Toru Suzuki Architecture Portfolio

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ARCHITECTURE PORTFOLIO

Suzuki Toru
����-����

後期設計演習 学内最優秀賞

建築新人戦���� ���選

スタジオ設計 オープンジュリー�選

後期設計演習 学内優秀作品選出

近畿大学学生マンションデザインコンペ 優秀賞

せんだいデザインリーグ����卒業設計日本一決定戦 ��位

日本建築学会 全国大学・高専卒業設計展示会出展

第��回学生設計優秀作品展 ー建築・都市・環境ー(レモン展)出展 第��回「街並みの美学」トラベルスカラシップ �選

近大展���� 優秀賞(芦田賞)

北陸の家コンペ 佳作

京都工芸繊維大学修士設計学内講評会 奨励賞

京都工芸繊維大学修士設計展(審査員/小泉雅生・西澤徹夫) �選

Illustrator,Photoshop,Indesign AutoCAD

Rhinoceros,Skechup,Lumion,Twinmotion

竹中工務店/アルバイト

日建設計シビル/アルバイト

安井建築設計事務所/インターン

山本理顕設計工場/インターン

キノアーキテクツ/アルバイト

株式会社ヒャッカ/インターン

シーラカンスK&H/インターン

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Adobe �D �D
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E-mail
Toru 福井県福井市出身
京都工芸繊維大学大学院建築学専攻 木下昌大研究室 ���� ����-�� ����-��
suzukitoru����@gmail.com
鈴木 徹 / Suzuki
近畿大学建築学部建築学科 松岡聡研究室

目次/Contents

耕す建築  ~小さな場の連なりで暮らしの地形を造成する~

福井県坂井市三国町 住宅・銭湯・カフェ

住工共生の「かた」

ななめに寄り添う �� Other Works

敷地

大阪府大阪市上本町

用途 墓地・オープンスペース

期間 B�後期

~オモテとウラが紐解く住工混在地域~ 期間 B�後期

期間 B�後期

��
用途 期間 M�後期
敷地
��
敷地  大阪府東大阪市高井田地区 用途 歩行空間
�� 敷地
大阪府東大阪市長瀬町 用途 集合住宅
��
都市の遺場所  ~墓地の代謝から読み解く都市の更新~

耕す建築

~小さな場の連なりで暮らしの地形を造成する~

従来のような「開発」ではなく、まち並みや風景を引き継ぎながら「耕す」ように建築する。

より長い時間軸で基礎をもとに建築を更新し、地域の中での自律的な生活を営むことで新たな循環の可能性を提案する。

福井県坂井市三国町

住宅・銭湯・カフェ M� 後期

京都工芸繊維大学修士設計学内講評会 奨励賞

京都工芸繊維大学修士設計展(審査員/小泉雅生・西澤徹夫) �選 ��

安島地区は観光地として有名な雄島の南東に位置する漁村である。 安島地区では高齢化・過疎化が進み、地区東側ではニュータウン化が進む現状がみられるが、一番重要なのはこの地区の人々のための計画であ るということである。

町の外から移住する人々が少しずつ増えている中で、この場所で暮らす本来の良さを認知したうえで暮らしてもらえるよう、この地域の生活を 自律的に営みながら、地域内での新たな循環を生む。

痕跡の遺る風景

細い路地のために重機による大掛かりな解体が困難であり、更地にはそこにあった わずかな痕跡がみられる。

その痕跡を手がかりとして、小さな菜園や物置として周辺の住人が使いこなす風景 が垣間見られた

対象敷地において、��年後と��年後のこの地域における人々の生活の未来像を提案する。

phase1(��年後):滞在促進施設や生業を持続させる施設による場の魅力の認知拡大 phase2(��年後):地域におけるインフラや地場産業の持続可能な状態(地域内循環型社会)

雄島(大湊神社) 雄島橋 日本海 福井県坂井市三国町安島地区 安島地区 ニュータウン化 漁村集落 安島漁港 大湊神社(陸ノ宮) 対象計画地 計画概要

基礎により醸成されるまちの風景

��年以内に基礎の新設・増し打ちと木造部分の改修を行い、��年後には基礎を活かしながら住人が自律的な生活を営む風景を目指す。 建築(主に基礎)が少しづつ新たなインフラ(ランドスケープ)を創り出すことで、既存の風景を継承しながら醸成されるまちの在り方を提案する。

