Interbrand 30th Year Initiative 03

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MAY 2014 ISSUE

「日本ブランド」は “口ベタ”を 脱することができるか ?

B&C時代の ヴァーバルコミュニケーション



BRANDS HAVE THE POWER TO CHANGE JAPAN これからの日本ブランドの30年に向けて

ISSUE

03

「日本ブランド」は“口ベタ” を 脱することができるか?

B&C時代のヴァーバルコミュニケーション


生活者同士のコミュニケーションが 主流になった時代 企 業 からのメッセージ が 単 純 な 形では 効

かなくなっている。2010 年 代、 生 活 者 は、 ついに「マス媒 体コンテンツの 消 費

調 査 によれば、こうした変 化 は、 主 要 国

で日 本 が 最 も「 遅 い 」。 日 本 の 生 活 者 は

者 」からも脱 却してしまったのである。も

もはや 先 進ではないのだ。 そんな日本 の

シャルメディア上で話題になることや、 「天

ンド 」と、 グ ロ ー バ ルブ ランドとの 差 は

界 最 大 瞬 間ツイート数を記 録した「 バル

日本 国 内へ向けた視 座しか 持たない広 告

のコンテンツは人々のソーシャルコミュニ

本ブランド」 が、ブランド価 値 を向 上 で

ちろん、スーパーボウルの C M が毎年ソー

空の城ラピュタ」 放 映 時に Tw itte r で世

ス 祭り」 に代 表されるように、マス 媒 体

生 活 者 だけを対 象としている「 日 本ブラ 広がる一 方になってしまっているのである。 代理店任せ、ブランド担当部 署 任せの「日

ケーションの起 点となり得るものだが、も

きない理由は、ここにある。

得るための、いわば「触媒」となってしまっ

ブランド価 値 向 上 に欠 かせないもの、 そ

はやそれは、 体 験 の 共 有 によって喜びを

たのかもしれない。

生 活 者 の 興 味 は、「 周りの 知 人・ 友 人 や 家族とのコミュニケーション」に急速に移

りつつある。 実 際 に広 告 費 はネットに大

きくシフトし、 視 聴 時 間 シェアは 年 代 に

よってはデジタル媒 体が 5 0%を超えてい

る。スマートフォンシフトも起きているが、

こうした中で最も伸びているウェブサービ

スは SNS やコミュニケーションサービス、 ついで動画や EC だ。

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20 1 3 年 「メディアデモクラシーの現 状 」

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れは経営 者自身が、グローバル規 模で「ブ

ランドコミュニケーション」という課 題に 立ち向かうことに他ならない。


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コミュニケーションは、 B2CからB&Cへ

では、 「日本ブランド」がグローバル規模の「ブランドコミュニケーション」を実 践するため に、何を実行すべきか。

インターブランドは、B 2Cから「B& C ―Bu sine ss & Co n su m e r ―   」へ、すなわち、

「 企 業と生活者間に、一方的ではなく相互に対話し関係しあうコンスタントな関 係が

作られること」が、グローバル規 模のブランドコミュニケーション実 践のカギであり、この

概念を取り入れることが、 「 日本ブランド」がグローバルブランドと伍して戦う上での最 低

条 件であると考えている。本稿では、こうした概念をどのようにブランディングに取り入れ

るべきかを概観したい。

<参考文献>

「日本の広告費2013」 電通

「メディア定点調査2013」

「2014年04月23日ニュースリリース:スマートフォン

博報堂DYメディアパートナーズメディア環境研究所

「2013年09月26日ニュースリリース:ニールセン、スマー トフォンとパソコンからのサービス最新利用動向を分析」

からのネット利⽤者は直近1年間で1,100万人増加」 ニールセン株式会社

「2013年「メディアデモクラシーの現状」調査 日本版レポート」 デロイト トーマツ コンサルティング株式会社

ニールセン株式会社

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B&C時代に重要性を増す ブランドのパーソナリティ

「B2CからB&C ― Business & Consumer ―」へ 移行する時代。 言い換えれば、 ワンウェイ のコミュニケーション以上にインタラ クティブなコミュニケーションの重要性 が増しているこの時代には、 ブランドが 発信する情報にえ、 ブランドがどのように 語り、 どのように振る舞うかという、 ブラ ンドの 「らしさ」 、 すなわち 「ブランドパー ソナリティ」 が大切な役割を担うと、 インターブランドでは考えている。 マス媒体が大きな影響力を

