Portfolio 2016-2019

Page 1

P ORT F O LIO 2016 - 2 0 1 9 KOTA SAKURADA

作品集

二〇一六 二 - 〇一九 櫻田 康太


Refere n c e s


R=0 , G=0 , B=255

R=255 , G=0 , B=0

R=30 , G=0 , B=255

R=255 , G=0 , B=30

R=50 , G=0 , B=255

R=255 , G=0 , B=50

R=70 , G=0 , B=255

R=255 , G=0 , B=70

R=100 , G=0 , B=255

R=255 , G=0 , B=100

R=130 , G=0 , B=255

R=255 , G=0 , B=130

R=150 , G=0 , B=255

R=255 , G=0 , B=150

R=170 , G=0 , B=255

R=255 , G=0 , B=170

R=200 , G=0 , B=255

R=255 , G=0 , B=200

R=255 , G=0 , B=255

R=255 , G=0 , B=255

赤と青が同居する紫色

2-3


群像劇映画 グランド・ホテル - 1932


スリランカの海辺で見つけた座面のないベンチ - 2017

4-5


Index


Carnival in the City

- 8

M a i s o n r é ve r s i b l e

- 68

N i c o l a s a n d M it z

- 84

塀と家と遊園地

リバーシブルの家

ニコラスとミッツ

6-7


Carni v a l i n t h e Ci t y 塀と家と遊園地 奥行きのあるバウンダリーが持つ可能性について

東 京 都 荒 川 区 尾 久、 一 人 暮 ら し を し て いるアパート近くの住宅街に敷地を横断 するように存在している不思議な煉瓦塀 を見つけたことからこの制作は始まった。 塀の形成理由が気になって調べてみると、 煉瓦の塀はかつて遊園地の塀だったが、さ まざまな歴史を経て現在は住宅街の中に 連続する機能を持たない煉瓦の構築物と して存在しているがこの地域特有の風景 を形成している。 地 域 住 民 に 話 を 聞 く う ち に、 こ の 煉 瓦 塀 は 70 年も近く前から住人同士の共同体意 識を醸成するきっかけとして存在し続け て い る こ と が わ か っ た。 煉 瓦 塀 は 文 化 財 に指定されているわけでも、保存の対象に な っ て い る わ け で も な い が、 地 域 の 人 々 が 共 有 し て い る 価 値 が あ る も の、 名 も な き文化財であると考えた。 本来 2 つのものを仕切るために存在する 塀という存在が、この地域では地域の人々 のつながりを生むきっかけになっている ことに着目し、境界線に奥行きを与えるよ うに、遊園地の埒を立体化していく。それ によって、地域の共同体を形成する助けに なりつつ地域特有の風景を守るような遊 園地と街を同時に更新する方法を考える。


8-9




1 縁でおこるアクティビティ、境界にたつ建築への興味 日常的に何かの縁(ふち)でおこるアクティ ビティに興味がある。例えばベトナムのホーチ ミンでは高層マンションを囲む塀の外側のくぼ みや、民家同士の隙間などを住人が勝手に使い こなすような風景があった。ロンドンでは再開 発が進む地区の仮囲いに接して公共トイレが設 けられていて、施工業者と住人が交わっていた。 さらに、境界上にたっている建築にも興味が ある。例えば、駅の改札にまたぐようなキオス クや高速道路の料金所などである。 これらに共通する事項としては、建築がそれ単

イギリス、キングスクロス再開発地域のトイレ

体で成立しているのではなく、何か他の原理に よって形がつくられていて、内部と外部を区切 る境界が他の何かに姿を変えていることがあげ られる。

1

2

3

4

1- 山陽自動車道の宇部料金所 2- 大阪府長尾駅の改札キオスク 3- ベトナム、ホーチミンの屋台 4- 東 京都北千住駅の駅ビル内カフェの席


キングスクロスのトイレにおける人々の軌跡の記録ドローイング。 工事用仮囲いの内部にふくらむようにつくられている公共トイレはワーカーと住人が唯一交わる、共有ス ペースになっている。

12 - 13


2 遊園地とともに育ってきた街、東京都荒川区尾久地域にみられる二重の境界線 このような境界に対する興味をもちながら散歩をしていると、家の近くの住宅街に敷地を横断 するように存在している不思議な煉瓦塀を見つけた。塀の形成理由が気になって調べると、煉瓦 の塀はかつて遊園地の塀であった。

