというと仲間募集の要素が大きくて、ガイドブックの著者として参加することで皆の知識レベルを増やして行って、いままで一緒に行く仲間が見つからなかったり、経験者がいないと不安な初参加の人をサポートできたらなというツアーです。全部が全部を面倒見るわけではなく、かといって完全放置ではない中間くらいのツアーを企画になりますね。バーニングマン体験ということで、会場内でどんな感じで過ごそうというのも含めて、事前にディスカッションしながら、一緒に参加したいなと思っているんですね。金だけ払ってとりあえず参加してしまえというのはイベント的にもなんかな？ってあると思うんですよ、。そういう意味で敷居も高いし、企画者としても大変なところだとは思うのですがツアーやってみたいなと。実際、こちらで送迎もご飯も泊まる場所も全部準備します。でも 50 万円払ってというやり方のほうが楽なのですよ。皆で考えてやりましょうってなると、どうしよう、あーしようって凄く悩むし、でもそっちのほうがバーニングマンぽいかなと。それが一番大事かなとでもツアーは今年しかしないですよ」

■ ツアーは今回だけ。今年行かなかったらマガリさんとは行けないと。「そうです。来年以降はないですね。今年はまずいってみて、いろいろなことのきっかけになればとおもってるのですよ。なので今年だけ。来年以降は言った人たちで考えてと」 ■ 今年に関して言えば、いろいろわからないことの多いバーニングマンにおいてマガリさんがいるので安心というのはありますよね。「多分、砂漠までの道も迷わないはずですよと」 ■ 初心者ばかりなので、入口で鐘とウオッカ（注 2）もありますよね。あれはテンション上がりますよ。「実は俺やってないんですよ。自分が最初に行った時はイベント開始日より前に入ってたし鳴らす鐘もなくて。その風習ができた時には、バージんじゃないからもうできないという…」 ■ それは残念ですね…早く参加したからあれができないなんて。でも今年行く人はできます。ツアーに参加する場合の利点とかってあるんですかね。「テントをどうしようというのも今考えていて、レンタルするかでかいテントを買おうと思ってるので、一人で行って小さいテントで過ごすより快適ですよと。ツアーだからこそ、の面白い点も出して行きたいなと思ってます。1 人 2 人で行く場合より、結果的に安くもなると思いますよ。レンタカーや食品や必要なものを大人数でシェアできますので」

■ ツアー参加の締切ってまだ大丈夫ですか？「具体的な日程は決まってないですが、8 月上旬くらいが最後かなと思います」 ■ 英語が不安な人にとっても安心ですよね。「事前説明会も企画してますので、不安なことがあれば話す場所も用意しているのでそちらに来てもらうことができます」 ■ 興味がある人はトリッピーズのバーニングマンツアーのページをお気に入りにいれていくのがわかりやすいですね。「毎週メルマガっぽいのも出してるので、情報は充実してますよと。自分のサイトより手かかってますから（笑）できるだけ多くの人と、朝日の前でジャンプとかして記念写真したり、長い影とかハートマーク作ったりするのもいいかなと（笑）まずは興味がある方は、のぞいてみていただければと思います」 ■ せっかくなので、今年のバーニングマンについてもお聞かせください。「2014 のアートテーマ（注 3）がキャラバンサライ。キャラバンサライとは、シルクロードの途中に隊商宿（たいしょうやど）というんですが、今で言うとバックパッカー宿、旅人たちが泊まっていた宿がありました。そういう場では色々な人が交流して、マーケットが出来て、技術や情報について交流する場になっていったんですね。その場所にとどまる人もいれば。そこで得たものを別の場所で伝えていく人もいる。バーニングマンはお金のやりとりはしないんですけど、バーニングマンの場が再び、キャラバンサライの場であったようにいろいろな人と交流して、新しいアイデアが生まれてまたシルクロードのように世界に、様々なものが広がったらいいなというアートテーマです。すごいしっくりくるなとそういう役目としてもあっていると思います」

1986 から変わらなかった、バーニングマンのシンボルの形がかわります。今まではバーニングマン像の下に土台もあったんですがこれもなくなって、マンが地面に立ちます。そしてでかいです ■ 今年の注目ポイントってあります？「今年の大注目としてはいよいよ、1986 から変わらなかった、バーニングマンのシンボルの形がかわります。今まではバーニングマン像の下に土台もあったんですがこれもなくなって、マンが地面に立ちます。そしてでかいです。根本的に砂漠の見た目がかわってしまうかもしれないです」 ■ 今年行く人は本当に楽しみですね「マンが台座にのっていると触れなかったので、今年は触れる楽しみもあります。後は、運営側で去年の交通渋滞半端なかったらしく、そこも解決にむけて動いているらしいです。だいぶ過ごしやすくなるのかなと。でもやはりマンのデザイン変更がでかいですよ土曜日にマンをド派手に燃やすんですが、今までは台座の中に火薬いれていたので、台座のない今年は燃え方がかわるんですよ。台座のない昔は地味だったのでまた地味になるかも知れず。全くわからないです」 ■ すごく楽しみですね。今年行く人の特権ですよね。「ツアーは今年しかしないので、来年以降は現地の受け入れ態勢についても考えたいなと思ってますね。リノの町でコンテナが借りれたりするので、そこに自転車やジェネレーターなどの必要なものを置いて、次回行く人が共有できるようになったりしたらいいなと思うので、そういった動きもしたいなと。行きたいだけじゃなくて、行って DJ やインスタレーションやダンスやりたいという相談も受けるので、そこをなんとかサポートしていきたいなと思ってます

