花岡大樹 portfolio

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HIROKI HANAOKA Portfolio


卒業設計で書き上げた添景たち



花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portfolio

花 岡

大 樹

Hanaoka Hiroki

【経歴】 1996.09.26. 生まれ 2015.03. 北海道大麻高校 卒業 2021.03. 室蘭工業大学 建築社会基盤学科 卒業 04. 室蘭工業大学大学院 環境創生工学系専攻   環境建築学コース 山田深研究室 所属

【受賞歴】 2019.03. 室蘭工業大学 創の会

創の会賞

2021.02. 室蘭工業大学 卒業設計

最優秀賞

2021.02. 赤れんが卒業設計展 2021 2021.03. 北海道組卒業設計合同講評会 2021 2021.03. AIJ 日本建築学会北海道支部 2021.03.

室工大 OB 山之内裕一氏の事務所へ。 これまで何度か訪問し、貴重なお話を伺いました。

4 年間アメリカンフットボール部に所属。現役最後の年は 1 部リーグ進出に貢献。

80選 谷尻誠賞 学内推薦作品 銅賞

北海道組卒業設計合同講評会にて。 谷尻誠氏から講評を頂きました。


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portfolio

【オープンデスク】

2019

堀尾浩建築設計事務所(模型製作)

2020

アトリエブンク(模型製作アルバイト)

2020

米花建築製作所(模型制作、CG パースアルバイト)

Adobe

illustrator,Photoshop,Lightroom

CAD

Archi CAD,Vector Works

CG

Archi CAD,Sketch UP,Twinmotion

Mail

hiro.hana0926@gmail.com

【スキル】

【連絡先】

21041059@mmm.muroran-it.ac.jp Phone

080 4502 8926


Design concept

風景と呼応する建築を目指す


私は設計をする際に、 「風景として建築がどのように立ち現れてくるか」を意識しています。 風景とは既に存在しているものであり、自然、地形、気候風土といった様々な要素から成り立ち、 そこにしかない場所において建築もその場所でしかできない空間体験を目指すべきであると考えます。 日常的に利用される建築が、当たり前の風景として目の前に現れてくることを目標に設計活動を行っています。


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portfolio

目次

01. 卒業設計              振る舞いの器 - 窪地と一体化した公園のような建築 02. 建築学会設計競技 2021        紡風壁 03. 建築学会設計競技 2020        殻を広げる暮らし - しきち・いしき・ふるまい 04. 修士設計課題            森の浮き船 05. 学部設計課題            とおりみち 06. 学部設計課題            円と街路樹 07. 研究室活動を通して         山鼻教会コンペ、室蘭市中央町楽しまさる広場 08. アメリカンフットボールを経験して  リーグ優勝から考えた、チームで勝つために大切なこと 09. 建築と写真             写真を撮る工程は建築設計に似ている


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portfolio

01

振る舞いの器

05

とおりみち

室蘭工業大学 卒業設計

窪地と一体化した公園のような建築

学部設計課題 複合施設

02

06

日本建築学会設計競技 2020

殻を広げる暮らし しきち・いしき・ふるまい

学部設計課題 ドミトリー

円と街路樹

03

紡風壁

07

山鼻協会コンペ+楽しまさる広場

日本建築学会設計競技 2021

研究室活動

04

森の浮き船

08

アメリカンフットボールを経験して

修士設計課題 ミニ・バンガローの設計

課外活動


01

花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

室蘭工業大学卒業設計

振る舞いの器 ー窪地と一体化した公園のような建築―

室蘭工業大学 卒業設計 赤れんが卒業設計展 2021 北海道組卒業設計合同講評会 2021 AIJ 日本建築学会北海道支部       〃

最優秀賞 ( 学内 1 位 ) 80 選 (596 作品中 ) 谷尻誠賞 学内推薦作品       銅賞

地形がつくり出す「斜面」の可能性を探る。 思わず座り込んだり、寝転んで空を見上げたり、 その先の景色に期待をしたりと水平面の上で生活することがほとんどの 私たちにとって、斜面でできる行為は実に多様である。 本設計は、誰も目を向けることのなかった斜面を建築で顕在化することで、 より魅力的な場へと転換することを試みたものである。

計画地の公園の斜面。 緩やかでおおらかな傾斜は様々なアクティビティを 誘発することを実感し、斜面と一体化した建築を目 指した。

-5-


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio


1. 背景

花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

2. 配置図

地形は様々な傾斜をもち、そのうえに成り立つ自然と建築、 そして人々の営みは相互に何かしらの影響を及ぼし合っていると考ます。

水平面のうえで生活することが多い私たちは、もしかすると 地形がもたらしてくれるアクティビティの可能性に気づいていないのかもしれません。

そこで本設計では、緩やかでおおらかな斜面をもった公園を計画地とし、  公園の斜面と建築が一体となり、 その場所で傾斜地ならではのアクティビティが生まれるような空間を提案します。