神社

公園

水上ステージ

WC

バックヤード ゴミ捨て場

水遊び広場 売店

ジェットコースター

動物

観覧車 乗り場 都電ミニ資料館

回転木馬

コーヒーカップ

役場 エントランス

15 84 84

売店

P

07

78

78

89

G P

こども広場

従業員控え室

P

78

P

89 G

84

84

84 93 93 93 93 93 93

84 93

93

93 93

93

84

93 93 93 93 93 93

93

93

P

93

93

G

93

89 78

78

93 84

84 P

84

G

P

P

8


隅田川

水上バス発着所

物広場

78 78

P

芝生広場

14

78

78 釣り堀 管理施設

78

78

P

97 G

P

89 89

P

78

P

78

78

P

P

G

78

84

G

89 G

78

P

78

G 89

G

97

78

78

G

G

G 78

P

89

P

78 78

78

12

17

78

P

78

78 P

P

03 03

P

89

93

78

78

93 P

78

RC造

P

97

78 G

89

10

P

17

遊園地

P

78G

釣り堀

P

15 P

WC

保育園

P P

78 78 78

78

78 78

築20年以上

P

P

築20年未満

P

Parking

G

Garden and Trees Brick Wall

89 78 78

Year of Construction Entrance

78

Scale = 1:1250

P

78

煉瓦塀と遊園地それぞれの境界や、周辺住宅の築年数などを調べたリサーチマップ

78 78 78

P

P

14 - 15 78


3 失われつつある名もなき文化財 あらかわ遊園はかつて煉瓦工場であり、遊園地に鞍替えした際に地域住人の協力のもと敷地いっ ぱいに煉瓦の塀をつくり、埒を形成した(1922) 。しかし、地震や戦争、経営元の変化といったさ まざまな変化を経て遊園地が縮小し、住宅街がその煉瓦塀の内側まで侵食していった(1950) 。現 在、代替わりによって古い住宅が売却されて分譲化が進み、その際に煉瓦の塀が切られ、かつて 一筆書きだった塀は点線状になってしまったが、この煉瓦塀によって地域特有の風景を形成して いる稀有な場所である (2018) 。

SUMID

A RIVE R

1900

1900

Brick Factory

SUMID

A RIVE R

1922

1922

ARAKAWA YUEN

Brick walls

SUMID

A RIVE R

1950

1950

ARAKAWA YUEN

Houses

SUMID

2018

2018

A RIVE R

ARAKAWA YUEN

あらかわ遊園と周囲の住宅街の変遷


住宅街に取り残された煉瓦塀

16 - 17


4 失遊園地の埒を立体化することで遊園地と木密を同時に更新する 老朽化が進んでいるのは住宅のみでなく、遊 園地は 2020 年に全面リニューアルオープンを予 定している。こういった移り変わっていく街の 風景に対して、自分なりにこの地域のこれから を描いてみようと考えた。 本来 2 つのものを仕切るために存在する塀と いう存在が、ここでは地域の人々のつながりを 生むきっかけになっていることに着目し、遊園 地の埒を立体化していくことで、この地域の共 同体を形成する助けになりながらも地域特有の 風景をつくるような遊園地と街の更新を考える。

4-1 遊園地守の家 古い木造住宅の建替え時に、遊園地の管理を 住人に委託することで、領域を横断するように 遊園地守の家として住宅兼管理棟を設計する。 遊園地の境界線をすこし緩やかにして風景とし てデザインしながら、地域の共同体形成に寄与 してきた煉瓦塀を壊さないような更新方法の提 案。→ Project ①②③④⑤

分譲化へのオルタナティブ

4-2 堤防と遊園地に挟まれた保育園 リニューアル計画には、隣接する保育園の建て替え・スーパー堤防の新設・遊園地の新広場の 設置も含まれる。保育園と住宅の間には煉瓦塀が長く残っているが現在は道路から見えない状態 である。スーパー堤防の新設という土木工事と、園舎の建て替え、さらには塀という構築物への 配慮を同時にするような保育園の設計。→ Project ⑥

老朽化した園舎を取り壊し、スーパー堤防を引き伸ばしたうえに大屋根をかける


4-3 街並みから仲間外れをつくらない、煉瓦タイルの家 煉瓦塀が途切れたところに煉瓦塀に連続する ようにレンガ調のタイルを使用した住宅がある。 厳密にはオリジナルのレンガではないが、風景 に参加しようという、街並みをリスペクトする ような姿勢が感じられる。これらの住宅を仲間 はずれにしないような、タイルとオリジナルを つなぐような住宅の設計。→ Project ⑦ タイルを塀の高さに合わせた住宅2棟

オリジナルの煉瓦塀とレンガタイルに挟まれた住宅を建替え、帯のようなデザインで両者をつなぐ

4-4 共同体のまとめ役、防災倉庫と広場 建設から 70 年近く経過しているこの煉瓦塀 は、耐震面で優れているとは言い難く、塀が高 すぎることで危険な部分もいくつか見受けられ た。そこで、 耐震面から煉瓦塀を壊すのではなく、 煉瓦塀を補強しながら新しく住人たちの居場所 をつくるような更新を提案する。地域共有のち いさな庭のようになり、防災倉庫をしつらえる ことで、災害時には地域で集まることができる 場所を目指す。→ Project ⑧

or

既存の煉瓦塀を階段状にしたり補強しながら家具になるような箇所をつくり地域のための空間をつくる

18 - 19


5 設計をする際の8つのルール、歴史への姿勢 遊園地と住宅街の更新を考える上で、この地域に残っている風 景、歴史的な構築物に対する態度を明らかにする必要があると考 えた。そこで、変えてもいい部分と変えてはいけない部分、また提 案する建築がどうあるべきかを整理し、8つの設計のルールを設け た。これらを踏まえて提案をする。