既存の基礎を遺す 基礎の新設・増し打ちにより本来の地形を象る 基礎を手がかりに部分的に建築が立ち上がる
現状 ��年後 改修 (基礎の新設・増し打ち) ��年後 新築 改修 ランドスケープ

基礎が長い時間軸の中で、地形に寄り添いながら醸成される。 その基礎が場所の痕跡として、住人の新たな生活の手がかりとなる。

��度

��度以上で良好な擁壁等でない限り建築不可の範囲 基礎の増し打ち・新設による地形の変化

崖条例により、高さ�m以上かつ、斜面の勾配が��度を超える崖について、通常は劣化のない安全性を確認できる擁壁でない限り、その範囲に建築はできない。この地域では建築基準法制定以前に 建築された住戸があり、その条件を満たせていない。また、石垣や擁壁が今後劣化する可能性も十分に考えられる。

基礎の増し打ち・新設により、そのような��度勾配の条件をクリアすることが可能となる。

��度
斜面地における基礎あるいは擁壁

貫としての水平材 住み手が建築に手を加えられるように簡易なジョイントを用いる。手を加えることが躯体の補強になるよう、添え柱や貫の考え方を応用した形とした。 これらの板材はデジタルファブリケーションを活用し加工、住まい手が自由に壁面を構成することが可能となる。

添え柱と貫の考え方を応用したジョイント

平面詳細図 S=�:�

立面詳細図 S=�:�

�� �� ��� �� ��
接合部詳細図
�� �� ��� �� �� �� �� �� ���
S=�:� 部分模型
水平材の差し込み ③
込栓の差し込み

地域内循環を生む木材の流れ

ランドスケープ

フェーズ2における地域内循環型社会を考えるにあたり、林業従事者の利潤を生むため、地域の木材(特に間伐材やB材)をデジタルファブリケーションを活用

し、板材として活用する。また、建材として使用した後に枕木やコンポストとして、盛り土のランドスケープに活用する。

森林 A材・無垢材 バイオマスチップ 燃料として活用 B材・間伐材 劣化した板材を再利用 循環の構築 CO� 伐採 伐採 加工 加工 躯体(一次部材):大工 板材(二次部材):住人 枕木
コンポスト 建築
���� GL±� ��� ���� ���� ���� ��� �� ��� ��� ダイニング 休憩所 屋根: ガルバリウム鋼板 t=�.�mm 立平葺 アスファルトルーフィング 構造用合板 t=��mm 防水シート 通気胴縁 t=��mm 登梁 ��×��mm コンポスト: 建材として使用した水平材(スギ) t=��mm 床: モルタル金ゴテ押さえ t=��mm 擁壁 盛り土 盛り土 既存地形 �FL=GL+��� �FL=GL+���� TOP=GL+���� GL±� ��� ���� ���� �FL=GL+��� TOP=GL+���� 枕木: 建材として使用した水平材(スギ) t=��mm×�枚

屋根: スレート横葺き アスファルトルーフィング

構造用合板 t=��mm

防水シート

通気胴縁 t=��mm ポリエチレンフォーム保温材 t=��mm

構造用合板 t=��mm

床: 地中蓄熱式幅射床暖房 モルタル金ゴテ押さえ t=��mm

表面硬化材塗布

床: ワックス ナラフローリング t=��mm 下地合板 t=�.�mm 構造用合板 t=��mm 断熱材(GW) t=��mm

床: 構造用合板 t=��mm

壁:

外壁用水平材(スギ) t=��mm

防水シート

通気胴縁 t=��mm

ポリエチレンフォーム保温材 t=���mm

仕上げ用水平材(スギ) t=��mm

���� ���� ���� ���� ���� 鋼製束 ダクトスペース キッチン 基礎増し打ち部分 キッチン 浴室 個室 個室 吹き抜け ダイニング 寝室 ダクトスペース
既存布基礎 盛り土 盛り土 既存地形 � � � ��(m)

都市の遺場所  ~墓地の代謝から読み解く都市の更新~

都市に新たな墓地を開発することが困難な今、墓地の代謝と周辺環境との相関から、これからにおける建物の更新と墓地の更新を再考する。

そして、未来における墓地を人々の共同体としての遺場所(オープンスペース)へと転換していく。

用途 墓地・オープンスペース 期間 B�後期 受賞

敷地  大阪府大阪市上本町 せんだいデザインリーグ����卒業設計日本一決定戦 ��位 日本建築学会 全国大学・高専卒業設計展示会出展 第��回学生設計優秀作品展 -建築・都市・環境-(レモン展)出展 第��回「街並みの美学」トラベルスカラシップ �選 近大展���� 優秀賞(芦田賞)

