ポートフォリオ

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Architecture Portfolio Shizuoka Instiute of Science and Technology

Yuto Shiozawa 2019~2022


学歴 名前 : 塩澤侑杜 2000 年生まれ 2016 年 富士宮市立富士宮第一中学校 (剣道部)

: 卒業

2019 年 静岡理工科大学 星陵高校 英数科 (陸上部)

: 卒業

2019 年 静岡理工科大学 理工学部 建築学科

: 入学

2023 年 静岡理工科大学 理工学部 建築学科

: 卒業見込み

研究活動

所属研究室 : 意匠計画 ・ デザイン研究室 脇坂圭一研究室 研究方針

: リサーチ (研究) から設計 (デザイン) へ。 具象を抽象化し、 それまで見えなかった物事の背後にある構造や法則を見出 し、 それらの知見を踏まえて具象的なデザインに落とし込む。

ゼミ活動

: シラスゼミ / マネジメントゼミ 住宅ゼミ / 読書ゼミ / 論文ゼミ

1

趣味 ・ 特技 〔折り紙〕

〔テラリウム〕

〔アクアリウム〕

〔絵を描くこと〕


目次

01|

1 年後期 建築設計・基礎 〔前川國男・自邸トレース〕 P3~6

2 年前期

02|

3 年前期

06|

建築設計 A1 第 1 課題 〔開く家〕

2 年前期 建築設計 A1 第 2 課題〔アートコンプレックス〕

07| 08|

2 年後期 建築設計 A2 第 1 課題〔キャンパスの居場所〕

舞い降りた板の断片 P15~20

3 年前期 建築設計 B1 第 2 課題 〔地域とともにあるこれからの小学校〕

呼応する軸から派生する学び舎

3 年後期

~巡りながら決める居場所~

09|

2 年後期

05|

P27~32

P33~40

ムーアの風景 P11~14

04|

創造の起点

いきわたる輪 P7~10

03|

建築設計 B1 第 1 課題 〔集まって暮らす ・ 働く〕

建築設計 B2 第 1 課題 〔法多山 門前町の再生〕

居場所を編み出す架け橋 P41~46

3 年後期 建築設計 B2 第 2 課題 〔藤枝中心市街地の都市開発〕

積層 P47~51

建築設計 A2 第 2 課題 〔サードプレイスとしての新しい図書館〕

外的と内的の狭間 P21~26

10|

静岡理工科大学 理工学部 建築学科 2020アニュアル P52~55 2


01 1 年後期 建築設計 ・ 基礎 第 1 課題

〔前川國男 ・ 自邸トレース〕

課題内容 前川國男の木造建築作品である 「自 邸」 のトレースを行う。 前川國男は上 野の 「東京文化会館 (1961)」 をはじ め、 「弘前市民会館 (1964)」、 「宮 城県立美術館 (1981)」、 「熊本県立 美術館 (1976)」 ほか、 多くの文化 ・ 芸術施設を手掛けた日本近代を代表す る巨匠建築家の一人である。 「自邸 (1942)」 は第二次大戦前の物資統制 下で、 床面積 100 ㎡以下という制限 の元、 設計 ・ 建設された。 日本の伝 統的構造である木造、 大きな切り妻屋 根に覆われたファサードに、 ピロティ、 水平連続窓、 独立柱 (電柱を削り出し て転用) といったモダニズムの建築言 語を導入した特徴を持つ。 伊勢神宮を 参照したともされ、 日本住宅史におけ るマスターピース(傑作)の一つである。 同建物は、 江戸東京たてもの園にて移 築 ・ 公開されており、 内部空間まで体 験することが出来る。 トレースを通して、 図面の表現技法を学ぶとともに、 時代 の潮流と作品の意味についても学んで ほしい。


1 年後期

建築設計 ・ 基礎 第 1 課題 〔前川國男 ・ 自邸トレース〕

手書き図面 No.1


1 年後期

建築設計 ・ 基礎 第 1 課題 〔前川國男 ・ 自邸トレース〕

手書き図面 No.2


1 年後期

建築設計 ・ 基礎 第 1 課題 〔前川國男 ・ 自邸トレース〕

手書き図面 No.3


02 2 年前期 建築設計 A1 第 1 課題

いきわたる輪

〔開く家〕

設計データ 階数

: 地上 2 階建て

構造形式 : 鉄骨構造 面積票 1 階 : 116 ㎡ 2 階 : 30 ㎡ 計 : 146 ㎡

設計コンセプト 計画地南側には袋井宿場公園がある。 周りを土間で囲んだ各寝室からリビン グ、 テラスと公園側に向けて開けた空 間へと変化していく。 公園との繋がりを 持たせることで公園も居住者である家 族の生活の一部だと言えるだろう。 公 園で出会った町の人を家に招き家族の 趣味である菜園で育てた野菜をふるま うことで人の輪が広がる。 本計画は公 園や広場、 風景に溶け込み家族の趣味 である菜園を通じて町の人たちと開く新 たな暮らし方を試みた提案である。


2年前期

建築設計 A1 第 1 課題 〔開く家〕 いきわたる輪

課題要項

課題内容

新しい暮らしのかたちを考える住宅の課題です。 住み暮らす方法や居住者の関係は一つではありません。 そ の生活の器である 「住宅」 にはどのようなかたちがあるでしょうか。 敷地は袋井のまちなかの特徴的な場所で す。 東海道と県道が交差する場所で、 隣は東海道本陣、 向かいには公園があり、 公園の先には地域の人た ちが集まるコミュニティの場所があります。 そこに 「開く家」 を設計してください。 単純に開口部のことではあ りません。 まちに 「開く」 など、 まちの人々が集うような住宅かもしれません。 東海道筋ということでまちの成 り立ち (歴史) を取り入れることもできます。 住人同士の関係が 「開く」 家かもしれません。 環境に 「開く」 場合は、 光の入り方、 風の抜け方を考える必要があります。 加えて 「小さな建築」 として様々な要素を設計 に取り込んでください。 構造や材料を考えるのはとても大切なことです。 想像力を豊かに、 新しい暮らしのか たちを提案してください。 ■

設計条件

敷地:静岡県袋井市袋井43 用途地域:近隣商業地域 建ぺい率/容積率:80%/200% 規模:地上2階以上とする。平屋不可。2階以上に最低30m2設けること。 敷地内はすべて設計し、外部空間も丁寧に考えること。 敷地面積:360m2 延床面積:150m2程度(超える場合は理由を添えること) 構造:自由。提案すること。 設備:自由。提案すること。 ■