① 煉瓦塀は切らない

② オリジナル以外の煉瓦は使わない

移動は可能

⑤ 提案部分は境界線上につくる

⑥ 提案前後で住人の数は減らさない

遊園地

木造住宅

住宅街

提案+分譲住宅


③ 建て替えは歳上の家から 建替可能

④ 提案部分は二つ以上の機能をもつ

建替不可

バルコニー

ゲート 築 30 年以上

築 10 年以下

庭付き住宅

分譲住宅

⑦ 動かしていいのはフェンスのみ

⑧ 組み合わせて境界や場をつくる

煉瓦塀 既存の住宅

煉瓦塀

フェンス

フェンス 水路

提案部分

20 - 21


6 全体計画、境界上に置かれる8つの建築 前にあげた設計のルールに基づいて、8つの建築を提案する。 提案する建築は必ずどこかの境界上に置かれ、それぞれの関係性を調整する役割を持つ。

1 2


5

6

遊園地

3

煉瓦塀

4 7

川・池 Scale = 1:1250

8

22 - 23


1 - エントランス守の家

Isometric Drawing


2 - キッチンフェンス

Isometric Drawing

24 - 25


3 - 釣り堀守の家

Isometric Drawing


4 - 展望テラスカフェ

Isometric Drawing

26 - 27


5 - 芝生守の家

Isometric Drawing


6 - あいだ保育園

Isometric Drawing

28 - 29


7 - 煉瓦タイルの本屋

Isometric Drawing


8 - 防災倉庫と共有庭

Isometric Drawing

30 - 31


1 - エントランス守の家

A - Balcony B - Kitchen C - Bedroom D - Bathroom かつての入口箇所にゲートのような橋をつくる

Plan S=1/300


D

A

B

C


建て替え予定の 遊 園 地の食 堂

C

B

A D E


2 - キッチンフェンス

A - Kitchen B - Cashier C - Dining Table D - Cafeteria E - Restaurant Plan S=1/300

遊園地の内側からかつての煉瓦塀が見える

34 - 35


2 - キッチンフェンス

渡り廊下 隣 2 軒の水回り キッチン

シェフの家 地域のレストラン 遊園地のフードコート

既存フェンスを折り曲げる

老朽化した木造住宅 3 軒 と煉瓦塀

Diagram


Model

36 - 37


2 - キッチンフェンス

B

既存 木 造 住 居1

C

A 既存木造住居2 D

A - Bathroom for House 1 B - Bathroom for House 2 C - Entrance oh House 2 D - Corridor for House 1 2F Plan S=1/300


C

E

A

G

D

F

B

A - Bathroom for House 1 B - Kitchen C - House for Chef 2 D - House for Chef 1 E - Restaurant for City F - Cafeteria for Themepark G - Corridor for House 1 Section S=1/300

38 - 39


3 - 釣り堀守の家

A - Secrity Room B - Fishing Shop C - Dinig Room D - Living Room E - Bedroom フェンスをこじ開けるようにして、築山の上にのる釣り堀管理棟

Plan S=1/300


建て替え予定の 遊園地の釣り堀 管 理 棟

A

B

M

C

D

E

A

B


M

C

D

A

B

C B

E


4 - 展望テラスカフェ

A - Reception B - Play Room C - Stage D - Stair Seats E - Gallery F - Cafe Terrace Plan S=1/300

遊園地の内側からかつての煉瓦塀まで伸びて行く通路、地上レベルは地域の集会所

42 - 43


4 - 展望テラスカフェ

螺旋の上は 遊園地のカフェ 内部は地域の集会場

釣り堀

既存フェンスは部分的に壊 してエントランスを設ける

老朽化した木造住宅 2 軒 と煉瓦塀

Diagram


Model

44 - 45


4 - 展望テラスカフェ

G

F D E

C B A

A - Play Room B - Reception C - Stage D - Meeting room E - Gallery F - Cafe G - Observatory Section S=1/200


D

A

B

C

A - Cafe B - Cafe Terrace C - Meeting Room 2F Plan S=1/200

46 - 47


5 - 芝生守の家

A - Bridge B - Entrance Gate C - Levee D - Tunnel E - Living Room F - Balcony G - Living Room 遊園地側が一層分高いため既存住宅に巨大なバルコニーをつくりフェンスと連続させることができる

