2020 KEEN EFFECT
IMPACT REPORT INTRODUCTION
2020年は、KEENの短い歴史の中で最も困難な年でした。 でも不思議なことですが2003年の 創業時から、 こうした状況にどう対応すればいいのかを私達は準備していたように感じています。 「社会をよりよく変えたい」 という当初からの思いがあったからこそ、困難な時もチームが一丸と なってKEENファンの皆さまへのサービスを提供し続け、スタッフの安全を守り、 コミュニティに 貢献し、前に進むことができたのだと考えています。 パンデミックが発生した時、KEENは現場の最前線で頑張るエッセンシャルワーカーの皆さんや KEENパートナー、 そしてKEENファンの皆さまのために迅速に行動を起こしました。 エッセンシャル ワークを担う皆さんに10万足以上のシューズやユーティリティー・ブーツを寄付し、 かけがえのない 家族や地域社会を守るために、 シューズの製造ラインを改装して700万個以上のマスクを生産。 2020年6月にミネアポリスで起きたジョージ・フロイド氏殺害事件は、私達が今、何をしなければ いけないのかを真剣に考えさせられた事件でした。KEENは創立当初から、 アウトドアは出自や性別 を超えて誰もが気軽に楽しめる場所でなければならないと考えてきました。しかし残念ながら、私達 のそんな思いにもかかわらず、 アウトドア業界は未だに白人中心で、多様性に欠けていたことを認識 せざるを得なかったのです。 人々の健康と社会正義にとって試練が続く時代の中で、KEENは地球環境負荷の低減にチャレ ンジしてきました。過去8年間、 「 永遠の化学物質」 とも呼ばれる、PFCs/PFASをはじめとする最も 有害な6種類の化学物質をサプライチェーンから取り除くことにチャレンジしたのも、そのひとつ。 その結果、今ではサプライチェーンと製品全体でPFCsを98%除去できていることを、 自信を持って お伝えできます。 このレポートは、私達のこれまでの活動成果をまとめたものです。 活動がどう進化したかについてはもちろん、今後やるべきことと現状とのギャップも明確にして います。そしてKEENを応援してくださる皆様に対して透明性を保ち、 この活動についてKEEN自身 が責任を自覚するために、 このレポートを皆様と共有します。
01
KEEN IMPACT REPORT
ENVIRONMENTAL, SOCIAL AND CORPORATE GOVERNANCE METRICS
ABOUT US
私達は、独創的で、快適で優れた耐久性を持つフットウェアを作っていると自負しています。 でも それ以上に生み出したいものがあります。それはKEENを通じて “ 社会をよりよくしていくこと ”。 意思決定がシンプルな家族経営の会社だからこそ、 『 正しいことを行う』 という理念に基づいてもの ごとを決めるという哲学が社内全体で共有できています。 製品を作る時も、地球環境や人々との関わりを考える時も、常に正しいやり方を選ぶこと。 これが 2003年の創業以来、私達が心に刻んできたミッションのひとつです。 2005年、私達は米・アウトドア環境保護基金The Conservation Allianceに資金提供と 活動の両輪に渡って協力し、会員数を4倍に増やすチャレンジに成功しました。 この効果を、エグ ゼクティブ・ディレクターは " KEEN Effect=KEEN効果 "と呼びました。 この名称はその後定着 し、今では私達が行っているコミュニティ支援や地球環境を守る活動そのものを表すようになり ました。誰かがKEENのブーツやサンダル、 スニーカーを購入してくれるたびに、KEEN EFFECTを 生み出すことができるのです。 私達はシューズ作りの仕事に誇りを持っています。そして同様に重要なことと考えているのは、 それを “どのように行うのか “ということです。KEENの社員は、数日間のボランティアに率先し て参加するアクティビストであり、会社はGreen TeamやJEDI(Justice Equity Diversity & Inclusion)Working Groupといった社員有志による社会貢献活動を支援し、社内外にポジティブ な変化を起こすサポートをしています。 また毎月開催されるGlobal GatheringやZoom Master クラス、JuneteenthやPride月間のお祝いなど、身近で営まれている多様性のある日常を社会 全体に反映させようと務めています。 このようにKEENは、社員一人ひとりが、創造性や思いやり、 楽しさ、 そして包括性とのバランスをとりながら、 日々の仕事に取り組んでいます。 設立当初から、私達は自分達が完璧ではないこと、そして世に送り出す製品が、少なからず地球 環境に負荷をあたえ、また、人々のコミュニティにも影響を与えていることを理解していました。 だからこそ現行のパラダイムに挑戦し、 より良い製品と誰もが生きやすいコミュニティの構築に向けて 意識的に取り組み、地球環境をより良いカタチで残すことにチャレンジし続けます。 このミッション を達成するには絶え間ない努力が必要であることを認識していますが、私達はそれを達成しようと 考えています。そして、皆さんにもぜひこのミッションに参加していただければと願っています。
02 KEEN IMPACT REPORT
ENVIRONMENTAL, SOCIAL AND CORPORATE GOVERNANCE METRICS
数字でみるKEEN
KEENmates
GLOBALLY:
497 の社員
51
人
で
カ国
KEEN が
販売されています
オフィス所在地: アメリカ・オレゴン州ポートランド,
カナダ・オンタリオ州ブランプトン, オランダ・ロッテルダム,
北アメリカ, アジアパシフィック,
ヨーロッパ, 南アメリカ, アフリカ
日本・東京
2
7
13 ガラージ + 4 アウトレット
ガラージ
ガラージ + 4 アウトレット