ね」 ■ なるほど、まずは本を読み、ツアーに参加し、バーニングマンに行ってみる。そして来年以降会場で何をやりたいのか考えるのがよさそうです。「最初に行ってから 15 年経ちましたが、バーニングマンに行くだけで色々な人とも触れ合えるし、いろいろ世界が広がると思うので興味を持った人には行ってもらいたいですよね」 ■ マガリさんと一緒にいけるというのは大きいですよ。「マンの事もありますが、今年は大きな転換点になると思うので、とてもおすすめですよ。あとはチケットをなんとか手に入れてもらって。一緒に行きましょう！」注 1 クリティカルティッツ女の子が上半身裸で自転車にのって、会場内を走り回るイベント。女子は参加すべし。注 2 アートテーマ毎年バーニングマンにはアートテーマが設けられています。今年はキャラバンサライ・去年はカーゴカルト。会場もテーマに応じて設営されています。注 3 ウオッカと鐘エントランスにて、バージン（バーニングマンに初めて参加する人）には、鐘を鳴らしてもらえて、ウオッカを飲まされ、強制的に砂にまみれされるというイベントがあります。これを経ると一気にテンションあがるので、バージンには、必ず体験するのをおすすめします。

マガリスギ PROFILE マガリスギ .net というバーニングマンやソンクランを題材としたカルチャー発信サイトを 10 数年やっています。バーニングマン・コンプリートガイドブック著者（造形社）クリスタルボウルの LIVE もやってます。東京 · magarisugi.net

夏頃

さぁ、新しい常識をクリエイトする旅へ!! 世界最大規模のアートと音楽と悪フザケの祭典「バーニングマン」。

強烈なヴィジュアルで注目を集める一方、会場は広大な砂漠、衣食住の

すべてを持参、お金が使えない、毎年そこそこ死傷者が出ている等、伝

説が伝説を呼び続けてきたこのイベントへの参加方法を完全網羅した日

本初のガイドブックがついに完成!!

2014年の夏、新しい常識をクリエイトする旅への一歩を進めよう!!

[主なコンテンツ]

バーニングマンって何？ / チケット購入方法 / 砂漠のサバイバルガイド / 会場までのアクセス方法 / 持ち物ガイド / お買い物MAP / エンジョイガイド / バーニングマン年表 / FAQ / 用語集 / 参加経験者インタビュー（USA from EXILE, DJ YUMMY, ひろゆき, 浜崎健, Razy 他）予価1200円 140P（カラー＋モノクロ）株式会社造形社

でツアーも公開中みんなで旅をつくるソーシャル旅行サービス「trippiece」にて、本誌ガイドブック著者と行くバーニングマン・ツアーを公開中！みんなでワイワイ計画を立てて、一緒に砂漠を目指してみませんか？詳しくはトリッピースのサイトから！ http://trippiece.com/campaigns/burningman http://www.bmgbjp.info/ info@bmgbjp.info https://twitter.com/BMGBJP

マガリスギと行くバーニングマン 2014

https://www.facebook.com/burningmanguidebookjp

https://trippiece.com/campaigns/burningman All Photos by Reiji Isoi a.k.a. Razy(宇宙メガネ)

Driving, photographing in USA by Razy ISOI

"Yeezus" コンプレックス by 大林寛《OVERKAST》

Photo by U2soul

21 世紀型のロックスターカニエ・ウェストはソーシャルメディアとヒップホップの申し子なんだ。彼はあらゆる種類の音楽とポップカルチャーについて心得ている。こいつは本当に大きなパレットを使って遊んでるんだ。その顛末が "Yeezus" なのさ。このレコードには最高に美しくて偉大なる瞬間がいくつもある。そのうちの一部にはいつも通りのものもあるけど、とにかくこいつは本当に、本当に、本当に才能があるんだ。彼はこれまで標準とされてたレベルを本気で引き上げようとしている。他のやつらがやってることは彼の足元にも及ばないし、もはや同じ星にいるとさえ思えない。 ― ルー・リード *1 カニエ・ウェストが愛おしくてたまらない。その自己愛が過ぎたバカバカしい言動から、とにかく目が離せない。それなのに彼の音楽を聴いていると、なぜか強い気持ちが持てる気がする。

"W Magazine" において「スキャンダルマグネット」*2 と名付けられ、彼本人も「オバマ政権時代の嫌われ者」（"Power"）と自嘲するように、カニエ・ウェストは「喜劇の主人公」として、いつも超人的なエゴを晒している。しかし議論の的となる一方で、類まれなる創作を続け、"The Atlantic" 誌に「iPhone 世代最初の真の天才」で「アメリカのコンテンポラリーミュージック界におけるモーツァルト」*3 と賞賛されたり、冒頭で引いたとおり、生前のルー・リードにも手放しで褒めちぎられている。もしかすると、これが 21 世紀型の「ロックスター」の姿なのかもしれない。20 年前の「ロックスター」だったアクセル・ローズは、精神カウンセラーとトレーナーを同伴していたが、カニエは現在、音楽コンサルタントとデータアナリストを引き連れている。こんなカニエ・ウェストが「アメリカ」という国を、どれほど体現しているのかわからないが、「アメリカ」における何かを象徴しているのは間違いないだろう。とにかくカニエ・ウェストは、これまで「喜劇の主人公」と「ロックスター」の両方の役を、同時に演じてきた。2009 年の MTV ビデオ・ミュージック・アワードで泥酔して乱入したとき、すこし冷却期間を置いて、キング・クリムゾンの「21 世紀の精神異常者」をサンプリング（"Power"）して神々しく復帰した。また性器を晒したセルフィー（自画撮り）を女性にリークされたときは、"Runaway" という曲をリリースし、その単調なピアノリフの上で、今の心情を素直に明かした。いつも彼は、確かな信念と率直な態度によって、ピンチをチャンスに変えてきたのだ。

症状としての "Yeezus" 彼女はかなりの誇大妄想狂。いいと思うよ、誇大妄想狂で。 ―"Paranoid" では、彼が "Yeezus"（カニエの呼称 "Yeezy" と "Jesus" の造語）という「神」の役回りを引き受けた経緯を、リリックから探ってみたい。まずは 2003 年に、カニエが起こした瀕死の交通事故について歌った "Through

