WORKS 2019-2022
Architecture Portfolio
Kazuki NaoiWORKS 2019-2022
Architecture Portfolio
Kazuki NaoiProfile Skills
2D Drawing
JWCAD Vectorworks
3D Renderling
Vectorworks
Twinmotion
Sketchup
Photoshop Adobe Illustrator
Lightroom
直井 和希/ Kazuki Naoi
2000.03.06 岐阜県高山市生まれ
2018.03 岐阜県立高山工業高等学校建築インテリア科 卒業
2018.04 大同大学工学部建築学科建築専攻 入学
2022.03 大同大学工学部建築学科建築専攻 卒業
2022.04 大同大学大学院工学研究科建築学専攻 入学
2024.03 大同大学大学院工学研究科建築学専攻 修了見込
2021.03 株式会社コンパス|淺野翼建築設計室 オープンデスク参加
2021.07 澤秀俊設計環境 sawadee インターンシップ参加
2021.09 吉村真基建築計画事務所|MYAO インターンシップ参加
2022.06 株式会社青島設計 アルバイト
2022.09 株式会社プランテック インターンシップ参加
Qualification
普通自動車第一種免許 情報技術検定 3級
計算技術検定 3級 トレース検定 3級
Contact
E-mail : dma2215@stumail.daido-it.ac.jp
mobile : 080-8258-4686
Hobby
Playing Sports Feeling the natureLooking at artWorks
Diploma Design
『50年の乱反射』
p04 - 13
卒業設計
JIA東海卒業設計コンクール10選
Main street
『想いを紡ぐ兵器工場』
p42 - 49
2019-2022
Apartment
『滲み出し、組となる』
p14 - 21
M1共同設計課題
Housing
『離れ群住居』
p22 - 27
Childcare center
『こどもの遊戯』
p28 - 33
Furniture
p34 - 41
Housing
『ヨシアシハジブンデ』
p50 - 55
Apartment+Workplace
『Advertising Architecture Lab』
p56 - 65
Elementary School
『学びの杜』
p66 - 73
優秀作品
Art gallery
『たまりと壁』
p74 - 79
優秀作品
50年の乱反射
Diploma Design
01 社会的背景 計画敷地
現代社会において、従来のスクラップアンドビルドから 脱却し、既存ストックの活用を図ることが重要視される ようになった。大規模な都市開発や建築行為に限界があ
ることはすでに明らかであり、持続可能な社会を実現す る上でも、既存建築物の再生は避けられない課題である。
再生の手法
持続可能性 改修の方法が多様化し、物理的な転用は機能し始めてい る。一方で、改修の対象が単独の建築となる傾向が強い ため、転用自体が非常に自己完結的であるとも言える。
そこで私は、人々の振る舞いが連鎖しながら、段階的に 変化する建築の再生手法を提示する。
03 建築の転用
住宅ストックと世帯数の推移
̶住民間で徐々に編集する町̶
転用の可能性 アルルの競技場は、闘技場から軍事施設、そし て集合住宅へと用途変更を繰り返した。社会の 変容を受け入れ、時代の変化と共に新たな価値 を生み出している。既存建築が、都市資源とし て活用され続けていく豊かな時間の流れがある。
建築とふるまいの転用
建築の改修時には必ずブランクが生じる。これにより 建築と人間のライフサイクルが中断され、転用やふる まいの「文脈」が失われてしまう。人々のふるまい自 体が継続する建築こそが次世代を担う更新論になると 考える。
Life cycle
名古屋市南区観音町は、昭和初期に娯楽街として計画されたが、その後中止と なり今も特徴的な街区が残る。ここには住民達が試行錯誤し、編集し続けてき た独自の風景がある。人々の活動を通じて徐々に編集されてきたこの街は、生 活に寄り添い変化する柔軟さと、継続的に利用されてきた事によるしたたかさ を併せ持つ。
▲計画対象エリア内の長屋部分。隣地を跨ぐようにして増改築が繰り返され、「所有の意識」自体が共有されたような独特の風景を有する。
転用の手法 ̶ささやかな編集作業̶
計画対象エリアでは、元々、住民による非合法的な増改築が繰り返し行われてきた。しかし、そこにこそ真の住人の 要求や新たな生活様式を生み出すきっかけが眠っている。「ささやかな編集作業」は、これら既存建築から読み取った 増改築要素を、合法的に再編した、新たな建築設計の手法である。
ささやかな編集ダイアグラム
-街の構成要素から再編した操作リストー
既存建築を解体することで偶発的に 生まれた空間に、別の機能や用途が 発生する改修の方法。残余スペース が共用の廊下になったり、露出した 柱が新たな境界を生む。
制度や権利などを超えて、地域資源 としての新たな境界を生み出す改修 の方法。外壁そのものが境界壁の意 味合いを持つことにより、建築形態 や用途、近隣関係に変化が生じる。
老朽化した建築の構造的補強、強化 を図り、その結果としてそこに付加 価値を見出す改修の方法。様々なモ ジュールの空間が重なり合うこと で、合理的かつ創造的な編集が行わ れる。
住民たちの意志により施された建築 的操作を読み取り、それらを合法的 に街区に展開させる改修の方法。既 存建築の構造体やデッキ、屋根など が周辺に飛び火したり、寄生したり する。
既存建築に付加されることで、機能 拡張を行う改修の方法。ライフスタ イルや住人の変化に伴い、隣棟と直 接的につながったり、領域変化をも たらしたりする。
空間構成要素を何かに見立てたり置 き換えたりする事で、利用者によっ
て読み替えが可能となる改修の方 法。軒が新たな共用空間を生んだり、 一部の外壁が塀に見立てられたりす る。
改修時の不足部分を一時的に担保す る改修の方法。仮設でありながらも 機能や用途が定着し恒久的な空間に なったり、仮設であるが故に、昨日 まであった道が突然無くなっていた りする。
副次的に生まれた部材や解体した部 材を再利用することで既存空間に変 化を生む改修の方法。単体の建築に とどまらず、地域へと展開していく ことで、新たな街並み形成に寄与す る。
ささやかな編集作業を複合的に連鎖させ、人々のふるまいの連 鎖を生み出す改修の方法。点的な改修ではなく街区全体の改修 を行うことで、地域資源としての建築の在り方を示す。
空き家A
空き家B
事務所
空き家C
空き家D
居酒屋
住宅A
鉄道模型
編集過程平面図 (一部抜粋) 1/150
遊郭が起源となった区画整備 により街区内には不定形地が 散見され、それらは違法増改 築の温床となっている。
個人所有の空地が徐々に共有 されていくことで、これまで の地域的景観を守りつつ、違 法建築の解消を試みる。
⑥壁を解体し店舗同士の関係性を生み出す
⑦通路に対して開口部を設ける
③1Fを解体し、デッドスペースと接続し街の通路を生成
④上階への縦同線として共用階段を生成
⑦鉄骨壁フレームを挿入し補強を図る。将来的にはこの壁を 発端として、木造から鉄骨造へと補強を図りながら変容していく。
⑤デッドスペースを庭へと読み替え掃き出し窓を生成