居住者像

居住者人数:3~5人 居住者像:各自で決めること 決定時期:第3回目までに担当教員の承諾をもらい、その後は変更不可とします。 ※ 居住者像とは「夫婦+子供」「他人同士」「こだわりを持った独特の生活スタイル」があるなどを指し、時代を超えて「歴史上の著名人」などでも良いです。 ※「店舗付き住宅を設計する」課題ではありません。店舗部分の面積は住宅部分の面積を超えないようにしてください。


2年前期

建築設計 A1 第 1 課題 〔開く家〕 いきわたる輪

手書きプレゼンボード


2年前期

建築設計 A1 第 1 課題 〔開く家〕 いきわたる輪

手書きプレゼンボード

10


03 2 年前期 建築設計 A1 第 2 課題 〔アートコンプレックス〕

ムーアの風景

設計データ 階数

: 地上2階 地下1階建て

構造形式 : RC 造 彫刻作家 : ヘンリームーア 面積票 1 階 : 925㎡ 2 階 : 100㎡ 地下 : 415㎡ 計 : 1440 ㎡

設計コンセプト 彫刻家ヘンリームーアは自然と人間の 調和を生涯のテーマとし彫刻作品を築 いてきた。 作品の魅力を最大限引き出 せる空間を、 風景の絞りと開放で表現 し、 展示作品を戦争時の様子を表した 絵画から家族の絆や人間愛を表した彫 刻作品に変化していくように構成して いる。 また建物内部を構成するために 作り出された形が、 外部の余白である ランドスケープをデザインしている。 本 計画は自然と人間の調和を築き上げる とともに絆や愛を街へと展開していく提 案である。

11


2 年前期

建築設計 A1 第 2 課題 〔アートコンプレックス〕 ムーアの風景

課題要項

課題要項

課題内容

袋井市は 「彫刻のあるまち」*を目指し、 まちなかに彫刻 ・ モニュメントを展示しています。 エコパに行く道や、 袋井の街中で作品を目にしたことがあると思いますが、 日常の中で芸術に触れることが人々の文化芸術活動の促進に、 そしてまちの魅力へと繋がっていきます。 今年度も新しく彫刻作品を購入することになり、 その作品を展 示する場所も合わせて計画することになりました。 更にその展示空間だけでなく、 市民が芸術活動を行う場所や、 人々が自由に集う場所を設けることにより、 アートを 中心とした、 人々の文化芸術活動を促進し、 まちの憩いの場となるような豊かな空間を作ってください。 敷地は、 愛野駅南口の線路沿いの上石野公園です。 現在は調 整池を兼ねる公園ですが、 都市計画の変更によって調整池が他の場所に移り、 公園としての機能だけが残ることとなりました。 ここに人々が集うアート ・ コンプレックス を提案してください。 ■

彫刻の作家

新しく購入する作品はまだ決定していません。 各自が学芸員になったと仮定し、 まず以下の 6 名の候補作家の中から 1 人を選んでください。 次にその作家の作品を数 点購入してください。 彼らの作品は静岡県立美術館に常設展示されているので必ず見に行ってください。 購入する作品は、 県立美術館の展示作品以外のものを選んで ください。 コンスタンティン ・ ブランクーシ / アルベルト ・ ジャコメッティ / ポール ・ ゴーギャン / ヘンリー ・ ムーア / イサム ・ ノグチ ■

設計条件

敷地 : 所在地静岡県袋井市愛野南 1 丁目上石野公園 用途地域 + 建ぺい率 / 容積率 : 近隣商業地域 80%/300% 規模 : 地上 2 階以上とする。 平屋不可。 敷地内はすべて設計し、 外部空間も丁寧に考えること。 敷地面積 : 約 3,565m2 延床面積 : 約 1000m2 常設展示室 :300m (新規購入作品) 企画展示室 (市民にも開放されている) :200~300m2 ワークショップ室 :80~100m2 その他共用部など (適宜) :200~400m² 人々が立ち寄り、この場で過ごす豊かな機能を提案すること。 自動販売機の設置は不可。 美術を展示する場所として必要な機能は各自学習し提案すること。

12


2 年前期

建築設計 A1 第 2 課題 〔アートコンプレックス〕 ムーアの風景

外観パース 13

※ボールペン ・ マジック使用

手書きパース 課題要項


2 年前期

建築設計 A1 第 2 課題 〔アートコンプレックス〕 ムーアの風景

課題要項 手書きプレゼンボード

14


04 2 年後期 建築設計 A2 第1課題

舞い降りた板の断片

〔キャンパスの居場所〕 〜巡りながら決める居場所〜

設計データ 階数

: 地上2階建て

構造形式 : 鉄骨構造 RC 造 面積票 プレゼンルーム

: 152 ㎡

厨房 : 48㎡

設計コンセプト 計画地は大学の軸からは少し外れた位 置にあり、 木々が生い茂り緑豊かな広 場がある。 私はその居心地のいい広 場を残したいと思い、 建物を建てたい という気持ちにはならなかった。 そこで 本計画ではそんな居心地のいい広場に 建物を建てるのではなく、 刻まれた板 の断片が空から舞い降り、 彫刻を形 成することで居場所を作るというような 意図のもと設計した。 建築の要素をエ レメントに解体し再構築することで空間 を作るだけでなく、 外部に広がりを持 たせ、 まだ見ぬ少し先の未来を経験さ せるプログラムの提案である。

15

その他 : 33㎡ 計 : 437.5 ㎡


A2 第 1 課題 〔キャンパスの居場所〕 舞い降りた板の断片 2年後期 B2 第建築設計 建築設計 2 課題 〔藤枝市の都市開発〕 積層 課題要項

課題要項

■ 課題内容 静岡理工科大学 (SIST) のキャンパス内に新たな居場所を設計します。 日頃過ごしている大学キャンパスを良く知り、 キャンパスでの生活をより 良くするための計画です。 大学は教育を受け、 研究をし、 友人達と様々な時を過ごす場です。 教 員達にとっても研究活動の場であると同時に、 様々な情報交換を行い、 刺激を与え合う場とも言えるでしょう。 また、最近では大学は地域の人々 も積極的に受け入れて、 交流拠点となることも望まれています。 今後の 大学にとってどんな場所が必要か、 よく考えてみましょう。

■ 設計条件 敷地 : 西側芝生広場内 (学生ホール、 教育棟の西側) または特に希望があれ ば静岡理工科大学キャンパス内どこでも良い / 用途地域 : 指定なし / 容積率 : なし / 建ぺい率 : なし / 規模 :400m2 程度 [max80 人が利用できる食堂

計画地

150m2、 厨房 50m2、 提案する機能 150m2、 その他 (トイレ、 倉庫など) 50m2]/ 階数 : 自由 / 構造 : 自由 ■ 注意事項 設計対象は必ず雨 ・ 風が防げるものとする。 (内外部、 セキュリティラインを明 確にすること。) 必須機能としてカフェテリア (食堂) を計画する。 その他、 担当教員の指導を受け、 自身のためでもありみんなのためでもある プログラムを選択すること。 16


