ふくたろう うまれかわった ほいくえんの はなし
さく ささき けい え くらかず かおり
ふくだほいくえんのけんせつに かかわってくださった すべてのひとと
これからなんねんも このほいくえんをつかっていく こどもたちへ
むかしむかし あるところに 「ふくたろう」というなまえの ほいくえんがいました。 ふくたろうは もうながいこと ここに すわっていたので すっかり おじいさんほいくえんに なっていました。
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どんなほいくえんにしたら そんな ふくたろうをみて、 みんながしあわせに なれるのでしょう。 あたらしくして やりたいと おもったひとたちが いました。
りじちょう せんせいと えんちょう せんせいと けんじ せんせいです。
せんせいたちは けんちくかに おねがいして あたらしいからだを つくってもらうことに しました。
せんせいたちと けんちくかは たくさん、たくさん はなしあいをしました。 3
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「こどもたちは、はしりまわるのが だいすきです。 だから したがすぱーんとぬけた ほいくえんはどうでしょう。」 と、けんちくかが いいました。
さあ、あたらしいからだを つくるための こうじの はじまりです。 まずは ふるいからだを こわしていきます。
「うん、それはいい! ちいさな こどもたちが はしりまわれる あかるい ほいくえんにしよう!」 と、せんせいたちも いいました。
むかしのふくたろうは すっかりなくなってしまいました。
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そして「きそ」をつくります。 「きそ」とは、たてものの あし のようななものです。
ショベルカーで かたいじめんをほりだし 「てっきん」をくんだあと
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コンクリートをながしこんで しっかりしたあしもとをつくります。
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コンクリートが かたまって、 ふくたろうのあしが できました。
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そのころ こうじょうでは「てっこつ」がつくられていました。
いっぽんずつ くみあわせて、ふくたろうのからだを つくっていきます。
これは ふくたろうの「ほね」になります。
「てっこつ」はおおきいので、トラックではこぶのがたいへん。 11
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ほねぐみが できあがると、 やねとゆかに てつのいたをのせて コンクリートを ながしこみます。 きれいなコンクリートを つくるのは ほんとうにむずかしい。 ひょうめんが つるっとしていて、 くうきのあなが あいていないのが じょうしつな コンクリートです。
これをつくるために だいくさんたちは ていねいに ていねいに さぎょうを おこないます。
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ロックウールの つくりかた また、ふくたろうを かじから まもり、 3
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さむさから まもるために 「ロックウール」という とくべつな そざいを ぬります。
こうせき
ねつでとかす
ほそながくする
「ロックウール」は「こうせき」という なまえの いしと 4
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セメントから できています。
まるめる
つぶつぶにする セメントとまぜる
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できあがり
さぎょうのようす 15
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ロックウールを ぬりおえると、 「てっこつ」のうえに かべを かぶせます。 これは ふくたろうの 「ひふ」となります。 かべのしたには でんき・みずが ながれています。
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おくじょうにも「ひふ」を かぶせていきます。 これは「ぼうすい」といって あめからふくたろうを まもるために つかいます。
くもひとつない はれたひには しろくぬったぶぶんが まぶしいくらいに かがやきました。
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おくじょうがおわると、なかに いどうします。 すべてのまどに「まどわく」をはめてゆくのです。 「まどわく」には あとで とうめいなガラスが はめられます。
そして、まだ「てっこつ」がでている てんじょうやかべに きれいないたを かぶせます。 そうして ふくたろうのほねは すべて すべすべした「ひふ」におおわれました。 21
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いよいよ しあげです!
かべぬり
ゆかはり
でんきのとりつけ
ガラスのとりつけ
からだのこまかいぶぶんにまで ていねいにていねいに おけしょうをしていきます。 これでふくたろうのからだは かんせいしました。 23
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からだがかんせいすると、むかしの ふくたろうにいた かぐと あたらしい かぐが やってきましたよ。
ピアノ とけい
いす
つくえ きゅうしょくよう ワゴン キッチン
え たたみ おおきな ホワイトボード さく
にんぎょうげき の ステージ
しょくぶつ ゆうぐ
いんさつき すのこ 25
たな
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ふくたろうは さいごに、おにわをつくって
じぶんのめのまえに ねころがっている
あげなければいけません。
このおにわのことが すぐにすきになりました。
だいくさんが ゆうぐをはこんで せんせいが おはなをうえて みんながおはなに おみずをあげました。
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まちにまった かいえんのひ。 みんなが ふくたろうの なかに なだれこみました。
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あたらしいふくたろうのなかで こどもたちがたのしそうに あそんでいます。 それをみて ふくたろうは 「ぼくは せかいでいちばん しあわせな ほいくえんなんだ。」 と、おもいました。
これからはまいにち だいすきな こどもたちと せんせいと いっしょにくらすのです。 きっとこのさき なんじゅうねんも ふくたろうは しあわせな ほいくえんで ありつづけるでしょう。
おしまい
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