Change vol1

The Educational Research Center for Anthrozoology Newsletter

www.ercaz.jp

和 製 ヒ ト と 動物 の 関 係 学 の ために

CHANGE

By ANTHROZOOLOGY in Japan

特集 1

スペシャルコメント

Dennis C. Turner 「人と動物の関係学」 特集２

馬と人の関係と過去・現在・未来

～馬と暮らす生活～

研究

ペット飼育と医療費削減効果

ペットと医療費の関係とは

レポート

ポニーサマーキャンプ２００８

2008 年夏、子どもたちが出会ったもの

馬

上 、

枕

上 、

厠

1 / ERCAZ Newsletter / April 2009

上

の

参

上

!

ニュースレター Ap r i l 2 0 0 9

Vol.

1

創刊号

CHANGE

By ANTHROZOOLOGY in Japan

Vol.1 April 2009 Contents

4 [ 特集 1] スペシャルコメント

Dennis C. Turner「Anthrozoology( 人と動物の関係学 )」

9 [ 研究 ] ペット飼育と医療費削減効果

1 高齢者のストレスの原因となる出来事と通院回数について

～ペット飼育による緩和作用（Siegel,1990）

2 中国におけるペットの犬が飼い主に与える恩恵

～自然実験に基づく調査（Headey,2008）

14 [ 特集 2] スペシャルトピック

「馬と人の関係の過去・現在・未来～馬と暮らす生活～」

19 IAHAIO（人と動物の関係に関する国際会議）

20 [World News] コロラド州野生馬囚人更生プログラム

21 [ERCAZ News]ERCAZ プログラム紹介 22 [ レポート ] ポニーサマーキャンプ２００８ 28 イベント情報

[ 表紙の動物 ] ウメ号 （哺乳網ウマ目ウマ科ウマ属 学名 :equus caballus） [ 表紙の言葉 ] 「馬上、枕上、厠上の三上」の説…馬上 枕上厠上 ( ばじょう・ちんじょう・しじょ う ) とは、文章を練ったり、考え事を するのに最も適した場所をさす言葉で、 北宋の政治家・文人である欧陽脩（1007 - 1072）による故事 ERCAZ ＝ The Educational Research Center for Anthrozoology （ヒトと動物の関係に関する

教育研究センター）

30 書籍紹介 なぜ今、馬か！

馬は 5500 万年前から今日まで生き延びてきました。6000 年前に、ヨーロッパ（ウクラ イナ）で家畜化されたこの動物は、犬とともに、人類に貢献し尽くしてきました。畑を耕し、 荷物を運び、そして戦争にもかり出されました。しかし、今、そうした仕事はなく、まさに「失 業中」であります。5500 万年の輝かしい歴史に新たな 1 ページを付け加えるか、その歴 史を閉じるかは、この時代に生きる私たちにかかっています。もう一度、この素晴らしい 動物を考えてみたい。その思いが馬を創刊号の主役に押し立てたのです。

創刊のことば ヒトと動物の関係学のメーンテーマは、動物の人の健康への影響

と動物とのより良き共生であります。この分野の欧米諸国の普及発 展に比べて、わが国は明らかに立ち後れています。2007 年 10 月に アジアで初めて開催された第 11 回人と動物の関係に関する国際会議 （IAHAIO 2007 Tokyo）をもって、わが国の飛躍的な発展を期待し ましたが、現実はそう甘くはありませんでした。この現実を変えた い！（CHANGE）との一心がニュースレター（年４報予定）の創刊 になりました。ご意見ご希望をお待ちしております。太田 光明

3 / ERCAZ Newsletter / April 2009

少 年期を過ぎた 人と動物の関係学

アンソロズーオロジー（人と動物の関 係学）の分野は青年期に達し、ヨーロッ

パや北アメリカでは広く認識されていま

す。人と動物の関係に関する学術大会と

して開催された「 IAHAIO ２００７東京 大会」では、この分野の学術的そして実

特 集 1 S p e cia l

C o mme n t

ANTHROZOOLOGY 人と動 物の関係 学

～ 少 年 期 を 過 ぎ た 今！～ デニス・C・ターナー

践的な活動が、日本でも急速に確立され

つつあることが示され、ものの考え、知

見、および経験に関する海を越えた交流

がまさしくグローバル化されました。日

本は、 そのことを誇りにできるでしょう。

さ か の ぼ る こ と ７ 年 前 の ２ ０ ０ ２ 年、

麻布大学でＡＡＴ Ａ - ＡＡのための最 初 の プ ロ グ ラ ム が 実 施 さ れ ま し た。 そ

し て 現 在、 ア ン ソ ロ ズ ー オ ロ ジ ー の た

め の 教 育 研 究 セ ン タ ー（ Educational ： Research Center for Anthrozoology

と人以外のすべての動物 の相互作用に関する学問

）が、大学や企業との協力によっ ERCAZ て設立されました。

人

アンソロズーオロジーは、人と動物（人

デニス・C・ターナー（Dennis C. Turner, Sc.PhD） スイス・チューリヒ大学動物学研究所・上級研究員として同大学で 動物行動学等の教鞭をとると同時に、スイス・ヒルツェルにある応 用動物行動学・動物心理学研究所（IET）の設立者であり所長であ る。人と動物の関係に関する国際組織（IAHIO）会長、International Society for Animal-assisted therapy（ISAAT）幹事を務めるほか、 ヒトと動物の関係学会名誉会員、麻布大学獣医学部常任客員教授など、 人と動物の関係に関する分野で世界的に活躍している。2002 年より麻 布大学における IET 動物介在介入教育プログラムの責任者として来日し ている。猫の行動学に関しても数多く執筆し、 『ネコと友達になる 50 の 方法』 （ペットライフ社） 、 『ドメスティック・キャット―その行動の生物学』 （チクサン出版社）などの著書がある。

ERCAZ Newsletter / April 2009 / 4

Spec i a l Comm ent

な価値を持ちます。デルタ協会（アメリ

す。これらは独自の目標、方法、本質的

知 り、 理 解 し、 尊 重 す る こ と が 大 切 で

そ し て、 動 物 介 在 活 動 の 違 い に つ い て

動物介在療法、 後者の解釈に関しては、 動物介在教育（あるいは特別支援教育） 、

的目標なのです。

ための動物を用いた実践と同様に、学問

を抱えるさまざまな年齢の人々を助ける

ます。それは、一方で、さまざまな障害

を当てた科学として説明することができ

現象や、自然と社会科学の掛け橋に焦点

あるいは人と動物の絆におけるあらゆる

以外のすべての動物） の相互作用の研究、

師、社会教育学者、あるいは矯正の教育

が、リメディアル（特別支援学校）の教

つ普通学級の教師によって行われます

援教育） （ Ａ Ａ Ｐ ） は、 動 物 の 知 識 を 持

動物介在教育（あるいは動物介在特別支

なります。

ており、専門的組織の会員資格が必要と

は、たいてい国の法律によって定められ

て「セラピスト」という名前を使う場合

のための心理学・精神医学の分野におい

グ、作業療法、言語療法など、精神療法

れます。家族やパートナーカウンセリン

るいは少なくともその指導のもとで行わ

ある専門家の直接的な指導によって、あ

いていは犬）のボランティアを基盤とし

5 / ERCAZ Newsletter / April 2009

カ）の元来の定義に基づき、アニマルセ

ピストの仕事と同様、 （動物を介在した）

のような専門家たちは、さまざまなセラ

ラピーに関する国際協会（ International 施設で働く教師によって行われることも Society for Animal-Assisted Therapy: あり、それらはまた療法的かつ目標を定 めた介入であると考えられています。そ