違法な増築が行われた ことにより坪庭が生ま れたがデッドスペース となっている。
⑥コンクリートブロックに境界を生成
⑧用途不可分による増築を行うことでCBの境界壁をなくす
・書店
・アーケードが生成 ・パン屋が開店
・事務所閉業→集会所兼ワークスペース
・アーケードが延長
・パン屋と集会所が接続
・商店街の補強により敷地境界を越境
・解体により中庭が開放→ ピロティ化し街の通路へ
・建ぺい率12%削減→不動産広告に掲載
・オーナーの高齢化により
・本屋とパン屋ガ接続
・老朽化により一部解体→
中庭を生成 3Fまで続く鉄塔が建つ
・アーケードが増殖
3Fに学習塾が建つ
・居酒屋のキッチン→・商店街の補強により鉄筋フレームの躯体が敷地境界を越境
共有ダイニングへ
・住居と模型倶楽部が分離
・中庭を共有
パン屋2Fと集会所2Fが接続
集会所と接続
シェアハウス
元居酒屋と住居を接続
・高齢者同士のシェアハウスとなる
書斎を増築
Ⅲ 空き家が街の通路へと姿を変える▲ 屋外階段は独立しており様々な場所と人を繋ぐ機能を有する
各住戸には別途アプローチが 設けられており、街区全体で 2方向の避難が可能となる。
境界線を跨いで違法に増築された 建築に用途不可分の関係を作るこ とで新たな居住空間を生み出す。 隣接する住宅とキッチンを共有。
屋外階段を1つの建築物として計画 することで様々な拠点を生み出す。
鉄骨壁を手掛かりとして 木造住宅は次第に鉄骨住 宅へと変容していく。
視覚的距離感を縮め、 身体的距離感を離すよ うな立体的構成。
一般的な界壁に求められる 性能を維持しつつ開口部を 設けることで、これまでの 長屋にはなかった住人同士 の関係性を生み出す。
飲食店を居抜きとして活用し、既 存コミュニティを維持したまま高 齢者の共用食堂へと姿を変える。
違法に増築された分の面積 を減築し、中庭を設ける。
違法建築の温床となっている裏 スペースを全面道路と接続する。
各スペースの間に生まれた 間 が隣地境界の意味を帯び始める
1階を店舗化すること で界壁をなくし連続的 な空間とする。
店舗同士を人々のふる まいが繋いでいく。
Ⅱ Ⅲ Ⅳ
1階に店舗へと用途変更することで界壁を一部解体する▲ オフィス、パン屋、書店、美容院が徐々に接続・干渉しあう
街行く人が日常生活の中で 高齢者の見守りを行う。
遊郭跡地の特殊な区画によ り裏スペースに多くの三角 地が生まれている。
共用階段は各住戸を巡る ように計画される。
現在の店主の子世代へと商いが引き継がれていく▲ 地域住民の高齢化に伴い、相互扶助のきっかけも生み出す
現在、違法増改築の温床となっている裏側スペース▲ 街の魅力を残しつつ、違法建築に対する合法化を目指した
10 編集過程平面図 (一部抜粋) 1/150
⑦収納を縁側に置き換え余剰地側で採光を確保
⑤余剰地側を一部減築する
特殊な区画により、街区内 には三角の余剰地が散在す る。これらが違法建築の発 端となっている現状がある。
個人所有の空地が徐々に共有 されていくことで、これまで の地域的景観を守りつつ、違 法建築の解消を試みる。
個人所有の空地が徐々に共有 されていくことで、これまで の地域的景観を守りつつ、違 法建築の解消を試みる。
自転車屋 空き家F(元飲食店)
住宅J
住宅K
住宅L
住宅M
住宅N
スーパー事務所兼倉庫
違法建築の温床となっている裏 スペースを全面道路と接続する。
①三角の余剰地と前面 道路をつなぐため既 存棟を一部減築する
④吹抜を追加し空間認識を拡張
③吹抜を追加し空間認識を拡張
②外壁にサッシを追加
⑥外壁にサッシを追加
街区ラインの延長線上に 新たな地域コミュニティ の場が形成されていく。
⑧隣地の外壁ま
Ⅸ
・元飲食店を居抜き
・建物後部にも入り口を設置
・レンタル自転車屋へ変更→ 一部解体し外へ開放
・スーパーの店舗が繁殖
・住宅一部解体→ 広場からの通路が生成
・2Fを一部解体 2Fにベランダを生成
・飲食店2Fが自転車屋ベランダに増築
・工務店一部を解体→ 通路を生成
・工務店が開業
・ブロック塀一部解体 広場が生成
・スーパーの倉庫1Fを売り場へ
隣地境界側の一部を解体し、雁木造の様な共用空間を生む▲ 外部と外部を隔てる掃き出し窓は住民に新たな気づきを与える
個人所有の一部を近隣に提供
個人所有の領域を間接的に近隣に提供
吹抜けを設ける。隣家の 吹き抜けを介して空間認 識に変化を生み出す。
ラーメン屋
隣地の外壁を住宅の壁と みなすことで空間認識に 変化を生み出す。
人の活動を裏側の空きスペー スに引き込むことで違法な増 改築の発生を防ぐ。
隣地の外壁を自転車店の 壁とみなすことで空間認 識に変化を生み出す。
個人所有の領域を間接的に近隣に提供
吹抜けを設けることで、 上下階の一体的な利用 が可能となる。
アーケードに面した をサッシに変更し、 新たな関係性を産む。
個人所有の領域を間接的に近隣に提供
市有地の一部を地域に提供 市有地の一部を地域に提供
隣地境界側の一部を外部 化し、雁木通りのような 半共用空間とする。
11 詳細断面図 (一部抜粋) 1/60
Section 1/500
Elevation 1/500
滲み出し、組となる
隣の家への滲み出し
共用空間の滲み出し■ 愛知県名古屋市西区那古野1丁目 ■周辺情報
対象敷地は、愛知県名古屋市西区 那古野1丁目の住宅地である。敷 地北側には円頓寺商店街、西側に 都心環状線、東側には堀川や四間 道があり、都市開発エリアと街並 み保存地区が混在 する特徴的なエ リアである。
■ 調査1 街並保存地区と住環境の関係性 ■ 調査2 四間道の風景と「組」
■ 調査3 敷地の中での関係性 ■ 調査4 二項道路
街並保存地区を散策すると、円頓寺商店街 や四間道周辺は賑わいを見せている。一方、 住民間の生活は閉じ、各々の生活スタイル は感じられない。内に閉じることで、地域 のネットワークが途切れ、元々根付いてい た地域住民の関係性は希薄になっている。
周辺エリアには、屋根神様と呼ばれる祠が存 在する。1区画や5.6軒ごとに神様を所有し、 祭事などの際にそれを山車に乗せ祀る集団を かつては「組」と呼んでいた。
対象敷地の一部は隣に家を持つ住民であ ることから、建物の一角を隣の地主さん や周辺の住民と接続する場所を設ける
街並み保存地域であるこのエリアには、2 項道路が多く存在する。道路中心から2m 以内に建築することができないため、この 特徴を積極的に活用する。敷地境界を曖昧 にし、地域住民の所有意識を芽生えさせて、 共有空間のきっかけとする。
調査 Research 名古屋市西区那古野エリア 周辺エリア内の二項道路
提案 Suggestion
0 1 所有する住まい方の提案 0 2 滲 み 出 し の 計 画
0 3 関 係 性 よ る 組 の 形 成
住民が、住み続ける中で決まった場 所やいつも使う場所ができる。いつ も使う人やお気に入りの空間ができ ることで新しい帰属集団の「組」が 生まれる。
建築内に共有空間を作り、地域の人 も所有意識を持つことによって、こ こを起点として地域の生活を広げて いくことができるのではないかと考 える。
住人は寝室を所有し、その他の機能は自らが選 択して使用する。住人それぞれが独自の所有意 識が芽生え、建築内に所有度の高い場所や低い 場所が生成される。
大人数で共有する時、人によって所有の 意識度は異なり、曖昧な所有意識範囲が 広がり、錯綜することで関係性を作り繋 がりを連鎖させることができる。
0 4 帯 の 横 断 に よ る 組 の 形 成