The Wire" で「神への感謝」を述べ、2004 年の "Jesus Walks" では「神」と対話したと語り、「主は我とともに歩む」と歌っている。すこし間を置いて、2011 年に Jay Z と共演した "No Church In The Wild" という曲では、「王にとって暴徒は、神にとって王は、何も信じない者にとって神は、何の意味もない」と、「神」の不在を問うに至った。さらに 2012 年の“New God Flow”では、「モーゼは杖で海を割るんじゃなかったのか？ Yeezy は Hova（訳注：エホバから発展した Jay Z の呼称）と契約したんじゃなかったのか？」と、「神」の座の交代と継承をほのめかした。そして”Yeezus”において、ついにカニエ・ウェストは自分が「創造主」（”I Am A God” ）であると言い放ち、一部のメディアは彼を「救世主（Messiah）」と呼んで歓迎した。これが彼と「神」の交信記録で、神観の変遷を表しているのなら、カニエ・ウェストは「アメリカ」を中心とした「神」なき世界において、自ら "Yeezus" という「神」を名乗り出たと考えられないだろうか。しかし臨床心理士であるデイヴィッド・アンドリュースは、このようなカニエの言動を「救世主コンプレックス」というユニークな症状であり、両手にあまるほどのエゴと誇大妄想の合併症による精神疾患であると診断している。*4 その診断結果によると、カニエは精神分析用語で言うところの「防衛機制」の作用によって、環境への不適応を補うために、自我を安定させる行動を選んでいるらしい。自ら「カニエという名は虚栄心と同義だ」と言うとおり、いつも自分を「現存するもっとも偉大なラッパー」だと信じ込ませながら、虚勢を張っているのだ。ステージに神の山を用意して、その頂で天から差す光に照らされる姿や、 "Yeezus" のプロモーションで行った、世界 10 都市のさまざまな建物に、彼の顔がアップされたプロジェクション映像などを見ていると、システ

Photo by U2soul

ム哲学者のアーヴィン・ラズロが「21 世紀の神はホログラムとして投影される」*5 と予言したことを思い出さずにはいられない。カニエはセレブリティとしてではなく、全知全能の神人として尊敬され献身されることが、どうしても必要なのである。

創造主の考える世界のアーキテクチャリーダーがいて、フォロワーがいる。おれは飲み込む側じゃなくて、飲み込ませる側でありたい。 ―"New Slaves" パリのロフトスペースで制作されたアルバム "Yeezus" は、最終的に 80 年代のミニマリズムへと傾倒していった。その行き先のひとつは、アルバムのプロデューサーであるリック・ルービンによるヒップホップのプロダクションで、もうひとつはカニエのホームであるシカゴ発祥のアシッドハウ

スであった。またそこに、彼がデビュー以来アップデートを続けるヒップホップと、トラップやシカゴ発のドリルといった最新の音楽を、ミニマルな構成のうちに結びつけていき、快作 "Yeezus" は完成した。ミニマリズムというコンセプトは、カニエがパリで出会った建築やデザインの文化が影響している。NY タイムズのインタビューによると、彼はル・コルビュジエのデザインにインスピレーションを受け、実際にコルビュジエの家を見に行ったり、またミニマリズムの標語”Less is more.”で知られるミース・ファン・デル・ローエの哲学に関心を注いでいたそうだ。*6 これまでもカニエは、レム・コールハース主宰の建築家集団 OMA と仕事をしたり、自宅をデザインをお気に入りのイタリア人建築家に任せたことで知られており、アーキテクチャの哲学に行き着いたのは、当然のなりゆきだったのかもしれない。では「創造主」カニエ・ウェストは、この世界のアーキテクチャをどのように考えているのだろうか。

おれはデザインを通じて世界が救えると本気で信じてるし、現にすべてのものは構築（architected）されるのを必要とされてるんだ。（……）ユートピアは実現できると信じてるけど、おれたちを先導してる奴らには、気高さや品格や風情のかけらもない。この上なく愚かなくせに、政治的な駆け引きだけは誰よりも得意なやつらだ。だからおれは決して政治家なんかじゃない。いつも徹底してポリティカル・コレクトネス（政治的な公正さ）の逆を行くことにして、率直であろうとしてるんだ。*7 これは彼がハーバード大学の建築学部に訪れ、学生たちに向かってゲストスピーチしたときの記録である。この言葉は「神」によってではなく、その仮面を脱いだ「人間」カニエ・ウェストによって語られているように聞こえる。そしてこのような率直な物言いが、彼の「人間」的な魅力を支えているのではないだろうか。最初に示したカニエの二面性を振り返ってみよう。「ロックスター」の彼は、クリエイティブな奇蹟を起こす「創造

主」である。また「喜劇の主人公」である彼は、メディアが伝えるように、ビッグマウスによって奇蹟を予言する「救世主」と言えるだろう。そしてカニエ・ウェストはその狭間に立ちながら、「"Yeezus" コンプレックス」という奇病を患っている。しかし彼の音楽を聴いたとき、その率直な物言いを聞いたとき、われわれは「人間」として本来的な問いを突きつけられた気になる。「われわれは何のために生き、何と闘い、何のために死ぬのだろうか」と。 ”Yeezus”という名の「神」は、極めて「人間」くさい。「人間」を創ったのは「神」だが、「神」とその創造の物語を創ったのは「人間」である。カニエ・ウェストは、この「人間」らしい論理的な矛盾と葛藤を引き受けることによって、「神」の存在意義と創造性を手に入れているのかもしれない。 *1 The Talk House "Lou Reed Talks Kanye West’s Yeezus" *2 W Magazine "Kanye West: The Transformer" *3 The Atlantic "American Mozart" *4 CNN.com "The Kanye God complex" *5 アーヴィン・ラズロ『CosMos』（講談社） *6 NY Times "Behind Kanye’s Mask" *7 Harvard Graduate School of Design "Kanye West meets with GSD's African American Student Union, gives impromptu talk"（映像）

大林寛株式会社 OVERKAST 代表。エクスペリエンスアーキテクト。ティモシー・リアリー発、マクルーハン＆フラー経由で、ギブソンのアフォーダンス理論、そしてエクスペリエンスデザインにたどり着く。http://overkast.jp

アメリカ砂漠巡り by まきべえ大学を出てから西海岸の大学院に行こうと思って、サンフランシスコよりロサンゼルスを選んでしまった理由の一つは「南のほうが体力が要りそうだな」というざっくりとした理由からだった。年寄りになってからでもサンフランシスコは楽しめるだろう、それに比べてロサンゼルスは脳天気さを許せる若さと筋力がないと辛そうだ、という偏見があったせいだけど、4 年住んだ後もそういう印象は変わらない。一度、気乗りしないまま宿題を助手席に乗せて家を出て、ちょっと学校と反対側へと折れて最寄りのフリーウェイを北に向かってみたら、1 時間そこそこでモハーヴェ砂漠（Mojave Desert) に出た。