）は、次のように定義しています ISAAT （ www.aat-isaat.org 参照） 。

仕事によって報酬を得ます。

て行われます。彼らは、社会的施設への

動

動物介在療法（ＡＡＴ）は、患者や相談

動物介在活動（ＡＡＡ）は、 人と動物（た 者の機能や福祉を向上するための目標を

動機づけや、教育的、娯楽的理由をもっ

物介在療法・教育・活動 それぞれを知る

定めた介入です。それは、医療従事者で

■ 動物介 在 療 法 ・ 教 育 ・ 活 動

AAT

Animal-assisted therapy

動物介在療法

患者の機能や福祉向上の目標を定め、医 療従事者が介入する

AAP

Animal-assisted pedagogy

動物介在教育

教育現場で子どもの心の発達や療法的目 標を定め、教師が介入する

AAA

Animal-assisted activities

動物介在活動

ボランティアを基盤として行われ、動機づ け、教育的、娯楽的理由で行う

いう大きな期待もありますが、麻布大学

また、自閉症（アスペルガー症）患者 は、動物介在療法によって支援できると

車 * いす生活者など身体的に障害を抱え る人のサポート

的な恩恵に関して、少なくとも日本のメ

システムに対する費用削減といった潜在

れが認められないのでしょうか？ この 点に関する支援運動としては、保険医療

潔で、健康で、しつけのよい犬の受け入

たＡＡＴ／ＡＡＰ専門家が同伴した、清

よっては、施設へのアドバイスを行う資

ディアで多く報告される必要があるで

た訪問活動への参加に際して、少なくと

格を得るとともに、報酬を伴うＡＡＴ／

のプログラム参加者による継続的実施な

て い ま す。 受 け る ト レ ー ニ ン グ 教 育 に

も初期のトレーニングと準備教育を受け

ＡＡＰプログラムをコーディネートしま

しょう。過去最大規模で、何百もの若い

ど、さらに多くの調査が必要でしょう。

IAHAIO ２ ０ ０ ７ 東 京 大 会、 こ こ が ま さ に 始 発

日本の研究者や実践者が集った

認 定 さ れ た セ ラ ピ ー ア ニ マ ル を「 許 可 」

訓 練 を 受 け た Ａ Ａ Ｔ ／ Ａ Ａ Ｐ 専 門 家 や、

西 欧 諸 国 で は、 ま す ま す 多 く の 病 院、 クリニック、学校が、その施設において

介在療法、教育的プログラム、動物訪問

ふれあい効果といった基礎研究や、動物

ば、飼い主のホルモン状態への動物との

い方向への第一歩となるでしょう。例え

の刊 Japan Journal of Anthrozoology 行が始まっていないことを考えれば、良

日

めの準備が大切です。それらを修了して

しているだけでなく、そうしたサービス

プログラムの評価が、科学的、医学的コ

点 で あ ろ う と 思 い ま す。 本 誌 の 発 行 は、

は じ め て、 患 者 や ク ラ イ ア ン ト に 対 し、

を備えていることを公的に述べ、宣伝し

と同様に、一般の人々がそれらを理解す

本におけるＡＡＴ／ＡＡＰの 広がり

す。 多くの人々は、自分のペット（とくに 犬）とともに人の役に立ちたいと思うよ

動物を介在した介入による恩恵が期待で

ています。

ることができ、それらの評価を確信する

うですが、そのためには実践者と動物が

きるのです。こうした療法的介入が成功

残念ながら、おそらく日本ではこうし た状況には全くなっていないと思いま

ことができるよう言葉で示す必要があり

十分に訓練を受け、重要な仕事をするた

した例は増えつつあり、今では以下のよ

す。 し か し、 日 本 で は、 広 範 囲 な 支 援

ミュニティーへ発表される必要があるの

うなことにまで及んでいます。

キャンペーン運動の結果として、世界に

ます。

精 * 神科の失語症患者

おいて最も先進的とされる補助犬のた

社 * 会情緒的精神疾患の患者 注 、行 * 意 欠 陥 多 動 性 障 害（ Ａ Ｄ Ｈ Ｄ ）

めのパブリックアクセスの法律（身体障 に持っているのです。なぜ、訓練を受け

害者補助犬法、２００２年制定）をすで

本誌がそうしたことに取り組むことを 願っています。

為障害（ＣＤ）の児童 特 * 別支援学級のダウン症児童 ア * ルツハイマーの患者

神 * 経性・運動性機能障害の患者（主と して乗馬療法だが、それだけでない）

ERCAZ Newsletter / April 2009 / 6

Spec i a l Comm ent Anthrozoology– now past its juvenile years!

The field of anthrozoology has come of age and is well established in Europe and North America. The IAHAIO 2007 TOKYO conference on human-animal interactions demonstrated that this field of scholarly and practical work is fast becoming established in Japan, and cross-fertilization of ideas, findings, and experience over the oceans has rightly become globalized. Japan can be proud of its efforts, having established the very first graduate program in AAT-AAA in the world back in 2002 at Azabu University and now with the establishment of its Educational Research Center for Anthrozoology, ERCAZ, combining resources from the university and private industry sponsors.

Anthrozoology is defined as: the study of human-animal interaction ("animal" referring to all non-human animals), also described as the science focusing on all aspects of the human-animal bond and a bridge between the natural and social sciences. It is at the same time an academic endeavor as well as a field in which practitioners employ animals to help people of various ages with various special needs. Regarding this latter aspect it is important to know, understand, and respect the differences between animalassisted therapy, animal-assisted pedagogy (or special education) and animal-assisted activities. Each of these has its own goals, methods and intrinsic value. Based on the original definitions of the Delta Society, USA, the International Society for Animal-Assisted Therapy, ISAAT, has published the following definitions (see www.aat-isaat. org ):

Animal-assisted therapy is a goal-oriented intervention to promote the functioning and/or welfare of an individual patient or client, which is conducted by, or at least conducted under the supervision of, medical or therapeutic professionals. The use of the title ‘therapist’ – be it in psychology/ psychiatry for psychotherapy, family or partner counseling, occupational (ergo-) therapy, speech therapy etc. – is usually regulated by national laws, often including required membership in professional organizations.

Animal-assisted pedagogy (or animal-assisted {special} education) can be conducted by a regular school teacher with knowledge of the animals involved, but when conducted by a remedial (special education) teacher, a social pedagogue, or teacher working in a school – it is also considered to be therapeutic and a goal-oriented intervention. Such professionals receive remuneration for the (animal-assisted) work, just as the various therapists do.

Animal-assisted activities are most often conducted on a volunteer basis by people and animals (usually dogs), who have received at least introductory training and preparation for visitation in social institutions for motivational, educational and/or recreational reasons. Depending on the amount of training these people have received, some are also qualified to advise institutions and coordinate their AAT/AAP programs with remuneration.

7 / ERCAZ Newsletter / April 2009

Although many people would like to use their pets, especially dogs, to help other people, it is important that both the practitioners and the animals be well-trained and prepared for this important work. Only then can we expect the clients and patients to benefit from an animal-assisted intervention.

The evidence for successful therapeutic interventions is mounting and now covers: •Aphasic patients in pysychiatric clinics •Socio-emotional psychotherapy •ADHD- and CD-children •Down syndrom children in special education classes •Alzheimer patients •Patients with neurological/motoric dysfunction (mainly, but not only hippotherapy) •Support for physically challenged persons in wheelchairs There is also justified hope that autistic persons (and Asperger) can be helped with animal-assisted therapy, but more research is needed, including that being conducted by participants in the Azabu University progam.

More and more hospitals, clinics and schools in the Western world are not only ‚allowing’ trained AAT/AAP specialists and their certified therapy animals onto their premises, but also publicly stating, even advertising, that their institutions provide such services. Perhaps in this respect, Japan is not quite ready for this. Nevertheless, this country already has one of the most advanced public access laws for service dogs in the world, the result of an intensive advocacy campaign. Why not allow access for clean, healthy, well-behaved dogs accompanying a trained AAT/AAP specialist? Perhaps an advocacy campaign is needed here too, or at least more reports in the Japanese media on the potential benifits, including cost savings to health care systems.

IAHAIO 2007 TOKYO, which was the largest such congress ever and attracted hundreds of young Japanese researchers and practitioners, was hopefully only the beginning. The publication of this ERCAZ Newsletter is a further step in the right direction given that a Japan Journal of Anthrozoology is yet to be launched. The results of basic research, for example on the effects of bonding with animals on the owner’s homone status, as well as outcome evaluations of animalassisted therapy, educational programs and animal visitation programs need to be published for the scientific and medical community, but also presented in a language that the general public can understand them and become convinced of their value. I hope that this ERCAZ Newsletter will do just that.

Prof. Dr. Dennis C. Turner Invited Professor and Principal, ERCAZ President of IAHAIO and Secretary of ISAAT

研 究 Research

ペット飼育と医療費削減効果

人々の健康における動物の影響を考える

人と動物の関係学分野における基礎的研究報告 ペットの飼育とその恩恵について興味深い調査報告を２つご紹介します

日本は今まで歴史上にない 超 高 齢 社 会 に 突 入 し た。 急

速 な 高 齢 化 に よ り、 国 民 医

療 費 は 年 々 増 加 し て お り、

兆４０００億円と

２００７年厚生労働省の報告 によると

が行われてきた。その結果と

リット）について盛んに研究

１９７０年頃から、ペット が 飼 い 主 へ 与 え る 恩 恵（ メ

どが含まれる。

これには、犬や猫、小動物な

の 存 在 が 挙 げ ら れ る だ ろ う。

そうした人の健康維持に役

立つ要素の一つとしてペット

ポイントとなる。

の予防」と「健康維持」がキー

ている。医療費削減＝「早め

病予防の観点から施策を講じ

らないよう、健康づくりや疾

削減に向け、まずは病気にな

そのため厚生労働省は医療費

担 は 大 変 深 刻 な 問 題 で あ り、

なっている。この医療財政負

33

ERCAZ Newsletter / April 2009 / 8

350,000

33兆 4000 億円 億円

300,000

250,000

200,000

150,000

100,000

2007 年度 1955

の 生 存 率 が あ き ら か に 高 い。

いない人と比べると、１年後

飼っている人の方が、飼って

生存率の調査では、ペットを

ニューヨークで行われた心 臓疾患患者における退院後の

効果が多数報告されている。

て社会的サポートについての

して、飼い主への健康、そし

アでは３０８８億円の節約効

７５４７億円、オーストラリ

査 さ れ て お り、 ド イ ツ で は

つ い て、 海 外 で は す で に 調

による医療費削減の効果に

ま た、 ペ ッ ト 飼 育 の 恩 恵 と し て、 経 済 面 で の 効 果 も

低かった（ Anderson,1992 ） 。

わが国ではこの効果に関す る調査は実施され

知 ら れ て い る。 ペ ッ ト 飼 育

特に犬の飼い主の場合、定期

果 が あ っ た (Headey, 2004) ことは大変興味深い。

的に犬と散歩をすることに れたとも考えられるが、犬以

て い な い が、 厚 生

your help !

よって、健康なからだが作ら 外のペットの飼い主について

労働省の全力を傾 けた医療費削減の

も、やはり同様の効果があっ

取り上げられるこ

た（

とが望まれる。

施策の一つとして オーストラリアで行われた 心臓病の患者５７４１名を対

9 / ERCAZ Newsletter / April 2009

） 。 Friedmann,1980

象とした調査では、血圧、ト リ グ リ セ ラ イ ド、 コ レ ス テ ロールとストレスの指標とな る数値を比べたとき、ペット を飼っている人の方が、ペッ トを飼っていない人に比べて

Thank you for

国民医療費総額の推移 年々増加する国民医療費。毎年 1 兆円以上加している。 50,000

高齢者のストレスの原因となる出来事と通院回数について ～ペット飼育による緩和作用～

Stressful life events and use of physician services among the elderly: the moderating role of pet ownership Siegel J.M.

(Division of Behavioral Sciences and Health Education, School of Public Health, University of California, Los Angeles, USA)

Journal of Personality and Social Psychology. 58, 1990, 1081-1086.

