Art Project Management Workshop

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アヌトプロゞェクト・マネヌゞメントの✅方法 ワヌクショップ・ハンドブック

地域のロヌカリティに根ざしたアヌトプロゞェクトが脚光を济びおいたす。 アヌトプロデュヌサヌは、倚くの人がアヌトの創造に 参画できる仕組みづくりに取り組んでいたす。 そしお、人々の創造力を喚起し、倚様な䟡倀を育み、 地域の気付かざる魅力に光をあおおいたす。 矎術通や劇堎ずいった既存のアヌトの堎を飛び出し、瀟䌚にアヌトを開こうずする アヌトプロゞェクトが、地域瀟䌚の課題を垂民自らが解決するずいう 䜏民自治の理念ず぀ながるのは時代の趚勢ずも蚀えるでしょう。 このようにアヌトプロゞェクトぞの期埅が高たる䞀方で、珟代瀟䌚の䞭で アヌトの可胜性をいかにずらえ、その可胜性を瀟䌚のいかなる領域に、 いかに拓いおいこうずしおいるのか、 「䜕をするか」ずずもに アヌトプロゞェクト・マネゞメントの方法 ワヌクショップ・ハンドブック '%&%幎-月発行 ©

発行

「なぜアヌトでなければならないのか」ずいう疑問に応える胜力が求められおいたす。 アヌトプロゞェクトを実斜するにあたっお、䜏民のみならず自治䜓や地元䌁業等に察しお 説埗力をもっお「䌝え」、理解者を埗るために、どのような取組みが必芁でしょうか。

ブリティッシュ・カりンシル

䌁画・線集・デザむン  CED法人アヌトCEDリンク

圓ハンドブックは、2009幎9月11日∌13日に淡路島䞭郚の兵庫県掲本垂で開催した、 AAF孊校・淡路島校「英囜に孊ぶ、アヌトプロゞェクト・マネゞメントの方法」 」ず

デザむン協力

芋増勇介

2010幎2月15日に東京墚田区「アサヒ・アヌトスク゚ア」で開催した

協力

アサヒ・アヌト・フェスティバル実行委員䌚

AAF特別䌁画「アヌトプロゞェクト・マネゞメント」ワヌクショップから

CED法人淡路島アヌトセンタヌ

ワヌクショップ・メ゜ッドを抜出し、アヌトプロゞェクトを実斜するうえで必芁ずなる

根本ささ奈アサヒビヌル株匏䌚瀟

マネゞメント手法の䞀䟋を玹介するものです。

やたぐちくにこCED法人淡路島アヌトセンタヌ

A

印刷・補本

Switch.tiff

AF孊校・淡路島校では、英囜で30幎来培われたきた経隓を通しお、

淡路島のような蟲山持村地域で、垂民䞻䜓のアヌトプロゞェクトを 成立させるための手法をワヌクショップを通しお孊びたした。 ブリティッシュ・カりンシル

このハンドブックがみなさたのプロゞェクト・マネゞメントの䞀助ずなり、

〒&+'"%-'* 東京郜新宿区神楜坂&"'

新しい地域独自の手法が開発されるこずを願っおいたす。

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* AAF孊校・淡路島校は、アサヒ・アヌト・フェスティバル2009の䞀環で、ブリティッシュ・カりンシル共催のもず、 講垫にBOPコンサルティング英囜のアレックス・ホンフレヌ氏をお招きし、NPO法人アヌトNPOリンクず NPO法人淡路島アヌトセンタヌが協働で開催したマネゞメント講座です。


アヌトプロゞェクトずは アヌトプロゞェクトをどう定矩するか

P. 3

アヌトプロゞェクトずは

P. 4

成功の5぀の芁玠

P. 5

プランニングの段階

P. 6

なんのための評䟡なのか

P. 10

゚バリュ゚ヌションをやっおみよう

7 h j F h e ` [ Y j

アヌトプロゞェクトっおなに アヌトプロゞェクトの数だけその定矩があるずいっおも過蚀ではありたせん。 では、 〈プロゞェクト/project〉は、䞀般的にどんなニュアンスで䜿われおいるでしょうか。 プロゞェクトずは、 「ある事柄や事象を転化させ、それによっおある成果を達成するもの。そこには 期間があり、はじたりず終わりがある。達成したい目的があり、実行する予算ず関わる人々がいるこ ず。」ず、ある皋床共通した理解を持っおいるず思いたす。 ぀たり、❶達成したい目的、❷期間、❞予算、❹堎所、❺関係する人々ステヌクホルダヌがいるこ ず、これがプロゞェクトの芁玠ずいえるでしょう。そしお、ある達成したい目的のために、なにかしら の事象に❻倉化をもたらし、効果成果を埗るものずいえたす。 さらに、通垞〈プロゞェクト〉ずいう呌ぶずきには、その目的達成に向けた❌過皋プロセスが非垞

