Kazuya Kishida Portfolio

Page 1

PORTFOLIO KAZUYA KISHIDA Architecture Design -2019



Co ntents

01 囲いの建築 | Architecture of Wand

...02

Master`s Design 第 17 回大学院修士設計展 2019 出展

02 路地の骨格 | Structure of Alley

...20

Diploma Design 第 4 0 回 レ モ ン 展 ( 学 生 設 計 優 秀 作 品 展 ) 出 展

03 表参道の Cafe | Cafe of Omotesando

...34

Competition 第 5 回 ヒ ュ ー リ ッ ク 学 生 ア イ デ ィ ア コ ン ペ ( 共 同 制 作 ) 優 秀 賞

04 いっぽよこへ | One step forward

...44

Competition JACS 全日本学生建築コンソーシアム住宅コンペ 2016 佳作

05 煙突

2

| Square of Chimney

...50

Laboratory work 風の環境シュミレーションソフトを用いた 24 時間自然換気システムの提案

その他 | Other works

...58

3



01. 囲いの建築 様々な意匠が氾濫する現代において、建築の始まりを探求したいと思い、ゴットフリード・ゼンパーの「建築の 四 要 素 」 を 研 究 の 入 り 口 と し 、屋 根 、土 台 、炉 、囲 い 、と い う 型 か ら 有 栖 川 記 念 公 園 に た つ 公 共 建 築 の 姿 を 考 え た 。 内 - 外、公 - 個、自然物 - 人口物、実体 - 現象、様々なあいだのなかで立ち現れる建築を目指した。

5


表層のテクトニック 石、木材、鉄、皮革等の天然素材に代わって工業技術 がもたらした新素材は、本来持つべき素材感ともいう

?

べき表現を離れ、従来よりの天然素材の衣を着ようと 試みる。近代以降のフェイク素材として語られる建築 の表層は空間をヴォリュームとして見てきた結果であ

image

structure

ると考える。建築の表層は人間の感覚に直接訴えかけ

surface

るものであるが、現在はびこる建築はその本質を失い つつあるのではないだろうか。

『建築の四要素』 屋根(大工工事) 雨風から火を守る面が必要 囲い

壁面=被覆 純粋に空間を囲い込んだり分離したりするもの 壁体 石や煉瓦の組積造による構造体。土台から発生するもの

炉 集団生活の中心となる「炉 - 火」を守るという問題意識から、 「土台、屋根、壁」が派生 土台(石工術) 湿気から火を守る土台が必要

19 世紀ドイツの建築家、ゴッドフリード・ゼンパーは論文『建築の四つの要素』の中で、考古学や人類学の成 果 を 統 合 し て 人 類 史 の 始 原 ま で 遡 れ ば 、「 炉 」「 土 台 」「 屋 根 」「 囲 い 」 と い う 建 築 の 基 本 要 素 が 見 出 さ れ る と 説 明 する。ここで重要なのは囲いの本質を「壁体」としての構造ではなく「壁面」としての仕上げ工事とし、直接的 な経験の場を形成するものとして位置付けられている。

折れ曲りつつ連続する面 本修士設計は、ヴォリュームとしてその体積だけがその建築の価値として立ち上がるものではない。壁面を折り 曲げたり組み立てたりする建築的な操作によって、地面 - 空、内 - 外、公 - 個、実体 - 現象など一元論的状況を作 り出す直接的な経験の場としての「囲いの建築」を考える。

ヴォリュームとしての建築

6

囲いの建築


7


提案 敷地は、東京都港区南麻布に位置する有栖川記念公園内の都立中央図書館の建て替えを前提としたものである。 敷地は台地として豊かな地形を抱え、敷地内には日本古来の林泉式の修景による庭園を有しており、その地形の

有栖川

麻布十番駅

広尾駅

頂 上 に 建 物 は 位 置 す る 。 周 辺 に は 多 く の 大 使 館 、公 共 施 設 が 点 在 し て お り 、街 の 中 心 と な っ て い る 公 園 と 言 え る 。