LVLの壁を基準に、各機能空間 を配置する。段階的に様々な居 場所・共用空間を創出する。
機能空間とは別に、帯状にゾー ンを設定 する。これにより機能 とは異なる集団領域が生まれる。
機能による領域と帯状の領域が 重なることで、様々な用途を横 断した「組」が生成される。
地域の人とバーで関係を築いたり、 ランドリーを使いながら関係を形成 していく。
共有空間と土間を接続
二項道路に対し、ファサードを雁行配置にすることによりまちに滲み出す 計画を行った。さらにまちの住人のシェアハウス内での滲み出しが起こる よう土間を配置し、さらに土間を共用部分で挟み込むことによってショー トカット以外のアクティビティを生み出しやすくした。
平面図 07
2F平面図1/80
滲 み 出 し 操 作
通常の道路と並行に空間を構成するのではなく全体を10度斜めに振ること で垂直水平である動きではなくなり、多くの動きが発生する。角度を振った ことによる使いにくくなってしまう空間を削り、ファサードやテラスを計画 する。
開 口 の 滲 み 出 し 操 作
共有する部分に面する開口、所有部分に面する開口を区別し開口を計画した。 共有部分に面する開口はより関係性を生み出しやすい計画とし、所有部分に面 する開口は機能を重視した計画とした。
昨今の新型コロナウィルスの感染拡大をきっかけに、私たちを取り巻くワークス タイルやライフスタイルは大きく変化した。日々複雑化していく社会環境に対し、 「家族」や「個人」のカタチも多様化しはじめている。本計画における「離れ」は、 単なる家族の「生業」や「趣味」の場ではない。一つの敷地に家族がそれぞれ「離れ」 を所有し、それぞれが自分の生き方と向き合うことで、変化する「家族」そして「個 人」のカタチを許容する住まいとなる。
SITE 都市計画道路
家族単位でしごとと向き合う
従来の家族 各々がしごとを持つ家族
個人がそれぞれしごとと向き合う
本計画では、ある特定 の敷地と家族を対象と しているが、この図式 はこれからの家族や家 の在り方の1つの指標 になり得ると考える。
父は会社、母はパート、子供は学校etc.)と関わるのではなく、個人が各々に「しごと」(様々な帰属集 団に属する事を意味する)と向き合うようになると、家のかたちそのものにも変化が生じていくのではないだろうか。家族を社会の1つ の帰属集団と考え、新たな家との向き合い方を提案する。
敷地北東の里山
敷地詳細 用途地域 第1種低層住居専用地域 敷地面積 264.045㎡ 建ぺい率 30% 容積率 100%
家族構成 父 35歳 母 35歳 娘 2歳
SITEPLAN S=1/1000
計画プロセス
家族それぞれが個人として「しごと」に向き合う家を、実在する土地を対象に考える。地域社会や都市制度、時間の移り変わり等による変化の中で、柔軟に家族の活動を受け入れる家を計画する。
Ⅰ 新築 Ⅱ 15年後 Ⅲ 30年後
敷地形状を活かし、敷地の南側と東側に対して庭を設け、 自然に開放された生活を送る。各部屋が異なる形で庭と 接続し、多様な活動の拠点を生み出す。
開口計画/植栽計画
都市計画道路の造成によって生活範囲が縮小する。子供 は成人し、夫婦だけのコンパクトな生活に適した家とな る。階段が削られ、2Fに離れが生成される。
更に南側に離れが増築され、夫婦がそれぞれに離れを所 有できる。家族でありながら、個人が社会と直接的につ ながる暮らしを共存させる構成とする。
目標とする階層構造 中・高木層:ソヨゴ、コブシ、ヒメシャラ、エゴノキ 低木層:コバノミツバツツジ、ナンテン 草本層:スミレ、コシダ、ギボウシ
土地形状が内部空間に干渉するための開口計画を行った。外部が強く内部に影響する窓、内部が強く外 部に影響する窓、内部と外部が対等になる窓などがあり、そこに多様な家族の行為が発生する。家族は 自分の状況や要求に合わせて居場所を選択し、利用していく。家族の拠点が日々移り変わるような計画 となっている。
敷地北東には地域で守られている里山がある。私は、そこにある在来種を敷地内に引き込み、周辺環境 との調和を図ることとした。里山の植生をリサーチし、園芸種として有効な植生を抽出して敷地内にプ ロットする。敷地外からの視線、内部空間との関係性に配慮しながら各植物の配置計画を行なった。
Ⅰ 新築 Ⅱ 15年後 Ⅲ 30年後
物理的な離れ 前面道路の拡幅工事により、既 存階段が削られ、2Fが物理的 な離れとなる
屋外テラス 水廻りをコンクリートの箱で立ち上 げ、将来的な増築の足がかりとする
東側の外部空間に向けて様々な居場所を設ける
様々な活動の拠点 開口部によって生まれた外部と内部の 境界領域に、家族の居場所を設ける
地域との関係 屋外から離れに直接アクセ スできるように階段を新設
家族のかたち 娘の成人・独立に合わせコンパ クトな生活空間へと変化する
上下階の繋がり 2Fテラスには大開口を設け、奥 に長い内部空間にも光を届ける
新たな空間性 社会とも家族ともつながる 第2の家が出現する
吹き抜けを介して、 既存部分とつながる
家族
母の家 母が所有する能動的離れ。地域 社会との関係が強が強く、母屋 とも視覚的に接続している。
地形断面 室内に地形断面が現れる事でひと繋 がりの部屋に多様な変化が生じる
社会
父の家 父が所有する受動的離れ。母 屋とも地域社会とも少し距離 をとった構えになっている。 母屋 家族で所有する家。家族と個 人の両方が対等な関係性に なった時、それらを両立する ための場として機能する。
内部と外部がフラットに関係する場所
内部空間が強く外部に影響する場所
外部から直接アプローチで きる社会とつながった部屋
母の所有空間
2つの離れ 夫婦はそれぞれに離れを所有し、 個人の老後と向き合う。家族や社 会のルールから解放され、自分自 身が望む生活を送ることとなる。 家族は縛りではなく拠り所となり、 新しい家族の関係が生まれる。家 族は時間と共に変化し続ける共同 体へと変化する。
外部空間が強く内部に影響する場所
建築詳細
建築面積 63.769㎡
1F床面積 57.979㎡ 2F床面積 30.64㎡ 延床面積 88.619㎡
詳細断面図 Section
こどもの遊戯
Childcare Center
課題概要
未来こども園U30アイデアコンペ「余白」
敷地:4面道路、公共施設、田、川、公園に囲まれた場所
心に「余白」を持たせることは、結果的に物事を円滑に進めさせ るといわれています。
それは建築においても言えるはずです。
設計においてはもちろん機能性も重要ですが、”豊かさ” や ”
楽しさ” を考えた時に必要となってくるのは「余白」の考え方 ではないでしょうか。こどもは遊びの天才と言われています。「余 白はそんなこどもたちを生き生きとさせる可能性を秘めていま す。こどもたちが自ら遊んでくれるような「余白」のあるこども 園を提案して下さい。子どもたちが最初に家族以外の人とふれあ う場所それがこども園(保育園)です。誰もが過ごしたあの場所 で、私たちは多くを学び、感じ、最初の社会を体験しました。遊 びの中から子どもたちは人との関わりを学び自我を目覚めさせ、 ルールを知り成長していきます。近年、女性の就業率上昇から保 育園に対するニーズは多様化しています。今後、益々進化を続け ていくいくこども園(保育園)。こども園(保育園)の可能性は 無限大です。第5回U30部門のテーマは『「余白」のあるこども園』 こどもたちが自ら遊んでくれるような、豊かな「余白」の空間を テーマに今考えられる、未来を目指したこども園を考えてみませ んか?
