Kohei.F ARCHITECTURE WORKS 2017-2021

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福 田 晃 平 建 築 作 品 集

KOHEI FUKUDA ARCHITECTURE WORKS 2017-2021 Nihon Univercity Graduate School of Science and Technology

2 0 1 7 I 2 0 2 1


CONTENTS

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Kohei Fukuda Architecture Works 2017-2021



ABOUT ME


PROFILE 福田 晃平 / Kohei Fukuda EDUCATION

土浦日本大学高等学校

卒業

日本大学 理工学部 海洋建築工学科

卒業

日本大学大学院 理工学研究科 海洋建築工学専攻 博士課程前期 INTERNSHIPS

在学

LINE INC. ( インテリアデザイン事務所) Clouds AO(米ニューヨーク 建築設計事務所)

ACTIVITIES

赤レンガ卒業設計展 2020 実行委員 なでしこ保育園 改修 PJ

ワークショップ運営 & レクチャー

Part Time JOBS

大手ゼネコン 1 社

TOOLS

Archicad Rhinoceros Twinmotion Photoshop Illustrator InDesign

CONTACT ME

Tel : 080-5180-3960

組織設計事務所 2 社

アトリエ系事務所 2 社

E-mail : csku21028@g.nihon-u.ac.jp

PERSONAL HISTORY 1998.11 - - - - - - - - - - - - -

千葉県 我孫子市生まれ

2004.12 - - - - - - - - - - - - -

大潮展

2005.04 - 2014.03- - - - -

小・中学校 9 年間皆勤賞受賞

2013.03 - 08 - - - - - - - - -

千葉県中学バレーボール大会 3 位

2014.08 - 09 - - - - - - - - -

米 ハワイ州セントルイス高校にて語学研修プログラムに参加

2015.03 - - - - - - - - - - - - -

高校美術 通算成績学内 1 位

奨励賞 受賞

自然豊かな沼のほとりで育つ 東京都美術館に自身が描いた絵画作品が展示される 車が大好きでカーデザイナーを志す 有名強豪校で 3 年間坊主で部活動に打ち込む

授業内ジオラマ制作で美術教師に建築学科進学を勧められる

同時に車から建築へと、人々の日常風景を創る仕事に憧れるようになる 2016.08 - - - - - - - - - - - - -

茨城県高校軟式野球大会 関東大会出場

2018.03 - 04 - - - - - - - - -

欧州 5 カ国 10 都市の建築・美術館を巡る

2019.03 - - - - - - - - - - - - -

米 ニューヨークに一人旅をし、建築・美術館・舞台を巡る 大きな刺激を受ける

2020.01 - - - - - - - - - - - - -

小学生でやっていた野球を再び始める 建築と芸術の関係に興味を持つようになる ハドソンヤードの建設ラッシュに

同時に現地の建築設計事務所を訪問する

オーストリア ウィーンの建築・美術館を巡る

歴史的建造物や音楽家の生家を巡る

ARCHITECTURE AWARDS B1 2017.09 - - - - - - - - - - - - -

スケッチ 制作課題

最優秀賞 (教科書掲載作品)

2017.10 - - - - - - - - - - - - -

模型 制作課題

最優秀賞 (学内保存作品)

2018.01 - - - - - - - - - - - - -

公園内建築 設計課題

優秀賞 (学内保存作品)

住宅 設計課題

最優秀賞 (学内保存作品)

2018.11 - - - - - - - - - - - - -

美術館 設計課題

優秀賞

B3 2019.05 - - - - - - - - - - - - -

海の駅 設計課題

学内 1 位 /152 (学内保存作品)

2019.07 - - - - - - - - - - - - -

水族館 設計課題

学内 1 位 /152 (学内保存作品)

2019.09 - - - - - - - - - - - - -

ひろしま建築学生チャレンジコンペ 2019

ベスト 8

2019.10 - - - - - - - - - - - - -

リゾートホテル 設計課題

優秀賞

2020.01 - - - - - - - - - - - - -

ランドスケープ 設計課題

光井純賞

第7回 宇宙建築賞

3 位入賞

2021.03 - - - - - - - - - - - - -

せんだいデザインリーグ 2021

100 選

2021.03 - - - - - - - - - - - - -

Design Review 2021

入選

B2 2018.07 - - - - - - - - - - - - -

B4 2020.12 - - - - - - - - - - - - -

M1 2021.05 - - - - - - - - - - - - 2021.08 - - - - - - - - - - - - -

第8回 POLUS 学生・チャレンジコンペ 2021 佳作 2021 年度 建築学会設計競技

近畿支部入選

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ARCHITECTURE

ART+ARCHITECTURE+MEDIA 卒業設計:設計手法の提案

せんだいデザインリーグ 2021 100 選+ DesignReview2021 入選 講評:乾久美子 , 藤原徹平 , 五十嵐太郎 他 17 名、中川エリカ , 畑友洋 , 百枝優 他 3 名


ARCHITECTURE IS MORE 芸術に倣う設計手法の改替 敷地なし

2021

Program :設計手法 Project :卒業設計 Award

:せんだいデザインリーグ 2021 DesignReview2021

100 選 /522

TOP35 入選 /257

難解であり、不可解性のある建築 媒体上での消費・評価が当たり前になった現代社会におい て、建築が単なる視覚体験、表層上での消費物になりうる 可能性がある。私は 3 次元空間の消費が伴う建築を評価 したい。芸術の分野において抽象表現主義芸術は難解で不 可解であるがゆえに、鑑賞者の創造行為が求められる。そ れらの制作過程を建築に用い、設計手法を改替することで、 今後の建築の在り方を再考する。

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01.『誰かのもの』である建築

04. フラクタルで異なるスケールに対応する

建築はみんなが自由に使えるものでない。その建築が観光地でな

フラクタル構造を用いて、異なるスケールに対応する建築をつく

い限り、空間を使用できるのは限られた人のみである。現状では

る。フラクタル構造とは全体と部分が同じ形をしている自己相似

雑誌の読者になるか撮影することが唯一の空間を体験する手段で

性である。これにより異なるスケールでも、同じ形が続くスケー

あるかもしれない。

ルの不変性がつくられる。

02.『みんなのもの』であるピサの斜塔

05. フラクタルを持つ絵画の構造

建築をみんなが使用できる公共的なものにする。私はピサの斜塔

このフラクタルは、芸術分野にも見られる。ジャクソンポロック

が世界で最も公共的な建築の一つだと考えた。ピサの斜塔は世界

の作品の中にあるフラクタルは、絵をとても難解なものにする。

中で用途や素材、そしてスケールを変えることで再生産されてい

その難解性がゆえに人によって捉え方が大きく異なる作品になっ

る。言い方を変えれば、異なる文化や素材に基づいて自由に消費

ている。

されているということである。それこそが建築の公共性である。

program- 鐘塔

program- 被写体

program- 置物

material- 大理石

material- 強化プラスチック

material- 金属

特徴としては、スケールの縮小に比例して密度やディティールが 抽象化している。手のひらサイズになると鐘などなければ、開口 もなく、かなりでディティールが抽象化されている。

ナンバー1

ジャクソンポロック

飛び散り分岐した無数の黒線が人の手の様 に見え、何か略奪や争いをする人間の様子 を描いたものに見えた。作品解説によると、 この作品ではアカボナック川が表現されて おり、セキショウモのある湿地や、壮麗な 淡い光が描かれているという。

そこで建築

を取り入れ

03. みんなが消費できる建築をつくる

06. 絵画の構造+公共性 = みんなが消費できる建築へ

本提案ではスケールを超えて、多種多様に消費される建築を考え る。ピサの斜塔のように、抽象化して異なるスケールに対応する

一つのものが異なる消費を生むという点ではピサの斜塔もアート の見解とし と大差ない。芸術にはもとより公共性がある。芸術の公共性に倣 のではなく

のではなく、幾何学的法則のもとスケールが変化するものとする。

い、そこに含まれる絵画の構造をもとに建築を設計する。

容する余白

数ある芸術

いたのかを

と他者との

芸術には鑑賞者の自由な消費行為を許容する公共性がある

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CONCEPT

コンセプトドローイング: 表層を獲得していく建築 Kohei Fukuda Architecture Works 2017-2021

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07. ジャクソンポロック

無意識下の作家性

09. 空間を異なるスケールでつくる

今回の設計手法で参考にしたのが抽象表現主義を代表する画家

できたモデルを最小単位として、フラクタル構造を用いて様々な

ジャクソンポロック の制作手法である。

スケールで空間を作っていく。フラクタル構造においても最小単 位は要素が減少していく特徴が現れる。

彼の場合は制作手法自体に作家性があり、無意識的で作品の中 に主役や始まり、終わりを持たせないのが特徴である。ポロッ クの作品を鑑賞したとき、ポロックがどのようにキャンバスの 要素から作られる最小単位