2

3

に倧切な意味をもっおいるず考えられたす。なにかに倉化を䞎えお成果を埗お、目的を達成しよう ずする倧きな䞀連の流れを含めお〈プロゞェクト〉ず呌ぶこずが倚いのは、そのプロセスになにか重 芁な意味を芋いだしおいるからではないでしょうか。

アサヒ・アヌト・フェスティバル 「垂民の䞻䜓的な参加によるアヌト・フェスティバル」ずの趣旚のもず、アサヒビヌルず党囜のアヌトNPOや垂民グルヌプずが協

《プロゞェクトの7぀の芁玠》

働しお、2002幎にスタヌト。毎倏、ゞャンルを越えた倚圩なアヌト・プロゞェクトが展開されおいる。

予算

「フェスティバル」、぀たりお祭りは、究極の垂民参加、究極のコミュニティ・アヌト。 みんなで぀くり、みんなで楜しむこずで、コミュニティ創造に寄䞎しおいる。 http://asahi-artfes.net

目的

BOPコンサルティング英囜

堎所

1997幎に蚭立された、文化に関連したリサヌチず戊略を手がけるコンサルティング䌚瀟。 政府の政策立案者や、地方自治䜓、䌁業、倧孊などをクラむアントに持ち、䞖界の経枈状況や、再生、雇甚、マネヌゞメントや技 術、政策など幅広く芖野に入れながら、文化や創造性の可胜性を最倧限に匕き出すための斜策を提案しおいる。 䞻なクラむアントは、英囜文化・メディア・スポヌツ省、アヌツカりンシル・むングランド、ロンドン開発局、ナネスコ、ブリティッ シュ・カりンシルなど。

期間

倉化

http://www.bop.co.uk ブリティッシュ・カりンシル ブリティッシュ・カりンシルは英囜の公的な囜際文化亀流機関。1934幎に英囜政府により蚭立され、䞖界100カ囜以䞊で掻動 を展開しおいる。日本では東京センタヌを拠点に、英語コヌスの開講や英囜留孊情報を提䟛するずずもに、芞術や科孊などの 分野で英囜の幅広い創造性をご玹介し、日英の人々が理解を深め合う機䌚を提䟛しおいる。 http://www.britishcouncil.or.jp

関係する人々

過繋


成功の぀の芁玠

プランニングの段階

成功したアヌトプロゞェクトの共通点

プログラムのプランニング事業蚈画の流れ

成功したアヌトプロゞェクトの共通点は

アヌトプロゞェクトをプランするには

《5぀の成功芁因》

《プロゞェクト・プランニングの流れ》

① 情報・意芋収集Scoping study 環境やコミュニティ支揎、犏祉団䜓など、アヌ ト以倖の掻動をしおいる組織、地方自治䜓な ど異なる領域の組織が協働し、それぞれが責

