緑のものさし、日常の場面 −人間・動植物の観察を通した都市のコモンズ・ラインの再考− 0. はじめに 境界と人間・動植物の往来 私たちはいつのまにか大地の変化を無意識の中に閉じ込 めてしまっている。大地は時として私たちの生活を脅かす こともあるが、一方で、大地の日常的な変化に意識的に目 を向けことで多くの発見や知恵を得ることができると考え ている。 私は、その大地の微細な変化に伴う「動植物のふるまい」 に興味がある。1年間のフィンランドでの生活を通して、 自然の厳しさと豊かさの両面を体感することが出来た。 自然の変化はあらゆる境界を横断する。 冬には、海や湖が凍る。大地は広がり、魚たちとの距離 が近くなる。春には氷の一部が解け始め、季節の変化を感 じ取った鳥たちが活動を始める。暖かくなるにつれ、虫た ちの活動は活発になり、それを狙った鳥たちの、草むらの 中で土を貪る姿を見かけるようになった。 我々は日常の物事に慣れすぎてしまっているので、それら が投げかけてくる問いを意識できずにいるが、そうした問 いかけに気づき、応答するにはどうすればよいのか。 ジョルジュペレック 日常の普段なら取るに足らない、人間と動植物の場面を 記述し、そんなまなざしが日常に隠れた問いを私たちに与 えることに期待した。 私の修士制作では、都市で生活する人間をはじめとした 動植物の観察を通して、「自然を介してラインを侵略してい くこともしくは侵略をゆるすこと」を作法とし、都市が生 み出した境界 = ラインを再考し、ラインに新たな役割を与 えていく。
1. フィンランド 境界 = ラインを横断する野生の場面
一年間フィンランドで滞在し、そこでの観察をと おして森と都市のはざまでは動植物の活発な境界 = ラインの横断を発見した。 そこでは人間、動植物、工作物が等価に置かれて いるようだった。 そんな「境界のあり方・境界の横断」を観察して いく中で、様々な地平でうごめく様々な主体の日常 生活のリズムが私たちの環境を取り巻いていること に気づいた。その境界の横断と場面をドローイング にした。 2017.01.10「氷下通路」/ 氷上
2017.04.05「ミツバチによる影のシアター」/ 窓
2017.06.15「カオジロガンの庭」/ 浮橋
湖に氷が張りオタニエミの大地は広がった。人々は氷に穴を開 けて釣りを楽しむの。氷の上を歩きながら今もしかしたら 100 匹くらいの魚と足元ですれ違ったかもしれないと想像する。
ミツバチは 2 回目の訪問である。部屋の窓のわずか数センチの 間からミツバチがやってきた。冬に見なかった彼らがやって きたので私はとうとう春がやってきた事に気づく。
顔時露岩が秋にいなかった子供を連れて池で水浴びをしてい る。船を出すために作られた浮き橋が、親子の庭になっている。 しばらく座っていると、魚が飛び跳ねて桟橋に飛び乗った。
2017.04.21「鳥たちの屋根、虫たちの住処」/ 並木道
2017.04.18「リスと高過食卓」/ 松の木
017.06.25「種のクッション」/ パーゴラ
テニスコートの脇、低木が並ぶ道を歩いているとミヤコドリが 落ち葉の下の虫を捕らえていた。この低木は鳥たちの屋根とな り、その低木から落ちた葉は虫たちの住処になっている。
木の上から松ぼっくりが落ちてきた。落ちてくる方向を見上げ ると枝の先にリスが食事をしている。しばらくして通りかかる と岩の上で作業をする学生がいた。
玄関先の木製のパーゴラが種のクッションとなり草が生える。 鳥達が種を食べたり、新たな種を運んできたりする。近くの地 面では木の下で人が休んでいる。
場面の展開
日付 場面の名称 / 領域 場面の記述
2. コミュニティ・ガーデンの共通意識
ヘルシンキ ちいさなコミュニティガーデンと小さな島での滞在 塀と一体の手作りテラス
ヘルシンキ市内の小さなコミュニティ・ガーデ
共通意識
緊急時に使用する路地
ンでは、自然を介した質の高いコミュニティが維 持されていた。自然に対する共通意識:「自然享 受権」のもと垣根を超えたメンテナンスが行われ ていた。
自然を享受すること
果物の木を受け継ぐ こと
水を共有すること
果物の木を受け継ぐ こと
大地の形状に従うこと
避難経路を確保する こと
塀は低く保つこと
垣根を超えたコミュニ テイがあること
お隣にぬける裏口
私は一年間そのコミュニティ・ガーデンに気づ くことができなかった。なぜならば、そのガーデ ンはひっそりと茂みに佇んでいた。住民たちは自 分たちの敷地に思い思いにガーデニングを楽しん でいる。174 戸もの 27㎡の小さな 小屋が市民 農園を構成し、その一つ一つの庭では住民の手に よってさまざまな庭が作られている。住民に許可 をもらい一つの小屋で過ごし、観察をつづけた。