上を動き回ったのかを想像せずにはいられなかった。

08. 全体を構成する要素を無作為抽出する

建築では塗料に代わり、3D ソフトを使用する。後のフラクタ

ル構造でつくられる全体像と部分要素の形状やそれらの配置を菱

減 少 化

形に収まるよう設定し、自己相似性をより高くすることにした。 塗料

アトリエ

3D ソフト

パラメーター

作 媒 体

全体

部分

ポロックは限られた広さのアトリエ小屋で床にキャ

フラクタル構造にすることを考慮し、全体と相似し

ンバスを置き、塗料を用いて制作した。

た形状が生まれるよう制限を設けた。

ドリッピング

モデリング

フラクタル展開 1 回目

法 無意識下で塗料を撒き散らすドリッピング手法

一定の形状に収まるよう抽出されたモデルは無作

により絵画がつくられる。

為に構築される。

絵の構造を作る要素

減 少 化

空間の構造を作る要素 抽 出 要 素

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ドリッピングには彼が移動した痕跡や彼の作家

空間には自己の作家性を構成する何かを無意識的

性が現れる。

に参照した、純度の高い作家性が現れる。

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フラクタル展開 2 回目


1 フラクタル構造を用いた作画 をしてみる。単純な線画を繰 り返すことで複雑な地形模様 が作れる。

長方形の線画の組み合わせか らは、大聖堂のようなシンメ トリーな平面が想像できる。

3 単体の形状や展開後の配置をひし形に合わせることで、フラ クタル展開後の全体と部分の自己相似性をなるべく高くする。

2 通常の図形からフラクタル的

STEP1のように線画の

に分解していくと、原型のシ

連結ではなく、原型の

ルエットを保持したまま全体

配置や大きさに沿って

と部分の自己相似性を出せる

内部にフラクタル的に

事がわかった。

展開されている。

STUDY

スタディ: フラクタル構造から設計に応用できる性質を見つける Kohei Fukuda Architecture Works 2017-2021

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SCALE0:模型 はじめに人に伝えるための空間

SCALE1:店舗 什器として使用した展示空間

SCALE2:集合住宅 フラクタルな体験が発生する住空間

SCALE3:垂直都市 異なる消費が連続する都市空間

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MODEL

模型: S = 1/200[ 都市部配置スケール ] Kohei Fukuda Architecture Works 2017-2021

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SCALE1:店舗 最小限の展開では機能スケールの空間が生まれ、 販売や展示など物の動線として構成される

▽最高高さ

1,200 2,120

トップビーム 免震ゴム

フリービーム 免震ゴム

920

コアシャフト 利用しにくい空間は設備を施し、 展示照明や店舗環境を整える 吊材(高張力ロッド) Φ20

換気扇

展示・販売物

照明

照明

広告看板

2,750

展示物

1,160

照明

760

メンテナンス スペース

▽3FL

広告看板

530

階段

フロア

階段 コアシャフト

2,280

スケールの違いから エレメントの機能を選別する

吊材(高張力ロッド) Φ20 柵として利用

商品棚 1,700

展示・販売物

①ショップ ②ギャラリー ③倉庫 ▽GL

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300

吊材(高張力ロッド) Φ20

280

吊材(高張力ロッド) Φ20

▽2FL 壁材: カラーガルバリウム鋼板 t=0.5mm

300

広告看板に よって吊材を隠す

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PROJECT:都市のアートショップ シーグラムビルの前にとある美術館のポップアップストアを 考えた。最小単位で展開された機能スケールの空間は、ヒュー マンスケールとしては少し狭い。主に販売や展示、管理など の物のための空間として使われ、奇抜な形状からアートとし ても街を彩る存在とした。

FRACTAL:機能スケール

USE:物の動線

フラクタルは機能スケールに展開する。

物の販売や展示、管理のための設備類が配置されている。

機能スケールは主に什器の機能として、物の動線を構成する。

人に対する空間の広さや高さによって物の動線を計画する。

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SCALE2:集合住宅 次なる展開では建築スケールの空間となり、暮らしが生まれる人の動線として構成される

フラクタルには間接的に 光や風を通す木陰の効果がある

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PROJECT:熱帯のツリーハウス 砂漠地帯のオアシスとなるような集合住宅を学舎に併設する 形で考えた。建築スケールのエレメントによって生まれる不 規則なフロア構成と、点在する機能スケールのエレメントに 植栽や本などを配置する計画とする。木登りのように辿り着 いた自分だけの空間で学べるような集合住宅を考える。

FRACTAL:建築スケール

USE:人の動線

フラクタルは建築スケールに展開する。

空間の表層には様々なレベルで人の動きが見られる。

建築スケールは空間に用途を作り、人の動線を構成する。

機能スケール□では家具や植栽、設備類の配置が行われる。

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SCALE3:都市 展開が繰り返し、 空間は都市の機能を持つ スケールの不変性を持つ空間は、 扱う対象物の違いを許容する

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STADIUM

MARKET

OFFICE

機能スケールは什器として、 物の動線を構成する

CHAPEL

建築スケールは空間に用途を作り、 人の動線を構成する

MUSEUM

都市スケールは空間に風景を作り、 街並みを構成する


PROJECT:垂直都市 水害に対するこれからの都市の形として垂直都市を考えた。 内部はフラクタル構造により1つの同じ空間の連続から構成 される。1つの形態(空間)が自由に、それぞれ異なる用途 が与えられて利用されていく。それが私が考える、みんなで 使って作りあげる建築の公共性である。

FRACTAL:都市スケール

USE:街のファサード

フラクタルは都市スケールに展開する。

都市を区画するように建築の集積を統合する。

都市スケールは空間に風景を作り街のファサードを構成する。

内部には同形態の建築□・機能□スケールが点在する。

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PLAN:都市スケール

都市スケール 建築を区画し、風景を

執務

化粧室 執務室

リフレッシュ コーナー EV EV EV

エントランス 会議室

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建築スケール 空間に用途を作る

を生む 店舗

機能スケール 空間を作る

店舗 キッズパーク

屋外広場

EV EV

フードコート

EV

店舗 店舗

店舗 連絡通路 管理室

務室

執務室

店舗

倉庫

会議室

EV EV

エントランス

執務室

ロビー

観客席 EV

EV

EV

EV

EV

EV

エントランス

観客席 競技場

会議室

競技場

化粧室

物販

EV

来客 エントランス

エントランス

化粧室

観客席

観客席

学院

オフィス

中庭 病院

礼拝堂

バザール 礼拝堂

学院 EV

宗教施設 商業施設 競技場

化粧室

EV

墓地

EV

バザール

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QUARANTINE STATION

COVID-19+SPACE

第7回宇宙建築賞『間 (AWAI)』 3 位入賞 講評:鶴巻崇(英国ヘザウィックスタジオ), 山崎直子(宇宙飛行士)他 5 名


Tower of quarantine 惑星間の生物汚染を防ぐ検疫塔の提案 ダイモス(火星の第2衛星), 2020

:検疫所 , 居住施設 , 資源採掘 :第7回 宇宙建築賞 :3 位入賞

間に活きる 国家間における検疫問題は生物汚染としていずれ惑星間に も起こりうると考えた。火星はまだ人類が訪れていないと いう点で、今後絶対に汚染してはならない天体である。本 提案では火星の衛星ダイモスに地球 - 火星間の防疫の役目 を果たす建築を設計する。

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01. 絶対に汚染してはならない人類未到の火星

03. 現地の資源を利用した無人建設 - 運営開始

2019 年のクマムシを搭載した探査機が月面に衝突した事故によ

建設ロボットがダイモスに到着

り惑星汚染の問題が議論された。2020 年には covid19 の世界的な 流行がおき、検疫が世界的に強化された。アルテミス計画以降、 特に生物の存在する可能性のある火星と地球の航行にも検疫が必

+

地下を掘削し資源採掘モジュールを建設 採掘資源のうち鉄合金、ニッケル、炭素 →ユニットの建材

要になるであろう。

水→生活用水や化学的処理の後、燃料として使用する

02. 地球 - 火星間の検疫となるダイモス Phase1

本案は火星の衛星であるダイモスに地球 - 火星間の防疫機能を備 えた中継基地を建設するものである。現地の資源からつくられる

資源採掘 + 検疫

モジュールがテザーで縦方向に結合し、惑星汚染を最小のものと して建設されるこの建築は防疫機能を備えた塔であり、地球 - 火 星の間で双方の環境を保全する中継施設である。 ※ダイモスについて