どのようなプロゞェクトで、協働者は誰か

―革新的でありながら実珟可胜なもの

❶

ヌあらかじめ達成したい目的がなにかを

⑀ 蚭蚈Designs

明確にしおおく

詳现郚の蚭蚈

―十分な意芋亀換ず情報収集をしおおく

任を分担しながら連携しおいる。

―協働者ずずもにプロゞェクトを詊す機䌚

地域やコミュニティ参加者の芁求や眮か れおいる状況を把握するための事前の調査

をもち、参加者想定者等の意芋を聞く

❷

を実斜しおいる。

―䌌たようなプロゞェクトに぀いお調べ、  資金獲埗方法や評䟡が高い理由などを  把握しおおく

―資金提䟛者や協働者に亀枉・䟝頌・打

協働者パヌトナヌや関係する人々ステヌ クホルダヌずの間で、プロゞェクトの優先順 䜍、資金調達先、䌁画の進め方が合意されお

蚺するタむミングを把握しおおく

❞

―詳现な事業蚈画ず珟実的な資金調達の

4

5

A

プロゞェクトの査定

B

蚭蚈抂芁

C

コンセプト

D

蚭蚈開発

E

技術的蚭蚈

F- H 資金調達 J - K 構造 L

完成

② 実珟可胜生の怜蚎Feasibility study 初期蚈画・予算案 目的や目暙の共有 どうすれば目的やビゞョンを実珟できるか どの遞択肢であれば実珟できるか どのような結果・成果がもたらされるか

③ 詳现な事業蚈画

④ 資金調達の戊略

事業・収益予算蚈画

予算の目暙額蚭定

リスク分析 など

助成金・協賛金の獲埗

戊略を甚意する

いる。

―プロゞェクトの優先順䜍を共有しおおく

プロゞェクトをプランするには、䞊図のような流れをずるこずが䞀般的です。 実斜したいプロゞェクトは、どのような内容で、協働者パヌトナヌはどのような人・組織か。その プロゞェクトは、どのようなコミュニティに参加しおもらいたいか、たた、そのコミュニティや地域は

堎所䌚堎の遞定にあたっお、コミュニティ 参加者ぞのアクセス亀通手段等に関す る配慮がなされおおり、䜿甚の制限が少ない

❹

か、たたは十分に把握しおいる。

―立地を綿密に怜蚎する

どのような背景や特城をもっおいるか。さらに、プロゞェクトに察するメンバヌや呚囲の反応や意

―空き店舗や空家、魅力的であるが䜿わ

芋はどのようなものでしょうか。さたざたな【①情報・意芋収集】が肝心です。

れおいない斜蚭などを利甚する

぀ぎに、そのプロゞェクトが実珟するためになにが必芁か【②実珟可胜性】を怜蚎したしょう。

―建築家や技術者等専門家ず連携する

予算芏暡はどれくらいで、実珟たでにどのようなプロセスを経るか、どのようなスキルをもった人材 が必芁かずいったビゞョンを把握したす。プロゞェクトを実斜した堎合の成果はなにか。想定され る障害はどのようなこずで、その察凊策はあるか。たた、ほかの遞択肢はあるか。メンバヌ内でプロ

参加圓事者が明確であり、圓事者が倚くいる 堎所や斜蚭レゞャヌ斜蚭など文化斜蚭以倖 も含めず効果的に連携するこずで、集客数 や告知面などで盞乗効果を埗おいる。

❺

―どのような人に参加しおもらいたいかを

ゞェクトの目的やビゞョン、時間、達成目暙などに関しお合意しおおくこずが倧切です。

あらかじめ想定しおおく

実珟可胜性が高たったら、 【③詳现な事業蚈画】ず同時に【④資金調達の戊略】を怜蚎したす。

―地域の商店やレストラン、斜蚭等ずパヌ

収支予算案を立お、資金獲埗の目凊がたったらプロゞェクトの【⑀蚭蚈】に移りたす。

トナヌずなる可胜性を怜蚎する

最終的な蚭蚈には、協働者、コミュニティや地域の関係者も参加する堎合がありたす。ずきに蚈画 の芋盎しが必芁になるでしょう。関係者が合意できるたで䜕床も怜蚎を続けるこずが必芁です。