リンゴの木
エントランス
滞在した市民ガーデン
3. 東京 境界と緑のものさし
大地の目線での観察ドローイング
私は東京に住み始めて、日常的に自然の連関に対して無自 覚になっているような感覚があり、もう一度人間と大地の関 係性を捉え直したいという欲求が生まれた。
1
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4
「住民達が植木鉢など、小さな自然を置き、道を介したコ ミュニケーションが生まれていること」して「人の手が行き 届かない
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6
間や人から忘れられた場所に野生の植物が住み着
いていること」 。それに目を向けることが境界を都市生活者 個人が捉え直すきっかけであると私は考える。 このようなラインを捉え直し、瑞々しさを取り戻す尺度を
1. 線路に生息する野生の植物 2. 道に
れ出す園芸
「緑のものさし」と呼ぶ。
3. 高架下に生息する野生の植物
日本の民家では、軒先を伝う雨水を隣家と互
4. マンションのベランダで手入れされる園芸
いに気遣いながら境界を整えていったよう
5. アスファルトから生えてきた木 6. 地面からバルコニーへ伸びる園芸
に、都市生活者個人が自然を介してラインを 共有する価値を見出せるだろうか。
三ノ輪を構成するさまざまなライン
4. 敷地 都電荒川線 三ノ輪
都電荒川線線路と主な緑地
a. 塀などの空間を仕切る工作物
様々な緑地を通過する都電荒川線 の終着駅にある南千住一丁目
明治 42 年 (1909) かつて三ノ輪の周辺は用水路が通 り、島のような自立したコミュニ ティがあった。水質は地域の環境
今回そんな小さな都市生活者の活動が見られ
の指標となり、生活の質をはかる
b. 主な下水ライン(合流式)
ものさしだった。
る場として、一つのケースとして都電荒川線沿 いの三ノ輪橋駅周辺を選定する。 かつて三ノ輪の周辺は用水路が通り、島のよ うな自立したコミュニティがあった。水質は地 域の環境の指標となり、生活の質をはかるもの
昭和 38 年 (1963)
さしっだった。それが時代とともに暗渠化され、
がその形態を残している。
用水路は完全に暗渠化され、街区
インフラの共有意識や環境への配慮が無自覚に 準工業地域
なりつつあると感じてる。
近隣商業地域
現在上下水道などのインフラや、人口減少で引 き起こされる空き地の統括は行政や自治体が管 理している。
商業地域
c. 地域地区図
5. リサーチ ラインと都市生活者
三ノ輪での都市のラインと緑のものさしを発見する ためのフィールドワークを行った。リサーチしていく 中で、都市のラインと緑の関係性に着目するように なった。 緑は都市生活者個人によってしつらえられた園芸か ら、どこからか放浪してきた雑草、行政が管理してい る花壇などさまざまである。 その次に、三ノ輪でのフールドワークでの発見を抜 粋してドローイングした。管理主体の異なる都市の緑 とさまざまなラインのなかに、ラインを超えた密かな 動植物と都市生活者の連関を想像するができた。管理 の主体が異なるみどり、緑のものさしは都市が作るラ インに厚みを与えていく。
「日向の庭」 日陰に沿って草のラインが出来てい る。
「ブロック塀といくつかの庭」 高いブロック塀のある駐車場。壁を はさんで幾つかの庭がある。
「はらっぱの駐輪場」 原っぱになった空き地。自転車置き 場になっている。
「窓と植木鉢」 窓の高さによって、植木鉢の高さを かえて道にはみ出している。
「立体庭」 路地に面した家、大地からバルコニー へ緑が伸びている。
「軒先ガーデン」 小さな植木鉢で軒先にラインを作っ ている。
「街角ガーデン」 住宅街の家、交差点のコーナーに庭 を設ている。
「
間の庭」
家と道路のラインの
間に野
生の植物が生息している。
「出会い頭の庭」 路地の窓や出入り口が対面すし、野 生の植物が生息し園芸もされている。
「ラインの庭」 駐車場の外周に沿って花壇が設えら れている。
「路地裏のはらっぱ」 原っぱになった空き地。野生の植物 のほか敷地のラインに小さな植木鉢 が設えてある。
「日向の庭」
「駐輪場」 原っぱになった空き地。自転車置き 場になっている。