2Km

南緯 51 度、東経 5-10 度

採掘した資源から倉庫モジュールを建設

火星の第二衛星 三軸径 : 15.0 ×12.0× 11.0 km 重力 :0.003m/s^2

モジュール同士は縦方向にテザーで接続される +

発着場も整備され、ロボットによる無人運営が始まる

脱出速度 :0.0069 km/s ・安定した日照があり、 火星へのアクセスも良い site

・南極に近いエリアは水資源の

南極

永久凍土 )

※ダイモスの役目と期待される 5 つの機能

Phase2

発着場

突入速度が遅く、資源も豊富

ペイロードの輸送 Δv 突入速度

ダイモス

輸送 ( 生物の付着 )

Δv= 2.9km/s

検疫 滅菌

Δv= 1.8km/s

惑星汚染 のリスク

倉庫 + 検疫

地球 - 火星の中継地点に位置 →発着場

資源採掘

水、炭素、ニッケル - 鉄合金 等の存在

Δv=5.7km/s

地球

位置が高い ( 地下約 20m に

人間が到着し、居住モジュールを建設

→資源採掘 火星

倉庫

+

本格的な地球 - 火星間の中継施設として運用開始 ( この段階では 72 人が居住 )

採掘された鉱物資源や燃料 を保管、管理 →倉庫

居住 生活用水や建材の確保が容易 有人ミッションの拠点 →居住

検疫

地球 - 火星間での生物の往来 による惑星汚染や宇宙での 疫学的リスクの回避 ROOF PLAN

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→検疫

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Phase3 居住 + 検疫


居住

農場

通路 個室 ×6

公共 レクリエーション

食堂

37.4m 19m

施設運用

9.4m

発着場

倉庫 検疫

A

貨物通行時 紫外線・オゾン 照射による滅菌処理 À

16.3m

A

6.5m

貨物通路

原子力発電

資源採掘

27m 5.3m

PLAN

機能プラン: 検疫を通した物資や人の流通 - 輸送と建築の結合体

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ARCHITECTURE

微小重力下での高層建築 人間

施設の運用や探査に従事 居住

ロボット 資源採掘や輸送に従事 縦方向にユニットを結合し居住 系を上部につくることで人間由 来の微生物、有害物質の惑星到

倉庫

達を防ぐ。

GL

資源採掘

重力 0.003 m/s² の環境下の為、高層で接地面積の 小さい ( 惑星汚染のリスクの少ない ) 建築が可能。

貨物移動

輸送はメンテナンス性が高く、 微小重力下での運用も容易な架線集材を用いる。 施設内での貨物の移動は ❶発着場→居住系 ( 生活物資輸送 ) ❷農場→居住系 ( 生活物資輸送 ) ❸採掘→発着場 ( 資源輸送 ) ❹採掘→居住系 ( 資源輸送 ) が想定されるが、どの移動時にも 検疫モジュールを通り滅菌処理をされる。

❶ ←発着場へ

架線 貨物移動

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RENDERING

イメージパース: 縦に連結する機能と導線

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THEATER

LRT+COMEDY + WELFARE

2021 年度建築学会設計競技「まちづくりの核として福祉を考える』 近畿支部入選 講評:日本建築学会


ヨセアツメ

福祉社会の基盤を創るお笑い劇場 大阪府 大阪市 住吉区 , 2021

Program :劇場 , 展示場 , 飲食店 Project :2021 年度建築学会設計競技 Award

:近畿支部入選

次世代交通インフラと創る共笑都市 健常者視点の社会福祉活動や社会福祉対象者に対する認識 は、一歩通行で誤認が含まれていないだろうか。活動を実 行する前に両者が認識し合う場が必要である。本提案は全 ての人が『笑う』という共通解を持って対面できる日常を 設計している。そして LRT を利用した出張型お笑い劇場、 LRT の駅舎前の本劇場に寄せ集められた人々が創る日常に よって福祉社会の基盤は創られていく。

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01. 万人の共通言語『笑う』

「笑う」を万人共通のコミュニケーションツールと捉え、 「お笑い」鑑賞の共同体意識による認知の感覚と、 まちづくりを結ぶ。

04. 新インフラが笑いを届け、街が舞台となる

通りがかった街の人や自由に活動できない 全ての人同士を繋ぐ役割として” お笑い” を。 お笑い劇場

みんなが一緒に笑う、笑える環境にいる、そんな風景が見えた時、

笑車

LRT

舞台(街)

そこには日常において相互の存在を認識し、尊重しあえる社会に 客席を街へ

繋がる解が見えてくる。健常者視点の社会福祉活動や対象者に持 つ認識は一方通行で誤認が含まれる。それに対して両者が対面し、 隣り合って笑いあう、相互認識から始まるまちづくりには全ての 人が共通理解というものを携えて風景に現れてくる。

核であるお笑い劇場の客席の一部を可動式の「笑車」としてデ ザインし、既存インフラに乗じて笑車を街の至る所に届けるこ

※お笑い空間が創る日常の重なり

とで、街を舞台とした「寄席」を生活の中に構築し、笑うとい

街にお笑い空間が共有されたと

う共通のコミュニケーションツールをより享受できるものとす

き、芸人 - 客 間だけでなく、

る。

客 - 客 間での日常が重なってく

05. 動産と不動産としてのお笑いの価値

皆に共通する笑い 生まれる相互理解

る。

02. 笑いの街『大阪』、新旧が混ざる『住吉』 この地に根強く遺る住吉大社

地域の主要移動手段、阪堺電気軸道

地域に馴染んだ文脈から お笑い劇場が構成し、新たな文化拠点へ。 計画建築

住吉公園

公園の自然 20%

住吉大社

神社の舞台性 80%

住吉大社

住吉造りの デザインを踏襲

参道(旧インフラ)

チャンスを求めるお笑い芸人たちを乗せた街を回遊する笑車は、

水運の安全を守る神を祀った住吉大社ま 天王寺から浜寺までの 14km を結び、街 での参道はかつてインフラとして機能 中を縫うように走る新インフラの LRT

参道(旧インフラ)

客を乗せ帰還し、可動と不動の存在が互いの為に機能する。

【劇場の笑車】空間のスケールを拡張

南海線

住吉公園

宣伝活動の役割も果たすのと同時に、本来の舞台となる劇場へ

計画敷地(核)

LRT(新インフラ)

住吉大社

数百年の変遷と共に歩んだ旧インフラは人の流れを寄せ集め、 次世代交通の新インフラは車両スケールの流れを生む。この交 点に核を設け既存まちづくりと連携する。

EV によって各劇場へ搬入出する

03. 新旧インフラから積み重なる『笑インフラ』 【街中の笑車】客-客間の繋がりを演出 参道から連続的に人を巻き上げる

LRT 動線に準じた EV と

スロープ計画

ボリュームの配置計画 M

HO

MA

人の動線

TER

LH

GE

RAC

OLE

CA

FE

LE

NA

E

ME

NT

OPEN

OLE

AIR H

OLE

MH

LO

UN

参道が持つ軸線

AY

GE

笑車の動線

EV

DISPL

ゲリラ的に街中に現れる寄席は様々な人が足を止め、それぞれが LRT が持つ軸線

新旧インフラが交差する点に笑インフラの拠点を積み上げる

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同じ場所で同じもので笑えた時に相互認識が生まれる。それが福 祉の多様性に向き合う契機になると期待する。


RENDERING

イメージパース: 笑インフラが劇場に人を運ぶ

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笑いのバトンを渡す立役者−笑車 waraguruma

建築内での使用と、笑いを運び寄席空間を演出する” 笑車”。ときに客席として。ときに

笑車が LRT や車の牽引により街の中でフレキシブルに展開 至新今宮駅前

・客席としての笑車 外部の活用

3000

至天王寺駅前

3200

3000

・屋台としての笑車 内部の活用

計画敷地

・LRT に牽引され街へ繰り出す 2way 車輪

車道、線路を走行可能

連結器による牽引

至浜寺駅前 阪堺電気軌道 (LRT)

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旧参道

笑車軌跡

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建築内での使用と、笑いを運び寄席空間を演出する ” 笑車 ”。 建築内での使用と、笑いを運び寄席空間を演出する” 笑車”。 時に客席として、時に舞台として、ショップとしての活用など、 時に客席として、時に舞台として、ショップとしての活用など、 様々な使用方法を兼ね備え笑いの一助となる。 様々な使用方法を兼ね備え笑いの一助となる。