象に、１年間の病院の

ＭＯ の ) メディケア会 員である高齢者を対

ある保健維持機構（Ｈ

南カリフォルニアに

トと過ごす時間が多く、ペッ

飼っている人に比べて、ペッ

犬の飼い主は他のペットを

い生活の出来事の衝撃を和ら

利用するようなストレスが多

げ て い た。 追 加 の 分 析 で は、

利用について追跡し

他のペットと比べると、飼い

トが自分にとって重要である

主にとっての話し相手とな

た。人口統計学データ

いて調整されたベー

と感じていた。従って、犬は

スラインをみたとき、ペット

り、愛着の対象となっている。

特性と健康状態につ

を飼育している回答者の方

が、飼育していない人よりも

１年間に医者に掛かる回数が

少ないことが分かった。ペッ

トを飼育していない人は、ス

トレスの多い生活の出来事が

蓄積されることで、医者に掛

かる回数が増加したが、この

関 係 は、 ペ ッ ト を 飼 育 す る

人 に は 表 れ な か っ た。 こ の

ことから、ペットはストレ

スの時期に飼い主を助け

ていたようだ。特に、犬

の 飼 い 主 で は、 医 者 を

Doc vs. Dog

要約（Abstract）

Which do you prefer doctor or your dog for your health?

↗

doctor contacts during the study year for respondents without pets. This relationship

did not emerge for pet owners. Owners of dogs, in particular, were buffered from the impact of stressful life events on physician utilization. Additional analyses showed

that dog owners in comparison to owners of other pets spent more time with their pets and felt that their pets were more important to them. Thus, dogs more than

other pets provided their owners with companionship and an object of attachment.

ERCAZ Newsletter / April 2009 / 10

Resea rch

事とは、身近な友人や

高齢者にとってスト レスの原因となる出来

た。

レベルによるものではなかっ

慮した分析において、運動量

慢性的な病気やうつ状態を考

家族の死など話し相手

となる人の喪失であ 重要なのは、犬の飼い主は る。 話し相手を失うと、 他 の ペ ッ ト の 飼 い 主 よ り も

ペットと親密な関係にあると

8.38 回

低ストレス

8.62 回

ストレス

犬の飼主

7.75 回

低ストレス

2

病院へ行くことで満た

10.37 回

犬の非飼主

0

感じていることだ。こうした

康と密接な関係にあり、人間

ペットへの愛着は、精神的健

関係が不十分な場合に身体的

ストレス

そうとしたり、健康に

たりする。しかし、ペットの

考察（Discussion） 対する心配を悪化させ

飼い主の場合、ペットがいる

ると感じていた。特に、犬を

健康と密接な関係にある。

ものは安心感であり、犬は都

ことでその必要がない。高齢

を与えてくれる存在である。

会に住む高齢者にとって特に

者にとってペットは、話し相 また、犬の飼い主は、ペッ 手 や 仲 間 で あ り（ ７ ５ ％） 、 トを飼うことの恩恵としてマ

また、ペットの種類でみる

と、犬を飼うことによってス

重要であるかもしれない。

安心（２５％） や親愛 （２１％） イナス面よりもプラス面が勝

トレスの緩和が示された。犬

飼うことの恩恵の中で目立つ

の飼い主は、他のペットの飼

犬の飼育は、話し相手の喪

失などストレスが多い時期に

要求を減らす作用がある。

い主よりも、屋外で過ごす時

時間） 。屋外で過ごすこと

間と会話が多かった（１日約

によって心身の活力が増すと

ともに、通院回数にも影響を

与えるかもしれない。 しかし、

1.5

4

6

8

10

12

通院回数 犬を飼うことをストレスの関数として表した平均通院回数

Abstract: The physician utilization behavior of 938 Medicare enrollees in a health

maintenance organization was prospectively followed for 1 year. With demographic

characteristics and health status at baseline controlled for, respondents who owned pets reported fewer doctor contacts over the 1-year period than respondents who

did not own pets. Furthermore, pets seemed to help their owners in times of stress.

The accumulation of prebaseline stressful life events was associated with increased ↗

11 / ERCAZ Newsletter / April 2009

中国におけるペットが飼い主に与える恩恵 ～自然実験に基づく調査～

Pet Dogs Benefit Owners’ Health: A ‘Natural Experiment’ in China

Headey, B., F. Na, R. Zheng

(University of Melbourne, Melbourne, Australia) (Beijing Normal University, Beijing, China)

Social Indicators Research. 87, 2008, 481–493.

本研究は、犬が飼い 主の健康に与える影響

果を得た。回答者の半数が犬

代表的サンプルの調査から結

40

歳の女性（３０３１人）の

なかった。 犬の飼い主の方が、

を飼育し、半数が飼育してい

健康関連の結果に良い数値を

について、中国で行わ

関する報告である。欧

示 し た。 よ り 頻 繁 に 運 動 し、

れ た「 自 然 実 験 」 に

米における先行研究で

良く睡眠をとり、良い健康状

※

は、健康の恩恵が適度

態であることを報告し、病気

これらの結果は、モデル全

体に当てはめることができる

にあることが報告され

ことを示唆し、ペットが与え

ているが、結果に関し

が禁じられていたが、解禁以

る潜在的な経済恩恵に関する

による欠勤日が少なく、通院

降、主要都市における犬の飼

さらなる研究の展望を期待し

回数も少なかった。

育 率 が 急 激 に 増 加 し て い る。

ている。

ては賛否両論である。

これは、特に若い女性の間に

中国では、１９９２年まで 都市部におけるペットの飼育

おいて顕著である。このよう

な準実験的条件

の も の と、 欧 米

と 比 較 し て、 犬

の飼育が健康に

健 康 良 好

より大きな恩恵

を与えるという

仮 説 を 立 て た。

～

北 京、 上 海、 広

州における 25

要約（Abstract）

↗

the West. Results are given from a survey of women aged 25–40 in Beijing, Shanghai

and Guangzhou (N = 3031). Half the respondents owned dogs and half did not. Owners reported better health-related outcomes. They exercised more frequently, slept better,

had higher selfreported fitness and health, took fewer days off sick from work and

were seen less by doctors. The concluding section indicates how these results may be integrated and suggests further research on the potential economic benefits of pets.

ERCAZ Newsletter / April 2009 / 12

Resea rch

康に関する因果関係が強

米 よ り も、 犬 の 飼 育 と 健

も親密な関係にあった欧

さ れ た 中 国 で は、 何 世 紀

１ ９ ９ ２ 年 以 降、 ペ ッ トとしての犬の飼育が許

り良くなる。犬の飼い主は健康で

して、健康状態への自己意識はよ

く眠れるようになり、その結果と

運動量が増えることで、人は夜よ

よる） ことが一般的に考えられる。

しむ（ペット愛着テストの測定に

歳の

いることへの意識が高いため、病

年間の

回少なく、病気に

犬の経済的恩恵について評価する

幅広いコミュニティーに対しても

望 と し て は、 飼 い 主 だ け で な く、

いるのである。この研究の次の展

医療費と欠勤にはお金が関わって

よる欠勤も少なかった。 明らかに、

通院回数が約

育していない人に比べて

関わっている。犬の飼い主は、飼

最 後 に 挙 げ る 興 味 深 い 結 果 は、 犬による潜在的な経済上の恩恵が

も少ないと考えられる。

気による欠勤が少なく、通院回数

犬の飼い主と健康について一般的に考えられる連鎖

ことが求められるだろう。

※「 自 然 実 験 」 ・・・ 実 験 を 意 図 し て い る わ けではないが，実際に社会に起こった出来事 があたかも実験を設計したかのようになって いるときに自然実験と呼ぶ。

banned in urban areas until 1992. Since then dog ownership has grown quite rapidly

conditions, we hypothesise that dog ownership will show greater health benefits than in ↗

in the major cities, especially among younger women. In these quasi-experimental

動が増える、親しい相手と多く楽

く表れた。欧米、特にオー

ストラリアとドイツにお

ける政府の代表的調査で

は、ペットを飼育していない人に

〜

％も通院回数が少なかっ

比 べ て、 飼 育 し て い る 人 の 方 が 〜

た。中国の都会に住む

である。ここでの発見を直観的に

さらに深く理解しようとすること

飼育が健康に与えるメカニズムを

ステップとして重要なのは、犬の

月に０・７３回） 。この研究の次の

２・９ ２ 回 少 な い（ 調 査 前 は ３ か

半分以下で、平均すると１年間に

ていない人と比べると通院回数が

女性で犬を飼育する人は、飼育し

40

つなげるために一つの図に示した （下図参照） 。

１

25

15

犬を手に入れた後、健康の連鎖 に最初に結びつくものとして、運

13 / ERCAZ Newsletter / April 2009

3

考察（Discussion） 10

Abstract: This paper reports results from a ‘natural experiment’ taking place in China

on the impact of dogs on owners’ health. Previous Western research has reported

modest health benefits, but results have remained controversial. In China pets were

特集 2 Special Topic

馬と人の関係の 過去・現在・未来 ～馬と暮らす生活～

人が馬と暮らしはじめて約 5000 年。人の役に立つ生き物として、 共に生きる伴侶として、歴史の中に常に馬は存在した。私たちと

馬の関係について振り返るとともに新たな関係について考えたい。 photo by BLM

日本人と馬

日本は、馬と歩んできた歴史が長いにも かかわらず、馬文化の後進国として甘んじ ている。かつては日本でも多くの農家で馬 を飼養し、家畜としてだけでなく伴侶動物 として深い絆をもって生活していた。しか し、第二次世界大戦以降、馬は人の身近な 場所から姿を消した。今では、教育、馬術 のデモンストレーション、各地で馬文化を 伝承する祭り、競馬場など限られた場所で しか見られなくなってしまった。 馬は、家畜化された動物の中でも人を乗 せることに特化した動物であり、乗馬は老 若男女を問わず誰にでも楽しめるスポー ツ・レクリエーションである。欧米諸国に おいては、大都市の景観の中を颯爽と駆け てゆく馬車や、田舎路で乗馬を楽しむ人た ちを見かけることが少なくない。 日本では、 馬と聞いてまず浮かぶのは競馬という人が 多いのが悲しい実情である。