0

-3-

200m


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

-4-


3. 湯川公園と窪地について

2 1

3 4

1:湯川公園全体をみる。既存のバスケットコートや複合遊具が設置され ている。2:敷地西側の斜面。道内では珍しいメタセコイヤの木や、ポプ ラの大木、栗の木等がある。3:窪地の北部。何度も調査に訪れたが、この 斜面を利用している人はいなかった。4:駐車場と複合遊具の位置関係を みる。人々はここで限定的な遊びをしているという印象を受けた。

-5-


4.Diagram

1. 均質な窪地の空間に対して、

2. 大小さまざまな屋内空間を分棟形式で配置

3. 地形に沿ったスラブと柱を建てる

4. ふわふわとカーテンのような屋根がかかる

-6-


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

斜面で起こりそうなアクティビティを考えます。 これらのアクティビティの組み合わせにより、無数の斜面の使い方が 出てくるでしょう。


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

これらのアクティビティを「振る舞い」と名づけ、本設計の敷地である窪地を「器」と見立て、 「振る舞い」を「器」のなかに落とし込みます。 「振る舞いの器」というタイトルの由来です。


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

03-1. 基本構成―公園の東屋を延長させたような建築 1

2

床、柱、屋根の空間をつくる

03-3. 窪地の地形と高低差を利用した 4 つの「屋内広場」 3

屋根を延長し、庇+半屋外空間をつくる

1

4

床を延長し、建築の領域を広げる

場所ごとに床、屋根を湾曲させる

03-2. 断面計画―窪地に建築が溶け込んでゆく 1

2

建築をおいてみる

3

屋根を窪地側へ伸ばす

窪地を見渡せる

地形の求心性を利用した

「食の広場」

「運動の広場」

3

4

床を延長して

2

窪地に溶け込ませる

4

傾斜に屋根をかけた

斜面に近似した

「図書の広場」

「だんだん広場」


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

A’

手を伸ばせば屋根に届く場所 いつでも通り抜けできる

落ち着いて一人で過ごせる場所 地域住民を誘い入れる屋根

落ち着いた中庭

既存の街路樹を歩く四季の道 ±0

冬はそり滑りができる

公園入口

きれいな芝生に寝転んで 空を見上げる

-1,000 -2,000

傾斜がそのまま観覧席になる 窪地の求心性を活かした

-3,000

斜面に近似した

「だんだん広場」

スケートボードができる場所

「運動の広場」 -4,000

窪地を見渡す

「食の広場」

大木のある中庭 室内の傾斜から連続した外部 中と外を一体として使う 桜の下でお花見 天気のいい日は外 悪い日は中でボール遊び

木漏れ日のテラス

B

様々な場所からの動線と 視線交錯する場所

時間帯によって 室内に木漏れ日が落ちる

B’