SCHEME

イメージパース: 街に面的に広がる寄席空間

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Slow

EV

VIEW

S E C T I O N / F LO O R 0

40

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1

2


6F

中劇場 SUN

カフェ バックヤード・楽屋 搬入用EV EV・階段

5F 会議室 多目的トイレ EV・階段

4F 屋外劇場 緑化テラス 多目的トイレ 管理室 搬入用EV EV・階段

3F 中劇場

搬入用EV EV・階段

2F

大劇場 バックヤード・楽屋 EV・階段

1F エントランスホール 展示スペース チケットカウンター 多目的トイレ 搬入用EV EV・階段

MAP 5

10(m)

断面図 / フロアマップ: スロープが最上部まで全ての人を届け、笑顔と共に送りだす Kohei Fukuda Architecture Works 2017-2021

41



AQUARIUM

+SHOPPING MALL

B3 学内設計課題『水族館』 学内 1 位 /152 講評:海洋建築工学科


Aquamall Yokohama 人と魚の日常が混在する商繁海遊空間 神奈川県 横浜市 中区 新港 , 2019

Program :水族館

店舗

Project :B3 第二設計課題 Award

:学内 1 位 /152

海洋生物の鑑賞×商業 水族館はリピーター獲得に苦労している。常に新規性のあ る企画展が求められ、まるで海洋生物の鑑賞からかけ離れ た企画もある中、水族館とショッピングモールを組み合わ せた形態を生むことで、本来の水族館としての価値を保ち つつ、収益の安定性を図れる設計解を導き出す。そして水 族館の新しい活き方としてここに提案する。

44

Kohei Fukuda Architecture Works 2017-2021


Kohei Fukuda Architecture Works 2017-2021

45


01. 歴史の継承と近代を象徴する多様性ある街

04. 運営スキーム

同じ新港地区に計画したマリーナから程近い位置にあるのが本計

水族館の運営費を中心に収益や集客が見込める運営スキームを以

画地である。対岸にはインターコンチネンタルホテル、 他にもカッ

下のように構想する。既存のショッピングモールのように出店テ

プヌードルミュージアムやコスモワールドなど横浜を代表するラ

ナントから売り上げの一部を徴収することで、他の水族館に比べ

ンドマークに挟まれている。

低価格の料金設定を実現することもできる。 ※運営スキーム

インターコンチ ネンタルホテル

MARINA

各施設との連携と収益関係

MARINA

マリンアクティビティ 前後の食事・衣類購入

SHOPPING MALL

AQUARIUM カップヌードル ミュージアム

水槽のある店舗 ブランディング力向上 半券・レシート特典

※大手ショッピングモールと同率 ex) 有名アパレルブランドの 1 日の売上金額 1 ヶ月 0.1 (%) 1 日売上金額 100~250 万円 1 ヶ月約 300~750 万円徴収可能

AQUAMALL

※ブランド店と連携した広告水槽

また、収益として館内や周 辺のブランド店と連携し広

承と織り成す多様性のある街並み形成をねらう。

告水槽を設置する。広告を 1つの水槽として、1つの

02. 固定客が必要な水族館と現状の対策

作品として多くの人に見て

施設の維持費は入館者に関わらず固定費であるが、長期的な運営

もらうことを可能にし、広

や安定した飼育環境を考慮すると、やはり多くの固定客や収益が

告収入を得る。水槽内には

必要になってくる。多くの水族館では年間パスポートの価格を通

仕切りを設け、展示用のス

常料金の2回分と安く設定し、入館料での収益より館内での飲食

ペースをが作られる。

や物販による収益に期待している。 ※他施設と比較した有名水族館の年間パス値段設定 通常料金(大人)

サンシャイン水族館

¥2,200

アクアパーク品川水族館

¥2,300

すみだ水族館

¥2,050

2倍

2倍

2倍

¥4,400 ¥4,100 ¥99,000

開催し、集客数をこまめに維 持するという方法もある。中 には話題性を求めて、海洋生 物の鑑賞から乖離したコンテ 出典元:サンシャインシティ HP

ンツもある。

壁面ファサードは水盤を間に連続している。上部から流れる水面 を通してに自然光が入射し、建物内を水模様が包む。反対に夜間 は建物内の光が水面を通し壁面に放射することで、外から見た際 に壁面に水模様が現れる。

自然光

INSIDE 建物内を水中空間へ

※水模様が包む館内休憩所

OUTSIDE

12 倍

¥4,400

05. 壁面を利用して海洋生物の住処を演出

OUTSIDE

¥8,200〜

年間パスポート料金(大人)

また独自の企画展を定期的に

室内光

INSIDE 水の館としての演出

海洋生物の住処であること

03. 海洋生物鑑賞 × 商業空間

が、ゆれる水模様によって

ショッピングモールは水族館で収益となる物販や飲食に特化して

商業空間や建物外の壁面に

おり、単独出店に比べて顧客吸引力が強力であるのが特徴である。

伝わっていく。街に閉鎖的

本提案ではショッピングモー

とも取れる当建築は、訪れ

ルと水族館を掛け合わせ、海

た人々に非日常的な特別な

洋生物鑑賞が作る持続的な商

空間の提供を可能にする。

業空間を作り出す。

46

AQUA RIUM

による水族館の運営や入場料割引を可能にする。

する建築が必要であり、マリーナや赤レンガ倉庫などの歴史の継

東京ディズニーランド

野外イベント 開催

水槽による特別なショッピング空間の演出や館内テナントの売上

本計画地にも海の玄関口を装飾するが如く、近代的な横浜を象徴

ex)

屋外からの移動 避暑・避寒

売上歩率 10% 徴収

コスモワールド

施設名

PARK

Kohei Fukuda Architecture Works 2017-2021


2F AQUARIUM

1Fに縦貫する展示計 画により関心を呼ぶ

BREEDING ROOM

2F水族館により1Fに シャワー効果をもたらす

OFFICE

STAFF LOUNGE

BREEDING ROOM

MECANICAL ROOM

BREEDING ROOM

MEETING ROOM

EXIT HALL

LECTURE ROOM

BED ROOM

EV

LOADING DOCK WATER TANK

TUNNEL BREEDING ROOM

WC

BREEDING ROOM

広告水槽

MECANICAL ROOM

入り口には商業施設 の広告水槽が並ぶ

1F SHOPPING MALL 他の商業施設からの 動線を取り込む

PARKING WC

VARIETY STORE

従業員入り口

MEETING ROOM

INFO DESK

RESTAURANT CLOTHING STORE

BAR

CAFE

EV ◀AQUARIUM 搬入口 ◀SHOPPING MALL 搬入口

ENTRANCE HALL

既存のプロムナード から動線を取り込む WC RESTAURANT

RESTAURANT

PARK SEASIDE

PLAN

LOADING DOCK

STAFF LOUNGE

STORE

ATM

OFFICE

READING

求心力のある動線が 水族館(2F)へ誘導する

STORE

溜まった人々を海辺 に送り出す

水槽

見上げ水槽

Kohei Fukuda Architecture Works 2017-2021

47


06. 水のカーテンによる快適空間の実現

水素エネルギーへ変換 製造→吸蔵→発電

海辺を生かした太陽光発電

自然光

水のカーテン 環境面: 水盤を通した採光により、 適度の明るさと水の対流を利用 した断熱性をつくる

閉鎖空間は放熱を利用した 室温調節をする 「飼育室」 自然に近い環境下での 飼育・節電対策

「展示室」

意匠面: 日中は自然光が屋内に水模様を 生む 夜間になると室内光が水盤を通 り、外壁に水模様が生まれる 室内光

「飲食店」 ゆれる水模様が海洋生物 の住処を演出

「店舗」

水循環ポンプ

商業空間に水槽を共有し、 ブランディング力の増強を図る

PA R T S E C T I O N 48

Kohei Fukuda Architecture Works 2017-2021


イメージパース: 水のカーテン - 揺れ落ちる水模様 Kohei Fukuda Architecture Works 2017-2021

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SECTION 50

Kohei Fukuda Architecture Works 2017-2021


MODEL

全体断面パース: 人と魚の日常が混在する商繁海遊空間 Kohei Fukuda Architecture Works 2017-2021

51



MARINA

TREND+DESIGN

B3 学内設計課題『海の駅』 学内 1 位 /152 講評:海洋建築工学科


横濱新港マリーナ 未体験の洋上ライフを演出する海の駅 神奈川県 横浜市 中区 新港 , 2019 Program :海の駅 Project :B3 第一設計課題 Award

:学内 1 位 /152

時好からの脱却 私は流行の周期とともに過剰に消費の対象として生産され る現代建築に懐疑的である。しかし我々は未体験の時代の ものに対しては流行など関係なく、憧れやロマンを抱く一 面もある。本提案のシンメトリーなファサードに整然と連 続するアーチに船が吸い込められていく叙情的な光景は、 いまに消費されないデザインとして再開発の進む横浜で開 港以来の文化の発信地となる。