近年、レジャースポーツとしての乗馬や ホーストレッキングなどを楽しむ人が増

え、馬やポニーを介在した動物介在療法・

活動を実施したり、子どもの教育へ馬を導 入したりするなど注目を集めているが、一

部の限られた人に対してしか普及しておら

ず、社会的認知はまだ低い。

ERCAZ Newsletter / April 2009 / 14

Spe cia l Topic

馬の家畜化 馬の家畜化は、約５０００年前（紀元前 ３５００年頃）であり、中央アジアあたり で定住するようになった人類が、食糧自給 のために土地を耕す労働源として、野生の 馬を飼いならしたことが始まりといわれ る。その後、車輪や馬具の発達により、馬 に乗ったり戦車を引かせたりと、軍事目的 で利用されるようになった。しかし産業革 命以降、機械化が進み、馬の需要は急激に 減ってしまったため頭数は激減した。 農耕、運搬、軍事などの動力として広く 用いられた馬は、人類の歴史の中で重要な 役割を果たしており、馬の家畜化がなけれ ば人類の歴史は変わっていただだろうと言 われている。

、 Riding for the Disabled Hippotherapy あ る い は Therapeutic Riding （障害者乗 馬、治療的乗馬）と呼ばれ、欧米、オース トラリアでは医療効果をもつ処方箋として 重要な地位を築いている。 麻布大学介在動物学研究室では、木曽馬 など６頭の馬を飼育しており、さまざまな 人を対象に乗馬会を実施している。肢体不 自 由・ 知 的 障 害 の 重 複 障 害 を も つ 児 童 で は、バランスの改善やコミュニケーション 能力の向上など、多くの身体的・精神的改 善がみられた。最も注目すべき点は、活動 参加回数が多い人の方が改善があったこと である。つまり、２週間に一回よりも１週 間に一回の方が大きな効果が得られたので ある。２ヵ月間乗馬の機会がなく、からだ を使う機会が少なかった児童も、その後乗 馬を再開することで姿勢を安定させること ができるようになった。 障害を持つ人たちが治療目的で行う乗馬 としてホースセラピーなどの言葉が知られ るようになったが、乗馬は、特別な人たち だけのものではない。日ごろの仕事で疲れ

た 精 神 を リ フ レ ッ シ ュ す る た め、 そ し て、

日常的な健康を維持するために馬に乗るこ

とは、人類と馬の長い歴史の中において証

明されており、あらゆる人に対して効果的

であることを強調しておきたい。

15 / ERCAZ Newsletter / April 2009

馬は処方箋？ 乗馬を治療的効果を目的として用いる歴 史 は 長 く、 紀 元 前 ５ ０ ０ 年 頃、 ギ リ シ ャ 人が戦争で負傷した兵士を馬に乗せたと ころ治療効果が上がったとの記述が残っ て い る。 ま た、 世 紀 に は 乗 馬 の 治 療 上 の 利 点 が 医 学 書 に あ げ ら れ て い る。 わ が

乗 馬 や 馬 と の ふ れ あ い を 通 し た 活 動 は、

傷 病 兵 に ホ ー ス セ ラ ピ ー を 勧 め て い た。

国 で も 明 治 か ら 昭 和 に か け て、 旧 陸 軍 の

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photo by BLM 馬は土地を耕す労働源として活躍した

馬の魅力とは 乗 馬 は、 心 身 両 面 の 機 能 回 復 に 有 効 と さ れ て い る が、馬の何が良いのだろうか？ 馬 が 持 つ 特 性 は、 「見る」 、 「乗る」 、 「世話 を す る 」、 こ の 三 つ か ら 説 明 す る こ と が で きる。 「 見 る 」・・・ 馬 が 走 る 姿 は 美 し く、 馬 の 駿足は見るだけでも心地よい気分を味わう ことができる。古代ギリシャの時代より馬 は王侯、貴族などの特権階級の家畜であり、 高貴なイメージを持つ動物であるからかも し れ な い。 ま た、 馬 の 目 は 大 き く て 黒 く、 優しい眼差しである。馬の目を見つめ、馬 もこちらをジッと見つめたとき、言葉を発 することができない人でも気持ちが通じる ように感じるだろう。 「 乗 る 」・・・ 馬 の 背 に ま た が る と、 上 下 左右前後の揺れと体温の温かさを直接感じ ることができる。４００～５００㎏もある 大きな馬の動きはゆったりとしており、馬 上から落ちないように自然とバランスを保 つことになる。普段使わない筋肉や関節を 使い、振動が脳に刺激を与え、機能の回復 促進へとつながる。馬上での目線は、 ２メー トル以上になるため日常と違う世界を見る ことができ、また、大きな動物を御してい る優越感を味わうこともできる。その大き

さとリズミカルな歩行によって生み出され る振動は、人の歩行振動と酷似していると いわれ、歩行が困難な人も馬に乗れば歩く のと同じ効果を得ることができる。 ・・・馬の世話をする作業 「世話をする」 は朝早くに始まり、規則正しい生活習慣と 労働は、達成感と大きな喜びを得ることが できる。毎日、愛情をもって餌をやり、ブ ラシをかけることで、馬は人に信頼を寄せ てくれる。

イギリスに見られる馬のいる生活 イギリスの馬の数は１３５万頭、乗馬人 口は４３０万人、馬の所有率は人口の１・ ２ パ ー セ ン ト（ British Equestrian Trade Association National Equestrian Survey, ） で あ る。 馬 に 対 す る 国 民 の 意 識 が 2006 高いといわれるイギリスでは、馬を利用す る場面に遭遇することが多い。ロンドン観 光の名物として知られる、宮殿を護衛する ホースガーズや近衛兵交代式などは歴史を 感 じ る イ ギ リ ス ら し い 風 景 で あ る。 ま た、 市内では騎馬警察が馬に乗ってパトロール している。郊外へ移動すると、畑や森など の田舎の景色が残っているところが多いこ とから、乗馬スクールが多く存在する。さ らに、ペットとして自宅の庭で馬を飼って

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Spe cia l Topic

人は２メートルを超す高さとなる。馬の大

て馬は有効である。また、馬の背に乗った

ない路地などでは小回りの利く乗り物とし

ことが可能だという。そして、車輪が通れ

いる人たちも少なくなく、馬に乗って森や 畦道の散歩を楽しんでいる。 車を走らせていると、道路脇に馬のマー クの入った標識があり、馬が通る注意を促 している。こうした場所では、馬に乗った 人 が 多 い の で、 彼 ら を 見 か け た 場 合 に は、 反対車線であっても速度を落として大回り して通り過ぎていく。馬に乗った人は、通 り過ぎた車に対して「ありがとう」と手を 振ってお礼をいう。イギリスにおいての渋 滞 は、 踏 切 り渋滞、事故渋滞、馬の渋滞と 言われるそうだが、それでも車は馬を無理 に追い越したりせず、ゆっくりと待ってい てくれるのだ。スピード志向の乗り物社会 に お い て、 相 手 が 馬 で あ る か ら こ そ こ う し た思いやりが生まれるように感じる。 さ ら に、 馬 の 活 躍 は こ ん な と こ ろ に も あ

る。 ス ポ ー ツ 観 戦 な ど 暴 動 が 起 こ り そ う な 場所には、騎馬隊が出動する。何かのきっ かけに暴徒化した群集に、馬で警官が突っ 込んでいくと、暴れていた人達は驚いて正 気にかえるため、武器を使わずに鎮圧する

る。 わ が

利用でき

とで有効

入するこ

る利点があり、その際立った存在感が犯罪 防止にも役に立っている。 今日、わが国では在来馬を含む馬の存続 が危ぶまれている。馬が存在するイギリス のスタイルを見習い、 「馬がいて当たり前」 という生活を日本にも取り入れたいもので ある。まずは、一人でも多くの人に、馬の 魅力（特性）を知ってもらう。老若男女あ らゆる人が楽しめる乗馬は、一度体験して みてほしい。聞くよりも早く十分にそれを 理解できるだろう。 次に、もっと人の身近に馬を置くために 馬 を 飼 っ て い た だ こ う。 イ ギ リ ス と 同 様 に、日本にもそれに似た田舎の場所は多く あるので、飼育スペースは確保できるだろ う。 近 年 深刻な問 題となっ ている過 疎化した 農村集落 に馬を導

き さ は、 遠 く ま で 見 通 す こ と が で き る 上、 国 で は ５ 歩く人の目線より高い位置で威圧感を与え 人 に １ 人

17 / ERCAZ Newsletter / April 2009

が 歳以上という超高齢社会を迎え、早急 に必要な施策を講じなければならない。そ の対策のひとつとして、馬が役立ちそうで ある。馬の飼育管理は、高齢者の働く機会 の確保につながるかもしれない。なにより、 健康づくりへの支援として、乗馬は大変効 果的である。 最後に、自宅の庭で馬を飼うモデルケー スを ページで紹介する。馬を飼うといっ ても、実際に飼うのは大変でしょう？ と 思 う 人 は 多 い か も し れ な い。 そ の 一 方 で、 庭に馬がいる生活に憧れを抱く人も多いの ではないだろうか。そんな人たちのための 参考になれば幸いである。もしも馬を飼う としたら…を実現してみよう。 （秋山順子）

高齢社会に求める施策 年齢・加齢に対する考え方に関する意識調査 （内閣府 , 2004）

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昴（すばる）

2 歳・男の子（セン）

馬飼育の醍醐味は、毎日乗れること

馬を飼うための経費

近所を散歩

馬の代金

￥800,000 ( 輸送費＋準備期間中 2 ヶ月間の預託料込 )