concept
「対話」というふるまいは対人に限らず場との 対話、モノとの対話など様々な「対話」がある。 この振る舞いはそこにある可能性を導き出す。 この建築は子供たちの可能性のきっかけをたく さん生み出す役割を担う。子供たちの豊な感性 を養うために、対話によってたくさんのものと 触れあい、を生み出してあげることが必要であ
る。
今日、あらゆるものの自動化が進み生活が快適になり続けている。しか し、現在の子供たちは公園の規則化、遊び方の変化、両親の共働きなど の要因により、様々なものと対話する機会が失われている。更には運動
能力の低下も問題視されていて、親世代より体格は大きくなっているが 運動能力が低下しているというデータもある。今後も更に若者の身体的・ 精神的能力の低下が予想される。
50m走 ソフトボール投げ
対話:直接に向かい合って互いに話をすること
向かい合うというのは、必ずしも人同士の間の みに生じるわけではないと認識している。ここ まで10の対話とその<例>を挙げたが、これら の対話が複合的に重なり、最終的にはさまざま な形で子供たちが建築全体と対話することにな る。
こども園で生活する子供たちは、数年かけてこ の建築と向き合い、新たな可能性を見つけるこ とになる。この新たな可能性は、私たちが想像 しえなかった使い方や遊び方を誘発し、11、12、 13…と新たな対話をしていくことになるだろう。
対話『心の余白』による豊さ:10の作法
<例> こどもしか入れない空間。子供同 士の会話を誘発し、社会性を育む。 壁は、子供を見守れる高さとし、 尺モジュールで配置する。
<例> 子供のスケールに寄り添った高低 差を設ける。子供が自由に遊べる 状況のなかで大人と同じレベルに 居る状況として積極的に高低差を
<例> 壁に窓のような穴を設ける。かく れんぼや、みえがくれする動作を 見ることで子供の興味や言葉以外 のコミュニケーションを生み出す。
<例> 植物をこども園内に取りこむ。植 物に囲まれた状況では自然光によ り満たされ、子供は植物を常に感 じ生活する。植物とともに成長を 感じる。
<例> 空間の変わり目、壁の素材を変化 させる。見た目だけではなく触感 を刺激し興味を促す。空間認識の 手段としてもテクスチャを利用す る。
植物と対話 子供と対話 大人と対話 目線で対話 素材と対話
<例> 柱と柱の支持をするための部材を 設ける。一見障害物であるが、子 供につかまったり、しゃがんだり する動作を促す。空間の仕切りの 役割も担う。
<例> 柱と柱を繋ぎ、大きなテーブルを 作る。柱の間隔をまたぎ、空間を 仕切りながら食事の際には子供同 士一つのテーブルを囲って対話を する。
<例> 軒とデッキを周囲に設けることで 生き物の溜まり場を作る。周辺環 境から自然が豊かであることから、 軒先空間とデッキによって生き物 と子供の対話を生み出す。
<例> 周囲の音を取り入れる塔を設け る。川の音、公園の音、蛙の鳴き 声、車の音を聞き耳で対話する。 同時に風の抜け道としても機能す る。
<例> 柱と壁を455mmのハーフ間隔で 配置し子供しか入れないスキマを 作る。4歳から入れない子が増え、 自分の成長を感じる。空間の仕切 りとして有効な寸法である。
配置図兼平面図 1/200
コミュニティセンター
PROJECT EN
Daido University
Nina Funahashi Lab.
Architecture Minor
Management/Project Plan/Subject Design/PR/ Model
Daido University
Nina Funahashi Lab.
Interior Design Minor
Flyer Design/Logo Design/Subject Design/PR/ Model
Daido University
Nina Funahashi Lab.