Plan S=1/300


C B

A

D

E

F

G


K C D E

A

L

F G

B

H

I

J


6 - あいだ保育園

A - Play Room B - Class Room 1 C - Class Room 2 D - Nursing Room E - Bathroom F - Stair G - Stage H - Class Room 3 I - Class Room 4 J - Class Room 5 K - Playground L - Levee Plan S=1/400

遊園地がスーパー堤防に姿を変えて階段となり、大屋根がかかることで煉瓦がインテリア化する

50 - 51


6 - あいだ保育園

螺旋の上は 遊園地のカフェ 内部は地域の集会場

釣り堀

既存フェンスは部分的に壊 してエントランスを設ける

老朽化した木造住宅 2 軒 と煉瓦塀

Diagram


Model

52 - 53


6 - あいだ保育園

D A

B

A - Teacher's Room B - Front Room C - Chef Room D - Kitchen Base Plan S=1/200

C


上でなぞって、 コンタのラインをだして、下の図面に重ねる

C B

D G

A

E

F I

H

A - Play Room B - Class Room 2 C - Stage D - Class Room 3 E - Class Room 4 F - Class Room 5 G - Teacher's Room H - Kitchen I - Levee Section S=1/400

54 - 55


建て替え予 定の 遊 園 地の食 堂

7 - 煉瓦タイルの本屋

C

B

A D E

A - Book Shop B - Patio タイル煉瓦も含めて連続した風景をつくる

Plan S=1/300


A

B


A

B

M

C

D

E

A

B A

C B


8 - 防災倉庫と共有庭

C

D

A

B

E

A - Warehouse B - Bench C - Common Garden Plan S=1/300

リズムを与えるように既存の煉瓦を移動させて人の居場所や倉庫などを設ける

58 - 59


7 奥行きのあるバウンダリーによって生まれる新しい風景 遊園地の境界となるフェンスや塀や水面を着色。内側と外側の人々をそれぞれ緑と赤で着色し たもの。両者がフェンスで隔てられている関係から、池や水路を介して視線を交わしたり、新た に提案する建築のエレメントを介して関わりあう。

境界 1:フェンス

境界 2:池

遊園地内の人々

地域住人

フェンスと2つの提案部分と釣り堀によってつくられる境界、池を介して視線が交わる


60 - 61


4 - 展望テラスカフェ

カフェテラス

遊園地内の人々

地域の集会場

煉瓦塀

地域住人

遊園地の内側からかつての煉瓦塀まで伸びて行く通路、地上レベルは地域の集会所


62 - 63


4 - 展望テラスカフェ

カフェテラス

遊園地内の人々

地域の集会場

地域住人

煉瓦塀

街側からは煉瓦塀から人の頭が出ていたり、階段に座っている様子が同じ風景として見える


64 - 65


2 - キッチンフェンス

地域住人

境界 1:フェンス

境界3:煉瓦塀

境界2:水路

境界 4:テーブル

遊園地内の人々

遊園地側から煉瓦塀が見えるようになり、細長いテーブルと水路により遊園地内が区切られる


66 - 67


Mai so n ré ve rs i b le リバーシブルの家 東京藝術大学美術館「2074、夢の世界」展 出展作品

こ の 作 品 は、 あ る 小 説 か ら 見 つ け た 言 葉 を 使って、もういちどべつの物語をつくるような、 少し遠回りな方法でつくられたものである。 小説『FACETTES』では、リバーシブルという 形式を採用することで、異なるものが同居して いる状態をつくりだした。僕はこのリバーシブ ルという言葉を用いて住宅を設計できないかと 考えた。例えば、内側の世界を押し広げること は、外側の世界が狭くなることを意味するよう に、互いに関係を持ち、連鎖している状態をひ とつの住宅でつくりだせないかと考えた。 敷地は東京都渋谷区表参道から1つ曲がった路 地、キャットストリート沿いに設定する。昔は 川 だ っ た 通 り に は、 今 で は 流 行 の 服 を 身 に ま と っ た 人 々 が 流 れ る よ う に 歩 い て い る 場 所 だ。 この場所にそれぞれ違った性別・年齢・職業の 6人の住人のために、6通りの置き方をするこ とで6通りの住み方を提供するような住宅を設 計した。この小説の主人公であるファッション デザイナー / 大学教授 / ピアニスト / ボクサー / 舞台女優 / 漫画家の以上6人が住人である。 リバーシブルの家は6人の住人がそれぞれ主人 公であるような、1本の群像劇映画をつくるよ うに設計した。それぞれの住人に対して異なる 空間が存在しているが、それをひとつのかたち で実現させた。 そのため、だれかにとっての床がほかのだれか にとっては壁であり、天井であり、もしくは階 段である。