記念公園

真北

真北

園内の動線

地形

大使館

公共施設

本設計ではゼンパーの「建築の四要素」に基づき、以下 3 つの関係性から囲いの建築を設計する。

土台

屋根

庭園と連続したランドスケープ

木の下のような空間が連なる居場所

螺旋状の開放的なプログラム

囲い 直接的な経験の場

8


配置図


地面の連続としての土台

地面の連続の中に穏やかに現れる土台として元々のコ ンターを復元する仕方で土台を形成する

さらにその地形を増幅させる形で地下の下に閉架書庫 やバックヤードなどのサーヴァントスペースを設け、 土台を立ち上げる

そのことで土台である地形の上には開放的な書架と閲 覧室など利用者が探索し、佇む空間のみが広がる

閲覧 閲覧スペース 開化書庫 ホール

閉架書庫

閉架書庫

閉架書庫

閉架書庫


覧スペース

デッキ

野外劇場

閉架書庫

閉架書庫

断面図


浮かぶ屋根

園内に存在する木々はそれぞれに領域

園内の木々の連続として細分化された

細分化された屋根が加算されると建築

を持ち、それらが関係し合うことで人

浮いた屋根を考え、内部に周辺環境を

内の領域が発生し、園内と連続した多

間的な場を形成している

引き込む

様な居場所を作り出す

公共空間をつくる 7000 × 7000 のグ

グ リ ッ ド を 45 度 ふ る こ と で 強 い 方 向

公 共 グ リ ッ ド を 細 分 化 し、 個 体 領 域

リッドを配置。列柱によって強い方向

性を分散させ、回遊性を促す

3500 × 3500 の 屋 根 面 を 考 え る こ と

性を生む

12

で、個と公の共存をはかる



加算原理 屋根システムは加算原理を用いて、屋根面を形成しながら三角形を加算させていくユニットを考えた。このシス テムはユニットが支え合うことでより強固になる構造システムである。加算された無数の屋根はそれぞれに固有 の空間の質を獲得するだけでなく生産性、成長性を獲得するものでもある。

加算的原則

加工不要な加工要素 モジュール

↓ 目的 計画時の自由性 成長性(容易な増改築) 生産性 新たな表現・形態 個々の特徴を保った全体性・調和

14


7000 × 7000 の ラ ー メ ン 構 造 に よ っ

4 分割する上で必要な柱をなくすため、

屋根全体がトラスシステムによって成

て支えられる屋根面を 4 分割すると必

屋根面を操作しながらトラスを形成し

り立つことで屋根単位を加算すると構

然的に柱の量が増えてしまう

ていく

造としての強度が増す

3500

3500

3500

1500

1500

1500

3500

15


ゾーニング プ ロ グ ラ ム は 図 書 館 に 加 え 、劇 場 ホ ー ル 、カ フ ェ 、展 示 ス ペ ー ス な ど パ ブ リ ッ ク な プ ロ グ ラ ム の 複 合 と な っ て い る 。 コンターを立ち上げたような壁に依存しながら本棚を配置することで庭園と連続する回遊性を促す。また上昇す る に 従 っ て 、自 分 を 覆 っ て い た 屋 根 を ア イ レ ベ ル で 経 験 す る こ と が で き 、各 々 が 居 場 所 を 見 つ け る 手 が か り と な っ ている。

A'

多目的

-

EV

図書館カウンター 新書図書コーナー +600

控室

検索コーナー

EV EV

野外ステージ

+1000 -200

+3200

B'

16


B

カフェ

的ホール

-1000

展示スペース +200

情報アクセスコーナー

+600

A

平面図 GL+3400 17


B A'

+7200

+5600

EV EV

閲覧室 +4600

+2600

B'

A

平面図 GL+8600

地面と連続した土台と浮かぶ屋根のあいだに囲いが生まれ、人間の活動が表面に現れてくる。箱の中にその活動 を閉じ込めてしまうのではなく、そのプログラムを公に変換する。建築を立てることでその場を占拠してしまう のではなく、公に開くことのできる建築である。

Book lounge

Reading space Public stairs

Open to stacks

Closed stacks Closed stacks

18

Seminar room

Book lounge

Hall Entrance


B A'

+11600

EV EV

閲覧室

B'

A

平面図 GL+13000

19


20


21


02. 路地の骨格 西洋を旅して時間を超えて残り続ける建築に魅了された。歴史を蓄積する建築は急激に変化する時代の中で多く の人々を呼び込み、人々に安らぎをもたらしていた。一方、日本における建築は建て替え、更新が行われ、消え ゆ く も の ば か り で あ る 。ス ク ラ ッ プ・ア ン ド・ビ ル ド が 一 般 化 し て い る 日 本 に お い て 残 る 建 築 は い か に し て 可 能 か 。 既存の都市空間の中に立ち続ける、地域固有の骨格となる建築を目指した。

