平行 [ 塀 ] 世界 某都市観察者が蒐集した塀たちのソシオニクス
私の卒業設計は日本の住宅地の可能性、平行世界を描いたフィクションだ。 日本の住宅の周囲を囲い、生活空間を保証する「塀」 リサーチから得られた塀たちの特性を過剰化させた一つのあり得たかもしれな い、今後あり得るかもしれない都市風景を構想した。
この物語を過去未来のどこかに存在しうる「塀共同体」と塀の上の猫に捧ぐ。
都市観察者 「私と同様に彼らは複数の敷地[セカイ]を跨ぐ境界的存在であり、敷地間に おける民民関係の体現者にして生き証人である。 西新宿の高層ビル群から少し離れた密集住宅地広がる北新宿一丁目。その一地 域の隣地境界上には奇妙な塀たちが並んでいる。人間のように多様で、自我を 持っているかのような発達を遂げたその塀たちを、私たちは如何にして理解で きるだろうか。 決定的な指標の作成は後進にまかせ、私としてはひとまず、この多様な塀たち の個性を心理学の知を借りて分析を行いながら、彼らと共に暮らす塀共同体の 様子をここに記す。」
ISTp[Si-Te]
1800
1600
200
職人 / 機械工
40 0
00 32
40 0
00 32
40 0
Isometric S=1:75
Socionics notation:ISTp Type name:SLI( 感覚・思考・内向 ) Popular name:Gabin( ジャン・ギャバンより ) Leading:Si( 内向的感覚 ) Creative:Te( 外向的思考 ) Social role:Craftman( 職人 )/Mechanic( 機械工 )
変哲のないブロック塀に見えるが、よく見ると 塀の両面にコンクリートブロックが積み重ねられ た控え壁が取り付いている。 塀を共有している住民をよく知るという住人に話 を聞いたところ、このような形になったのはどう やら巷でブロック塀の倒壊問題が取り上げられ始 めた頃らしい。法規的には 1.2m を超えるブロッ ク塀には片面に 3.4m 毎の間隔で控え壁の設置が 義務付けられている。しかし、住人によると南側 の隣地(現在はアパート)はかつて、ある会社の 事業所になっていたため、交流がなかった。その ため反対側の様子を窺い知ることなく、仕方なし に控え壁を建てたところ、事業所がアパートに建 て替わる際に、実は反対側にも同様の控え壁が取 り付いていたことを知ったということだった。 ただ一つ、奇妙なのは両面の控え壁がほぼ同じ寸 法のブロックで、ほぼ同じ位置に同じ高さで積み 上げられているという点であるが、事の真相は定 かではない。
面路部の塀が壊され、ISTp の塀の特異性が発覚した瞬間
ISFp[Si-Fe]
400
1200
800
仲介者 / 調停者
12 00
00 28
00 31
Isometric S=1:75
Socionics notation:ISFp Type name:SEI( 感覚・感情・内向 ) Popular name:Dumas( アレクサンドル・デュマより ) Leading:Si( 内向的感覚 ) Creative:Fe( 外向的感情 ) Social role:Mediator( 仲介者 )/Peacemaker( 調停者 )
蛇行しながら境界を示すこの塀は跨いでしまえ るほどの高さしかない。仔細は定かではないが、 事の発端は以前この塀を挟んだ隣り合う敷地に暮 らしていた親世代と子世帯の嫁姑関係だったと噂 されていた。 一見すると民法的な 1000mm の帯が蛇行する塀 によって均等に再分配されている様子が見て取れ る。発端が発端だけに、この塀を通してどのよう な関係がその二世帯間に結ばれていたかは想像で きないが(あまり立ち入るべきでもない)、塀が 今現在まで残り続けたのを見るに、この塀によっ て世帯間の心理的距離を適切に保ちながらも、境 界上に混在するスペースを介した理想的な共同生 活が営まれていたのではないだろうか。 現在は別々の世帯が隣り合って暮らしているよう だが、再分配された共有スペースはそれぞれが小 庭化し、綺麗に整備されている様子が見られ、時 折塀を超えた楽しげな会話が聞こえてくるとか。
塀による調停の下暮らしていた親子世帯(F 家・O 家)
INTj[Ti-Ne]
2000
分析者 / 科学者
30 00
30 00
30 00
00 30
00 30
Isometric S=1:75