旅客機の墓場があったり、アメリカ最大のソーラー発電ベンチャーがあったり、年一回のマッドマックス風野外フェス (Wasteland festival) の行われる農場のあるエリアだといえば分かる人がいるかもしれない。ロサンゼルスとラスベガスの間に広がる、ちょっとピンク色っぽい砂漠だ。砂漠といっても草なのか木なのかサボテンの一種なのか、よくわからない植物がいい加減に生えている岩と砂のまじった空き地みたいな所で、荒野といったほうが近い。フリーウェイの出口の名前をつけるのもダルくなって、アルファベット一文字しかついてないような所だ。エドワーズ空軍基地とあったので、出来心で曲がってみたけれど平らな盆地の割になかなか基地なんか見えて来ない。車が止まったら助けが来る前にガラガラヘビに会いそう、と１人でビクビクしながらすっ飛ばしたら早速入り口に着いてしまった。フル回転で言い訳を考え、一番ましなものを選んで、自然に口をついて出るよう頭の中で復唱しながら、つとめて冷静に免許証を出した。「もうしょっちゅう来てるんだけど、友達が忘れ物？とか言うんですよ？」みたいな顔をつくったのに（どんな演技派だ）、ろくにチェックもしないで入れてくれた。その後、構内に展示してある飛行機のひとつひとつにドキドキしながら写真を撮って、よく磨かれた機体に美しい夕陽が反射するのを眺めてから帰った。今思えば、あれは緊張と解放と喜びをいっぺんに味わう吊り橋効果みたいな体験だったのもしれない。

過酷な気象条件と変な景色の宝石箱みたいなデスバレーはここからさらにラスベガスに向かった少し手前にある。あちらは地学や自然科学が好きな人にはたまらない観光地なのだろうけれど、実際に目にしてみると変化に富んだ風景には意外と早く飽きてしまう。アメリカで一番カラカラだと聞いていたのにシンプルな砂漠ひとつ無くて、珍しい地形だとかおもしろいネーミングの景勝地なんかがひたすら神経を逆撫でするのだ。ほんの少しだけ帯状広がる砂丘に寝転びながら「物足りないなァ」なんて、友達と話しているうちに今度こそは「何もない砂丘で、さらさらの砂にまみれてただ転げ落ちたい」と思った。北アメリカには大きく分けて３つの砂漠があり、デスバレーを擁するモハーヴェ砂漠のほか、メキシコ国境をまたぐソノラ砂漠 (Sonoran Desert) とチワワ砂漠 (Chihuahuan Desert) がある。こういう時にブラックロック砂漠のような寒冷地砂漠は含めないらしい・・などという細かい話は今さっき調べて知った程度で、普段の生活では砂漠の名称など気にとめる人は少ない。

北のモハーヴェ砂漠はハイデザート (the High Desert)、そして南のソノラ砂漠の中でもコロラド砂漠辺りはロウデザート (the Low Desert) で通じる。南カリフォルニアは上下を砂漠に挟まれている、というよりはそもそも山地以外は砂漠だと思ったほうが分かりやすい。会話の中で砂漠 (Desert) と出てきても何砂漠というわけでもなく、単純に乾いて開けた土地を指している事は多い。ロサンゼルスの椰子の木だって自生していたのは一種だけで、あとはせっせと植えて水をやって育てたもので、本来はあの乾燥した大地には馴染まない植物なんだそうだ。ロサンゼルスからサンディエゴまで南下し、8 号線をひたすら東へ走るとアリゾナ州へ入る少し手前で、フリーウェイの左右がコマーシャルにでも出てきそうな砂丘に変わる。コロラド砂漠の南端にあって都心からのアクセスも悪くないここはインペリアル・サンドデューン (Imperial Sand dunes Recreational area) という、地域住民に愛された砂丘だ。地図を見るとフリーウェイを挟んで南北に細長く続いているのが分かるが、実際降り立ってみると四方八方サラサラの砂丘がどこまでも続いているように見える。車を止めてちょっとだけ、と思って金色の丘に登ると次の丘が見えて、足をとられるくらい深い砂を踏みながらついつい奥へ奥へと何も持たずに歩いてしまう。照りつける太陽の下、気分はもう三蔵法師。ビジュアル的にも申し分ない砂漠といえる。

それでもビジュアルのインパクトでいえば、ホワイトサンズ (White Sands National Monument) に勝るものはないだろう。カリフォルニアからメキシコ国境にまたがるソノラ砂漠よりも東、ニューメキシコ州やテキサス州の南部からメキシコのチワワ州を覆うチワワ砂漠の中にある、紙のように真っ白な砂漠だ。ここを教えてくれた友人は、その名もズバリ「ホワイトサンズ」というミッキー・ローク主演の映画で知ったそうだけれど、白い砂漠以外はあまり見るべき所がなかったとか。近くに寄ったら雪に見えるほど白いのは石膏の結晶で、その砂丘が東京都内より広い範囲で続き、砂漠そのものが天然記念物でもある。ミサイル基地に隣接しているほかは何もないので、時折空を横切る戦闘機以外は静かなのも良かった。訪れたのは照り返しがまぶしいほど晴れた冬の日で、そこそこ温かかったのに目に映るのは「雪景色」、手に触れるのはヒンヤリしているけど乾いた砂、自分の呼吸しか聞こえないような静けさ。変な映画の中に放り込まれたような混乱は、どちらかというと快感に近い。飼っていたイグアナと一緒に旅をしていたので、いたずら半分に放してみたらちょっと躊躇した後にすごい興奮して全速力で砂丘を駆け上がったのを泡食って追いかけたのもいい思い出だ。存分に白い砂とたわむれ、砂丘を転がったけれど、座っていると冷えてくるのでそう