��

��.オープンスペースとしての墓地

敷地は大阪上本町の寺町。墓地を各寺院が境内に所有し、機能を持ったオープンスペースとして残り続けている。

墓地に面して、都市開発により住宅、マンション、事務所ビル、店舗などさまざまな用途の建築物が建てられている。南面であればベランダや大きな開口を設け、北面であれば小さい開口、裏の機能を設けるなど、都市のボイドに対す るさまざまなふるまいを見せている。

��.墓地と墓地に面する建物

墓地と周辺との関係を見るために、まず、����年~����年の航空写真、住宅地図などを使いそれぞれの敷地の変化 を追った。その結果、墓地の敷地内変化はほとんどないことがわかり、周辺敷地は寺や参道など変化が少ない固定的 な敷地と、マンションや事務所ビルなど都市開発によって変化が大きい流動的な敷地の�つに分けられた。

固定的な敷地は比較的、立地環境が良く、騒音も少ない。対して、流動的な敷地は日当たりや風通しが悪く、騒音も 多い建築用途がみられる。

����年 ����年 ����年
・・・固定的な敷地 ・・・流動的な敷地(����年以前から建つ建物)
固定的な敷地 墓地 ・寺 ・参道 ・住職の方の住宅 ・境内の庭 ・公園 など 流動的な敷地 ・個人住宅 ・高層マンション ・事務所ビル ・空き地 ・駐車場 など
・・・墓地
��.墓地と固定的・流動的な周辺敷地
����年 ����年 ����年 ����年 ����年 ����年 ・・・流動的な敷地(����年以前から建つ建物)

墓石の裏に刻まれている建立年を調べ、墓地内における墓石の建立年の分布化を行うことで、建立年の関係性を可視化した。 墓地内のみでの建立年の傾向や、法則などは見られなかったため、周辺環境との関係性から分析を試みる。

墓地A 墓地B 墓地C 墓地E 墓地D 墓地G 墓地F 墓地H 墓地I 墓地J 平成��~平成��年(����~����) 昭和��~平成��年(����~����) 昭和��~昭和��年(����~����) 大正��~昭和��年(����~����) 明治��~大正��年(����~����) 明治�~明治��年(����~����) 嘉永�~明治�年(����~����) 文政�~嘉永�年(����~����) 享和�~文政�年(����~����) ~寛政(~����) ��.墓建立年の分布
調査対象敷地

墓石年代:均一<混在 細かく年代が分かれ様々な年代の墓石がみられる。

周辺環境:固定的<流動的 南側には寺と庭がみられ、北側には住宅や店舗、事務所ビル、 マンションなど、更新の頻度が高い建物が建つ。

墓石年代:均一>混在 比較的新しい墓石がまとまって建ち並んでいる。

周辺環境:固定的>流動的 南側に人道理の少ない道、東西を寺で囲まれている。

墓地内における墓石の古さを分布化させた。そのうえで、周辺環境との関係をみるた め立面をアイソメ化し、墓石の年代との相関を見ていく。

墓石の裏に刻まれている建立年を調べ、墓地内における墓石の古さを分布化させた。

着目した点は ・墓石の年代の均一化・混在化

・周辺環境においては更新頻度(固定的・流動的な敷地) に加え、建物用途である。

平成��~平成��年(����~����)

昭和��~平成��年(����~����)

昭和��~昭和��年(����~����)

大正��~昭和��年(����~����)

明治��~大正��年(����~����)

明治�~明治��年(����~����)

嘉永�~明治�年(����~����)

文政�~嘉永�年(����~����) 享和�~文政�年(����~����) ~寛政(~����)