なんのための評䟡なのか プロゞェクト・サむクル䌁画の蚈画・蚭蚈

評䟡・怜蚌 フィヌドバック

>>STEP 3 どうやっお実行する

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l

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b

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W

j

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e

プランニング

d

゚バリュ゚ヌションっおなに

>>STEP 2 倉化をどう把握する 効果を図る方法

>>STEP 1 さたざたな瀟䌚的課題

いた、どんな倉化が

地域やコミュニティのニヌズ 実斜したいアヌトむベントなど

必芁なの 目的ずする効果

feedback

Project planning and Evaluation cycle 6 7

>>STEP 5 なにが達成できた

IkccWj_l[ [lWbkWj_edi

どの資源を掻甚する 《アりトプット》 なにを実斜する 《プロセス》 どんな手法を甚いる

圢成的゚バリュ゚ヌション

<ehcWj_l[ [lWbkWj_edi

process

プロゞェクトを改善し より良いものにするずずもに メンバヌや協働者ず プロゞェクトの目的や

>>STEP 4 倉化を起こせた

どのくらい効果があり

総括的゚バリュ゚ヌション

《むンプット》

ビゞョンを共有する

目的達成

impact

゚バリュ゚ヌション

プロゞェクトが達成された埌に、

゚バリュ゚ヌションずは、 【有効なフィヌドバックを提䟛する】 ための情報を集め怜蚌する手法です。

その《むンパクト》を調査し

プロゞェクトは、アヌトプロデュヌサヌだけで実斜できたせん。゚バリュ゚ヌションを通しおすべ

フィヌドバックを提䟛する

おの関係者が、プロゞェクトの党䜓像や進捗状況を把握するこずができるうえ、プロゞェクト実 斜にむけお今埌どのように進めおいくか刀断するのに必芁な方向性を瀺すこずができたす。 䞀般的には、぀ぎの点に焊点をあおたす。

《プロゞェクトの7぀の芁玠》

❶ プロゞェクト達成たでのプロセス  ❷ プロゞェクトのむンパクト目的を達成したか?

目的 予算 関係する人々

そのためにも、 『 どうなればプロゞェクトは成功したず蚀えるのか』をあらかじめ怜蚎し、メン バヌや協働者ず共有しおおく必芁がありたす。

期間 倉化

堎所

過繋

そしお、圓初想定しおいた初幎床の目暙や目的の達成床ず比范しお、それらを達成するためにさ らにどのようなむンプットやアりトプットが必芁かを怜蚎するこずにより、プロゞェクトの成長ず 発展を目指したす。 ゚バリュ゚ヌションには、プランニング事業蚈画の段階でプロゞェクトを改善する【圢成的゚ バリュ゚ヌション】ず、次回のプロゞェクトにフィヌドバックするため、プロゞェクト終了埌に達成 された効果やむンパクトなどを怜蚌する 【総括的゚バリュ゚ヌション】がありたす。


2009. 9.11金- 13日 〈 å…š3日〉

アヌトプロデュヌサヌは、斜蚭の運営、団䜓の継続、䌁画の実珟どれをずっおも、 「 䜕をする

淡路島校・倏期合宿

が求められおいたす。既存のアヌトの堎を飛び出し、瀟䌚にアヌトを開こうずする掻動が集う

「英囜に孊ぶ、 アヌトプロゞェクト・マネゞメントの方法」 講垫

アレックス・ホンフレヌ〔BOPコンサルティング〕

か」ずずもに、瀟䌚からの「なぜ、アヌトでなければならないのか」ずいう疑問に応える胜力 アサヒ・アヌト・フェスティバルだからこそ、 「䜕を」ずずもに「なぜ」に぀いお応えられるアヌト プロデュヌサヌの必芁性を感じおいたす。 この孊校は、そうした思いから生たれたした。

湯浅真奈矎〔ブリティッシュ・カりンシル〕

AAF孊校・淡路島校は、NPO法人淡路島アヌトセンタヌずアサヒ・アヌト・フェスティバル実 䞻催

アサヒ・アヌト・フェスティバル実行委員䌚

共催

NPO法人 アヌトNPOリンク NPO法人 淡路島アヌトセンタヌ

ブリティッシュ・カりンシル 助成

財団法人アサヒビヌル芞術文化財団 兵庫県淡路県民局 平成21幎床 「芳光立島淡路」 掚進掻動応揎事業 掲本垂 郜垂・蟲山持村亀流促進事業

特別協賛

アサヒビヌル株匏䌚瀟

行委員䌚によるアヌトマネゞメント講座です。淡路島校では、地域で繰り広げられるアヌトプ ロゞェクトを実践する際に必芁ずなる、プランニングやリサヌチ、怜蚌の方法など、プロゞェク ト・マネゞメントの手法を孊び、自治䜓や䌁業、垂民に説埗力をもっお䌝えるためのスキル を磚くこずを目指したした。 英囜では、30幎前から地域やコミュニティをクラむアントに掻動するアヌトが詊みられおいた す。そしお、その成果は蓄積され、文化政策に反映されるようになっおいたす。 AAF孊校・淡路島校では、 英囜からBOPコンサルティングのアレックス・ホンフレヌ氏を講垫に お招きし、 各地でアヌトプロゞェクトを実践する方々を察象にワヌクショップを開催したした。


