2021.09

Page 1

01 地の皺を刻む

■卒業設計  ■敷地:大阪府大阪市天王区夕陽ヶ丘  ■用途:住宅群

土地に依存することで、乏しくなりつつある空間感覚を取り戻す

■関西大学卒業設計 講評会  優秀賞 ■日本建築学会 全国大学・高専卒業設計展示会  巡回展示 出展 ■学内誌「KURA」  掲載

京都大学大学院 工学研究科建築学専攻 小見山研

松岡 桜子

上町台地でみられる土地性

土地と共に生活を営む都市内集落 水路の新設とその周りのランドスケープ計画と仮本堂の減築、6 住戸と 2 つの建築計画によって、 夕陽ヶ丘という土地に依存した都市内集落という新たなかたちの住環境群を形成する。

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1 km

上町台地 生駒山 大阪湾 上町台地における湧水と井戸 の位置から、地下水の流動経 路を推測し設計に取り入れた。

舞台から夕陽を見る

住戸間を流れる水路

屋根の下の空間

小屋根

上町台地周辺の要素を微分 柱/壁

大屋根の下にスロープが続く

仮本堂一階部分

段階的な配置計画により、寺の区画から解放された斜面上の新たな動線が生まれる 台地の地形を可視化

土地性と関わる

下から見上げる

斜面上側からみる

西南側より見る鳥瞰

群となる風景を作り出す

スラブ

生駒山から海へ吹く風    台地を吹き下ろす風     大屋根を通る風

生駒山から海への地下水    清水寺内の滝     敷地全体への水

大屋根 大屋根構造

水路

地形

眺望 / 夕陽 台地を吹き下ろす風 滝

大屋根で風を受け止め

墓地

舞台 - 祈りの空間 - 住戸 (A-A ) 断面図 S=1/400

300

高低差 約 20,000mm

人間が感じられるところまで分解する

水路断面図 S=1/100

水路


02

■海外コンペ Build The Inpossible 提出

■修士 1 年 スタジオ  ■敷地:鹿児島県枕崎市  ■用途:木質護岸

Scale

人と波を受け入れ、木の分解に合わせて循環する木質護岸

■学内誌「KURA」  掲載

■学部 3 年前期  ■敷地:大阪府大阪市 / 大阪ビジネスパーク  ■用途:美術館

03 好奇心とあるく

アートを追いかけ、感情の振れ幅を大きくする空間

感情の振れ幅を大きくする空間

鳥瞰

光の差し込む展示空間 屋根の隙間から入る光

展示室を少しずつ ずらしてつむ

同じ作品に何度も出会う空間構成 外からも内の様子が

一つ前の展示空間からは先の展示空間の作品が見える。近

断片的に見える

づこうと次の展示空間に足を進めると、またその先の展示

① ①

空間の作品が見える。

動線は立体的に絡んでおり、同じ作品に違う高さから出会

緩やかなレベル差

う体験の連続が美術館全体を構成する。 ホール

The landscape is created by the decomposition of wooden berms. The goal was to create a wooden breakwater zone that would accommodate both the people and the water. Wooden berms

Instead of linear wave control using tetrapods and concrete walls at the boundary between the shore and the sea, the use of diagonal slabs of CLT creates a surface-type breakwater zone that accepts waves.

Lumbyard

wave motion small

Surface

展示室

エントランス

水盤

寝屋川

The scale of time

In Japan, there is an ancient culture of soaking logs in seawater to preserve and dry them.

weather

height of the tide

Max. 270mm

Linear

倉庫

展示室

The skin on the surface of the log is broken

CLT is a material that can be designed

down, leaving only the lean meat.

to include corrosion allowance.

A space that responds to the ebb and flow of the tide.

fast

season

断面図

decomposition and erosion of wood

scale of change

big

time scale of change

slowly

At the low tide, you can see more slabs.