持った20世紀、 企業はブランド

に関する情報を、 ある程度コント

ロールする側にいた。 しかし、 生活者の

あらゆる体験がSNSを通じて容易に共有される現在、

ブランドは360度、 365日、 生活者の目にさらされ続けている。  どんなに正しいことを言っても、 実際の行動や振る舞いに発言との

ギャップがあれば、 信頼を獲得できないのと同じように、 ブランドが広告で どんなに素晴らしく商品やサービスを語っても、 それ以外のタッチポイントで、 その約束が守られていない瞬間、 生活者は落胆し、 興味を失う。 ブランドのロイ ヤリティを築く上で、 ベースになるのはブランドと生活者の信頼関係であるが、

ブランドと生活者がずっと一緒にいるB&Cの時代は、 ブランド

のパーソナリティが信頼関係構築の大きな要素に

なるのである。 6

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ブランドパーソナリティを表現する2つの 「 VI」 では、ブランドパーソナリティの表現とは具

リー などの「ビジュアル 」 から生まれる。

ある。本稿の読者であれば、 「VI」とは「ビ

これはブランドのシンボルマークやカラー、

体的に何を指すのか?その答えが「VI」で

ジュアルアイデンティ」であり、文字通り、

ブランドシンボルやブランドカラーなどの

「 視 覚 表 現 」を指すことはよくご存 知だろ

ブランドコミュニケーションに置き換えれば、 写真の使い方などの視覚表現である。

次に、人と人の関係は会話を通じて深まる。

う。しかし、それだけでは正解とは言い難い。

ブランドコミュニケーションであれば、どん

つの VI、「ヴァーバルアイデンティ」が欠か

いう「ヴァーバル」な言語表現がこれにあ

Verb(動詞)の形容詞形で、 「 言葉による」

ということは、プラスの意味でもマイナスの

ティとは、ブランドの「言語表現」を意味

考えや信条を伝えるという点においては言

ブランドパーソナリティの表現には、もう一

せないからだ。ヴァーバル(Verbal)とは

「 言 語の」を意 味し、ヴァーバルアイデン する。

人間のコミュニケーションに置き換えて考え

てみると、イメージがつかみやすい。私た

ちが初対面の人からまず受ける印象は、洋

服や身につける時 計やネクタイ、アクセサ

なメッセージを、どんなトーンで語るか、と

たる。「話してみたら当初の印象と違った」 意味でも、よく経験することだが、人物の

語表現が視覚表現以上に影響力を持ってい

るのは自明の理である。だからこそ、ブラン

ドのパーソナリティを伝えていくことが重要

な B&C の時 代においては、ヴァーバルア

イデンティの役割がより大きなものになって

くるのである。

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どのような言語表現でブランドパーソナリティを表すか?

(グローバルブランドのヴァーバルアイデンティ事例)

#1Nike B&C のブランドコミュニケーションに適したメディアである

SNS でのコミュニケーションに着目し、3 つのグローバルブラ

ンドのブランドコミュニケーションを、 「ヴァーバルアイデンティ ティ」(言語表現)の視点から見ていく。SNS のサービスは 多彩だが、ここでは 10 億人を超えるユーザーを持つ世界最 大の Facebook での例を取り上げる。