22


23


残る建築 − アーケード

バ ー ナ ー ド・ル ド フ ス キ ー は 著 書 『 人 間 の た め の 街 路 』 に お い て 人 々 が暮らしたい街、ヒューマンスケールの街路空間、生活の歴史が刻 まれた街並景観への感動などが語られている。また彼はもっとも優 雅な街路の覆いとしてアーケードをあげており都市と人間を結びつ けることのできる可能性を示している。 アーケードは、日本においてみちの上に建つことができ、公共空間 を覆う特殊な建築物である。このアーケードが持つ、内外が裏返し になったような建築のような空間に着目し、もう一度風土と人間の 関わりにおいて構築される都市の建築を考える。

台東区佐竹商店街 佐竹商店街は全長 330m の全蓋式アーケードを有す る商店街である。佐竹の歴史は明治の初年に秋田藩 の屋敷跡に見世物小屋、寄席、飲食の屋台とうが立 ち並び、盛り場として賑わい、下町情緒豊かな商店 街として発展を続けてきた。

近 年 台 東 区 の 人 口 は 増 加 傾 向 に あ り 、か つ て 商 店 だ っ た場所は、老朽化に伴い徐々にマンションやオフィ スに建て替えが進められており、かつて賑わってい た街路を無視するように立ち始めている。

24

人通りが少ない

空き地の増加

街路にたいして無秩序

老朽化した建物





場所の固有性を支える構造 残る建築とは、周辺環境と呼応し都市スケールにまで影響する建築であるべきだと考えた。場所の固有性を支え る構造として、都市に貼り巡る街路網に着目した。そこには一定の視覚的統一が生じ、特定の機能またはある種 のシンボルの存在が予想される空間が発生している。それらを建築空間を作る手がかりとした。

H-H' section

28

折れ曲り

歪み

凹み

隅違い

隅掛け

見え隠れ

G-G' section

F-F' section


計画対象地である街路と交わる路地にできる固有性を継承することで、普遍的な建築を形成する。路地との接点 を基準とした壁は、流動的なみちの中に建築空間を生み出すエレメントとして存在し、展開可能性をもつ余白と して様々なアクティビティを誘発する。また一直線の街路空間に対して、折れ曲りや、見え隠れなど街路空間を 豊かにするものとしても機能する。

L scale

M scale

S scale

平面図 +5500

E-E' section

D-D' section

C-C' section

29


転用されるアーケード ◇可変性を持つ柔らかい構造 階段やデッキ、などの構築物が、2 重の壁によって できた隙間と通して接続されることで都市とアー ケードとのあいだに新たな建築計画を誘発する

◆更新されるプログラム RC 造で頑丈に作られる普遍的なアーケードは、時 間 の 変 化 を 許 容 す る。 ス ク ラ ッ プ ア ン ド ビ ル ド に よって街が変化することでアーケード内部も変化 し、新たな街を作り出す装置として機能する

更新されるビルディング

建物のファサード となる壁

付随する木造の構築物

建物と街路の間に 余白を作る壁

30

Isometric


A-A' section

B-B' section

31







03. 表参道の Cafe クリストファー・アレグザンダーは著書『パタンランゲージ』の中で、カフェは衆目の中で合法的に都市に腰を おろし町を眺められる場所であると説いている。つまりカフェとは、大きな動きの中で変化する都市に参加する と同時に、都市を観察することができる状態を作ることができると考えた。極薄のボリュームがつくる都市のベ ンチのような表参道らしい建築を目指した。

37


人々が衆目の中で合法的に腰を下ろし、 移りゆく世界をのんびり眺められる場所

38


都市のダイナミズム交差点 表参道は絶えず人が流動している。その大きな人の流動の両端には交差点があり、この交差点は表参道の始まり と終わりとなるような場所でもあると言える。敷地に面する交差点は約 45 秒の周期の中で人の滞留と流動が繰 り返されている。

CROSSING

CROSSING

停止中

移動中 45sec

交差点を引き込むランドスケープ 口 道 参 表

メ ト ロ

を構成し、交差点の流動性を建築まで連続させることで都市

B1 F 口 フェ カ

交差点の白線を延長するようにすり鉢状の階段で建築の足元 移動のダイナミズムを引き込むランドスケープを計画する。 この広場を地下鉄と直結させることで、表参道に訪れる人々 のファーストプレイスとなる。