長居はしなかったように思う。はるかテキサスまで運転してパーフェクトな美人に会えたんだけど、あんまりくつろげない。そんなホワイトサンズより親しみやすいインペリアル・サンドデューンは、さしずめ隣のお姉さんタイプといったところ。北米３大砂漠の中の名所以外にもちょこちょこチェックしたけれど、やっぱり健康優良カリフォルニアガールみたいなインペリアル・サンドデューンのほうが古典的な「砂まみれ」欲求をいちばん満たしてくれるだろう。ただし年末を除いて。 2000 年になんなんとする大晦日にキャンプグッズを持ってインペリアル・サンドデューンに到着した私達を待ち構えていたのは大量のキャンピングカーだった。「え？ディープインパクト来ちゃったの？」というくらいに駐車場を埋め尽くすキャンピングカーとブンブン唸るサンドバギー達。免許がいらないのか、サンドバギーには子供だけ４人で乗って、１０歳くらいのお兄ちゃんがハンドルを握ったりしている。

本当に世紀末ってこんなになっちゃうんだね。前回通りかかった際には人っ子ひとりいなかったので、休日なら他にもキャンパーがいるかもしれないという事さえ予想していなかったのが悔やまれる。求めていなかったテイストにくらくらしながら砂丘を登ってみると、奥の奥まで見渡す限りサンドバギーのタイヤ跡だらけだった。カリフォルニアの海岸線からは距離があるものの、反対にアリゾナ州ユマからは目と鼻の先。これだけ街から近くて、キレイで楽しい砂場があったら休日に地元民が放っておくわけがなかった。通り向こうからは３０度くらいはありそうに見える急斜面をサンドバギーで登っては、滑り台のように走り下りて「イーハー！」だとか言っているのが聞こえてきて、なんともうらめしい。それでも比較的静かな砂丘に登って、好きなだけ転げ落ちたり砂にまみれたりして、ちょっと意地になって日暮れまで遊んだ。サンドバギーは夜中でもライトをつけて走りまわり、カリ

フォルニア州内では違法の花火がパンパン鳴る中、テントでシャンパンを開けていたら新年を祝う雄叫びが聞こえた。タイムゾーンの違うアリゾナ州民が一時間早くハッピーニューイヤーと叫び、一時間後にカリフォルニア州民が負けじとハッピーニューイヤー！と声をあげた。静かな砂漠を独り占めしながら飲むはずのシャンパンは、テントの中でならず者達の声を聞きながらちょっといまいましいほうのアメリカについて愚痴を吐きながら空ける事になった。翌朝、キャンプ地の出口にぽつんと公衆電話が立っているのを見つけたので日本の実家にコレクトコールをかけてみた。2 0 0 0 年問題で世界が端のほうからメロメロになっているんだとしたら、まだ終わりまで猶予のある自分達が暗雲立ち込める未来へ向かってサラ・コナーのように車を走らせないといけないかもしれない。

「もしもしー」「ああ、なんだ。どうかした？」と、父親が出た。「元旦だから。あけましておめでとう」「そうか。そうだな。おめでとう」「で、どうなの。世界はまだある？大丈夫？」「うん？」「そっちは先に 2 0 0 0 年になったでしょ。2 0 0 0 年問題とか」「ないない、なにもない。いくつかトラブルあったけどぜんぜん、大したことない」「じゃあ、まだ世界は続くんだ」「そう、まだまだあるよ。いつもどおり」「ハハハッ」「いま、どこにいるの？」「うんー、ちょっと、砂漠」とお茶を濁して電話をきった。砂丘全体に携帯の電波が届くようになった今でも、あの公衆電話はそこにあるのではないかと思う。世界は終わらなかったし、救世主を産んだりもしなかったけど、自分だけの舞台に立ちたくなったらまた車をとばして砂漠に行こう。

makibee ロサンゼルスにて留学中の 2000 年に初めてバーニングマンに参加。その後日本に帰国してからも参加し続け、 2012 年までに 10 回も通ってしまう。 2007 年よりバーニングマン・リージョナルネットワークの日本担当を受け継ぎ、ボランティアとして年を通しての活動を開始。同じビジョンを持ったイベントやアーティースト活動のサポートを幅広く行なっている。 http://www.burninja.info

Across the USA 6000km Distance Between Frorida and California 2013/06/27-- 2013/07/14 18 days photo and text and triped by SHOZYă&#x20AC;&#x20AC;

2013/06/28 fri 17 : 18 Southernmost Point @ Key West https://goo.gl/maps/MUuHX

2013/06/28 fri 17 : 45 Southernmost Point @ Key West, FL https://goo.gl/maps/CYxeY

2013/06/28 fri 18 : 00 Southernmost Point @ Key West, FL https://goo.gl/maps/lrbBP

2013/06/25 fri 18 : 40 Mallory Square @ Key West

t, FL https://goo.gl/maps/i35Ae

2013/06/29 Sat 10 : 10 Miami Beach, FL

htt

tps://goo.gl/maps/TpBcY

2013/06/29 Sat 14 : 33

Driving Highway to Kissimmee, F

2013/06/30 Sun 06 : 50 Lake Tohopekaliga @ K

Kissimmee, FL https://goo.gl/maps/RD303

2013/07/01 Mon 15 : 53 Panama City Beaches, FL

https://goo.gl/maps/DL0Rr

2013/07/02 Tue 10 : 10 National Naval Aviation Museum

@ Pensacola , FL

https://goo.gl/maps/zQzJR

2013/07/02 Tue 11 : 30 Navy Beach NASP @ Pensacola , FL https://goo.gl/maps/QCUIX

2013/07/02 Tue 15 : 00 USS ALABAMA @ Mobile, AL https://goo.gl/maps/dTSNK

2013/07/02 Tue 18 : 30 Woldenberg Park @ New Orleans

s, LA https://goo.gl/maps/jqPgU

2013/07/02 Tue 19 : 30 Bourbon Street @ New Orleans

s, LA https://goo.gl/maps/sVuk8

2013/07/03 Wed 13:00 Interstate 10 Safety Rest Area @ Tx https://goo.gl/maps/SmOyp