Socionics notation:INTj Type name:LII( 思考・直観・内向 ) Popular name:Robespierre( マクシミリアン・ロべスピエールより ) Leading:Ti( 内向的思考 ) Creative:Ne( 外向的直観 ) Social role:Analyst( 分析者 )/Scientist( 科学者 )
何がブロック塀をこのように過剰な変貌をさせ たのか、この塀にはフライングバットレスが付い ている。ブルネレスキ建築のアーケードや超芸術 トマソンさながらの佇まいを持ったこの塀の成り 立ちを周辺に棲む住人に聞くと、誰もが口をつぐ んだ。なにか話せない事情があるのか、あるいは 誰も何も知らないのか。 元より塀だったのか、あるいは別の構築物として の役割を担っていたのは定かではないが、元来の 境界構築物であるが故の共有性に加え、中途半端 な物理的強さから、なかなか壊されずに現在まで 残り続けたことが推察される。 現在は分断した2つの敷地にアーケードのリズム を共有させながら、自身のバットレスの伸びる範 囲を屋外として開放させるような、構築における 制約を敷地に働かせている。
数十年前に近辺で観測された超芸術トマソン
INFp[Ni-Fe] 抒情詩人 / 空想家
26 50
00 36
1800
90 0
00 36
Isometric S=1:75
Socionics notation:INFp Type name:IEI( 直観・感情・内向 ) Popular name:Yesenin( セルゲイ・エセ―ニンより ) Leading:Ni( 内向的直観 ) Creative:Fe( 外向的感情 ) Social role:Lyricist( 抒情詩人 )/Romantic( 空想家 )
古くからの密集住宅地では、 建築基準法によって定められた 接道義務を果たしていない「袋地」と呼ばれる、 再建築不可能な土地が点在していることがある。 この地域にもちらほらと見られたが、そのうちの 一箇所にこの塀が佇んでいた。 見よ!この塀を。まるでモーゼが海を割るかの如 く、袋地へのアプローチを切り拓いている。この 塀がつくる道により、他敷地を通行する囲繞地通 行権が認められているようだ。しかし、いくら道 が確保されているとはいえ、これだけではこの袋 地が建築可能な例外規定として認められるわけは ないだろう、そう思っていたが、周辺住人による とどうやら建て替えは過去行われているらしい。 直接関係する住民に話を聞けたわけではないた め、真偽は定かではなく、俄には信じがたい話で ある。ただ、このモーゼの塀によって切り拓かれ たスペースでは、良好な民民関係が築かれている とのことだ。
INFp の塀が詠い続けるかつての袋地へのアプローチの様子
ESTp[Se-Ti]
600 900
2250
750
兵士 / 征服者
500
Cross section S=1:30
Socionics notation:ESTp Type name:SLE( 感覚・思考・外向 ) Popular name:Zhukov( ゲオルギー・ジューコフより ) Leading:Se( 外向的感覚 ) Creative:Ti( 内向的思考 ) Social role:Legionnaire( 兵士 )/Conqueror( 征服者 )
敷地はいわば一つのセカイである。 ハーフミラーを 2 枚並べることで つくられたこの塀はセカイの周縁た る境界上に立つことで、その終わりを、衝突を保 留するような現象を引き起こしている。光の透過 と反射の繰り返しによって多重の虚像引き起こす この塀は、今では細切れにされた敷地群に工房を 持っていた鏡職人によって計画されたと言われて いた。当時を知る住人によると、大都会新宿に住 みながら、その浮世離れした生活や風体はこの辺 りでは有名だったらしく、近所の付き合いもほと んどなかったという。そんな彼が珍しく隣の家に 押しかけたと思えば、塀を立てる計画を持ちかけ ていたらしい。本来、自身の敷地側に塀を立てて しまうのであれば塀が二重化しようと隣地の了承 は必要ない。しかし彼が計画の了承を求めたのに は塀の両面を空け、光を必要とするこの塀の特性 が関わっていたとみえる。 彼がいなくなった今も、塀は境界でセカイの調和 を保っている。
当時から防衛線のように植物は周縁に生い茂っていた
ESFp[Se-Fi]
300 400
350
1650
250
200 150
政治家 / 大使
500
Socionics notation:ESFp Type name:SEE( 感覚・感情・外向 ) Popular name:Cesar( ユリウス・カエサルより ) Leading:Se( 外向的感覚 ) Creative:Fi( 内向的感情 ) Social role:Politician( 政治家 )/Ambassador( 大使 )