コンクリートに座って コーヒーを飲む 木によって強い季節風を防ぐ 外で遊ぶ子供を 室内から見守る

段差が様々なアクティビティを 引き起こす引き金となる

木陰のベンチ

シートを広げてピクニック

φ=100mmの鉄骨柱と 樹木が調和する

-4,000

木漏れ日が内部まで落ちてくる 屋根下テラス

円形の本棚

-3,000

食・読の中庭 屋根と木々で囲まれた 中庭のような外部空間 道を歩いていると テーブルとイスが現れる

本を持ち出して自分の お気に入りの場所で読む

-2,000

活発な中庭 木の下で昼寝 傾斜に合わせたごろごろ広場

-1,000

屋根が窪地方向へ 引っ張られるように伸びる

±0

子どもが斜面をかけ登って遊ぶ

+1,000

傾斜に屋根をかけた

窪地から一番高くて 見晴らしのいい場所

「図書の広場」 屋根の下でBBQができる

+2,000

既存の散歩道へ

A


7,250

花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

17,250

47,500

A

154,5

C

B

24,250

A

27,500

B

30,500 148,250

C


500

花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

40,750

21,500

D

27,500

F

E

66,000

D

E


エゾヤマザクラの花びらが舞う

メタセコイアなどの珍しい木々が見られる森

GL+7,500mm

GL+4,200mm

GL+1,000mm

GL-7,000mm

多目的広場

既存の散策路

斜面をかけ登った先には 広大な芝生が広がっている


ふわふわとカーテンのように架かる屋根

屋外テラス 円形の本棚

様々な高さの視線が交錯する 木漏れ日が心地いい 木漏れ日の下でお昼寝 芝生のごろごろ広場

外で遊ぶ子供を見守る


住宅より低く抑えらえた屋根が 周囲への圧迫感を軽減する

市民を誘い込む曲線 市民が自由に使える「運動の広場」 斜面をそのまま観客席に


GL+5,200mm

線屋根

GL±0mm

GL-4,000mm


淡紅色 ♯fadce9


夏虫色 ♯cee4ae


淡香 ♯f3bf88


白鼠 ♯e6e6e6


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

既存の街路樹を歩く四季の道

柔らかな曲線屋

車道、歩道からも窪地での

アクティビティがちらっと伺える 埋め立てられた地形

好きな飲み物を持って外へ


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

窪地の地形が天然のスキー場となる

斜面に近似した「だんだん広場」

住宅の 1F リビングから公園の様子が伺える

屋根が人々を窪地へと誘う

埋め立てられた地形 窪地の求心性を利用した「運動の広場」


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

既存の地形が、そのまま観客席となって利用される。 窪地の高低差、屋内広場を利用したアクティビティの設計。

「図書の広場」内観イメージ。 人々は斜面に座ったり寝転んだり、自由な態勢で本を読むことができる。


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

「食の広場」から窪地側を見る。 道路と同じレベルにいながら、公園全体を俯瞰することができる。


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

別の視点からみた「食の広場」。 外部の傾斜と連続するように屋内を利用する。好きな飲み物を持ってイベントをみる。

カーテンのようにかかる屋根。 高い場所、低い場所が連なり、子どもたちの絶好の遊び場を形成する。


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

斜面の様子。誰のものでもない公園で、一人ひとりが自由な時間を過ごし、 訪れる度に違った風景が現れる。


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

誰も目を向けることのなかった、公園の斜面。 そこには様々なアクティビティの可能性を秘めている。 その魅力を建築によって引き出すことで 新しい公園の在り方を提案した。 かつて、灌漑用水路として利用された川は 都市の発展とともにを埋め立てられてしまった。 その歴史を否定せず、 敷地の魅力、地形の起伏に着目して 建築のあるべき姿を模索した。

この場所がいつまでも肯定され続ける場所であることを願う。


02

花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

日本建築学会設計競技

「まちづくりの核としての福祉を考える」

紡風壁 ぼうふうかべ

二つの町で異なる掘立壁の使われ方を、 建築が紡ぐような知的障害施設を考える。   内壁と紡風壁でそれぞれ性質の異なる壁が、福祉施設という均質な空間に個性を反映させる。 個性、暮らしを反映するように建つ紡風壁が作り出す風景は 彼らにしか作り得ない世界になるだろう。

人々がその世界を享受しながら、掘立壁の新たな可能性を広げ、まちづくりへと繋がっていく。

断面のファーストスケッチ。 障がい者にとって、どのような光環境、動線、天井高さが望ましいか、 見えない相手との対話に楽しさを見出した。

-5-


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

1. 背景―知的障害者 知的障害者施設を考える際、一般に個の空間をできる限り確保することと、環境や 場面の変化に応じて利用者の主体的な対応を促進することが求められる。 また健常者が障害者に対して抱く「かわいそう」という思い込みが当事者にとって 知的障害以上に大きな障害になっている。 本提案は敷地周辺に残る掘立壁を、知的障害者の見ている世界を表現するツールと して捉える。掘立壁の風景を繋げ、彼らの世界を健常者に分けてもらうことで健常 者と障害者のギャップを埋め、掘立壁の空間の可能性を広がるきっかけになるだろう。

北海道江差町の敷地調査。 手書きすることで細部までの情報をインプットする。


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

2. 敷地 - 北海道桧山郡江差町―掘立壁の風景と二つの町の使われ方の違い 海岸町

南浜町

Site

たば風 ■海岸町

■南浜町

海岸町:

南浜町:

住宅の道路を挟んで海側に面した掘立壁は、板が張られていないも

海側は同じような素材で掘立壁が連続し、海との関係を絶っている景

のが散見される。また、板が張られているところは異なる素材を用い

色が続いている。また、海岸町とは違い掘立壁の裏の利用が見られず、

られたり、窓やドアを設置したりなど住人の性格があらわれている。

駐車場やガーデニングは住戸の横で完結しているものが多い。住宅側に

さらに、掘立壁の裏では駐車場として使用されていたり、ガーデニン

も掘立壁を設置している住宅があり、壁の足元を開けたりなど、冬の厳

グをしているなどの特徴が見られる。

しいたば風から住戸を守る工夫が見られた。

N


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

3. 提案 - 途切れた風景を壁によって縫い合わせる 掘立壁の性質が異なる二つの町の間で掘立壁の文化を建築によって紡いでゆく。 この建築は 3,640×3,640mm のグリッド、東側に設けたハイサイドライト、そして江差の原風景とも言える「たば風」を 防ぐ掘立柱による紡風壁の3つの要素で構成される。 ハイサイドライトから取り込まれた光は上部の白い空間で拡散し、高さの異なる垂れ壁によって各グリッドに異なる光を落 とす。この垂れ壁は、緩やかに目線を遮ることや足元を繋げることで空間の在り様を変化させている。   紡風壁は、居住者の光の感じ方の度合い、外部との関わり、趣向によって紡風壁に開口を住民自ら手を加えることを想定す る。紡風壁の可変性により、彼らが認識している世界がファサードに現れるとともに、この町の防風壁の可能性を広げるこ とに寄与するだろう。   垂れ壁と紡風壁の異なる壁が、福祉施設という均質な空間に個性を反映させる。個性、暮らしを 反映するように建つ紡風壁が作り出す風景は彼らにしか作り得ないものになるだろう。