馬小屋（２馬房分）

￥400,000

管理用具

餌代（年間） ワクチン・検査 ・証明書（年間）

約￥６0,000 （竹箒・熊手・飼葉桶・水桶・馬具・手入れ道具・ 鞍・調教用具一式） 約￥300,000 （チモシー・ヘイキューブ・鉱塩） ※生草含まず 約￥12,000

敷ワラ

無料

光熱費・上下水道代

水道は井戸利用のため無料

馬具更新・修理代

約￥1,000 ～ 3,000 予定

はありませんでした。悩むところ は、私が仕事をしているので、餌 を一日に２回しか与えられないこ とです。現在、放牧場に草がない 状態なので、無人でも飼葉を与え る方法を模索しています。

馬プロフィール

石井さんは、今年２月に、自宅で 馬を飼うことを決めました。小さ い時から動物に囲まれた環境で過 ごしてきた彼女にとって馬を飼う ことの意味について伺いました。

家族構成：父・母・動物たち

馬と共に暮らす醍醐味とは？

住所：千葉県佐倉市

乗ることも含め、ずっと一緒に いられることです。

で馬の飼育管理・トレーニングを行う

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馬と一緒に生活する中で一番大切 なことは？

仕事： （株）アニマルライフソリューションズ

石井美帆さん 昴

馬の心身の健康管理です。

年齢：25 歳

馬（昴）との将来の目標は？ 昴を通じて、地域の方々の憩い の 場 と な れ ば と 思 い ま す。、 畑 も 周りに多いので、馬の糞を利用し て土づくりをして、野菜をつくっ て食べるという い｢のちあるもの をいただく ｣ということができた らと考えています。

石井美帆さんプロフィール

モデルケース～

馬を自宅で飼おうと思った理由 は？ 子供のころから、家で多くの動 物を飼ってきました。現在、犬２ 頭・ カ メ １ 匹・ 鶏 羽 が い ま す。 ずっと馬を飼いたいと思っていま したが、決めたのは、いい馬がい たというのが理由です。

馬を迎える準備や、日常の管理で の苦労はありましたか？ 馬を飼育する上で、一般的には、 馬の知識や、厩舎・糞尿処理・飼 葉・装蹄などの問題はあるでしょ う。馬に対する知識がある程度な ければ、運動や世話などでの苦労 はあると思います。我が家の場合、 環境面において特に苦労したこと

馬を通じて 地域との関係作りや 命のシステム作りを 目指したい

馬と翔る生活 ～自宅で馬を飼う

今年 1 月から制作して、完成した馬小屋

馬を飼うために必要なもの 馬小屋

馬房：3m×3m 洗い場：駐車場に馬をつなげる場所をつくった エサ置き場：馬房を 2 つつくったので、片方をエサ置き場と して当分使用する予定

放牧場

放牧場は、地主が高齢となり近所で使用していない畑を借り始 めた。少なくとも 15 ｍ ×15m は確保できる

餌の種類と入手先

種類：チモシー・ヘイキューブ・生草 幸い、千葉県には競馬場や乗馬クラブなどが多いため、飼料屋 も多い。直接買いにいき、時価で販売してもらう。

削蹄師

学生のころからお世話になっている、装蹄師に紹介してもらう 予定

獣医師 糞尿処理

父の大学のころの友人

我が家の場合、近所の田んぼをやっている農家から籾殻を預か り、敷量にした後、そのまま糞尿入りの籾殻を農家に返します。 農家の方は、肥料として田畑に利用する。

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ヒトと動物の関係学に関わる団体等の紹介

International Association of Human-Animal Interaction Organizations （IAHAIO） 人と動物の関係に関する国際会議

アイアハイオ

IAHAIO は、人と動物との相互作用の正し い理解を促進させるために各国で活動している 学会、協会等の国際的な連合体として、米国の Delta Society、フランスの afirac、イギリス

発表と国際的なディスカッションの場として、 およそ 2 年ごとに「人と動物との関係に関す る国際会議」を開催していましたが、発足後は 3 年に 1 度の開催となりました。

の SCAS が中心となって 1990 年に設立されま

1995 年 の 第 7 回 ジ ュ ネ ー ブ 大 会 で は

物との相互作用の研究」を「人と動物双方のク

するガイドライン」、2001 年の第 9 回リオデ

した。この会の目的は、全ての IAHAIO 加盟国、 「IAHAIO ジュネーブ宣言」、1998 年の第 8 回 プラハ大会では「動物介在活動／療法実施に関 加盟団体の協力と協調により、世界の「人と動 オリティー・オブ・ライフと福祉の向上」に活 用していくことにあります。 IAHAIO 発 足 以 前 に は、1980 年 の ロ ン ド ン大会以来、欧米の関係団体が協力し合って、 HAB（Human Animal Bond） に 関 す る 研 究

ジャネイロ大会では「動物介在教育に関するガ イドライン」が制定されました。2007 年には 東京で第 11 回大会が開催され、コンパニオン アニマルの社会的受け入れに関する指針が宣言 されました。以下に東京宣言を掲載します。

IAHAIO2007 東京宣言 コンパニオンアニマルとの交流が人の健康と福祉に良い影響を与えることは、科学的お よび医学的に証明されており、人は生まれながらに他の生き物や草木など自然に親しみ を覚えることも、生物学的および心理学的に証明されています。 かかる観点から、IAHAIO メンバーは、2007 年 10 月 5 日、東京で開催された総会に おいて、以下の決議および指針を満場一致で承認しました。 「人が動物の存在から恩恵を受けることは普遍的かつ自然な基本的人権である」 この権利を広く享受するために、様々な分野の法律や規則に関する取り決めが必要とな ります。そのため IAHAIO はすべての国際機関、国家および地方行政機関に以下のこと を要請します。 １．動物との直接的な接触を望まない人の権利も尊重しながら、適切に飼育されて いるコンパニオンアニマルの同居を認める住宅規則を制定すること。 ２．動物介在療法や動物介在活動のために、特別に選ばれ訓練された健康で清潔な 動物が医療施設に入れるように推進すること。 ３．動物介在療法、動物介在活動、動物介在教育を実施するために適切に訓練され た人と動物を認めること。 ４．動物がいることによって恩恵を受けることができるあらゆる年齢層のケアセン ターや入居施設において、コンパニオンアニマルの存在を認めること。 ５．IAHAIO リオ宣言（動物介在教育実施ガイドライン）に基づき、学校カリキュ ラムにコンパニオンアニマルを介在させることを推進すること。

19 / ERCAZ Newsletter / April 2009

World News

海外から動物と人の関係を紹介します

Colorado Wild Horse Inmate Program

（コロラド州野生馬囚人更生プログラム）

アメリカコロラド州キャノンシティで行われている更生プログラムでは、野生馬の介在が 友情や社会復帰（リハビリテーション）、適応の面で受刑者に変化をもたらしている。

動物に信頼される達成感と忍耐力を 養うプログラム

Colorado Wild Horse Inmate Program（コ ロラド州野生馬囚人更生プログラム）と呼ば れるプログラムでは、北米原産のムスタング 種という野生馬を受刑者がトレーニングして いる。 プログラムの参加者は、各自担当する馬を与 えられ、馬術、畜産学、獣医学などを学びつ つ、馴致、調教を行い、愛情を持って接する ことによって動物に信頼される達成感や忍耐 力を得ることができる。調教された馬は、ム スタングオーナーを希望する人へ販売されて たり、新たな場所において有効的に活用され る。

馬に新たな役割を！ 日本でも新たな取

り組みが始まった

Photo by Bureau of Land Management 参考サイト http://www.coloradoci.com/

土地管理局（Bureau of Land Management） によると、野生馬の頭数は年々増加してい るために環境管理の上で多く捕獲されてい るが、囚人更生プログラムで調教された馬 の 8 頭が、カナダとアメリカの国境地帯のパ トロールで活躍している。野生馬の調教プロ グラムは、受刑者の社会復帰や心のケアに役 立っていることに加え、増えすぎた野生馬を 救済し新たな役割を生み出す有効なシステム として確立されている。 アメリカ、カナダでは 20 年前から、刑事施 設の被収容者にペットを飼わせたり、世話を させたりする「プリズン・ペット・プログラ ム」が導入されている。しかし、日本におい てのこうした取り組みは全く遅れている。昨 年、 「島根あさひ社会復帰促進センター」が、 盲導犬となる子犬の育成を、日本の刑務所と して初めて矯正プログラムに組み込み、本格 的な取り組みを開始した。今後ホースプログ ラムの導入が予定されている。

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ERCAZ News

ERCAZ 主催の動物介在プログラム

02 馬による健康支援プログラム 子どもから大人まで健康になろう 馬と過ごす健康活動

馬に乗ると自然と笑顔に

01 犬による教育支援プログラム 総合的に犬を知り体感する 「放課後キッズワン教室」

犬がいる教室で、課題のドリルに真剣に取り組む

馬も気持ちよさそう

近くで見ると馬が大きいことに気 づく

一緒に散歩する

犬が寝るほど静かな教室

16 時 30 分になると子どもたち は犬がいる教室にやってきて挨拶 する

みんなで協力し合ってゲーム。 犬をきっかけにして友だちの輪 が広がる

馬との交流のなかで心身共に健康な生活を送ることを

このプログラムでは、犬がいる中で勉強し、犬の接し

目標とした活動です。大人の方は効率的な運動と生活

方を学びます。犬は、子どもたちが学習しやすい環境

の充実のために、キッズのみんなは馬のお世話はもち

作りに役立っています。勉強の後は遊びの時間。それ

ろん、かわいい馬に乗って楽しさ抜群！ 馬好き、動

ぞれ好きな犬と一緒に遊んだり、ゲームをしたり、ブ

物好きにはたまらない内容です。

ラッシングなどの世話も行います。

お知らせ：

お知らせ：

大人のための健康支援コース、ジュニアホースライ

春夏コースは４月より開講です。定員 15 名。プログ

ディング放課後プログラム、好評開催中です。ご興味

ラム募集に関する情報は、ERCAZ ホームページに掲

のある方は ERCAZ ホームページまで。

載します。

21 / ERCAZ Newsletter / April 2009

【レポート】

ポニーサマーキャンプ ２００８

馬との生活

動物を通じ、子どもたちの心と生活に密着 2008 年夏、2 泊 3 日のポニーサマーキャンプを開催しました。子どもたち が馬と過ごしたキャンプの様子をご報告します。 ERCAZ Newsletter / April 2009 / 22