A2 第 1 課題 〔キャンパスの居場所〕 舞い降りた板の断片 2年後期 B2 第建築設計 建築設計 2 課題 〔藤枝市の都市開発〕 積層 課題要項

ダイアグラム

計画地は大学の大きな軸からは少し外れた場所に位置する。 私はその居心地のいい広場を残したいという気持ちが上回り、 建物を建てたいという気持ちにはなれなかった。 そこで本計画では広場に建物を建てるのではなく、 建築の要素をエレメントに解体し再構築することで、 外部に広がりを持たせ、 広場と一体化した彫刻的建築を提案する。

刻まれた板の断片が空から舞い降り、 彫刻を形成することで人々の居場所を作る。 遠い未来、 仮にこの大学が廃墟になったとしてもこの建築は建築としてではなく周囲の自然と一体化した彫刻として生き続ける。

17


2年後期 B2 第建築設計 A2 第 1 課題 〔キャンパスの居場所〕 舞い降りた板の断片 建築設計 2 課題 〔藤枝市の都市開発〕 積層 課題要項

3D ソフトウェア Sketch Up を使ったスタディーパース

20 18


2年後期 B2 第建築設計 A2 第 1 課題 〔キャンパスの居場所〕 舞い降りた板の断片 課題要項 建築設計 2 課題 〔藤枝市の都市開発〕 積層

外観パース

手書きパース

※ボールペン ・ マジック使用

内観パース 19


A2 第 1 課題 〔キャンパスの居場所〕 舞い降りた板の断片 2年後期 B2 第建築設計 課題要項 建築設計 2 課題 〔藤枝市の都市開発〕 積層

手書きプレゼンボード

20


04 外的と内的の狭間

2 年後期 建築設計 A2 第 2 課題 〔サードプレイスとしての新しい図書館〕

設計データ 階数

: 地上 2 階建て

構造形式 : 鉄骨構造 RC 造 面積票 ワークショップ室

: 36㎡

料理教室 : 65㎡ 音楽教室 : 65㎡ スポーツジム

: 81㎡

カフェ : 81㎡ その他 (図書空間)

設計コンセプト 建築の機能の狭間の在り方を考える。 1 階に図書館の運営に必要な機能であ る開架図書室や事務室などを内的な四 角いボリュームに置き換え分散させ、 2 階はサードプレイスとしてのカフェや 音楽教室などを自然の現象を受け止め る外的な四角いボリュームに置き換え 分散させている。 本計画は内的と外的 の2つの機能を図書で繋ぐとともに自 然を内部に引き入れるような新たな外 部環境の取り込み方を試みた提案であ る。 様々な活動や自然現象の重なり合 いが市民の新たな活動の場となること を期待する。

21

: 1869㎡

計 : 2197㎡


A2 第 2 課題 〔サードプレイスとしての新しい図書館〕 外的と内的の狭間 2年後期 B2 第建築設計 建築設計 2 課題 〔藤枝市の都市開発〕 積層 課題要項

課題要項

課題内容

袋井市内にこれからの時代にふさわしい、あたらしい図書館を設計します。昨今、公共建築は単一機能から様々な目的が混在する複合機能となりつつあります。 図書館といっても、 かつてのように、 蔵書と貸出のみを目的としたものから、 ギャラリーやホールを併設したり、 カフェやコミュニティー機能を併設したものが 当たり前になってきています。 そのような状況の中、 人々は自宅でも仕事場や学校でもない、 居心地の良い場所を見いだし、 そこで思い思いの趣味や交流を深めています。 そのような場 を 「サードプレイス」 と呼びます。 袋井には市立図書館が 3 館あります。 駅のそばには袋井市立袋井図書館がありますが、 時代とともにあらたな図書館を計画する必要が出てきました。 時代的な背景、 敷地周辺の生活環境を十分に考慮した上で、 「サードプレイスとしてのあたらしい図書館」 を設計してください。

■ 設計条件 敷地 : 静岡県袋井市高尾町 19-1 現袋井市袋井図 書館と隣接する公園の半分 / 用途地域 : 商業地域 / 容積率 :400%/ 建ぺい率 :80%/ 階数 ・ 構造 : 自 由 / 敷地内はすべて設計する事。 外部空間も丁寧に 考えて下さい / 敷地面積 : 約 2040m2/ 延床面積 :

計画地 面積 2040 ㎡

2000~2500m2 ※ 現在隣接する公園と同等の面積は、 できるだけ閉 館時にも市民が自由に使用できる外部空間として、 確保すること。

22


A2 第 2 課題 〔サードプレイスとしての新しい図書館〕 外的と内的の狭間 2年後期 B2 第建築設計 建築設計 2 課題 〔藤枝市の都市開発〕 積層 課題要項

ダイアグラム

平面構成

断面構成

図書館を構成する内的機能

〔外的〕 機能

2F

上下の活動の重なり合いが新たな刺激を生む

〔内的〕 機能 事務室 ・ 閉架図書室 ・ 機械室 ・ 印刷室など

図書空間に自然現象をもたらす装置 として浮遊する外的機能

1 階と 2 階の重なり合う壁が構造体となる

〔外的〕 機能

1F

〔狭間〕 〔内的〕 機能

カフェ ・ 料理教室 ・ スポーツジム ・ 音楽教室など

環境ダイアグラム

自然光が 2 階の外的なボリュームを通じて建物内 部 (図書空間) に柔らかい光を届ける。

23

雨時の際は雨水が 2 階の外的なボリューム

自然光が筒を通じ直接、

の屋根つたわり水管を通じ、 建物内部に流

建物内部 (1 階図書空間)

れ込む。

に爽やかな光を届ける。

風が 2 階の外的ボリュームを通じ建物内 部に流れ込み、 空気を循環させる。


A2 第 2 課題 〔サードプレイスとしての新しい図書館〕 外的と内的の狭間 2年後期 B2 第建築設計 建築設計 2 課題 〔藤枝市の都市開発〕 積層 課題要項

立面図 ・ 断面図

Scale=1 : 200

B-B’ 断面図

料理教室

A-A’ 断面図

南立面図

10

20

30m

24


N

A2 第 2 課題 〔サードプレイスとしての新しい図書館〕 外的と内的の狭間 2年後期 B2 第建築設計 建築設計 2 課題 〔藤枝市の都市開発〕 積層 課題要項

平面図

Scale=1 : 200

搬入スペース

1 階平面図 0

25

10

20

30m


N

A2 第 2 課題 〔サードプレイスとしての新しい図書館〕 外的と内的の狭間 2年後期 B2 第建築設計 建築設計 2 課題 〔藤枝市の都市開発〕 積層 課題要項