39



CAFE 幅 30m 奥行き 4m 高さ 80m 全 17 層を持つ c a f e は 、表 参 道 ら し い 様 々 な プ ロ グ ラ ム に 付 随する。かつての文化サロンの位置付けだっ たカフェのように、若者たちが交流しながら 情報を交換し、流行を作って行くような風景 がファサードに表れる。

41


眺望 この建築はその薄さにより、建築の背景にある風景を貫通させる。内部の活動が建築のファサードにあらわれる ことにより、都市の背景として人々が活動している様子が周囲へと認識される。また、内部からの眺望は階層が 上がるにつれ周辺の建築ヴォリュームを追い越し都市へと広がっていく。

42


4000 3700 150

150

H-200×200×8×12mm リブ付き鋼板 t=4.5mm 錆止め塗装(K5625)2回塗りの上、UE塗装

▼最高高さ

ステンレスシーム溶接工法

ステンレス鋼板 t=0.4mm 1/100勾配対応品mm ゴムアスファルトルーフィング t=18mm C-75×45×15×2.3@455mm H-150×150×7×10mm

50

強化ガラスt=15+飛散防止フィルム 高透過倍強度合わせガラスt=10+10 高透過倍強度合わせガラスt=12+12 ※天井高にあわせて三種類を併用

LEDペンダントライト 吊下灯 フランジ:ニッケルメッキヘアライン仕上げ φ=100mm

板金 t=0.4mm

ステンレスシーム溶接工法

展望カフェ □-50×50×3.2mm

3150

3690

540

1

□-50×50×3.2mm

樋:SUS t=2.3mm

930

▼17FL

雨樋部詳細図 縮尺 1/10 手摺: スチールロード φ23mm

LEDペンダントライト 吊下灯 セード:白乳ガラス φ=110mm

展望カフェ

2780

3710

H-150×150×7×10mm

雨樋部詳細図 S=1/5 踏板: スチールプレート t=50mm

□-50×50×3.2mm

LEDダウンライト 白昼色(5000K) Re70 枠:プラスチック(ホワイトつや消し)

展望カフェ

3240

4130

890

▼16FL

830

▼15FL

6

LEDペンダントライト 本体:ST シルバーメタリック塗装仕上げ カバー:アクリル クリア+拡散剤入り仕上げ φ=130mm

St t=2.3 抱き合わせ材 現場溶接にて取り付け

鉄骨柱 FR鋼FB-50×200 フッ素樹脂塗装

200

3290

2460

スタディーカフェ 机: シナランバーコア t=24mm 小口テープ貼り UE

8

0 5

8

790

2 3

48 8 1 0

▼14FL

6

アルミサッシュ フッ素樹脂焼き付け塗装

スタディーカフェ 2880

3670

ラーチ合板 t=10mm 露し

バックマリオン平面詳細図 S=1/5

床: タイルカーペット t=7mm OAフロア 断熱材 t=11mm デッキコンクリートスラブ t=124mm

LEDペンダントライト セード:SPC 白色塗装 t=0.8

790

▼13FL

キッチン: 天板:ステンレス鏡面仕上げ t=2mm 側板:ラワン合板 t=24mm

2920

3710

スタディーカフェ

グリーンカフェ 3930

4670

740

▼12FL

センターポールφ182.6mm

グリーンカフェ 3060

3710

650

▼11FL

机: ラワン合板 t=40 手摺: スチールパイプ φ25.6mm 錆止め塗装

650

▼10FL

コンクリート打ち放し (増打115mm)

3660

3010

グリーンカフェ

水勾配100

610

▼9FL

3150

75000

3760

ワークスペースカフェ ワークスペースカフェ

高透過ペアガラス t=25 mm Low-E アルゴンガス入り

床: タイルカーペット t=7mm 構造用合板 t=12mm OAフロアt=60 @600 デッキコンクリートスラブ t=160mm

520

▼8FL

大梁 H=250 ×125×6×9 アルミサッシュ フッ素樹脂焼き付け塗装

ワークスペースカフェ

3150

3670

高透過ペアガラス t=25mm Low-E アルゴンガラス入り

ファスナー St.FB-6mm×80 錆止塗装の上FUE

スラブ断面詳細図 S=1/30

▼7FL

510

小梁

2740

3250

H=222×175×12 LEDペンダントライト セード:透明ガラス 泡入り表面消し仕上げ 飾りパイプ:SKT クロームメッキ仕上げ φ=9.5

420

▼6FL

シリコンガスケット

ガラスユニット(ヤマキ工業)