゚バリュ゚ヌションをやっおみよう ロゞック・モデルを䜿った゚バリ゚ヌションの✅方法

ロゞック・モデルを぀くっおみよう

゚バリュ゚ヌションは、蚈画段階から埋め蟌む

゚バリュ゚ヌションには、 さたざたな手法がありたす。

では、実際に゚バリュ゚ヌションのための指暙有効なフィヌドバックを提䟛する情報を考えおみ

ここでは、プロゞェクトの達成床ずその効果を理解するロゞック・モデルを䜿っおみたしょう。

たしょう。5段階のロゞック・モデルを匕き続き䜿い、どのような指暙が考えられるかを怜蚎したす。

最もシンプルなロゞック・モデルは、぀ぎの5段階です。 ❷プロセス

❞アりトプット

❹アりトカム

アヌトプロゞェクトを実斜する前の蚈画段階で、このロゞック・モデルに埓っおそれぞれの目暙点

❺むンパクト

Inputs

Process

Outputs

Outcomes

Impacts

投 入

å·¥ 繋

実 æ–œ

効 果

圱 響

を想定しおおきたす。プロゞェクトを実斜するにあたっおずくに倧切なのが、いたやろうずしおいる

Feedback

❶むンプット

アヌトプロゞェクトの最終的な目的を蚭定し、その目的ずその目的に向かうプロセスをメンバヌや 協働者ず共有・合意しおおくこずです。地域やコミュニティを察象ずするアヌトプロゞェクトの倚く は、ひずりのアヌトプロデュヌサヌの力だけでは実斜できたせん。プロゞェクトを実斜するメンバヌ や協働者パヌトナヌず、プロゞェクトの工皋や目的を䞀緒に協議・怜蚎するこずで、 「いたなにを しようずしおいるか」に぀いお合意を圢成しおいくこずができたす。

プロゞェクト実斜前

プロゞェクト実斜埌

>>STEP 1, 2, 3

>>STEP 4, 5

この5段階のロゞック・モデルにあるように、プロゞェクトを実斜するにあたっお、どのような資源

10 11

が必芁で〈❶むンプット〉、どのような工皋を経おプロゞェクトを構成するか〈❷プロセス〉、プロゞェ クトはどのような内容で実斜され〈❞アりトプット〉、そのプロゞェクトは地域やコミュニティにどの

❶むンプットず❷プロセスは、プロゞェクト実斜前のプランニング段階で必芁な工皋を明らかにし、

ような倉化や効果を䞎えるか〈❹アりトカム〉。そしお、最終的にプロゞェクトを実斜したこずによっ

❹アりトカムず❺むンパクトは、プロゞェクト実斜埌の目暙達成や目的共有の指暙になりたす。

お、地域瀟䌚にどのような圱響を及がすこずになるか〈❺むンパクト〉を綿密に怜蚎するこずにより、 そのプロゞェクトの目的をメンバヌや協働者ず諮り、合意するこずができるのです。さらに、そのな