Nike は、 「If you have a body, you are an athlete.(体

があれば、あなたもアスリートだ。)」という信念のもと、スロー

ガンである「JUST DO IT.」が表すように、アスリートをチャ

レンジへと鼓舞し、彼らにモチベーションを与え続けるブラン

ドであるが、Nike の「らしさ」は、その語り口・調子(インター ブランドでは「トーン・オブ・ボイス」と呼んでいる)にも明

確に表現されている。同時に、Nike のパーソナリティを感じ

させる語り口は、キャンペーンのプロモーションから商品紹介 に至るまで、貫かれている。

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• いつもと同じ週末じゃつまらない。新たなことに挑戦しないか。#JUSTDOIT • 自信と決意をもってスタートラインへ。新しいジブンに会いに動きだそう。#JUSTDOIT • 本能を目覚めさせる、新たな一歩を踏み出そう。NIKE FREE発売開始 http: //gonike.me/6183987F #JUSTDOIT • なにより危険なのは、なにも生まない無難なプレーだ。 http://gonike.me/6187g7gB #上等 • 27年前の今日、伝説は生まれた。絶えることのない進化が、新たな歴史をつくり出す。 NIKE AIR MAX http: //gonike.me/6183gtsW #JUSTDOITJP • 走ろう。本能のままに。NIKE FREEのすべてを体験する、オンラインイベントを開催中。 https://www.facebook.com/events/584603304960315/

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#2Starbucks STARBUCKS TRUE LOGOS. GENERATED BY CHI NGUYEN (CHISAGITTA)

Starbucksについては、 本連載の1回目 ( 『30年後の未来を見据え

た 「日本ブランド」 への提言 』) の中で、“The Third Place(第三

の場所)”を目指す姿として中心に置き、 「プロダクトとサービス」、

「空間・環境とチャネル」、 「人々と行動」、 「コミュニケーション」 の

4つの枠組みそれぞれにおいて、 ブランドの考え方を適切にマネジ

メントしている好例として紹介したが、SNS上でのトーン・オブ・ボ イス (語り口) やメッセージ内容においても、Starbucksらしさは 一貫している。

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• Vanilla Macchiato Macchiato means "marked" in Italian. Vanilla Macchiato means "yum" in every language. :)(Macchiato は、イタリア語で “ 印のついた ” の意味。Vanilla Macchiato は、“ おいいしい! ” の意味。ど の言語でもね。) • "Plant your own garden and decorate your own soul, instead of waiting for someone to bring you f l o w e r s . " - J o r g e L u i s B o r g e s # i c e d m a c c h i a t o (“ 誰かが花束を持ってきてくれるのを待つのではなく、自分の 庭を持ち、自分の気持ちを飾ろう。 ”) • The perfect pour over is easy with the right advice. Got brewing questions? Just ask. (プアオーバースタイルのコーヒーも、正しいアドバイスがあれば 簡単につくれます。質問があれば是非。) • Because you are awesome @johnbuysse http:// instagram.com/p/l7uBakNOa5/(なぜなら、あなたが素 晴らしいから。) ※ @johnbuysse が Instagram に投稿した 写真を Starbucks が掲載。 Starbucks が、“About” で、“This space is not so

different from your neighborhood Starbucks. It's a

place where people from all over come together for conversation and great coffee.” と説明しているように、

バラエティに富んだ話題、そして、ファンとの会話が繰り広げられ

る SNS の場は、Starbucks のリアル店舗の姿と重なる。

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#3Hermès Hermès は、170 年 を 超 える 伝 統 を 持 つ 世 界 有 数 の ハイ

ブランドである。 一 般に、 ハイブランドのコミュニケーショ

ンは写真などの「ビジュアル」表現に注目が集まりがちだが、 Hermès はむしろ「ヴァーバル」な言語表現において際立っ

ている。

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• 都会は男の遊び場。 2014 年春夏メンズコレクションをまとって、さあ動き出そう! • 時計の針を止めてみませんか。 「 バーゼルワールド 2014」開催中。 Hall 1.1 Stand B, MCH Swiss Exhibition (Basel) Ltd., Switzerland. • 言葉より雄弁な所作もある。エルメスの世界をのぞいてみて。 • 角度を変えれば、違う世界が見えてくる…。 2014 年春夏レディス・シューズコレクションといっしょに歩き 出そう。 • 撮られたひとは 、 みんな 笑 顔 になる… そんな 不 思 議 な 写 真 館 が、 銀座メゾンエルメスにやってきます。なにが不思議? それは撮っ てみてのお楽しみ。ゴールデンウィークのすてきな思い出に、ご家族 やご友人とお楽しみください。日程:2014 年 5 月 1 日(木)~ 5 月 6 日(火・祝)... See More •「小道の真ん中に、ぽつんと置かれた椅子。私のことを静かに 待っていたみたい…」 この物語の続きは、www.hermes.com/ vestiaire_pe14 詩的で優雅。謎めいた印象も与える Hermès のトーン・オブ・ボイス(語り口)。語ってい