1
ガラージ
2
ガラージ
(販売代理店所有・運営)
(販売代理店所有・運営)
1
KEEN の直営店
*
オランダ:
アメリカ:
日本:
チェコ:
KEEN Retail
香港:
ガラージ (販売代理店所有・運営)
*OUR TAKE ON RETAIL STORES
KEEN Manufacturing
34%
19 契約 工場
3 03 KEEN IMPACT REPORT
自社 工場
2020年に自社工場で
生産された
KEEN 製品
アメリカ(ポートランド州オレゴン) メキシコ(レオン) タイ (チョンブリ)
ENVIRONMENTAL, SOCIAL AND CORPORATE GOVERNANCE METRICS
MISSION:
私達の約束
全ての人々に天井知らずの生きかたをインスパイアする 私達は、独創的で、快適で優れた耐久性を持つフットウェアを作っていると自負しています。 でもそれ以上に生み出したいものがあります。それはKEEN を通じて “ 社会をよりよくしていくこと ”。意思決定がシンプルな家族経営の会社だからこそ、 『正しいことを行う』 という理念に基づいてものごとを決めると いう哲学が社内全体で共有できています。製品を作る時も、地球環境や人々との関わりを考える時も、常に正しいやり方を選ぶこと。 これが2003年の創業 以来、私達が心に刻んできたミッションのひとつです。 そして、それが私達の “存在理由 “であり、私達のお客様への約束です。私達をひとつにまとめる共通の目的であり、活動の基礎となるものです。 私達のバリュー KEENのビジネスは日々、 オリジナルの価値観である<KEEN の道標>という指針に導かれています。 それはトレイルマーカーのように、私達が旅を続けるの に欠かせないもの。絶え間ない改善を指す言葉であり、見つけた時より良い状態にして物事を残すというシンプルな考え方に基づくビジネスの進め方です。
MARKER
NO. 1
「ソト」を生きる… みんな一緒に
MARKER
NO. 2
全てにオリジナルであれ
MARKER
NO. 3
オリジナルかつ 長持ちする製品を作る
MARKER
NO. 4
ドゥ・ザ・ライト・シング
(DO THE RIGHT THING)
MARKER
NO. 5
良心と共に創る
04 KEEN IMPACT REPORT
家でじっとしているより、外に出たほうがいいに決まっています。 「ソト」 といっても、山の頂上を次々に制覇したり、単独 で歴史的な冒険に挑んだりするような話ではありません。家の外に出て、食べたり、寝たり、ハイキングしたり、散歩 したり、仕事をしたり、遊んだり… 日々の暮らしの中で外にいる時間を増やす。そうすればきっと心も体も健やかで いられます。一人では退屈ですから、友達や家族も一緒のほうがいい。犬や子どもたちも連れて。みんな一緒に! ほかの人を巻き込んだほうが外での生活はおもしろくなります。屋根のない場所はハッピーな場所です。
私たちは何かを追いかけるために生まれてきたわけではありません。誰かに認められる必要もありません。製品開発 においてもイベントにおいても、今までにないものを作ることを信条とします。 まずは何でも試してみること。文字どおり 「どんなことでも」 です。それは私たちの楽しみでもあります。素早く行動し、失敗したらまた次を考える。予算に制限が あったとしても、創意に限界はありません。 たとえ成功の見込みが薄くても、私たちは独創的であることをやめません。
私たちの製品は、 これがソリューションだという確信をもって作られています。いまだに満たされていないニーズを見 定め、世界が見たことのないような解決策の構想を練ります。人々が外に出たとき、安全で気持ちよくいられるように。 つま先を守り、暖かく乾いた状態に保ち、足もとが滑らないようにします。 ファンの皆様は私たちを信頼して身の安全 を託してくださっているのです。その信頼を裏切ることがあってはなりません。
正しいことをしようと立ち上がる人が増えれば、 この世界はより良い場所になるでしょう。だれかが助けを必要として いるとき、寄り添っていられる私たちでありたい。困難なときこそ大胆な行動が求められます。言うは易し。我々は敢えて 難しを行うのです。
地球をより健康にし、強固なコミュニティーを作ることが大切だと私たちは信じています。製品に使用する材料から開発・ 製造方法、そして信頼に足るシューズを作る社員への対応まで、つねに良心に照らしながら何をどのように作るのかを 考えていきます。 この場所を、私たちが見つけたときよりキレイにして未来に残すことが最終目標です。
ENVIRONMENTAL, SOCIAL AND CORPORATE GOVERNANCE METRICS
KEEN EFFECTの成果 2020 ハイライト 3つの大切な柱を中心に、KEEN EFFECTの広がりを報告します
1. ACCESS AND INCLUSION
2. DETOX THE PLANET
3. DISASTER RELIEF
すべての人がソトを自由に楽しめるように
未来世代のために環境負荷を減らそう
気候変動の影響で被災した地域を支援
シューズの寄付
100
万足
現金または製品の寄付
$5M (約5億6,856万円)
マスクの寄付
マスクの寄付・販売
20 +
700 +
2020アメリカ大統領選に登録
LWGゴールド認定
万枚
42.5
万枚
なめし革工場からレザー調達
90%*
万人
ジェリー・ガルシアファミリー、
NPO「HEADCOUNT」 とのコラボレーション
*10% = 過去にゴールド認定タンナー
コロナ禍で一部の年次報告結果が遅れています
PFC/PFAS FREE 有害な化学物質PFC-FREEを一緒に実現しよう
05 KEEN IMPACT REPORT
ENVIRONMENTAL, SOCIAL AND CORPORATE GOVERNANCE METRICS
1
ACCESS AND INCLUSION