54

Kohei Fukuda Architecture Works 2017-2021


Kohei Fukuda Architecture Works 2017-2021

55


01. 歴史の継承と共に流行の発信地となる横浜

04. 時好から脱却した擬洋風建築

新港地区には赤レンガ倉庫をはじめとした歴史的資産が数多く

横浜には明治・大正時代から残る擬洋風建築が多くある。今回は

残っている。未来型の街づくりを進めている中央地区とは反対に、

これらの擬洋風建築のデザインや性質を取り入れ設計することに

新港地区では港と歴史を感じるゆったりとした街並みの形成を

する。擬洋風建築に多く見られるドームや灯台は西洋文化を感じ

テーマに街づくりを進めている。

させ、国内外のエッジにある港町で異国との遭遇を象徴する。

横浜ハンマーヘッド

元横浜正金銀行本店

MARINA

明治 37 年

横浜赤レンガ倉庫 明治 44 年

横浜開港記念会館

大正 2 年

大正 6 年

05. 緊張や高揚がドラマチックな体験になる 従来のマリーナでは単に船を停泊させる為のスペースのような形 態が多い。豊かな洋上ライフを演出するには、空港で緊張感や高 赤レンガ倉庫

揚感が増す様な旅前の過

新たに横浜ハンマーヘッドが開業し、多くの外国人観光客が訪れ

程や船舶を利用した視覚

るこの地区は開港以来の文化や流行の発信地となる。

的な体験が大事である。 私は海の駅において船舶

02. 繰り返される流行・いまに消費される流行

に乗り降りする時間をも

ファッションや美容、音楽において流行は数十年周期で繰り返す。

ドラマチックな体験にし

いま街中でよく見かけるファッションの中にも 1980 年代や 1990

たいと考えた。

年代に既に流行していたものがある。

06. アーチを利用した視覚操作・新旧の象徴

『MA-1』 (上着) 『ハイテクスニーカー』 1990 年代バブル崩壊

1986 年 映画トップガンを

我々の生活においてトンネルとは通過する前後で景色が変化する

機にファッションとして

ものである。マリーナの海側・陸側からの両アプローチにはアー

人気に火がつく。

チを介した景色の変化の

後、派手なファッショ

節を与える。マリーナ内

ンは衰退。着用者を襲 う “エアマックス狩り”

から海へ急変する視覚的

『ボディコンシャスファッション』

なる社会問題も発生す

1980 年代女性の社会進出の本格化に

るほど人気であった。

より官能的な女性を取り戻そうと

体験は乗船者に緊張感や 高揚感を与える。そして

ファッションに影響し流行。

異なったアーチスパンを 使用し視覚体験を操作す

03. いまに消費されないデザイン - 明治・大正 いまの流行りものがいずれ時代遅れと言われ、いま時代遅れのも

※アーチの種類と与える印象

る。

『歴史的でオーソドックスな印象を与える』

のは再び流行する。そんな流行のサイクルの中、明治時代や大正 時代のファッションは消費されゆく流行のサイクルから外れてい る様にも思える。 アーチライズが高くアーチスパンが短い・均等な幅で水平にアーチが並ぶ

TREND 未体験の時代のもの

消費されゆく流行のサイクル

それらは消費されることのないデザインだと考える。過剰に消費

アーチライズの高さに対してアーチスパンが比較的長い

の対象として生産される現代建築の一方で、我々は未体験の時代

古典的なアーチや擬洋風建築のデザインの中に、近代的な印象を

のものに対して流行など関係なく、憧れやロマンを抱く一面があ

与える事で新旧の文化や技術が混じり合う横浜を象徴する。

る。

56

『近代的でシャープな印象を与える』

Kohei Fukuda Architecture Works 2017-2021


CONCEPT

コンセプトスケッチ: 歴史の継承を象徴するデザインを創造する

Kohei Fukuda Architecture Works 2017-2021

57


SEA

・建築を導線化する

・アーチスパンを狭め到着を演出

海岸沿いの主要な導線を分断し、 橋としての機能を建築に与える

視界を開放的な海から閉鎖空間に閉じ込める

大階段

大階段 展示スペース

レストラン

EV

EV 船舶牽引車 スロープ

1 F

マリンスポーツ 専用倉庫 機械室

MARINA

管理事務所

EV 従業員 エントランス

マリンスポーツ 用品店

化粧室 商品庫

商品庫

EV

ショップ

EV レストラン

厨房

エスカレーター

・アーチスパンを広げ出発を演出

当建築を前にすると、目の前に海が広がって見える

CITY

・建築を導線化する

人の流れが商業施設の集客力に繋がる 展望デッキ 管理室

休憩スペース

客室 入口

厨房

レストラン

EV

EV 化粧室

化粧室

2

3

案内所

F

客室

ショップ

F

商品庫

宿直室 EV

会議室

EV イベントスペース

EV

ショップ 従業員休憩室

エスカレーター

・商業施設からマリーナを望める

PLAN 58

化粧室

Kohei Fukuda Architecture Works 2017-2021

旅前後の高揚感や余韻を視覚的に演出する


RENDERING

船舶を前に過ごす時間は旅の緊張や高揚を高め、より濃密な養生ライフを演出する

水面と船舶を取り囲む建物内の回廊は従来のマリーナにないドラマチックな体験を生む

Kohei Fukuda Architecture Works 2017-2021

59


ELEVATION 60

Kohei Fukuda Architecture Works 2017-2021

立面図: 消費されないデザインを追求する


MODEL

Kohei Fukuda Architecture Works 2017-2021

61



A PA R T M E N T

COVID19+REMOTE WORKING

第 8 回 POLUS 学生・建築デザインコンペティション 佳作(6 作品)/557 講評:西沢立衛 , 今井公太朗 , 原田真宏 , 中川エリカ , 野村壮一郎


周郷住宅

暮らしがとおる外的空間の演出 架空敷地

2021

Program :7 世帯集合住宅 Project :第 8 回 POLUS 学生・建築デザインコンペティション Award

:佳作

リモートスタイル・自宅完結型生活 本提案は、家庭内の距離感が従来より離れたものとなり、 住民との距離感はより密接なものとなっている。リモート スタイルの生活における自宅完結型の生活に対して、住民 間での干渉が暮らしを構成する。古来の暮らしに存在した 縁側や土間から始まる外を演出し、ドラマチックな体験を 誘発することにより日常を豊かなストーリーに変える。

64

Kohei Fukuda Architecture Works 2017-2021


Kohei Fukuda Architecture Works 2017-2021

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01. 閉鎖的なおうち時間、求めた家庭内の距離感

全 04. 1 世帯の距離感 部 分をもとに集合住宅 体を設計

おうち時間なんてものが求められ、自宅で完結する日々に退屈を

コロナ流行の初期に設計した在宅勤務者向けの戸建て 1F プラン

覚えた人も多い。自宅で何もかも完結させる社会は利便性と引き

を思い出した。各部屋を土間を境に分散させ、家庭内の距離感を

換えに、会話や対面する相手が限られる。また、これまで日中と

離している。このプランの2F に付く寝室を加えたヴォリューム

もに過ごすことがなかった家族に対しての不満など、家庭内の距

を今回の集合住宅の 1 世帯の基本構成にする。

離感を求め、同じ家にいながらも外で生活するように暮らすこと

1 世帯の機能

もあった。

R 家庭内の距離を求めて

B

暮らしに空白ができた

K

買い物も学校も仕事も

D

部屋の中

02. 今こそ必要な共同体意識と外部との接点 一方でおうち時間の 1 番のメリットは普段バラバラだった家族と 一緒に食事できることである。家庭内で生まれる共同体意識は、

+ L

R

2F

R W

1F

L :リビング D:ダイニング K:キッチン B:風呂、トイレ R:部屋 W:仕事部屋

リモートワークの普及前に設計した 在宅勤務に向けた戸建てプラン(1F)

近所との間にも必要になってくる。元来日本の住宅にあった社会

集合住宅として与えられた敷地の大きさを利用し、with コロナ

との接点を作る居間のかまえ方は現代に都合がいい。リモートス

の生活で見えてきた距離感をもとに広く分散させる。

タイルになり、これまでの住宅と街のあり方、ライフスタイルを

家庭間を離す

見直す機会が訪れている。

R

おうち時間に必要な共同体意識が 家庭内から近所との関わり合いに も必要

元来の日本の住宅には、近所との

接点を作り、自宅が自宅内で完 結しない暮らしがあった

B

L

R K

D

R

W

我が家に空白ができる 食事は分散した暮らし と仕事を結ぶ 暮らしの中心から 仕事部屋を大きく離す

仕事部屋がリビングから最も離れているが、それぞれが近いこと で双方がかなり気を使う必要があった経験をもとにしている。お うち時間の 1 番のメリットでもある家族との食事が行われる際