2013/07/03 Wed 15:50 BE SOMEONE @ Houston, TX https://goo.gl/maps/isO46

2013/07/03 Wed 22 : 22 Minute Made Park @ Hous

ston, TX https://goo.gl/maps/qCunX

2013/07/04 Thu 09 : 00 Mcdonald's near by Jhonson Sp

pace Center @ Houston,Tx

https://goo.gl/maps/3NmLE

2013/07/04 Thu 18 : 30 Sunset Highway @ Culberson,Tx

https://goo.gl/maps/wM45D

2013/07/05 fri 09: 55ă&#x20AC;&#x20AC;El Paso to White sands @ El P

Paso,Tx

https://goo.gl/maps/nvquC

2013/07/05 fri 10 30ă&#x20AC;&#x20AC;White sands National Monument @

Alamogordo, NM

https://goo.gl/maps/jI8gA

2013/07/06 fri 16: 55ă&#x20AC;&#x20AC;Dog @ Farmington, NM

htt

tps://goo.gl/maps/r5PPL

2013/07/07 Sat 11 : 45 Twin Rocks Cafe @ Navajo Twins DrBluff, UT https://goo.gl/maps/iotuR

2013/07/07 Sat 13 : 55 Mexican Hat @ Mexican Hat, UT https://goo.gl/maps/TpFgw

2013/07/07 Sat 15: 00ă&#x20AC;&#x20AC;Monument Valley @ Oljato-M

Monument Valley, UT

https://goo.gl/maps/HY0gR

2013/07/08 Sun 10: 10ă&#x20AC;&#x20AC;Horseshoe Bend @ Coconino Cou

unty ,AZ

https://goo.gl/maps/d2NiH

2013/07/08 Sun 10: 10ă&#x20AC;&#x20AC;Anterope Canion Lower @

Page, AZ

https://goo.gl/maps/QGU2A

2013/07/08 Sun 18: 00ă&#x20AC;&#x20AC;Yavapai Point @ Grand Canyo

on Village, AZ https://goo.gl/maps/Pc3op

2013/07/09 Sun 19: 00ă&#x20AC;&#x20AC;Sunset @ Grand Canyon Villag

ge, AZ https://goo.gl/maps/Pc3op

2013/07/09 Tue 11: 30ă&#x20AC;&#x20AC;Red Rock Crossing @ Sedona,

https://goo.gl/maps/NIz7j

2013/07/09 Tue 18: 00ă&#x20AC;&#x20AC;Hoover Dam @ Kingman Wash

Access Rd, AZ https://goo.gl/maps/BxLD6

2013/07/09 Tue 18: 45ă&#x20AC;&#x20AC;Lake Mead @ Temple Bar Mar

rina, NV https://goo.gl/maps/e3KtV

2013/07/11 Thu 15 : 00 Ocean Ave @ Santa Monica, CA

https://goo.gl/maps/BYs0a

2013/07/11 Thu 15 : 50 Santa Monica Pier @ Santa Monica, CA https://goo.gl/maps/9NvfL

2013/07/12 Fri 19 : 30 Griffith Observatory @ Los An

ngeles, CA https://goo.gl/maps/Gk4oD

usa colums

text by susazy

■ アメリカ横断という冒険とドライブの乗り切り方旅好きならば、一生に一度は体験したいと考えるのが、アメリカ横断ではないでしょうか？ NY から LA 約 5000km を横断するルートが一般的なルートのようです。１日 500km 移動すれば 10 日かかり、１日 1000km 移動すれば 5 日で移動することも可能です。横断する際に、忘れてはいけないのが時差の問題です。NY と LA では３時間の時差があります。西から東に向かっていくと、突如時間が少なくなる目にあいますが、東から西に向かっていくと、徐々に時間が増えていき、運転しながら西側に沈む夕日を見ることができる、お得なポイントもあります。個人的には東海岸から西海岸への移動を強くお勧めいたします。アメリカの土地でドライブするのはとても魅力的なことです。しかし、ハイウェイを走っていると、そこまで景色は楽しめませんし、ただ運転してただけだなとなり、冒険したという体感もありません。交通網は網羅されどのコースを走っても、それなりに楽に移動できてしまう車大国アメリカにおいて、横断を楽しむコツは、何を見ながら車で移動するかにあると思います。時間をゆったりととり、国立公園やフェスティバル、一般道での移動・現地人とのコミュニケーションを通じて、アメリカという巨大な国のカルチャーや地域特性などを体感することで、アメリカ横断することの意味を見出すことができると思います。

EZ life aka EZ 僕に踏まれた USA 僕が踏まれた USA 序章

EZ life aka EZ 僕に踏まれた USA 僕が踏まれた USA 序章 18 の時、家を飛び出してアメリカに渡った。きっと望むものすべてがそこにはあると信じて…。 18 の時、家を飛び出してアメリカに渡った。きっと望むものすべてがそこにはあると信じて

初めてアメリカに渡ったのは高校の卒業式の翌日。今も変わらないが当時から無計画な性格、偶然などない嘯きながら、

すべては導かれるまま

に身を任せ飛行機は飛び

立った。ロスアンゼルス空港に到着したのは確か午前中だったと思う。

でっかい

スーツケース

とパンパンになった

ポーツバッグを抱え外に出ると

、

ス

今まで

味わったことの無い緊張感、孤独感に喉はカラカラになって

ゲホゲホとむせ返った、と同時にどこからとも

なく

湧き上がってくる興

奮、抑えきれない期待感、

アドレナリンが

ドバドバ状態。天気は晴れ、降り注ぐ

太陽光はギラギ

ラしているが乾燥した空気のせいか心地良く、北海道の夏を感じさせる。

ンギンの状態

脳みそギ

が落ち着くまでに一時間は座ってい

たかと思う。とりあえずの目的地は大学のキャンパス内にある寮、

そこに到着するまでは気を抜けない。交通手段はバスかタクシー、

バスはまったく意味不明だったのでタクシーじゃないんだけどバンみたいな小型シャトルバスに乗った。

運転手は黒人、当時英語をまったく理解しない私は

「カリ

フォルニアユニバーシチー !」と叫ぶことしか出来なかった。

怪訝な顔をす

る黒人運転手だが、こういった客に慣れているのか辛抱強く付き合ってくれた。どうも日本語で言

うカリフォルニア州立大学というのは 2 つあるようで、1 つが誰でも知っている

UCLA

こと University of california と私が通う予定の

CSULA こと California state of university。そんな違いも分からない私はスーツケースをひっくり返して大学案内のパンフレットを運転手に見せ、なんとか目的地を伝えることができ寮に着き、受け付