2,715
人 の子ども達をサポート
50% の女性 20% の BIPOC
1,022
4,692
時間 のボランティア活動
44
組織をサポート
多様性の目標値
ヘクタールの保護
約
6.5
製品
千万円と
40% ソーシャルプログラム 60% 環境保護プログラム
2020年、黒人男性ジョージ・フロイド氏が白人警官に殺害された事件は、 アメリカのみならず世界中で人種と正義をめぐって人々が直面している課題 に光を当てました。KEENは、 すべての人にとって包括的なブランドであるよう常に努力してきました。 しかしこの事件がきっかけで、私達が属しているアウト ドア業界も白人優先の業界であり、 白人の従業員を多く抱えるビジネスだったことに気づかされました。業界のこれまでの取り組みは、真剣ではあっても 不十分であったのです。2020年、KEENは3つの重要なコミットメントを軸に、社会正義の取り組みを再構築しました。
1. 社員の多様性と包括性を優先する。 2. コミュニケーションおよびマーケティング資料の多様性を高める。 3. アウトドア市場における制度的人種差別を是正するために活動する組織や団体を引き続き支援する。 このコミットメントに合わせて社内チームを立ち上げ、外部の専門家のサポートを得ながら、 まず自分達から変化を起こすための計画を作りました。 「Equity and Inclusion Plan」 と呼ばれるこの計画には、3つのコミットメントの主要な取り組みについて、 きめ細かな戦略とそれぞれ定量化できる 評価基準を設けました。 KEEN Equity and Inclusion Teamは、公正さと包括性を向上させるこの計画を社内で横断的に推進するグループです。社員が、 この課題を継続的 に学び、社内の取り組みに適応し、 目標達成に向けて進めるように、四半期ごとに社内で報告を行っています。
06 KEEN IMPACT REPORT
ENVIRONMENTAL, SOCIAL AND CORPORATE GOVERNANCE METRICS
多様性を持った人々を理解し受け入れ、全ての社員が活躍するために 多様な人財を確保するための協力体制を推進
米国本社では黒人学生が多い大学との協力関係を構築、Work From Anywhere(=どこからでも働くことができる) プログラムを導入すること で、 より多様な地域から採用できる環境を整えました。 また、Noirefy社やCamber Outdoors社からコンサルティングを受け、職務記述書や 面接過程の見直し、社内規程の見直しなどを通じダイバーシティの推進を妨げていた固定観念や先入観、従来の仕組みを改善する取り組みを 行いました。 また、定量目標を定め、進捗状況を確認、 目標を達成するための仕組みを導入しました。
DIVERSITY
KEEN INC. /
米国本社
目標
2020年 BIPOC※ “BLACK, INDIGENOUS, AND PEOPLE OF COLOR / 黒人,先住民,有色人種“
15%
20%
2025年
BIPOC DIR(ディレクター以上)
8%
20%
2030年
WOMEN
40%
50%
2025年
WOMEN DIR(ディレクター以上)
26%
50%
2030年
多様性のある文化の醸成
多様性のある組織は、多様性のある文化から生まれます。ディレクター以上が対象のJEDI(Justice, Equity, Diversity and Inclusion) トレーニングの提供から、全ての部門チームを対象とする 「なぜJEDIとバイアス認識が重要か」 というプレゼンテーションまで、多様性を理解する 社内文化を醸成する複数の取り組み(The Equity and Inclusion Plan)を推進しています。また多様性を受容する環境を醸成するために、 「ジューンティーンス/奴隷解放記念日 (Juneteenth)」 や 「プライド月間(Pride Month)」 には社内有志グループが中心となり、社内トレーニング やディスカッション、記念イベントへの参加等を行っています。
CULTURE
KEEN INC. /
米国本社
JEDI トレーニング
100%
2021年
JEDI 認定
10%
2022年
BIPOC 定着率
100%
2021年
WOMEN 定着率
100%
2021年
コミュニケーション・ツールの見直しと草の根団体のサポート
多様性への理解と社員の行動を浸透させるためにThe Equity and Inclusion Planを策定し、社内クリエイティブチームの発信するメッ
セージがJEDI(Justice Equity Diversity & Inclusion)を推進するにあたり差別的な言い回しとなっていないか事前に確認する仕組みの 導入、ACCESS & INCLUSIONやBIPOCを支援する助成金の増額、JEDIプロジェクトで実施する有償ボランティアの目標設定など多くの取り 組みを行っています。 また販売キャンペーンや使用する画像についてもキャンペーン終了後の分析や審査を実施しています。 COMMUNITY
KEEN INC. / 現在
米国本社
目標
ソーシャルメディアの多様性
> 50%
50%
2021年
BIPOC活動への助成金
< 20%
35%
2025年
活動時間
–
25%
2025年
KEEN Japan では米国本社の施策と同等またはこれに準ずる計画を推進しています。
07 KEEN IMPACT REPORT
ENVIRONMENTAL, SOCIAL AND CORPORATE GOVERNANCE METRICS