墓石年代:均一>混在 広い範囲で古い墓石が均一的に建ち並んでいる。

周辺環境:固定的>流動的 北側は住職の方の家、東側はお寺の施設で築年数が浅い。

墓石年代:均一<混在 敷地全体に様々な年代の墓石が混在する。

周辺環境:固定的<流動的 マンション、事務所ビルなど更新が流動的な建物が多くみられる。

墓石年代:均一<混在 狭い範囲に比較的新しい年代の墓石から古い年代の墓石まで幅広く混在している。

周辺環境:固定的<流動的 南・東側は事務所ビルが建ち流動的な敷地に多く面しているといえる。

墓石年代:均一>混在 広い範囲で比較的古い墓石が均一的にみられる。

周辺環境:固定的>流動的 南側は三階建ての事務所ビルが建つ流動的な敷地。 北側は寺と庭に面する固定的な敷地。

墓石年代:均一<混在

新しい年代の墓石から古い年代の墓石まで細かく様々な年代の墓石がみられる。

周辺環境:固定的<流動的

南側のマンションと空き地がある敷地は流動的な敷地であり、高層の建物が建ちやすい。

墓石年代:均一<混在 新しい年代の墓石から古い年代の墓石まで混在している。

周辺環境:固定的<流動的

南側はもともと駐車場があったが現在は住職の住宅が建てら

れている流動的な敷地。 北側は寺と庭の固定的な敷地。

墓石年代:均一>混在 細かく年代は分かれているが全体に比較的均一な年代の墓石が建つ。

周辺環境:固定的>流動的 南側は流動的な敷地で倉庫が建つが人通りは少なく騒音も少ない。

北側は庭、西側は人通りの少ない道と固定的な敷地に囲まれている。

墓石年代:均一<混在

狭い敷地に古い年代の墓石から新しい年代の墓石まで混在している。

周辺環境:固定的<流動的

東側の高層建築が日当たりや風通しを悪化させていると考えられる。

西側には車通りの少ない固定的な敷地がある。

墓石年代:均一>混在

比較的古い年代の墓石が均一的に建ち並んでいる。

周辺環境:固定的>流動的

西側は車どおりの少ない道、北側は寺の施設と固定的な敷地が多い。

墓地A + 北・東立面 墓地B + 北・東立面 墓地A + 南・西立面 墓地B + 南・西立面 墓地F + 北・東立面 墓地F + 南・西立面 墓地J + 北・東立面 墓地J + 南・西立面 ��.墓石年代と周辺環境との相関
墓地C + 北・東立面 墓地D + 北・東立面 墓地D + 南・西立面
墓地E + 北・東立面 墓地E + 南・西立面 墓地C + 南・西立面
南側は保育園と寺院の複合であるが近年建ちかえられた流動的な敷地である。

��.墓地の代謝と周辺環境との関係

墓石も建物と同様によりよい立地環境を選ぶ。また、建物と墓石は建て替わるスパンが異なり、周辺環境の変化が墓地の代謝に影響を与えて いると考えられる。

そのことを考慮し、周辺環境と墓地の年代の相関関係を見ていった結果以下のような仮説が立てられる。

墓も建築同様、 日当たりや風通しなどの立地条 件の良い場所 に多く建てられる

固定的な周辺環境 の場合

流動的な周辺環境 の場合

空地に新たな墓が建てられやすい 墓地の代謝が時間をかけて進む 墓石の年代が 均一化 する

空地に新たな墓が入りにくく 墓地の代謝が滞る

立地環境の向上により 墓地の代謝が進む 墓石の年代が 混在化 する

墓地の代謝 建物が建つ 周辺 墓地 周辺 墓地 墓地 周辺 墓地 周辺 墓地 周辺 墓地 建物の取り壊し 駐車場・空き地化 周辺環境の変化が続く
周辺環境の変化が乏しい 周辺環境が大きく変わらない

現状の墓石年代と周辺環境の関係から、これからにおける墓地とその周辺建物の更新を提案する。更新に合わせて境内は地域の人々にとって も訪れやすい共同体としての遺場所へと転換されていく。