背景の庭」
「はらっぱ駐輪場」 原っぱになった空き地。自転車置き 場になっている。
「立体庭」
「階段ガーデン」 敷地のラインに沿う外階段に植木鉢 が設えられている。
「立体庭」
原っぱになった空き地。野生の植物
原っぱになった空き地。野生の植物
原っぱになった空き地。野生の植物
原っぱになった空き地。野生の植物
が設えてある。
が設えてある。
が設えてある。
が設えてある。
のほか敷地のラインに小さな植木鉢
のほか敷地のラインに小さな植木鉢
のほか敷地のラインに小さな植木鉢
のほか敷地のラインに小さな植木鉢
「路地裏のはらっぱ」 原っぱになった空き地。野生の植物 のほか敷地のラインに小さな植木鉢 が設えてある。
「並列の庭」 住宅・荒川区のバラ花壇・線路の植 物といった管理の異なる緑が並列し ている。
「緑の展示壁 」 小学校のプールの大きな壁は、じゅ
うみんにとっては 展示の壁となる。
「ラインの庭」 壁に沿ってぐるりと 360 度植木鉢で 囲われている。
「軒下の庭」 軒下にバケツのビオトープとともに 園芸がされている。
「プロック塀と幾つかの庭」 駐車場のプロック塀をはさんで、幾 つかの庭が隣接している。
「ラインの緑」 縁石の溝に土が盛られ、緑のライン が出来ている。
アパートの住民・商店街の店主が管理する路 地の園芸
いくつかの庭と大きな壁:駐車場
並列の庭:住宅と線路 ブロック塀
雨の日は水が溜まる側溝
アパートの住民が管理する共有の庭
荒川区が管理するバラの花壇 雨の日は水が溜ま
住人によって手入れされた庭
る側溝
線状空地に放浪してきた野生の植物
コンクリートのヒビから生える野生の植物 ブロック塀の隙間から生える 野生の植物 影や隙間に生える繁殖力の強い野生の植物 雨の日は水が溜まる側溝
区が管理するバラの花壇 線状空地に放浪してきた 野生の植物
軒下のビオトープ:路地
アーケードの緑の空隙:空き地 まばらに様々な種類の野生の植物が生息 商店が取り壊された空き地
壊れた軒樋 南向きで日が差し込む
雨樋をながれてきた水のたまりが できるアスファルト アーケードの竪樋 道沿いの庭
軒樋の雨漏りを受け止める ためのバケツ
並列の庭:アパート
軒下のビオトープ:室外機
アパートの住民が管理する共有の庭
荒川区が管理するバラの花壇
軒下にしつらえたお皿
線状空地に放浪して きた野生の植物
ブロック塀
日よけのすだれ
室外機の下に生息する 野生の植物
痕跡の庭:空き地
みどりの展示壁:小学校のプール
屋上庭園
室外機からでる水を受け止める器
トンボをはじめとする水棲生物たちが 卵を産み住処になる小学校のプール
雨の日は水が溜ま る側溝
かつて建物があった基礎の跡と野生の植物 玄関の跡 側溝から顔を出す野生の植物
ベランダに置かれた植木鉢
区が管理するバラの花壇 線状空地に放浪してきた 野生の植物
大きな壁を背景にした路地の庭
5. リサーチ ラインとものさしマップ フィールドワークの上でブロック塀や線路といった ライン、そして植栽や植木橋といった都市生活者や動 植物の痕跡をマッピングしていき、ラインとものさし マップを作成した。
Primary School 学習のビオトープ
Carpark
Carpark 立体庭の家
立体庭の家
立体庭の家
Vacant lot
連続するバルコニーと緑 Carpark
Carpark
Carpark
Park
四方植木鉢の家
Vacant lot
Carpark
Vacant lot 進入禁止の庭
進入禁止の庭
Temple Vacant lot 猫の昼寝庭
Vacant lot 路地裏の秘密の庭
Vacant lot アーケードの緑の空隙 Shopping Acade
Junior High School
Carpark
ブロック塀といくつかの庭
Toden Arakawa Line
Vacant lot
Station 鳥の休憩所
鳥の食卓
Carpark
痕跡の庭
並列の庭
蝶の食卓 Vacant lot
緑が棲みつく家
みどりの展示壁
学びのビオトープ 緑が棲みつく空家 Carpark
路地裏の秘密の庭
Station
Carpark Vacant lot 緑が棲みつく家
蝶の食卓
Primary School
Vacant lot
みどりの展示壁
Kinder Garden
Carpark
Vacant lot
Carpark 線路脇の線状緑地
街角ガーデン 植木鉢のブラインドカフェ 保育園児の散歩ルート
ガイドラインの庭 日当たりの庭
Joban Line