写真 : 永井文仁 ©COMITÉCOLBERT 、東京藝術大学

68 - 69


1 建築におけるリバーシブルとは このアワードでは指定された6つの SF 小 説から 1 つ以上を選び、そこから着想を得 て作品をつくることが求められた。 僕 は 未 来 の 衣 服 に つ い て の 小 説 『FACETTES』 を 選 び、 物 語 の 中 で 印 象 的に語られる「リバーシブル」という概 念を建築に応用できないかと考えた。コ ンセプトスケッチでは、重力の向きを変 えることで柱や壁、家具などの要素が抽 象化されたかたちとして認識されて、新 しい機能を発見されるのではないかとい

ロンドン、セントラル・セント・マーチンズのアトリエ

う実験を示した。

Concept Sketch


写真 : 永井文仁 ©COMITÉCOLBERT 、東京藝術大学

柱や壁、階段や家具といった日常的に住宅を構成する要素にたいして、重力の向きを変えてさまざまな機 能や使い方を発見的につくりだす。

70 - 71


2 部分から全体への設計、6人の住人が出演する群像劇をつくるように リバーシブルの家の設計は、部分から全 体へと進んだ。 まず、ありふれた家にある階段や窓、柱な どの要素を取り出して模型にした。与える 重力の向きをふだんとすこし変えてみると、 元のものとは違う意味作用を引き起こすこ とがある。そのようにして作った模型に与 える重力の向きによって、さまざまな意味 をもつような要素を考え、ひとつひとつの 模型をパーツとしてつくっていく。 そのようにできたパーツを、単語のように しながら組み合わせてひとつの物語を書く ように設計した。 内部は、そういった単語同士が組み合わさっ た短い文章のようなまとまりが、それぞれ 自由に振舞うことができるように設計され ている。 それぞれの文章は独立しながらも前後のつ ながりを変えたり、後ろから読んだりして、 その都度その物語の意味が変わってくるよ うな構成である。 その状態は登場人物がおたがいに関係しな がら、どういった経路をたどり、どのよう にふるまうのかによって、その都度現れて くる空間の意味や名前が変わってくるよう な、群像劇映画のような空間とも言えるの ではないか。

階段に対して重力の向きを xyz 軸の三種類で変 化させたスタディ模型


写真 : 永井文仁 ©COMITÉCOLBERT 、東京藝術大学

さまざまな要素を組み合わせたパーツ。どのようなアフォーダンスを持っているのか考えながら、これら のまとまりを組み合わせて設計する。

72 - 73


3 回文のような図面 6通りの家の断面図は、6通りの平面図あるいは24通りの断面図とも捉えることができる。 それは、誰かにとっての断面図として表記されているものが、他の誰かにとっての平面図(プラ ンニング)であったり、天井を見上げた図であったり、というように幾つかの意味をもった図形 であることを意味している。 つまりこの図形は、どこに地面の線(GL)を引くか、どこに一本の線を足すかによって、たえ ず意味が変化していく文字や数字のようなものである。

Isometric Drawing


House for Manga Artist

House for Actress

House for Professor S=1/150

74 - 75


Isometric Drawing


House for Designer

House for Boxer

House for Pianist S=1/150

76 - 77


4「風が吹けば桶屋が儲かる」設計手法 「風が吹けば桶屋が儲かる」ということばがあるが、設計行為はまさにそれだった。 だれかのアトリエの床を広げる行為は、他のだれかにとってはピアノ室の床から壁が立ち上 がってくることや、お風呂の天井から壁が下がってくることなどを意味する。そのように 6 人分の家をつくるために、果てしない調整が行われた。リバーシブルには「裏と表どちらも 使うことができる服」のほか、「逆にすることができる」という意味もある。リバーシブル の家はサイコロのように転がすことができて、どの目が出たとしてもそこで生活ができる。 つまりこの家にはサイコロの目の数よりも多い、生活のかたちが存在しているかもしれない。

Diagram


Perspective Drawing for Interior Space

78 - 79


写真 : 永井文仁 ©COMITÉCOLBERT 、東京藝術大学

Exhibition Space Site Model


Section Model 1,2

80 - 81


House for Actress


House for Designer

House for Professer

82 - 83


Ni ch o la s a n d Mi t z ニコラスとミッツ アトリエくろ

双子屋台の提案。 敷地は埼玉県加須市、騎西というまちにおける、 商店街やその周辺地域である。 空 き 店 舗 が 目 立 つ 古 く か ら の 商 店 街 の 通 り で、 空き店舗を利用しながら地域を再生する取り組 みを行う地域団体「きさいまちづくり」に出会 う。まちづくりのプランとして、空き店舗のみ ならず、空き地や境内といった地域にあるゆた かな空間を同時に使うこと、それと同時にその ための屋台を提案し、協力・協賛を得て設計施 工を行った。 地域の資産として、空き店舗の軒先、奥行きの ある空き地、せまい歩道と歪んだ敷地割、神社 の境内、などといったさまざまな空間をとりだ し、ひとつの特定の敷地を対象にせずに設計し た。 屋台を「ひらく」ことで、人の行為や建物のみ ならず、敷地の形や周辺環境などにも寄り添い ながら変化する、その場所の個性をまとうよう な存在になることをめざした。