パネルユニット(ヤマキ工業)

キャッチパン

アルミパネル t=3.0mm フッ素樹脂塗装

3750

4170

多面ポイント

ガラス:合わせ複層ガラス 光触媒コーティング (強化ガラス t=8mm セラミックプリント+A12mm +Low-Eガラス t=6mm+フロートガラス t=6mm)

子育てカフェ

St 熱押し形銅 浸透性厚膜エポキシアルミ塗料の上 フッ素樹脂塗装仕上げ

キッチン: 天板:ステンレス鏡面仕上げ t=2mm 側板:ラワン合板 t=24mm

角度調整用R座金

角度調整用R座金(強雨面形状) 鉄骨下地:St-パイプ φ155.3×6.6mm 浸透性厚膜エポキシアルミ塗料の上 フッ素樹脂塗装仕上げ

420

▼5FL

トラス接合部断面詳細図 S=1/10

3290 370

3710

サテライトカフェ

鉄骨下地:St-パイプ φ155.3×6.6mm

▼4FL

浸透性厚膜エポキシアルミ塗料の上 フッ素樹脂塗装仕上げ

子育てカフェ

5200 330

5570

LEDペンダントライト セード:透明ガラス 磁器 ヒビ仕上げ φ=150 ソケットカバー:SPC クロームメッキ仕上げ

▼3FL

ラウンジカフェ

床: タイルカーペット t=6.5mm コンクリート金ゴテ直均し

5240

5570

アルミCW アルマイト仕上げ マット処理

ラウンジ フローリング: 米ヒバ t=6mm w=150 OP 構造用合板 t=10mm スタイロフォーム t=14mm

見切り材 アルミPL アルマイト仕上げ

280

床: タイルカーペット t=6.5mm コンクリート金ゴテ直均し ▼2FL

Low-E複層ガラス t=8+A12+8mm

天井: PB t=9.5mm AEP LGS下地 CH=2800

本棚: ラワン合板 t=15mm (縦板) t=21mm 天然ワックス系樹脂塗料

ストリートカフェ

CH=6500

7150

7430

床: タイルカーペット t=6.5mm コンクリート金ゴテ直均し

CH=2800

天井: PB t=9.5mm AEP LGS下地 壁: LGS下地 耐水合板 t=12mm 発砲ウレタン吹き付け t=25mm 押し出し成型セメント板 t=60mm

280

床: タイルカーペット t=6.5mm コンクリート金ゴテ直均し

Viewing angle

ピット

床: タイルカーペット t=6.5mm 浮床MDFパネル t=25mm 支柱 H=95mm シリンダーコンクリート t=55mm 断熱湧水処理パネル t=50mm

ピット

スタジオ 床: タイルカーペット t=6.5mm 浮床MDFパネル t=25mm 支柱 H=95mm シリンダーコンクリート t=55mm 断熱湧水処理パネル t=50mm

ピット

ピット

CH=2500

2500

2780

天井: PB t=9.5mm AEP LGS下地

路面: 透水性舗装材 t=60mm 砂 t=30mm 砕石 t=100mm 浸透層 t=50mm

ピット

壁: 耐水合板 t=12mm LGS下地 断熱湧水処理パネル t=50mm

43




04. いっぽよこへ 家と家の間には利己的な空間が存在する。カーテンを開けても隣の家との距離によって作ら れる薄暗く、圧迫感を感じる隙間は快適とは言えない。そこでこのような利己的な隙間を、 隣の家の住空間に付加価値を与えるものとして家と家の距離をデザインした。


ほんの小さなことでいい 小さな操作が生む、他人に気づかれないくらいの優しさ

47


思いやりのある住宅 敷地は宅地造成が行われている街の一角に位置する。敷地西側と北側には既に住宅が建つ。敷地東側では宅地造 成が行われており、今後どのような住宅が建ち、どのような人が暮らすのかはわからない。