る内容は、商品やプロモーションの告知という機能を超え、感情や考えの発信となっている。 Starbucks が SNS で対話をしているのに対し、Hermès はブランドの価値観を広く伝える 場として利用していると言えるだろう。

Hermès が YouTube の “About” で語る、“In fact anything one could possibly

need to feel prince of a world where beauty and functionality, practicality and pure indulgence are in perfect harmony.(エルメスのどの商品であっても、

美しさと機能性、実用主義と贅沢が見事に調和する素晴らしい世界に触れることができる。)”

その世界観は、言語表現のトーンにおいても再現されているのである。

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Nike、 Starbucks、 Hermèsのケースから 学べる3つのポイント ①ブランドのプロポジションを明確に体現

日本企業でも Facebook や Twitter でキャ

する言語表現が存在すること。

ラクターを立てて人気を得ているブランドも

のプロポジション(目指す姿)やブランドの

ソナリティ表 現であり、ここで紹 介したグ

ブランドの目指す姿を、言葉のトーンや内容

あることに注意が必要だ。

ヴァーバルコミュニケーションが、ブランド パーソナリティに根ざした表現になっており、

(メッセージ)で創り出している。

②あらゆるタッチポイントが、同じトーン・

オブ・ボイスで表現されていること。

この 3 ブランド各々の言語表現の特長は実

は Facebook のみで見られるものではない。

クアドラントモデル *「プロダクトとサービス」、

「空間・環境とチャネル」、 「人々と行動」、 「コ

あるが、それらはあくまでも SNS 上でのパー

ローバルブランドとは全く次元の違うもので

* 第 1 回『30 年 後 の 未 来 を 見 据 え た 「日本ブランド」への提言』参照。

③他言語でも同じブランド体験が提供され

ていること。

Nike と Hermès は 日 本 語、Starbucks

は英語による言語表現の例を紹介したが、

ミュニケーション」)のコミュニケーションに

これらのブランドはそれ以外の言語において

ブランドと出会うあらゆるタッチポイントで、

やブランドのパーソナリティに根ざした表現

おいても一貫して表現されており、消費者が

「らしさ」を感じる書き方、トーン・オブ・ ボイス(語り口)になっている。

も、ブランドのプロポジション(目指す姿) を行っていることを確認した。

STARBUCKS TRUE LOGOS. GENERATED BY CHI NGUYEN (CHISAGITTA)

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ブランドの言語表現を いかにマネジメントするか 実は、ブランドコミュニケーションのマネジメントにおいて、「日本ブランド」がグローバルブラ

ンドと比較し遅れをとっているのは、特にこの言語面におけるマネジメントである。

一般的な日本企業におけるブランドコミュニケーションのマネジメントは、VI(ビジュアル・ア

イデンティ)やブランドのムードやスタイルを表現するための視覚的基準「トーン & マナー」 に留まっていることが多い。つまり、印刷物や映像などにおけるデザインの仕方に関する規程

をブランドガイドラインとして定めているに過ぎない。

一方グローバルリーディング企業では、視覚面でのガイドに加えて、言語による表現までを規

定してブランドガイドラインに含めている。言語による表現の調子、語り口の統一などを規定す

る「トーン・オブ・ボイス」や、ブランドのメッセージ(なにを伝えるか)に整合性や一貫性

を持たせるための規定「メッセージ・システム」を定めて、 ビジュアル(視覚)とヴァーバル(言 語)でブランドのストーリーを饒舌に語っている。

まずは、ブランドの言語表現、つまりヴァーバルアイデンティティをブランドガイドラインとして 定めることが、口下手な「日本ブランド」から脱するための第一歩である。

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B&C時代は、 SNSでのコミュニケーションが 成否を決める さらに、ブランドと消費者がずっと一緒にい