Interior Design Minor
Research/Director/ Subject Design/PR/ Model
Daido University
Interior Design Minor
Photograph
HIDA TAkAYAMA
Furniture Maker Processing
PROJECT EN Instagram
Kazuki Naoi
Ayato Sugie
Shogo Nakajima
地元、飛騨高山の高校時代の家具職人である友人と、ものづくりに対しての想 いが共感し合ったことをきっかけに家具制作を行うこととなった。
NAGOYA
更に大同大学船橋研究室の友人である杉江・中島が想いに共感し、家具制作に加わった。
作品撮影のカメラマン、モデルに後輩を巻き込み、機材協力で米澤研究室の友人、資材協力に武藤研 究室の友人を巻き込んだ。ここで交流する中でそれぞれ新たな関係ができた。
全く関係のなかった人同士がデザインの想いを通して関係性(縁)を持ったことでデザインには何か と何かを繋ぎ合わせる力があると確信し、この制作活動をプロジェクト化した。何かの縁を作るプロ ジェクトを『Project EN』と名付け、制作の裏テーマとして「人を巻き込む」「関係を作る」ことを目 標に掲げた。
このプロジェクトでは、私が地元の友人と共感し合い、家具制作を計画したように、制作を通して新しい 関係ができるのではないかという仮説のもとちゃぶ台を制作した。ものづくりを試みる者たちがデザイン による対話によって関係を作り、その関係がどんどん膨れ上がっていくという成果を出した。 私たちはデザインの力と物作りの可能性を改めて体感し、人と人、空間と空間、何かと何かを繋ぐことを 続けていくため『Project EN』というプロジェクトをチーム名とし、デザインを担当した3人によって活 動を続けていく。
01
Flier Design / LOGO Design
key word
「インテリア×アーキテクチャー」
「何かと何かを結ぶ縁」
「場所を特定しない」
02
ちゃぶ台
ちゃぶだい【ちゃぶ台】 ちゃぶだい【ちゃぶ台】
え食事の場所がダイニング なったことで場所を取らなとして認識されるように なくなりつつある。
ちゃぶ台、チャブ台(ちゃぶだい)は、 団欒を象徴するシンボルとして取り係が感じられず、昭和初期の家族ののが多い。上座、下座などの上下関形をしており、折り畳みができるも卓である。一般的に方形あるいは円日本で用いられる四本脚の食事用座上げられる 族団欒の象徴として使われちゃぶ台は、昭和初期の家 てきたローテーブルであ る。現在
LDK の住宅が増
四脚の座卓 場所を取らないよう形態変化上下関係を定めない 団欒を象徴するシンボル
定義を抽象化し新たな定義をつける
これは、かつて象徴として各家庭に一台あった日本の家族の象徴の可能性を再発見 し、現在におけるちゃぶ台は何なのか再定義することで新たに団欒を生み出すこと
ができるのではないかという実験的試行である
Research:ローテーブルマトリクス表
「インテリア×アーキテクチャー01 - 資材」
建築学科3人のデザインということから建築で使われる資材を用いて制作できないか試みる。
資材調査の結果、建築現場で使われる杉の足場板が乾燥、加工、寸法の面から最適であると判断し 天板に足場板を転用させる。脚には家具制作によって出た端材を利用する。
「インテリア×アーキテクチャー02
- 空間を結びつける」
足場板という外の要素を内に持ち込むことが可能となり、外が内に侵入する。ちゃぶ台が外に侵入 することができれば領域のバグが発生し場所を定めないものとなる。
ちゃぶ台(インテリア) × 足場板(アーキテクチャー) 無関係だった存在が関係を持つ
場所を特定しないちゃぶ台
ちゃぶ台は4本の脚で垂直に接合しているため、座る人の位置と人数を決定してしまう。従来のちゃ ぶ台のディテールを見直し、位置と人数の制限を緩和させる。
座る場所が確定
天板のテーパー加工
脚のテーパー加工 脚に角度をつける
脚の取り外し、付け替え可能の加工
テーパー加工はシルエットラインを綺麗にし、軽く見せる効果をもたらす。更に天板にテーパー加 工を施すと薄い板のように見える。足に角度をつけることで一度に両足が見えなくなり、場所を確 定させない効果を持つ
マテリアル
家具制作では木材の性質と効果を見極めることは欠かせない作業である。
タモ:【Tamo】
強靭で衝撃に強いことはもちろん、すぐ
れた弾力性をも持ち合わせている
ホワイトアッシュ:【Ash】
性質はタモに似ている。木目が粗く白っ ぽい
ウォールナット:【Walnut】
適度な堅さと粘りがあり、乾燥後の温度 や湿度による狂いが少ない
杉:【Cedar】(足場板新材)
材がやわらかく加工がしやすい。経年変
化が楽しめる
杉:【Cedar】(足場板古材)
新材に比べて充分に乾燥している。傷や
曲がりがある
天板の工程
Ⅰ. 木取り
Ⅱ. 幅接着
Ⅲ. 反り止めの溝加工
鬼目ナット(天板と脚を接合するための金具)用
Ⅴ. あけと取り付け
Ⅵ. 天板角の45度面取り
Ⅶ. 磨き仕上げ、塗装
Ⅰ. 木取り
Ⅱ. 丸テーパーに削る
Ⅲ. 斜めカット
Ⅳ. ハンガーボルドと鬼目ナットの入る穴あけ
Ⅴ. ハンガーボルドと鬼目の取り付け
Ⅵ. 脚したのアール面取り
Ⅶ. 磨き仕上げ
Ⅷ. 塗装
想いを紡ぐ兵器工場
課題概要
ミライプロジェクト『目抜き通り―そして、そこにたつ建物』
敷地:自由
規模:自由 構造:自由
多くの街には、その街の中心となる「目抜き通り」が存在します。
街において目抜き通りは人々の日々の活動の中心となり、我々が その街で生活していくうえでなくてはならない通りです。
日本で「目抜き通り」といえば、とある歌にもあるように「銀座 中央通り」をイメージする人も多いでしょう。パリでは「シャン ゼリゼ通り」、マンハッタンでは「ブロードウェイ」など、海外 ではダイナミックで劇場的な目抜き通りも存在します。
人々の生活の中心という視点に立てば、ヴェネツィアの「カナル・ グランデ」も目抜き通りと捉えられます。
私たちも丸の内において、約130年の年月をかけまちづくりを 行ってきました。
その中で、もともとは裏通りであった「丸の内仲通り」が人々の 活動の中心となるように、通りと一つひとつの建物の関係につい て考えてきました。
その一つひとつが歴史となり、今では丸の内を代表する目抜き通 りとなりました。
では、みなさんの街における「目抜き通り」はこれからどのよう になってゆくでしょうか。
みなさんの過ごす街の歴史や文化、地域の特性を紐解き、『目抜 き通りと、そこにたつ建物』について考えてみてください。 通りと一つひとつの建物の関係を考えることで、すでにある目抜 き通りをもっと魅力的にすることも、新たな目抜き通りを生み出 すこともできるはずです。
みなさんの提案もまた歴史の一部となり、その街を形作ってゆき ます。
建築設計のみならず、アーバンデザイン・ストラクチャー・環境・ インフラエンジニアリング・デジタルテクノロジー・アートなど
様々な視点に立ち、提案してください。みなさんの自由な発想、 提案をお待ちしております。
敷地は愛知県豊川市穂ノ原町
ここはかつて豊川海軍工廠の土地があった場所であった。当時はここを目抜き通 りとして機能していた。
1-1敷地 1-3現在