けに向かった。

窓口にいたのはメキ

シコ人のセニョリータ、褐色の肌に黒目が大きく薄地のシャツ、パッツンパッツンのジーパンで香りの強めの香水に少年は気を失いそうになるのを必死でこらえた。しかし、やっぱり日本語を話してくれるはずもなく理解不能。部屋番号はなんとか分かったが、他にも何

か伝えようとしている

彼女を理解す

ることは出来なかった。

私の理解不足を自分のせいだと言わんばかりの悲しげなセニョリータを

後に、とりあえず部屋に向かった。部屋は 2LDK で、それぞれの部屋にはベッドと机が二つの 4

人

部屋。部屋にはメキシコ人と黒人がいて、私が入ることになった部屋のルームメイトはまだ決まっていないらしい。部屋に荷物を置きやっと一息をついた。しばらくするとさっきの受付のセニョリータがメキシコ人のフリオと何か話し込んでいる。フリオが身振り手振りでなんとか伝えてくれたのは私の分の寝具がないとのこと。

しかし寝具の件だけにしてはフリオ

と長いこと話していた気がする。

彼女の私

に対する恋心をフリオは邪魔していたのではないかと、

しばらくフリオを疑いの目で見ていたことは確か

。それにしても

リ

フォルニアは

カ

24 時間 365 日暖か

いと思わされ

たのは

誰の陰謀か？

凍

える寒さに何枚重ね着しても眠れないのが、寒さのせいなのか、時差ぼけのせいなのか。

フリオへの疑心は

強烈な空腹感と共に

薄れ、

まずは腹を満たすべくキャンパスに向かった。キャンパスの

住人は、目が合うと「ヘーイ」とか「ワッツァ」とか言って通り過ぎて行く。

社

交性の低い日本男児は下を向いて歩くしかない。下を向いて歩きながらも、なんとかカフェテラスを見つ

ける。チェーンのうどん屋さんのようにお盆を滑らせながら、欲しいものを選び最後にお金を払うシステム。

鉄板焼きのようにシェフがハンバーガーやスクランブルエッグなんか作ってくれたりするようだが、とりあえず並んでい

beer と読み取れ

たチーズケーキのようなものと、

たビールのようなものをトレイに載せた。どうやって支払ったか覚えていないが、なんとか食料を確保しテーブルに着席。

チーズケーキのようなものは一口食べただけで吐

きそうになりビールのようなもので流し込もうとしたら、その

味にさら

奇っ怪な後に

に気持ち悪さは

増加

した。

ルートビアと判明す

るこの飲み物は絶対に日本人には受け入れられないものであることを、ここで忠告したい。またアメ

リカでの食事は食べるたびに日本が恋しくなることも付け加えておこう。

アメリカ渡航後一年間は、本当に辛い日々となった。

その後の失

恋話、パーティー、ドラッグ、逮捕、監禁ばなしなど、23 歳に日本へ帰国するまでの 5 年間の話は、また機会があれば、お話しさせていただきたいと思う。

EZLIFE 宇宙メガネリーダー現在失踪中 ( 連絡下さい )

まさか自分があんな光景に遭う何て思いもしなかった。ある人は「そんな話信じられない」またある人は「白昼夢でも見てたのだろう」と一笑に付すのかもかもしれない。墓まで持っていくことも考えたあの出来事について、手元にある数葉の奇妙な写真とともに、ほんのわずかの勇気をもって皆さんにお伝えするときがきたようだ。あれはニューヨークでの学会からサンフランシスコに戻る途中だった。乗っていた飛行機は不時着し、私はどこともわからない荒野に降り立った。私をのぞく、すべての乗客は、その場所にとどまり助けを待つことを選んだようだ。私は、何本かのペットボトルに入った水だけを持ち、その場を離れようとした。機長や客室乗務員たちは、危険だと私を諌めたが、私は歩かずにはいられなかったのだ。私はあてもなく、太陽に向かって歩いていった。そうすることしかできなかったのだ。５時間ほど歩いたが、目に映る景色に変化はなく、そこは永遠に続くと思えるほど、見渡すかぎり砂と空しかなかった。水分もなくなり、意識は朦朧としている。体はひどく疲れていたし、足の裏の皮が剥がれてしまい、激痛が私を襲っていた。私の歩いた足跡は、時おり吹く砂吹雪きに消されてしまった。それに、もといた所へ引き返す体力も、もう残ってはいなかった。私はひどく疲れていたのだ。絶望し、その場にうずくまり、飛行機にとどまるべきだったことに今更ながら気づいた。太陽が沈むと、気温は零下まで下がるだろう。

「何処かもわからないこの砂漠が俺の墓場か。それも悪くない」と呟き、笑った。そしてその場で大の字に寝転び、空を見上げて、目を閉じた。それは、一瞬のことだったかもしれないし、とても長い時間そうしていたのかも今となってはわからない。だが、目を閉じていたにもかかわらず、とても強い光に照らされ目が眩むようだったことを、いまもはっきりと覚えている。そして目を開けると、そこでは宇宙人達が気のいい人たちと一緒にパーティーをしていた。不思議なことに、体の疲れは吹き飛んでいた。私は宇宙人と気のいい人たちと一緒に唄い、語らい、踊った。そして何枚か写真を撮影した。宇宙人達は「時間が来たから別の星に向かうよ」と告げて、大きな船に乗り、飛び去った。そして再びとても強い光が私を照らした。目を開けると、私はサンフランシスコに向かう飛行機の中だった。飛行機は定刻通り、サンフランシスコ国際空港に到着した。家に帰り、妻に砂漠で彷徨った話を聞かせても、「疲れていたのね。悪い夢を見たんだわ」と信じようとはしない。冷静に考えると、こんな馬鹿げた話あるわけがない。私は確かにとても疲れていたんだ。翌日眠りから覚め、一眼レフで撮影した写真をチェックした。ニューヨークでの宇宙人学会の写真。Ｅ Z や SHOZY らアーティストと一緒に撮った写真。なかなか良い出来の写真が撮れてることに満足し、写真を捲っていく。JFK 空港で撮影した子供の笑顔の写真で最後のはずだが、他にも何枚か写真があった。おそらく砂漠と思われる、あの場所で、宇宙人と気のいい人たちがそこには映っていた。