04 ドマとマドから広がる

20m

■学部 4 回前期  ■敷地:京都府八幡市  ■用途:UR 男山団地 住戸リノベーション ( 実施 )

土間と窓を介して、住戸外へとにじむ生活

暖かい光の差し込む LDK

南向きダイニング

1/1,200

2LDK→1LDK+土間  広がりのある明るい1階住戸へ

Large changes in space caused by water pulling in waves People come in and feel the landscape

Catching waves, wooden berms changes noticeably

トイレ

脱衣所

トイレ

垂木

浴室

和室 2

浴室 土間

物入

洗面台

(+80)

物入

カーテンレール

押入

Old and new wood slabs are coexisting.

t-m

oun

tain

和室 1

axi

台所

和室 3

people

s

direction of the wind

リビング / ダイニング

寝室

(+260)

(+260)

N

is flow ax

1/4,000

N

60m

改修後

現況図

Slope of slab in response to wave motion 0-3°

At Completion

- 10°

Angle from which you can see or sit in a landscape

At, sunset. View of the lighthouse.

Circulating wooden berms

The angle at which a person can enter the space created by the tide.

15 years later

玄関 (+0)

同壁色で空間をひとつに

土間スペースと壁棚用垂木

物入

por

The waves enter the land from here.

スロープ

玄関

押入

05

zoetroope

■学内誌「KURA」 掲載

■学部 2 年後期  ■敷地:大阪府吹田市 / 関西大学  ■用途:橋

構造体と屋根で風景を切り取り 視界を広げる歩行空間

The revetment will be made in the form of industrial CLT panels.

The surface layer of the CLT panel is decomposed. →After one layer of the panel is decomposed, the wave pattern is clearly visible on the wood.

- 30°

The angle at which a person cannot stand.

End of life of seawall and 60 years later

decomposition of wood →Replacement of old materials and circulation of the wooden berms.

06

ATACOM

その年にまつわるモチーフを提案

■学部 2 年

学部4年  ■敷地:兵庫県丹波市成松 / 青垣

ものづくりを通して地域と関わる 折り鶴一式で龍を作り夏祭りを盛り上げた

07

常駐

■学部 3 年

学部4年  ■敷地:男山団地(京都府)/ 南花台団地(大阪府)/ 大野(福井県)

拠点を持ちその場所に滞在し、関わり続ける

MATSUOKA

SAKURAKO

松岡 桜子 京都大学大学院 工学研究科 / 建築学専攻 小見山研究室 建築設計学講座 生活空間設計学分野 指導教員:小見山 陽介 出身:大阪府豊中市

設計理念

そこにあるもののふるまいを増幅させる 風の吹き方、人の歩き方、動き、視線、雨の雫の落ち方、 目に見えるものも見えないものも、 建築をつくることによって、それらのふるまいをデザインすることを目指す。


BIOGRAPHY ABOUT ME

1998/07

愛知県名古屋市生まれ

2017/04 - 2021/03 関西大学

環境年工学部建築学科建築環境デザイン研究室

2018/02 - 2018/03 University of Guelph Business English Program

2021/04 京都大学大学院 工学研究科建築学専攻建築設計学講座

EXPERIENCE 2018/04 - 2021/03 スターバックスコーヒージャパン 2019/10 -

佐藤総合計画

2019/08 - 2019/09 フジワラテッペイアーキテクツラボ 2021/08 - 2021/09 竹中工務店 京都大学大学院 工学研究科建築学専攻 建築設計学講座 生活空間設計学分野 小見山研究室

2021/09 - 2021/09 乃村工藝社 2018/05 , 2018/05 NEXTAʼ17 / NEXTAʼ18 2018/08 , 2019/08 ATACOM9 / ATACOM10

04

2021/03 -

FOOD+WOOD workshop w/ Loughborough Uni.

2021/04 -

建築文化週間2021 学生ワークショップ

2021/07 -

KI-TIME workshop2021, Kyoto


PROLOGUE

CONTENTS

- そこにあるもののふるまいを増幅させる

01 地の皺を刻む

06

満月の日にその姿を見ていたいと思うのは、空が暗く月 の明るさと球体を際立てているからである。

02 SCALE

14

月が一番月らしい時、 そのものが一番そのものらしい時、 人はそれを美しいと感じる。

03 好奇心とあるく

設計においても同様、 風の吹き方、人の歩き方、動き、雨の雫の落ち方、 目に見えるものも見えないものも、 建築を作ることを通して、 それらがそれららしくあるふるまいをデザインすることを 目指す。