◆他人のための隙間

利己的に立つ住宅

ボリュームを水平方向にずらすことで外壁

住空間に採光が入るよう屋根を操作す

が塀の役割を果たす

◇住まい手のための隙間

48

隣の家との距離を保つために作られ

ボリュームを水平方向にずらすことで

内外が曖昧になった隙間から内の活

た敷地内の隙間

内外を曖昧にする

動が溢れ出る


ボリュームをずらすことで生まれた住宅と敷地境界の間の空間は、街に開かれた玄関のような場所になる

宅地造成中の敷地に対して距離を取ることによって生まれた広い庭

49



敷地境界に建てられた壁は隣の家にも隙間をつくるとともに隣の家に光を届ける装置としても機能する

Section1

Section2


05. 煙突 2 従来の換気システムは機械制御で成り立っているものが多い。故に、内外が分断し、生活の中で自然を感じるこ とが少なくなっているのではないだろうか。今回計画する別荘では、一時的に利用される住宅に機械的なシステ ムではなく、むしろ自然環境を自ら作り出すような仕組みを持つ建築を考える。



千葉県富津市

気温 (℃ )

10000 8500 7500 5500 3500 0

日平均

日最高

日最低

最高

最低

平均風速

風向

1月

3.7

10.0

-1.3

16.8

-5.6

0.9

南西

8月

25.2

30.0

22.1

36.6

18.0

1.2

南西


24 時間換気システム 24 時間換気システムとは、2 時間に 1 回、家中の空気が入れ替わるように計画的に換気して、24 時間、常に新 鮮な空気を維持するためのシステムである。 本計画で平均風速がもっとも低い 1 月と平均風速が最も高い 8 月を対象にし、季節による風速の違いを考慮し、 冬は最低限の換気回数、夏は快適な換気回数になるよう設計する。

必要換気量 (m^3/h) =毎時換気回数(回 /h)×部屋の容積 (m^3) 流量 (m^3/s) =断面流量(m/s)×開口面積 (m^3)

24H

煙突効果 煙突効果は以下の三段階によって説明される 1. 空気の密度は温度が高いほど低くなる煙突内は外部より 高温のため外部より空気が低密度となるため浮力が生じる 2. この浮力のより煙突下部でΔ P の圧力差が生じる 3. この圧力差により、煙突下部の空気取り入れ口から毎秒 Q の冷たい空気が給気され同時に暖かい空気は煙突内を上昇 して排気される。

スモークジャック


入れ子の煙突効果 この住宅では煙突効果によって 2 つの空気の流れを発生させる。1つは、家全体に大きな風の流れを生み出す煙 突。もう一つの煙突は部屋の中の空気を循環させるものとしての小さな煙突。この 2 つの煙突効果を環境シュミ レーションによって検証した。

1. 煙突効果の煙突出口の高さの違い

2. 個室の煙突効果が成立する

から換気効率を検証 [0.5/h]

形状と開口面積を検証

h

24H 24H

Section

56


h=3500

換気数 0.52 回 /h

1. スタディの中で h の距離は長ければ長いほど煙突効果が得られるという訳ではない。入ってくる空気と出て行 く空気のバランスを考え、h=3500 として設計した。

