花岡大樹 建築作品集

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花岡大樹 建築作品 集


体育会系

筋トレ

高校…ラグビー部 U18 北海道代表 大学…アメフト部キッキングキャプテン

目標を明確に定め、達成する喜びを感じる。 安定したメンタルをつくり出す。

ポジション オフェンス:ランニングバック ディフェンス:セーフティ

日々増え続ける筋トレ器具。

増量期、減量期を繰り返し、 栄養バランスを考えた食事を自分でつくる。


花岡 大樹 【経歴】

【受賞歴】

hanaoka hiroki

1996

北海道江別市生まれ

2015

北海道大麻高校

2016

室蘭工業大学 工学部 建築社会基盤系学科

入学

2021

室蘭工業大学 工学部 建築社会基盤系学科

卒業

2021

室蘭工業大学 大学院 環境創生工学専攻 建築意匠研究室

2019

室 蘭 工 業 大 学 創 の 会「 創 の 会 賞 」 満 票 獲 得

2021

室 蘭 工 業 大 学 卒 業 設 計「 最 優 秀 賞 」

2021

赤 れ ん が 卒 業 設 計 展 2 0 2 1 「 8 0 選 」( 5 8 9 作 品 中 )

2021

北海道組卒業設計合同講評会 2021「谷尻誠賞」

2021

AIJ 北海道支部卒業設計コンクール「学内推薦作品」

2021

A I J 北 海 道 支 部 卒 業 設 計 コ ン ク ー ル 「 銅 賞 」( 道 内 3 位 )

卒業

料理

写真

小学生の頃から揚げ物料理をはじめる。 毎日自炊し、得意料理は鶏肉料理。

使用機材…Canon EOS60D 風景写真、夜景撮影が得意。

サグラダファミリア内部の燃えるようなステンドグラス。


設計理念

「風景にさわる建築」 建築=風景を拡張する装置

「風景」とは目の前の景色のみを指す言葉ではなく、 その土地の歴史や地形、周辺環境、人々の営みの意味までを含めた言葉。 そんな想いを込めて「風景」と呼んでいます。

建築設計において、敷地を丁寧に分析することからはじめ、 人と人、人と場所がどのように繋がるか、より豊かな空間になるには、 そんなことを探りながら日々のスタディを重ねています。 この作品集では、これまでの建築作品を通して 自分なりの「風景にさわる建築」とはどのようなものかを説明していきます。


01. 新しい風景をつくり出す 「振る舞いの器」 窪地と一体化した公園のような建築

02. 小学校をまちに開く 「むすんで ひらいて」

03. 街路空間を建築に引き込む 「円と街路樹」

04. 四畳半で森に浮かぶ体験を 「森の浮き船」

05. 温室空間を拡張させる家 「GREEN HOUSE オンシツの家」


01

「風景にさわる建築」

新しい風景をつくり出す

振る舞いの器 - 窪地と一体化した公園のような建築 -

【卒業設計】

2021.3

室蘭工業大学

卒業設計

最優秀賞

2021.3

赤れんが卒業設計展2021

「80選」(589作品中)

2021.3

北海道組卒業設計合同講評会

「谷尻誠賞」

2021.3

AIJ北海道支部卒業設計コンクール

「学内推薦作品」

2121.3

AIJ北海道支部卒業設計コンクール

「銅賞」(道内3位)


斜面には、どんな魅力が潜んでいるでしょうか。

私たちは普段、水平な床の上で過ごすことが大半ですが、 もし、その床が傾いていたらどんな行為が生まれるでしょうか。

本設計は、見過ごされていた公園の斜面を敷地として、 「図書館」「食堂」「運動場」「ホール」を地形に沿って設えることで、 人々の行為を誘う新しい公園の風景をつくり出すことを試みた作品です。