Cross section S=1:30
どの敷地においても隣地境界、もとい、塀の周 囲には得てしてモノが溢れているというものだ。 であるならばこのような塀がつくられたのにもあ る種の必然性が感じられる。 6 段のプレートが座面や棚のように重なるこの塀 は、どうやら現在ではアパートが建つ敷地に以前 居を構えていたご主人が、北側の敷地からモノが 散らかり溢れているのを見兼ねて提案したとのこ とだ。もともとは 2 つの敷地間で共有される計画 だったが、当時西側の別の敷地に住んでいたご主 人がどこで話を聞きつけたのか、話に乗っかり増 殖に加担したことでこの L 字型の塀が生まれたら しい。 今では計画を企てた御三家は誰もこの地には残っ ていないようだが、今でも塀は片や長屋の共有物 を収めた棚として、片や庭に溢れた植栽などの ディスプレイとして、その役目を果たしている。
ESFp の塀赴任以前の住宅間の様子
ENTp[Ne-Ti] 探求者 / 発明家
1050
1500
4050
1500
Sunlight
550
950 3000
Socionics notation:ENTp Type name:ILE( 直観・思考・外向 ) Popular name:Don Quixote( ドン・キホーテより ) Leading:Ne( 外向的直観 ) Creative:Ti( 内向的思考 ) Social role:Seeker( 探究者 )/Inventor( 発明家 )
Cross section S=1:30
この塀は周辺の塀の中で一 際高く、そして東西へ伸びるようにそ びえ立っている。アシンメトリーな構造と巨大な 鏡面で成り立っているが、どうやら共有する敷地 に対しての態度の違いによるもののようだ。 話は過去に遡る。住宅地の南側に通る税務署通の 影響で , 高層化したマンション群がエリアの南側 に立ち並んでいる。その影響により南側採光が確 保できない住民たちが新居を建てる際、どうにか 北側から光を得ようとしたことが始まりらしい。 もちろん、塀の北側の住民は巨大な壁面が南側に 立ち上がることに反対したそうだが、当時のやり とりを知る M 氏によると、どうやら面材を光が透 過するハーフミラーにすることと、境界線からの セットバックを民法で規定された 500mm から 3000mm に拡張することで、どうにか合意が得 られたとのこと。 以降、塀周囲の敷地は建て変わりが起こったが、 この塀と協定は変わらず境界上に根付いている。
ENTp の塀創造の礎となったと思われる境界装置
ENFj[Fe-Ni]
400
150
1950
1250
150
指導者 / 役者
Heating
Outdoor unit Storage battery
Solar energy
620
Cross section S=1:30
Socionics notation:ENFj Type name:EIE( 感情・直観・外向 ) Popular name:Halmet( ハムレットより ) Leading:Fe( 外向的感情 ) Creative:Ni( 内向的直観 ) Social role:Mentor( 指導者 )/Actor( 役者 )
もともとは閉じがちで隣の様子が全く窺い知れ ない密集住宅間における目隠し兼防犯のためにと この塀はつくられた。その当時は白く半透明なパ ネルのみで構成されていたらしい。 建造後しばらくして、南東側の敷地でこの塀を共 有する今は亡きご主人が太陽光発電機の設置を検 討する際、共有の蓄電池の設置などを隣地の住民 らに提案したようである。 現在は建て替えられた周辺の家も太陽光発電機を 備え付けており、周囲の家の屋根形状が切妻屋根 や片流れ屋根なのにはこうした理由がある。近く に棲んでいるという住人によれば、周囲を通ると 塀に座り込んだり、家電を繋げたりなど、塀を中 心とした生活が散見されるそうだ。
以前は室外機や電気設備などの野放図なたまり場となっていた
都市観察の最中、奇妙なことに気がついた。 偶然にも、クアドラと呼ばれるグループと恩恵関係 (Benefit) と呼ばれる ソシオニクス的に相性の良い組み合わせによって塀を共有する 4 つの住宅 それぞれが囲まれていることが分かった。 何者かが意図してこの配置を仕組んだと思えてならないが、私はこの奇妙 な塀たちの巡り合わせによる住宅を、クアドラと恩恵関係から House α