KEEN EFFECT 助成プログラム 2005年に始まったKEENの助成プログラムは、 出自や性別を超えて誰もがアウトドアにアクセスできるように活動する草の根団体や非営利団体と長期 的なパートナーシップを構築し、年間助成を行っています。国立公園など公有地の保護活動や、子ども達を自然の中に連れ出す活動など、彼らパートナー の存在に私達は常に刺激を受けています。2020年、 こうした団体の活動に510万ドルの現金とシューズ配布などの寄付活動を行ないました。 資金面での支援だけでなく、パートナーと協力して、業界や私達自身に変化をもたらすためにアクティビズムキャンペーンを展開しています。 2015年には、 オレゴン州で提出された 「Oregon’s Outdoor School for All=すべての人にアウトドアスクールを」 という法案を支援。 また5つの国定 公園の新設を求めた初の公有地保護キャンペーン 「Live Monumental」 を実施しました。 ここ日本でも西表島でのエシカルツーリズムを啓もうする活動を 2019年より支援するなど、 レクリエーションを、 自然と文化を守るより責任あるものにし、すべての人にとってアウトドアがもっと身近なものになるよう、 継続的に取り組んでいます。 私達のパートナー:
• • • • • • • • •
The Conservation Alliance Outdoor Afro Leave No Trace American Whitewater All Hands and Hearts Forest Park Conservancy Oregon Natural Deserts Association European Outdoor Conservation Alliance Plastic Whale
• • • • • • • •
Us4IRIOMOTE It’s Great Out There iPledge Conservation Alliance Japan Leave No Trace Japan Big Issue みらいの森
Canadian Parks and Wilderness Society (CPAWS) …他
助成先ハイライト:OUTDOOR AFRO OUTDOOR AFRO プロフィール リーダー
100 + 人
都市・地域
56都市
参加者
数万人
Outdoor Afroは、 自然の中での黒人同士のつながりとリーダーシップを育てる非営利団体で、10年以上に渡ってKEENのパートナーです。 国内56都市に100人以上のリーダーを擁し、全米各地にネットワークを広げています。2020年にはパートナーシップを2万ドル増額し、認知度の向上 と追加資金の調達を目的としたコラボレーションに取り組み始めました。 Outdoor Afroは、黒人の子どもとその保護者に“Swimmership”( 水泳レッスンのための奨学金)を提供して水泳教室を開催し、高く評価されて います。2019年の開始以来、KEENはこの活動をサポートしています。
08 KEEN IMPACT REPORT
ENVIRONMENTAL, SOCIAL AND CORPORATE GOVERNANCE METRICS
米国疾病管理予防センターによると、5歳から19歳の黒人の若者が溺死する割合は、 白人の子どもの5.5倍にもなります。 この事実は、 アメリカ合衆国 の黒人達が何十年にも渡って公共のプールやビーチから隔離され、排除されてきたことと関係しています。 泳ぎを覚えることは命を救う術を身につけること。そして自然をより身近にし、人生を豊かにすること。 この水泳教室 “Making Waves” プログラムは 誰もが安心して海で泳げるようになるためのレッスンです。
助成先ハイライト:CONSERVATION ALLIANCE
公有地へのアクセスを保護することは、私達にとっても重要なミッションです。 アウトドア環境保護基金Conservation Alliance=コンサベーション・ アライアンスは、 メンバー企業や個人の支援により、 アリゾナ州の面積に匹敵する7,100万エーカー以上の土地を保護しています。 2020年は、KEENが非公式な「第5次創業メンバー」 として支援を始めてから16年目になります。 資金面での支援にとどまらず、理事会への参加や、KEENメイトやKEENファンが助成先を推薦する際のガイダンスプログラムを提供するなど、積極的 なパートナーとして活動しています。 その他にも自然保護パートナーには次の団体があります。
Leave No Trace、American Whitewater、the Oregon Natural Deserts Association、
the European Outdoor Conservation Association、Plastic Whale、Us 4 IRIOMOTE
私達の寄付が活動の役に立った自然保護団体:
Leave No Trace: 45,000ドル(約5.1 百万円)
KEENは、LNTのホットスポットプログラムを支援しています。ホットスポットプログラムとは、人々のアウトドア活動によって環境に大きなダメージを 負った土地の回復と環境保護を行う活動です。2020年には、 フロリダ・キーズ国立海洋保護区(フロリダ州)、ベース アンド メリディアン・ワイルドライフ エリア (アリゾナ州)、バートン・クリーク・グリーンベルト (テキサス州) でコロナ禍の前に活動を開始。一般市民を集めて2,270ポンドのゴミや海洋ゴミ を清掃しました。2019年は11,000時間以上のボランティア活動で16,000ポンド以上のゴミを回収しています。
American Whitewater: 45,000ドル(約5.1 百万円) 河川保護キャンペーン“Great American Outdoor Act(以下GAOA)”の成立に向けた取り組みと、“水質浄化法”の規制に対する継続的な支援を 行いました。その結果、12,612件のメッセージやコメントが議員や土地管理機関に送られ、GAOAの可決に貢献しました。