84 - 85


1 郊外の過疎化した商店街で 知人の紹介でこの地を初めて訪れた。埼玉県加須市の騎西という 地域では、定期的に商店街で町おこしマーケットのようなイベン トが開催され、空き店舗や空き地のスペースを活用しながら街に 活気を取り戻そうとしている地域団体に出会った。 彼らに話を聞きながら、過疎化が進んだ郊外において、空き地や 空き店舗が増えていく問題は非常に普遍的であると考え、建築側 から何か関わっていけることがないか、学部の友人6人でチーム を組み模索していくことにした。

1

2 4 3


5

6

7

8

9

10

11 13 12

1,2- イベント開催時の商店街の様子 3- 典型的な店舗の面構え 4- 空き店舗、二階では人が生活している場合 もある 5,6,7- 狭い軒下空間の駐車スペース 8,9,10,11- 商店街の通りに多く存在している奥行きの深い空き地 12,13- 近隣の神社では毎年藤まつりが開催される

86 - 87


2 予算 10 万円で屋台をつくる この地域になにか建築的な提案をしたいと思い、地域団体にたいして自分たちで考えたいくつ かのアイデアをプレゼンすることに決めた。イベントが立ち上げられてから間もないということ もあり、まだ溢れ出しが少なく賑わいが伝わりづらいことや、地域に残されている空き地や空き 店舗などの資産をどのように活用していくのか、といった要件を踏まえながら、街おこしイベン ト時に使えるようなアイデアを考えることにした。具体的には、空き地に着目して、 「どの程度空 き地に触れるのか」をパラメーター化して、常設案・仮設案・屋台案の3つの提案をした。 何度か団体と打ち合わせを経て、スタートアップ状態のイベントにも柔軟に取り込めること、 予算や管理などの面から屋台案の評価が非常に良かった。その結果、もともとプロジェクトが存 在しなかったところから団体の好意により、商店街で行われる街おこしイベントで使われる屋台 を制作することが決まった。 条件は予算10万円で空き店舗の軒先と空き地の両方で使える屋台を作ることだった。

新 し い 軒 先 を つ くる 今 あるまちの 風 景 や 人 々の ふ るまいと 連 続 した 場 所 を つ くる こと で 立 寄 り や す く 感 じ ら れ る

安価な材料

基 礎を打たない構 造

設計担当した常設案。空き地に地域共有の軒先をつくる提案


屋台とその駅を空き地につくる提案。屋台のみ採用された

イベント時のみ隣家の外壁を用い屋根をかけたり、控え壁を家具化するような提案

88 - 89


3 あたりまえの風景を拾い上げる 屋台は可動建築であるため、場所性や地域性のようなものを思考の埒外にしてしまうことがある。 しかし、僕らはこの地域でしかありえない屋台をつくりたいと考えた。とにかくこの地域では、 地域住人が普段あたりまえに感じてしまっている風景さえも地域性として拾い上げていくことを 意識した。

3-1 道路と建物の間の曖昧な歩道 道路と建物の間のごくわずかな隙間、軒下とも 言えないような空間を歩道として使っており、 歩行者は側溝の上を歩いている。その曖昧な空 間は場所によって駐車場や庭のように使われて いる。

道路と建物のあいだにできた場所は様々な用途に使われている


3-2 不定形な軒先空間 商店街の軒先を豊かにすることが、商店街の賑 わいを可視化することに繋がると考えた。軒先 空間は歩道と連続しており、場所によっては駐 車場や庭のようにも使われており、その平面形 状はさまざまな角度や幅をもっている。

異なる角度で道路に対面する店舗、それにより生まれる不定形な空間

3-3 軒とオーニングの重なり 商店が軒を並べている風景をよく観察してみると、いくつかの商店は既存木造長屋の軒の下部に 新しくオーニングのようなものを付加していて、住人による軒下の使いこなしが見られた。

軒を見ると複層的な時間の重なりが感じられる

90 - 91


3-4 空き地や空き店舗

鰻の寝床のような敷地割の商店街に、ところど ころ虫食いのように空き地や空き店舗が生まれ ている。これらの空間を資産として捉えて活用 したい。

空き店舗や空き地


3-5 藤棚や鯉のぼりといった地域の原風景 敷地周辺にある玉敷神社境内には広大な藤棚があり 毎年藤まつりが行われている他、加須市は日本一の鯉 のぼり生産地である。これらは単に地域のシンボルで あるのみでなく、地域の人々の原風景として存在して いると考えた。

藤棚と鯉のぼり

92 - 93


騎 西 ら し さ

3 . ら し さ

し い 屋 台 」 に す る と い う こ と で す。 屋 を、ど こ に で も あ る デ ザ イ ン に す る の

1

.