01. 新しい風景をつくり出す

01. 斜面で起こる「10の行為」

斜面の真ん中でできること

02. 計画地―北海道江別市野幌 湯川公園の「窪地」

江別の発展を支えた石狩川の支流、屯田川を 埋め立てた際に、そのままの地形として残された「窪地」。

湯川公園の周辺には幼稚園や小学校、中学校が存在し、 子どもたちの声が聞こえてくるような敷地である。

斜面の上でできること


斜面の下でできること

10

航空写真をみる。 閑静な住宅街のなかに、開拓の当時から歴史ある森と 芝生の多目的広場、そして東側に「窪地」が存在する。

現在の「窪地」の使われ方 毎日のように子どもたちが複合遊具やバスケットコートで

0

200m

遊んでいる姿は見られるが、おおらかで緩やかな斜面に目を 向ける人は誰もいないように思えた。


03. ダイアグラム

04.4つの屋内広場と窪地の関わり方 1

窪地を見渡せる

「食の広場」

3

傾斜に寝転ぶ

「図書の広場」


2

1 求心性を利用した

「運動の広場」

4

斜面に近似した

「だんだん広場」


01. 新しい風景をつくり出す

05. 平面図

1

2

1 求心性を利用した

「運動の広場」

S=1:100

窪地を見渡せる

既存の街路樹を歩く四季の道

「食の広場」

±0

-1,000 -2,000

傾斜がそのまま観覧席になる -3,000

-4,000

大木のある中庭

桜の下でお花見

時間帯によって 室内に木漏れ日が落ちる

木漏れ日のテラス

B コンクリートに座って コーヒーを飲む

木によって強い季節風を防ぐ

シートを広げてピクニック

φ=100mmの鉄骨柱と 樹木が調和する

-4,000

-3,000

屋根下テラス

食・読の中庭 屋根と木々で囲まれた 中庭のような外部空間 道を歩いていると テーブルとイスが現れる

円形の本棚 本を持ち出して自分の お気に入りの場所で読む

-2,000

-1,000

屋根が窪地方向へ 引っ張られるように伸びる

±0

+1,000

+2,000

既存の散歩道へ


A’

手を伸ばせば屋根に届く場所 いつでも通り抜けできる

落ち着いて一人で過ごせる場所 地域住民を誘い入れる屋根

落ち着いた中庭 冬はそり滑りができる

公園入口へ

きれいな芝生に寝転んで 空を見上げる

スケートボードができる場所

室内の傾斜から連続した外部 中と外を一体として使う

天気のいい日は外 悪い日は中でボール遊び

様々な場所からの動線と 視線交錯する場所

B’

段差が様々なアクティビティを 引き起こす引き金となる

木陰のベンチ 外で遊ぶ子供を 室内から見守る

木漏れ日が内部まで落ちてくる

活発な中庭 木の下で昼寝 傾斜に合わせたごろごろ広場

4 子どもが斜面をかけ登って遊ぶ

窪地から一番高くて 見晴らしのいい場所 屋根の下でBBQができる

3

傾斜に寝転ぶ

「図書の広場」 A

斜面に近似した

「だんだん広場」


01. 新しい風景をつくり出す

エゾヤマザクラの花びらが舞う

ふわふわとカーテンのように架かる屋根 メタセコイアなどの珍しい木々が見られる森

屋外テラス 円形の本棚 既存の散策路 多目的広場

斜面をかけ登った先には 広大な芝生が広がっている 木漏れ日が心地いい 木漏れ日の下でお昼寝 芝生のごろごろ広場

外で遊ぶ子供を見守る

06. 断面図

「図書の広場」

4~5 月 江別市内一の桜の名所と言われた湯川公園に、130 本のエゾヤマザクラが咲き乱れる。

07. 繰り返す湯川公園の四季

9~10 月 燃えるような紅葉が湯川公園を染め上げる。緩やかな屋根によって結ばれた窪地と多目的広場を一体として眺めることができる。


住宅より低く抑えらえた屋根が 周囲への圧迫感を軽減する

市民を誘い込む曲線屋根 様々な高さの視線が交錯する

市民が自由に使える「運動の広場」 斜面をそのまま観客席に

「食の広場」

「運動の広場」

6~8 月 湯川公園では様々なイベントが開催され、既存地形は観客席として利用される。

11~3 月 降り積もる雪が建築と窪地の境界を曖昧にする。窪地の傾斜は天然のスキー場として子どもたちを楽しませる。


誰も目を向けることのなかった、公園の斜面。 そこには様々なアクティビティの可能性を秘めていると感じました。 その魅力を建築によって引き出すことで、 新しい、ランドスケープと一体となった公園の在り方を提示しました。