Re por t

昨 年 ２ ０ ０ ８ 年 の 夏 の 終 わ り は、 雨が降り続いていた。早々に立ち去 りそうになる夏に焦りを感じながら 迎 え た ８ 月 日、 「 馬 が い る 夏・ ポ ニーサマーキャンプ２００８」が開 催された。参加者小学生から高校生 まで 名、スタッフ総勢９名。ウマ に乗ろう！ 勉強もしよう！ 頭も 体も使って、ぐっすりと眠れる充実 した一日を子どもたちに提供したい と 考 え た こ の キ ャ ン プ。 企 画 か ら あっという間にこの日を迎えたわけ だが、 天気予報は裏切ることはなく、 ３日間のキャンプ中、雨、雨、雨…。 初日の朝、不安でほとんど寝つく ことができず、少々うなだれた気分 を奮い立たせようとしながら、子ど もたちが集まるのを待つ。自己紹介 からはじめ、キャンプの流れや注意 事項を伝える。集まった子どもたち は、これから始まることについて真 剣に聞き入る。その表情は、きょと んとした不安そうな顔である。初め ての友達やスタッフ、 慣れない環境。 人見知りするのも当然だ。

馬との生活スタート

雨の中で乗ろう

「さぁ、いきなりだけど、馬に乗っ て み よ う！」 と 促 し た の は い い が、 もちろん雨は降り続いている。カッ パを着て、とにかく背に乗せる。少 し散歩をすると、子どもたちの顔つ きが変わっていくのがよく分かっ た。 【 な ん だ こ れ、 楽 し い ぞ！】 そ んなワクワクした表情である。 幸か不幸か、馬に乗る経験をした 子どもはほとんどおらず、そんな子 どもたちの期待感に助けられなが ら、雨が降り続くなか、スタッフも ずぶ濡れになりながら馬を曳く。し かし子どもたちもスタッフも皆、嫌 な顔一つしてないではないか。 雨のなか馬に乗る…。これはこれ

で楽しいではないか。馬には迷惑な 話 か も し れ な い が、 考 え て み れ ば、 農耕や戦に使用していたころは、天 候など気にしていられなかっただろ う…。そんなことを考えながら、朝 のうなだれそうな不安と妙な緊張感 が和らいでいくのを感じた。 宿泊先に行く車の中では子ども同

士の会話が繰り広げられ、そのワク ワク感は止まりそうもない。雨の音 を聞きながら、夕食のバーベキュー をする。

23 / ERCAZ Newsletter / April 2009

速歩で乗ろう。泥跳ねはこの際気にしない。

乗った馬は手入れを する。

雨が降った夏。草木はみずみずしい。 雨天決行!! 馬も気にせず動いてくれた。

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か。いつもとは異なる環境からだろ 後で聞いたところ、ほとんどの子 どもたちはどうやらこの時点で緊張 うか。子どもたちは実に真剣に取り が解け、皆と仲間意識を持つように 組んでいた。 なったようである。 動物がいることによる子どもたち の学習態度や集中力の向上について 「 私 の 焼 き そ ば、 僕 の 肉、 も っ と 食べたい！」 は、最近、筆者の身近な方々の研究 データでも見られる。研究などとい そんな子どもたちの言葉でスタッ フへの信頼や安心感も生まれてきた う堅いものでなくても、古くから情 ように感じ、本当にうれしかった。 操教育といった観点で動物が飼育さ れ、学校教育でも取り入れられてお

り、いろいろな形で動物が介入する 馬と学習 ことの絶大さを実感させられる。 ２日目の朝、朝食と部屋の掃除を 勉強が終わるとおやつの時間。ト 済ませ、机を並べて学習プログラム ロッと溶けた焼きマシュマロは、昨 を行う。子どもたちは各々がもって 日から大変人気があった。 きた課題に取り組み、無駄口をきい

たりふざけあったりすることもな 外乗のすすめ い。自身の小学生の頃と比較し、２ 時間もの間、ただただ感心して過ご 実はこの２日目、外乗を行う予定

す。 だった。その名の通り、野外で馬に 乗るのである。馬場と違い、変わり 筆者がこのくらいの時、これほど 勉強に取り組む姿勢はなかった。だ ゆく景色を楽しみながら、自然の中 らだらと夏休みを過ごしていたわけ で馬に乗ることは、想像するだけで ではないが、とにかく遊びたい一心 も気持ちが良いものである。 であった。宿題や勉強をしなさいと 相模川沿い、広場を中心として集 怒られても、午前中には外に出かけ 落や田の間を抜け、隊列を組んで子 てしまっていた。 ども同士順番に乗るプログラムを立 低 学 年 か ら そ れ こ そ 高 校 生 ま で、 てていた。

皆で取り組むからなのか。これから しかし、外は完全に雨。下手をす 楽しいことが待っているからなの れば事故になりかねない。変更を余 馬房掃除。中高生が教え、皆できれいにする。 学習プログラム。真剣そのもの。２時間もの間、おしゃべ りもない。

皆で作った 「ポニーサマーキャンプ２００８」。

上り坂。子どもは元気。 スタッフくたくた。

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Re por t

儀なくされ、子どもたちに理由を説 明 し、 提 案 を す る。 「馬に乗りに馬 場までいくか、牧場にいくかどちら がいい？」 小学生の男子は馬に乗ることを選 び、女子は牧場行きを希望する。こ れもなかなか面白い。すっかり仲よ くなった女の子たちは、皆で動くこ とを希望し、離れることはない。一 方で男の子たちは自分の興味が強 く、エキサイティングな馬との体験 を希望する。男の子と女の子の特徴 的な部分を垣間見た気がした。雨が 降っているという要因を除けば、ど うなったかは分からないが、とにか く馬に乗る喜びを得てくれたことが たまらなくうれしかった。 パラパラと降る少し冷たい夏の雨

の中、午後はたっぷりと希望の時間 を過ごし、動物に触れ、仲間と楽し む時間を持つことができた。 明日こそはすっきりとした天気で

という思いとは裏腹に、今日もどん よりと３日目を迎え、このキャンプ もいよいよ最終日である。学習プロ グラムを終え、曳き馬、馬の手入れ や馬房掃除、馬たちとの交流を一つ 一つ一生懸命に行う子どもたち。男 の子たちは２日間みっちりと馬に乗 り、速歩や一人で乗ることもコツを

つ か ん だ よ う で あ る。 生 き 生 き と し た 表 情 で、 「今度は一人で走るん だ！」 と何度も話してくれたことは、 本当に鮮明に覚えている。

お別れ・馬がくれた 子どもたちの希望

お別れの会の後、再会したご両親 との会話は実に楽しげであり、この キャンプでの体験、馬に対する思い や自身の目標を話す様が嬉々として いたことは言うまでもない。帰宅後 も食卓で楽しげな会話が交わされる で あ ろ う こ と は、 満 足 げ な 顔 で ス タッフやお見送りの馬に挨拶するの を見て、確信することができた。 振 り 返 っ て み れ ば、 こ の ３ 日 間、 夏の何かを期待させてくれるような 日差しには恵まれなかったが、子ど もたちの ” ワクワク感 “ に助けら れ、誰もが怪我もなく、充実して過 ご す こ と が で き た。 こ の キ ャ ン プ で、子どもたちの健やかな成長を願 う親の気持ちを分けてもらって気が する。短い時間であったが、この夏 の馬との経験を何らかの糧にして成 長してもらいたいと願う。

25 / ERCAZ Newsletter / April 2009

散歩中の犬にあいさつ。

愛情たっぷりのブラッシング。

ごはん。片づけもする。 そりゃあ、ゲームもしなきゃね。

の壁といったものを感じてしま このキャンプは馬に乗ること う。 動 物 と の 交 流 は も っ と 簡 単 を第一としたものであるが、 「乗 で、 少 し の 知 識 と と も に、 常 に 馬」という言葉は極力使いたく 相 手（ 動 物 ） の 気 持 ち を 考 え て な か っ た。 私 は 常 々、 馬 と い う 行動するだけで、もっと自由に、 動物に対する概念を打ち崩した 自分が一番楽しいと感じる交流 いと考えている。 「乗馬」という が可能である。 ことばで想像するものは何であ ろ う か。 ぴ っ た り と し た 英 国 式 の ス タ イ ル に 身 を 包 み、 さ っ そ と も あ れ、 筆 者 ら が 管 理 し、 これらプログラムに用いる馬は、 う と 駆 け 回 る 馬 に 乗 る 姿、 ま た は、 埃 っ ぽ い 風 を 受 け な が ら、 木曽馬（日本の在来馬）、中半血 ジ ー ン ズ に チ ャ ッ プ ス、 そ し て （いわゆる雑種）であり、比較的 体 高 の 小 さ な、 ズ ン グ リ と し た ハット姿のカウボーイであろう 体 形 の も の た ち が 多 い。 わ れ わ か。 あ る 種 の 堅 苦 し い ス タ イ ル れ 日 本 人 の 大 半 は、 馬 の 姿 を サ はどうしても敷居やテクニック