台地とそのふもとの住宅群 大阪府大阪市天王寺区, 上町台地 2020/10 - 2021/02

木質護岸 鹿児島県枕崎市 2021/05 - 2021.07

20 コンテンポラリーアートミュージアム 大阪府大阪市, 大阪ビジネスパーク 2019/06 - 2019/07

04 ドマとマドから広がる 団地住戸リノベーション 京都府八幡市, 男山団地 2020/04 - 2020/02

26

Other works

05


01 地の皺を刻む 台地とそのふもとの住宅群

関西大学 卒業設計 2021.10 - 2021.02 指導教員 江川直樹 敷地 大阪府大阪市天王寺区, 上町台地 関西大学卒業設計 講評会 優秀賞 学内誌「KURA」 掲載 日本建築学会 全国大学・高専卒業設計展示会 巡回展示 出展

この空間は居心地が良い、なんとなく好きだ、など、自分が空間を 認識する際に用いられる無意識の体感というのは、自分が過去に体 験してきたことや生活の営みの中で作られる身体的な記憶であると 考える。 ときにこれは空間認識の基準ともなる。 一生の中で一つの場所にとどまって生活することが減少傾向にある 現代において自分が住んでい場所の性格を自分の中に取り込み、そ のようにしてできた体感をもとに場所を選択し暮らすことができた ら、人の生活はより豊かになるのではないか。 地の皺を自身に刻みながら暮らす都市内集落の提案

06


目立つ。 また、それぞれが周辺環境を中に引き込み自分の家の中で完結する暮らしをしている。 個人と建物が強く結びついており、土地から独立してしまっている現在の住環境によ り、人の空間感覚は乏しくなりゆくと考える。

敷地¦ 清水寺とそのふもと

問題意識¦ 離れてゆく個人と土地の関係性

特に都市部では建物が次々と建ち、人がその中に入っていくという建物先行の構図が

大阪府大阪市天王寺区伶人町にある清水寺とそのふもとを計画敷地に選定した。 天王寺駅が近く、地番が丈夫な高台にあるため、近年住宅地の開発が進み転入人口は増加 傾向にある。大阪都心部の駅近で便利な住宅地のイメージを持つ。

計画敷地

舞台にある鐘 舞台

斜面上からの風景

玉出の滝

清水坂

天神坂

新世界と通天閣 できあがった空間に人が入り込んでゆく 建物先行の構図

外から中に引き込み 一つの家でそれぞれ完結してしまう生活

天王寺公園 天王寺動物園 四天王寺

敷地周辺広域図面

計画敷地鳥瞰図

参道と山門(右 仮本堂)

玉出の滝

07


全体計画

提案 構 |想

調査で発見した、このまちに古くから残る土地の 性格が、個人と土地を近づける手がかりになると 考えた。

土地と共に生活を営む都市内集落 水路の新設とその周りのランドスケープ計画と仮本堂の減築、6 住戸と 2 つの建築計画によって、 夕陽ヶ丘という土地に依存した都市内集落という新たなかたちの住環境群を形成する。

塀の中に囲まれ、古くから夕陽ヶ丘の土地性を守 り所有してきた清水寺を、囲まれた区画から解放 し、周辺に人たちが個人として関わりを持つこと

「ランドスケープ」「人」「建築」スケールの操作をすることによって

ができるきっかけをつくる。夕陽ヶ丘ならではの

上町台地周辺の要素を微分

人の居場所のつくられ方を提案する。

小屋根

柱/壁

台地斜面中腹に人と緑地が集まっている様子と斜面全体に

建築

人の動きと緑地が均された様子。後者を目指す。

スラブ 大屋根 大屋根構造

動線

水路

大阪湾

上町台地

生駒山

ランドスケープ 地形

敷地周辺には多くの井戸水や湧水が存在している。上図面は上町台地周辺の井戸や湧 水を残り方で分類し地図上に表したもの。現存するものは寺社敷地内で管理されてい るものが多いことがわかった。 これらの水は生駒山からの伏流水であると考えられ、等高線図面と水系図面を重ね、 地下水の流動経路を推測する。

08

碑・移設された遺物等あり ほぼ残存 痕跡なし 現地に遺物ありまたは復活 水域と水涯線(国土地理院地図) 地下水流動推測経路


地下水流動推測経路を地表面に表出させる ように水路の線を引く。清水寺敷地内の護 摩堂の奥にある玉出の滝を始点に湧水によ る水路を新規で計画する。 この水の流れは、この場所が湧水の流れ出 る台地であること、斜面地であることを可 視化、可聴化する。