には、SNS などのコミュニケーションツー

てみよう。

ツールとなると考えるべきである。

SNS などによるブランドコミュニケーション

そのような 時 代 になると、 社 員 の 誰 もが

ることが当たり前になる B&C の時代を考え

手段は、まだまだ一部の消費者のもの。社

内的には広告や広報など特定部署の人々の

ツールに過ぎないという発想が、今は大多

数を占めているかもしれない。しかし、か

つて、一部の人々のもの、一部の部署で管

ルはあらゆるビジネス活動での普段使いの

SNS を通じて顧客と接点を持つことが必要

不可欠となる。そのとき、どの社員が関わっ

ても、ブランドらしさをいかにブラさずに発 信していくかが肝要となってくるはずだ。

理するものと思われていたインターネットは、

そうした時代を先取りし、SNS などを広告や

ファクシミリに取って代わって、ビジネスや

ビジネス活動における顧客とのコミュニケー

なってしまった。これと同様に、B&C 時代

評判を高めた事例を紹介する。

瞬く間に普及し、それまで主流だった電話や

生活に必要不可欠の、当たり前のツールに

広報の手段として捉えるのではなく、普段の

ションツールとして取り入れて、ブランドの

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Delta Air Lines は、業界に先駆けて SNS

でのコミュニケーションを顧客との接点とし

て活用している。顧客サポート専門のスタッ

フがお客様の質問に Twitter で答えるサー

ビ ス @DeltaAssist(2010 年 ス タ ー ト ) が、それだ。

@DeltaAssist は、Dedicated Social

お客様との接点として、電話窓口を設置す

る、空港などに案内の担当者を配置すると いったこれまでの手段とは別に、SNS をお 客様とのコミュニケーション手段として、特

別のモノではない普段使いのツールとしてい

Assist Specialists(ソーシャル専門のヘ

ることがこの事例の参考にすべき点である。

に対しチームを挙げて 24hours/7days で

今、「日本ブランド」が取り組むべきことは、

ルプデスク)を設け、お客様のあらゆる課題 バックアップしてくれる。

自社にふさわしい言語表現の獲得に他なら

この @DeltaAssist チームは、予約と営業

ティのガイドラインを定め、社員の誰もが意

で、中にはカーゴやエアポート関係の経験

できる教育や体制づくりが急がれる。

の経験を持つカスタマーサービスの専門家

者もおり、各部門と連携する。お問い合わ

せ対応の窓口としての機能だけでなく、言葉

によるコミュニケーションは、まるでコンシェ ルジュのような位置づけとなり、ブランドの 顔となって顧客へ寄り添う。また、 コーポレー

トコミュニケーションやマーケティング部門 と連携し、お客様の声を即座に社内にフィー

ドバックする。

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@DeltaAssist は、この透明性と対応力に

よってブランドの評判を高めることができた。

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ない。前述の通り、ヴァーバルアイデンティ 識せずに自然にブランドの「らしさ」を体現

遠からずやってくる、全社員、一人ひとりが

ブランドを体現するようになる時代に備えて。


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インターブランドジャパン 木多弘之 Executive Creative Director 五十嵐理香

Program Director, Digital

セッポ・クルキ Director, Verbal Identity 安達浩之 Senior Consultant 天野洋介 Senior Consultant 上村直弘 Senior Consultant, Verbal Identity 藤村紘一 Interactive Designer インターブランドについて インターブランドは、1974 年、ロンドンで設立された世 界最大のブランドコンサルティング会社である。世界 27 カ国、約 40 のオフィスを拠点に、グローバルでブランド の価値を創り、高め続ける支援を行う。インターブランド の「ブランド価値評価」は、ISO により世界で最初にブラ ンドの金銭的価値測定における世界標準として認められ、 グローバルのブランドランキングである “Best Global Brands” などのレポートを広く公表している。 インターブランドジャパンは、ロンドン、ニューヨークに次 ぐ、インターブランド第 3 の拠点として、1983 年、東 京に設立された。ブランド戦略構築をリードするコンサル タント、ブランドのネーミング、スローガン、メッセージ ング、ロゴ・パッケージ・空間・デジタルのデザインを 開発するクリエイターが在籍し、さまざまな企業・団体に 対して、トータルにブランディングサービスを提供している。 著書「ブランディング7つの原則」 (日本経済新聞出版社刊) http://interbrand.com/


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