Oregon Natural Desert Association: 20,000ドル(約2.2 百万円) KEEN は ONDA と共に、1,000 マイルに及ぶOregon’s desert riversの野生と景観を保護する活動を行いました。 タウンホールミーティングに 参加したり、議員に面会したりと、直接的なアドボカシー活動に参加しています。
European Outdoor Conservation Association: 25,000ドル(約2.8 百万円) KEENは、EOCAを通じて、北海をよりクリーンで豊かな海域にするために活動する献身的なボランティアグループStichting Duik de Noordzee Schoon (SDDNZS)をサポートしています。2019年には、 コンテナ事故で流出した80万キロの廃棄物を清掃するために10日間の遠征を行いました。
Us 4 IRIOMOTE: 27,000ドル(約3 百万円) Us 4 IRIOMOTEは、絶滅危惧種イリオモテヤマネコをはじめとする希少種を育む世界自然遺産の島・西表島の自然と歴史、文化を 「明日」に継承する ためにエシカル・ツーリズムを提唱するプロジェクトです。2018年にスタートし、島内のパートナーとともに 「知ろう」 「 守ろう」 「 話そう」 「 残そう」の4つ のキーワードを軸に活動しています。2020年には石垣港にマスクの自動販売機を設置して安全な観光を啓もうしました。
Plastic Whale: 35,000ドル(約3.9 百万円) 2年目を迎えたKEENヨーロッパは、今年もKEEN Plastic Whaleボートでアムステルダムの運河をクリーンに保つBetter Takes Action boat tour を実施しました。 このボートは、運河から回収されたプラスチックだけで作られており、KEENチームが市民と共に使い捨てプラスチックごみをフィッシング で回収。子ども達も多く参加し、地域の環境保全に貢献しています。
09 KEEN IMPACT REPORT
ENVIRONMENTAL, SOCIAL AND CORPORATE GOVERNANCE METRICS
2020 年、KEEN の土地・水資源保護活動への資金援助は合計337,167ドル(約3.8 千万円)となりました。
KIDS 助成金
KEENは、2014年に子ども達をアウトドア体験に連れていく活動をサポートするKids 助成金プログラムを開始。103の草の根団体への助成金と 1,968,515時間のアウトドアプログラムを提供。2020年までに131,853人以上の子ども達が大自然と触れ合いました。 2020年には、BIPOCコミュニティの子ども達をアウトドア体験に連れていく活動に焦点を当て、新たにシューズ提供を含む8つの助成金を提供しました。 合計で35,000ドルの現金と4,740ドル分のシューズを提供し、2,715人の子ども達のアウトドア体験をサポートしました。
Kids Grantee 助成先ハイライト: Marjory Stoneman Douglas Biscayne Nature Center in 2021 – フロリダ州キー・ビスケーン 環境教育を目的とした非営利団体Marjory Stoneman Douglas Biscayne Nature CenterのSummer by the Sea Campをサポートしました。 このプログラムは、様々な事情を抱えるマイアミの子ども達120人が奨学金を得て、4週間に渡ってSTEAM(Science, Technology, Engineering, Arts, Mathematics)関連の活動に参加。南フロリダのユニークな生態系を実際に探索する中から、人生を豊かにするスキルを学びました。 子ども達は、海洋科学探検、 アウトドア・レクリエーション、複合芸術に参加します。今年は、初のバーチャル・サマーキャンプを実施しました。 このキャンプ では、美術や科学の授業、詩の朗読、毎週のヨガセッションなど、楽しみながら学ぶことができます。 キャンプに参加した子ども達は、毎週、 アートやサイエンスの道具、 ステッカーやノート、そして次の冒険に役立つKEENのギアが入ったボックスを受け 取りました。
その他の KIDS GRANTS 助成先
• • • •
Chicago Adventure Therapy – Chicago, Illinois Georgia Audubon Society – Atlanta, Georgia Mountain Alliance – Boone, North Carolina Soul River Runs Deep – Portland, Oregon
• Earth Team – Richmond, California • Size of Wales – Cardiff, Wales, UK • Mirai no Mori – Tokyo, Japan
アクティビズム&ボランティア・プログラム
“アクティビズム “と “ボランティア活動 “は、KEENの中核をなすものです。2005年以来、私達は有給のボランティア活動に参加しています。 2019年には、社員1人当たり13.38時間、合計5,524時間のボランティア活動を記録しました。2020年はパンデミックの影響を受け、社員一人当たり 2.37時間、合計1,022時間の参加にとどまりました。 2021年には再び増加することを期待していますが、新型コロナウイルスの影響が続き、ボランティア活動の時間は2019年のレベルを下回る結果に
なってしまうでしょう。 ボランティア活動のテーマは、環境保護活動、 ユースの指導、地域コミュニティ活動などが中心となっています。