現在主に使われている生活動線である清水 坂に代わり、水路を元にした新たな動線を 計画する。これにより、清水寺の所有して いる敷地内における斜面を生活活動の中で 歩くことができるようになり、徐々に寺の 区画にとらわれなくなる。

参拝動線

人の動線と水路が交わるところに大屋根が かかり、個人と土地の関係が近くなる場所 ができる。 また、清水寺への参拝動線と住民動線が交 舞台

仮本堂

ランドスケープ

わるところには、住戸ではなく人が集まる ことのできる機能を持つ場所ができる。

センター

平面図 / 西側立面図

大屋根のかかっているところを中心にそこ から広がるように人の住む場所ができてゆ く。2,3 住戸で一つの大屋根と架構を共有 しながら住む。ひとつひとつは別々の戸建 てやアパートだが、この辺り一帯でひとつ の住環境群となる。水路越しで生活活動が 連鎖し、ここで生活する人たちの中で無意 識に風景を共有している状態を作り出す。

09


モデル住戸(住戸 2) 住戸一階部分は隣接する水路と等高線に、 2階部分は夕日の方向に影響を受けたプ ランとなる。等高線に沿った部分が RC 造、 それ以外の部分が木造の混構造で成り 立っている。 外の空間と中の空間を台頭に扱い、生活 活動の中で土地性にふれ、自身の空間体

夕日庵

験の種類を増やす。

キッチン

寝室

水回り 水路に面したデッキ 斜面下から舞台を見上げる

鐘 眺望 / 夕陽

台地を吹き下ろす風 台地を吹く風が屋根によって分解される。 大屋根は風を受け止め、人間が感じられるところまで分

高低差 約 20,000mm

解する。屋根の下にいる風の存在に気が付く。

墓地

舞台 - 祈りの空間 - 住戸 (A-Aʼ ) 断面図 S=1/300

10


斜面下側から見上げる

住戸5室内から外を見る

斜面上側から見おろす

仮本堂 /1階部分改修

水路側を向いたデッキで本を読む。

ガラス扉を開けると近くに水の気配を感じられる。

水路は今回の計画敷地に止まらず

躯体は既存、一階部分がピロティとなり、屋根下に水路が通る。

水路際の植物を見る、など水を介して

暮らしの中に水の音が加わり感覚を刺激する。

先まで続いてゆく。これにより、

寺の機能を保ちつつ、水辺の土間は近隣住民の憩いの場となる。

生活での行動の幅が広がる。

斜面麓の住宅地は徐々に更新されてゆく。

砂利の隙間から水辺の植物が育ち始める 水路によって植物が育ちやすいラインが斜面の上から下まで通る。植

300

物の生息がはっきりと区分けされた状態の斜面断面から均される。

水路断面図 S=1/50

水路

墓地 - 仮本堂断面図 S=1/300

11


住戸 / 新設 住戸の隙間から風が抜け、朝日が入り込む。 住戸内から水路に流れる水の音を聞く

12

住戸 / 新設 大屋根の架構を 2,3 住戸で共有し、各部屋は木造と RC 造の混構造。 各住戸はそれぞれ西向きの夕陽庵をもつ。

舞台 / 既存

ランドスケープセンター ( 屋上部) / 新設

台地上側の山道の軸上に位置する夕陽と斜面が一望できる場所。

ランドスケープセンターで参拝動線と住民動線が交わる。

帰宅時にこの景色を見て、自分の場所だと実感する。

この場所に縁がある人たち同士で交流が生まれる。


13


02 Scale 木質護岸

京都大学大学院 修士1年スタジオ課題 2021.05 - 2021.07 指導教員 小見山陽介 敷地 鹿児島県枕崎市 海外コンペ Build The Impossible 提出

建築が自然によって朽ちていくふるまいを考えた。 木造建築が海の水によって分解されていくとき、 それは建築と環境という関係ではなく、木と水という関係である。 木造建築が人間の活動によって組み立てられるとき、 それは建材と仕事ではなく、木と人の動きである。 壁一枚で隔てられている水と人を 木という素材が関係付ける。 人と波を受け入れ、朽ちてゆく木によって循環するシースケープの提案

14


BACKGROUND - Lumberyard

PLOPOSAL - Wooden berms

InJapan, there is an ancient of soaking logs in seawater to preserve and dry them.