キャンプを終えて、考えること

子どもたちと馬

ERCAZ Newsletter / April 2009 / 26

Re por t

27 / ERCAZ Newsletter / April 2009

もっと動物の存在を利用できる のではないかと考えている。

先 日、 キ ャ ン プ 参 加 者 児 童 の ご両親と会話をする機会を得る こ と が で き た の だ が、 こ の キ ャ ン プ を き っ か け と し て、 口 癖 で あった「面倒くさい」がなくなっ た そ う で あ る。 ま た、 動 物 の 飼 育 に 携 る 仕 事 に 就 き た い な ど、 実にうれしい発言もしてくれて い た。 こ の 児 童 は キ ャ ン プ で の 出来事や馬の管理方法など図解 で レ ポ ー ト を 書 き、 自 由 研 究 と し て 提 出 し て い た。 後 に 見 せ て も ら っ た の だ が、 た い し た 描 写 力 で あ る こ と は も ち ろ ん、 馬 の 手入れで用いるブラシの使い方 な ど、 細 か い 観 察 眼 を も っ て 説 明も覚えてくれていたのである。 苦労や大変なことを乗り越える ことへの消極性を打ち消してく れ た こ の 成 長 は、 ま さ に 本 企 画 の狙い通りのものとなったので はないだろうか。

こ の 児 童 は 現 在、 麻 布 大 学 に 通 っ て き て く れ て い る（ ジ ュ ニ ア ホ ー ス ラ イ デ ィ ン グ・ 放 課 後 プログラム） 。

麻布大学 共同研究員 ヒトと動物の関係に関する教育研究センター：ウマ部門統括 キャンプではディレクターとして参加

ラ ブ レ ッ ド と し て 思 い 描 く。 そ の頭数は現在わが国の ％以上 の 割 合 を 占 め、 毎 週 末 に は 競 馬 中継もあるのだから当然であろ う。 し か し、 こ の サ ラ ブ レ ッ ド のような軽種馬が量産されたの は つ い 最 近 の こ と で あ る。 そ れ まではこのズングリムックリと した愛らしい馬が、日本人にとっ て の 馬 だ っ た の で あ る。 戦 国 時 代や江戸時代の馬も然りであり、 格好の良い時代劇での騎乗姿を 見るたび、この「ほんとうの姿」 を 想 像 し て し ま う。 子 ど も た ち はいったいどんな姿の馬を想像 してこの企画に参加したのか実 に興味深い。 競技会や馬術を好む人にとっ て は、 い わ ゆ る 乗 馬 の ス タ イ ル は た ま ら な い 魅 力 で あ ろ う。 し か し、 そ の 背 に ま た が っ て の ん び り 歩 き、 自 由 に 操 る 楽 し み を 提 供 す る こ と（ も ち ろ ん 安 全 面 には最大限の考慮を払うわけだ が ） は、 子 ど も た ち を は じ め、 多くの人に動物との関係を得た と き の【 気 分 の 良 さ 】 を 経 験 さ せ る こ と が で き る と 思 う。 こ の 気 分 の 良 さ に つ い て の 解 釈 は、 こ こ で は 触 れ な い が、 日 々 の 楽 し み や、 様 々 な 教 育 の な か で、

レポート・記事：内山秀彦

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設や団体の活動を報告する場と して開催される。アニマルセラ ピー活動が社会に広く周知され ること、また、実践者同士の交 流を目的に行われる。ここにお けるアニマルセラピーとは、動 物介在療法や動物介在活動だけ ではなく、動物介在教育まで含 み、介在動物は、犬・馬を主体 とする。

け る 著 名 な 講 師 を 招 い て、 年 に一度の集中的セミナーを開 催 す る。 ま た、 ペ ッ ト ド ッ グ に関わる人々の交流と情報交 換の場として活用される。ドッ グトレーニングに関わる人の ほ か、 一 般 の 犬 の 飼 い 主 や 学 生など、誰でも参加できる。 サ イ ト http://www.

WEB japdt.com/

第５回生物ソナー 国際シンポジウム ２ ０ ０ ９ 年 ９ 月 日（ 月 ） ～ 日（金） 会場：同志社大学寒梅館（京都） 生 物 の 音 響 メ カ ニ ズ ム、 聴 覚 機 能、 と い っ た 生 物 ソ ナ ー・ 生物音響の分野において著名 な 研 究 者 が 集 ま り、 約 年 に 一度開かれてきたシンポジウ ムがアジアで初めて開催され る。

日中韓アニマルセラ ピーカンファレンス

日中韓三国における獣医師 や医療従事者が集いアニマル セラピーに関するテーマで議 論 を 行 う。 ２ ０ ０ ７ 年 韓 国、 ２ ０ ０ ８ 年 中 国 に 続 き、 今 年 は日本で９月に開催の予定で ある。

ＩＳＡＺ第 回年次大 会・第１回ＨＡＩ大会

（ミズーリ大学人と動物の 関係に関するリサーチセン ター後援）

２ ０ ０ ９ 年 月 日（ 水 ） ～ 日（日） カ ン ザ ス シ テ ィ ー（ ア メ リ カ ミズーリ州）

重種への影響（ Human-Animal Interaction: Impacting ） Multiple Species サイト http://www.

WEB isaz.net/index.html

テ ー マ ／ 人 と 動 物 の 関 係： 多

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サイト http://cse.

WEB fra.affrc.go.jp/akamatsu/ AnimalSonar.html

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第４回日本ペットドッグ ト レ ー ナ ー ズ 協 会（ Ｊ ＡＰＤＴ）カンファレ ンス ２ ０ ０ ９ 年 ９ 月 日（ 木 ） ～ 日 ( ) 会場：日本獣医生命科学大学 日（火） 会 場： 大 阪 ペ ピ ィ 動 物 看 護 専 門学校

ＪＡＰＤＴカンファレンス

は、日本のペットドッグトレー ナーのための国内最大のイベ ン ト で あ り、 国 内・ 海 外 に お

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カンファレンス

第 １ 回 ヒ ト と 動 物 の 関係に関する教育研究 カンファレンス ～アニマルセラピーの実践研 究報告・交流会～

２００９年３月 日（日） 会場：麻布大学獣医学部棟

このカンファレンスは、アニ マルセラピーを実践している施

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情報 情報

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イベント イベント

ERCAZ Newsletter / April 2009 / 28

資

格

認

定

人と動物をつなぐ専門家を目 指すなら！

Ａｚａｂｕ ＡＡＩ Ｅ ｄｕｃａｔ ｉｏｎａｌ

サイト http://www.

WEB azabu-u.ac.jp/ 人と馬をつなぐお手伝い

北米障害者乗馬協会 （ＮＡＲＨＡ）による 「ＮＡＲＨＡインストラ クター資格 Ｎ Ａ Ｒ Ｈ Ａ は、 米 国、 カ ナダに約６００団体が加盟 し、 年 間 に 約 万 人 が 利 用 し ている世界の代表的な障害 者 乗 馬 組 織 の ひ と つ で あ る。 インストラクター認 NARHA 定 制 度 に は、 初 級、 上 級、 マ スターの３つのレベルがある。 審 査 に は、 馬 の 管 理、 馬 術 ス キ ル、 障 害 や 方 法 論 の 習 得 に 関してインストラクターとし てのレベルでの知識と技術が 含 ま れ る。 ① Ｎ Ａ Ｒ Ｈ Ａ 標 準 に 関 す る 事 前 学 習 の 完 修（ 加 盟 セ ン タ ー 認 証 訓 練 コ ー ス、 インストラクター自修コース） と 筆 記 試 験、 ② Ｎ Ａ Ｒ Ｈ Ａ イ

http://www.

時間以上の指導実践経験と、 実 地 試 験、 こ れ ら に 合 格 し て 最終認定となる。

名古屋、大阪

特 定 非 営 利 活 動 法 人 動 物 愛 護 社 会 化 推 進 協 会 は、 飼 い 主 に、 広 く 犬 の 飼 育 に 必 要 な 知識をつけてもらうことを目 的に、犬の飼い主検定試験（動 物 愛 護 社 会 化 検 定 基 礎 級 試 験）を実施する。 ２００９年５月 日（日）千葉、 東京、埼玉 ２００９年６月６日（土）横浜、

第３回 動物愛護社会 化検定 基礎級試験

あなたの飼い主知識を試してみよう 「犬の飼い主検定」

サイト WEB narha.org/

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サ イ ト WEB happ.or.jp

http://www.