/House Bene
/House β-1
/House β-2 と名付けた。
ENTp (Ne-Ti)
恩恵関係
双対関係 House α
鏡像関係 αクアドラ
ISFp (Si-Fe)
House Be
活性化関係
INTj (Ti-Ne) 恩恵関係 (Benefit)
ISTp (Si-Te) δクアドラ属
INFp (Ni-Fe)
双対関係
ESTp (Se-Ti) House β-2
βクアドラ
活性化関係
House β-1
鏡像関係
係 (Benefit)
ENFj (Fe-Ni)
恩恵関係 (Benefit)
ene
ESFp (Se-Fi)
N
γクアドラ属
Roof Plan S=1:100
ENTp
ISFp
House Bene
House α
INTj
ISTp
INFp
House β-2
ESTp
House β-1
ENFj
e
ESFp
N
GL Plan S=1:100
House α
N 因子に分類できる 2 種類の塀
2 方向からセットバックを要請され、外部空間
N 因子に挟まれたからか、プランには歪みが生じ
北
る
の
Dynamism
ISTp
INTj
A-Aʼ
F 因子に分類される、共有スペー
それらによって生まれる特徴的な
境界からの影響の残余としての住
北側は ENTp の塀に光を当て るためか、屋根形状が北側傾斜 の片流れになっている。 一方、南側は切妻屋根になって いる。これは敷地西側の ENFj 塀により生まれる交流スペースに面して 2F 以上に開口が開けられる
の塀が帯びるバッテリーを太陽 光で充電する必要からか。
境界周辺から広がる複数の庭が開口によって生まれた軸線でつながる
塀に南北方面を囲まれたこの家は
間に挟まれたような構成をもつ。
じ、散漫な内観が生まれている。
北側の ENTp の塀に光を当て るためか、屋根形状は北側傾斜 の片流れになっている。
2 種類の N 因子が引き起こす歪みにより、散漫で豊かな場が生まれる
m of space
ENTp
Section S=1:100
INTj の塀のバットレスを避けるようにダブルグリッドが決定
ースや共有棚をもつ複数の塀に囲まれる。
な庭をかたどるように壁が縫う構成でつくられ、
住宅が現れている。
House Bene
Dynamism of space
ISTp
ENFj
B-Bʼ Section S=1:100
House β-1
クアドラを共有するこの二つの敷地
プランに類似点
しかし、N 因子が与える敷地へ
構造的な差異 ( 壁式&吊り構造 /
南傾斜片流れ
なのは ENFj の塀が帯びるバッテリ Sunlight
INFp
ENFj
C-Cʼ Section S=1:100
House β-2
地は敷地が狭小であることも相まり、
点がみられる。
への微妙な圧力の違いにより、
/ ラーメン構造 ) が生じている。
れ / 切妻屋根
リーを太陽光で充電するためだろう Sunlight
INFp
ENFj
D-Dʼ Section S=1:100
この地域で目にした特徴的な光景がある。それは個性豊かな塀の周囲から、隣 り合う敷地双方向に生活が広がっているということだ。
多くの敷地では二つ以上の塀を各隣地と共有している。この地域ではリテラル には切断されながらも、塀を介して多重に街区内で共有関係を築く、 「塀共同体」 ともいえる本来潜在的な都市共同体が、特徴的な塀を共有することによって浮 かび上がっているのではないかと私は考える。
この地域に限らず、日本の住宅地における多くの敷地では塀が隣地と共有され ている。 つまり、塀共同体は日本のどこにでも存在しうるのだ。
『平行[塀]世界』 解説 塀 × メタフィクション × 心理学
塀共同体の都市風景
塀の性質①
民法
第 234 条
第1項
建物を築造するには、境界線から五十センチ
メートル以上の距離を保たなければならない。
(民法条文より抜粋)
民法第 234 条により、建築は境界線から 50cm の領域に侵入することが禁じられている。建築不在の領域 は幅 1m のヴォイドとなって街区の中にネットワークを形成する。ネットワーク状に街区に張り巡るヴォ イドは、これまで有効に利用されることなく大抵は目隠しとして塀が建てられ、塀と外壁との隙間には室 外機や植木鉢、使われない自転車など、行き場のないモノたちが放置されてきた。
塀の性質②
隣地境界
建て替わり
建て替わり
敷地境界