Instead of linear wave control using tetrapods and concrete walls at the boundary between the shore and the sea, the use of diagonal slabs of CLT creates a

Decompose from the direction

surface-type breakwater zone that accepts waves.

along the grain of the wood.

Driftwood The water pressure has broken it down and the corners are gone. Wood hydrolysis When wood is hydrolyzed, the cellulose in the wood reacts to produce glucose.

SITE - Makurazaki, Kagoshima Prefecture, Japan 22.47

CH₂OH H OH

O

O

H OH H

H

H

H

OH

H

OH

OH

H

H

H

H O

O

-

H OH

H

O CH₂OH

H₂O

CH₂OH

CH₂OH

H

H

H OH

O OH H

OH

OH

H H

H

OH

glucose

cellulose

OH H

H

OH

OH

H

H

CH₂OH H

H O

O OH

H

H

OH

O CH₂OH

-

H H

The coastline selected as the site has a large difference in tides, with a maximum of 2,600 mm and a minimum of 1,000 mm per day, so the expression of the seaside space created by the waves changes from moment to moment.

cellulose

Leaving the logs soaked in seawater for many years breaks down the bark on the surface of the log, leaving only the reddish color.

CLT is a material that can be designed to include corrosion

Makurazaki Kagoshima Prefecture

Port

allowance. Max. 270mm

,Makurazaki City

por

→Taking a positive view of decomposition and applying it to

t-m

oun

tain

axis

ow axis

CONCEPT -

fl people

design

the scale of time

I focused on the life scale of the architecture itself. (mm)

MAKURAZAKI

4500 4000

wave motion small

weather

height of the tide

season

decomposition and erosion of wood

scale of change

big

time scale of change

slowly

height of the sea

3500 3000 2500 2000 1500 1000 500 1        6        11        16        21        26 day

fast v

15


ZONING / PLAN

Large changes in space caused by water pulling in waves.

People come in and feel the landscape.

Catching waves, wooden berms changes noticeably

por

t-m

tain

axi

s

direction of the wind

SPIDER

people

The waves enter the land from here.

N

flow ax is

View of the lighthouse

oun

High tide (+3,500) Low tide (+1,500)

1/1,000

16

60m


STRUCTURE - SPIDER Taking advantage of the fact that we do not need beams and can design column spans free from the grid, I design columns to respond to the movement of waves

SECTION - Slope of slab in response to wave motion

The angle of the wooden berms floor changes with the movement of the waves in the three areas. People's movements change depending on the angle.

0-3°

The angle at which a person can enter the space created by the tide.

- 10°

Angle from which you can see or sit in a landscape

- 30°

The angle at which a person cannot stand.

17


SYSTEM - Circulating wooden berms The time it takes for the wood to decompose in water and the civil engineering life of the breakwater zone is about 60 years, which is match.

At Completion

15 years later

The revetment will be made in the form of industrial CLT panels.

The surface layer of the CLT panel is decomposed. →After one layer of the panel is decomposed, the wave pattern is clearly visible on the wood.

At the low tide.

60 years later

End of life of seawall and decomposition of wood →Replacement of old materials and circulation of the wooden berms.

sunset

Old and new wood slabs coexisting.

18


View from the ocean side

18


03 好奇心とあるく コンテンポラリーアートミュージアム

関西大学 学部3年 2019.06- 2019.07 指導教員 志柿敦啓 敷地 大阪府大阪市中央区, 大阪ビジネスパーク 学内誌 「KURA」 掲載

アート

建築 感情

アーティストの思想にとってかわり、 見えないものを形にし表現する現代アート。 これはしばしばよくわからない難しいものととらえられる。 が、私たちの目に は理解できないものはどこか魅力的にうつり、 憧れを抱く。 互いの関係性を元に人とアートの新しい出会い方を考える。 これまでと違ったアートとの向き合い方をすることで、 その断片から見える まちの印象も変わってくるだろう。