平面図

Scale=1 : 200

音楽教室

2 階平面図 0

10

20

30m

26


06 3 年前期 建築設計 B1 第 1 課題

創造の起点

〔集まって暮らす ・ 働く〕

設計データ 階数

: 地上3階建て

構造形式 : 木造 鉄骨構造 面積票 1 階 : 450㎡ 2 階 : 370 ㎡ 3 階 : 105㎡

設計コンセプト ものづくりの文化を根付かせる。 居住 者を木工職人・竹細工職人・瓦氏職人 ・ 染物職人とする。 店づくりではなく街 作りを設計の主とし、 商店街の活性化 や静岡県の木材、 林業の現状を学ぶ 場を提供する。 竹細工工房・瓦氏工房 ・ 染物工房には、 計画地中央のものづく り体験教室で使うことのできる木材を 置いたスラブを差し込んでいる。 訪問 者は敷地を巡り、 職人の技術や知恵 を目にするだろう。 本計画は生活の領 域を表に展開することで、 街の人の創 造の起点となるような新たな住まい方 ・ 働き方を提案する。

27

計 : 925㎡


3 年前期

建築設計 B1 第 1 課題 〔集まって暮らす ・ 働く〕 創造の起点

課題要項

課題内容

静岡市の中心市街地において、 10世帯の家族が集まって暮らし、 一部の住民はその場で働く 「集合住宅」 を設計する。 人口が減少が進むなか、 家族の形態や働き方が変わりつつある。 大家族だけでなく、 核家族ですら住宅を考える上での一単位ではなくなってきている。 ひとり親、 子 供のいない夫婦、 一人暮らしなど様々な単位で暮らす家族の割合が増えてきている。 一方、 血縁関係のない暮らしとして 「シェアハウス」 も認知され始めている。 また、 自宅で働く人、 場所を持たずに移動する人、 場をシェアして時々協働する人など、 働き方も自由になり始めている。 敷地は、 浅間通りのアーケードに面しており、 裏の路地にも接道した細長い形状である。 浅間神社の参道でもある浅間通りは、 駿府城の城下町としても歴史的に重要 な位置付けである。 現在、 シャッター商店街となりつつあるこの通りを再生し、 魅力ある賑やかな街とするための起爆剤として、 単に個々の住戸が並んでいるのではなく、 「集まって暮らす」 ことで生まれるコミュニティの場にも考慮した提案を求める。 ■

設計条件

10家族が暮らす集合住宅。

計画地 C

一家族のユニットは 25 ~ 55 ㎡。 通常の一家族に必要な諸室を解体したり統合することは自由。 住民の一部が運営する仕事場を設定する。 浅間通りに開くきっかけを仕掛ける。 ここでの暮らし方が浅間通りに波及するようなポテンシャルを持たせる。 延床面積 :1500 ㎡前後 階数 :2 階建以上

計画地 B

「グループリサーチ」 + 「敷地選定」 + 「個別設計」

3 人グループで、 浅間通りの歴史的位置付け、 活性化に対する課題を抽出し、 さらに新たなコミュティの 創造、 新たな家族像や働き方に向けて、 7 つの敷地周辺のリサーチを行う。 上記を踏まえて敷地候補から 3 つを選定する。 3 敷地でネッワークを生み出すプログラム (仕事場、 働き方、 住まい方、 家族像) を 3 人で決定する。

計画地 A

3 敷地で共有するデザインコードを決定する (高さ、 階毎の用途、 通り抜け、 開口の位置、 屋根形状、 構造形式、 階高など)。 敷地リサーチ、 デザインコード、 プログラムを発表した後、 グループで決定した条件をもとに各敷地で個 別で設計を行う。

28


建築設計 B1 第 1 課題 〔集まって暮らす ・ 働く〕 創造の起点

3 年前期

No.1 木工職人を通じた 3 つのネットワーク

現状課題 ・ ダイアグラム

No.2 ものづくりの文化を根付かせる

No.3 特徴的な形状 敷地 B の 3 つのアプローチ

〔販売〕 〔体験〕 〔展示〕 静岡県はモノづくりの盛んな地域であり、 シャッター街となっ

・ 街の人が敷地 C で自由に展示作品を見る ことができる場を設ける。

計画地 C 展示

・ 敷地 B で職人たちが体験教室を開く。 ・ 敷地 A で作品を販売する。

た浅間通りの活性化に一役買うと考えた。 静岡県は天竜杉 など資源も豊富だが、 近年林業は衰退傾向にある。 木工職

③ ①

人の技術や知恵を通じて町の活性化や林業の手助けとなる

※敷地 A では商店街に住む人以外の売る

ことを期待する。

場を提供できる場を設ける。

竹細工工房

染物工房

訪問者がモノづくりを 〔見る〕 〔触れる〕 〔体験〕 など実際に 手にすることで関心や興味を持つことで街にモノづくりの意

計画地 B

計画地 A 販売

識が芽生える。 この行為の繰り返しによって、 やがてモノづ

体験教室

各工房の前方には東屋やパーゴラを設置する。 各職人の活動領域を広げるほ か、 商店街を通る人の休憩場となり職人と街の人との接点を生み出す。

くりの文化が街に根付くことを期待し提案する。

「住人 (木工職人)」の流れ

No.4 断面構成

・ 3つの敷地に住まう木工職人は敷地 A に職人の作品を販売しに行く。 ・同様に敷地 B に体験教室を行いに行く。

計画地 C 展示

従来のメゾネットタイプ 解体 住戸 A 住戸 B 住戸 C 住戸 D

共有部が廊下に限り、 住民同士の関係性が遮断されている。 計画地 B 体験教室

住戸 生活の向き

・三つの敷地の住人 ( 木工職人) が作品を制作し敷地 C で展示、

計画地 C 展示

敷地 A で販売を行う。

住戸 B

住戸 A

住戸 D

住戸 A

住戸 C

住戸 C

コモンスペース

住戸 E 住戸 D

住戸の配置を各階でずらすなど、 配置をバラバラにする。 デッキを通じ、 コモンスペースを多様な グラデーションで生み出すことが可能となる。 これにより住民同士の関係性や人の輪が広がる。