4. 構成ダイアグラム


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

5. 配置図+平面図 D

C ⑤

A

④ ③

E

B

D

C

B

A

101,920

N

-4-

10,920

E

①作業スペース(木場) ②カフェ ③土間 ④食堂 ⑤機械室 ⑥居室(1名) ⑦リビング ⑧学習室 ⑨図書室 ⑩W.C. ⑪受付、事務 ⑫エントランス ⑬トレーニングルーム ⑭共同キッチン ⑮談話室 ⑯大浴場


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

6. 長手立面図


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

7. 空間

全体パノラマ

健常者にも開かれた土間とカフェ

廊下には居住者の個性が

れ出る

作業スペース

8. 断面図

A-A 断面図

最高高さ GL+7,000mm

最高高さ GL+7,000mm

GL+2,660mm

GL+2,660mm

GL±0mm 3,640

3,640 10,920

3,640

B-B 断面図

B-B 断面図

GL±0mm 3,640

3,640 10,920

3,640

C-C 断面図

3,640

3,6 10,


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

廊下と繋がるリビング

640 ,920

居室より西側をみる

最高高さ GL+7,000mm

最高高さ GL+7,000mm

GL+2,660mm

GL+2,660mm

GL±0mm 3,640

D-D 断面図

GL±0mm 3,640

3,640 10,920

3,640

最高高さ GL+7,000mm

GL+2,660mm

E-E 断面図

GL±0mm 3,640

3,640 10,920

3,640


スタディの一部

花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio


03 日本建築学会設計競技 2020

花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

殻を広げる暮らし

∼しきち・いしき・ふるまい∼

北海道は厳しい冬の気候に備えるため、 壁が厚く、堅牢な住宅が主流となっている。

そのため、本州に比べて外部空間をうまく利用できているような 住宅は多くないと考える。

北海道の外部空間は「誰のものでもない庭」が潜在的に広がる。 そこに対して住民の意識を、 「自身かつ他人の庭」であると認識を変えることを目指す。

外との新しいつながりを持った住まいの提案である。

全体を俯瞰する。新たに設計された住宅により、その周辺の「そと」の使われ方が次第に変化していく。


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

1. 敷地―北海道帯広市 都市計画と防火区域線に着目する。

旧防火区域線 公園路

(都市計画ライン)

大通公園

計画位置

敷地図 帯広市は「格子状街路+放射状街路」の都市構造を持ち、大正10年に4本の火防線が計画され、 中央の大通公園から放射線状に伸びる。当時、この防火線は延焼遮断帯と消火活動路・避難路として機能をしていたが、 住宅性能の向上による火災の減少に伴い防炎機能の役割を終え、現在は地域住民が利用できる緑豊かな公園路になっている。

N


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

2. 提案―人々の意識の拡張「誰のものでもない庭」から「みんなの庭」へ

敷地

住宅内

住宅内 =

住宅内

敷地

住宅内

住宅内 敷地

北海道の住宅地は、住宅の堅牢性ゆえに外壁で閉じられ、 〈誰のためでもない庭〉が広が っている。そこで、このような庭を〈みんなの庭〉である状態に住民の認識を変え、外との新 たなつながりを持った住まいを提案する。 本計画においては、老朽化の著しい空き家を対象とした建て替えにより、外に対する認識を 変えるとともに意識を拡張させることを目指す。

生活に合わせてフロアを変化させる

このスラブは住人の生活の中心となるいわば 核 となる。それ以外の床面を振り下げるこ とで、暮らしの視線とGLが同じライン上に重なり、内に居ながらも外とつながっているよう な感覚を起こす。 このような状態を作り出すことで、住人による庭の手入れが内部での生活空間をより豊か にする。また同時に、手入れされた庭が公園路を散策する際のシークエンスの一部となり、 公園路全体が〈みんなの庭〉で構成する状態を目指す。 生活の中心⇒意識上は GL・外部

既存の敷地外

既存の敷地の範囲

GL⇒意識上は住宅の空間

既存の敷地外(公園路)