Super market
背景の生垣 Vacant lot
太陽と動く庭
立体庭の家
Carpark ひび割れに棲みつく野生の草
軒下のバケツの家
植木鉢と窓のリズム
Vacant lot Vacant lot 路地裏の秘密の庭 Carpark
緑が棲みつく家
0m 10
20
40m
5. リサーチ 三ノ輪の都市生活者と動植物連関図 荒川一中前駅
三ノ輪のゆるくて日常的な動植物との連関図 三ノ輪橋で偶然出会った S さんは、引っ越して からというもの自分の家というラインを超えて自 主的に都電荒川線沿いの草むしりなどのメンテナ
種を落とす
ンスをしている。確かに都市のラインと都市生活
見する。何気ない日常の行為が自然に寄与してい たり、気づかないところで動植物が居場所を見つ け日常の周りでうごめいていることを想像する。
STATION
朝 1 0 時 、カートに乗 せられた保 育 園 時 たちが 南 千 住を一 周する。子 供 達 は電 車をながめながら外 の 環 境と触 れ 合う。
休む 散歩する
観察する
がある。 人々の慣習とそれを取り巻くちいさな動植物を発
南千住第三幼稚園
飛んでくる
世話をする
者の行為と動植物の間には無自覚で日常的な連関 三ノ輪の小さな自然の観察を通して、三ノ輪の
SHOPPING STREET
ちいさな駅では様々な訪 問 者 が 行き来する。屋 根では鳥たちが 休み電 車 が 去ると、線 状に広 が った草むらに降り立って何 かを 探している。
待つ
食べる
沿線を手入れするSさん
空き地シードバンク
線 路 の目の 前 に引っ越してから5 年 が 経 つ Sさん 。家 の 垣 根をこえて自 分 の 庭 のように3 0 0 mもの 沿 線 のゴ ミ拾いや 草 刈りをつづけている。
建 物 が 壊され 土 が 現 れたとき、大 地 に 眠っていた種 たちが 水 や 光 センサーを キャッチして目を出す。時 には鳥 が 種を 運んでくる。草 むらには昆 虫たちが 来 て、鳥 たちの 食 卓 になるだろう。 世話をする
瑞光小学校のプールとビオトープ
空地に繁茂する 世話をする
全校生徒は100人弱のちいさな小学校。 理科 の時間はタブレットをもって敷地内のビオトー プの自然に触れたり、 秋から春にかけて放置 されたプールに生息するいきものを観察する。 プールにはヤゴをはじめとする水棲生物が棲 みついている。
バラの花壇 荒 川 線 の 沿 線 上 にバラの 花 壇 が 連 なる。写 真を撮る人 の周りで、ミツバ チたちが 蜜をあつめている。
線状空地のみどり 繁殖する
路地の植木鉢ストリート
学ぶ
三ノ輪には植木鉢自然をを介 した道のコミュニケーションが ある。
FALL - SPRING
早稲田駅から至る三ノ輪橋駅まで様々 な緑地を通過する線路上にも野生の植 物が繁茂している、
屋根から
バケツを置く
泳ぐ 半年の放置
SUMMER
バケツを置く
バケツの水やりビオトープ
植物の侵略 植物は放っておいたら工作物をのみこ むほど生命力が強い。 三ノ輪には植物 に飲み込まれた工作物が点在する。
雨 から漏れる水をキャッチす るためにバケツをしつらえる。 防 火のためでもあるが、 主に植物の 世話に使われている。 放置された バケツには水草が生えている。
密かなオアシス
側溝へ
人の手や意識の届かない場所に野 生の植物は生息する。側溝や室外機 の下、人通りの少ない路地は植物た ちが居場所を獲得するオアシスな のかもしれない。 三河島浄水所へ
6. 設計 三つの計画と作法 ご近所付き合いの中で動植物を含むゆるくて小 さなインフラを補強していくことが、都市の自然 との接点を増やしていく手段になると考えた。 「自然を介してラインを侵略してくこと、もしくは 侵略をゆるすこと」を考えていきたい。 ラインを横断するための都市生活者個人の行為 と三ノ輪の自然の連関を組み合わせていく。これ はラインに新たな役割を与えていく行為である。
A B C
A はじまりの庭
解体・解放される庭 商店街
側溝に植生する植物に着目し、アーケードの屋根に沿 う長い側溝の蓋に緑が生息する余地を与える。日常に隠
形式に倣う園芸
れていた側溝沿いの小さな自然を顕在化することで新し
側溝の庭
い緑のラインを生み出す。 軒先の庭を受け入れるようになると前面を庭として開 放するようになり、線的なアーケードに溜まりの空間が つくられてくる。この計画を契機に、商店や住宅が少し ずつ解体され、三ノ輪の人々が自由に管理する庭が生ま 瑞光公園