数年後 提案

墓石年代:均一 ≒

周辺環境:固定的

墓石年代:混在

周辺環境:流動的

無縁墓の増加+墓石の老朽化により 墓地に大きな空地 ができる

ストック活用により 改修による周辺環境の流動性 が生まれる

固定的な敷地(寺や道)は残り続ける 墓石の空地がまだらなため 墓石用地として更新を続ける

新たな墓として樹木葬とランドスケープを用い 祈りの場と生活の場が融和した遺場所 を計画する

改修に合わせ墓石の墓地同士を建物の低層部がつなぎ 墓参りに来た人々や、地域の人が集える遺場所 を計画する

周辺 墓地 周辺 墓地 墓地 周辺
��.墓地の代謝から考える都市の更新 現状

既存の墓石のモジュールから生まれるグリットと空地のスケールから生まれる構築物が、墓石の墓地と周 辺の建物、自然葬のそれぞれの遺場所をつなぐ。

��.設計手法
720 300 410 870 600 一般的な墓石の寸法
墓地グリットと墓石の空き地plot ・・・墓地の空き地 ・・・墓地グリッド

コールテン鋼の屋根が墓石の空きとともに構築され、流動的な建物の低層部も改修に合わせて新たな遺場所へと変化していく。

現状

墓石年代の均一化 墓石年代の混在化

経年変化に合わせて人々に受け入れられる新たな更新の風景となる。

大きな空き地に樹木葬とコールテン鋼 の屋根がかかる。

・・・固定的な敷地

・・・流動的な敷地

墓石年代が均一化していた場 所は大きな空き地ができる。

��.新たな更新の風景
新 古
墓建立年
改修に合わせて墓地グリットを活かした ヒューマンスケールの遺場所が形成される。 ��年後

屋根がかかる可能性のある墓地の道に柱が建 てられる。柱自体も墓標として感じられる。

建物に貫入した屋根は部分的に上下をつなぐ動 線、家具としての機能を持つ。

また、墓地のスケールと建築スケールを緩やか につなぐ。

墓石と樹木葬が入り混じる墓地も形 成されていく。

屋根の重なりとコールテン鋼の経年変化が墓地 の記憶を伝える新たな墓地の風景となる。

��年後 ��年後
墓地が新たな都市の共同体としての遺場所となる

��.樹木葬として更新される新たな墓地

既存墓地のグリット上にかかる構築物が膨らみを持ちランドスケープと合わせて屋根のかかった遺場所 が形成される。

墓石建立年が均一な 既存墓地のグリット

墓地グリッドを手掛かりに、

人の居場所を拡張させる膨

らみを持った屋根がかかる

ランドスケープを用いて屋根の 下に腰掛けれるような場、樹木 葬の有機的な地形は祈りの場を 形成している。

厨房 平面図 S=�/��� GL+450 GL+450 GL+450 GL+450 GL+450 GL+450 8076 3076 5000

既存墓地グリットにかけられた屋根が膨らみを持ち、居座れる場と動線をつなぐ。 塀で囲われていた境内が街に対して開かれた遺場所へと変わる。

地形の変化と屋根の重なりによって、豊かなシークエンスが生まれる。

��.墓地における人々の遺場所として更新された新たな建物

流動的な敷地の建物の改修に合わせて既存墓地グリットを内部に引き込み、人々が集える遺場所が形成 される。

流動的な敷地に面した墓地 既存墓地グリッドを 内部に引き込む

墓地のモデュールに即した

ヒューマンスケールの居場 所が形成される

既存墓地のグリットから生ま れる家具スケールの場。

14220 4740 4740 4740 オープンカフェ 厨房 倉庫 倉庫
10960 5480 5480 建築 墓地

建物の低層部に土間と畳の遺場所が既存墓地グリットのスケールで広がる。

建物の柱梁と屋根の柱が空間に抑揚をつけ、拠り所となる。

マンションと墓地のバッファーにあたり、テラスや住戸への建て動線としての機能を持つ。

住工共生の「かた」

~オモテとウラが紐解く住工混在地域~

町工場の衰退により宅地開発が進む東大阪市高井田地区では住工混在問題が起きている。

住宅と工場が混在していく中で高架下というバッファーを活かし、居住者、町工場の人々にとって互いに良好な関係を生むきっかけを与える 。

��
敷地  大阪府東大阪市高井田地区 スタジオ設計 オープンジュリー最多得票 用途 公共空間 期間 B�後期 受賞

ものづくりの街 - 東大阪

東大阪市高井田地区はものづくりの街として発展してき た。この地にある事務所のうち�割が従業員数��人未満 の小さな工場である。工場の密度は国内でもっとも高く、 多種多様な製品が町中でつくられている。また、その工 場の形態も多種多様である。

現在、高井田地区では町工場の後継者不足等により、工場の数の減少が進んでいる。そしてさらに 問題になっているのが町工場の跡地に不動産の宅地開発で、虫食い状に住工混在の場所が増えて来 ている。