かつて、灌漑用水路として利用された屯田川は 都市の発展とともに埋め立てられてしまいました。 その歴史を否定せず、敷地の魅力、地形の起伏に着目して 建築のあるべき姿を模索しました。 この公園が、いつまでも肯定され続ける場所でありますように。


02

「風景にさわる建築」

小学校をまちに開く

むすんで ひらいて -「巨人の手」が結ぶ子どもたち -

【学内設計競技】


一般的に大都市圏を除く多くの地域では、 人口減少や少子高齢化が加速しており、それに伴う学校の統廃合は 全国共通のテーマだと思います。

本設計は統廃合の決まった小学校跡地に 「小学校が存続するという架空の設定」の下で設計した、 全校生徒が 180 人ほどの小さな小学校です。

地域に開いた小学校とはどのようなものか、 建築意匠、構造を連動させ、計画的な動線と共にデザインしました。


02. 小学校をまちに開く

00. 設計主旨

部分と全体−巨人の手のひらとこどもたち

機能や登場人物が多く部分の集合的なこの課題において、こ れらを統合するために「巨人の手」とそのまわりで遊ぶ「子 どもたち」を構想した。 大きな手のひらをむすんで−ひらくように、建築のまわりで おこるさまざまな関係を結んで内包させたり - 関係を開いて 建築の、ひいては敷地の外側へと外延させたりして、小学校 と地域にとってより良い環境を考えたい。


01. 敷地

北海道室蘭市高砂町―旧高砂小学校跡地

site

N


02. 平面計画

のびやかに広がる手のひら型建築

音楽室

理科室 地域開放玄関

キッチンカーが出店し、学校の芝生がビアガーデンに

図書室

静的 statica lly

アトリエ

会議室 校長室

地域的 localit

職員室

多目的室

y

小学校

キッチンスタジオ

eleme

屋内運動場

cally

児童玄関

緑ヶ丘公園と繋がり、 コンサート会場にもなる

普通教室

dynam i

動的

ntary

ワークスペース

音楽室

グラウンド

02-1. 機能ダイアグラム 要求されている機能をそのつながりから帯状、あるいは円 環状に並べ直して考えてみる。機能が多様なネットワーク を構築しながら互いに関係を取り合うイメージを構想する。

特別教室棟

外に出て日曜大工

地域開放棟 音楽室

理科室 地域開放玄関

図書室

静的 statica lly

アトリエ

会議室

多目的室

y

運動公園棟 02-2. 平面ダイアグラム 機能のまとまりごとにそれぞれ役割を 持たせた棟をつくる。これらを敷地形 状を考慮しながら全体に広げてゆき、 のびやかな平面を計画する。 これにより親和性のある機能が収めら れた棟が隣り合い、中心の多目的ホー ル介して、間の外部空間を巻き込んで 建物同士、あるいは建物と周辺環境と いった内外での相互作用を可能にする。

小学校通常運用時 02-3. 動線計画 円環状の機能配置と手のひら型の平面 は用途のまとまりごとにゾーニングさ れているため、目的ごとに領域を描き 変えることが可能であり、児童と地域 住民の動線コントロールを容易にする メリットがある。

ically dynam

屋内運動場

動的

キッチンスタジオ

アトリエ

校長室

地域的 localit

管理棟

職員室

小学校 eleme ntary 児童玄関 普通教室

家庭科室

ワークスペース グラウンド

普通教室棟

小学校運用 + キッチンスタジオ / 運動公園 地域開放

地域に開いたキッチンスタジオにもなる


機械室

児童玄関 職員室

理科室

職員室からの管理動線を確保

校長室

会議室

図書室

保健室

GL±0mm

図書室の閲覧室 として利用できる

物品庫

多目的ホール 外部に近いワークスペース

高低差2mを活かしたテラスのような広場

什器をレイアウトして 集会や屋内イベントに対応

GL-2,000mm

屋内運動場

キャットウォークは絶好の観客席となる

N


03.ヴォリューム 段差で高さを吸収する

要求されている機能のなかでひと際大きいヴォリュー ムである運動場を敷地内の段差の下段に配置し、高さ を吸収する。これにより段差を建築空間に呼び込み魅 力的な場所にするとともに、上段フロアと連続した キャットウォークを運動場内部に挿入することで、グ ラウンドを眺望できる観客席のような場所をつくるな どの南側外部との連続性をつくりだす。