03. 在宅勤務 異なる生活スタイルの干渉 コロナ禍で住宅に求められる機能は増している。自宅で過ごす時 間が増え、リモートワークのためのスペースを急ごしらえでしつ

に、コミュニケーションが取りやすいようダイニングは暮らし 仕事間の中心にある。 住民間を密接に

集住としての余白になる

らえた人も多い。しかし、現状では生活空間と仕事空間の境界が

我が家の廊下が共用部へ

曖昧である。異なる生活スタイルが干渉しあい、双方が気を使い

この1つの家庭内での距 離感を部分とし、集合住 宅全体に展開

あうような生活になっている。 リビングで仕事をするよ うな現状は、生活空間と

仕事場が集まってできた

ワークスペース

の境界が曖昧

暮らしがとおる

仕事場があっても異なる 生活スタイルが干渉し

あっている生活

みんながお隣さんになる

外的空間の演出

住人の動線が干渉しあう ことで、おうち時間に外 部との接点を作る 戸建てでは廊下だった空

白が、集住スケールでは テラスや土間などの共用 部になる

66

Kohei Fukuda Architecture Works 2017-2021


05. 街全体を捉えることで、街の一部分のような集合住宅を考える S=1/1800

31,

28,350

41,3

00

900

8,000

42,400

街が全体で、この集合住宅を同じ機能を持つ部分として考

1つのボリュームにまとめると、大きな規模から周囲の街並

える。周囲より若干スケールを落として、家と路地の構造を

みのスケール感を壊すことになると考えた。

継承することで、内外から外的空間を誘発する。

06. 住民間での干渉がで暮らしを構成する S=1/300

平面図 S=1/300

玄関 7世帯(各色1世帯)

玄関

1,000 0

5,000

10,000

みんなの庭 玄関

仕事 仕事 みんなの庭 仕事 玄関 仕事 ワーキングテラス ワーキングテラス

みんなの庭

仕事 仕事 仕事 玄関

玄関

Kohei Fukuda Architecture Works 2017-2021

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SECTION

住民間の干渉から始まるストーリー

いつもこの時間にお隣の犬に

餌をあげる

今日はみんなにお隣さんが 料理を振る舞う

つまみ食い

▽最高高さ ▽軒高さ

300

2,700

500

帰り道にすこしお隣さんとお話

仕事中だけど少し頂いて

▽FL ▽GL

縁側を伝う住民の動線が我が家の動線に混ざる

テラスに向かい合うそれぞれの暮らし

誰かが来れば皆んなが集まってくるような庭をつくった。家族はもちろん、住民間で同じ時間を過ごすおうち時間になる。

68

Kohei Fukuda Architecture Works 2017-2021

みん


夕飯会に僕のお父さんも

仕事が終わらないときは2人の散歩に ペットを連れて行ってくれるお隣さん

誘っていい? いつも呼びに来るお隣の猫

お互いの旦那の仕事まち・・

Thank You!

んなの仕事場は近づけて集中力・やる気UP

家庭間に生まれる間がみんなの土間として住民の動線になる

我が家に住人の暮らしの動線がとおる。元来の暮らしに存在した縁側や土間から始まるドラマチックな日常がはじまる

Kohei Fukuda Architecture Works 2017-2021

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COMPLEX

SHARERING+MATCHING SERVICE

第9回ヒューリック学生アイディアコンペ 『IKEBUKURO HIGH AND LOCAL CULUTURE』


SHALDER BUILDS

シェアリングに基づく新たな空間づくりの実装 東京都 豊島区 東池袋 , 2021

Program :店舗 , オフィス , 公園 Project :第9回ヒューリック学生アイディアコンペ Award

-

占有される街 池袋 池袋には多様な民族による構成と、闇市にはじまる歴史や 現在の公園から、自分たちの場所は自分たちで作り上げる という場所の占有のあり方が見える。本提案では空間を準 備する人、利用する人をマッチングさせ、建築内に多様の 目的を持った人々が空間を占有する建築の共有システムを 実装する。

72

Kohei Fukuda Architecture Works 2017-2021


01. シェアリングが支える文化のつなぎ

03. 空間のシェアリング - 動く街を可視化する

池袋はトップダウンの政策に伴う High culture とアングラな背

都市を支えるサービスというシェアリングのあり方、そのプロト

景を持つ Local culture のトレードオフによって、文化が成立し

タイプとして建築空間のシェアリングを提案する。建築を空間と

ている。そこで現代社会の IT 化に伴う、相互通信の確立や情報

行為に分類し、それぞれのシェアのあり方を模索する。

の共有によるオペレーションの最適化が、今後の池袋を支えるイ ンフラになりうると考えた。つまり、現在のシェアリングが池袋

CLUSTER

ストリーミング

という都市の中で、

UNIT

45m²

文化のつなぎを支え

自販

るシステムになる可 能性を持っていると 考える。

機材 トイレ 60m² 15m² レジ 風力 植栽 ポッド ベンチ 棚 COMPONENT 30m² ロッカー

ワーキング スペース

02. 占有する街 , 池袋 - 動きの交点となる計画地

公園

45m²

15m²

イベント

宅配

池袋は鉄道駅がきっかけとなり栄えた街である。闇市に始まり現 在の公園にも自分たちの場所は自分たちで作り上げる、という場

建築の骨格となる CLUSTER を設定し、その中を区切る可動の

所の占有のあり方が池袋の文化として見てとれる。また、駅前の

UNIT により場所が生まれる。そこに機能を満たす COMPONE-

本敷地は街の顔であ

NT を設定し、それが場所に充填されることで一つの空間が生ま

るとともに、池袋に

れる。そして本提案では、UNIT で場所を規定する行為と COM-

来た人が初めに立ち

PONENT で空間を充填する行為を注文することで、シェアリン

寄り、帰りに立ち寄

グに基づく新たな空間づくりを実装する。建築のシェアリングを

るような街の動きの

実装し、街の動きとかけ合わせることで、人の行為を可視化する

交点にある。

建築を計画する。

Hareza 池袋

Q plaza SITE

池袋駅

サンシャインシティ

ラシーヌ

SHARE + BUILDER + BUILDS

事業スキーム SHALDER BUILDS.APP

00:02

3FL ワーキングスペース Working place プラン A:3FL UNIT4,5 プラン B:3FL UNIT8 プラン C:4FL UNIT10,11,12 プラン D:5FL UNIT3

00:02

今週のおすすめ! 公園フェア

使用料金

CUSTOMER は利用 したい空間を注文。 AI が使用状況を分 析した後、最適な空 間プランを提示。注 info. 文を確定し、支払い 代金回収 を行う。イベント情 報、セールについて イベントなど の情報が常に更新さ 情報提供 れる。

¥

info. 情報提供

30%OFF 詳細はこちら

info. フィードバック

撮りたくなったら手軽に注文 機材の事前準備必要ナシ

空間提供 公園 イベントスペース ワーキングスペース 店舗

00:02

info. 注文

¥

SHAL DER

Shalder Builds で集められた情 報を活用するこ とで、季節や時 期ごとに COMPONENT の更新が行われ ていく。

2022 春シーズン

受託 空間と行為 のシェアリング

BUILDS

手数料

SHALDER BUILDS.APP UNIT

00:02 ワーキング スペース

3FL UNIT4,5 タップで受

ワーキング スペース

COMPONENT

ワーキング ポッド

タップで受

植栽

注文内容に基づき、 近くにいる BUILDER に対して UNIT の移動と COMPONENT の 充填を依頼する。 注文を受けた行為 に対しては後に フィードバックが 与えられる。

¥

依頼 代金支払い

¥

行為に応じた報酬

CONCEPT

作る空間の広さ、 COMPONENT の建設難易度に もバラつきが生じ る。 そこで、行為の 配分によって与 えられる報酬の 割合が変化する 仕組みとする。

ストリーミング 45m² 自販

CLUSTER UNIT

公園

機材 トイレ 60m² 15m² レジ 風力 植栽 ポッド ベンチ 棚 COMPONENT 30m² ロッカー

ワーキング スペース

15m² 宅配

45m² イベント

Kohei Fukuda Architecture Works 2017-2021

73


00:02

SHALDER 気温や日照量からも最適な 空間を判断する

CLUSTER

GARDEN 風力をひきこみ、発電に使用 する

BUILDER STOWAGE から COMPONENT を引き出し、建設

HANGOUT

STOWAGE

STAIRS

CUSTOMER 使用する COMPONENT へ移動

GARDEN

BUILDER 外階段へアクセス

DIAGRAM 74

Kohei Fukuda Architecture Works 2017-2021

CUSTOMER BUILDER 駅からのアクセス

ダイアグラム: 駅から繁華街への人の流れが当建築を動かす


CLUSTER/UNIT / C CLUSTER O M/ UNIT PO R N E N T / COMPONENT CLUSTER - 空間を分ける基準 . 構造体を兼ねる