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio GL-800

3. 住宅の構成 GL-600

GL±0

GL±0

生活の核に合わせてハイサイドから 採光をとれるようにする。

GL-400 GL-600 GL-1200 GL-300

生活の“核”以外にも FL=GL になっている

住宅内部を ことで、庭

外壁は旧防火区域線を超えて建てる。 プライバシー、断熱の観点からから 大きな開口部は設けず、地窓を採用する。

GL-400 GL±0 GL-700 生活の核に対して垂直に壁を配置し、 各室を区切りながらも、 どの室も生活の核と繋がる。

GL-7 GL±0

生活の核とGLを える。 外部と連続した繋がりが生まれる。

基本の生活FLはGLより下に設定。 座る、寝るなどの人の行為に伴う アイレベルの高さに沿ってFLを変化させている。

GL-1000 GL-400 GL±0 GL-600

GL-400

生活の“核”とカーポートを接続すること で住宅内の意識が庭へと拡張される


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio 住宅に囲まれるように建つ GL±0 GL-200 GL-700 GL-700 GL±0

GL±0

公園路に面していない場所にも公園の豊かさを感じられる ような軸方向に生活の“核”が伸びる

を壁で斜めに仕切る 庭と一体になる

GL-600

GL-400

700

GL±0 GL±0

GL-400 GL-400

空地の角地に庭を伸ばすことで〈誰のためでも ない庭〉を上手く使えるようになった

GL-900

GL-900 GL-750 GL±0

GL-750

GL-850

GL-750

生活の“核”にダイニングを挿入することで、公園の上で 食事するような感覚を味わうことができる

平面図 S=1/250 Plan S=1/250

N


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

4. 断面図

Sun light

地窓を介して 庭と繋がる 地窓と生活の中心が GL を基準とすることで、庭へと意識が広がる


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

Sun light

カーポートを拡張することで、 自分の領域も広がる 生活の場が GL と連続する

断面図 S=1/100 Section S=1/100


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

道路から生活を見る。天井部から生活の核に光が落ちる。

地窓から庭が連続し、室内と庭が一体とつながる。


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

庭と同じ高さの生活の核が営みの中心になる。


04

花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

室蘭工業大学 修士課題 ミニ・バンガローの設計

森の浮き船

Floating boat in forest

森のなかに浮かぶ、小さな船のような建築をつくりたかった。

狭小な空間で何が可能かと考えた時に、物理的な高さを与えて 森と対峙できるような展望台にしようと思いついたのがこの建築のはじまりだった。

神輿のような井桁の上に、その名の通り浮かぶ風呂桶に入ると 全面が森に囲まれた贅沢な景色を味わうことができる。

刻一刻と変化していく森との対話から生まれるのは、 ひとりの時間をもてる場所。そして、森の一部になれる場所だった。

I was wondering what I could do in a small space, with a physical height I was waiting for the beginning of this architecture, which I thought was at the forest and the confrontation tower observatory. In the famous well bathtub of the portable shrine, with dew in the tub that floats in its name The continuation is in the forest. From the moment-to-moment dialogue The dialogue with the forest comes from It was a place that was about the forest.

-5-


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

1. 平面図 GL+450mm

地窓から外の光を採り入れると共に、動植物の様子が伝わる。


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

GL+3,550mm

「浮き船」から 360°開けた空間。日常生活では体験できないことを建築で実現したかった。


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

2. 平面詳細図 S=1:30 GL+450mm 外壁: 道南スギ バテン材 道南スギ 突板 通気層胴縁 防水透湿シート 構造用合板

t=17mm t=17mm t=18mm t=12mm

床: 表面強化剤シールハード コンクリート金ごて仕上げ 構造用合板

455

4

1,820 910

3

ロフトハシゴ LT-2400 15 段

455

2

1

壁: 漆 プラスターボード 構造用合板 柱間充填グラスウール

t=12.5mm t=12mm t=105mm

1,100

A

N

1,440

1,100

3,640

B

C

D

t=24mm


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

GL+3,550mm 外壁: 道南スギ バテン材 道南スギ 突板 通気層胴縁 防水透湿シート 構造用合板

FIX 窓

横滑りだし窓

455

4

3

横滑りだし窓

1,820 910

浮き船 GL+2,560mm

455

2

1

壁: 漆 プラスターボード 構造用合板 柱間充填グラスウール

t=12.5mm t=12mm t=105mm 1,100

A

FIX 窓

N

1,440

1,100

3,640

B

C

D

t=17mm t=17mm t=18mm t=12mm


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

3. 立面図 S=1:40 南・北側立面図

最高高さ

GL+4,190mm

2FL

GL+2,560mm

1FL

GL+210mm

GL

1,100

A

1,440

1,100

3,640

B

D

E


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

東・西側立面図

最高高さ

GL+4,190mm

2FL

GL+2,560mm

1FL

GL+210mm

GL

455

1

910 1,820

2

455

3

455

4

4

910 1,820

3

455

2

1


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

4. 断面図 S=1:40 南・北側 屋根: ガルバリウム鋼板 t=0.4mm アスファルトルーフィング 22kg 構造用合板 24mm(12+12mm)