2. 一つの個室に対して風を引き込む屋根勾配と風を引き抜く屋根勾配の 2 つの特性を併せ持つ、屋根形状によっ て小さな煙突効果が成立した。

57


選択できる風 引き違いの扉を床下に設け、風を操ることのできる仕組みを作る。この扉は開く方向によって風の流れを操作す

3000

1030

ることができ、生活に合わせて快適な風を選択することができる。

1000

3500

2500 10000

風の出入り口の対角線上に風を受け止め る壁を設けることで、リビングに風を誘 導させる

階段下の扉も開けることで、室内の風速 が速くなり、室内を抜けるように風邪が 流れる

床下にできた壁のポケットによって集め られた強い流れの風はそのまま書斎へ吹 き込み、足元に風を送る

床下の扉に加えて、階段下の扉も開ける ことで室内の風速が速くなり、室内を抜 けるように風が流れる

58

1250

850

900


Section

Plan

59



Other wo r k s

Works analysis of Jorn Utzon Master`s Research

WATER LINK Macau University of saint joseph workshop 3rd prize

Summer program in Shanghai Kenji Mantani Studio


Jorn Utzon 研究 ヨーン・ウッツォンの生涯 1918年

コペンハーゲンに生まれる。 一家はまもなくオールボーへ転位ウッツォン家 がヘルシンケルへ転居。高等学校教育を終えて から家族と合流

1937年

個と集合体の関係性を獲得した建築家としてヨーン・ウッツォンを取り上げ、作品分析を行った。ウッツォン は 2 つの手法 ウッツォンは 2 つの手法概念<基壇と屋根><加算的原理>を横断し、バランスを 取ることで床面の平坦さを強調する大スパンを実 概 屋的 根シ >ー < 加 的ス 建に 築リ > を ラい ンた ス。 を彼 取は る、 こ< と 床屋 面根 の>平 すフ るを 大実 ス現 パし ンよ をう実と現しし 、的 断原 面理 的 現念 し< つ基 つ壇 、と 断面 ク算 エン ズ横 ム断 をし 実、 現バ して 基で 壇と に坦 よさ っを て強 モ調 チー 、つ 加つ算 を 用ク いエ てン そス の空 昇た 華。 さ<せ基 て壇 いと る屋 。根 つま の的 天建 地築 をに 持よ ちっ 込み シー に間 リを ズ現 ム象 をや 実体 現験 さとれしててい > り に、 よ基 っ壇 てと モ屋 チ根 ーに フよ をっ 実て 現そ しの つ間 つに、第加二算 て、 そそ のの 空被 間覆 をと 現 して加算的原理が表れているの である。 象や体験として昇華させている。

コペンハーゲンのデンマーク王立美術アカデミ ーを卒業し、公認建築家となる

1942年

スウェーデンのグンナー・アスプルンド、ハー コン・アールベイとパウル・ヘーデクヴィスト 、フィンランドのアルヴァ・アールトらの設計

image/model

name

picture

section

floating

plan

platform

事務所に勤務(1946年迄) 1948年

パリでフェルナン・レジエやル・コルビュジェ、 彫刻家のアンリ・ローランスと会う。

1949年

モロッコに短期滞在 → 東洋に親近感を持つ 北米へ → タリアセン・ウエストでライトに、 シカゴでミースと会う機会を得る マヤの遺跡を経験 独立して事務所を創立

1950年

へレベックに設計した自邸に移り住む

モダニズムの開拓者からの影響 Hellebeak House (1952)

ミースのユニバーサルスペースに類似

No.01

Langelinie Pavilion unbuild

Unbuild ライトのジョンソンワックスに類似

(1953)

No.02

Middelboe House (1953) コルビュジェのサヴォアに類似

No.03

Elineberg Hovxvusing (1954) No.04

1956年

「シドニー・オペラハウス」の設計競技に勝利 し、以後1966年まで同プロジェクトに携わる

シドニー・オペラハウスでの苦闘 Sydney Opera House (1957) No.05

基壇への強い意識 Kingo houses (1957) No.06

Holiday Village on Majorca

unbuild

(1957) No.07

Danish Trade Union High School

unbuild

(1958)

1959年

12世紀支那の建設マニュアルである『営造方式』 と出合う 1960年

No.08

支那の伝統的な建設方法を研究するために極東へ

インド、ネパール、チベットを訪れ、さらに東洋

Melli Bank (1959)

での見聞を深める 1962年

No.09

シドニー北郊ベイヴューに、自宅を建てるつもり で土地を取得し、マヨルカ島への居住を決める

Madrid Opera House (1962) No.10

unbuild


Fredensborg Houses (1963) No.11

Silkeborg Museum 1963

unbuild

No.12

Zurich Theatre unbuild

(1964) No.13

Bayview House

unbuild

(1964) No.14

Wolfsburg Theatre (1965)

unbuild

No.15

University of California Art Gallery

unbuild

(1965) No.16

1966年

ハワイ大学で教鞭をにぎる(1968年迄)

加算的建築の確立 Farum Town Center (1966)

1968年

unbuild

No.17

のちに「Canfeliz」が建てられることになる 土地を取得し、マヨルカ島への移住を決める

Jeddah Stadium 1969

unbuild

No.18

Espansiva

1968年

のちに「Canfeliz」が建てられることになる

(1969)

土地を取得し、マヨルカ島への移住を決める

No.19

Herning School Town (1969) No.20

1970年

「Can Lis」建設用地を購入

モチーフの空間化 Can Lis (1971) No.21

Kuwait NAC (1972) No.22

1973年

シドニー・オペラハウス竣工 沿岸の「Can Lis」に移り住む

1975年

Bagscaerd Church (1973)

息子ヤンとキムとともに事務所ウッツォン

No.23

アーキテクツを創設 Paustian Furniture Building (1985)

No.24

Can Feliz (1994)

1994年

山間の「Can Feliz」に移り住む

2008年

ヨーン・ウッツォン90歳にて他界

No.25


WATER LINK セ ン ト・ジ ョ セ フ 大 学 と 行 う 国 際 ワ ー ク シ ョ ッ プ プ ロ グ ラ ム 。 5 日 間 に わ た り 、グ ル ー プでリサーチからプレゼンテーションまで行った。浅草の海辺に面する場所にフェ リーターミナルを設計するという課題。我々は浅草のシンボル「KAMINARIMON」 に続くウォーターゲートを提案し、擁壁を建築化することで川を街に開くような親水 空間を示した。

Features from Asakusa

Listing the three concepts

1.Conect

4.Separate If people intend to go from the

Currently, the waterfront i a little underwhelming.