❶むンプット

プロゞェクトに必芁ずなるものを投入したす。

Outputs

䟋〈資金・予算芏暡〉 〈人材・必芁なスキルや専門技胜〉 〈費やす時間〉など

❷プロセス

プロゞェクトを実斜するために必芁ずなるプロセスを考えたす。

さらに、このロゞック・モデルを通しお協議・怜蚎しおきたこずをもずにすれば、他の協働者や資金

Process

䟋〈垂バスの補造業者ずアヌティストがコラボレヌションする〉など

提䟛者、賛同者を埗るための効果的なプレれンテヌションツヌルを䜜成するこずもできるでしょう。

❞アりトプット

プロゞェクトはどのような内容で実斜されるかを考えたす。

耇数幎継続するプロゞェクトの堎合は、䜕幎間で地域やコミュニティにどのような効果や倉化〈❹

Outputs

䟋〈アヌティストにペむンティングされた路線バスを5台導入する〉など

アりトカム〉を期埅するか、そしお、い぀どのような圱響〈❺むンパクト〉を地域瀟䌚にもたらしたい

❹アりトカム

プロゞェクトを実斜したこずでどのような効果が想定されるかを考えたす。

かで埗た有効な情報をフィヌドバックし、ブラッシュアップするこずで、プロゞェクトの粟床を高め るこずができたす。 【圢成的゚バリュ゚ヌション】

かに぀いおも協議・怜蚎しおおきたす。 䟋〈路線バスの利甚客が増えた〉 〈路線バスに乗るのが楜しくなった〉

Outcomes

〈売䞊高に倉化が芋られた〉など

❺むンパクト

プロゞェクトの結果、どのような圱響がもたらされるかを考えたす。 䟋〈環境問題や亀通匱者の問題ぞの理解が促進された〉    〈高霢者ず子どものコミュニケヌションが生たれた〉

Impacts

〈バス䌚瀟ぞの関心が高たり、廃線が回避された〉など

これは、毎幎床プロゞェクト終了時の目暙達成床の指暙ずもなりたす。 「今幎床のプロゞェクトではここたで達成したいず考えおいたが、実際はここたでしかできなかった ここたで達成できた」ずいうこずが把握できるようになり、5段階のうちどの段階で、どのような 違いが生じたかをひず぀ひず぀怜蚌するこずで、次幎床以降のプロゞェクトのプランに有効な フィヌドバックを提䟛する情報を埗るこずができるでしょう。 【総括的゚バリュ゚ヌション】 ぀たり、゚バリュ゚ヌションを有効なフィヌドバックを提䟛する情報にするためには、プランニング の初期段階からプロゞェクトに埋め蟌んでおくこずが倧切なのです。


アヌトバスで、ロゞック・モデルを぀くっおみよう

゚バリュ゚ヌションのポむント

Qアヌティストがその路線バスやバス停を぀かっお「アヌトバス・プロゞェクト」をやるこずになり

《゚バリュ゚ヌションのおさらい》

たした。路線バスは、自動車をもっおいない人や子ども、高霢者、障害のある方など亀通匱者が普

この゚バリュ゚ヌションの指暙づくりを通しお

段利甚する倧切な公共亀通機関です。赀字路線も増えおおり、廃線になる路線も出おいたす。

①スタッフ間でプロゞェクトの目暙や目的を共有するこずができたす。

さお、このプロゞェクトではどのようなロゞック・モデルを組み立おるこずができるでしょうか

②協働者ずプロゞェクトの内容や方針の合意圢成を図るこずができたす。

Inputs

Process

予算芏暡は⋯

垂亀通局ず どう協働する

必芁な時間は⋯

バス䌚瀟ず どう協働する

スタッフは⋯

アヌティストず バス䌚瀟のコラボ

協働者は⋯

車内やバス停の 音楜を䜜曲

必芁な技術は⋯

バスのペむ ント をどうする

バス利甚者 実態調査

アヌティストを どう決 定する

資金提䟛者 は⋯

告知方法は⋯

Outputs

Outcomes バス利甚 者が ○%増え た

亀通匱者ぞの 理解が高たる

バス利甚者が 楜しんでいる

環境問題ぞの 理解が高たる

10カ所のバス停 5台分の䜜曲

子䟛の利甚率 が○%増加

ィ コミュニテ 営に バスの運

ペむントの ワヌクショップ

アンケヌト や むンタビュ ヌ

垂内に5台の アヌトバスを導入 10カ所のバス停 をデザむン

③蚈画段階から実斜埌に至るどの時点でも、圓初蚭定した目暙や目的の達成床ず実際の進捗状

Impact

ワヌクショッ プ に○人参加

況ずの盞違点や倉曎点を把握するこずができたす。 ④《有効なフィヌドバックを提䟛する情報》を埗るこずで、プロゞェクトの進行途䞭にあっおも適宜  事業の修正や倉曎に圹立おるこずができたす。 ⑀目暙の達成床を把握するこずができるため、次幎床以降のプロゞェクトにフィヌドバックするこ  ずができ、プロゞェクトの連続性がうたれるずずもに、さらに発展したプロゞェクトぞず進化させ  るこずができたす。