FIX 窓

ロフトハシゴ LT-2400 15 段

外壁: 道南スギ バテン材 道南スギ 突板 通気層胴縁 防水透湿シート 構造用合板

天井: t=12mm 構造用合板 t=150mm 押出ポリスチレンフォーム 45×45mm @455mm 野縁 t=24mm プラスターボード

壁: 漆 プラスターボード 構造用合板 柱間充填グラスウール

床: 表面強化剤 シールハード コンクリート金ごて仕上げ 構造用合板 t=12.5mm t=12mm t=105mm

1,100

A

1,440 3,640

B

1,100

D

E

t=17mm t=17mm t=18mm t=12mm

t=24mm


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

屋根: ガルバリウム鋼板 アスファルトルーフィング 構造用合板 24mm(12+12mm)

東・西側

FIX 窓

ロフトハシゴ LT-2400 15 段

外壁: 道南スギ バテン材 道南スギ 突板 通気層胴縁 防水透湿シート 構造用合板

壁: 漆 プラスターボード 構造用合板 柱間充填グラスウール

t=12.5mm t=12mm t=105mm

455

1

910 1,820

2

455

3

4

t=17mm t=17mm t=18mm t=12mm


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

5. 軸組図 S=1:50―意匠と構造を連動して考える 四隅の地窓に柱を落とさないように、壁を両面から構造用合板で固める。 壁を面として構成することで意匠的なコンセプトと構造が共存している。

最高高さ

GL+4,190mm

2FL

GL+2,560mm

1FL

GL+210mm

GL

1,100

A

1,440 3,640

B

455

1,100

D

E

1

910 1,820

2

455

3

455

4

4

910 1,820

3

455

2

1


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

地窓が納まる部分。


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio


05

花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

室蘭工業大学 学部課題 複合施設

とおりみち 創の会賞 受賞

人口減少の深刻化するまちにおいて、 新しく複合施設を建てることの意味を考える。

忘れ去られた場所の魅力、緑の豊かさ、 それらを建築によって再認識させることを試みた。

人々が目的を満たしながら、まち、人との 接続可能性を実感し、よりよい白鳥台へ発展することを目指す。


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

全体を俯瞰する。4面が接道する敷地のうち、交通量の多いとおりに着目し、それらを結ぶような建築を目指した。


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1. 敷地―北海道室蘭市白鳥台

SITE

人通りは一切見られなかったものの、 交通量の多さが印象的だった。

本設計の計画地。 白鳥台を車で移動する際は必ずこの敷地を通る。

隔絶された丘の上の団地「白鳥台」 北海道室蘭市白鳥台は昭和 40 に人口 24,000 人を対象として 造成されたニュータウンであり、丘陵の上に立地する。 室蘭環状線をはじめとする各方面からアクセスする際には 必ず林を通り抜けるという自立性の高さを備える。 近年は深刻な高齢化が進み、定住人口率と風呂付き公営住宅率の減少 と老朽化が著しい。

N S=1/5000

敷地は南北2面が擁壁に挟まれていながら、住宅地、集合住宅群が立地 し、他の2面は病院や郵便局、金融機関や商業施設が立地する。


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2. 配置検討―建築の外形を浮かび上がらせる

敷地、周辺環境から建築の外形を浮かび上がらせるようなイメージをした。

機能ごとにボリュームを分割し、それらを「みち」によって結ぶ案。

結果として、ボリュームに角度をつけて開けた場所、閉じた場所をつくり出した。


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

3. ダイアグラム

4つの機能を配置

それらを道でつなぐ

できた

間に

外構が入り込む

ちいさい

間、

おおきい


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N

4. 平面図 5

1.エントランスホール 2.ラウンジ兼カフェ 3.浴場エリア 4.男女浴場 5.機械室 6.プロムナード 7.書庫 8.えほん図書 9.開架書架 10.カウンター 11.事務室 12.閲覧コーナー 13.小会議室 14.中会議室 15.大会議室 16.市民貸出打ち合わせコーナー 17.市民窓口カウンター 18.市民活動相談カウンター 19.市民活動センター待合 20.市民活動センター執務室 21.トイレ 22.駐車場