第2次世界対戦で日本はアメリカに敗れ、条約により豊川海軍工廠は解体を余 儀なくされた。その後、自衛隊や日本車両などがこの土地を買取り、多くの工 場が建ち戦争遺構としての姿はなくなり、この土地は工場地帯と化してしまっ
た。豊川海軍工廠平和公園が建設されたが当時の名残りは無く悲惨な状態で戦 争の悲惨さが伝えることのできない土地である。
1-2海軍工廠とは
豊川海軍工廠とは、愛知県豊川市にあった日本海軍の工廠。機銃、弾丸の製造を行っ た。東海地区では勿論、当時は東洋随一の規模とされた豊川海軍工廠は、海軍の航空 機や艦船などが装備する機銃とその弾丸の主力生産工場として、昭和14(1939)年に 開庁した巨大兵器工場で、日中戦争から太平洋戦争、終戦に向かった日本の戦前の昭 和史を如実に示す存在。
1-4 忘れられていく兵器工場
現在、豊川海軍工廠跡地は工場地帯となり場所として戦争の悲惨さを伝える物が 何もなくなってしまったが、経験として語りつぐ人たちがいる。それは語り部と して当時、被災者として空襲を経験した人たちである。しかし、年齢も80代か ら90代であり多くの方が引退し、現在は数えれるほどしかいなく後継者不足で、 ますます戦争の悲惨さを伝えるものが失われている。
海軍工廠跡地を目抜き通り化
2-1目抜き通りの提案
目抜き通りとして計画するのは、海軍工廠時に目抜き通りであった図1の赤い線の通りである。現在は日本車両の建物(図2を参照)がこの道を塞いでいるため道としての機能が失われている。もう一度 目抜き通りを計画することによりバラバラとなってしまった多くの要素をつなげることでこの場所としての利用者の増加を狙い、利用者が増えることによって現在、利用者の低下が著しく無意味と化して いる豊川海軍工廠平和公園の利用者が増え、工場地帯となり遺構としての姿がなくなり戦争の悲惨さを知らない人たちが過去について触れるきっかけを作ることができるのでは無いだろうか。
2-2当時と変わらない区画
海軍工廠時から変わらない区画その周りは堀があり工業地帯だけが取り残されている。
その中に建ち道を防ぐ日本車両の建物に対し、弔いの空間と語りの空間を設けてあげる ことで市民のための余白空間を作る。この土地に市民が介入することで、工業地帯とし ての機能しか無い跡地が当時のように豊川の中心として変わっていくのでは無いだろう か。それこそ被災者たちが望む海軍工廠なのでは。
2-3犠牲者が眠る山
提案場所である目抜き通りの先に豊川海軍工廠平和公園と赤塚山がある。赤塚山は目 抜き通りから赤塚山は一直線状にあり、当時、空襲に遭い多くの犠牲者を出した豊川海 軍工廠、そこに働く従業員たちが空襲の際に、この山を目指しながら当時の人々はこの道 を色々な想いを持ちながらこの山に逃げ込んだ。そして亡くなられた犠牲者はこの山に埋 葬された。
設計詳細
3-1語りと弔い 3-2 段階的ダイアグラム
語りと弔いをキーワードとして道と建物の設計をする。
語りとは、豊川海軍工廠の跡地で起きた戦争の悲劇を今を生きる人々に伝え ること。
弔いとは、過去を知り当時の人たちの記憶や記録など想いを汲み、犠牲者や これからを生きる人たちに向けて想いを伝えること。
これらを用いて、道と建物の設計を行い豊川海軍工廠跡地にあった目抜き通 りを復活することで、戦争跡地に対してどのような語りと弔いができるのか 計画し、道と建物の一直線上にある犠牲者が眠る赤塚山に向けて慰霊碑要素
のあるシンボルとして、この豊川海軍工廠跡地を変貌させることを提案する。
目抜き通りに対して提案する建物を段階的に変化させることで市民の場を 作る。第1段階で道を塞ぐ仮設建物を取り払い、道としての機能を取り戻し、 第2段階で既存の倉庫の躯体だけを残し、多様なゾーニングの確保、第3 段階で壁と屋根をつけ第段階で開口を開け光を確保する。
3-1 語りと弔いの道
赤い矢印方向に歩くと行政、商業などから海軍工廠跡地へ向かうので現在から 過去に向かう。先に語りの空間で学び、平和公園に行って当時の記録について 学ぶ、青い矢印方向は平和公園から行政や商業に向かうので過去から未来に向 かう。平和公園で学んだ後に弔いの空間に想いを書く。このように向かう方向 で役割が変わる。
3-4空間構成 ▼光を取り入れる屋根 ▼語りと弔いの石碑 ▼元々の倉庫の躯体
屋根に開口を設けることで過去を表す影と希望の光を提案 語りと弔いの石碑を作ることで慰霊碑的シンボルの提案 既存の躯体を使うことで工業地帯から変化を伝える計画。
▼語りの空間
・語りの空間
第2次世界対戦によって空襲の被害に遭い多くの犠牲者を出し てしまい、その過去が消えてしまっているこの土地に今を生き る人々に対して戦争の悲惨さを語りかける空間を提案する。こ の空間は第2次世界対戦によって豊川海軍工廠がどうなったか を学ぶ場所を作る。内部に配置された石碑には当時の写真で あったり、犠牲者や経験者のメッセージを刻む。工場地帯にお いて、市民が介入できる学びの場を提案することにより工場と しての機能していないこの海軍工廠跡地を戦争遺構としての機 能が戻って来るのでは無いのか、そして学ぶことで犠牲者に対 して慰霊のシンボルとなることを計画する。
▼弔いの空間 ・弔いの空間 第2次世界対戦によって空襲の被害に遭い多くの犠牲者を出し てしまい、その過去が消えてしまっているこの土地を学んだ上 で今を生きる人々が戦争の悲惨さをどう感じ、当時を生きてい た人々たちに向けてメッセージを残す場を提案する。語り部が 少なくなってる現状に対し、今を生きる人々が語りつぐことに よってこの場所で起こった出来事をこの場所を残すことができ るのではないだろうか。空間に配置された石碑に手紙を貼るこ
とで当時を生きた人々やこれからを生きる人々たちに向けて今 を生きる人々が弔いとしてこの場所を残し、この場所が慰霊の シンボルとしてこれからも弔いつづけることを計画する。
語りの空間 06 弔いの空間
ヨシアシハジブンデ
課題概要
ハーフェレ学生コンペ「世界のどこかにたつ家」
敷地:日本以外のどこか
「もし自分自身で世界のどこかの敷地を選んで、そこに人が住 まうことができるなら、その場所にはこんな家を建ててみたい!」
それはきっと建築家になれば誰もが一度は夢見ることだろう。
建築や設計とは、敷地が指定されていることが大前提であるが、
この課題は、まずは敷地を日本以外の世界の何処かから選ぶ。
その敷地を選んだ後に、そこに自分の建てたい家をデザインす る。そんな思考アプローチは面白い。
もし自分自身で場所を選べたときに、そこで自分がどんなアイ デアの家を生み出すことができるのか、考えるだけでワクワクし てくる。
敷地が変わることによって出来る建物の可能性も変わる。
未来は国境があいまいになっていくだろう。
そして国外への移住者もこれから増えていくだろう。
そこで今回の課題における敷地設定の必須条件は、まずそこが 日本以外の何処かであること。
その場所を地図上にプロットし、緯度や経度、標高、敷地図面 などの詳細も出来るだけ明示すること。
その敷地を選んだ理由、そして建築のコンテクストをどのよう に読んでいくのかが重要となる。
concept
ヴェネツィアは潟につくられた海上都市。敷地があるム ラーノ島は教会やガラスで名高い古い歴史を持ち、多くの 観光客が訪れる。敷地は運河沿いの幅広い通路に面す。
側にあるベンチは人々が運河を眺められる憩いの場と なっている。しかし、敷地自体は使用用途がなく草地となっ ているため、 元ある風景を壊さず有効活用できる住宅を 考える。