No.5 領域構成

「作品」 の流れ

本計画

住戸 B

・ 同様に敷地 C に作品を展示しに行く。

計画地 A 販売

瓦工房

No.6 動線計画から生まれる視線的誘導 住戸 生活の向き

パブリックスペース

住戸 生活の向き

コモンスペース

住戸 生活の向き

木材置き場

木材置き場

住戸の片流れ屋根は生活の向きを意味する。 領域の構成を明確にすることで、プライベートスペー スからパブリックスペースの間のコモンス領域を豊かにする。

各工房

竹細工工房 ・ 瓦氏工房 ・ 染物工房には、 計画地中央のも 光の向き

計画地 A 販売

29

計画地 B 体験教室

のづくり体験教室で使うことのできる木材を置いたスラブを 差し込んでいる。 そこからは吹き抜けを通じ、 各職人の活

敷地南側には高層マンションがあり南面採光が難しい。 各工房の

住戸同士の狭間に生まれたコモンスペースには壁面に机や

壁面をガラスのカーテンウォールにすることで、 周囲に柔らかい光

棚を設置し、 住民の作業スペース (勉強、 本を読む、 作

が漏れ出し、 敷地を優しく包み込む。

るなど) として利用される。

動を伺うことができる。 訪問者は敷地を巡り、 職人の技術 や知恵を目にするだろう。


N

3 年前期

建築設計 B1 第 1 課題 〔集まって暮らす ・ 働く〕 創造の起点

平面図

Scale=1 : 200

1 階平面図

10

20

30m

30


N

3 年前期

建築設計 B1 第 1 課題 〔集まって暮らす ・ 働く〕 創造の起点

平面図

Scale=1 : 200

3 階平面図

31

2 階平面図

10

20

30m


3 年前期

建築設計 B1 第 1 課題 〔集まって暮らす ・ 働く〕 創造の起点

Scale=1 : 200

立面図 ・ 断面図

台所 ・ 風呂 D

ものづくり体験

台所 ・ 風呂 C

木工工房

断面図 A-A’

東立面図

台所 ・ 風呂 H 台所 ・ 風呂 B

台所 A

作業スペース

風呂 A 瓦工房

断面図 B-B’

南立面図

10

20

30m

32


07 3 年前期 建築設計 B1 第2課題

呼応する軸から

〔地域とともにあるこれからの小学校〕

派生する学び舎

設計データ 階数

: 地上3階建て

構造形式 : RC 造 クラス数 :18 クラス 面積票 1 階 : 5798㎡ 2 階 : 3462㎡ 3 階 : 4568㎡

設計コンセプト 学校という大きな施設の中に公共施設 や企業を集約することで、 働く場を提 供するとともに児童と街、 社会との接 点を作り出す。 日常的に互いの活動を 垣間見ることで、 教育の発展となるこ とを期待する。 地域開放型の特別教 室や図書館などの機能を建物全体を貫 く軸とし、 そこから企業スペースや各 普通教室へと派生していく。 周囲の住 宅群や前方に見える富士山に溶け込む ように架かる切妻の大屋根はランドス ケープ、 街、 そして小学校が一体となっ た風景を作り出し、 街の新たな教育の 場となる小学校を提案する。

33

計 : 13828㎡


3 年前期

課題要項 建築設計 B1 第 2 課題 〔地域とともにあるこれからの小学校〕 呼応する軸から派生する学び舎

課題要項

課題内容

各自が過ごした小学校を、 縮退する社会に相応しい学校として建て替える。 人口減少社会において、 学校が果たす役割は多様化しているが、 教育施設としての機能が 根幹にある事に変わりは無い。 知識を身につけ、 ソーシャルな関わりを通して、 人間的な成長を目指す場である。 身体的に大きな差のある 1 年生と 6 年生が、 共に過 ごす空間はどうあるべきだろうか。 近年、 小中一貫校にとどまらず、 図書館、 保育所、 文化施設との複合施設として建設される事例も多い。 単体機能 (児童のための 学習) としての教育施設から、 複合機能を備えた地域コミュニティのための教育施設への展開である。 また、 近年、 頻発する災害時に、 学校が避難場所として利用さ れる場合が多く見られ、 静岡という地域性から重要な機能となる。 具体的な敷地を設定し、 地域毎に異なる環境や社会を把握した上で、 まちの将来に相応しい、 長く 愛される 「これからの小学校」 を提案してほしい。

■ 設計条件 敷地面積、 用途地域、 建坪率、 容積率は各自の卒業し た小学校に応じて設定。 階数、 構造も自由。 「所要室」 を目安として、 小学校としての機能を満たす 諸室を計画する。 面積で指定のないものは適宜、 設定 する。 地域開放ゾーン ( 室 ) を設定し、 休日 ・ 夜間の利用も 可能としたセキュリティに配慮する。 普通教室が 18 を超える場合は、 1 学年 3 クラス、 計

計画地 静岡県富士宮市 黒田小学校 敷地面積 14596 ㎡

18 クラスとする (浜松市には 25 クラス以上の大規模校 が 10 数校、 存在するが、 狭隘化解消のために、 各学 年 2 ~ 4 クラスとする基本方針が策定している)

34


課題要項 建築設計 B1 第 2 課題 〔地域とともにあるこれからの小学校〕 呼応する軸から派生する学び舎

3 年前期

No.1 地域の核となる小学校

現状課題 ・ 計画内容 ・ ダイアグラム

No.3 敷地周辺

No.2 これからの社会と学校に期待される役割

市町村合併や少子化が進み、 学校統 合が急速に増える中、 新たな地域の核

市民

として学校を整備し、 学校と地域の関 わりを再構築することが求められる。

小学校

富士宮市の人口ピラミッドは国と同様 に、 少子高齢化に伴い、 「つり鐘型」

行政 (図書館)