これは一体？

私はこの写真の存在を今まで公開することはなかった。私は宇宙人とパーティーした最初の地球人として好奇の目にさらされることが怖かったし、私自身、それを現実と受け止めることができなかったからだ。

しかし、私はある感情を思い出した。記憶は曖昧で不確かではあるが、私は宇宙人と一緒にいるときとても幸福だったのだ。そう、とても幸福だった。私はこの写真をここに公開する。世界には神秘に満ちた奇跡があることを信じて。２０１４年５月３０日マーシャル・ジェイパリー・マクレイジー

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今シーズンのアイテムのために提供された“2YNAG”書き下ろしの’たちの悪い’ 愉快なイラスト『BAD ASS』T シャツ！！

読書三昧

「アメリカは歌う―歌に秘め

」

られたアメリカの謎

東理夫 ( 著 )

サマーディ

作品社 2010 年 3 月

PRESENTED BY RAZY

歌に秘められた知らざれるアメリカ本書は、作家、ブルーグラス奏者で

バラッドというものがある。歌の中

あり、テネシー州名誉市民の称号を

で克明に殺人を歌った曲が、何故一

持ちアメリカ文化への造形が深い

般エンターテイメントとして、今な

著者が、アメリカの歌に秘められた

おアメリカでは広く普及く楽しま

謎を紐解くために、旅をし、思索を

れているのか？

深め書き綴った快作だ。他にも、聖者の行進の聖者とは誰のアメリカで普及している歌謡曲に

ことか？という問いからニグロ・ス

は数字の９が良く出てくる。ひとつ

ピリチュアルの起源をもとめると

にはナインが音韻的に、韻を踏みや

いった風に、アメリカ音楽を演奏す

すいという理由もあるが、数字が放

る著者の素朴な疑問から出たテー

つ独特の意味合いにも注目し、アメ

マを追求し、思索の旅を通じて得た

リカではなぜ「九＝ナイン」が悲し

深い洞察を導き出している。

みの数字として、あるいは日本の感覚では「４」のような感覚で扱われ

とくに興味深く読んだマーダーバ

ているのは、どういう理由なのか？

ラッドの章では、多くのカントリー

また、アメリカには世界のどの国に

ミュージシャンが取り上げてきた

もない、独特の音楽ジャンルとして

「オハイオ川の岸辺で (Banks of the

殺人事件をテーマにしたマーダー・

Ohio)」や、その原曲といわれる

「オーミー・ワイズ」の歌詞を手が

米国人たちから聞いた覚えがある

かりに、歌の元になっている殺人事

が、本書を読み、そのことを思い出

件が、実際に起こった 1808 年から、

し意味を改めて考えた。人口に膾炙

その歌が録音される 1927 年まで、

するアメリカの歴史的なイメージ

口伝で伝えられ曲として確立した

として一般的なもの、例えば、メイ

という点に注目し、史実を丹念に調

フラワー号、ピルグリムファーザー

べ、実地に赴き調査し、歌われてい

ズ、ボストンティーパーティー事

る事件の起源を辿っていく。そのく

件、フロンティアの消滅宣言、リン

だりは、さながら良質なミステリー

カーンの奴隷解放など、そうした出

小説のように、巧みなストーリーに

来事もまた歴史的事実ではあるが、

惹きこまれる。そこでは、初期アメ

それらは多民族から成るアメリカ

リカ移民の４民族の潮流や、それぞ

国家を現在まで統治し続けるエス

れの物語、そして先住民たちの物

タブリッシュメントのストーリで

語、それらが複雑に織りなす多民族

あるということを本書で再確認で

国家アメリカの知らざれる側面が

きたのも、この読書からの収穫だ。

描き出されている。アメリカって何だろう？どういうまた、文化人類学のフィールドワー

国だろう？という素朴な疑問から

ク的なアプローチも存分に発揮さ

手にした本書は、大衆音楽を軸に文

れている。ある地域のある事件が出

化的な側面から、巨大な国家の成り

来事となり歌（物語）が発生し、異

立ちについて詳述だけでなく、古来

なる文化圏に普及するにつれて、そ

から人類共通の営みである歌の本

の人種や民族によって多様に変化

質とその力についても示唆に富ん

していく様子を、アメリカという国

でいる。言葉よりもその起源は古

家の成り立ちをサンプルに、提示し

く、言葉では伝えきれないものま

ているようでもある。

で表現可能な歌という普遍的なメディアの本質に改めて思いを馳せ

私もアメリカを旅したことがあり、

てみると、聞き慣れた歌もまた違っ

アメリカの History( 歴史 ) は His

て聞こえてくる。

story（彼らの話）なんだという台詞を、様々なバックグラウンドを持つ

Razy's collage 『Feedback subway loops』

Razy：メガネ族酋長とらえどころのないアメリカ特集やっとリリースできました。「イーザス・コンプレックス」「アメリカ砂漠旅」と質の高いコンテンツをさくっと寄稿していただいたみなさまにも大変感謝です。音信不通だった EZ さんと、かなり久しぶり連絡とれて、試しにアメリカ体験記を依頼したら、衝撃のエッセイが送られてきたのにはシビれました。続きが読みたい。そして、BM コンプリートガイドを満を持してリリースするマガリスギ氏（宇宙メガネスーパーバイザー）の今後の動きに目が離せない今日この頃です。

SHOZY 編集長 aka 浜のキムタクアメリカみたいな、突拍子のないものをテーマにしてやってると、突拍子ないものが出来上がるようだ。次回はタイソンクラン特集。最近お洒落っぽいので、次回以降より無茶苦茶にしていきたいと思っている。WEB もそろそろやらねばならない。何もやらないまま時だけが過ぎる。

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