れるかもしれない。
アーケード沿いの長い側溝 瑞光公園 商店街
アーケード
ちいさな自然に目を向けることで今までの商店街の形式が解体されていく
公園へゆるくつながる小道 2F PLAN S=1:200
GL+200
痕跡の庭 Garden
GL+200
解体される形式
はじまりの庭 firsr garden
側溝の緑に倣う園芸
0
1
2
3
4
5M
1F PLAN S=1:100
ROOF PLAN S=1:200
▽GL+7200
ライン:長い側溝沿いに生まれる緑 対象:三つの商店 靴屋 呉服屋 焼き鳥屋
▽GL+3000
周辺:アーケード 講演 商店 住宅 路地 現状:住民の生活の一部であるアーケード商店街。歯抜け に空き地になった土地には雑草が生えている。一歩路地に 入れば、住民たちの園芸が道を介して行われている。
▽GL
SECTION S=1:100
広がる側溝の小さな庭
B ガワハウス
周囲の使われ方を観察しながら、壁を再構築するこ とを考えた。時には自然を、動物を、人をものさしと しながら、この土地を再編していく。
商店街
訪問者のためのゲストハウスと三ノ輪に住む人々の ための集会所を備え、この計画を基点に周囲の閉鎖的 なラインが崩れていき地域に新たな境域が生まれるだ ろう。 飛び出す雨樋
緑の展示壁になる塀
水やりの拠点 S さんの手入れ動線 線路沿いの花壇の拡張
人と鳥のためのパーゴラ
荒川一中前駅 植物・小動物が通れる小さな隙間 都電荒川線 商店街
園芸の路地
駐車場
荒川一中前駅
居室 Guest room GL+3000
小さな屋上菜園 Roof garden GL+3000
雨水の池 Rain water
3000
伸び縮みする庭
道具置き場 storage
浴室 bath room
2F PLAN S=1:400
2600
GL+200
GL+3150
GL+3300
1950
洗面所 lavatory
屋上テラス terrace
居室 bed room
倉庫 storage
居室 Guest room
6300
居間 GL+200
小さな屋上菜園 Roof garden GL+3000
4500
書斎 study room
WSスペース
GL+3000
18350
緑の展示壁
屋上テラス terrace GL+3150
居室 bed room
GL+200
GL+3300
GL±0
パーゴラの待合所
Sさんの手入れ動線 5400
5400 駅 Station
ROOF PLAN S=1:400
5000
15800
1F PLAN S=1:200 ライン:大きなブロック塀の隣地境界 対象:駐車場
▽GL+6000
周辺:住宅地 路地 線路 商店街 現状:商店街裏の住宅が壊され、高い壁に囲われた 駐車場になった. そこにはいくつかの庭が接している。
▽GL+3000
▽GL Section
S=1:200
LAND PLAN S=1:400
路地の園芸 アルミの屋根 落差で雨音がひびく
ビオトープ
展示の壁と目線の先のビオトープ
目線の高さまで低くなる屋根 緑の展示壁
C ビオギャラリー
プール
都電荒川線
全校生徒 100 名弱 小さな学校の小さなビオトープ
路地の園芸
は理科の時間に使われる。
ビオトープ
プールの大きな壁は住宅側では「緑の展示壁」展示空 間のように使われているこの道一帯の慣習にならって、 ビオトープでの学びを地域と共有するような場をつく る。またアルミ製の屋根は雨の日は音を立て、そして
荒川区立瑞光第六小学校
その極限まで低くのびる屋根は壁ではない境界となる だろう。 これにより、ビオトープの観察・手入れを通した動 植物との接点が地域に開かれ、止むを得ず塀で囲まれ る小学校にビオトープを中心とした学びのコミュニ ティが生まれる。
緑の展示壁 プール
ライン:小学校の塀
対象:小学校のビオトープ 周辺:植木鉢ギャラリー 緑の展示壁 線路 野生の植物の住む空き家 住宅街
7500
3500
3500
雨音が響く屋根
3270
▽GL+4000
▽GL+2500
雨が降り注ぐビオトープ ▽GL+500 ▽GL S=1:100
ROOF PLAN S=1:100
7500
SECTION
3500
3500
まなびの展示 exhibition まなびの展示 exhibition area
3270
道具置き場 Storage
GL±0
まなびのテーブル learning area
プール Swimming Pool
GL+500
1F
PLAN S=1:150