4 地域らしさからデザインへ

つ く れ な い よ う な「騎 西 ら し い」 屋 台 し ま した。

デ ザ イ ン へ

500

ものづくり通りは空

を 分 析 し て 感 じ た 騎 西 ら し さ を デ ザ イ

藤 棚

るので、屋台は軒下

前頁で拾い上げた地域の特徴、地域性とも言えるような要素をデザインとしてどう昇華していく 1900

し た 。

かを考えた。それぞれのデザインはそれぞれの要素と一対一に対応しておらず、一つのデザイン 2 . によって複数の要素を拾い上げている。 空 き 地

4-1 本のようにひらくこと

初に想像できました

狭い歩道を通って運

て幅 500 高さ 1900 少しかわいい寸法に

2

.

まず僕らは屋台を本のようにひらくこと を考えた。敷地形状や用途に合わせて使

5 . い手が角度を調整できるような設計とし こ い の ぼ り

た。

商店街の通りには空き地がいくつかあります。空き地での展開

合体して 1 つになる

性を考えて 2 つ細い屋台をつくって合体させる仕組みを考えま

よって棚ができまし

した。軸となる金具をつけることで分裂したり 180℃開くよう

屋根や椅子がしまっ

になります。こうすることで空き地や軒先といった置く場所に

バックヤードとして

よって異なる形に変形します。

2 つで 1 つであること


ものづくり通りは空き家や商店で行われ

1900

るので、屋台は軒下に置かれることが最 初に想像できました。軒下に置くことや 狭い歩道を通って運ばれることを想定し て幅 500 高さ 1900 という細くて低い、 少しかわいい寸法になりました。

2

.

4

.

5

.

4-2 分解可能であること 空

ひらいた屋台はそのまま分解できる。狭い場所 で片方だけ使ったり、ふたつの屋台を離して使っ

白 塗 装

たり、並べて使ったり、とその組み合わせ方の バリエーションを使い手が自由に選ぶことがで きる。断面を見せることで、内部は棚として利 用できる。 商店街の通りには空き地がいくつかあります。空き地での展開

合体して 1 つになるようなデザインに

性を考えて 2 つ細い屋台をつくって合体させる仕組みを考えま

よって棚ができました。取り外しできる

した。軸となる金具をつけることで分裂したり 180℃開くよう

屋根や椅子がしまってあり、出店時には

になります。こうすることで空き地や軒先といった置く場所に

バ ッ ク ヤ ー ド と し て 使 え ま す 。白 い 面 は 、

よって異なる形に変形します。

2 つで 1 つであることを示しています。

94 - 95


本のように屋台をひらく


96 - 97


東 京 藝術大学大学院所属

西 ら し さ

4-3 細くて低い寸法であること

し い 屋 台 」 に す る と い う こ と で す。屋

を 、ど こ に で も あ る デ ザ イ ン に す る の

3 . ら し さ 1

.

つ く れ な い よ う な「騎 西 ら し い」屋 台

し ま した。

首都大学東京大学院所属

店舗の軒先は狭くて低い。商店街の全ての店

横浜国 立

デ ザ イ ン へ

500

舗の軒先の寸法を実測したのち、全ての軒先

ものづくり通りは空き

を 分 析 し て 感 じ た 騎 西 ら し さ を デ ザ イ に設置可能な高さと側溝ブロックの幅から寸

るので、屋台は軒下に

法を決めたため、通常の屋台と比べると小さ

1900

し た 。

な寸法である。

狭い歩道を通って運ば て幅 500 高さ 1900

2 . 空 き 地

少しかわいい寸法にな

2

初に想像できました。

.

5 . こ い の ぼ り

商店街の通りには空き地がいくつかあります。空き地での展開

合体して 1 つになる

性を考えて 2 つ細い屋台をつくって合体させる仕組みを考えま

よって棚ができました

した。軸となる金具をつけることで分裂したり 180℃開くよう

屋根や椅子がしまって

になります。こうすることで空き地や軒先といった置く場所に

バックヤードとして使

よって異なる形に変形します。

2 つで 1 つであること

側溝ブロックの上を移動する屋台


軒先と連続する低い屋台

98 - 99


3

.

家 商店街にある空き家の中にかつて 雑貨屋を営んでいた空き家があり ました。そこで陳列棚として使わ れていた頑丈な木材を屋台に再利

4-4 藤棚のような存在になること 4

.

用しました。騎西の家が屋台に生 ま れ 変 わ っ た の で す 。 屋台の幅は ちょうど棚 2 つ分です 。

美しい藤を眺めると藤棚というそれを支える構築物の存在を忘れてしまうように、風景を支える 藤 棚 か ら 着 想 を 得 て、取 り 外 せ る

背景となるような屋根を考えた。空き地で使われる時は防水シートをつけることで日陰をつくり、 屋 根 を 考 え ま し た。屋 台 を 藤 棚 に

軒下で使われる時は軒下のオーニングを藤のように眺める格子屋根となるように置く場所によっ 見 立 て て み る と、軒 先 に 置 い た 時

て姿や意味が変わる。また、地域住人参加型のワークショップを行い鱗柄のタープをつくった。 は、そ の 軒 が 藤 に な り、空 き 地 に 置いた時は自ら藤を咲かせて影を つくります。

5

.