29 / ERCAZ Newsletter / April 2009

〒 229-8051 神奈川県相模原市淵野辺 1-17-71 麻布大学 介在動物学研究室 「ERCAZ ニュースレター プレゼント係」

FAX 番号 042-786-7147

※応募締め切りは、2009 年 6 月 1 日まで

【ハガキ ・FAX で応募】 ①下記の問題の答え、②郵便番号、③住所、④氏名、⑤電話番号、 ⑥本誌へのご意見や質問 をご記入の上、右記の宛先・FAX 番号 へお送りください。 【パソコンから応募】 http://ercaz.jp のプレゼント応募ページから必要事項を記入 の上ご応募ください。

３

ン ス ト ラ ク タ ー の 監 督 の 下、

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Ｐｒｏｇｒａｍ（麻布 大 学動物介在介入教育プ ログラム） ２００９年４月より麻布大 学にて開講スタート。 こ の 教 育 プ ロ グ ラ ム は、 教 育、 医 療、 福 祉、 獣 医 学 分 野 の現場で働く人を対象に、 、動 物 介 在 介 入（ Ａ Ａ Ｉ ） を 実 施 するために必要な知識と技術 を 身 に つ け る た め に デ ニ ス・ ・ タ ー ナ ー 博 士（ ス イ ス ） に よ っ て 開 発 さ れ た。 １ コ ー

学事務局教務課まで。

門 家 と し て 認 定 さ れ る。 申 し 込 み、 お 問 い 合 わ せ は 麻 布 大

ス は ２ 年 間 で、 す べ て の 単 位 取 得 修 了 し た 者 は、 Ａ Ａ Ｉ 専

C

創刊号記念 ! 読者プレゼント

「dogdays キミとのやさしい時間」CD をプレゼント！

裏表紙に掲載の「dogdays キミとのやさしい時間」の CD を、抽選で 50 名様にプレゼントします。

【問題】2007 年に東京で第 11 回大会が開催され、人と動物との相互作用の研究を双方の福祉の向上に活用す るための議論を行う国際会議の名称（アルファベット 6 文字）は？ （ヒント：本誌に答えが載っています）

ヒトと動物の関係に関する教育研究セン

ＥＲＣＡＺニュースレター 「ＣＨＡＮＧＥ」の刊行にあたり

タ ー は、 昨 年 ４ 月 よ り 始 動 し、 犬 や 馬 の 動

理方法について載っ 養老猛司先生をはじめ と し、 動 物 介 在 教 育 の 第 て い ま す。 ア ニ マ ル 一人者である的場美芳子 セ ラ ピ ー に 興 味 の な

創 刊 号 は「 馬 」 を 中 心 と し た 構 成 で す。 現 在、 馬 の 飼 育 頭 数 は 約 万 頭 で あ り 減 少

てようやくここに完成しました。

る 雑 誌 を 刊 行 す る 計 画 で し た が、 一 年 を 経

物 介 在 事 業 の ほ か、 人 と 動 物 の 関 係 に 関 す

先 生、 人 と 動 物 の 関 係 学 い 方 で も、 犬 の し つ の 若 手 の 研 究 者、 実 際 に け や ト レ ー ニ ン グ に ） を 開 しめる一冊です。

犬のしつけ教室（スタディ 興 味 が あ る 人 で も 楽 ドッグスクール 催するトレーニングのプ ロ た ち が、 ア ニ マ ル セ ラ ここがオススメ♪ ピ ー に つ い て、 そ れ ぞ れ 実際の活動のプロ の専門分野を活かして科 グ ラ ム が 載 っ て い る

傾 向 に あ り ま す。 人 と 馬 の 関 係 の 素 晴 ら し

さ に つ い て 再 度 見 直 し、 も っ と 身 近 な 生 き

今 後 ニ ュ ー ス レ タ ー で は、 人 と 動 物（ 人

以 外 の あ ら ゆ る 生 き 物 ） の 関 係 に つ い て、

物にしたいという願いがあります。

かりやすく説明していま る 方 で も 参 考 に な り

「 共 生 」 と「 健 康 」 を キ ー ワ ー ド と し た さ

（秋山順子）

レ ポ ー ト 記 事 か ら イ ラ ス ト、 編 集 ま で 総 出

こ の 創 刊 号 の 発 刊 に あ た っ て は、 ま さ に

ています。

入 れ、 読 者 の 皆 様 に 届 け て い き た い と 思 っ

の「 変 化 」 を、 こ の ニ ュ ー ス レ タ ー に 取 り

し ま し た が、 こ れ を 日 本 に 普 及 さ せ る た め

人と動物の関係学の分野の日本の現状 は、 デ ニ ス・ Ｃ・ タ ー ナ ー 博 士 の 頁 で 紹 介

まざまな話題を紹介していく予定です。

ま す よ。 知 識、 実 践

す。

アニマルセラピーに興 の 面 か ら 犬 の 飼 い 主 味 を 持 っ た と き、 ま ず ど と し て 読 み 込 め る 本

う し た ら よ い の か、 困 っ で す。 こ の 本 を 読 ん いんだな～と感心す

た と き に こ の 本 を 読 め ば だ 後 は、 犬 っ て す ご

疑問を解決します。

（伊澤都）

アニマルセラピーの効 る こ と 間 違 い 無 し で 果 の ほ か、 犬 の 能 力、 ト す！

レ ー ニ ン グ 方 法、 健 康 管

で あ た る ほ か な か っ た わ け で す が、 経 験 の

な い 私 ど も が な ん と か 形 に 仕 上 げ（ な っ た

か ど う か は わ か り ま せ ん が？）、 第 １ 号 と

し て 発 刊 す る に 至 り ま し た。 ご 尽 力 い た だ

き ま し た 皆 様 に お 礼 を 申 し 上 げ ま す。 今 後

も様々な特集をもって刊行していきますの

で、温かく見守ってください。 （内山秀彦）

配本・広告・その他お問い合わせは info@ercaz.jp

[ 発行所 ] ヒトと動物の関係に関する教育研究センター

〒 229-8051

神奈川県相模原市淵野辺 1-17-71

麻布大学介在動物学研究室

Tel: 042-786-7027 Fax: 042-786-7147

本誌記事の無断転用を固く禁じます

※広告を掲載してみませんか？随時募集中です

©ERCAZ Newsletter 2009

Editors from

編集後記

[ 発行日 ] 2009 年 4 月 1 日 [ 発行人 ] 太田光明 [ 編集長 ] 秋山順子 [ 編集制作 ] 伊澤都、内山秀彦 [ 編集協力 ] 宮村美帆（office エクラ）

※次回は、７月１日発行予定です。

学 的 に か つ 初 心 者 に も 分 の で、 実 践 さ れ て い

NPO 法人 ひとと動物のかかわり研究会 ( 編集 ), 太田 光明 ( 監修 ) 出版社 : IBS 出版 (2007/10/1) 定価：2,520 円

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®

No. 1 BOOK

『アニマルセラピー入門』

ERCAZ Newsletter / April 2009 / 30

好評発売中

2009 年 1 月発刊

こんな方にお勧め!!

獣医師、動物看護師、トレーナー、ペット関連学生・動物介在療法・ボランティ ア活動・HAB活動・小中高大学教育関係者、動物愛護センター・保健所な ど行政の方、医学・心理学関連業従事者（臨床心理士、作業療法士、介護福 祉士など）、看護師・アニマルセラピー従事者、ペットオーナーの方

IAHAIO 2007 TOKYO大会記念 抄録集（日本語版） A4判 並製本 約210頁 監修：IAHAIO 2007 東京大会実行委員会 定価：8,400円のところ 大会記念予約特価

7,980円（7,600円+税）

IAHAIO 2007 TOKYO大会記念 日本語字幕版 基調講演DVD版（日本語版） 一部日本語講演 ２枚組 （収録時間：合計３６０分） 監修：IAHAIO2007東京大会実行委員会 定価：12,600円のところ 大会記念予約特価

10,800円（10,286円+税）

抄録集 主な内容 ○特別講演 ○基調講演（9） ○口頭発表（67） ○ポスター発表（70） ○ワークショップ（13） おススメの書籍

DVD 収録内容 ○ 林 良博（日本） 「ヒューマン･アニマル･ボンドの分野における獣医師の役割」 ̶実践のための理論的基盤とガイドライン̶ ○ Bruce Headey（オーストラリア） 「犬は飼い主の健康に良い効果をもたらす： 中国での‘自然実験’ 」 Aubrey H. Fine 著 太田 光明・太田 伸代 監修 ○ James Serpell（アメリカ／イギリス） 「ヒトと動物の関係の比較文化的、歴 A4判 並製本 376頁 史的側面」 定価 8,925円 「韓国での補助犬活動の紹介」 大会記念予約特価 7,500円（7,143円+税） ○ Julie Lee（韓国） ○ Benjamin Hart（アメリカ） 「獣医学の臨床的側面における動物行動学」 動物介在療法について記述された、本邦唯一の本。日 ○ Patrick Bateson（イギリス） 「人と動物の関係における動物行動学」 本動物病院福祉協会（JAHA）等が行う同療法において ○ Richang Zheng（中国） 「高齢者の精神の健康とコンパニオン・アニマル」 用いる動物の健康管理をはじめ、獣医師・看護師が求 ○ Gail Melson（アメリカ） 「子どもとコンパニオン・アニマル：教育の重要性」 められるすべての事柄が網羅されている。執筆は世界的 ○ Andrea M. Beetz（ドイツ） 「動物との関わりを通して発達する子どもの思 に活躍するこの分野の第一人者が担当した。 いやりの心」 アニマル アシステッド セラピー ∼第2版∼

ご注文の方は下欄にご記入ください 受注専用FAX 0120-80-1872 ご職業

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□ペット関係 □その他（ ）

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フリガナ

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生年月日 19 年 月 日

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お支払い回数（□ 1回 □3回 □6回 □リボ）

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http://www.interzoo.co.jp/ ※お客様都合による返品は固くお断り致します

【数量限定発売】※記念発売につき、数量限定品となりますのでお早めにご予約・ご注文願います。また、品切れの節はご了承願います。 商 品 名

金 額

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IAHAIO2007 東京大会記念 『抄録集（日本語版）』

定価 8,400円 （8,000円+税） 大会記念予約特価 7,980円（7,600円＋税）

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IAHAIO2007 東京大会記念 『基調講演DVD』

定価 12,600円 （12,000円＋税） 大会記念予約特価 10,800円（10,286円＋税）

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合計定価 21,000円 （20,000円＋税） 大会記念予約特価 17,800円（16,952円＋税）

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合計定価 26,000円 （24,762円＋税） 大会記念予約特価 21,500円（20,734円＋税）

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定価 5,000円 （4,762円+税）残部僅少

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定価 8,925円 （8,500円+税） 大会記念特価 7,500円（7,143円＋税）

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（同時販売中）IAHAIO東京大会『AbstractBook抄録集（英語版）』 アニマル アシステッド セラピー

∼第2版∼ ̶実践のための理論的基盤とガイドライン̶

CHANGE

by ANTHROZOOLOGY in Japan

Vol. 1（創刊号）

2009 年４月１日発行 ヒトと動物の関係に関する教育研究センター 発行人：太田光明