5

4 4

21 3

1

FL=2,110 CH=5,725

22

7 6

8

FL=1,635 CH=6,400

1 15

6

FL+1,155 CH=3,300

9

10

11

16 FL+660 CH=5,000

18

1 12

20

17

13

20

19

GL±0

14

6

2

1


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

5. 立面図


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

1. 敷地―北海道室蘭市白鳥台


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

5. 断面図

8,195

CH=3,300

4,100

CH=5,000

11,100

FL+1,155

65,1480

市民活動センター

地区会館

市民の目的を満たしながら、外構と密接にかかわる

導線に囲まれて気配を感じる


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

4. 平面図

7,670

CH=6,400

CH=5,725

9,500

市立図書館白鳥台分館

市営共同浴場・カフェ

道に対して斜めに配置し、空間の奥行を感じる

町の顔となる場に、人の活気を呼び込む


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

「とおりみち」の両側には様々なアクティビティが起こっている。


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06

花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

室蘭工業大学 学部課題 ドミトリー

円と街路樹 室蘭工業大学内 優秀賞 (2 位 ) 創の会賞 受賞

室蘭工業大学のサテライト・ドミトリーを設計する。

このドミトリーは街路樹の四季を繰り返し、 学生が巣立つ場所であり、 円が省庁するような穏やかで豊かな関係性が形成される。

正円のスラブと幾何学状に配置した住戸によって 多様であいまいな空間をつくり出すことを試みた。

建築パース .com の「今月の1枚」に掲載して頂きました。

前面道路から建物と街路樹をみる。1F がピロティになっており、地域住民を誘い入れる。 -5-


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

1. 敷地―北海道室蘭市中島町

JR 東室蘭駅と、室蘭市の中心市街地である中島町を繋ぐ道路から 一本はずれたこの場所は知利別川がなふぁれ、見事な街路樹に心惹かれる。 今はほとんど手入れされていない休憩スペースなど、地域の住民も この場所の魅力を忘れてしまっているのではないかと感じた。


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

左手に敷地をみる。見事な街路樹との関係を再構築することを試みた。

街路樹を歩くと木漏れ日が風に揺られて地面へと落ちる。

敷地のすぐ側には知利別川が流れる。


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

2. ダイアグラム

正円のスラブに対して

抜いた円をずらす

中心を抜く

抜いた円をずらす

大きな広場、小さな個人スペースができる


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

3. 平面図

N

cafe

garally

20,000

20,000

hall


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2、3,4F 平面図


4. 断面図


07

花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

研究室活動

楽まさる広場+山鼻教会コンペ (unbuild) スタディの過程から1分の1スケールの空間が実現すること

ここでは、山田研究室で行った二つのプロジェクトを紹介します。

楽しまさる広場とは、室蘭市中央町で市役所と共同で行った 空地を利用したプロジェクト。

山鼻教会コンペは、札幌市にある山鼻教会の建て替えコンペです。

前者では、学生がスタディしたものが実際に目の前に現れて そこに人が集まることの素晴らしさと喜び、 後者では、実際に建物が建つにはどれほど多くのことを 考えなくてはならないかを肌で実感することができました。

その一部始終を紹介します。

左:楽しまさるオープニングイベントの様子。右:山鼻教会の俯瞰パース。手書きの添景を担当しました。


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio


07-1

花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

研究室活動

楽まさる広場

北海道室蘭市中央町 空地リノベーションプロジェクト

室蘭市中央町の再生のため、令和3年夏・秋の期間限定で 市所有のオープンスペースをフルに活用し、中央町に新しい日常を 創出する試みです。

山田研究室としては、「空間デザインチーム」として参加しました。 広場をどのように利用するかアイデアを出し、 基本的な空間構成から実際の広場運営まで携わりました。

プロジェクトのロゴと、広場の俯瞰パース。


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

グリッド状に配置した単管パイプに架かる「大漁旗」が無機質だった空地に彩りを与えました。


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

1. プロジェクト始動∼スタディの過程

グリッドで広場を構成することで、自由に使える場を意図的につくり出します。

前面道路からの様子。まちの賑わいを広場へ引き込むような構えです。


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

2. コンテナハウス、芝生貼りの様子

実際にコンテナハウスが置かれることで、場の様子が変化することを実感しました。

更に芝生が植わることで、この場所に息が吹き返します。


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

オープニングイベント直前の準備の様子。


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

キッチンカーや出店も出店し、予想を上回る来場者でこの場所が利用される。


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

あるグリッドの一つでは、中央町に店を構えるオーナーが子どもたちの体験スペースを設置しています。

ハンモックの場所は、いつも誰かが自由に休


休んでいました。

花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

ひとつのプロジェクトを実践する難しさ、勇気、決断力、団結力を養うことができました。


07-2

花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

研究室活動

山鼻教会コンペ (unbuild)

札幌市山鼻協会の建て替えプロジェクトを通して

山田研究室で、教会の建て替えコンペに挑みました。

「お施主様からの要望以上の建築を。」 師である山田先生の言葉を反芻するようにスタディし、 図面を引きました。

意匠図面の正しい書き方、相手へどう伝えるか、どうしたら もっと伝わるか、そんな建築の基本をもう一度学ぶ機会となりました。

学生たちで夜な夜な制作した建築模型。


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

聖堂の内観パース。この一枚に苦労と努力の全てが現れています。


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

1. 意匠図面を学ぶ

図面を引く作業。1枚1枚丁寧に添削して頂きました。


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

2. 模型の表現を学ぶ

建物はもちろん、道路の色から植栽の位置まで神経を使って材質や色を決めました。

「どこを伝えたいか」によって明確に構図を決め、信者さんへより分かりやすい表現を心がけました。


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio ▽ 9,000

鐘 ( 約 500Φ) 固定ハンマー式 ( 電気式 )