VOTE LOVE ムーブメント KEENは、2020年に私達の民主主義が問われていると考え、Vote Loveというムーブメントにチャレンジしました。 ジェリー・ガルシア・ファミリーと 提携して、ポジティブな効果をもたらす製品コラボレーションを企画。 ジェリー・ガルシアのアートワークをKEENの代表的なフットウェアのデザインに 採用しユニークな“履くアート”を制作し、売り上げの1%を、音楽の力で民主主義への参加を促すNPO団体Headcountに寄付。 またジェリー・ガルシア の誕生日を祝うベネフィットコンサートを開催し第46代アメリカ大統領選挙の有権者登録を支援しました。 私達の支援もあり、Headcountは、 アメリカ史上最高の投票率を記録した2020年の大統領選挙に先駆けて有権者登録を成功させ、設立以来の有権者 登録数が100万人を突破しました。KEENは、 このプログラムをKEENのメディアチャンネル、PR、 ソーシャルメディア、そして有権者登録ツールを設置 したkeenfootwear.comで広く拡散しました。 何億人もの人々に届いた啓発キャンペーンに加え、KEEN × Garciaのフットウェアの収益(8,000ドル)、直接の寄付(5,000ドル)、オンラインオーク ション (2,000ドル)により、Headcountのために15,000ドル以上を集めました。
010 KEEN IMPACT REPORT
ENVIRONMENTAL, SOCIAL AND CORPORATE GOVERNANCE METRICS
2
DETOX THE PLANET
7,000 KG 有害な化学薬品は使わない
35%
8,200 KG
過フッ素化合物( PFC )使用を回避
100%
ZERO
PFC/PFSフリー
水資源の循環
リキッド排出
6 種類の有害化学物質
達成率
実施タイミング
1. 殺生物剤
100% FREE
2018 年から
2. PFCS / PFAS
100% FREE*
2018 年から
3. 難燃剤
100% FREE
2003 年から
4. 主たるフタル酸エステル類・ビスフェノール類
100% FREE
2013年から
5. 一部の溶剤
4.5% FREE
2025 年までに20%、2030 年までに30%
6. 特定の化学物質
100% FREE
2015年から
* “PFC Free”の現在の基準となる化学物質において
011 KEEN IMPACT REPORT
ENVIRONMENTAL, SOCIAL AND CORPORATE GOVERNANCE METRICS
“ FOREVER CHEMICALS = 永遠の化学物質 ” の除去
KEENの目標はとてもシンプルです。それは最も有害なクラスの6種類の化学物質を100%使用しないフットウェアを作ること。私達は2014年にこの 活動をスタートさせ、10,000時間以上の年月と100万ドル以上の資金を投入しました。 KEENはこれからも、 この道にこだわり続けます。 私達の日常生活には何十万種類もの化学物質が存在しています。なかでも自然環境や人体への影響に関してとくに懸念されているのが「6種類の有害 化学物質」 で、その多くが世界中のサプライチェーンに存在しています。 KEENにとって、 自分達のサプライチェーンからこれらの化学物質を除去することが、 この8年間の重要なミッションでした。その結果、課題を飛躍的に 改善し、今後もこれらの化学物質がKEENの製品や工場から一切検出されなくなるよう努力を続けます。 私達は一般的な消費財に含まれる6種類の有害化学物質のうち、5種類の使用を回避、 または除去することに成功しました。 これから取り組むべき最後の分類は溶剤です。KEENは、 これまでと同じエネルギーを費やしてこの課題に取り組んでいます。
1. 殺生物剤 = 2018年から100%不使用 2020年には、7トン (2015年の廃止プログラム開始以来41トン超)。 抗菌剤、殺生物剤、農薬は発がん性があることが知られているにもかかわらず、消臭・防臭対策としてシューズ類に広く使用されています。そこでKEEN は、最先端の環境対策技術を持つパートナーと協力して、安全で効果的かつ手頃な価格の天然原料を使用した代替技術を開発しました。 それが乳酸菌プロバイオティクスをベースに微生物の働きで臭いを分解するEco Anti-Odorです。 自然環境への負荷を低減しながら従来同様の防臭 効果を発揮するこの技術は、 すべてのKEENフットウェアに採用されています。
2. PFAS/PFCS = 2018年から、98%以上で不使用 PFASはありとあらゆる場所で見つかっており、98%というこの数字が、現在到達できる 「PFCフリー」 の最高レベルといえます。PFASとは、衣類をはじめ、 私たちの身の回りの商品で表面の汚れ防止や撥水剤として広く使われているフッ素系化学物質のことです。便利な一方、 この物質は、発がん性、変異原性、 生物蓄積性のある有害物質として知られており、地球上の水の循環や食物連鎖を通して人や動物の体内にいつまでも残留します。KEENは2018年以降、 この厄介な化学物質が環境中に排出されるのを防いできました。重さにして約150トン相当になります。
3. 難燃剤 = 2003年より100%不使用 物を燃えにくくする 『難燃剤』は主に臭素系と安息香系の化学物質で、神経障害、皮膚刺激、吐き気、嘔吐、昏睡、麻痺など様々な健康障害の原因となる 有害な内分泌撹乱物質として知られています。
4. 主たるフタル酸エステル類とビスフェノール類 = 2013年より100%不使用 フタル酸エステル類は、 プラスチック材料や部品製造に使用されるプラスチック軟化剤です。 喘息、注意欠陥障害、乳がん、2型糖尿病、 自閉症スペクトラム障害、生殖器官の機能障害との関連が指摘されています。
5. 一部の溶剤 = 4.5%不使用 25年までに20%、30年までに33%不使用を目指します 溶剤は、 フットウェアの部品を接着するために広く使用されている揮発性有機化合物(VOC) で、呼吸器系や神経系の機能に悪影響を及ぼし、発がん 性のあるものもあります。 KEENは2020年に水性接着剤のテストに成功し、2021年春にはいくつかのシューズで溶剤ベースの生産ラインを切り替えることになりました。 KEENは、 この道を進み続けることを約束します。水性接着剤やダイレクトインジェクション工法に切り替えることで、サプライチェーンで働く人々の 健康リスクや温室効果ガスを削減していきます。