20


敷地 大阪府大大阪市中央区城見 ①

寝屋川

川沿いの集合住宅

③ ①

クリスタルタワーなどの高層ビルが目立つ 水都大阪プロジェクトのシンボルツリー

クリスタルタワー

が植えられている

敷地

敷地は大阪ビジネスパークの一角。シンプルな高層オフィスビルが立ち

並ぶため、この辺りを歩いていると自然と目線は上を向く。 開けている川方面の先に見えるのは大阪城公園。大阪城ホールをはじめ

第二寝屋川

とする文化施設もあり、観光客に限らず公園やイベントを目的に訪れる

寝屋川と第二寝屋川の合流地点

人が多い。北側は昔の長屋の名残と思われるスケールの住宅が見られる。

④ 大阪城ホール

木が植えられていて川沿いの遊歩道になっている

ここは、この場所にに異なる関わり方をする人々が交わるポテンシャル を持つ敷地であると考えられる。

大阪城

N S=1/2000 敷地から見た大阪城の様子

人とアートの関係性は対等ではない 社会、政治、現代を生きる私たちを取り巻く出来事に対して、

主張

作者の感情のそのままが素直に表現されているコンテンポラリーアートをあつかう。 リスペクト

アート作品はアーティストによる思想。 批評性の強いものであり、アーティストは作品に自らの思想を託し、考えを発信する。 鑑賞者は作品を理解したいという気持ちを持つがアーティストの考えや主張を完全に理解することはできない。

鑑賞者は、気の向くままに アートを追いかけ、能動的に 芸術を解釈し、楽しむことが できる。

大阪城

21


追いかけるための展示空間の展開 作品に感情移入したり、想像力をはたらかせたり、自分の感情と向き合ってみたり。 ②

アートを体感し、アートをきっかけに自分の感情とも向き合うことができる、感情の振れ幅を大きくするような空間が必要である。

① ①

一つ前の展示空間からは先の展示空間の作品が見える。 近づこうと次の展示空間に足を進めると、またその先の展示空間の作 品が見える。 一つの展示空間からいくつかの展示が見えることにより自然とアート

屋根と屋根のすきまから入る光は

に視線が向く。

空間の明暗の微調整の役割を担う。

認識 認識 認識 認識

展示室を少しずつずらして積む。 建物の周りを歩いている人からも建物内の様子が

アート作品が展示されている様子だけでなく人とアート作品が出会う シーンが見えることによって人は互いに認識しあう。人のいる展示空 間に向かってつられるように足を進める。

断片的に見えるようになっている。 建物周辺も美術館の空間を作るシークエンスの一 部となっている。

同じ展示室を違う見方から見る。 高さ、角度、見え方が異なる。 絵画展示と並んで、切り取られた まちが見える

地下の細く暗い空間から 緩やかなレベル差。

入ってくる人を包み込むような膨らんだ形の空間 と、中に人を引き込むような形の空間が並ぶ。 人は導かれるがままに作品と向き合い、そして自分なりに考え、楽し む。美術館の中で連続的に人とアート作品が出会う。 このシークエンスがひとつの大きな空間としての美術館をつくる 22

広く明るい空間への対比。


高いところから自分が通ってきたところを見渡す 天井の展示は近づいてみると思ったより大きかった 手を伸ばすと届きそうだが届かない 建物の中に入る エントランスホールにいろいろな方向からから人が集まって来ているのが見える

展示品を見ながら時々外を見る

屋根と屋根の隙間から柔らかく優しい光が入ってきている

自分が高いところにのぼっていることに気がつく

+4000 +2500 +1500

-500

-1500

チケットを切り階段を降りる

+1500 展示室と外の見える階段を降りる

地下に向かう途中、窓で切り取られた屋外展示が見える 屋外展示の奥には大阪城も見える

-4500

ホールを囲むような階段を上り歩いていくと、外へ出てしまった 立ち並ぶビルと公園の緑が流れる水に浮いているように見える

この建物を出たときにどこか夢から醒めたような感覚におちいる 普段生活するわたしのまちがいつもと違って見える

自分が普段生活しているまちを下から見るのはなんだか不思議だ 少し暗い細く続く廊下を進み、右に曲がると突然大きなホールが現れる 天井が 16m と高く、小さな音が響く、少し気持ちが引き締まるような空間 この空間性の変化に思わず立ち止まってしまう 天井に展示されている大きなモビールをもっと近くで見たいと感じる

�-�� ������1��00

23


A. メインエントランス , ショップ (GL+1500) B. トイレ (GL+1500) C. 機械室 (GL+1500) D. カフェ (GL+1200) E. エントランスホール (GL-500) F. サブエントランス (GL+500) G. ホール (GL-4500) H. 水の廊下 (GL-1500) I. 展示空間 (GL-1000) J. 展示空間 (GL+500) K. 展示空間 (GL+1000)

F. GL +500

J.