企業

から 「つぼ型」 へと急速に変化しつつ

21 世紀を生き抜くための力を育成するため、 これからの学校

少子化のさらなる進行が心配される。 地域活性化等の課題に直面する中、

は、 多様な人間関係を結んでいく力や、 地域社会と一体となっ

環境 ・ 社会 ・ 経済をバランスよく発展

た子どもの育成を重視する必要がある。 地域社会の様々な機

させながら、 地域の活性化を実現させ

関等との連携を図り、 市民 ・ 企業 ・ 行政が一体となった新た

る必要がある。

な小学校を設計する。

No.4 形態構成

地域開放型 ・特別教室 ・図書館

地域開放型の特別教室と図書 館を小学校の軸とし、 その軸

る。 各普通教室群で形成され

企業スぺース

た児童のクラスターが軸で街

体育館

の人と企業の人と交わる。

テラス

オープンスペース

普通教室

普通教室 オープンスペース

オープンスペース テラス

35

No.6 断面計画

1 階と 3 階の普通教室の 狭間に企業スペースがあ

光線

る。 切妻の大屋根や、 吹

光線

き向けにより 1 つの大きな

オープンスペース 普通教室 オープンスペース

企業スペース

企業スペース

オープンスペース

普通教室 オープンスペース 普通教室

空間を共有することでお互 いの活動を垣間見ること ができ、 今までにない新 たな接点を生み出す。

No.7 外部計画

No.5 平面計画 テラス

普通教室 職員室など

から普通教室等が派生してい

既存校舎

ある。 20 代 の人口が少ないことから、

普通教室

各普通教室の正面に

オープンスペース

はオープンスペースが

読書・勉強

オープンスペースは各普通教室で オープンスペース の活動領域を広げる。 また、 オー

工作

外部動線

ボリューム同士を繋ぐ軸

プンスペースの用途を読書 ・ 勉強

(特別教室など) の下部は

ある。 普通教室戸オー

ペース、 遊ぶスペース、 工作ス

通り抜けが可能となってい

プンスペースの間には

ペースの 3 つの用途に分けること

る。 内部でのアクティビティ

壁がないので、 複数

で他クラスの児童と空間を共有す

がテラスまで広がり、 テラ

オープンスペース

ることになる。 日常生活で導線が

スにいる児童と外部にいる

遊ぶ

混じり合うことでクラスターの形成

の学級を交えた合同の 授業が可能となる。

を期待する。

児童との出会いを作る。 抜け道

抜け道


3 年前期

課題要項 建築設計 B1 第 2 課題 〔地域とともにあるこれからの小学校〕 呼応する軸から派生する学び舎

配置図

Scale=1 : 1000 N

10

20

30

40

50

100m

36


課題要項 B1 第 2 課題 〔地域とともにあるこれからの小学校〕 呼応する軸から派生する学び舎 3 年前期B1 第 建築設計 立面図 ・ 断面図 平面図 Scale=1 : 400 建築設計 2 課題 〔地域とともにあるこれからの小学校〕 呼応する軸から派生する学び舎 Scale=1 : 400

0

37

5

10

20

30

N

40

50m


課題要項 B1 第 2 課題 〔地域とともにあるこれからの小学校〕 呼応する軸から派生する学び舎 3 年前期B1 第 建築設計 立面図 ・ 断面図 平面図 Scale=1 : 400 建築設計 2 課題 〔地域とともにあるこれからの小学校〕 呼応する軸から派生する学び舎 Scale=1 : 400

N

38


課題要項 B1 第 2 課題 〔地域とともにあるこれからの小学校〕 呼応する軸から派生する学び舎 3 年前期B1 第 建築設計 立面図 ・ 断面図 平面図 Scale=1 : 400 建築設計 2 課題 〔地域とともにあるこれからの小学校〕 呼応する軸から派生する学び舎 Scale=1 : 400

39

N


課題要項 3 年前期B1 第 建築設計 ・ 断面図: 400Scale=1 : 400 B1 第 2 課題 〔地域とともにあるこれからの小学校〕 呼応する軸から派生する学び舎 立面図 ・ 断面図 立面図 建築設計 2 課題 〔地域とともにあるこれからの小学校〕 呼応する軸から派生する学び舎 Scale=1

断面図 A-A’

北立面図

断面図 B-B’

西立面図 0

5

10

20

30

40

50m

40


08 3 年後期 建築設計 B2 第 1 課題

架け橋

居場所を編み出す

〔法多山門前町の再生〕

設計データ 階数

: 地上 2 階建て

構造形式 : 鉄骨構造 面積票 土産屋

: 550 ㎡

集会場

: 550 ㎡

音楽ホール : 1200 ㎡ 宿泊施設 : 480 ㎡ 保育園

設計コンセプト 袋井市は子供が生まれたきっかけに自 然を求め都会から移住してくる家族が 多い。 そこで大自然に囲まれた法多山 門前町に保育園と福祉施設を複合さ せ、 なおかつ寂れてしまった商業施設 との連携を図る。 この場で育つ子供た ちが自然とともに成長し、 自分が高齢 になった時、 福祉施設利用者の方と遊 んだ楽しかった記憶が、 この地へ呼び 戻し福祉施設へ入所するきっかけとな ることだろう。 本計画は将来的に法多 山周辺に住んでもらう、 または将来こ の地に戻ってきてもらうことで法多山門 前町が再生することを期待し提案する。

41

: 1400 ㎡

福祉施設 : 700 ㎡ 計 : 5750 ㎡


3 年後期

建築設計 B2 第 1 課題 〔法多山 門前町の再生〕 居場所を編み出す架け橋

課題要項

■ 課題内容 静岡理工科大学の近傍に位置し、初詣には多くの人が訪れる法多山尊永寺の門前町を再生する。 法多山の参道は仁王門を経て谷沿いに東に進む。 その参道に沿って小川が流れている。 現在の地図を見るとその小川は門限町の部分で隠れてしまっている。 現在訪れると、 土産店や食事処など の門前町を形作る小店舗はその小川の真上に建てられていることが分かる。 まさに 「川床」 といった趣きである。 今回の課題では、 それらの商業 施設のあり方を再検討し、 建物の下に隠されてしまった清流を目に見える形で復活し、 合わせて入口近辺の駐車場スペースを活用して小劇場や集 会場、 宿泊施設を計画し、 門前町の活性化をはかる。 21000 ㎡の範囲を計画地とする。 ただし、 中央や東寄りの仁王門に至る範囲は法多山境 界になる。 境内の外は現在の門前町を形作る小店舗群屋駐車場となっている。 それらの小店舗や駐車場は全て作り変える想定で計画する。 図の 等高線は 1m ピッチで描かれている。

設計条件

総計 5000 ㎡程度の建築物を計画する。 (1) 集会施設 : 舞台、 固定席 (200 席程度) を備えた劇場。 グロ ス 600 ㎡程度、 平土間の集会室兼展示ホール、 グロス 600 ㎡ (2) 宿泊施設 : 30 ~ 50 ㎡の客室計 20 室、 ダイニング ・ ホール など、 グロス 1500 ㎡程度 (3) 商業施設 : 土産屋、 カフェ、 レストランなど計 1500 ㎡程度 (4) その他環境形成に相応しい施設を提案する。 計 800 ㎡程度 宿泊施設や集会施設を使ったアート ・ イン ・ レジデンス的な活動が 可能なように計画する。 駐車場は周囲に広く設置されているので、 計画敷地内には一般車 (来訪者) 駐車場は設けなくてよい。 ただし、 各施設へのサービス道路 ・ 駐車場は確保する。 各施設への緊急車 両のアクセスも可能なように計画する。 水の流れの復活や小広場の 計画も含め、 外部環境のデザインも計画に取り込む。