6. 有害金属 = 2015年から100%不使用 カドミウム、 ヒ素、水銀、鉛は、中枢神経系に神経障害を引き起こす毒性で知られています。 これらは繊維や素材を汚染している不純物です。KEENは RSLポリシーに基づいてこれらのスクリーニングを行い、製品から排除しています。
012 KEEN IMPACT REPORT
ENVIRONMENTAL, SOCIAL AND CORPORATE GOVERNANCE METRICS
PFC / PFAS 不使用
2014年、KEENは「Detox the Planet 」 プロジェクトの最初の目標の一つとして、 「 永遠の化学物質」 とも言われるフッ素化合物で、有害なPFCsを 完全に排除する自主的な取り組みをスタートし、積極的に進めてきました。2018年までにフットウェアの製造工程からPFCを排除するために、4年間で 100万ドル以上の投資と10,000時間以上の試行錯誤を費やしました。その結果、180トンものフッ素系化学物質が環境中に排出されるのを防ぐことが できました。 こうした一歩一歩がアウトドア業界全体にインパクトを与え、 ライバル関係を超えて一緒に取り組めるようになれば、 より大きな変化をもたらすことが できると考えています。KEENはこれからも、PFCフリーの未来を提唱し、 アウトドア業界の各ブランドや、 この取り組みに重要な役割を持つ小売店、 パーツ サプライヤーの皆様と協力していきます。
セールスサンプルの無駄を省く
2020年後半、私達はこの業界、そしてKEEN自身が販売員のサンプル使用を劇的に変えるというミッションに着手しました。独自の技術、方法、 ツール
を用いて、2021年には環境への影響を測定可能なレベルで削減することを目指しています。私達は、 この知識をオープンソース化し、環境にプラスになる 影響力を加速させたいと考えています。
水資源の循環
「ゼロ・ウェイスト」 という言葉を聞いたことがあるかもしれません。 「クローズド・ループ」 「ゆりかごからゆりかごまで」 とも呼ばれる資源循環のことです。 資源をできるだけ長く活用した後に回収・再利用することで、廃棄物を生産工程から排除し、環境負荷を最小限に抑えるための方法です。 完璧な循環システムの実現はKEENにとって長期的な目標ですが、 自社工程やパートナーとの協力を通じた取り組みを少しずつ始めています。 Leather Working Group(LWG) のゴールド認定タンナーと提携することで、2020年単年で、なめし工程での水の使用量を約35%削減し、何百万 ガロンもの水を節約することができました。 さらにレザーの約36%は、クローズド・ループ・システムを用いています。 これは、大切な水資源を再利用するために作られた循環型システム。なめし 工程から出た大量の排水はろ過処理がされ、 きれいになった排水は、その実に95%が(5%は処理中に蒸発)次の革をなめすために再利用されています。 さらに、 このろ過の工程では塩分やクロムが回収され、それらも再利用しています。KEENは、 このようなクローズド・ループ・システムでなめされたレザー を調達する割合を増やし、 より多くのタンナーにこうした水循環システムを採用してもらうよう働きかけています。
013 KEEN IMPACT REPORT
ENVIRONMENTAL, SOCIAL AND CORPORATE GOVERNANCE METRICS
LWG によって、ゴールド認定を受けた工場の水の循環図
1 LWG
によって、 ゴールドの認定
を受けた工場のクローズド・ ループシステムを循環する水
4
処理後の水の 95%をなめし
工程に再利用( 5%は蒸発)
3
水の循環図
2
水は革のなめし処理に使用。こ
の工程で塩類、クロム類も使用。
なめし処理後の水を、ろ過と逆浸透膜で 処理。塩分やクロムを除去します。
この工程と処理能力を持つLWGゴールド認定タンナーは、 世界のタンナーの約5%に過ぎません。
KEENはこのゴールド認証を取得したパートナー企業とのみ仕事をしています。なめし処理工程による成果を正確に数値化できるデータはありません が、水、塩、 クロムの現在の指標を正確に数値化し、2022年以降の目標を設定するために、パートナー企業と協力しています。
工場に残る廃材をアップサイクル
KEEN Harvestは、工場で余って廃棄される予定だった端材や廃材を有効活用し、新たな製品へとアップサイクルするというシンプルなコンセプトの もとに開発されました。 このプログラムは、埋立処理されてしまうはずだった廃棄物を減らし、生産に必要なバージン素材や石油化学製品の量を減らし、 生産工程全体で温室効果ガス排出量を削減する、地球にとってポジティブな三拍子がそろったプログラムです。 最初のKEEN Harvestプロジェクトは2007年に始まり、2021年秋には最新のHarvest製品を発売します。KEENの2021年インパクトレポートに は、 アップサイクルが生み出すポジティブなインパクトのレポートと将来の目標を示す予定です。 また、Harvestプログラムを体系化して業界内で共有し、 アップサイクルのポジティブな影響をさらに広める努力をしていきます。
014 KEEN IMPACT REPORT
ENVIRONMENTAL, SOCIAL AND CORPORATE GOVERNANCE METRICS
3
DISASTER RELIEF 災害支援
2020年度の被災地支援 シューズの寄付
100 万足
マスクの寄贈
20 万枚+
5.2
製品と現金の寄付合計
約
億円