L. 展示空間 (GL+4000)

GL +500 K. GL +1000 GL +2500

GL +1500

I. H.

GL -1000

GL -1500

G. GL -4500 C. GL +1500 E. GL -500

B. GL +1500 ▼ GL +12,500 GL +1500 A.

D. ▼ GL +7,800

GL +1000

GL +1500

GL +1200

GL +500 ▼ GL +4,000 GL +1000

▼ GL +1,000 ▼ GL +500

GL ±0

▼ GL -1,700

B-Bʼ 断面図 S=1/300

24

平面図 S=1/400

0 1 2

4

N

6

10(m)


展示空間と展示空間をつなぐスロープ 開口から向こう側が見えることで奥行きを出す。 一度通った展示空間を上から見る。視線をあげると外の景色も見える。

F.

まちをいつもと違う見方から見る。

GL +500

J. GL +500 K. GL +1000 GL +2500

GL +1500 L. GL +4000

I. H.

GL -1000

GL +3000

GL -1500

展示空間と展示空間の境目、壁や屋根に隙間が空いており、 そこから別の場所の様子が見える。

G. GL -4500 C. GL +1500 E. GL -500

GL -2000

B. GL +1500 ▼ GL +12,500

GL +1500 A.

D.

GL +1000

GL +1500

GL +1200

GL +500

▼ GL +3,200

GL +1000

▼ GL +1,500

GL ±0

▼ GL -1,000

平面図 S=1/400

▼ GL -4,500

C-Cʼ 断面図 S=1/300

0 1 2

4

N

6

10(m)

25


04 ドマとマドから広がる 団地住戸リノベーション

関西大学 学部4年 2020.05 - 2021.02

敷地 京都府八幡市, 男山団地

同じ住戸が積層された建物の集まり 団地常駐するまで、団地に対するイメージはそんなものだった。 団地内の小さな商店街にスペースをもらい常駐をするうちに、 団地という限られた敷地の中にも暮らしを多様化させるものがあることに 気がついた。 この団地に住む人は、長い時間をかけて住みこなし なかなか引っ越しができいないらしい。 これからここに住む人にも シンプルな建物と団地内の要素の掛け合わせによる 団地特有の豊かな住みこなしを見つけてもらいたい。 土間と窓を介して住戸外と滲みだす生活の提案。

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近年、男山団地のC地区では1階住戸の空き家率が増加している。 今後もこの傾向は進んでいくと考え、最小限のコストによるプロトタイプモデルを設計した。 住戸北側には公園があり、南側には木々が生い茂っている。北側の部屋を窓から外に開いている広い土間空間とし、住民や友人が つどい談笑が可能な場とした。南側からは暖かい日差しの入るリビングダイニングと寝室として設計した。 土間の壁には垂木を打ち込み、 ブラケットを用いて飾り棚やデスクなどDIYで自分の空間を作ることができる余白を設けた。DIYの際 に団地内にあるラボを使ってより団地内での交流が増えるとを期待する。

窓から住戸前の道と

玄関横収納を解体して

自転車置き場越しの公園の様子が見える

ベビーカーや傘置きに使う

便所 浴室 脱衣所

暖かい光の差し込むLDK

玄関

DIY 家具の棚で寝室とダイニングを 緩やかに区切る

キッチンを南向きすることで 窓を開けてテラスと繋がって使える 冷

南北の風が通る

木漏れ日の中でコーヒーを飲む 柵にひっかける DIY カウンター

C14-102 提案 S=1/50

初期提案図面

リノベーション前の様子

トイレ 浴室

和室 2 脱衣所

浴室 土間

物入

土間スペースと壁棚用垂木

トイレ

垂木

洗面台

(+80)

物入

カーテンレール

押入

スロープ

玄関

押入

玄関 (+0)

物入

和室 1

台所

現況図

和室 3

平面図 S=1/100

リビング / ダイニング

寝室

(+260)

(+260)

改修後

同壁色で空間をひとつに

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