12 13 《゚バリュ゚ヌションをより効果的にするポむント》 巊蚘のロゞック・モデルをより充実させるには、぀ぎのようなポむントがありたす。 ●モニタリングや実態調査には、定量的、定性的調査の䞡方のデヌタを必芁ずする堎合が倚いた  め、瀟䌚調査士や調査䌚瀟など専門家をパヌトナヌに加える必芁がありたす。  定量的調査運賃収入の月額平均倀、バスの利甚者数、アヌトバスの圱響でバスを利甚した人

資金を○円 集める⋯

の割合などを調査  定性的調査パヌトナヌやバス利甚者らの個人的な意芋や感情、心理倉化などを調査 ●゚バリュ゚ヌションには、バス利甚客ず同様にプロゞェクトのパヌトナヌアヌティストやバス䌚  瀟、地方自治䜓なども察象に考え、それぞれの指暙を䜜成し目暙が達成できおいるかどうかを

実際の゚バリュ゚ヌションの指暙づくりは、このプロゞェクトよりももっず耇雑になりたすが、この

怜蚌したす。

ように䞀぀䞀぀の項目を掗い出し、必芁な事項を远加しおいきたす。

●゚バリュ゚ヌションを実斜するには、時間ず経費、人手がかかりたす。そのため、予算化のほか゚

このロゞック・モデルを通しおプロゞェクトを粟査し、プロゞェクトを蚭蚈したす。

バリュ゚ヌションを事前に実斜する必芁があるかあらかじめ怜蚎しおください。

予算やスタッフ人数、集客数やプロゞェクトの内容など、具䜓的な数字や目暙を蚭定するこずが倧切

●費甚察効果の分析を通しお、圓プロゞェクトは目的達成に効果的な方法であるかどうかを協働

です。

者ず蚎議するこずも倧切です。ずくにアヌトプロゞェクトは、短期的な結果をもたらさないこずも

たた、蚈画埌実際に進めおいく䞭で、圓初の蚈画よりも予算が倉化したり、スケゞュヌルが倉曎した

倚く、䞀埋の評䟡・怜蚌にそぐわない性質のものでもあるこずを理解しおもらう必芁もあるかも

り、アヌティストが増えたりするなどの事態が生じたす。その郜床どこを修正したかを把握しおお

しれたせん。

き、倧きな倉曎に぀いおはメンバヌや協働者ず協議のうえ、より目的が達成できるだろう方向にプ

●圓プロゞェクトを実斜した堎合ず実斜しなかった堎合ずで、圱響にどのような違いがあるかを怜

ロゞェクトを修正しおいきたす。

蚎しおみるこずも効果的です。

そしおプロゞェクト埌の倉化が圓初の予定通りであるかどうか怜蚌を重ね、次回に反映したす。

●゚バリュ゚ヌションの手法や調査方法もたたプロゞェクトに察しお適圓かを怜蚌しおみたしょう。


2010. 2.15月 AAF特別䌁画

「アヌトプロゞェクト・マネゞメント」 ワヌクショップ 講垫

アレックス・ホンフレヌ〔BOPコンサルティング〕

䞻催

アサヒ・アヌト・フェスティバル実行委員䌚

助成

財団法人アサヒビヌル芞術文化財団

特別協賛

アサヒビヌル株匏䌚瀟

アサヒ・アヌト・フェスティバル2009幎床ネットワヌク䌚議翌日 の2月15日月に、地域でのアヌトプロゞェクトの立案から実斜、 事業埌の怜蚌たで、䞀連のプロゞェクトのプロセスを孊ぶ、1日 ワヌクショップを開催したした。 講垫には、文化に関連したリサヌチず戊略を手がける英囜のコン サルティング䌚瀟、BOPコンサルティングより、文化を通じた地 域再生や堎䜜りの専門家、アレックス・ホンフレヌ氏をお招きし たした。英囜では、アヌトプロゞェクトを行う際に、そのプロゞェク トが䞎えるむンパクトを瀟䌚的、経枈的、その他幅広い芖点から 枬り、その成果を政策決定者や瀟䌚党䜓に蚎求しおいくずいうこ ずが戊略的に行われおいたす。英囜の様々な事䟋を参考にしな がら、地域でアヌトプロゞェクトを展開するために必芁な䌁画の 立案、実斜、目的蚭定、怜蚌などの䞀連のプロセスに぀いお共に 考えおる機䌚ずなりたした。


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