60m²

UNIT - 壁を回転させ、指定の面積を確保 45m²

15m²

15m² COMPONENT - STOWAGE から引き出し、指定の場所へ設置

植栽

植栽

風力発電

遊具

自販機

ワーキングポッド

会議室

広告

イベント会場 公園

イベント会場 ストリーミング

ワーキングッスペース

イベント

ロッカー 自販機

宅配 Kohei Fukuda Architecture Works 2017-2021

75


S T STEP EP

CUSTOMER

BUILDER

用途、人数、規模、時間を SHALDER .APP 上で指定

SHALDER.APP 上で建設指示が付近に いる登録者へ表示される

最適な面積、動線を確保する CLUSTER、UNIT、COMPONENT が AI により提示される

必要人数に達すると、建設開始

気温、時間、ウォーカビリティ

空き具合や予想建設時間から、最適

CLASTER

UNIT

な空間を提案

支払い 使用後、BUILDER や空間の評価を 行うことで、内容がフィードバック される . 使用データに基づき、お勧 めの使用方法が表示される

COMPONENT 建設後報酬が支払われる . 建設難易 度や CUSTOMER の評価で報酬は変化 する (UNIT の回転数、COMPONENT の 移動距離、作業のクオリティを総合し 評価 )

E X EXAMPLE AMPLES 公園

イベント

植栽の中にポッド

ポッドに受付の

として利用

イベントを開催

を設置し、休憩場所

機能を持たせ、

宅配

自販機

付近の飲食店が、 商品を無人販売

76

Kohei Fukuda Architecture Works 2017-2021

宅配受け取り用 のロッカーを 設置


隣接するビルとの隙間は池袋の街の導線となり、都心の光の洞窟空間が訪れる人々を迎える

RENDERING

イメージパース: 池袋の街の動きが可視化する

Kohei Fukuda Architecture Works 2017-2021

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MEMORIAL

3D PRINTING+CORALREEF

INTERNATIONAL ARCHITECTURE COMPETITION 『THE LAST NUCLEAR BOMB MEMORIAL」


The Memorial

人なき地に遺り続ける水爆実験記念碑

マーシャル諸島・エニウェトク環礁ルニット島 , 2021

Program :記念碑 , 海洋保全構造物 Project :THE LAST NUCLEAR BOMB MEMORIAL Award

:-

人のスケールを超越した『核』 人のスケールを超越する『メモリアル』 ビキニ環礁における水爆実験は多くの被害者を出した。数 十年、数百億年その地に遺り、今も人間の居住を不可能に する核は人間のスケールを超越した物質であった。海面上 昇後もその地に遺り、海洋生物の住まいとして機能を果た す本提案は人類を超えた環境を対象としており、記念碑の あり方を問う。

80

Kohei Fukuda Architecture Works 2017-2021


Kohei Fukuda Architecture Works 2017-2021

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01. 44 回の核実験 エニウェトク環礁 中部太平洋の島国、マーシャル諸島にあるエニウェトク環礁は、 米国による44回の核実験が実施された。日本のマグロ漁船「第 五福竜丸」の被曝で知られる ビキニ環礁での23回より多 く、爆発規模の総量は約3万 2千キロトン、広島原爆(1 6キロトン)の約2千発分に 上る。

03. 人工サンゴ建設 - 核を覆い、生態系を回復 2018 年 8 月、モルディブの海中に、3D プリン ターで作られたセラミックス製の人工サンゴ を設置。人工サンゴを設置したのはオースト ラリアの非営利企業であるリーフ・デザイン・ ラボという会社で、モーターボートにのせら れた人工サンゴのブロックはダイバーによっ て海底へと運ばれ、海底で手作業によって組 み立てられた。全部で 220 個ものパーツを海 中に沈めた後、酸素ボンベを背負ったダイバー が人工サンゴを組み立てていく。リーフ・デ ザイン・ラボの人工サンゴを組み立てるため に特殊な機械は必要なく、手作業で組み立て ることが可能。およそ 2 時間ほどの作業で、 人工のサンゴ礁が完成。その後、生きたサン ゴを人工サンゴに固定し、人工サンゴを養殖

一連の実験で生じた汚染土などを投棄した「ルニットドーム」は、 劣化が進み、放射性物質の海洋流出が懸念されている。

の土台として利用。設置後すぐに人工サンゴ の周囲には魚などの生物が集まってきた。 出典元 : MONGABAY NEWS

02. 老朽化する核の棺 ルニットドーム

04. メモリアルによる海中エコシステムの復活

南北に長いルニット島の北端に「ルニットドーム」はある。19

サンゴを 3D スキャンし、そのモデルを利用して高精度のバイオ

58年の核実験「カクタス」でできたクレーター(直径106メー

プリンティング技術を使用し 3D プリントサンゴを作成する。実

トル、最深部9・5メートル)に、米国が1977年から約40

際に過去に行われた同様の技術による実験だと、プリントされた

島で進めた除染作業に伴う汚染土8万3千立方メートルや、がれ

人工サンゴを藻類の培養器として使ってみたところ、藻類の液体

き4700立方メートルをセメントと混ぜて投棄。

増殖培地よりも藻の成長速度が 100 倍速いことがわかっている。 サンゴの光合成エネルギーを 効率的に収集する仕組み、つ まり藻類との共生メカニズム を人工的に作り出すことでき れば、そのエネルギーを商用 利用することや、死滅しつつ あるサンゴに変わって、二酸化炭素の削減につなげることができ る。サンゴの代わりに藻を育てて光合成を発生させ、海中のエコ システムを復活させれば、やがて本物のサンゴも復活することに

厚さ約45センチのコンクリートパネル357枚で覆い、197

なる可能性もある。

出典元 : Cambridge University

9年に完成した。

出典元 : TechCrunch

2020 年 4 月、科学誌『Nature Communications』に、米国のケ ンブリッジ大学とカリフォルニア大学が共同でサンゴの微細構造

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現状のコンクリートは、ひび割れや剝離が目立つ。表面には植物

を模倣して微細藻類を速く成長させることができる構造を 3D プ

のつるが広がりパネルのつなぎ目に根を張っている。

リントにより作製したことを発表した。

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DIAGRAM

人工サンゴとしての機能を持つメモリアル

海水を用いた耐水性に優れたコンクリートの蓋

プルトニウムなどを含む汚染度の高い土など

セメントと混ぜた汚染土など

大きめの瓦礫や実験施設の鋼材など

セメントを混ぜた汚染土など(海水面以下)

周りを囲むコンクリート壁

核爆発時の堆積物

核実験「カクタス」でできたクレーター

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核分裂反応の模式図から着想を得て造形した球体の積層は、中心に向かって密度や直径が大きくなる。 訪れた人には過去にこの地で使用された核の圧倒的なスケールを体験してもらう。

RENDERING 84

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一度放出された放射能は数十年から数百億年その地に残り続ける。今でもビキニ環礁に住人はいない。 人間のスケールを超えた過去の過ちを記憶するように、人間のいない水没後の敷地にメモリアルは遺る。

イメージパース: 海面上昇後も海洋生物の住処としてメモリアルは遺り続ける Kohei Fukuda Architecture Works 2017-2021

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R E S O R T H OT E L

+ ART&HISTORY

B3 学内設計課題『リゾートホテル』 優秀賞 講評:海洋建築工学科

LANDSCAPE +CRUISE SHIPS

B3 学内設計課題『ランドスケープ』 光井純賞 講評:三井不動産 , 光井純 & アソシエーツ建築設計事務所 , 海洋建築工学科


ART MUSEUM

+PARK

B2 学内設計課題『美術館』 優秀賞 講評:海洋建築工学科

PUBLIC BATHROOM

+JAPANESE GARDEN

ひろしま建築学生チャレンジコンペ 2019 ベスト 8 講評:手塚貴晴 , 手塚由比 他 3 名


YOKOHAMA IMPRESSIONISM 印象派画家が横浜に描くリゾートホテル 神奈川県 横浜市 中区 新港, 2019 Program:リゾートホテル Project :B3 第三設計課題 Award :優秀賞