高さを抑える

南北の連続性 屋内外運動場の連続性

段差を建築内部に呼び込む

屋内運動場

05.A-Aʼ 断面図 S=1:200 断面図 S=1:200

04. 屋根形状

全体をつくるやわらかい曲面屋根

それぞれ分散したヴォリュームと突出していた運動場

屋根のズレから採光する 夏の間は通気性を良くする

ヴォリュームを全体としてまとめ上げ、周辺環境に馴 染む外観にするため木造架構によるやわらかな曲面片 流れ屋根を棟ごとに高さを変えて架けていく。これに より中心部は屋根の隙間から日光を取り入れ通気性も 向上し、端部は庇に覆われた曖昧な空間が敷地全体へ と広がっていく。

西側立面図 S=1:200

庇に覆われた曖昧な外部空間


多目的ホール

図書室

理科室

音楽室


03

「風景にさわる建築」

街路空間を建築に引き込む

円と街路樹 - まちと繋がるサテライトキャンパス -

【学部課題】

2018.6

室蘭工業大学

優秀賞

2019.3

室蘭工業大学

2019.5

建築パース.com

創の会

「創の会賞」(満票獲得) 「今月の1枚」掲載


室蘭工業大学のサテライトキャンパスを 駅前通りから一本外れた街路樹のそばに計画します。

正円の特徴を活かし、回遊性、人の溜まり、角を作らず樹木に光を届ける という人と場所、そして環境のための建築です。

敷地の目の前にある見事な街路樹を敷地へ呼び込み、 地域の拠点となるキャンパスを提案します。


敷地―北海道室蘭市中島町

人々を誘いこむピロティと、上部へ視線と風が抜ける ヴォイドによって立体的な空間を創出する。

配置図+1F 平面図

S=1/400 カフェ

ホール 中庭

ギャラリー

ピロティ

住戸

住戸

浴場

ギャラリー

廊下

ピロティ


4F 平面図

S=1/300

3F 平面図

S=1/300

自習室

デッキ

廊下

収納 リビング

2F 平面図

S=1/300

4F 詳細平面図

住戸

住戸

住戸

住戸

廊下

カフェ

自習室

ホール

S=1/50


模型写真。 積層する円形スラブのヴォイドのずれによって 視線が交錯したり、デッキによって半外部空間をつくる。 幾何学に配置された住戸は 一人ひとりの外部スペースを持つとともに、 中廊下型の配置を緩やかに曲げることで 先への期待を持つ動線となる。



04

「風景にさわる建築」

四畳半で森に浮かぶ体験を

森の浮き船 【修士課題 / ミニ・バンガローの設計】


四畳半という狭小な空間に何が可能かと考えた時に、 物理的な高さを与えて「森と対峙できるような展望台」を構想しました。

神輿のような井桁の上に、その名の通り浮かぶ風呂桶に入ると 前面が森に囲まれた贅沢な景色を味わうことができます。

刻一刻と変化していく森との対話から生まれるのは、 ひとりの時間を持てる場所。 そして、森の一部になれる場所でした。


屋根: ガルバリウム鋼板 アスファルトルーフィング 構造用合板 24mm(12+12mm)