K E E Nは、2003年に設 立された、まだまだ出来 立ての企 業ですが、設 立当初から私 達は、サポートが必 要な人々に寄り添うことを大切にして きました。2004年に東南アジアを津波が襲い、数十万人もの人々が亡くなり、何百万人もの人々の生活が影響を受けました。 壊滅的な被害のニュースが届いた時、私達はわずか数分で、小さな会社を前進させるために使う予定だったマーケティング予算の半分以上を津波救済 プログラムに振り向けました。 このコミットメントとそれを支える精神は、今も私達のビジネスとともに成長し続けています。過去17年間で、気候災害への 対応の一環として1,000万ドル(約11億円)以上の現金と製品を寄付してきました。
新型コロナウイルス支援
2020年も同じでした。新型コロナウイルスが発生したとき、世界は止まったように見えましたが、KEENは行動を開始しました。私達は10万足の靴と ユーティリティー・ブーツを最前線のエッセンシャルワーカーの皆さんに寄付し、90日以内に 「KEEN Together Mask」 を設計、開発、発売、配布しました。 さらに20万枚のマスクを現場のエッセンシャルワーカーや地域社会に寄付し、 マスクが不足しているときには小売店のパートナーを通じて700万枚の マスクを寄付・販売しました。 2020年は、 アメリカとオーストラリアの山火事から、新型コロナウイルスの世界的なパンデミックの拡大に至るまで、未曾有の災害が多発した年でした。 KEENファミリーは、災害支援ボランティアAll Hands and Heartsとの活動をはじめ、世界中の個人や団体を通じて、最も助けを必要としている 人々を支援。現金と製品で合計4,510,129ドル(約5.2億円) の寄付を行いました。
015 KEEN IMPACT REPORT
ENVIRONMENTAL, SOCIAL AND CORPORATE GOVERNANCE METRICS
(C) Ryosho Hara
気候災害支援
2020 年は、3つの大きな災害支援に対応しました。 オーストラリアの森林火災では、火災鎮火にあたった団体Dunmore Rural Fire Brigade、All Hands and Hearts、Zoos Victoriaに88,000 ドルの現金を、Dunmore Rural Fire Brigadeに2,500足のユーティリティー・ブーツを寄付しました。 日本の令和2年7月豪雨では、37の団体へ合計で4300足のシューズを寄付、被災地で活動するOPEN JAPANへ100万円を寄付するなど、被災地で の支援活動をサポートしました。 米国西部の山火事では、 アメリカの代表的な慈善福祉団体United Wayに3万ドルを寄付し、グレーターベイエリア (カリフォルニア州)のセントラル コースト山火事救済基金とコロンビア・ウィラメット (オレゴン州) の山火事対応・復興基金を支援しました。
016 KEEN IMPACT REPORT
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TRANSPARENCY & ACCOUNTABILITY 透明性と説明責任
継続的な発展を確実にするために以下を実施していきます。
1. 年次インパクトレポート 毎年、下記の重要な3項目の進捗状況を報告します。 ACCESS AND INCLUSION
DETOXING THE PLANET
DISASTER RELIEF
• 助成金の合計金額
• エネルギー KWH
• 支援団体の活動を支える寄付金
• 土地と水の保全
• 水 ガロン
• 支援団体と被災者への靴の提供
• 社員のボランティア時間
• 炭素/温室効果ガス
• 社員のボランティア時間
• 社内のダイバーシティ目標
• 行動規範の遵守 • 制限物質(RSL)への対応 • 6 種類の化学物質の使用廃止 • 進捗状況 その他の取り組み
2. 四半期レビュー これらのチームは、全社的目標に向かって努力する責任があり、 月、四半期、年単位で報告します。 私達は説明責任を果たすために以下のツールを使用しています。
HIGG インデックス KEENは、 『HIGGインデックス』 を採用して6年目になります。 これは、 アパレル業界の国際サステナビリティ団体Sustainable Apparel Coalition(SAC) が運営する環境自己評価ツールで、特定の分野ごとのサステナビリティについて、パートナー企業や 同業他社との間に透明性を高め、説明責任を果たし、進捗状況を追跡するためのツールです。2021 年には、5つの工場でこの評価を開始しました。2021年の測定結果は、2022年以降の進捗状況 や対応策を報告するための基準となります (HIGGインデックスの詳細はこちら※英語)。
017 KEEN IMPACT REPORT
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主要分野についてサプライチェーン毎に月次、四半期、年次の内部査定と報告
• エネルギー KWH(使用量/削減量) • 水 ガロン(使用量/削減量) • 炭素/温室効果ガス(使用量/削減量) • 行動規範 • 使用制限物質リスト(RSL) 行動規範 当社の行動規範は、従業員と第三者がKEENと関わりを持つ際に求められる原則、基準、道徳 的・倫理的な指針を示しています。行動規範が100%遵守されることで、従業員、契約スタッフ、 パートナー、ベンダーが原則と基準を広く保持していることを保証します。 KEENの行動規範を読む 制限物質リスト遵守報告書 材料・部品の100%コンプライアンス 工場・ベンダーの100%コンプライアンス Intertek
Testing Services、Bureau Veritas、SGS Testing Servicesによる第三者試験/検証
KEENの制限物質ポリシーはこちら (英語)
018 KEEN IMPACT REPORT
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