3. 信者へ「魅せる」プレゼンテーションを

縁甲板張り ( 信徒会館・神父宅部分外壁と同じ ) 内側は木造軸組現し

テレジア像

▼設計 GL

N

1,350

テレジア像

平面図

コンペの審査員は信者さんであり、教会は彼らにとって神聖なものであるから 1,350

我々は様々なことに配慮しました。例えば言葉選びや、添景や素材の選び方、 そして何より「図面の清潔さ」です。何度も紙に打ち出しては見栄えにこだわりました。


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

鐘楼を含めた全体の外観イメージ。模型写真の色彩やコントラストも落ち着いた雰囲気に仕上げました。


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

教会の内観パース。なるべく清潔に、を強くイメージして制作に臨みました。


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio


08 課外活動

花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

アメリカンフットボールを経験して チーム の歯車を担うことの大切さを学ぶ

高校時代にラグビー部に入部していたことをきっかけに、 アメフト部で4年間、チームのために尽力しました。

仲間のために体を張って道を開け、 仲間のためにボールを運び、 仲間のために考え、行動する。

そんな特徴がアメリカンフットボールというスポーツです。 設計活動と同じくらい、時にはそれ以上に時間と労力を注いだ部活動の 一部を紹介したいと思います。


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

リーグ優勝をかけた試合前の円陣。私は4年間、背番号 99 を背負いました。


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

時には土砂降りの日でも練習、試合が行われます。洗濯が憂鬱になります。


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

リーグ優勝の瞬間。これまでの努力が報われた瞬間でもありました。


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

illustrator、Photoshop の使い方を学び、SNS の発信のためポスター制作をしました。撮影からすべてを一人で行います。


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

4年間で使用したグローブたち。誕生日に同期からプレゼントして頂きました。


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

その同期たちです。練習のある日は、ほとんど朝から晩までアメフトの話をしていました。この写真は1番のお気に入りです。


引退の瞬間。振り返るとあっという間でした。たくさんの支えがあり、今の自分がいるということを実感できました。

花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

朝から夕方まで製図室でスタディ、それからアルバイト。 帰ってきて深夜まで図面を引き、早朝に朝練に打ち込み、授業には寝坊。 そんな日々を過ごすこともありました。 製図室、部室には何時に行っても誰かがいる状況です。 共に高め合い、切磋琢磨することが何より嬉しかった。 そんな素晴らしい環境で、とても居心地のいい生活を過ごすことができました。 私の学生生活はだいたい、こんな感じです。

最後にひとつ、 学年がひとつ下で、同部活、同研究室の原田耕太くんには たくさんの協力を頂きました。 部活のことで悩んだ時、卒業設計で苦しく辛い時は、 彼が忙しい時でも、アルバイト終わりからでも相談に乗り、お手伝いをしに来てくれました。 この場をお借りして、感謝申し上げます。 本当にありがとうございました。


09

花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

おわりに

建築と写真 趣味のカメラから考えたこと―写真は「空間と時間の一瞬」を伝える手段

デジタル化が進み、スマートフォンで誰でも簡単に写真が撮れる 世の中が日常的となりました。

しかし、時間と手間をかけ、一瞬の光や事象の起こりを捉えた写真だけ が持つ「伝える力」が薄れていると感じています。

建築が持つ圧倒的な美しさや、その背景にある物語。 それらを伝えるためにも写真は役に立つでしょう。

カメラならではの質感、奥行、色彩、陰影、そして緊張感。 刻々と移り変わる時間のなかで、その状態の一瞬を切り取った写真に こそ「建築の状態」が他者にも伝わるのではないでしょうか。

カメラが趣味であり、様々な建築写真と風景写真を撮ってきました。 私なりの「伝える力」が少しでも伝われば幸いです。


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

サグラダ・ファミリア内観。ステンドグラスの色によって空間に様々な表情を与えている。


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

建築に興味を持ったきっかけであるガウディ建築を見に、ヨーロッパを周遊。


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

自然界がつくり出す「もの」の状態に興味があります。


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio


花岡大樹 作品集 Hanaoka Hiroki portforio

私の学生生活を全てこの一冊にまとめました。

朝から夕方まで製図室でスタディ、それからアルバイト。 帰ってきて深夜まで図面を引き、早朝に朝練に打ち込み、授業には寝坊。 そんな日々を過ごすこともありました。 製図室、部室には何時に行っても誰かがいる状況です。 共に高め合い、切磋琢磨することが何より嬉しかった。 そんな素晴らしい環境で、とても居心地のいい生活を送ることができました。

最後にひとつ、 学年がひとつ下で、同部活、同研究室の原田耕太くんには たくさんの協力を頂きました。 部活のことで悩んだ時、卒業設計で苦しく辛い時は、 彼が忙しい時でも、アルバイト終わりからでも相談に乗り、お手伝いをしに来てくれました。 この場をお借りして、感謝申し上げます。 本当にありがとうございました。

北海道組卒業設計合同講評会 2021 にて。


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