42


3 年後期

建築設計 B2 第 1 課題 〔法多山 門前町の再生〕 居場所を編み出す架け橋

No.1 法多山門前町 現状の問題点

現状課題 ・ 計画内容 ・ ダイアグラム

No.2 公共施設と商業施設の連携

・ 行きも帰りも同じ動線しかなく参拝者に選択の自由がない。

〔現状の門前通り〕

袋井の豊かな森に囲まれた法多山は仁王門をはじめとした四 つの文化財がある。 悠久の自然と歴史、 伝統文化を未来へ つなぐ場として密教を進行している寺である。

〔本計画〕

・ 飲食店や土産屋はあるものの、 道自体にくつろげる場や座 れる居場所がない。 ・イベントをやっていない時は何もなく、 日常的に人がいない。

No.3 法多山 尊永寺の自然

商業施設

商業施設 保育園

福祉施設

・ 周辺は山々に囲まれて自然豊かな場所だが、 建物により自 然を間近に感じられない。 ・ 既存の建物により小川が隠れてしまっている。

日常的に人がいない門前通り は現状は商業施設のみが立ち 並びシャッター街となっている。

保育園と福祉施設を複合さ、 商業施設との 連携をはかる。 これにより、 日常的に門前 通りににぎやかな風景を作り出す。

No.5 平面計画

仁王門を通ると法多山の自然が広がる。 しかし現状の門前町は建物に より、 周囲の自然が隠れてしまっている。 そこで自然との連続性を重視 し、 風景を切り取るような建築を提案する。

No.5 外部計画 〔本計画〕 視線の向き

デッキの一部を傾けること により、 視線を周囲の山 並に誘導する。 また建物 とデッキの間に空間が生 まれ、 開いた空間と閉じ た空間が生まれる。

デッキのスロープの下 が日影になることを利 用し、 小川の一部に寛

動線

現状の門前通りは道 の両サイドに店を構え るだけの参道で飲食 店や土産屋はあるも のの、 気軽に休める 居場所ではなかった。 また小川の上に建物 が並んでしまっている ので、 小川と人との 関係性がない。

43

げる場所を設ける。 夏

Step1 法多山を行き来するた めだけの通りではな く、 建物ボリュームを づらし余白を作ること で、 通りの至る場所 に人々の居場所を作 る。 また個々の商業 施設で経営するので はなく、 他の施設との 連携を図ることで門前 通りの活性化を目指 す。

Step2

建物の狭間にできた 居場所の先には宿 泊施設を配置。 法 多山への参拝者の 居場所になりつつ、 宿泊施設利用者の 居場所にもなる。

には子供たちの水遊び

Step3 法多山門前通りとし て商業施設や公共施 設が立ち並ぶ通りの 上部には自然を一望 できる千鳥上のデッキ が広がっており、 自 然の風景を楽しみな がら法多山に向かう ことができる。 イベン トの際にはこのデッキ に出店が立ち並ぶ。

の場となるだろう。

通りの脇に設けた階段は門前道りと上部 のデッキを繋ぐ縦動線の役割を果はす。 宿泊施設

生活の向き

また宿泊施設利用者の生活の一部となる。


3 年後期

建築設計 B2 第 1 課題 〔法多山 門前町の再生〕 居場所を編み出す架け橋

立面図Scale=1 ・ 断面図 : 400

Scale=1 :: 600 400 Scale=1

Scale=1 : 600

西立面図

A-A’ 断面図

B-B’ 断面図 0

5

10

30

20

50m

40

C-C’ 断面図 0

5

10

20

30

40

50

60m

44


N

3 年後期

建築設計 B2 第 1 課題 〔法多山 門前町の再生〕 居場所を編み出す架け橋

1 階平面図

45

平面図

Scale=1 : 400

0

5

10

20

30

40

50m


N

3 年後期

建築設計 B2 第 1 課題 〔法多山 門前町の再生〕 居場所を編み出す架け橋

平面図

Scale=1 : 400

C

A

B

A’

仁王門

B’

C’

2階平面図

0

5

10

20

30

40

50m

46


09 3 年後期 建築設計 B2 第2課題 〔藤枝中心市街地市都市開発〕

積層 設計データ 階数

: 地上11階建て

構造形式 : RC 造 住戸数

: 80 戸 面積票

住戸 : 84㎡

設計コンセプト 藤枝市の都市開発により都市化がさら に進み、 遠くない未来に高層ビルが立 ち並ぶ風景が予測される。 また、 農業 水産漁業者が減少する中、 新型コロ ナウイルスに伴う、 急激な担い手不足 や新たな国際環境に対応させていく必 要がある。 更に農林水産業の生産を 維持 ・ 発展させていく必要があると考 えた。 そこで本計画では6次産業に視 点を置き、 居住者に建物内に設置した 菜園スペースの貸し出しを行い、 1 次 産業の生産の面で、 居住者も参加す ることで、 住民同士の関係性を作り出 す。 山側と海側の中間に位置する敷 地が産業の中心となることを期待する。

47

計80戸 : 6720㎡ その他共用部

: 11580㎡

計 : 18300 ㎡


B2 第 2 課題 〔藤枝市の都市開発〕 積層 3 年後期 B2 第建築設計 建築設計 2 課題 〔藤枝市の都市開発〕 積層 課題要項

課題要項

課題内容

JR 藤枝駅周辺には過去 10 年間に及ぶ市街地整備の結果、 20数階建ての高層マンションが林 立した都市景観が形成されている。 これまで主として駅の南側が開発されてきたが、 今後駅の 北側の再編成が行われようとしている。 線路に沿った駅前一丁目 8 街区の再開発事業はすでに 竣工し、 現在、 駅前の 2 つの街区の再開発事業が進行中で、 来年度には都市計画決定がな される。 いずれの街区にも今から 5 年後、 2026 念には 22 階建ての高層マンションが立ち上 がる。 今回の課題は駅前一丁目 6 街区の再編計画を新たに作り直して提案するものである。 テー

駅前 1 丁目 6 街区第 1 種市街地開発事業 令和 4 年度:都市計画決定 令和 5 年度:組合設立・事業計画認可 権利変換計画認可 令和 6 年度:着工 令和 8 年度:竣工

マは様々な要素が混在する複合体として都市計画の新しい建築型 (ビルディング ・ タイプ) を 生み出すことができるか?藤枝市の未来へのビジョンとして、 タワーマンションが林立する姿が 相応しいか?中心市街地に居住することの意味は?静岡市のベッドタウンとしてだはなく、 職住 近接を測るにはどうするか?これらのテーマを包含して案をまとめてほしい。 ■

設計条件

用途地域は商業施設、 指定建蔽率 80% (角地の耐火建築物であることを前提に 100%)、 指 定容積率 400% である。 指定容積率からは最大 10888 ㎡の容積率となるが、 都市計画決定 を前提に容積率を割り増しを受けること、 自動車車庫は延床面積の 1/5 を限度に容積率算定 から除外されることを考慮し、 自動車車庫も含めた総延べ床面積は約 20000 ㎡に設定する。 藤枝駅周辺は大井川の扇状地に位置し、 東側に向かってごく緩やかに下がっていく地勢である が、 計画敷地内の高低差は 0 であると計画してよい。 計画地