そのため、町工場の騒音や搬入車の出入りが住民からの苦情を生み、町工場の衰退を促す悪循環が 生まれている。

町工場 住宅
高井田地区 site 住工混在地域 ~町工場の衰退~ problem

住工混在地域における敷際空間の実態と特性 forcus

住工混在地域には、敷際空間のモノの置かれ方に一般で言う表出とあふれ出しの秩序がみられる。町工場が住宅に隣接してる場合は住宅側に植栽や郵便受けなどの表出がなされ、表と認識している。一方にはダライコ(ドラム缶)や散水ホー スなど工場のウラとして意識されている。

町工場の積極的な敷際空間の利用は、専用住宅の表出を促す。工場ばかりだと無機質だからと、植栽を植える、打ち水をするなど地域の良好

住宅側も町工場に促されるように オモテとしての認識が生まれる

休憩時座るための椅子

道や空き地などのバッファーが 入ることでオモテとウラが入り混じる

町工場
な景観や環境づくりに貢献しようとする意識もみられる。
ウラ ウラ オモテ オモテ ウラ 町工場 町工場 町工場 町工場 町工場 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅
住宅

���人の食卓 ~閉じた高架下を町の通りへ~ scenario

���人:JRおおさか東線高架下に隣接する住宅・町工場の人々 食卓:JRおおさか東線高架下

居住者、工場の人々にとって互いに 良好な関係を生むことを目的とする。

閉ざされた高架下

JRおおさか東線高架下の現状

JRおおさか東線高架下は、各住戸・工場に対して背に位置し、柵で囲ま れているため人々が立ち入ることができない。この高架下を「私」同士 をつなぐ大屋根とみると、そこに一つの公共空間への可能性を感じるこ とができる。

町工場と住宅の新たなバッファーとして高架下を開く

住宅工場の裏に高架と柵によって使われることがなく隔てるものとして存在していた空間が存在する。

住宅・工場の裏として人々の目につくことが少なく、この町にとってマイナスの存在であるように思える。

高架を二つに分断された町にかかる一つの屋根とみる。住宅・工場が閉じていた裏側に開くことで道と は異なるポテンシャルを持ったコモンスペースが生まれる。

また、住宅と工場におけるバッファーゾーンとしてお互いの関係を紡ぐ場となりうる。

高架 住宅・町工場 住宅・町工場 道 道 高架 住宅・町工場 住宅・町工場 道 道 私 私 公 公 私 共 私 公 公

敷際空間を意識した壁と開口の操作 proposal �

高架下を近隣の住宅や町工場に対して開く。 さらに各住宅と町工場の間口に対し高架下に向けて 塀のような壁を伸ばしていく。

壁に対し各住戸、町工場の敷際空間を意識させる 開口を開ける。

高架下は町の通りとして開口を大きく設ける。

高架下というバッファーゾーンを開口を用いてプラ イベートからパブリックへと段階的に開き、敷際空 間を意識したあふれ出しを促す開口が町工場と住宅 を緩やかにつなげる。

町工場 町工場 町工場 町工場 住宅 住宅 住宅 �
町工場 町工場 町工場 町工場 住宅 住宅 住宅 �
町工場 町工場 町工場 町工場 住宅 住宅 住宅 �

町工場のファサードがオモテとウラの敷際空間を促す proposal �

町工場 ウラ ウラ オモテ

町工場は一方の道にのみ大きく開かれている。

側面のファサードは表情のない無機質な存在として道に対 して閉ざされている。

町工場のファサードを蛇行させることで町工場特有の、オ モテとウラのあふれ出し的用素を促す。

町工場
住宅側も外への意識が多くなり、住宅と工場の間に対する 在り方が変わる。 オモテ

ななめに寄り添う

現在の集合住宅は、プライバシーが完全に守られ他の住民を互いに知りえない。また、共用部の廊下はただの通路としての役割しか持ちえな い。

そこで、ななめの壁による空間の豊かさ・住まい方を考え、共用部の在り方・回遊性から住戸と共用部の対等な関係を生む。集い住まうこと の愉しさを見つめなおす集合住宅の提案。

敷地  大阪府東大阪市長瀬町 建築新人戦���� ���選  学内後期設計演習 最優秀賞 用途 集合住宅 期間 B�後期 受賞 ��

ななめが人々の身体性に寄り添い 新しい暮らしの風景を生み出します。

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