日本の住宅地見てみると、敷地境界上に様々に塀が建ち並んでいるのは一般的に見られる光景である。中 でも隣地境界上につくられた塀は防犯や目隠しとして、実際の所有にかかわらず双方向の敷地に働く。そ れゆえに、実質的な共有物として扱われ、片方の住宅の建て替わりや土地主の変化などの敷地内部の変化 にかかわらず、その物理的な弱さに反して隣地境界上の塀は境界上に残り続ける。
塀周辺と住宅の力学的反転
中央からの場の活性と残余としての境界という関係は逆転し 磁場を持った塀をコンテクストに、場は境界から活性化する
例えば隣地境界に建てられた塀がある時点での両敷地間の合意によって特殊な役割を担っていたとして、 その後時が経ち新たに人が住み着き住宅が建つとき、塀は建築に先行するコンテクストとなり、場は境界 から広がり、境界によって建築設計は活性化する。これは潜在的な「塀共同体」への積極的アプローチで あり、ここに新たな都市風景の可能性があると考え、敷地内部への影響力を持った塀を設計する。
心理学的図式への応答
心理学者ゴードン・オールポートは人間のパーソナリティ、について「環境に対して、その個人の思考と 行動を特徴づけるものである。」という言葉を残している。これを参照し、ユングのタイプ論を基に考案 されたソシオニクスと呼ばれる心理分析的な手法を用いて、塀や隣地境界周辺の環境を周囲の敷地に対し ての態度を持った境界装置へと発展させた。
心理学的図式の応用 思考
感覚 外向
内向 直観
感情
ユングのタイプ論 人間の性格を【感覚 or 直感 or 感性 or 理性】によっ て 4 種類の心理機能によって分類する類型的な心 理分析
外向
E
エネルギーの向き
I
内向
直観
N
知覚機能
S
感覚
思考
T
判断機能
F
感情
非合理
p
優先機能
j
合理
ソシオニクス タイプ論における 4 種類の心理機能それぞれに【内 向性 or 外向性】を掛け合わせた 8 種類の心理機能 をもとに性格を 16 タイプに分類する。
1 文字目が示すのは心理的なエネルギーの流れのベクトルの向き
これを塀に置き換えるならば
内向(Introvert): 自身の思考や感情に注目
内向(I)とは塀自身が持つ論理(エレメントや法規)を発展させたもの
外向(Extravert): 周囲の環境に注目
2 文字目が示すのは知覚機能であり、重きを置く世界の捉え方
直感(iNtutive): 物事の本質や観念によって物事の全体を先行的に捉える
(トップダウン)
感覚(Sensing): 体験や経験に基づいて現実的なレベルから物事を捉える(ボ トムアップ)
外向(E)とは周囲の光やモノなど、環境に対してアプローチをするもの
これを塀に置き換えるならば
直感(N): 自身の影響から敷地に描かれる場の特性やプランを先行的に決 定する要因になるもの
感覚(S): 設計を進めながら自身の影響を踏まえた場の特性やプランを決定 する要因になるもの
3 文字目が示すのは判断機能であり、重きを置く物事の判断基準
これを塀に置き換えるならば
的態度)
感情(F): 敷地間の関係の中で共有されるスペースやエネルギーなどをもた
思考(Thinking): 世界を客体として捉え、論理や因果関係から判断(懐疑 感情(Feeling): 世界を主体的に捉え、個人の価値観や調和に重きを置き判 断(需要的態度)
思考(T): 敷地間を客観的指標である境界線に基づき分割、調停するもの らすもの
4 文字目が示すのは 4 機能のうちの第一的な機能
この第一的な機能は程度の問題であるため、塀の様子から客観的に判断する
目指した知覚的態度をとる。
よって先の 3 文字によって絞られる第一機能の候補から半ば主観的に判断。
非合理(perceiving): 強い方の知覚機能を優先。新しい物事に触れることを 合理(judging): 強い方の判断機能を優先。物事の決定や遂行を目指した判 断的態度をとる。
ことが叶わなかった。
ベクトルの向き
知覚機能
判断機能
優先機能
Extravert( 外向 ) Introvert( 内向 ) iNutive( 直観 ) Sensing( 感覚 ) Thinking( 思考 ) Feeling( 感情 ) perceiving( 非合理 ) judging( 合理 )
ISTp (Si-Te) ISFp (Si-Fe) ENTp (Ne-Ti) INTj (Ti-Ne) ENFj (Fe-Ni) INFp (Ni-Fe) ESTp (Se-Ti) ESFp (Se-Fi)
Prize 卒業設計
学内 12 選(佳作)
学科誌〈Archives〉掲載作品 せんだいデザインリーグ卒業設計日本一決定戦 2021
日本 100 選