Hiroshi Hashimoto

小説を書いております。 時間や空間というのは刻々と進化しており、我々の存在はいわば瞬間の連続に放り出された虚無のようなものなのかもしれません。そうであるならば、我々が体験する出来事というのも瞬間の連続であり、今この瞬間を捉え得たと自覚したとき、実はそれはもう既に過去の記憶なのではないでしょうか。我々は決して「この今」を捉えることはできないのかもしれません。私はそのような瞬間とともに埋もれていく記憶を探り出し、少しばかりの装飾を加えて文章化しておきたいと考えています。私が文章を書く動機はここにあるのかもしれません。