面積 2722 ㎡

(1) 平均 100 ㎡程度の住戸 80 戸、 ネット計 8000 ㎡、 共有部含め 10000 ㎡、 各住戸のバリ エーション、 住まい方、 職住近接のあり方などを提案する。 (2) 商業 ・ 業務施設 5000 ㎡、 具体的な店舗、 オフィスなど各自提案する。 (3) 自走式駐車場 100 台、 4000 ㎡ (4) 公共施設 1000 ㎡ (全体の5%)、 どのような公共施設が相応しいか各自提案する。 (1) ~ (4) のプログラムを一つの建築物に統合させる。 地下は計画しない。

48


3 年後期 B2 第建築設計 B2 第 2 課題 〔藤枝中心市街地の都市開発〕 積層 建築設計 2 課題 〔藤枝市の都市開発〕 積層 課題要項 No.1 藤枝市 農業者人口の衰退

こうした農 業 ・ 農 村 が衰 退 すれば、 食 料 生 産 の減 退 という経 済 的 損 失 ばかり でなく、 安 全 ・ 安 心 な 暮 らしや良 好 な生 活 環 境 、 まちの魅 力 までもが損 なわれ、 農 業 者 のみならず市 民 全 体 に重 大 な影 響 を及 ぼすことになるだろう。

No.2 地域資源との融合を図る 6 次産業

No.3 山側と海側の中間に位置する計画地

北側

南側 計画地

現在 、 藤枝市は かつ て ない急 激 な 高 齢 化 と人 口 減 少 局 面 に あ り 、 本市の 農 業 者 人 口 は減 少 の 一 途 を辿 っています。 加 えて、 気 候 変 動 による大 規 模 な 風 水 害 の多 発 、 新 型 コロナウイル ス感 染 症 によ る経 済 活 動 の低 下 、 消 費 者 の 嗜 好 の変 化 に よ る本 市 の基 幹 作 物 であ るお茶 の価 格 低 迷 等 、 農 業 を 取 り巻 く情 勢 は非 常 に厳 しいもの となっている。

現状課題 ・ 計画内容 ・ ダイアグラム

山側 (農業) 居酒屋やビジネスホテル多め

1 次産業

生産

3次産業

×

×

(漁業) 海側

加工

販売

6次産業

=農場営業の 多角化

公園やスーパー多め

計画地とは反対側の藤枝駅南口側は再開発によって誕生した 新しい街としてスーパーや公園など、 毎日の生活に密着した 施設や店舗が充実しているのに対し、 北口側は対照的であ る。 また計画地は南側に海側、 北側の山側の中間に位置する。

No.4 形態構成

2次産業

山側と海側の中間に位置するこの場所で、 藤枝市の特産品 にも焦点を当てつつ、 1 次産業から 3 次産業を掛け合わせ た 6 次産業化を目指す。 6 次産業を行うことにより、 所得向上 (付加価値 ・ 利益)、 雇用の場を創出、 藤枝市の活性化を図る。

No.5立面 ・ 断面構成 生活の向き

生活の向き 縁側

住戸

生活の向き

プライベートスペース

コモンスペース 生活の向き

パブリックスペース (にぎやかな様子)

縁側

住戸

生活の向き

プライベートスペース

視線の向き

解体

外部から建物の内部の活動を伺うことができるように、 外部にも飲食店の

住戸は日本建築特有の縁側を内部に取り入れている。 本来縁側は外

テラス席を設ける。 内側にも外側にも開いた建築を目指す。

部にあるものだが、 今回の計画では建物の内側、 コモンスペースに開 く縁側を取り入れ、 新たな人との出会いを期待する。

厨房

飲食店 ・ 市場

加工場 加工場

菜園スペース

計画地は南北に長い形状をしていて、 なおかつ南側には中層建築が立ち並ぶ。 南面採光が難しい敷地である ということから、 屋根の形状に視点を置き、 天窓を設置することで各住戸に最大限の採光を取り入れる。 また 屋根とスラブの狭間に多数の余白を作ることができ、 周囲への圧迫感を減らすことを期待する。 従来の高層マ ンションは各住戸に屋根という概念がない。、 一つ一つの住戸に屋根という概念を与えることで高層マンションの 新たな姿となるだろう。

49

1 階と5階に整備した駐車場の一部に加工場を設けいている。 朝になると居 住者は仕事や用事など出かけるなど、 駐車スペース1台ぶんが空きになって しまう。 駐車場の循環を目指し、 その駐車スペースを農業漁業者が売りに くる場として活用する。

屋根を傾けたことによって生まれた余白の空間には菜園スペースを設け る。 この場で育てる野菜などは駐車場に設けた加工場を通じ、 建物内 部の飲食店や市場で提供される。


3 年後期 B2 第建築設計 B2 第 2 課題 〔藤枝中心市街地の都市開発〕 積層 建築設計 2 課題 〔藤枝市の都市開発〕 積層 課題要項

平面図

Scale=1 : 400 N

6F : 図書館 ・ 市場 5F : 駐車場 ・ 菜園 ・ 加工場

4F : 住戸

3F : 住戸 ・ 共有スペース

A

2F : 図書館 ・ 産業飲食店

1 : 駐車場 ・ 加工場

2 階平面図 0

10

20

40

60m

50


3 年後期 B2 第建築設計 B2 第 2 課題 〔藤枝市の都市開発〕 積層 建築設計 2 課題 〔藤枝市の都市開発〕 積層 課題要項

断面図

A-A’ 断面図

51

Scale=1 : 200

10

20

30m


10 静岡理工科大学 理工学部 建築学科 2020アニュアル

52


静岡理工科大学 理工学部 建築学科 アニュアル 2020

53

えんつりー賞受賞者

※ えんつりー賞は各課題 原則 1 名


静岡理工科大学 理工学部 建築学科 アニュアル 2020

えんつりー賞受賞者

※ 個人賞 (優秀賞) は各課題原則 4 名

54


1 年後期~ 3 年後期

55

建築設計 ・ 基礎

/

建築設計 A1

/

建築設計 A2 / 建築設計 B1

/

建築設計 B2

表彰状

※ えんつりー賞 (最優秀賞)


建築には街の風景を彩り、 人に感動を与える力がある。

私は建築を設計する上で、 常に 〔どのように地域との関係性を生み出し、 街に対してどう開くか〕 ということを意識してきた。

自分が設計した建物が実際に利用され人々を笑顔にする、 そして誰かの世界を少し豊かにする、 生涯出会うはずのなかった人が建築を通じ互いの関係が深まる。 そんなことを想像するとわくわくが止まらない。

これからもそんな人々の出会いの場となり、 喜びや感動を与える生き生きとした建築を設計していきたいと思う。

56



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