01. 多様な文化が活きる横浜 , 都市のエッジである新港 日本を感じたく横浜に訪れる日本人はまずいないだろう。 どこかに感じる西洋文化や異国感が日本人にとって新鮮で あり横浜が人気な理由の一つであることは間違いない。今 も多様な文化や民族が暮らす横浜、そして大都市のエッジ としての新港地区にさらに文化をデザインとして受容する。 02. 日本が生んだ異国文化をデザインとして逆輸入する かつて日本が海外に影響を与えた文化がある。江戸時代、 港から輸出した品物の緩衝材として用いられた浮世絵に衝 撃を受けたのは、後に印象派を代表する画家たちであった。 本提案では、日本が輸出した文化に影響されて彼らが描い た景色を新港に逆輸入する。異国間の中にも、わずかに日 本的要素を感じるデザインが人々が求める横浜の姿として 空間を構築していく。

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星月夜のリズムを生むロビー

蓮の葉が浮かぶギャラリー

S=1/200 模型


THA WAVES

大型客船の集客力を利用した新港地区全体ランドスープ開発 神奈川県 横浜市 中区 新港, 2019 Program:空中プロムナード Project :B3 第四設計課題 Award :光井純賞

01. 大型客船の寄港が莫大な集客力に繋がる 2019 年 11 月、横浜ハンマーヘッ ドの開業後初の大型客船が寄港 した。まるで一大イベントのよ うに多くの人が訪れ、皆が子ど ものように目を輝かせて手を振 り、見送る光景に客船の持つ莫 大な集客力を知った。 02. 出港後の客数減少から人々を留めるたまりを提案

審査員の先生方とチームを組んだメンバー

多くの人は出港後駅に向かう事 で、施設内の客数は大幅に減少 した。本提案では新港地区の周 出港前後に撮影したの施設内

辺施設をプロムナードで繋げ、 人々を行き交いさせる事で集客 力の維持と共有をねらう。

リゾートホテルと連携したプロムナード

出港時の客船の横移動を見込んだ設計

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Monnaka Art Tree 芸術が実る地域のシンボルツリー 東京都 江東区 , 2018 Program:美術館 Project :B2 学内設計課題 Award :優秀賞

01. 都心の数少ない子どもの遊び場 計画敷地である門前仲町駅からすぐの牡丹町公園は、夕方 には学校終わりの子供たちや保護者で賑わっていた。住宅 が密に建ち並ぶ都心において、この公園は地域の人にとっ て貴重な緑地空間である。そこで公園としての機能を保持 した美術館を設計することにした。公園から繋がるように 空間を持ち上げ、木に登って街を見渡すかのような芸術鑑 賞空間となっている。 02. 建築に彩を与える展示

回遊する芸術鑑賞空間

建築は公園内のシンボルツリーと なり人々に親しまれ、地域を象徴 するものとなる。展示される彫刻 作品や来館者は木に実る果実のよ うに、建築に彩を与えていく。 既存の公園内緑地と馴染む外観

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木の幹に入り込むエントランス


縮景園三叉院 大名庭園でのおもてなし 広島県 広島市 中区 , 2019 Program:園内化粧室 Project :ひろしま建築学生チャレンジコンペ Award :ベスト8

01. 四季折々の姿に調和するトイレ 国の名勝である縮景園にて老朽化した公衆トイレを改修す る実施コンペが開かれた。本提案は縮景園が見せる四季 折々の姿に調和する景観を持ち、分岐する各トイレを繋ぐ 叉が観光客をもてなす休み処となっている。休み処となる この共有空間を介してひとときを過ごす。再び園内の観光 に戻る際、寂しくもどこか美しく水が流れていたこの空間 は縮景園をより豊かにする。

各トイレが分岐する休み処

自然光を取り込む内部

02. 中間領域が結び目となる導線計画

景観にリズムを与える裏側

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ACTIVITIES これまでの主な活動について


01. 海外の設計事務所訪問 - 大規模な開発や広い舞台に立つ設計活動を志す 学部 3 年生に進級する春にアメリカ ニューヨー クに一人旅をし、現地の設計事務所を訪問しま した。NASA による火星基地設計コンペで優勝 した Clouds AO に伺い、自身の作品に対するエ スキスを受け、同時に担当中の現場の訪問など の就業体験も行いました。 旅行中では、特にハドソンヤードの建設ラッシュ には、大きな刺激を受け、同時に海外でも活躍 できる設計者を志すようになりました。 他にも美術館や個展、舞台、ジャズなどを鑑賞し、 芸術漬けの日々でした。当時の私の知見で得ら れるものはわずかでしたが、再考を繰り返し、 進級進学するとともに理解を深め、現在も設計 解の幅を広げることができています。 上左:同事務所が提案した火星基地 Mars Ice House 模型 上右:現地で訪問した現場(ISSAY MIYAKE)

下左:事務所を主宰する建築家の方と訪れた Oscar Oiwa 氏の個展 下右:ハイラインから撮影したハドソンヤードの建設ラッシュ

02. デジタルファブリケーションを活用した研究活動 デジタルツールを用いた形状や耐久性の検討

デジタルファブリケーションを活用し、設計か ら施工まで自らが行える空間作り研究していま す。少子高齢化による職人と作り手の不足とい う社会問題に対し、専門的な施工者を必要とせ ずに、誰でも空間を作り上げられる建築の形を 追究するのがねらいです。今後は空き家改修や

Rhinoceros, Grasshopper による形状検討と 構造解析ソフトを用いた耐久性の検討

被災地の復興、住民参画の空間づくりを提案し ます。

島根県有福温泉街における空き家改修 PJ

2021 7/8

日刊建設工業新聞 本研究が日刊建設工業新 聞に特集されました。 学内に実施したファニ チャーウォールと今後の 地域活性化や新たな学内 実施についての記事を載

デジファブを活用した空間を提案し、 行政との打ち合わせや遠隔による設計活動中

せていただきました。

03. ワークショップレクチャー - クライアントの声を聞き、設計解で応える経験 川久保智康建築設計事務所として、保育園改修 におけるワークショップの運営とレクチャーを 行いました。埼玉県熊谷市にあるなでしこ保育 園は一級建築士の資格を持つ園長さんを中心に、 年齢関係なく保育士さんたちが積極的にアイ ディアを出し合える職場環境でした。初めに園 内を周り、現状の空間を図面を片手に読み解き、 ワークショップに移りました。図書館が欲しい、 じゃぶじゃぶ池が欲しいなど、次々と要望があ り、園児の為の空間はもちろん、保育士さんの 為のカフェテリアなど使う人みんなにとって居 心地良くて便利なプランが求められました。最 後に各班が発表するいという一連の流れから、 クライアントの要望に設計で応え、喜んでもら う、笑顔になってもらう素晴らしさを体験しま した。

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04. 卒業設計展実行委員 - コロナ禍で求められた初の試み、成功した経験の継承 赤レンガ卒業設計展の実行委員として審 査員の選定から交渉までの業務や当日の 運営に携わりました。コロナ禍における 初の卒業設計展ということで、感染予防 対策に配慮した運営や初のオンライン配 信が実行委員である学生の我々に求めら れ、日々困難の連続でした。会場に来ら れない審査員や、収容人数に限りがある 中、学生たち自らが発表者の導線や入れ 替え時間を徹底して計画し、初の試みな がら成功に導くことができました。この 経験を後輩に引き継ぎ、今年の卒業設計 展も無事に成功しています。

05. 海外旅行 - 芸術鑑賞

外から日本を見る広い視野を持ち、経験を積むことを大事にする 在学中に欧州と米国を中心に 9 カ国 16 の都市を訪れました。語学研修や一人旅 などの積極的な交流を自ら図り、各国に 今も連絡を取り合う友人がいます。彼ら の思想や文化を尊重し、多様な文化から 自身や自国を見る幅の広い視野を持ち、 経験を積むことを大事にしています。ま た、各国の美術館・博物館を観光した際 に、日本との環境の違いを強く感じまし た。建築の在り方が各国で異なるとき、 使い方も違ければ、設計者に求められる ものも違うと気付いた時から世界中の 人々の使い方を許容できる空間を設計で きるようになりたいと思っています。

06. 休日の過ごし方

定期的に大自然と触れるようにする 最近は両親の影響で登山をするようにな りました。今夏は噴火警戒レベルが落ち て、入山できるようになった浅間山に往 復9時間かけて登ってきました。普段研 究室や自宅で引きこもって生活している 身体は悲鳴をあげますが、定期的に大自 然と触れる機会が良いリフレッシュに なっています。他にもアウトドアスポー ツが好きで、その中でもスノーボードが 得意です。また、スカイダイビングなど も好きなので危機感をはらむ大自然の体 験が好きなのかもしれないと思っていま す。

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Nihon Univercity Graduate School of Science and Technology

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THANK YOU

Nothing Seek, Nothing Find. Architecture Is More.


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