私たちは住宅をヴェネツィアの自然環境を活かしながら 人間がつくりあげた「人工美」へと繋げられると考える。
また、一般住宅における庭(Private)をパブリックスペー スの延長と捉え、対象敷地の一部を地元住民が利用できる 場として転用する。自分で育てつくる楽しさを地元住民と 共有し、住み良いまちづくりへと繋げていく。
ヴェネツィア-ムラーノ島
01 ヴェネツィア
水辺のアクティビティ 高潮災害
ヴェネツィアの自然分布
もともとベネチアでは、10月から12月にかけ て低気圧の影響で雨がふりやすい。これに強い南 風と満潮が重なることで大きな高潮がおき、街に 被害をもたらす。
多い時には、大小の高潮が年80回以上も街を 襲う。一方で地下水の汲み上げによる地盤沈下も 起きており、被害を深刻化させている。
左の図はヴェネツィアの自然の分 布を示したものである。
ヴェネツィアでは建築物の密度が 高く、自然の確保が困難であること から自宅の窓辺、バルコニー、庭で 自然を確保することが一般的である。
街を囲むラグーナと呼ばれる潟で はフラミンゴやハマシギ、アジサシ など様々な動物が繁殖している。
潟が多いヴェネツィアで高潮災害 利用し自然の確保を行う。
建築する物語 (形態ダイアグラム) 04 葦の循環とブリコラージュ
「育てる建築」×「ポジティブな共 存」ヴェネツィアならではの湿地 (潟) に生茂る葦を活用する。潟を 作り、葦を育て、収穫し、乾燥さ せ利用し、また土にかえす。この 循環を生活で楽しみ、時には風景 と寄り添い、環境を地域住民と共 有する。その過程が住人と地域住 民のコミュニティが広がるきっか けとなったり、憩いの場となって いる場所を壊さず、形を変えて残
刈る作業を知人や興味を持った人など と集まってすることで、交流の場とな り葦の新しい活用方法などを見つける 場となる。
葦を立てかけ乾燥させる場を誰もが使 える道とすることで、風と柔らかい光 がはいる心地の良い空間ができる。ま た、葦の匂いや懐かしい雰囲気を味わ うことができる。
乾燥した葦は意匠材料として利用す る。また、曲線状に並べることで敷地 にゆるやかな境界をつくり、住宅全体 としての一体感をうむ。
葦を育てる環境をつくる。干潟をつく り葦がない部分では誰でも休憩場所と して利用できる。葦の中でただのんび りと時間を過ごすことのできる空間と なる。
以前に利用し劣化した葦を肥料として 活用し、葦を育てる。葦の背丈により 見える景色が変わり成長とともに住宅 をとりまく環境を楽しむことができ
運河沿いの道(カッレ)から南東を見る
高潮時 通常時
狭い通路に面した水回りは通路を通る人 の目を気にせず、プライバシーの守られ た空間でシャワールームを利用できる。
北側の透廊から西側を見る
住宅内部見る 道(カッレ)を見る
運河の通る広い通路側に、大きな開口を設 けることで、ベネツィアの自然を視覚的に 楽しむことのできる空間になる。
ベットルームは程よい幅の通路に面すため、 隣の建物からの圧迫感がなく光を取り込むこ ともできる。だが、大通りよりは人通りが少 なく落ち着いた空間となる。
課題概要
建築設計 Ⅳ 「職住一体の複合建築の提案」
敷地:名古屋市中区栄 3-3-1 規模 延床面積 54,000 ㎡ 構造 自由
栄エリアは名古屋の中心市街地であり、多くの店舗やオフィスが乱 立する。しかし、この状況下において、その歴史に幕を引く店舗や企 業が後を絶たない。
これまで、職場と住まいを同時に栄エリアで獲得できるのはごく一 部のアッパークラスの人々に限られていた。一方で、職住一体の生活 にシフトし始めた事により、この栄エリアに居を構える事が現実味を 帯びてきたとも言える。そこで、本課題では、栄エリアにワーキング スペースを併設する集合住宅を計画する。
新型ウィルスの大流行を次なるイノベーションのきっかけと捉え、 職場と住まいを一体化する事で生まれる新たなライフスタイル、そし て新たな社会を創出して欲しい。
concept
都市におけるこれからの働き方・住まい方は、より自由 度が増していくように思う。自分の部屋の内装を変える人 も多く出てきた。従来のものに加え新たな都市交通システ ムができ、ヒトは様々な場所に行きやすくなる。「つくる こと」と「移動すること」は、環境が目まぐるしく変化 する都市において、人間が生活する上で切り離せないこと である。企業もその例外ではない。私たちは、アートの発 展を望む名古屋において企業とアーティストの関係性を強 化しつつ、「つくること」と「移動すること」の価値を高め、 これからの都市における働き方・住まい方を提案する。
SITE 1/8000
新たな企業の成長サイクル
「つくること」
・企業とアーティストのタイアップによるアートメイキング
・「記憶の継承」によるエポックメイキング
「移動すること」
・名古屋の交通インフラ、生活インフラによるアートの拡散
企業とアーティストの共存・在り方
本プロジェクトの位置付け
The Origin of Architecture
A-Aʼ断面図 (S=1/1800)
shop
atelier workspace apartment
空間構成
薄いレイヤーによって構成されたボリュームを利用し、人 のアクティビティによる広告を生み出す。
タイアップを組んだショップとアトリエが重なった時、離 れた薄い層は関係を持つ。さらに住宅の壁をウォールアート、 看板として利用することにより無関係であった重なりは自然 と関係を生み出す。働く人の行為が広告となる。
課題概要
建築設計Ⅲ 「光と風の建築ー小学校」
敷地:愛知県名古屋市中区栄2 白川公園内 (現駐車場) 規模:延べ床面積1000㎡程度
構造:自由
本課題では、名古屋市中区にある栄小学校の敷地に複合施設を兼ね 備えた「小学校」を設計する。現在の小学校教育は、「英語教育の充実」「少 人数教育」「多目的スペースでの合同学習」「チームティーチング」「地 域開放」「複合建築化」「ICT教育」など、従来の学習集団=クラスと いう画一化された学校では対応できない状況が生まれてきている。こ
のような教育の変化を踏まえ、多様な学習・教育形態に対応できる学
校が求められるようになってきた。また、学校づくりとは街づくりで もある。地域にとって学校は、子どもや家族、地域住民の交流の場と しても重要な施設である。
このような学校の現状を踏まえて、学校と学校以外の小さな施設(例 えば〇〇カフェ、〇〇ショップ、〇〇教室、〇〇オフィス、釣り堀や、診 療所、地域図書館、など)を組み合わせた「学校×〇〇」となるよう な複合施設を提案する。小さな施設は、栄小学校の立地を十分考えて、 この場所にふさわしい施設を提案することが求められる。
concept 洲崎神社
小学生にとって学校は神聖な場所であり、最も身近なコ ミュニティの場である。
本敷地は、名古屋城築城以前より洲崎神社の境内として 地元の人々に親しまれてきた歴史ある場所である。
境内では、子供たちが遊びまわり地域住民が子供を見守 る関係が構築されている。
地域が発展していく中で縮小され続けた境内の『要素』 や『構成』を現代の小学校が継承する。子供たちは神聖な 空間で学び、自分たちの領域を作りながら生活する大人は 地域という組織を作りながら子供達を見守る。大人と子供 たちにとって学校は地域の財産となる。