り もう 1 つ取り外しができる鱗柄の 自由にレイアウトできるタープを つくりました。ワークショップで 子どもたちに塗ってもらった屋根 です。太陽の光を背にするととっ て も 綺 麗 に 映 り 、場 所 を 彩 り ま す 。


置かれる場所によって意味が変わるような形態としくみ

100 - 101


ル ー プ

・ 建 築

野 の 6

5 空き家の棚板と側溝ブロックと豆腐屋から導かれた寸法

成 さ れ

/

irkuro/ ものづくり通り © M a s a o

I n o m a t a

屋台の大部分を構成しているのが、木口がブルー

のこげ茶色の棚板であるが、これは空き店舗で

Kota

商品陳列棚の棚板として使われていたものであ

た幅 (260*2=520mm) を屋台の寸法とした。屋台

る。この棚板は幅が細く、ちょうど二つ分並べ

私 た ち は メ ン バ ー 櫻 田 の 叔 母 さ ん の 紹 介 で 「 も の づ く り 通 り 」 に つ い て 知 り ま し た 。 お 話 を 聞 い た り 見学 し た り し て , 制 作 を

を本のようにひらくために正方形平面を細長く 通 し て 町 お こ し を 行 う も の づ く り 通 り に

院 所属

参 加 し て み た く な り

ま し た 。 そ し て 何 度 も 話 し 合 い を し て い く 中 で 「 屋 台 」 を つ 二分割したが、これは同時にこの棚板を活かす く る こ と に な り ま し た 。

kohei

ためでもある。

柱の長手スパン 1200mm は路上に存在する側溝

出 身

ブロックの寸法 (400*600mm) の倍数から、最高

院 所属

高さ 1900mm という背の低さは商店街で一番低 い豆腐屋のオーニングの高さから、といった具 合にさまざまな外的要因からこの寸法が導かれ た。これは、単に設計の手がかりとして既存の 寸法を引用しているのではなく、使い手がより 発見的に機能や配置を決めてほしいという願い 3

. でもある。 空 き 家 商店街にある空き家の中にかつて 雑貨屋を営んでいた空き家があり ました。そこで陳列棚として使わ

で行われ

れていた頑丈な木材を屋台に再利

とが最

用しました。騎西の家が屋台に生

ことや

ま れ 変 わ っ た の で す 。 屋台の幅は

を想定し

ちょうど棚 2 つ分です 。

て低い、

.

120

4

藤 棚 か ら 着 想 を 得 て、取 り 外 せ る

1140

屋 根 を 考 え ま し た。屋 台 を 藤 棚 に 見 立 て て み る と、軒 先 に 置 い た 時 は、そ の 軒 が 藤 に な り、空 き 地 に

220

562 インに できる 時には

い面は、

ます。

368

.

303

244

もう 1 つ取り外しができる鱗柄の

562

118

518

つくります。

5

廃材の棚板 t=30mm

220

置いた時は自ら藤を咲かせて影を

白 塗装

自由にレイアウトできるタープを つくりました。ワークショップで 子どもたちに塗ってもらった屋根 です。太陽の光を背にするととっ て も 綺 麗 に 映 り 、場 所 を 彩 り ま す 。

防腐塗料(白)


左−長手内側立面図、右−短手断面図 ともに S=1/10

+1900

+1700

130

260

+800

120 105

235

220

300

+500

235

118

218

300

+400

270

140

+650

545

545

+0


左上−短手立面図 左下−長手外側立面図 右上−屋根伏図 右上−屋根平面 右下−床伏図 すべて S=1/20


665

475 190 309

309

309

309

309

309

1584

309

309

1584 3168

軌跡

GL+800 475

GL+650

GL+400

GL+500

1200

1200

1300

560

GL+800

屋根の軒線

1300

産業用 S 付き自在キャスター Φ=130 耐荷重 180kg/1 個

520

260

309

260

309

1300

1300 104 - 105


P rofi le


Kota Sakurada 1994/02/24 2012 - 2016 Bachelor of Architecture Tokyo Metropolitan University 2018 - 2019 Internship Architect Tropical Space (Vietnam) 2016 - 2019 Master of Architecture Tokyo University of the Arts

Photo : Masao Inomata

二〇十二 櫻田 康太

一九九四年二月二十四日生まれ

二 - 〇十六 首都大学東京建築都市コース

二 - 〇十九 トロピカルスペース勤務

二 - 〇十九 東京藝術大学大学院建築専攻

二〇十八

二〇十六

106 - 107


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