Currently the upper and lower levels are separated

higher level to the lower level, they will have to take stairs .(the

The introduction of a new gate will help revitalize the harbour and

around 5 meters from each

only mode of access to and from in the area)

2.Blocking

1.Set up new gates

other.

Currently, the major streets are as shown (im Yellow), but all of them are blocked from the waterfront by the wall of buildings previously mentioned. We intend to open up a ‘path’ to enable the unification of the land and water, which in trun will make Asakusa Street a much more important street.

5.Low & Near The current ‘Tokyo Cruise’ building blocks the view to the waterfront if a person is coming from Asakusa Street.

3.Two walls

Currently there are two walls blocking Asakusa from the waterfront. There is the protective wall from floods and the wall of buildings along EdoDori.

3-’ S’ size Throughout the Asakusa area, what can be observed is, the architecture is low and closer to the people. An example of such is the Asakusa Nakamise Shopping Street.

Plan

GL Plan

B1 Plan

Section

B2 Plan

the flow of people to and from the river.

2.Not widen area

Elevetion

We intend to open up a ‘S’ size in contrast with the ‘XL’ size of Tokyo Skytree and the buildings at the Shibuya Crossing. The approach will be much more similar to the architecture witnessedin Asakusa Nakamise Shopping Center. In turn it will make the designmuch closer to the people.


Summer program in Shanghai 中 国 、上 海 を 拠 点 と す る 建 築 設 計 事 務 所 に て 1 ヶ 月 の イ ン タ ー ン シ ッ プ を 行 っ た 。 北京東路全体を対象敷地とした街スケールのプロジェクトをリサーチから設計提 案までを行った。リサーチでは、敷地内の建物の様式やマテリアルの分析、設計 提案では、街全体の歩行ルートの検討、また敷地内の主要なポイントの改修案を 検討した。

��� ��

��������� ������ ������� � �� NKNTQ � ��

���������

���������

�����

����� �����������

������

� ���� �����

���������

���������

����������� � ����� ����

��� ����� ��������� ����

���������

�����

�����

�����

������

� ����������� ����

� ����������� ����

Í¥ ³ ¼

13.6.21

þú Ã

�������

ÃΫ ! "%

���

ÃΫ ! "%

Copyright © 2009-2014 Kenji Mantani Studio inc. All Right Reserved.

2

���������

���������

������

���������

������

�����

�����

�����

�����

�����

�����

�����

�����

������

����

����

����

���� �N�������K������

��������K�����

Copyright © 2009-2014 Kenji Mantani Studio inc. All Right Reserved.

15

% #

��G�

�a����Z��Y�L������n u��K�ayg��P���oV���p ��n�����Ze�P

��o��n��W������Y�Zou�n ��ayg������ygPfynu����yg ��G�p��nI���cae�WgP

����r

������

����

���� ����������������

���� ����������������

13.6.21 Copyright © 2009-2014 Kenji Mantani Studio inc. All Right Reserved.

6 Í¥ ³ ¼ ÃΫ ! "%

����

����

17.9.12

þú Ã

ÃΫ ! "%

Copyright © 2009-2014 Kenji Mantani Studio inc. All Right Reserved.

21


Pr o f i l e

岸田和也 1994

大阪生まれ

1998-2000

ペンシルベニア州在住

2000-2002

ニューヨーク州在住

2019

千葉工業大学大学院工学研究科建築都市環境学専攻修了

インターンシップ経験 2017

伊東豊雄建築設計事務所

2017

上海万谷建築設計

2017

デネフェス計画研究所

2018

CAt シーラカンスアンドアソシエイツ

2018

乾久美子建築設計事務所

スキル Vectorworks,Photoshop,Illustrator,Indesign,Rhino ceros,V-ray,FlowDesigner



Turn static files into dynamic content formats.

Create a flipbook
Issuu converts static files into: digital portfolios, online yearbooks, online catalogs, digital photo albums and more. Sign up and create your flipbook.