FIX 窓

ロフトハシゴ LT-2400 15 段

外壁: 道南スギ バテン材 道南スギ 突板 通気層胴縁 防水透湿シート 構造用合板

壁: 漆喰 プラスターボード 構造用合板 柱間充填グラスウール

断面図

t=12.5mm t=12mm t=105mm

S=1:20

455

1

910 1,820

2

455

3

4

t=17mm t=17mm t=18mm t=12mm


外壁: 道南スギ バテン材 道南スギ 突板 通気層胴縁 防水透湿シート 構造用合板

FIX 窓

横滑りだし窓

455

4

3

横滑りだし窓

1,820 910

浮き船 GL+2,560mm

455

2

1

壁: 漆喰 プラスターボード 構造用合板 柱間充填グラスウール

t=12.5mm t=12mm t=105mm 1,100

A

FIX 窓

N

平面図

S=1:30

1,440

1,100

3,640

B

C

D

t=17mm t=17mm t=18mm t=12mm


05

「風景にさわる建築」

温室空間を拡張させる家

Green house オンシツの家 【北の住まいコンペ 2021】


いま世界はコロナ禍の真っ只中にあり、 今後は以前の日常を取り戻そうとするのではなく、 それぞれ自らの生き方を見直し、次のステージを考える時代へ 移行すると思います。

本設計は、野菜などの栽培に用いられる温室に着目し、 それをヒューマンスケールにまで拡張することで 新しい生き方を提案する家です。

朝日を迎え、昼には木漏れ日が降り注ぎ、夕日が室内を真っ赤に染める。

このような様々な光を室内に採り入れる温室は、 鳥のさえずり、木立の揺らぎ、心地よい風や土に匂いといった 外の気配を全身で感じ取ることができるのです。


Greenhouse

オンシツ の イエ

01 敷地図 S=1:2,500 北海道江別市萌えぎ野西

02 温室=ソト ( オンシツ ) として捉える

03 室の構成と立体的に巻きつく「オンシツ」

ソトに身を置いた暮らしとはどの ようなものだろうか。本設計では 温室に着目し、その機能を住空間 に組み込むことで新たな外部との 関わりを生み出した。内部にいな がら自然光や木漏れ日を浴び、風 が通り抜け、様々なレベルの緑を 楽しむことができる。温室が建築 と生活スタイルを構築していく。 農作物を育てるための温室

10m×10m の床を 4 等分する

そのうちの1つを浮かせる

様々なレベルの床を設ける

外部・内部の境界を曖昧にする

温室を巻きつくように設置する

「オンシツ」が外部でのアクティビティを 誘発させる装置のような役割を果たす。 朝日が望める

西

04 身体スケールから決定される「オンシツ」のフレーム構造

1,250

1,250

1,250

1,250mm スパンの柱に架かる梁が延長され、机や本棚、手摺といった身体のスケールによって構成している。

1,250

1,250

1,250

1,250

1,250

05 立面図 S=1:150

東側

南側

西側

北側

1,250


06 平面図 S=1:100 1F

2F

Y1

書斎+ベッドルーム

5,005

子ども部屋

多目的室 GL+2,900

デッキ GL+2,900

UP

Y2

10,010

GL±0

UP

車入れ

リビング GL+2,500

DN

5,005

ダイニング GL+300

キッチン

Y3

5,005

5,005

5,005

10,010 X1

X2

5,005 10,010

X3

X1

X2

オンシツ

07 空間

オンシツから東側をみた先には、大きなスケールの自然が広がる。

リビングから南側をみる。

08 オンシツ側 断面パース

この敷地は住宅街の端に位置し、 東側には夕張岳をはじめとする雄大で美しい山脈を望むことができる。 朝日を迎え、昼には木漏れ日が降り注ぎ、夕日が室内を真っ赤に染める。 このような様々な光を室内に採り入れるオンシツに、 「自然のつくり出す大きなスケール」へ意識を向けるきっかけを担って もらうことはできないだろうか。 また、そのオンシツを構成する構造は、キッチンや机といった役目を果たす 「人と建築がつくる小さなスケール」を与えて、さらに外部へと意識を誘う。 オンシツでは鳥のさえずり、木立の揺らぎ、心地よい風や土の匂い といった外の気配を全身で感じ取ることができる。 立体的に構成したオンシツによって外の暮らしが内部にまで浸透することで、 まるで外に身を置いた生活スタイルをつくり出すことができるはずである。

ダイニングから南側をみる。時々刻々と変化する小さな自然を感じ取ることができる。

X3


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