SITE 1/2500
複合施設(子供の仲見世の提案)
子供の居場所を拡大
栄の子供の居場所は、白川公園に納められ子供にとっ ての日常の空間は少ない。名古屋市では各地で再開発 事業が進み、久屋大通公園さらに子供の居場所も縮小 している。
都市が発展し、神社が縮小したように子供の居場所 も縮小し始めている。
複合施設として子供の仲見世を提案する。
子供にとっての神聖な領域として認識させるために 対象敷地を仲ノ町公園まで拡大する。
栄という繁華街で発展してきた街に子供の商店街を 作り、ここに教育的要素を持たせることで地域と学校 を近づける。
子供の仲見世
文化継承
茶道・昔の遊び
地域交流
バザー・cafe
環境教室
リサイクル
自然
自然観察・動物
仲見世は第二の学校の役割を果たし、学校で教えきれない部分を子供の 居場所として開放することで、地域のよりどころとなり、子供ののふる まいや遊びの中で学ぶことを試みる。
昔の遊びができる交流スペースを設ける。こ
こでは昔の遊びを教えてもらい、遊びの中で文 化継承と関係を作る。昔のあそびは難しく、何 度も挑戦する力を養うことができる。
日本文化が衰退する中、仲見世のプログラム として茶道を取り入れる。
街の人の休憩の場であり、子供と高齢者など 様々な人と関われる環境を文化を守りながら作 り出す。
バザー:循環・物の大切さ・出会い
仲見世にバザーを取り入れる。子供の興味や 物を大切にする感情を発達させる。 公園に入れ込むことで地域の人が価値の共有 をして、人々の出会いを引き起こすことを目的 とする。
バザー:子守り・世間話
カフェは子供の営みを見守りながら大人同士 で世間話をするのに絶好の場所である。 世間話は子供の状況を把握するのに必須で、 親同士の関係を築くことを願う。
リサイクル:環境・循環・通貨
資源ゴミを回収する施設を仲見世のプログラ ムに反映させる。回収した資源ゴミと子供の仲 見世だけの通貨と交換する。お金の仕組みを組 み込んで環境問題と同時に循環を学ぶ。
動物:飼育・愛着・見守り
動物小屋を仲見世に入れる。小学生が成長を サポートする中で愛着がわき、動物と共に心も 成長する。通貨で餌を買い、お金の使い方と飼 育方法を考える機会を設ける。
自然観察:愛着・時の経過・スケール
ここには初めグリッドだけを設置する。子供 は通貨を使い植物を買い、ここに植える。成長 の目安となるグリッドによって時間の経過と植 物の成長を観察しやすくしている。自然教室な どにも利用する。
神社は神聖な領域を作るために作法によって配置計画が行われ、それは同時にヒューマンスケールを計算した空間構成を生み出す。 神社での作法を小学校の動作に変換し、小学校に配置計画と空間構成を落とし込むことで子供の居場所や子供にとって日常の空間 (神聖な領域)を生み出す。
神社のシークエンスと小学校のシークエンス 05 用途・機能・構造の要素変換
第二の鳥居 手水舎 鐘を鳴らす 参拝
通学路 小学校の敷地へ入る 生徒玄関 教室周辺 教室
花壇 イチョウの木
課題概要
建築設計Ⅱ 「都市公園の中の個人美術館」
敷地:愛知県中区栄2 白川公園内 (現駐車場) 規模:延べ床面積1000㎡程度
構造:鉄筋コンクリート造を主体
本課題では、名古屋市中区にある白川公園内に、既存の名古屋市美
術館の分館として新たに「個人美術館」を設計する。ここでの個人美 術館とは、ある特定のアーティストの作品を展示するための美術館を 表す。名古屋市美術館があるアーティストの作品のコレクションを所 有するものと仮定し、それらを展示するための施設の提案を行う。
白川公園は名古屋の中心部に位置し、周辺には賑わいのある栄・大 須エリアが広がっている。また、名古屋市美術館はあいちトリエンナー レの会場でもあり、同じく会場となってる長者町エリアとも隣接して いる。以上の情報を踏まえると、単に単体の建築物として機能するの みならず、周辺地域とのつながりも考慮した都市に開かれた新たな美 術館であることが望ましい。
Artist - 左官 挟土 秀平 concept
挟土秀平の作り出す土壁には必ず自然現象が存在する。自然現 象が作品に手を加えることにより、自然と一体し美しくなる。そ の土壁が包み込む空間は気配が静かで安堵感が神経を和ませてく れる。
土壁は風によって乾き、雨に洗われて自然のなかで風化して移 りゆく。すなわち、素材が自然に動き、時とともに生まれ変わる。
安堵感を生み出す壁を取り巻くように「たまり」を形成する。 時が経ち、壁は自然と一体した物となる。たまりは人々の居場所 を創り、街に溶け込んでいく。
たまりと共に、人の居場所となる「壁」を形成する。この壁は 道の誘導であり、ベンチであり、テーブルといったような人の行 為を誘発させる壁である。
「たまりと壁」の空間を日常の居場所として提案する。
SITE 1/2500
『white cube』
近代以降の美術館にみられる『white cube』と呼ばれる空間。
凹凸が排除され、全体に光が満たされる。
作品が、一つの完結した作品だと見なされ、外部とは完全に切り離される。
『たまり』
ここでは、挟土秀平の土壁を展示する自然の空間のことを『たまり』と呼ぶ。
人々が自然と集まり、自然の光で満たされる。
壁は自然の干渉を受けることでより美しくなり、『たまり』は外部と一体化する。
art(土壁)
「外的たまり」
+
white cubeからの離脱
「内的たまり」 「構造的たまり」
「外的たまり」
「内的たまり」
「構造的たまり」
人々は日光が充分に当たり、自然に近い場所を好む。 たまりの要素を細かくし、敷地全体に分布させる。
内部空間では密集した装置がある場所や縁側のような少人数で休 む場所がたまりとなる。内部空間に緊張と開放を与える。
雁行配置や建物の凹みは興味や入りたいという行動を誘発させる 力を持つのではないだろうか。 建物に強弱をつけ見え隠れする場を設け、興味を誘う
「たまり」の構成要素と建築化
挟土秀平の「壁」は全て自然から発生し、溶け込むように創られる。 この「壁」のように自然から発生し、自然の流れで配置計画、ラン ドスケープで美術館を構成することで敷地全体が自然と一体化した 空間となる。
05 Sense of values - 価値観
既存の木に合わせ、たまり場と 入り口を明確にする
木陰となる範囲に、たまり場を 作る行為を誘発させる場を落と し込む
子供と大人では価値観が大きく違う。高さの低い壁があったとき共通して大人と子 供が思うことは障害物か道の誘導と考えるだろう。
共通しないものとして、大人はベンチと感じ子供は遊具として使うことも考えられる。 もう少し高さの上がった壁があったとき大人はテーブルや物を置く台に感じ、子供 は空間を仕切る壁として体感する。このように高さの変化させた壁を連続させていく ことで居場所を作りながら美術館へ誘導する。
中心に広場を設け、たまり場を 中心まで拡大する
入り口から誘導する壁(ベンチ) を設ける たまり場から1m以上の間隔を 開け、ボリュームを置く
middle wall approach 750mm~100mm2,000mm~
small wall bench ベンチ Athletic 遊具 Athletic 遊具 guide 誘導
wall artart gallery
bench ベンチ table テーブル art 作品 gallery 展示室 たまり たまり たまり guide 誘導